特許 6601969 放送受信装置、放送受信方法およびプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6601969

(24)【登録日】2019年10月18日

(45)【発行日】2019年11月6日

(54)【発明の名称】放送受信装置、放送受信方法およびプログラム

(51)【国際特許分類】

   H04N 21/435 20110101AFI20191028BHJP

   H04N 21/436 20110101ALI20191028BHJP

   H04H 60/27 20080101ALI20191028BHJP

   H04H 60/33 20080101ALI20191028BHJP

【ＦＩ】

   H04N21/435

   H04N21/436

   H04H60/27

   H04H60/33

【請求項の数】7

【全頁数】30

(21)【出願番号】特願2016-189201(P2016-189201)

(22)【出願日】2016年9月28日

(65)【公開番号】特開2018-56741(P2018-56741A)

(43)【公開日】2018年4月5日

【審査請求日】2019年3月20日

(73)【特許権者】

【識別番号】000005049

【氏名又は名称】シャープ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100161207

【弁理士】

【氏名又は名称】西澤 和純

(74)【代理人】

【識別番号】100129115

【弁理士】

【氏名又は名称】三木 雅夫

(74)【代理人】

【識別番号】100133569

【弁理士】

【氏名又は名称】野村 進

(74)【代理人】

【識別番号】100131473

【弁理士】

【氏名又は名称】覚田 功二

(72)【発明者】

【氏名】中瀬 陽之

(72)【発明者】

【氏名】青木 緑

(72)【発明者】

【氏名】栗原 良一

【審査官】 富樫 明

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１０−１７８１９０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許出願公開第２０１５／０２２２９５８（ＵＳ，Ａ１）

【文献】 特開２００３−３４５７６８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００７−１０４３４６（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００２−１４０４８７（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｈ０４Ｎ ２１／００−２１／８５８

Ｈ０４Ｈ ６０／２７

Ｈ０４Ｈ ６０／３３

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理部と、
前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、
自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、
取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理部と、
を備える放送受信装置。

【請求項2】

前記データ放送対応リスト処理部は、
集計した処理結果を前記データ放送用データにより指定された機器に送信する
請求項１に記載の放送受信装置。

【請求項3】

前記データ放送対応リスト処理部は、
前記集計又は前記集計した処理結果の送信を、前記他の放送受信装置が前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果の取得を開始するとき、中断する
請求項２に記載の放送受信装置。

【請求項4】

前記データ放送対応リスト処理部は、
前記取得したリスト項目のうち、処理結果が未集計である各リスト項目の処理結果を集計する
請求項２又は請求項３に記載の放送受信装置。

【請求項5】

前記データ放送対応リスト処理部は、前記集計において、取得したリスト項目の処理結果の集計方法がユーザ内加算型であるとき、取得した各リスト項目の処理結果を加算し、前記取得したリスト項目の処理結果の集計方法が選択型又はユーザ間加算型であるとき、前記取得したリスト項目の処理結果のいずれかを選択する
請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の放送受信装置。

【請求項6】

放送受信装置の放送受信方法であって、
テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理ステップと、
前記データ放送用データ処理ステップにより処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、
自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、
取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理ステップと、
を有する放送受信方法。

【請求項7】

コンピュータに
テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理部と、
前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、
自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、
取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理部と、
放送受信装置として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、放送受信装置、放送受信方法およびプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

ＢＳ（Broadcasting Satellite）放送、ＣＳ（Communication Satellite）放送および地上波デジタル放送などのテレビジョン放送においては、データ放送サービスが提供されている。テレビジョン放送のデータ放送に対応する放送受信装置は、ＢＭＬ（Broadcast Markup Language）ブラウザを実装する。データ放送は、ＢＭＬにより記述されたＢＭＬ文書を含むデータ放送のコンテンツのデータ（データ放送用データ）を伝送する。放送受信装置に実装されたＢＭＬブラウザは、受信されたデータ放送用データに含まれるＢＭＬ文書の解釈、ＥＣＭＡＳｃｒｉｐｔ（登録商標）の実行などを行って、データ放送用データの画面を表示させる。つまり、ＢＭＬ文書はデータ放送サービスを提供するアプリケーションとして作用する。標準規格ＡＲＩＢ ＳＴＤ−Ｂ２４規格書において、データ放送用データを送信する仕組みや、データ放送用データを放送受信装置に記憶させる仕組みなどが規定されている。また、標準規格ＡＲＩＢ ＳＴＤ−Ｂ６０規格書には、受信機で動作しているアプリケーションに対して、放送局から即時あるいは指定時刻にメッセージ情報（イベントメッセージ）を送る手段について例示されている。データ放送サービスの多様化の一環として放送により視聴者参加型番組が提供されることがある。視聴者参加型番組に関して、技術資料ＮＥＸＴＶＦ ＴＲ−０００４高度広帯域衛星デジタル放送運用規定には、イベントメッセージテーブル（ＥＭＴ：Event Message Table）受信時のテレビジョン受信装置の動作例について規定されている。視聴者参加型番組では、番組を視聴している視聴者からのアクションが番組の進行や放送内容に関連した調査に用いられることがある。アクションとは、データ放送用データの一部として提供されるアプリケーションで指示される処理により取得されるユーザの操作に応じて取得される情報である。アクションには、例えば、番組で提示された質問もしくは番組で扱われた事物についての質問に対する応答などがある。放送受信装置は、自機が備える永続記憶装置（不揮発性メモリ）にデータ放送用データを記憶する。技術資料ＡＲＩＢ ＴＲ−Ｂ１４、ＴＲ−Ｂ１５には永続記憶装置に対する運用方法について規定されている。

【0003】

しかしながら、放送受信装置において記憶されたデータ放送用データは、ＢＭＬ文書に基づいて管理されている。このため、永続記憶装置に記憶されたデータ放送用データへのアクセスは、放送受信装置に実装されたＢＭＬブラウザによって行われる。このことは、放送受信装置において、テレビジョン放送の受信に関連して実装されるＢＭＬブラウザ以外のソフトウェア（受信装置ソフトウェア）によっては、永続記憶装置に記憶されたデータ放送用データにアクセスできないことを意味する。

【0004】

また、視聴者参加型番組では、放送事業者が管理するサーバ装置において視聴者のアクションを示す返信データを集計する。この点に関して、特許文献１には、視聴者の返信データをデータ放送局に送信するデータ放送システムについて記載されている。当該データ放送局は複数の視聴者からの返信データを、所定のルールに基づいて選別、集計する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２００２−２９０３５１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

昨今では、各種の端末装置の普及に伴い、ユーザは複数の放送受信装置を使い分けたいと考えることがある。しかしながら、上述したデータ放送用データは、各機器において処理が完結するデータ放送専用であるので、視聴者のアクションを複数の機器間で集約することは想定されていなかった。

【0007】

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、データ放送用データにおけるスクリプトの内容を変更することなく、放送受信装置間で分散したアクションを集計することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上述した課題を解決するための本発明の一態様は、テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理部と、前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理部と、を備える放送受信装置である。

【発明の効果】

【0009】

この発明によれば、データ放送用データにおけるスクリプトの内容を変更することなく、放送受信装置間で分散した視聴者のアクションを集計することできるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】本実施形態における放送受信システムの構成例を示す図である。

【図2】本実施形態における放送受信装置の構成例を示す図である。

【図3】本実施形態におけるＥＭＴの構造例を示す図である。

【図4】本実施形態におけるファイルプロファイルの構造例及び内容例を示す図である。

【図5】本実施形態における放送受信装置によるデータ放送用データ記憶部へのファイルの書き込みと、データ放送対応リスト記憶部へのリスト項目の書き込みとの概要を説明する図である。

【図6】本実施形態におけるデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示す図である。

【図7】本実施形態の放送受信装置がデータ放送対応リスト記憶部へのリスト項目の書き込みに関して実行する処理手順例を示すフローチャートである。

【図8】本実施形態における放送受信装置によるデータ放送用データ記憶部からのファイルの読み出しと、データ放送対応リスト記憶部からのリスト項目の読み出しとの概要を説明する図である。

【図9】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第１例に対応するデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示す図である。

【図10】本実施形態の放送受信装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。

【図11】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第２例に対応するデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示す図である。

【図12】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第２例に対応するデータ放送対応リストのリスト項目の内容の更新例を示す図である。

【図13】本実施形態の放送受信装置が実行する処理時間の例を示す図である。

【図14】本実施形態の放送受信装置が集計した集計結果の表示例を説明する図である。

【発明を実施するための形態】

【0011】

図１は、本実施形態に係る放送受信システムの構成例を示している。放送受信システム１は、複数の放送受信装置１００を含んで構成される。放送受信装置１００は、それぞれＢＳ放送、ＣＳ放送あるいは地上波デジタルテレビジョン放送などのデジタルテレビジョン放送を受信し、映像音声を出力することができる。また、複数の放送受信装置１００は、無線又は有線で各種のデータが相互間で送受信可能であり、放送事業者の集計サーバ３００との間でも各種のデータが通信で送受信可能である。

【0012】

図１に示す例では、放送受信システム１は、３個の放送受信装置１００を含んで構成される。３個の放送受信装置１００は、放送受信装置１００−１〜１００−３として区別されている。放送受信装置１００−１〜１００−３は、中継装置２００を介して所定の無線通信方式（例えば、ＩＥＥＥ８０２．１１規格）を用いて接続される。これにより、ネットワークＮＷ０１が形成される。ネットワークＮＷ０１は、例えば、無線ＬＡＮ（Local Area Network）などのＬＡＮである。ＮＷ０１放送受信装置１００−１〜１００−３は、いずれも中継装置２００とネットワークＮＷ０２を介して集計サーバ３００と接続される。ネットワークＮＷ０２は、例えば、インターネット、公衆無線通信網、又はこれらの組み合わせからなるＷＡＮ（Wide Area Network）である。なお、放送受信装置１００−１は、放送受信装置１００−２と、所定の通信インタフェース（例えば、ＨＤＭＩ（登録商標）：High Definition Multimedia Interface）を介して直接接続される。

【0013】

また、放送受信装置１００は、専用のテレビジョン受信装置に限られず、放送番組の映像出力以外の機能を主機能として有する機器であってもよい。放送受信装置１００−１、１００−２、１００−３は、例えば、テレビジョン受信装置、録画機、多機能携帯電話機である。これら複数の放送受信装置１００は、例えば、個々のユーザ、世帯その他のグループ毎に管理される。以下の説明では、放送受信装置１００と管理主体が共通である別個の放送受信装置１００を共通機器と呼ぶことがある。共通機器は、例えば放送受信装置１００−１と同じ家屋に設置されている、ユーザが共通である他の放送受信装置１００−２である。

【0014】

中継装置２００は、ネットワークＮＷ０１に接続された機器間のデータの送受信を中継し、それらの機器とネットワークＮＷ０２に接続された他の機器との間で各種のデータを送受信する。中継装置２００は、例えば、無線ＬＡＮ（Local Area Network）ルータである。
集計サーバ３００は、放送受信装置１００からのアクションを視聴者毎に集計するサーバ装置である。アクションは、例えば、データ放送において伝送された質問に対する回答が含まれる。集計サーバ３００は、例えば、そのデータ放送を放送する放送事業者もしくは質問に係る調査事業者によって管理される。

【0015】

（放送受信装置）
次に、本実施形態に係る放送受信装置１００の構成例について説明する。
なお、複数の放送受信装置１００間で行われる処理については、ある１台の放送受信装置１００に係る説明を主とし、相手先となる他の放送受信装置１００を共通機器と呼ぶ。また、共通機器が、放送受信装置１００と同様の構成を備えることを例とする。

【0016】

図２は、本実施形態の放送受信装置の構成例を示す。
図２に示す放送受信装置１００は、アンテナＡＮＴ、チューナ部１０１、デマルチプレクサ１０２、映像音声デコード部１０３、映像処理部１０４、映像出力部１０５、音声処理部１０６、音声出力部１０７、データ放送用データデコード部１０８、データ放送対応ブラウザ部１０９、データ放送用データ記憶部１１０、番組情報処理部１１１、データ放送対応リスト記憶制御部１１２、データ放送対応リスト記憶部１１３、データ放送対応リスト処理部１１４、ネットワーク対応通信部１１５、操作受付部１１６、及びデータ放送用データ処理部１１７を備える。

【0017】

チューナ部１０１は、アンテナＡＮＴにて受信されたデジタルテレビジョン放送の放送信号を入力して選局を行う。

【0018】

デマルチプレクサ１０２は、チューナ部１０１から入力された放送信号について、映像信号、音声信号、データ放送用データ、及び番組情報に分離する。

【0019】

映像音声デコード部１０３は、デマルチプレクサ１０２によって放送信号から分離された映像信号及び音声信号を入力し、入力された映像信号と音声信号とについて、それぞれ復調を行う。

【0020】

映像処理部１０４は、映像音声デコード部１０３により復調された映像信号と、データ放送対応ブラウザ部１０９から出力された映像信号とを入力可能する。映像処理部１０４は、入力された映像信号が映像出力部１０５にて映像として出力するための処理を実行する。

【0021】

映像出力部１０５は、映像処理部１０４の処理に応じて映像を出力する。映像出力部１０５は、例えばディスプレイデバイスにより映像を表示するように出力することができる。また、映像出力部１０５は、映像出力端子を備えることで、外部に映像信号として映像を出力可能にしてもよい。

【0022】

音声処理部１０６は、映像音声デコード部１０３により復調された音声信号と、データ放送対応ブラウザ部１０９から出力された音声信号とを入力する。音声処理部１０６は、入力された音声信号が音声出力部１０７にて音声として出力するための処理を実行する。

【0023】

音声出力部１０７は、音声処理部１０６の処理に応じて音声を出力する。音声出力部１０７は、例えばスピーカから音声を出力させることができる。また、音声出力部１０７は、音声出力端子を備えることで、外部に音声信号として音声を出力可能にしてもよい。

【0024】

データ放送用データデコード部１０８は、デマルチプレクサ１０２により放送信号から分離されたデータ放送用データについて復調を行う。
データ放送対応ブラウザ部１０９（データ放送用データ処理部の一例）は、データ放送用データデコード部１０８により復調されたデータ放送用データを入力し、データ放送用データについて処理を行ってデータ放送コンテンツの再生を行う。具体的には、データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送用データに含まれるＢＭＬ文書の解釈、スクリプト（例えば、ＥＣＭＡＳｃｒｉｐｔ（登録商標））に記述された処理の実行などを行う。このような処理の結果、データ放送のコンテンツとしての映像信号は映像処理部１０４に入力され、データ放送のコンテンツとしての音声信号は音声処理部１０６に入力される。この結果、データ放送のコンテンツの映像、音声が再生出力される。

【0025】

データ放送用データ記憶部１１０は、データ放送用データを、例えば、ファイル単位で記憶する永続記憶装置（不揮発性メモリ）である。データ放送用データ記憶部１１０は、データ放送が対応する規格に従って、データ放送対応ブラウザ部１０９及びデータ放送用データ処理部１１７の機能に対応するアプリケーション（ソフトウェア）はアクセスできるが、データ放送対応ブラウザ部１０９以外であって、放送受信装置１００における機能に応じたアプリケーション（受信装置ソフトウェア）によってはアクセスできない。

【0026】

データ放送用データ処理部１１７は、データ放送対応ブラウザ部１０９はがデータ放送のコンテンツの再生出力に際して処理したデータ放送用データをデータ放送用データ記憶部１１０に記憶させる。

【0027】

番組情報処理部１１１は、デマルチプレクサ１０２により放送信号から分離された番組情報を入力し、入力された番組情報についての処理を実行する。番組情報には、例えば電子番組表を構築する情報を含むＥＩＴ（Event Information Table）、放送受信装置１００にて動作するアプリケーションに放送局側からメッセージを伝送するために用いられるＥＭＴなどが含まれる。

【0028】

データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、データ放送対応ブラウザ部１０９により処理されたデータ放送用データに対応するリスト項目を含むデータ放送対応リストを、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶させる。
具体的に、本実施形態におけるデータ放送対応リスト記憶制御部１１２は、データ放送対応ブラウザ部１０９により処理され、データ放送対応ブラウザ部１０９に記憶されたファイルについてのプロフィールを、データ放送対応リストのリスト項目として作成する。データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、作成したリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストに追加する。

【0029】

データ放送対応リスト記憶部１１３は、データ放送対応リストを記憶する永続記憶装置である。データ放送対応リスト記憶部１１３は、受信装置ソフトウェアがアクセスすることができる。
前述のように、データ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストを構成するリスト項目は、それぞれ、データ放送対応ブラウザ部１０９により処理されたデータ放送用データのファイルについてのプロフィールである。従って、データ放送対応リスト記憶部１１３には、データ放送用データ記憶部１１０に記憶されるデータ放送用データのファイルと同等の情報が記憶されていることになる。これにより、受信装置ソフトウェアは、自己がアクセス不可のデータ放送用データ記憶部１１０に記憶されるデータ放送用データのファイルと同等の情報を、データ放送対応リスト記憶部１１３に対するアクセスによって参照可能になる。

【0030】

なお、データ放送用データ記憶部１１０とデータ放送対応リスト記憶部１１３とは、物理的に異なる記憶装置とされてもよいし、同じ記憶装置において論理的に分離された領域とされてもよい。

【0031】

データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送対応リスト記憶部１１３から読み出したリスト項目のデータに基づく処理を実行する。

【0032】

ネットワーク対応通信部１１５は、ネットワークＮＷ０２を介して他の機器との間の通信ならびにその制御を行う。ネットワーク対応通信部１１５は、ネットワークＮＷ０２を介さずに他の機器と直接接続されてもよい。
操作受付部１１６は、リモートコントローラＲＭから出力される操作信号（例えば、赤外線信号）を受信し、受信された操作信号が示す操作を受け付ける。なお、操作受付部１１６は、放送受信装置１００が備える操作子などに対して行われた操作を受け付けてもよい。
リモートコントローラＲＭは、ユーザが放送受信装置１００に対する操作を行うための操作デバイスとして利用される。リモートコントローラＲＭは、操作に応じて生じた操作信号を無線により出力する。

【0033】

前述のように、本実施形態の例では、データ放送用データのファイルのデータ放送用データ記憶部１１０への書き込みと、データ放送用データ記憶部１１０に書き込まれたファイルに応じたリスト項目のデータ放送対応リスト記憶部１１３への書き込みとが行われるように構成される。
上記のような構成に対応して、本実施形態においては、番組情報の１つであるＥＭＴにおいて、各種の制御情報とともに、データ放送用データのファイルについての管理を可能とするためのファイルプロファイルが格納されるようにする。この点について図３及び図４を参照して説明する。

【0034】

図３（Ａ）は、ＥＭＴの構造例を示している。同図において破線で括って示すように、ＥＭＴにおいては、「descriptor（記述子領域）」にイベントメッセージ記述子（Event_Message_Descriptor）が格納される。イベントメッセージ記述子は、イベントメッセージ一般に関する情報を伝達するために使用される。
図３（Ｂ）は、イベントメッセージ記述子の構造例を示している。同図において破線で括って示すように、イベントメッセージ記述子には「private_data_byte（プライベートデータ）」の領域が含まれる。本実施形態においては、プライベートデータの領域にファイルプロファイルが格納される。

【0035】

図４は、プライベートデータの領域に格納されるファイルプロファイルの構造例及び内容例を示している。
図４（Ａ）は、視聴者参加型のデータ放送のコンテンツとして、じゃんけんゲームが行われるコンテンツのファイルに対応するファイルプロファイルの内容例を示している。同図のファイルプロファイルは、ファイル名、リスト化可否フラグ、データアップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法の各制御項目を有する構造である。

【0036】

ファイル名は、対応のデータ放送用データのファイルに付与されたファイル名を示す制御項目である。同図では、「じゃんけん」とのファイル名が格納された例が示されている。

【0037】

リスト化可否フラグは、対応のデータ放送用データのファイルに対応するリスト項目をデータ放送対応リストに登録（リスト化）してよいか否かを示すフラグである。ここでは、リスト化可否フラグは、「０」によりリスト化不可（ＮＧ）を示し、「１」によりリスト化可能（ＯＫ）を示すようにされており、同図では「１」が格納されていることで、リスト化可能であることが示されている。

【0038】

データアップロード可否フラグは、データ放送対応リストにおける対応のリスト項目をアップロード先にアップロードしてよいか否かを示すフラグである。ここでは、データアップロード可否フラグは、「０」によりアップロード不可（ＮＧ）を示し、「１」によりアップロード可能（ＯＫ）を示すようにされており、同図では「１」が格納されていることで、アップロード可能であることが示されている。なお、アップロード先である集計サーバ３００については、対応のデータ放送用データのファイルによって指定される。

【0039】

共有可否フラグは、対応のリスト項目の情報について、異なるサービス間での共有が許可されているか否かを示すフラグである。ここでは、共有可否フラグは、「０」により共有不可（ＮＧ）を示し、「１」により共有可能（ＯＫ）を示すようにされており、同図では「０」が格納されていることで、共有不可であることが示されている。

【0040】

集計方法は、対応のリスト項目に示される情報について、共通機器間での集計を行う場合において、集計方法を指定する制御項目である。同図では、「０」が格納されることにより、選択型の集計方法が指定されることを示している。

【0041】

図４（Ｂ）は、視聴者参加型のデータ放送のコンテンツとして、ユーザのアクション（例えば、リモートコントローラにおける所定のボタンを操作したことなど）に応じてポイントが付与されるコンテンツのファイルに対応するファイルプロファイルの内容例を示している。
同図のファイルプロファイルの場合、ファイル名の制御項目においては「ポイント」とのファイル名が格納されている。リスト化可否フラグについては、「１」が格納されていることで、リスト化可能であることが示される。データアップロード可否フラグについては、「１」が格納されることで、アップロード可能であることが示される。共有可否フラグについては、「１」が格納されることで、共有可能であることが示される。集計方法については、「１」が格納されることにより、加算型の集計方法が指定されることを示している。
なお、同図に示されるファイルプロファイルの定義内容はあくまでも一例であって一部の項目が追加、削除又は変更されてもよい。

【0042】

集計方法として、ユーザ間加算型とユーザ内加算型が定義されてもよい。ユーザ間加算型とは、集計サーバ３００において複数のユーザ間において回答を累積するが、各ユーザにおいて複数の回答を累積しない集計方法である。ユーザ間加算型の回答に対する処理の例については、図９を用いて後述する。ユーザ内加算型とは、集計サーバ３００においてユーザ間において回答を必ずしも累積せず、各ユーザにおいて複数の回答を累積する集計方法を意味する。ユーザ内加算型の回答に対する処理の例については、図１１を用いて後述する。ユーザ間加算型を示す集計方法の値は、例えば、「２」である。ユーザ内加算型を示す集計方法の値は、例えば、「３」である。放送受信装置１００においては、集計方法がユーザ間加算型である回答については、集計方法が選択型である回答と同様な処理が行われてもよい。集計方法がユーザ内加算型である回答については、集計方法が上述の加算型である回答と同様な処理が行われてもよい。

【0043】

図５を参照して、本実施形態における放送受信装置１００によるデータ放送用データ記憶部１１０へのファイルの書き込みと、データ放送対応リスト記憶部１１３へのリスト項目の書き込みとの概要に関して説明する。
同図においては、或る視聴者参加型のデータ放送のコンテンツにおけるスクリプト２００−１の記述内容例が示されている。例えば、スクリプト２００−１の実行を伴うコンテンツの再生に際して、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト２００−１を実行していくことにより、或る段階においてスクリプト行２０１を実行する。スクリプト行２０１の実行により、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト行２０１により指定されるファイル「savedataA」を、データ放送用データ記憶部１１０に書き込む制御を実行する（ステップＳ１）。つまり、データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送用データ処理部１１７に書き込み対象のファイルを渡す。データ放送用データ処理部１１７は渡されたデータ放送用データ記憶部１１０へのファイルの書き込みを実行する。
そのうえで、本実施形態においては、データ放送対応ブラウザ部１０９が、データ放送用データ記憶部１１０へのファイルの書き込みを行うと、データ放送対応リスト記憶制御部１１２に対して、データ放送用データ記憶部１１０に書き込んだファイルに対応するリスト項目の書き込みの指示（リスト項目書込指示）を行う。
そこで、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、リスト項目書込指示が得られたことに応じて、ステップＳ１により書き込まれたファイルに対応するプロフィールを示すリスト項目のデータを作成する。データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、作成したリスト項目をデータ放送対応リストに追加するようにデータ放送対応リスト記憶部１１３に書き込む（ステップＳ２）。

【0044】

上記のようにスクリプト行２０１の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部１０９が、さらにスクリプト２００−１を実行していくと、或る段階にてスクリプト行２０２を実行する。スクリプト行２０２の実行により、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト行２０２により指定されるファイル「savedataB」を、データ放送用データ記憶部１１０に書き込む制御を実行する（ステップＳ１１）。
データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送対応リスト記憶制御部１１２に対して、ステップＳ１１によりデータ放送用データ記憶部１１０に書き込んだファイルに対応するリスト項目書込指示を行う。
データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、リスト項目書込指示が得られたことに応じて、ステップＳ１１により書き込まれたファイルに対応するプロフィールを示すリスト項目のデータを作成する。データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、作成したリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部１１３の放送対応リストに追加するように書き込む（ステップＳ１２）。

【0045】

さらに、上記のようにスクリプト行２０２の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部１０９が、さらにスクリプト２００−１を実行していくと、或る段階にてスクリプト行２０３を実行する。スクリプト行２０３の実行により、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト行２０３により指定されるファイル「savedataC」を、データ放送用データ記憶部１１０に書き込む制御を実行する（ステップＳ２１）。
データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送対応リスト記憶制御部１１２に対して、ステップＳ２１によりデータ放送用データ記憶部１１０に書き込んだファイルに対応するリスト項目書込指示を行う。
データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、リスト項目書込指示が得られたことに応じて、ステップＳ２１により書き込まれたファイルに対応するプロフィールを示すリスト項目のデータを作成する。データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、作成したリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部１１３のデータ放送対応リストに追加するように書き込む（ステップＳ２２）。

【0046】

このようにして、本実施形態においては、データ放送用データにおけるスクリプトの指示に従って、データ放送対応ブラウザ部１０９が、データ放送用データ記憶部１１０へのファイルの書き込みを行う。これに伴って、受信装置ソフトウェアにより実現されるデータ放送対応リスト記憶制御部１１２が、データ放送用データ記憶部１１０に書き込まれたデータに対応するリスト項目を、データ放送対応リスト記憶部１１３に書き込むことができる。

【0047】

図６は、上記のステップＳ２、ステップＳ１２、あるいはステップＳ２２の処理によって、データ放送対応リスト記憶部１１３に書き込まれたリスト項目の内容例を示している。同図のリスト項目の内容は、図４（Ａ）に示したファイルプロファイルに対応するデータ放送用データのファイルに対応してユーザのアクションが得られた場合に対応する。
同図のリスト項目は、サービスＩＤ、イベントＩＤ、番組名、保存日時、ファイル名、保存値、サイズ、ユーザ正当性フラグ、視聴者参加型識別フラグ、データアップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法のリスト項目要素を含む。
サービスＩＤのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルが対応するサービスを示すサービスＩＤを格納する。
イベントＩＤのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルが対応するイベントを示すイベントＩＤを格納する。
番組名のリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データに対応する番組の番組名を格納する。
保存日時のリスト項目要素は、当該リスト項目がデータ放送対応リスト記憶部１１３に書き込まれた（保存された）日時を示す。
ファイル名のリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルに付与されたファイル名を格納する。同図においては、図４（Ａ）と同じ「じゃんけん」とのファイル名が格納された状態が示されている。

【0048】

保存値のリスト項目要素は、当該リスト項目に対応するユーザのアクションによって得られた値（保存値）を格納する。同図においては、「ぐー勝」のように、ユーザのアクションとして「ぐー」の選択によりユーザがじゃんけんに勝利したことが表された例が示されている。

【0049】

サイズのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルのサイズを示す値を格納する。
ユーザ正当性フラグのリスト項目要素は、視聴者であるユーザがデジタルテレビジョン放送を視聴する正当性を有するか否かを示すフラグを格納する。ここでのユーザ正当性フラグは、「０」により正当でないことを示し、「１」により正当であることを示すようにされ、同図では「１」を格納していることで、ユーザが正当性を有することが示されている。なお、ユーザ正当性フラグは、例えば限定受信方式のもとでユーザに付与された番号などであってもよい。
視聴者参加型識別フラグのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送のコンテンツが視聴者参加型であるか否かを示すフラグである。ここでの視聴者参加型識別フラグは、「０」により視聴者参加型でないことを示し、「１」により視聴者参加型であることを示すようにされ、同図では「１」を格納していることで、視聴者参加型であることが示されている。

【0050】

データアップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法の各リスト項目要素については、対応のデータ放送用データについての履歴管理対象ファイル制御情報（図４）において示されていたデータアップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法の各制御項目の内容が反映される。

【0051】

続いて、図７のフローチャートを参照して、本実施形態の放送受信装置１００がデータ放送対応リスト記憶部１１３へのリスト項目の書き込みに関して実行する処理手順例について説明する。

【0052】

放送受信装置１００において、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、データ放送用データ記憶部１１０の記憶内容についての更新指示が得られることを待機する（ステップＳ１０１−ＮＯ）。
データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送用データが受信されることに応じて、データ放送用データのファイルの処理を実行している。そして、データ放送用データ処理部１１７は、データ放送用データのファイルの処理の実行の過程において、例えば、図４のスクリプト行２０１、２０２、２０３のように、ファイルの書き込みを指示する記述に対応する処理として、指定されたファイルのデータ放送用データ記憶部１１０への書き込みを実行する。そのうえで、データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送用データ記憶部１１０へのファイルの書き込みが行われたことに伴い、データ放送対応リスト記憶制御部１１２に対して、データ放送用データ記憶部１１０の記憶内容の更新指示を行う。
上記のようにして更新指示が得られると（ステップＳ１０１−ＹＥＳ）、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、データ放送用データ記憶部１１０への書き込みが行われたファイルについてのファイルプロファイルを取得する（ステップＳ１０２）。ファイルプロファイルは、前述のように、ＥＭＴのプライベートデータの領域に格納されている。データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、番組情報処理部１１１からファイルプロファイルを取得すればよい。

【0053】

データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、ステップＳ１０２により取得したファイルプロファイルにおけるリスト化可否フラグを参照し、リスト化が許可されているか否かについて判定する（ステップＳ１０３）。

【0054】

リスト化可否フラグが「１」である場合、つまり、リスト化が許可されていた場合（ステップＳ１０３−ＹＥＳ）、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、リスト項目の作成に必要なリスト項目要素を取得する（ステップＳ１０４）。ここで取得するリスト項目要素は、図６に示したように、サービスＩＤ、イベントＩＤ、番組名、保存日時、ファイル名、保存値、サイズ、ユーザ正当性フラグ、及び視聴者参加型識別フラグである。これらのリスト項目要素のうち、サービスＩＤ、イベントＩＤ、番組名、サイズ、視聴者参加型識別フラグ等については番組情報処理部１１１にて得られている番組情報から取得できる。データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、ユーザ正当性フラグについて、例えば、番組データに付随して伝送されるＣＡ（Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎａｌ Ａｃｃｅｓｓ）契約情報記述子に記述された契約情報に基づいて放送受信装置１００のユーザが番組を提供する放送事業者と正当な視聴契約を有するか否かに基づいて決定できる。保存日時については、現在日時を取得すればよい。なお、リスト化可否フラグが「０」である場合、つまり、リスト化が許可されていない場合（ステップＳ１０３−ＮＯ）、図７に示す処理を終了する。
データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、ステップＳ１０４により取得したリスト項目要素を利用してリスト項目を作成する（ステップＳ１０５）。

【0055】

次に、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、ステップＳ１０５により作成したリスト項目に対応するデータ放送用データのファイルと同じファイルについてのリスト項目が、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されるデータ放送対応リストに含まれているか否かについて判定する（ステップＳ１０６）。
同じファイルに対応のリスト項目がデータ放送対応リストに含まれていなかった場合（ステップＳ１０６−ＮＯ）、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、データ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストに、ステップＳ１０５により作成したリスト項目を追加して記憶させる（ステップＳ１０７）。その後、図７に示す処理を終了する。
一方、同じファイルに対応のリスト項目がデータ放送対応リストに含まれていた場合（ステップＳ１０６−ＹＥＳ）、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、データ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストに含まれていた、同じファイルに対応のリスト項目を、ステップＳ１０５により作成したリスト項目により置換して記憶させる（ステップＳ１０８）。その後、図７に示す処理を終了する。

【0056】

次に、図８を参照して、上記のようにデータ放送対応リスト記憶制御部１１２に記憶されたデータ放送対応リストに対する読み出しの概要に関して説明する。
同図においては、或るデータ放送のコンテンツにおけるスクリプト２００−２の記述内容例が示されている。放送受信装置１００においてデータ放送対応ブラウザ部１０９が、スクリプト２００−２を実行していくことにより、或る段階においてスクリプト行２１１を実行する。スクリプト行２１１の実行により、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト行２１１における記述により指定されるファイル「savedataA」を、データ放送用データ処理部１１７によりデータ放送用データ記憶部１１０から読み出させる読出処理を実行する（ステップＳ３１）。

【0057】

前述のように、本実施形態では、データ放送用データ記憶部１１０に記憶されたファイルに対応するリスト項目を有するデータ放送対応リストが、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶される。
そこで、データ放送対応ブラウザ部１０９は、ステップＳ３１によりデータ放送用データ記憶部１１０からファイルの読み出しが行われると、例えば、データ放送対応リスト処理部１１４に対して、ファイルの読み出しが実行されたことの通知（ファイル読出実行通知）を実行する。
ファイル読出実行通知が得られたことに応じて、データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送対応リスト記憶部１１３から、ファイル読出実行通知が示すファイルに関連付けられたリスト項目の読み出しを実行する。（ステップＳ３２）。ここで、データ放送用データ記憶部１１０に記憶されるファイルと、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されるリスト項目との関連付けにあたっては、両者に共通の属性について共通の内容を与えるようにしてよい。一例として、ファイルとリスト項目のそれぞれが有する属性の１つである「ファイル名」について共通化された名称を与えるようにしてよい。

【0058】

上記のようにスクリプト行２０１の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部１０９が、さらにスクリプト２００−２を実行していくと、或る段階にてスクリプト行２１２を実行する。スクリプト行２１２の実行により、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト行２１２により指定されるファイル「savedataB」を、データ放送用データ処理部１１７によりデータ放送用データ記憶部１１０から読み出させる読出処理を実行する（ステップＳ４１）。
データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送対応リスト処理部１１４に対して、ステップＳ４１によりデータ放送用データ記憶部１１０から読み出されたファイルに対応するファイル読出実行通知を行う。
データ放送対応リスト処理部１１４は、ファイル読出実行通知が得られたことに応じて、ステップＳ４１により読み出されたファイルに関連付けられたリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部１１３から読み出す（ステップＳ４２）。

【0059】

さらに、上記のようにスクリプト行２１２の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部１０９が、さらにスクリプト２００−２を実行していくと、或る段階にてスクリプト行２１３を実行する。スクリプト行２１３の実行により、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト行２１３により指定されるファイル「savedataC」を、データ放送用データ処理部１１７によりデータ放送用データ記憶部１１０から読み出させる読出処理を実行する（ステップＳ５１）。
データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送対応リスト処理部１１４に対して、ステップＳ５１によりデータ放送用データ記憶部１１０から読み出されたファイルに対応するファイル読出実行通知を行う。
データ放送対応リスト処理部１１４は、ファイル読出実行通知が得られたことに応じて、ステップＳ５１により読み出されたファイルに関連付けられたリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部１１３から読み出す（ステップＳ５２）。

【0060】

このようにして、本実施形態においては、データ放送用データにおけるスクリプトの指示に従って、データ放送用データ処理部１１７が、データ放送用データ記憶部１１０からファイルを読み出す。これとともに、受信装置ソフトウェアにより実現されるデータ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送用データ記憶部１１０から読み出されたファイルに関連付けられたリスト項目を、データ放送対応リスト記憶部１１３から読み出す。

【0061】

本実施形態において、上記のように読み出されたデータ放送用データとリスト項目のうち、データ放送用データのファイルについては、例えば、データ放送対応ブラウザ部１０９が、実行中のデータ放送用データに含まれるＢＭＬ文書やスクリプトの記述に従って処理を行う。読み出されたリスト項目については、受信装置ソフトウェアにより実現されるデータ放送対応リスト処理部１１４が処理することができる。

【0062】

上記の例では、スクリプト２００−２に記述されたファイルの読み出しの指示に従って、データ放送用データ記憶部１１０からのファイルの読み出しとともに、データ放送対応リスト記憶部１１３からのリスト項目の読み出しが行われる。
しかしながら、例えばファイルとリスト項目の内容、用途などに応じて、データ放送用データ記憶部１１０からのファイルの読み出しとともに、データ放送対応リスト記憶部１１３からのリスト項目の読み出しとのいずれか一方が行われるようにしてもよい。具体例として、まず、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプト２００−２に記述されたファイルの読み出しの指示に従って、データ放送用データ記憶部１１０からのファイルの読み出しの処理を実行する。ファイルの読み出しの処理を実行した結果、スクリプト２００−２の記述によって読み出しが指定されたファイルがデータ放送用データ記憶部１１０からのファイルの読み出しの処理が成功した場合には、スクリプト２００−２に記述されたファイルの読み出しの指示に従った処理が遂行できたとして、関連のリスト項目の読み出しが行われない。一方、例えばスクリプト２００−２の記述によって読み出しが指定されたファイルがデータ放送用データ記憶部１１０に記憶されていない、あるいは記憶されていたとしても何らかの原因で、読み出しがエラーとなる場合がある。このような場合、データ放送対応リスト処理部１１４が、指定されたファイルに関連付けられたリスト項目を、データ放送対応リスト記憶部１１３から読み出すようにしてもよい。

【0063】

データ放送対応リスト処理部１１４がリスト項目の情報をどのように利用するのかについては特に限定されるものではないが、ここでは以下の例を挙げて説明する。
まず、リスト項目の利用態様の第１例について説明する。本例は、以下のような状況のもとで行われる。本例では、或る特定の日付における特定の時間帯の範囲において各放送局で選挙結果報道番組が放送される。そのうえで、各局の選挙結果報道番組ごとに、データ放送によりユーザへのアンケートを行うようにされている。アンケートは、例えば各局でほぼ同じ番組内の時間帯ごとにおいて共通の設問で実施される。

【0064】

図９は、本例に対応してデータ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されるデータ放送対応リストのリスト項目の内容例の遷移を示している。
図９（Ａ）に示される１行目のリスト項目は、或る１つのチャンネルで放送された１つの番組において視聴者参加型のデータ放送として行われた、特定の政策について、どう思うのかをユーザから集計するアンケートとしてのコンテンツに対応する。

【0065】

具体的には、同図における１行目のリスト項目は、番組名「番組Ｘ」との番組におけるファイル名「政策Ａに関するアンケート」とのファイル名のファイルに対応するリスト項目である。その保存値は「賛成」となっている。つまり、１行目のリスト項目は、ユーザがアクションとして、或る日の２１時０３分において、政策Ａについて「賛成」の回答を選択する操作を行ったことを示している。

【0066】

ここで、ユーザは、上記のように放送受信装置１００が受信した番組Ｘを視聴しながら政策Ａに関するアンケートに対して「賛成」の回答を選択する操作を行った後において、放送受信装置１００とは別個の共通機器が受信した他のチャンネルの番組Ｙとしての選挙結果報道番組を視聴したことを仮定する。このとき、番組Ｙにおいてもデータ放送により政策Ａに関するアンケートを実施していた。ユーザは、先ほど番組Ｘを視聴していたときには政策Ａについて「賛成」であったが、番組Ｙを視聴しているうち、政策Ａに対する考えが変わってきた。そこで、ユーザは、共通機器において番組Ｙにて実施されている政策Ａに関するアンケートに対して「ややそう思う」の回答を選択する操作を行った。
上記の操作に応じて、共通機器のデータ放送対応リスト記憶制御部１１２は、図９（Ｂ）に示すリスト項目を作成する。同図のリスト項目には、「番組Ｘ」とは異なるチャンネルにて放送されていた。

【0067】

図９（Ｂ）のリスト項目は、番組名「番組Ｙ」との番組におけるファイル名「政策Ａに関するアンケート」とのファイル名によるファイルに対応するリスト項目である。その後、同図のリスト項目は、番組Ｘの放送日と同じ日の２１時４１分において、「政策Ａに関するアンケート」に対して、「ややそう思う」との回答がユーザにより得られたことを示す。ここで、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、後述するように共通機器から図９（Ｂ）に示すリスト項目を取得する。図９（Ａ）の１行目のリスト項目と図９（Ｂ）のリスト項目においては、ファイル名の項目が「政策Ａに関するアンケート」で共通している。そのうえで、図９（Ａ）の１行目のリスト項目と図９（Ｂ）のリスト項目における集計方法は「２」、即ちユーザ間加算型を示している。この場合、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送対応リスト記憶制御部１１２は、図９（Ａ）に示すデータ放送対応リストにおける１行目のリスト項目を、図９（Ｂ）のリスト項目により書き換える（上書きする）。図９（Ｃ）は、上書きにより更新されたリスト項目を示す。

【0068】

本例では、例えば、前述のように、選挙結果報道番組を行う複数の放送事業者間で、共通の設問内容のアンケートをデータ放送によりほぼ同じ時間帯で実施する。そのうえで、本例においては、集計サーバ３００は、放送受信装置１００のユーザ毎に得られたアンケートに対する回答を集約し、ユーザ毎の回答を集計する。集計サーバ３００は、選挙結果報道番組に対応して放送事業者間で共通に設けられたサーバ装置である。集計サーバ３００によるアンケート回答の集計結果は、例えば各局の選挙結果報道番組において利用できる。

【0069】

本例では、上記のように各放送受信装置１００から選挙結果報道番組でのアンケートの回答を集計するにあたり、同じ設問内容については、１名のユーザに対応する１つのアンケート回答のみが集計サーバ３００に送信される。そこで、例えば選挙結果報道番組での各局の運用として、図９を用いて説明したように、同じ設問内容のアンケートのデータ放送については共通のファイル名を付し、集計方法については「２」としてユーザ間加算型を指示する。これにより、放送受信装置１００は、そのユーザが利用する共通機器との間で選挙結果報道番組でのデータ放送により行われた同じ設問内容のアンケートの回答に対応するファイルについては、上記のように上書きできる。この結果、同じ設問内容のアンケートの回答に対応するファイルは、１名のユーザの一群の放送受信装置ごとに常に１つとなるように管理される。
なお、データ放送用データ処理部１１７は、データ放送用データ記憶部１１０にデータ放送用データのファイルを記憶させるにあたり、ファイル名が同一であって集計方法が選択型又はユーザ間加算型を示すファイルについては、上記のリスト項目の場合と同様に上書きを行ってよい。

【0070】

図１０を参照して、図９に示すリスト項目の利用態様例について説明する。
図１０は、集計指示が得られたことに応じて、放送受信装置１００がファイル名「政策Ａに関するアンケート」のファイルに対応するデータ放送により実施されたアンケートに対する回答を集計したうえで、放送事業者の集計サーバ３００にアップロードするための処理の一例を示す。

【0071】

放送受信装置１００において、データ放送対応ブラウザ部１０９は、選局中のチャンネルでの選挙結果報道番組におけるデータ放送用データを処理している状態において、アンケート回答の集計指示が得られることを待機する（ステップＳ２０１−ＮＯ）。アンケート回答の集計指示は、例えば、放送受信装置１００が選局しているチャンネル（現チャンネル）の選挙結果報道番組に対応するデータ放送用データにおけるスクリプトに記述されている。スクリプトにおいて記述される集計指示は、以下のような内容を有する。集計指示の記述として、現チャンネルが選挙結果報道番組において「政策Ａに関するアンケート」のファイルによるデータ放送用データにより実施したアンケートに対するアンケート回答のアップロードが指示されている。そのうえで、集計指示の記述には、現チャンネルの選挙結果報道番組において実施されたアンケートに対する回答を優先してアップロードし、現チャンネルに対応するアンケートの回答が無ければ、他のチャンネル又は共通機器において放送された選挙結果報道番組にて実施されたアンケート回答の集計結果をアップロードすることの指示が記述されている。

【0072】

アンケート回答の集計指示が得られたことに応じて（ステップＳ２０１−ＹＥＳ）、データ放送用データ処理部１１７は、スクリプトにおける集計指示の記述により指定されるファイルのデータ放送用データ記憶部１１０からの読み出しを実行する（ステップＳ２０２）。具体的には、ステップＳ２０２において読み出しの対象となるファイルは、放送受信装置１００が現チャンネルで受信している番組で提供される「政策Ａに関するアンケート」のファイルである。
データ放送用データ処理部１１７は、ステップＳ２０２によるファイルの読み出しを実行した結果、読み出し対象のファイルの読み出しに成功したか否かについて判定する。
現チャンネルのもとで放送されている選挙結果報道番組において実施された「政策Ａに関するアンケート」に対してユーザが回答の操作を行っていれば、読み出し対象のファイルはデータ放送用データ記憶部１１０に記憶されている。従って、この場合にはファイルの読み出しに成功する。これに対して、現チャンネルのもとで放送されている選挙結果報道番組において実施された「政策Ａに関するアンケート」に対して未だユーザが回答の操作を行っていないのであれば、読み出し対象のファイルはデータ放送用データ記憶部１１０に記憶されていない。従って、この場合にはファイルの読み出しに失敗する。

【0073】

ファイルの読み出しに成功した場合、データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送用データ処理部１１７により読み出されたファイルから保存値（即ち、アンケートに対する回答内容）を抽出する。他方、ファイルの読み出しに失敗した場合、例えば、データ放送対応ブラウザ部１０９は、データ放送対応リスト処理部１１４に対して、リスト項目読出しの指示を行う。ファイル読出実行通知に応じて、データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送対応リスト記憶部１１３からのリスト項目の読み出しに用いるリスト指定情報を取得する（ステップＳ２０３）。ここで、読み出しの対象となるリスト項目は、ファイル名のリスト項目要素が「政策Ａに関するアンケート」を格納するリスト項目である。そこで、この場合には、ファイル読み出し指示とともに指定される「政策Ａに関するアンケート」のファイル名をリスト指定情報として取得する。なお、この例では、データ放送用データのファイルのファイル名を共通化することにより放送事業者間で共通の用途となるファイルを表すようにしているが、例えばリスト項目要素として共通化コードなどを別途設けて、共通化コードの値により放送事業者間で共通の用途となるファイルを表すようにしてもよい。

【0074】

データ放送対応リスト処理部１１４は、ステップＳ２０３により取得されたリスト指定情報に一致するリスト指定情報を有するリスト項目を自機のデータ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストから検索する（ステップＳ２０４）。検索されたリスト項目は、既に受信されたデータ放送に係るリスト項目である。

【0075】

データ放送対応リスト処理部１１４は、ステップＳ２０４の処理によって検索されたリスト項目のうちで、アップロード可能なリスト項目が有るか否かについて判定する（ステップＳ２０５）。

【0076】

アップロード可能なリスト項目が有る場合（ステップＳ２０５−ＹＥＳ）、データ放送対応リスト処理部１１４は、自機においてアップロード可能なリスト項目ごとに保存値として示されるアンケート回答の内容を集計する集計処理を実行する（ステップＳ２０６）。集計処理において、データ放送対応リスト処理部１１４は、図９を参照して説明したようにリスト項目要素で指示された集計方法を用いる。その後、ステップＳ２０７の処理に進む。
なお、アップロード可能なリスト項目がないと判断された場合（ステップＳ２０５−ＮＯ）、ステップＳ２０６の処理に進まずに、ステップＳ２０７の処理に進む。

【0077】

データ放送対応リスト処理部１１４は、自機と接続されている共通機器（接続機器）を確認する（ステップＳ２０７）。ここで、データ放送対応リスト処理部１１４は、ネットワーク対応通信部１１５を介して接続確認信号を送信する。共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、ネットワーク対応通信部１１５を介して放送受信装置１００から接続確認信号を受信するとき、その応答として接続確認応答信号を放送受信装置１００に送信する。データ放送対応リスト処理部１１４は、接続確認信号の送信後、所定時間（例えば、１０秒）内に共通機器から接続確認応答信号を受信したとき、その共通機器が自機に接続されていると判定する。データ放送対応リスト処理部１１４は、接続確認信号の送信後、所定時間内に接続確認応答信号を受信しないとき自機に接続された共通機器がないと判定する。

【0078】

接続された共通機器が有ると判断された場合（ステップＳ２０８−ＹＥＳ）、データ放送対応リスト処理部１１４は、ネットワーク対応通信部１１５を介してリスト検索要求信号をその共通機器に送信する（ステップＳ２０９）。リスト検索要求信号は、ステップＳ２０３により取得されたリスト指定条件と共通のリスト指定条件を有するリスト項目の検索を指示する信号である。
接続された共通機器がないと判断された場合（ステップＳ２０８−ＮＯ）、ステップＳ２１２の処理に進む。

【0079】

放送受信装置１００と接続された各共通機器において、データ放送対応リスト処理部１１４は、ネットワーク対応通信部１１５を介して放送受信装置１００からリスト要求信号を受信する。このとき、共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、受信したリスト要求信号で指示されたリスト指定情報に一致するリスト指定情報を有するリスト項目を共通機器のデータ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストから検索する。そして、共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、検索されたリスト項目のうちで、アップロード可能なリスト項目が有るか否かについて判定する。
アップロード可能なリスト項目が有る場合、共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、自機においてアップロード可能なリスト項目ごとに保存値として示されるアンケート回答の内容を集計する集計処理を実行する（ステップＳ２１０；機器別集計処理）。この集計処理は、ステップＳ２０６で行われる集計処理と同様な手法でありうる。集計処理により得られた集計結果が検索されたアップデート可能なリスト項目の保存値として保存される。各共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、集計処理により得られた集計結果をリスト要求信号に対する応答情報として放送受信装置１００に送信する。応答情報には、その保存値が保存されたリスト項目が含まれてもよい。他方、アップデート可能なリスト項目が無い場合には、その旨を示す情報をリスト要求信号に対する応答情報として放送受信装置１００に送信する。
放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、自装置と接続された各共通機器から、リスト要求信号に対する応答信号を受信する（ステップＳ２１１）。

【0080】

放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、検索したリスト項目について集計結果の有無を判定する（ステップＳ２１２）。データ放送対応リスト処理部１１４は、自装置において検索されたアップデート可能なリスト項目に保存値が設定されているか、又は少なくとも１個の共通機器から保存値を示す保存値をリスト要求信号の送信から所定時間（例えば、９０秒）以内に受信した場合、集計結果が有ると判定することができる。それ以外の場合、データ放送対応リスト処理部１１４は、集計結果が無いと判定する。
集計結果が有ると判定するとき（ステップＳ２１２−ＹＥＳ）、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、放送受信装置１００と接続された共通機器との間で各機器の集計結果をさらに機器間について集計処理を行い、機器間の集計結果を得る。この集計処理は、ステップＳ２０６で行われる集計処理と同様な手法でありうる。即ち、集計結果が放送受信装置１００又はいずれか１台の共通機器でしか得られない場合には、その集計結果が機器間の集計結果として採用される。
その後、データ放送対応リスト処理部１１４は、集計処理により得られた機器間の集計結果をアップロードする（ステップＳ２１３）。アップロードにおける送信先は、視聴されている現チャンネルに対応する放送事業者の選挙結果報道番組にてデータ放送により行われたユーザの政策に関するアンケート回答を集計する集計サーバ３００である。データ放送対応リスト処理部１１４は、スクリプトに記述された送信アドレスを用いて集計サーバ３００のアドレスを特定することができる。その後、図１０の処理を終了する。
なお、検索されたリスト項目について集計結果が無い場合（ステップＳ２１２−ＮＯ）、図１０の処理を終了する。この場合には、集計結果についてアップロードは行われない。

【0081】

以上に説明したように、本例によれば、その時点において放送受信装置１００が受信しているデータ放送だけではなく、その放送受信装置１００と接続された共通機器において受信したデータ放送によって得られたアンケート回答も集計することが可能となる。アンケート回答を集計可能な共通機器を、予め放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４において設定しておく。即ち、設定した共通機器について、上述したステップＳ２０６、Ｓ２１０及びＳ２１３の処理が行われる。
また、アンケート回答対象のデータ放送として、１つの或るチャンネルに対応する放送事業者が提供するデータ放送だけではなく、他局でのデータ放送によって得られたアンケート回答も集計することも可能となる。なお、このように他局の情報も収集できるようにする際、事前に放送事業者間で情報の共有が可能となるようにといった運用方法が考えられる。

【0082】

また、図１０に示すステップＳ２０９〜Ｓ２１１の処理は、各共通機器において検索されたアップデート可能なリスト項目間で集計処理を行い、放送受信装置１００が各共通機器から機器別の集計処理を行う場合を例にしたが、これには限られない。放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、リスト検索要求信号に対する応答として、各共通機器からアップデート可能なリスト項目を受信してもよい。そして、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、リスト項目を受信した共通機器毎に機器別の集計処理を行って、その共通機器毎の集計結果を取得する。
なお、図１０に示すステップＳ２０２、Ｓ２０３の処理では、データ放送用データのファイルの読み出しが失敗した場合において、データ放送用データのファイルに代えてデータ放送対応リストからリスト項目の読み出しが行われる。つまり、図１０の処理では、データ放送対応リストに対してデータ放送用データのファイルが優先されている。
しかしながら、データ放送やアンケートの内容によっては、データ放送用データのファイルに対してデータ放送対応リストを優先させてもよい。この場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送用データ記憶部１１０からのファイルの読み出しを行わずに、リスト指定情報で指定されるファイルに対応するリスト項目のデータ放送対応リスト記憶部１１３からの読み出しを行えばよい。
また、データ放送やアンケートの内容によっては、データ放送用データのファイルとデータ放送対応リストとの双方を同じ優先度で扱ってもよい。この場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送用データのファイルの読み出しと、データ放送対応リストからのリスト項目との読み出しとのそれぞれを実行してよい。例えば、集計方法がユーザ内加算型である場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送用データのファイルとデータ放送対応リストの双方を同じ優先度で扱う。

【0083】

なお、図１０の処理では、自機で受信したデータに関しては、受信中の自局でのデータ放送により得られたアンケート回答と、受信済みの他局でのデータ放送により得られたアンケート回答とを集計する場合を例に挙げている。この例には限られず、例えば以下のような集計が行われてもよい。データ放送用データ記憶部１１０に記憶されていないなどの理由で、自局でのデータ放送により得られたアンケート回答を含むファイルのＮＶＲＡＭ、つまり、データ放送用データ記憶部１１０からの読み出しがエラーとなった場合に、他局でのデータ放送により得られたアンケート回答をリストから読み出し集計するようにしてもよい。この場合には、図１０のステップＳ２０２の処理を実行した結果、ファイルの読み出しに成功したのであれば、ステップＳ２０６の処理に進む。他方、図１０のステップＳ２０２の処理を実行した結果、ファイルの読み出しがエラーとなった場合に、ステップＳ２０３の処理を実行する。

【0084】

続いて、リスト項目の利用態様の第２例について説明する。図１１は、本例に係るデータ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されるデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示している。
図１１に示される２つのリスト項目は、それぞれ異なるチャンネルにおける別の番組において放送されたＣＭ（Commercial Message）における視聴者参加型のデータ放送として、ユーザからの所定のアクションを受け付けたことに応じて、ユーザにポイントを付与するコンテンツに対応する。データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプトに記述された命令で指示された処理を実行することで、そのコンテンツの機能を実現する。ここで、ユーザにポイントを付与するためのアクションがどのようなものかについては特に限定されない。一例として、ＣＭの画面とともに、データ放送のコンテンツとしてユーザが操作するボタンを表示した画面を表示し、ユーザが、ＣＭで紹介された商品に興味があれば、そのボタンを指示するというアクションを受け付けるようにしてもよい。また、ユーザが獲得したポイントの用途についても特に限定されないが、一例として、所定のポイントカードのポイント残高への加算などに用いることができる。

【0085】

図１１における１行目のリスト項目は、サービスＩＤ「ＳＶ０００１」が示すチャンネルのもとで、番組名「番組０１」との番組においてＡ社の商品αについてのＣＭが放送されていたときにユーザからのアクションが行われた結果、ユーザに累計で１０ｐのポイントが付与されたことを示している。
また、２行目のリスト項目は、サービスＩＤ「ＳＶ００１１」が示すチャンネルのもとで、番組名「番組０２」との番組においてＢ社の商品βについてのＣＭが放送されていたときにユーザからのアクションが行われた結果、ユーザに累計で２ｐのポイントが付与されたことを示している。
また、１行目と２行目のリスト項目のうちのいずれについても、アップロードフラグと共有フラグとが「１」とされ、情報のアップロードと共有とが可能である。

【0086】

ここで、１行目のリスト項目が格納されたことを示す保存日時は「１６：２４（１６時２４分）」となっている。これは、１行目のリスト項目に対応するデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションが、１６時２４分に対応するタイミングで行われたことを示している。
また、２行目のリスト項目の保存日時は、１行目のリスト項目の保存日時と同日の「２０：１４（２０時１４分）」となっている。これは、２行目のリスト項目に対応するデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションが、１行目のリスト項目に対応する１６時２４分よりも後の２０時１４分に対応するタイミングで行われたことを示している。

【0087】

ここで、２行目のリスト項目に対応するデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションが行われた後において、サービスＩＤ「ＳＶ０００１」、「ＳＶ００１１」のいずれとも異なるサービスＩＤ「ＳＶ００２１」が示すチャンネルのもと、番組名「番組０３」との番組において、２行目のリスト項目と同じＢ社の商品βのＣＭが放送されたことを仮定する。この仮定のもとで、ユーザは、この際にもアクションのための操作を行った。

【0088】

上記のアクションが受け付けられたことに応じて、まず、データ放送対応ブラウザ部１０９は、スクリプトによる指示に従って、データ放送用データ記憶部１１０からのファイルの読出処理を実行する。ここで読出処理の対象となるのは、サービスＩＤ「ＳＶ００２１」が示すチャンネルのもとで放送されたＢ社の商品βのＣＭにおいて行われたデータ放送についてのファイルである。また、ここでは、これまでサービスＩＤ「ＳＶ００２１」が示すチャンネルのもとでのＢ社の商品βのＣＭは放送されていないことから、データ放送用データ記憶部１１０には読出処理の対象のファイルは記憶されていない場合を例に挙げる。この場合、データ放送対応ブラウザ部１０９による読出処理はエラーとなる。

【0089】

データ放送対応ブラウザ部１０９による読出処理がエラーとなった場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、例えば、図８に示すようにデータ放送対応ブラウザ部１０９により読出処理対象とされたファイルと情報を共有可能なリスト項目の読出処理を実行する。この場合、データ放送対応ブラウザ部１０９が読出処理対象としたファイルと情報を共有可能なリスト項目は、Ｂ社の商品βのＣＭに対応するリスト項目である。つまり、ファイル名として「Ｂ社＿商品β」を格納するリスト項目が共有可能な共通のリスト項目である。従って、この場合には、データ放送対応リスト処理部１１４によって、図１１の２行目のリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部１１３から読み出すことができる。

【0090】

データ放送対応リスト処理部１１４は、読み出された２行目のリスト項目について、指定された集計方法がユーザ内加算型であると判定し、今回のユーザからのアクションに応じたポイントをデータ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されている２行目のリスト項目保存値に加算する。データ放送対応リスト処理部１１４は、その２行目のリスト項目の保存値を、加算により得られたポイントに書き換える。また、データ放送対応リスト処理部１１４は、２行目に記憶されているサービスＩＤ、イベントＩＤ、番組名、保存日時を、そのコンテンツに係るサービスＩＤ、イベントＩＤ、番組名、その時点における日時に置き換える。このようにしてデータ放送対応リスト記憶部１１３に記憶される２行目のリスト項目についての更新が行われる。

【0091】

図１２は、２行目のリスト項目の更新後においてデータ放送対応リスト記憶部１１３が記憶するデータ放送対応リストの内容例を示している。図１１と図１２とを比較すると、２行目のリスト項目において、サービスＩＤは、「ＳＶ００１１」から「ＳＶ００２１」に変更されており、最後にアクションが行われたＣＭを放送したチャンネルを示している。
番組名は、「番組０２」から、最後にアクションが行われたＣＭを放送した「番組０３」に変更されている。
保存日時は、２０時１４分から、今回のユーザによるアクションが受け付けられたタイミングに応じて、２２時３４分を示すように変更されている。
ユーザに付与されたポイントを示す保存値については、２ｐから８ｐに増加するように変更されている。つまり、この場合には、今回のユーザによるアクションが受け付けられたことに応じて、６ｐが加算された結果が示されている。ここで、加算対象のポイント数として、そのコンテンツのスクリプトに記述されたポイント数を採用することができる。

【0092】

上述した第２例に係る説明は、主に図１０のステップＳ２０６において、放送受信装置１００においてユーザが視聴している際に受け付けられたアクションに係るリスト項目の処理結果と既存のリスト項目に係る処理結果との集計処理において、保存値を累積する場合を例にしている。かかる処理は、図１０のＳ２１０において接続された各共通機器において検索されたリスト項目間での集計処理、又は図１０のＳ２１３における機器間の集計結果の集計処理に適用されることで、保存値がリスト項目間で累算されうる。集計処理において、データ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されるサービスＩＤ、イベントＩＤ、番組名、及び保存日時として、複数のリスト項目間において、最新のものを採用し、それ以外のものを棄却してもよい。

【0093】

このように、リスト項目の利用態様の第２例によっては、異なる機器、チャンネルや番組の間で、同じＣＭのコンテンツの放送に際してユーザが行ったアクションごとに応じてユーザに付与されるポイントを合算して管理することができる。このように合算されたポイントは、例えば所定のタイミングで放送事業者またはＣＭの広告元が運用するサーバなどにアップロードされるようにしてよい。サーバは、一例として、ユーザのポイントカードへのポイント加算処理など、アップロードされたポイントに対応する処理を実行してよい。

【0094】

（複数の放送受信装置間の処理）
複数の放送受信装置１００間においては、リスト項目の処理結果の集計及びアップデートが独立に行われる可能性がある。図１３に示す矢印は、機器毎の処理期間を示す。矢印の起点、終点は、それぞれ処理の開始時、終了時を示す。実線、破線は、それぞれ放送受信装置１００、共通機器を示す。図１３に示す処理期間は、図１０のステップＳ２０５の処理の開始時からステップＳ２１３の処理の終了時までの間に相当する。上述したリスト項目の処理結果の集計は、図１３（Ａ）に示すように、放送受信装置１００における集計及びアップロードが最初であって、共通機器における集計及びアップロードがまだ行われていない場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、図１０のステップＳ２０６での自装置における集計処理、Ｓ２１０での機器別の集計処理において、取得したリスト項目を全て処理対象として集計処理を行ってもよい。

【0095】

しかし、図１３（Ｂ）に示すように、共通機器において集計結果のアップデートが完了している場合には、共通機器において処理済のリスト項目を処理対象から排除し、未処理のリスト項目を処理対象とする。そこで、各リスト項目には集計済みフラグのリスト項目要素を設けておき、データ放送対応リスト処理部１１４は、集計済みフラグの書き換えを、集計処理が自機で行われたか共通機器で行われたかに関わらず行う。ステップＳ２１３の処理が終了した後、共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、リスト項目更新要求信号を放送受信装置１００に送信してもよい。リスト項目更新要求信号には、集計対象としたリスト項目の情報が含まれる。集計方法がユーザ間加算型又は選択型であるリスト項目については、集計対象としたリスト項目であっても、そのリスト項目に係る実行結果である保存値が、必ずしも集計結果に反映されるとは限らない。共通機器からリスト項目更新要求信号を受信するとき、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶されたリスト項目から受信したリスト項目更新要求信号で指示されるリスト項目と共通のリスト項目を特定する。放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、特定したリスト項目について集計済みフラグを未集計から集計済みに書き換える。共通機器、放送受信装置１００ともにデータ放送対応リスト処理部１１４は、ステップＳ２０４、Ｓ２０９の検索処理において未集計のリスト項目を検索対象から除外する。これにより、各リスト項目の処理結果の集計が完了する回数が１回に限られ、２回以上とならない。そのため、集計の重複によって生じ得る機器間の処理結果の不整合が回避される。

【0096】

また、データ放送対応リスト処理部１１４は、図１０のステップＳ２０６での自装置における集計処理、Ｓ２１０における機器別の集計処理において、処理対象のリスト項目について指示された集計方法がユーザ内加算型である場合には、処理対象のリスト項目間で保存値の合計値を算出する。集計サーバ３００が、そのリスト項目についてアップロードされた合計値をユーザ毎に累積する構成を有する場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、ステップＳ２１３において、その合計値を集計結果として集計サーバ３００にアップロードする。集計サーバ３００が、そのリスト項目について既に取得した累積値を棄却し、アップロードされた累積値に更新する構成を有する場合には、データ放送対応リスト処理部１１４は、ステップＳ２１３において、算出した合計値をリスト項目と対応付けて記憶しておいた累積値に加算することによって更新し、更新した累積値を集計結果として集計サーバ３００にアップロードする。そして、集計サーバ３００は、更新した累積値をリスト項目と対応付けてデータ放送対応リスト記憶部１１３に記憶する。

【0097】

データ放送対応リスト処理部１１４は、自装置における集計処理、機器別の集計処理、機器間の集計処理において、処理対象のリスト項目について指示された集計方法がユーザ間加算型又は選択型である場合には、図９を用いて例示したアンケート回答と同様の処理をリスト項目毎の保存値に適用して１件の保存値を集計結果として定める。データ放送対応リスト処理部１１４は、ステップＳ２１３において、定めた集計結果を集計サーバ３００にアップロードする。
なお、集計方法がユーザ間加算型又は選択型である場合には、処理対象のリスト項目は、必ずしも未集計のリスト項目に限られず、集計済みのリスト項目が含まれてもよい。集計サーバ３００が既存の集計結果を新たにアップデートされた集計結果で更新する構成を有していれば、新たに得られる集計結果とアップロード済みの集計結果が一致しないことが許容されるためである。

【0098】

図１３（Ｃ）に示すように、放送受信装置１００と共通機器との間で、それぞれの処理期間の一部が互いに重なり合う場合には、共通のリスト項目の処理結果が並行して集計されるおそれがある。そこで、放送受信装置１００が、先行して開始した処理を、共通機器が後から処理が開始する時点で中断し、共通機器は、後から開始した処理を継続する。より具体的には、共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、図１０のステップＳ２０５の処理を開始するとき処理開始信号を放送受信装置１００に送信する。放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、共通機器から受信した処理開始信号を受信するとき、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶させておいた処理状態フラグを未処理から処理中に変更する。共通機器のデータ放送対応リスト処理部１１４は、図１０のステップＳ２１３の処理を終了するとき処理終了信号を放送受信装置１００に送信する。放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、共通機器から受信した処理終了信号を受信するとき、データ放送対応リスト記憶部１１３に記憶させておいた処理状態フラグを処理中から未処理に変更する。そして、データ放送対応リスト処理部１１４は、処理状態フラグが処理中である場合には、図１０に示す処理を実行せず、処理状態フラグが未処理である場合には、図１０に示す処理を実行する。図１０に示す処理の実行中に処理状態フラグが未処理から処理中に変化するとき、データ放送対応リスト処理部１１４は、実行している図１０に示す処理を中断する。データ放送対応リスト処理部１１４は、中断した処理により変更されたリスト項目を、処理前の状態に復元する。これにより、複数の機器間で項目リストに対する処理が並行しないので、機器間で処理結果が重複することや処理結果の不整合を回避することができる。

【0099】

なお、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、取得された機器毎の集計結果を集計サーバ３００にアップロードせずに、それらの情報を映像出力部１０５に出力してもよい。これにより、各機器で保持している処理結果が集約され、映像出力部１０５に表示される。この表示は、放送受信装置１００に任意に備えられたハードウェア又はソフトウェアによって実現され、データ放送対応ブラウザ部１０９は、放送で受信したスクリプトに記述された処理を実行することを要しない。例えば、各種の表示要求が操作受付部１１６からの操作信号で指示されるときに処理が開始されてもよい。表示要求には、例えば、ＥＰＧ（Electronic Program Guide；電子番組表）画面、入力切り替え選択画面、番組情報画面などの表示要求がある。例えば、入力切り替え画面には、伝送路（映像入力チャネル）毎にその伝送路を介して接続された機器毎の出力結果が表示される。

【0100】

以下、入力切り替え選択画面を例にして、その表示について説明する。
まず、図１１のステップＳ２０１における集計指示として、例えば、ユーザによる操作によって生じた入力切り替え画面表示要求を示す操作信号が用いられてもよい。
ステップＳ２０４におけるリスト項目の検索条件、ステップＳ２０９におけるリスト項目の検索条件として、予め設定された検索条件又は操作受付部１１６からの操作信号で指定される検索条件が用いられてもよい。その場合、ステップＳ２０３の処理が省略されてもよい。

【0101】

自装置内の集計処理、機器別の集計処理及び機器間の集計処理において、放送受信装置１００のデータ放送対応リスト処理部１１４は、上述したように取得されたリスト項目で指定される集計方法による集計結果が機器毎に得られる。ステップＳ２１３の処理とともに又はステップＳ２１３の処理に代えて、映像処理部１０４は、入力切り替え画面の伝送路毎の表示領域に、自機の処理結果の情報と、各伝送路を介して接続された機器の処理結果の情報を重畳して表示画面を生成する。映像処理部１０４は、生成した表示画面の映像信号を映像出力部１０５に出力する。

【0102】

図１４は、入力切り替え画面の表示例を示す。図１４に示す例では、入力切り替え画面には、機器４から入力される映像と、放送受信装置１００が利用可能な伝送路のリストが含まれる。表示可能な伝送路の数は６経路である。機器１〜４の表示は、接続されている機器を示す。例えば、入力０、２、４と対応付けて表示される機器２、４、３は、入力０、２、４に係る伝送路を介して機器２、４、３が接続されていることを示す。また、入力１と対応付けて表示される機器１は自機を示す。入力２の行の背景が、その他の行よりも明るく表示されているのは、その時点において機器４からの映像入力が入力２を介してなされていることを示す。機器２、１、４、３にそれぞれ対応付けられている表示ｒ０２、ｒ０１、ｒ０４、ｒ０３は、それぞれの機器の集計結果を示す。表示ｒ０２、ｒ０１、ｒ０４、ｒ０３の３Ｐ、１Ｐ、１Ｐ、３Ｐとは、機器２、１、４、３におけるユーザからのアクションによって累積されたポイントが、それぞれ３Ｐ、１Ｐ、１Ｐ、３Ｐであることを示す。このようにして、ユーザは、複数の放送受信装置１００のそれぞれに対するアクションの集計結果を一覧することができる。

【0103】

なお、上述では、放送受信装置１００及び共通機器からなる一群の放送受信装置（例えば、放送受信装置１００−１〜１００−３）のユーザを集計単位として集計処理が行われる場合を例にしたが、これには限られない。集計処理は、個々のユーザを集計単位として集計処理が行われてもよい。その際、リスト項目には、さらに個々のユーザを識別するためのユーザ識別情報が含まれてもよい。データ放送対応ブラウザ部１０９は、例えば、スクリプトの記述に応じてユーザ識別情報を取得し、取得したユーザ識別情報をアクションの受け付け対象とするリスト項目に格納する。ユーザ識別情報として、ユーザの操作により入力されたニックネーム、パスワード、指紋、虹彩などの生体情報など、ユーザ毎に異なりうる情報、又はその情報と対応付けて発行されたユーザＩＤなどが利用可能である。データ放送対応リスト処理部１１４は、ユーザ識別情報毎に上述した集計処理を行う。

【0104】

上記したデータ放送対応リストの利用態様の各例から理解されるように、本実施形態においては、受信装置ソフトウェアが、自己によるアクセスが不可であるデータ放送用データのファイルを利用した制御と同等の処理を行うことが可能となる。これに加え、データ放送用データにおけるスクリプトの内容を変更することなく、複数の放送受信装置間でなされた視聴者のアクションを集計することできるという作用、効果が得られる。

【0105】

なお、上述の放送受信装置１００としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の放送受信装置１００としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、ＯＳや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやＷＡＮ、ＬＡＮ、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＣＤ−ＲＯＭ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、ＣＤ−ＲＯＭ等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ（ＲＡＭ）のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル（差分プログラム）であってもよい。

【0106】

なお、本発明は次の態様でも実施することができる。
（１）テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理部と、前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理部と、を備える放送受信装置。

【0107】

（２）前記データ放送対応リスト処理部は、集計した処理結果を前記データ放送用データにより指定された機器に送信する（１）の放送受信装置。

【0108】

（３）前記データ放送対応リスト処理部は、前記集計又は前記集計した処理結果の送信を、前記他の放送受信装置が前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果の取得を開始するとき、中断する（２）の放送受信装置。

【0109】

（４）前記データ放送対応リスト処理部は、前記取得したリスト項目のうち、処理結果が未集計である各リスト項目の処理結果を集計する（２）又は（３）に記載の放送受信装置。

【0110】

（５）前記データ放送対応リスト処理部は、前記集計において、取得したリスト項目の処理結果の集計方法がユーザ内加算型であるとき、取得した各リスト項目の処理結果を加算し、前記取得したリスト項目の処理結果の集計方法が選択型又はユーザ間加算型であるとき、前記取得したリスト項目の処理結果のいずれかを選択する（１）から（４）のいずれかの放送受信装置。

【0111】

（６）放送受信装置の放送受信方法であって、テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理ステップと、前記データ放送用データ処理ステップにより処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理ステップと、を有する放送受信方法。

【0112】

（７）コンピュータにテレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置アプリケーションがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データのファイルを読み出すデータ放送用データ処理部と、前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目を取得し、取得したリスト項目に基づいて操作入力に応じた処理を行い、自機と接続した他の放送受信装置から前記ファイルに関連する情報を含むリスト項目の処理結果を取得し、取得した各リスト項目の処理結果を集計するデータ放送対応リスト処理部と、放送受信装置として機能させるためのプログラム。

【0113】

以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。

【符号の説明】

【0114】

１００（１００−１〜１００−３）…放送受信装置、１０１…チューナ部、１０２…デマルチプレクサ、１０３…映像音声デコード部、１０４…映像処理部、１０５…映像出力部、１０６…音声処理部、１０７…音声出力部、１０８…データ放送用データデコード部、１０９…データ放送対応ブラウザ部、１１０…データ放送用データ記憶部、１１１…番組情報処理部、１１２…データ放送対応リスト記憶制御部、１１３…データ放送対応リスト記憶部、１１４…データ放送対応リスト処理部、１１５…ネットワーク対応通信部、１１６…操作受付部、１１７…データ放送用データ処理部、２００…中継装置、３００…集計サーバ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】