特許第6602010号(P6602010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6602010注入可能な製品を充填できる容器に操作を行うためのユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6602010
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】注入可能な製品を充填できる容器に操作を行うためのユニット
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/24 20060101AFI20191028BHJP
【FI】
   B67C3/24
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-261777(P2014-261777)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-127244(P2015-127244A)
(43)【公開日】2015年7月9日
【審査請求日】2017年12月22日
(31)【優先権主張番号】13199858.5
(32)【優先日】2013年12月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511268708
【氏名又は名称】シデル エッセ.ピ.ア. コン ソシオ ウニコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッティア・チェンチ
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ・バンディニ
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ・バッチ−パラッツィ
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−042833(JP,A)
【文献】 特開平05−051088(JP,A)
【文献】 特表2011−502900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/00 − 11/00
B65B 1/00 − 3/36
B65B 55/02
B65B 55/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌状態下で注入可能な製品を充填できる容器(2)に操作を行うためのユニット(1)にして、
前記ユニットは、
第1の領域(6)と、
第2の領域(7)と、
前記操作を行うようになされた少なくとも1つの作業ヘッド(10、21)と、
前記容器(2)の部分(12)を把持するために構成されたジョー(30、31)を含み、前記部分(12)が前記容器の底壁(13)と口部(11)との間に配置される、少なくとも1つの把持装置(17)であり、
把持装置(17)が前記容器(2)を受け取りまたは放す休止位置と、
把持装置(17)が前記容器(2)を前記容器(2)が前記操作を受ける位置に設定する操作位置と
の間で移動可能である、把持装置と、
前記休止位置と前記操作位置との間で前記把持装置(17)を移動させるために前記把持装置(17)に動作可能に接続され、前記第1の領域(6)と前記第2の領域(7)との間で移動可能な部分(57)を含む可動要素(52)と、
前記第2の領域(7)の内側に配置され、前記可動要素(52)の前記部分(57)を液密に収容するベロー(53)であって、前記把持装置(17)が前記作業ヘッド(10、21)と前記ベロー(53)との間に位置するように配置された前記ベロー(53)と、
接続要素であって、
第1の軸線(D)に沿って移動する可動要素(52)と、
可動要素(52)の少なくとも部分(57)を摺動可能に収容するハウジング(54)と、
可動要素(52)と把持装置(17)の両方に接続されるプレート(60)と
を含む、接続要素と、
を備え、
ベロー(53)は、ハウジング(54)とプレート(60)との間に介在し、前記ベロー(53)は、使用時に、前記ジョー(30、31)が前記口部(11)と前記ベロー(53)との間にあるように、配置され、
可動要素(52)が、第1の軸線(D)に平行に延在するロッド(52)を含み、プレート(60)が、第1の軸線(D)に対する横断平面にあり、
接続要素(50)が、把持装置(17)とプレート(60)との間に介在する少なくとも1つのカラム(61)をさらに含み、カラム(61)が、ロッド(52)からある一定の距離を置いて延在する、
ユニット。
【請求項2】
前記把持装置(17)が、前記休止位置と前記操作位置との間で前記第1の軸線(D)に平行に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
カムと、
前記休止位置および前記操作位置の一方から他方までの前記把持装置(17)の移動を引き起こすように、前記可動要素(52)に動作可能に接続され、前記カムと相互作用するカムフォロア(48)と、
前記可動要素(52)に動作可能に接続され、前記休止位置および前記操作位置の他方から一方に向けられる作用を前記把持装置(17)に加えるようになされたアクチュエータ(51)と
を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のユニット。
【請求項4】
前記接続要素(50)が、前記プレート(60)に接合される一対の前記可動要素(52)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【請求項5】
前記接続要素(50)が、両方の可動要素(52)について前記アクチュエータ(51)を1つのみ備えることを特徴とする、請求項4に記載のユニット。
【請求項6】
前記第1の領域(6)が非無菌領域であり、前記第2の領域(7)が無菌領域であり、前記作業ヘッド(10、21)は、無菌の第2の領域(7)の内側に配置されており、前記ユニットは、さらに、第1の非無菌領域(6)から第2の無菌領域(7)の方へ向けられる層流を確立するための通気手段(70)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【請求項7】
前記通気手段(70)が、前記非無菌領域(6)に配置され、前記流れが、前記作業ヘッドから前記ベロー(53)の方へ向けられることを特徴とする、請求項6に記載のユニット。
【請求項8】
前記非無菌領域(6)を前記無菌領域(7)から分離するための液圧バリア手段(9)を備えることを特徴とする、請求項6または7に記載のユニット。
【請求項9】
前記作業ヘッド(10、21)が、前記容器(2)にキャップを適用するためのキャッピングヘッド、または前記注入可能な製品を前記容器(2)に充填するための充填ヘッド(10、21)であることを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入可能な製品を充填できる容器に操作を行うためのユニットに関する。
【0002】
好ましくは、本発明は、特に無菌の注入可能な食品製品を、たとえば相当量の防腐剤物質を加えることができない注意を要する製品を容器に充填するための充填ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
無菌の注入可能な食品製品を容器に充填するための充填ユニットは、米国特許出願公開第2011/0023996号明細書によって知られている。
【0004】
より詳しくは、充填ユニットは、
− 回転軸を中心として回転するカルーセルコンベヤと、
− 注入可能な食品製品を含むタンクと、
− カルーセルコンベヤの回転軸に対して半径方向外側の位置にカルーセルコンベヤによって支持される複数の充填装置と
を実質的に備える。
【0005】
より詳しくは、カルーセルには、それぞれの容器の首部を把持し、それぞれの充填装置の方へおよびそれから離れて容器を移動させるための複数の把持装置が設けられる。
【0006】
さらにより正確には、各把持装置は、把持装置が容器の首部を受け取りまたは解放する開放形態と、把持装置が容器を堅く把持する閉鎖形態との間で移動され得る一対のジョーを備える。
【0007】
そのうえ、ジョーが閉鎖形態に配置されると、把持装置は、
− 容器の口部が充填装置の注入開口から間隔を置いて配置される休止位置と、
− 容器が注入開口により近くにあり、充填操作を受ける操作位置と
の間で垂直方向に沿って移動され得る。
【0008】
また、充填ユニットは、垂直方向に沿った把持装置の移動を引き起こすように、それぞれの把持装置と動作可能に接続される複数の昇降装置を備える。
【0009】
また、知られている充填ユニットは、
− 無菌状態が保存され、容器が注入可能な製品を充填される無菌領域と、
− 非無菌領域と、
− 無菌領域を非無菌領域から分割する壁と
を備える。
【0010】
把持装置および容器は、無菌領域に配置される。
【0011】
各昇降装置は、非無菌領域に配置されるサーボモータと、サーボモータで駆動され、関連する把持部材に動作可能に接続されるロッドとを有する。
【0012】
特に、ロッドは、壁を通過する部分を有する。したがって、ロッドのその部分が無菌領域の内側で非減菌空気を押し流し、それによって無菌領域を汚染するという危険性がある。
【0013】
汚染のその危険性を抑えるために、各昇降装置は、昇降装置の固定部とロッドの端部との間に介在するベローを備える。
【0014】
ロッドの端部は、無菌領域に配置され、ベローは、無菌領域に配置されるロッドのその部分を密封する。
【0015】
さらにより正確には、各ベローは、関連する把持装置と注入開口の関連する充填装置との間に配置される。
【0016】
そのうえ、各ベローは、それぞれの容器の口部の上方に配置される。
【0017】
したがって、ベローの避けられない漏れにより、非減菌空気は、それぞれの把持装置が下降位置にある場合に容器の口部に到達し得、容器または容器に含まれる食品製品のどちらかを汚染し得るという危険性があり、それによって、充填操作の無菌性に影響を及ぼす。
【0018】
容器に充填される注入可能な製品の無菌性をできるだけ改善する必要性が、産業界内で感じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0023996号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、注入可能な製品を充填できる容器に操作を行うためのユニットであって、上で確認された要件を容易かつ費用効果的に満たすことを可能にするユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、請求項1で定義されたように、注入可能な製品を充填できる容器に操作を行うためのユニットに関するので、上述の目的は本発明によって達成される。
【0022】
1つの好ましい実施形態が、非限定的な例としてかつ添付の図面を参照して、本発明のよりよい理解のために以下に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】明確にするために部品が取り除かれた、本発明による充填ユニットの概略図である。
図2】拡大された、図1の充填ユニットのいくつかの構成部品の斜視図である。
図3】明確にするために部品が取り除かれた、図2の線III−IIIによる断面図である。
図4図2の線IV−IVに沿った断面図である。
図5図1の充填ユニットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図5を参照して、符号1は、注入可能な製品を容器2に充填するための充填ユニットを示す。
【0025】
充填ユニット1は、防腐剤物質を含まない注入可能な製品を容器2に無菌状態下で充填するようになされていることが好ましい。
【0026】
図1図5を参照して、符号5は、充填ユニット1を備える機械と、それぞれの容器2に複数のキャップを適用するための図示されていないキャッピングユニットとを示す。特に、キャッピングユニットは、充填ユニット1の下流にある。
【0027】
より詳しくは、充填ユニット1は、
− 入力ステーションIから出力ステーションOまで延在する弧状の経路Pに沿って、図示された事例では垂直である軸線Aを中心として回転するカルーセル3と、
− それに対してカルーセル3が軸線Aを中心として回転可能であるフレーム4と、
− 注入可能な食品製品をそれぞれの容器2に充填するようになされており、カルーセル3の軸線Aの外側の周縁によって支持される複数の充填装置10と
を実質的に備える(図1および図5)。
【0028】
また、カルーセル3は、すべての充填装置10に共通のタンク(図示せず)を含み、タンクは、注入可能な食品製品を充填される。
【0029】
各容器2は、
− 充填ユニット1によって容器2に充填すること、および続いて、容器2から食品製品を注入することを可能にするようになされた口部11と、
− 口部11のすぐ下に配置される首部12と、
− 口部11と反対側の底壁13と
を備える(図1)。
【0030】
ユニット1は、
− 第1の領域、図示された実施形態では非無菌領域6と、
− 第2の領域、図示された実施形態では減菌空気で充填される無菌領域7と、
− 領域6と領域7とを分割する壁8と
をさらに備える。
【0031】
壁8は、軸線Aを中心としてカルーセル3と一体に回転し、充填装置10が壁を通過する。
【0032】
領域6は、圧力の第1の値に保たれるが、領域7は、第1の値よりも大きな圧力の第2の値に保たれる。
【0033】
また、ユニット1は、非無菌領域6を無菌領域7から液圧的に分離するための液圧バリア9を備える。
【0034】
図示された実施形態においては、液圧バリア9は、サイホンによって形成され、これは、軸線Aに対して静止している。
【0035】
サイホンは、殺菌剤物質で充填される。
【0036】
液圧バリア9は、カルーセル3とフレーム4との間の境界において非無菌領域6および無菌領域7からの非減菌空気の流れを防止する。
【0037】
簡単にするために、次の説明は、装置10が互いに同一であるので、充填装置10を1つのみ参照し、関連する容器2を参照する。
【0038】
充填装置10は、
− カルーセル3に取り付けられるフレーム15と、
− フレーム15によって画定され、軸線Aに平行でそれからずらして配列される軸線Bを中心に延在する中空本体19と、
− 本体19の内側で軸線Bに沿って移動可能なシャッター16と、
− 充填装置10の方へおよびそれから離れて軸線Bに沿って移動可能であり、容器2の首部12を把持するように構成された把持装置17と
を実質的に備える(図1)。
【0039】
本体19は、次いで、
− タンクと流体接続される開口20と、
− 開口20と反対側にあり、容器2の口部11に面しており、容器2の充填中に食品製品が通過する開口21と
を、軸線Bに沿って進むことを備える。
【0040】
図示された実施形態においては、シャッター16は、
− 軸線Bに沿って力を受け取るステム23と、
− 開口21の側面に配置されるステム23の端部に配置されるプランジャ25と
を備える。
【0041】
プランジャ25は、軸線Bの円錐形であり、開口21の形状に相応じて成形される開口21の側面に円錐状端部を備える。
【0042】
シャッター16は、本体19に対してかつ軸線Bに沿って、
− シャッターが開口20と開口21との間の流体接続を可能にし、それによって食品製品の容器2への充填を可能にする開放形態(図示せず)と、
− シャッターが開口20と開口21との間の流体接続を防止する閉鎖形態(図1に示されている)と
の間で移動可能である。
【0043】
把持装置17は、軸線Aを中心にして充填装置10およびカルーセル3と共にかつ同期的に移動可能である。
【0044】
そのうえ、把持装置17は、
− 下降休止位置(図示せず)と、
− 容器2が充填操作を受ける上昇操作位置(図1に示されている)と
の間で軸線Bに平行に移動可能である。
【0045】
図示された実施形態においては、把持装置17が上昇操作位置にある場合には、
− 容器2の口部11は、炭酸製品の接触充填の場合には、充填装置10の開口21と接触しているか、または、
− 容器2の口部11は、泡立たない製品の非接触充填の場合には、充填装置10の開口21から軸線Bに沿って間隔を置いて配置される。
【0046】
さらにより正確には、把持装置17は、ステーションIにおいて下降休止位置から上昇操作位置まで移動し、ステーションOにおいて上昇操作位置から下降休止位置まで移動する。
【0047】
把持装置17は、次いで、
− フレーム29と、
− 軸線Bに平行な軸線Cを中心にしてフレーム29にヒンジ接続された一対のジョー30、31と
を備える。
【0048】
ジョー30、31は、
− ジョーが容器2の首部12から自由である休止形態と
− ジョーが容器2の首部12を把持する把持形態と
の間で移動され得る。
【0049】
特に、ジョー30、31は、ステーションIにおいて開放形態から閉鎖形態まで移動し、ステーションIからステーションOまで閉鎖形態のままであり、ステーションOにおいて閉鎖形態から開放形態まで移動する。
【0050】
また、ユニット1は、
− 把持装置17を上昇位置から下降位置まで移動させるための固定カム(図示せず)と、
− 軸線Eを中心として回転可能でありカムと協働し把持装置17に動作可能に接続されるカムフォロア48を備える接続要素50と
を備える。
【0051】
把持装置17および容器2は、無菌領域7に配置される。
【0052】
接続要素50は、
− それぞれの軸線Dに沿って延在し、カムフォロア48に動作可能に接続され、把持装置17に動作可能に接続される一対のロッド52と、
− それぞれのロッド52を取り囲み、ロッド52がそれぞれの軸線Dに平行に中を通って摺動することができる一対のハウジング54と、
− 一対のベロー53と
を実質的に備える(図1図4)。
【0053】
そのうえ、接続要素50は、アクチュエータ51を備え、アクチュエータは、軸線Dに平行でありカムの動きに対してカムフォロア48の方へ向けられるロッド52に作用を加える。
【0054】
特に、アクチュエータ51によって加えられる作用は、図示された実施形態においては上方へ向けられる。
【0055】
アクチュエータ51は、非無菌領域6に配置され、ベロー53は、無菌領域7に配置される。
【0056】
図示された実施形態においては、アクチュエータ51は、空気圧アクチュエータであり、カムフォロア48上でカムの動きに対して作用する空気ばねとして挙動する。
【0057】
ハウジング54は、関連する軸線Dに対して静止しており、中空シリンダとして成形され、関連するロッド52を摺動可能に収容する。
【0058】
そのうえ、ハウジング54は、一部が非無菌領域6に、かつ一部が無菌領域7に配置される。
【0059】
各ロッド52は、
− 非無菌領域6に、およびカムフォロア48の側面に収納される端部55と、
− それぞれのベロー53の側面上の無菌領域7に配置される、端部55と反対側の端部56と、
− 端部56に隣接し、非無菌領域6から無菌領域7まで移動する部分57と
を備える。
【0060】
端部55は、シャフト49に取り付けられ、シャフトは、軸線Eに沿って延在し、カムフォロア48と一体に軸線Eを中心として回転する。
【0061】
図示された実施形態においては、軸線Eは、軸線A、B、C、Dに直交し、水平である。
【0062】
カムの動きで、ロッド52は、
− 最高位置(図1に示されている)と、
− 最低位置(図示せず)と
の間で移動可能である。
【0063】
プレート60およびカラム61は、ロッド52を把持装置17と接続する。
【0064】
よって、ロッド52が最高位置に配置されると、把持装置17は、操作上昇位置にあり、ベロー53は、それらの最小長さを取る(図1)。
【0065】
ロッド52が最低位置に配置されると、把持装置17は、休止下降位置にあり、ベロー53は、それらの最大長さを取る。
【0066】
有利には、ベロー53は、充填装置10の開口21に対して把持装置17の反対側に配置される(図2)。
【0067】
このように、ベロー53は、ロッド52の部分57が非減菌領域6から減菌領域7まで非減菌空気を運ぶことを防止する。
【0068】
ベロー53は、把持装置17の下に、かつ容器2の口部11の下に配置される。
【0069】
特に、接続要素50は、
− 軸線Dに直交する平面にあるプレート60と、
− プレート60と把持装置17のフレーム29との間に延在する一対のカラム61と
を備える。
【0070】
詳細には、カラム61は、軸線Cに平行に延在する。
【0071】
各ベロー53は、
− それぞれのロッド52のハウジング54に固定される端部65と、
− プレート60に固定される、端部65と反対側の端部66と
を備える。
【0072】
そのうえ、端部66は、図4に示されているように、それぞれのロッド52の端部56とプレート60との間に挟まれる。
【0073】
図示された実施形態においては、端部65は、端部66の上方に配置される。
【0074】
また、ユニット1は、
− 非無菌領域6から無菌領域7の方へ向けられる空気流を生じさせるようになされた通気手段70(図1および図5に示されている)と、
− 非無菌領域7から上流の通気手段70によって作り出された空気流を濾過するための濾過手段(図示せず)と
を備える。
【0075】
通気手段70は、無菌領域7における圧力を非無菌領域6におけるよりも高い値に維持するようになされている。
【0076】
より詳しくは、通気手段70は、把持装置17からベロー53の方へ向けられる空気流を生じさせる。
【0077】
その空気流は、図示された実施形態においては、層流状態になりやすい。
【0078】
このように、ベロー53から逃げる空気は、容器2の口部11の反対側に向けられる。
【0079】
通気手段70は、図示された実施形態においては、複数のファンを備える。
【0080】
キャッピングユニットは、無菌領域7の内側に収容される。
【0081】
次に、充填ユニット1および機械5の操作が、容器2を1つのみ、把持装置17を1つのみ、接続要素50を1つのみ参照して説明される。
【0082】
特に、容器2は、無菌領域7の内側にあり、ユニット1の内側に運ばれると、注入可能な食品製品を充填され、キャッピングユニットまで運ばれ、キャッピングされる。
【0083】
そのうえ、ベロー53および把持装置17は、無菌領域7に配置される。
【0084】
これに反して、カムフォロア48およびアクチュエータ51は、非無菌領域6に配置される。
【0085】
ロッド52の端部55は、非無菌領域6に配置され、端部55の部分57は、非無菌領域6と無菌領域7との間を移動し、ロッド52の端部56は、無菌領域7に配置される。
【0086】
ハウジング54は、一部が非無菌領域6の内側に、かつ一部が無菌領域7の内側に配置される。
【0087】
通気手段70は、非無菌領域6から無菌領域7の方への空気流の流れを生じさせる。
【0088】
その空気流は、非減菌構成部品が無菌領域7に到達することができないように、無菌領域7から上流の濾過手段によって濾過される。
【0089】
液圧バリア9は、フレーム4とカルーセル3との間の境界において非無菌領域6から無菌領域7の方への非減菌物の流れを防止する。
【0090】
そのうえ、充填ユニット1の操作が次に説明され、説明は、接続要素50が経路PのステーションIに配置されシャッター16が閉鎖形態にある構成から始まる。
【0091】
ステーションIにおいては、カムとカムフォロア48との間の相互作用が、ロッド52を最低位置に保ち、したがって把持装置17を下降休止位置に保つ。
【0092】
カルーセル3が経路Pに沿って前進すると、ロッド52は、軸線Dに平行なハウジング54の内側で上方へ摺動する。これは、カムフォロア48に接触するカムの形状と、アクチュエータ51によってロッド52に加えられる上方への作用との両方に起因する。
【0093】
ロッド52の上方への摺動は、プレート60、カラム61、および把持装置17の上方への移動を引き起こす。
【0094】
結果として、ロッド52は、最高位置に到達し、軸線Dに平行なベロー53の長さは、最小値まで減少する(図1)。
【0095】
把持装置17が操作上昇位置に到達すると、シャッター16は、開放形態に変位され、注入可能な製品は、開口21を通過することができ、製品を容器2に充填することができる。
【0096】
特に、把持装置17が操作上昇位置にあるときに、泡立たない注入可能な製品の非接触充填の場合には、口部11は、開口21から軸線Bに沿ってある一定の距離を置いて配置される。
【0097】
注入可能な炭酸製品の非接触充填の場合には、把持装置17が操作上昇位置にあるときに、口部11は、開口21と液密に接触している。
【0098】
所与の量の注入可能な製品を容器2に充填した場合には、シャッター16は、閉鎖位置に後退する。
【0099】
接続要素50がステーションOに到達すると、下方へのカムフォロア48とのカムの相互作用は、ロッド52を軸線Dに沿って移動させ、それによって、下降休止位置への把持装置17の移動を引き起こす。
【0100】
ハウジング54に対するロッド52の下方への摺動は、プレート60、カラム61、および把持装置17の下方への移動を引き起こす。
【0101】
結果として、ロッド52は、軸線Dに沿って最低位置に到達し、軸線Dに平行なベロー53の長さは、最大値まで増加する。
【0102】
この状態においては、充填された容器2は、図示されていないコンベヤ、たとえばスターホイールによってジョー30、31から引き出され、図示されていない方法でキャッピングユニットまで運ばれる。
【0103】
それぞれの軸線Dに沿ったロッド52の移動中に、それぞれの部分57は、非無菌領域6と無菌領域7との間で移動する。
【0104】
ベロー53は、部分57によって押し流される非減菌空気が無菌領域7の内側に逃げることを防止する。
【0105】
ベロー53の漏れの場合には、漏れた非減菌空気は、把持装置17の反対側の通気手段70によって作り出された空気流によって押し流される。
【0106】
このように、容器2および/または容器に充填される注入可能な製品を汚染する危険性が劇的に低減される。
【0107】
本発明によるユニット1の特徴の解析から、得ることができる利点は明らかである。
【0108】
特に、ベロー53は、充填装置10の開口21に対して把持装置17の反対側に配置される。
【0109】
このように、容器2の口部11がそれぞれの軸線Bに沿ってそれぞれの開口21から間隔を置いて配置される場合には、ベロー53から漏れる非減菌空気は、容器の口部に到達することが実質的に防止される。
【0110】
よって、容器2および/または注入可能な製品を汚染する危険性は、本説明の導入部で考察された既知の解決策と比べた場合、劇的に低減される。
【0111】
注入可能な食品製品の無菌性のレベルが、上に確認された既知の解決策に比べて相応じて高められる。
【0112】
そのうえ、通気手段70によって作り出された空気流は、ベロー53から漏れた非減菌空気を、把持装置17の反対側に向け、したがって、軸線Dに沿った容器2の反対側に向けるのに寄与する。
【0113】
最後に、特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱しない変更および変形が、本明細書において開示されたユニット1に対して行われ得るということは明らかである。
【0114】
特に、ユニット1は、無菌製品を充填される容器2にキャップを適用するようになされ得る。
【0115】
また、ユニット1は、特に非無菌製品を容器2に充填するために、非無菌状態下で容器2に操作を行うようになされ得る。
【0116】
そのうえ、通風装置70は、それぞれの非層流すなわち乱流の空気流を生じさせることができる。
【0117】
最後に、炭酸化物を含む注入可能な製品の接触充填の場合には、真空を容器2の内側に生じさせることができ、かつ/または加圧ステップをその充填前に容器2に行うことができ、かつ/または減圧ステップをその充填ステップの後に容器2に行うことができる。
【符号の説明】
【0118】
1 充填ユニット
2 容器
3 カルーセル
4、15、29 フレーム
5 充填ユニットを備える機械とキャッピングユニット
6 非無菌領域
7 無菌領域
8 壁
9 液圧バリア
10 充填装置
11 口部
12 首部
13 底壁
16 シャッター
17 把持装置
19 中空本体
20、21 開口
23 ステム
25 プランジャ
30、31 ジョー
48 カムフォロア
49 シャフト
50 接続要素
51 アクチュエータ
52 ロッド
53 ベロー
54 ハウジング
55、56,65、66 端部
57 部分
60 プレート
61 カラム
70 通気手段
A、B、C、D、E 軸線
I 入力ステーション
O 出力ステーション
P 経路
図1
図2
図3
図4
図5