(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本圧着工程では、チップ部品4に対して加圧および加熱が行われる。加熱は、加圧ヘッド207側に設けられたヒータを用いて行われ、チップ部品4から樹脂6へと伝熱される。この際、
図10に示すように、回路基板2の本圧着を行っている箇所から隣接する仮圧着された箇所へヒータの加熱による熱が伝熱してしまう。この熱により、仮圧着された箇所の接着剤樹脂の硬化反応が進行し、本圧着を行う際にチップ部品4のバンプ5と回路基板2の電極3の間に硬化した樹脂を噛み込んでしまい、接合不良を起こしてしまう問題がある。
【0009】
また、回路基板2に設けられた回路パターンが多い場合には、最初のチップ部品4の本圧着作業から最終のチップ部品4の本圧着作業までに時間を要するため、仮圧着状態の接着剤樹脂6が時間の経過とともに硬化が進行し、最終のチップ部品4を本圧着するときに接合不良を起こしてしまう問題がある。
【0010】
また、仮圧着状態の接着剤樹脂6は、未硬化状態であり、接着強度も低いため仮圧着部100のステージから、本圧着部200のステージへ回路基板2を移載する際に、移載ハンドによる受け渡しや搬送中の振動などによりチップ部品4が位置ずれしてしまう問題がある。
【0011】
また、本圧着工程で接着剤樹脂6の硬化温度以上に加熱されたヒーターで本圧着すると、接着剤樹脂6の特性によっては、加熱硬化が急速に進行して接着剤樹脂6の流動性を阻害しバンプと電極の間に接着剤樹脂6が噛み込んでしまって導通不良を起こすため、本圧着開始時には接着剤樹脂6の流動性を良くし硬化が進行しない温度で加圧し、次いで硬化する温度まで上昇させて本圧着する場合もある。
【0012】
その場合に硬化温度まで昇温したヒーターを開始温度まで冷却させる必要があり、タクトタイムが長くなり生産性が悪くなる問題がある。
【0013】
そこで本発明の課題は、複数の回路パターンが形成された回路基板の各回路パターンにチップ部品を接着剤樹脂を介して仮圧着工程および本圧着工程を行い実装する実装装置において、接合不良や位置ずれを発生させない生産性の高い実装装置および実装方法を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数の回路パターンが形成された回路基板の各回路パターンにチップ部品を接着剤樹脂を介して実装する実装装置であって、
チップ部品と回路基板に設けられた回路パターンの位置合わせを行って、チップ部品を回路パターンに仮圧着する仮圧着ヘッドと、
仮圧着されたチップ部品を加熱および加圧し接着剤樹脂を加熱硬化してチップ部品を回路パターンに本圧着する本圧着ヘッドと、
回路基板を保持する
機能を有し、ステージヒータを内蔵した基板保持ステージと、
基板保持ステージを回路基板が保持された状態で、仮圧着ヘッドが設けられた仮圧着部と本圧着ヘッドが設けられた本圧着部との間を交互に移動する機構とを備え、
チップ部品を回路パターンに仮圧着した後、基板保持ステージを仮圧着ヘッドの下側から本圧着ヘッドの下側に移動してチップ部品を回路パターンに本圧着を行う制御部を備えた実装装置である。
【0015】
請求項2に記載の発明は、
複数の回路パターンが形成された回路基板の各回路パターンにチップ部品を接着剤樹脂を介して実装する実装装置であって、
チップ部品と回路基板に設けられた回路パターンの位置合わせを行って、チップ部品を回路パターンに仮圧着する仮圧着ヘッドと、
仮圧着されたチップ部品を加熱および加圧し接着剤樹脂を加熱硬化してチップ部品を回路パターンに本圧着する本圧着ヘッドと、
回路基板を保持する
機能を有し、ステージヒータを内蔵した基板保持ステージと、
仮圧着ヘッドと本圧着ヘッドを基板保持ステージ上に交互に移動させる機構とを備え、
基板保持ステージ上に仮圧着ヘッドを移動し仮圧着を行った後、基板保持ステージ上に本圧着ヘッドを移動し本圧着を行う制御部を備えた実装装置である。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の発明において、
本圧着ヘッドが複数のチップ部品を一括で加熱および加圧するツールを備えた実装装置である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3の発明において、
本圧着ヘッドの加圧力を制御する制御部が加圧される複数のチップ部品の数量に応じて加圧力を可変する機能を有した実装装置である。
【0018】
請求項5に記載の発明は、
複数の回路パターンが形成された回路基板の各回路パターンにチップ部品を接着剤樹脂を介して実装する実装方法であって、
チップ部品と回路基板に設けられた回路パターンの位置合わせを行って、チップ部品を回路パターンに仮圧着ヘッドを用いて仮圧着する工程と、
仮圧着されたチップ部品を加熱および加圧し接着剤樹脂を加熱硬化してチップ部品を回路パターンに本圧着ヘッドを用いて本圧着する工程とを有し、
回路基板を保持する
機能を有し、ステージヒータを内蔵した基板保持ステージを、仮圧着ヘッドの下側に移動させて仮圧着する工程と、本圧着ヘッドの下側に移動させて本圧着する工程とを交互に行い、回路基板のすべての回路パターンにチップ部品を仮圧着および本圧着してから回路基板の取り出しを行う工程を有する実装方法である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、
複数の回路パターンが形成された回路基板の各回路パターンにチップ部品を接着剤樹脂を介して実装する実装方法であって、
チップ部品と回路基板に設けられた回路パターンの位置合わせを行って、チップ部品を回路パターンに仮圧着ヘッドを用いて仮圧着する工程と、
仮圧着されたチップ部品を加熱および加圧し接着剤樹脂を加熱硬化してチップ部品を回路パターンに本圧着ヘッドを用いて本圧着する工程とを有し、
回路基板を保持する
機能を有し、ステージヒータを内蔵した基板保持ステージ上に、仮圧着ヘッドを移動させて仮圧着する工程と、本圧着ヘッドを移動させて本圧着する工程とを交互に行い、回路基板のすべての回路パターンにチップ部品を仮圧着および本圧着してから回路基板の取り出しを行う工程を有する実装方法である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、基板保持ステージに回路基板を保持した状態で、仮圧着部で回路基板の回路パターンにチップ部品を仮圧着して、次いで、基板保持ステージを本圧着部に移動して、仮圧着したチップ部品を本圧着ヘッドで本圧着を行う。チップ部品の仮圧着毎に本圧着を行い接着剤樹脂の硬化が行われるので、他の回路パターンにチップ部品を本圧着している時に基板からの伝熱があっても、すでに接着剤樹脂の硬化が完了しているので硬化反応が繰り返されることがない。そのため本圧着された回路パターンのチップ部品に位置ずれや接合不良を発生させることがない。
【0021】
また、本圧着中に仮圧着ヘッドは次のチップ部品の受け渡しを行い、仮圧着中に本圧着ヘッドは次の本圧着開始温度にまで冷却を行うことができるので、工程を平行に行うことでタクトタイム短縮が図れる。
【0022】
また、基板保持ステージ上の基板は、吸着保持したまま、仮圧着部、本圧着部を往復して最終のチップ部品まで本圧着してから回路基板を移送するので、移送による仮圧着後の位置ずれの問題はなくなる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、基板保持ステージに回路基板を保持した状態で、基板保持ステージ上に仮圧着ヘッドを移動し仮圧着を行った後、基板保持ステージ上に本圧着ヘッドを移動し本圧着を行う。チップ部品の仮圧着毎に本圧着を行い接着剤樹脂の硬化が行われるので、他の回路パターンにチップ部品を本圧着している時に基板からの伝熱があっても、すでに接着剤樹脂の硬化が完了しているので硬化反応が繰り返されることがない。そのため本圧着された回路パターンのチップ部品に位置ずれや接合不良を発生させることがない。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、本圧着ヘッドが複数のチップ部品を一括で加熱および加圧するツールを備えている。そのため、複数箇所の仮圧着されたチップ部品を一括して本圧着でき、タクトタイムを短縮することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、本圧着ヘッドの加圧力を制御する制御部が加圧される複数のチップ部品の数量に応じて加圧力を可変する機能を有している。そのため、回路パターンの不良により仮圧着されなかった回路パターンが本圧着の圧着箇所に含まれていても、個々のチップ部品には適正な加圧を行うことができる。また、回路基板がウエハなど円形の形状の場合、外周部の複数の回路パターンを本圧着する際に、チップ部品の数に応じて加圧力を可変しているので加圧不良を発生させない。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、回路基板を保持する基板保持ステージを、仮圧着ヘッドの下側に移動させて仮圧着する工程と、本圧着ヘッドの下側に移動させて本圧着する工程とを交互に行い、回路基板のすべての回路パターンにチップ部品を仮圧着および本圧着してから回路基板の取り出しを行う工程を有している。チップ部品の仮圧着毎に本圧着を行い接着剤樹脂の硬化が行われるので、他の回路パターンにチップ部品を本圧着している時に回路基板からの伝熱があっても、すでに接着剤樹脂の硬化が完了しているので硬化反応が繰り返されることがない。そのため本圧着された回路パターンのチップ部品に位置ずれや接合不良を発生させることがない。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、回路基板を保持する基板保持ステージ上に、仮圧着ヘッドを移動させて仮圧着する工程と、本圧着ヘッドを移動させて本圧着する工程とを交互に行い、回路基板のすべての回路パターンにチップ部品を仮圧着および本圧着してから回路基板の取り出しを行う工程を有している。チップ部品の仮圧着毎に本圧着を行い接着剤樹脂の硬化が行われるので、他の回路パターンにチップ部品を本圧着している時に回路基板からの伝熱があっても、すでに接着剤樹脂の硬化が完了しているので硬化反応が繰り返されることがない。そのため本圧着された回路パターンのチップ部品に位置ずれや接合不良を発生させることがない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
図1において、実装装置1に向かって左右方向をX軸、手前方向をY軸、X軸とY軸とで構成されるXY平面に直交する軸をZ軸、Z軸を中心として回転する方向をθ方向とする。実装装置1は、回路基板2にチップ部品4を仮圧着する仮圧着部100と、回路基板2にチップ部品4を本圧着する本圧着部200と、実装装置1の全体を制御する制御部150とから構成されている。
【0030】
仮圧着部100は、基台101上に載置された基板保持ステージ102と、基台101のY方向後方に設けられた支持フレーム103と、支持フレーム103に設けられた回路基板2にチップ部品4を仮圧着する加圧手段104と、加圧手段104に設けられた仮圧着ヘッド107にチップ部品4を供給するチップスライダ110と、回路基板2に設けられた位置合わせマークとチップ部品4に設けられた位置合わせマークを画像認識する2視野カメラ130とから構成されている。
【0031】
基板保持ステージ102には、図示していない搬送手段により回路基板2が供給される。基板保持ステージ102は、XY方向に移動可能な位置調整手段106が設けられている。位置調整手段106は、サーボモータに連結されたボールねじなどの機構により基板保持ステージ102をXY方向に駆動するように構成されている。基板保持ステージ102には、回路基板2の樹脂6の流動性を高めるためにステージヒータ105が内蔵されている。
【0032】
基板保持ステージ102の位置調整手段106は、仮圧着部100から本圧着部200に伸びるスライドレール120上に備えられている。スライドレール120と位置調整手段106の下部に設けられたリニアガイド121が嵌合し、基板保持ステージ102を仮圧着部100と本圧着部200との間を往復できるように構成されている。
図1では、本圧着部200に移動した基板保持ステージ102を点線で示した。
【0033】
加圧手段104は、Z方向に駆動される仮圧着ヘッド107と、仮圧着ヘッド107を駆動する昇降手段108と、θ方向に駆動する回転手段109から構成されている。昇降手段108は、サーボモータとボールねじの機構により仮圧着ヘッド107をZ方向に駆動するように構成されている。サーボモータとボールねじの構成に限らず、圧空シリンダとピストン又はボイスコイルモータの構成にしても良い。
【0034】
仮圧着ヘッド107には、仮圧着ヒータ125、仮圧着用アタッチメント126が設けられている。仮圧着ヒータ125は、チップ部品4を加熱するためのものであり、カートリッジヒータから構成されている。ただし、カートリッジヒータに限定されるものではなく、ラバーヒータ等、チップ部品4を加熱することができるものであればよい。
【0035】
仮圧着用アタッチメント126は、チップ部品4を保持するものである。仮圧着用アタッチメント126は、仮圧着ヒータ125に吸着により保持されている。また、仮圧着用アタッチメント126は、仮圧着ヒータ125によって加熱されるように構成されている。つまり、仮圧着用アタッチメント126は、チップ部品4を位置決め保持するとともに、仮圧着ヒータ125からの伝熱によってチップ部品4を加熱できるように構成されている。
【0036】
仮圧着用アタッチメント126のチップ部品4を吸着する面の外周サイズは、チップ部品4のサイズよりも小さくすることで、チップ部品4と回路基板2の間から接着剤樹脂6(例えばNCF)がはみ出したとしても仮圧着用アタッチメント126に付着するという問題は生じない。仮圧着用アタッチメント126の各辺は、チップ部品4の各辺に対して0.1mmから0.5mm程度小さくすることが望ましい。
【0037】
チップスライダ110は、チップ部品4を図示いていないチップ供給部から仮圧着ヘッド107の下方まで水平搬送する。チップスライダ110は、チップ供給部から仮圧着ヘッド107まで伸びるスライドレール111とチップ部品4を搬送するチップ搬送部112とから構成されている。チップ搬送部112は、チップ部品4を吸着保持しながらチップ供給部と仮圧着ヘッド107の下方を水平移動するように構成されている。
【0038】
2視野カメラ130は、上下に視野を持つカメラで、仮圧着ヘッド107と基板保持ステージ102の間に挿入され、回路基板2に設けられた位置合わせマークとチップ部品4に設けられた位置合わせマークを画像認識することが出来るように構成されている。
図1では挿入した状態を点線で示した。
【0039】
本圧着部200は、基台101のY方向後方に設けられた支持フレーム203と、支持フレーム203に設けられた回路基板2にチップ部品4を本圧着する加圧手段204と、樹脂シート供給機構210とから構成されている。スライドレール120上に設けられた基板保持ステージ102が仮圧着部100から本圧着部200に移動可能に構成されている。
【0040】
加圧手段204は、Z方向に駆動される本圧着ヘッド207と、本圧着ヘッド207を駆動する昇降手段208と、θ方向に駆動する回転手段209から構成されている。昇降手段208は、サーボモータとボールねじの機構により本圧着ヘッド207をZ方向に駆動するように構成されている。サーボモータとボールねじの構成に限らず、圧空シリンダとピストン又はボイスコイルモータの構成にしても良い。本圧着ヘッド207には本圧着ヒータ220が組み付けされており、回路基板2に充填された接着剤樹脂6を加熱硬化させることができるようになっている。加圧手段204の加圧力は、チップ部品4の電極の数や、回路基板2との電極同士の接触面積に応じて可変できるよう制御される。
【0041】
樹脂シート供給機構210は、樹脂シート巻出部211および樹脂シート巻取部212を構成要素として、樹脂シート巻出部211に巻かれたテープ状の樹脂シート213を本圧着用アタッチメント221とチップ部品4の間に供給した後に樹脂シート巻取部212で巻取るものである。樹脂シート供給機構210には、樹脂シート巻出部211と樹脂シート巻取部212以外に、樹脂シート213を安定に搬送するためのガイドロール等があってもよい。ここで、樹脂シート213としては、柔軟性を有しつつ、耐熱性に優れ、半導体チップに対する防着性にも優れている材料が好ましく、この特性を備えた材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂が好適である。また、厚みとしては、機械的強度を保持しつつもチップ部品4(例えば半導体チップ)への熱伝導性も考慮して20〜50μm程度が好ましい。
【0042】
本圧着ヒータ220は、チップ部品4を加熱するためのものである。本圧着ヒータ220は、カートリッジヒータ205から構成され、本圧着ヘッド207に組み込まれている。本実施形態において、本圧着ヒータ220はカートリッジヒータ205から構成されているが、これに限定されるものではなく、セラミックヒータ、ラバーヒータ等、チップ部品4を所定の温度まで加熱することができるものであればよい。
【0043】
また、接着剤樹脂6の特性によっては、加熱硬化が急速に進行して接着剤樹脂6の流動性を阻害しバンプと電極の間に接着剤樹脂6が噛み込んでしまって導通不良を起こすため、本圧着開始時には接着剤樹脂6の流動性を良くし硬化が進行しない温度で加圧し、次いで硬化する温度まで上昇させて本圧着する必要があるので、本圧着ヒーター220には硬化温度まで昇温したヒーターを開始温度まで冷却させるための、冷却機構が内蔵されている。冷却手段には、空気や窒素、水など、熱を奪うものであればよい。
【0044】
本圧着用アタッチメント221は、樹脂シート213を介してチップ部品4を加圧するものである。本圧着用アタッチメント221は、本圧着ヒータ220によって加熱されるように構成されている。つまり、本圧着用アタッチメント221は、チップ部品4を加圧すると同時に、本圧着ヒータ220からの伝熱によって加熱できるように構成されている。なお、仮圧着用アタッチメント126と異なり、本圧着用アタッチメント221はチップ部品4を吸着保持する必要がないので、吸着穴はなくてもよい。
【0045】
樹脂シート213により、本圧着時にチップ部品4から接着剤樹脂6がはみ出しても本圧着用アタッチメント221に付着することがないので、本圧着用アタッチメント221は圧着面の外周サイズをチップ部品4よりも大きくすることができる。そのため、チップ部品4の周辺部まで全面に熱を伝えることができ、チップ部品4の外周にはみだした接着剤樹脂6のフィレット形状を安定させ、接合強度を高めることができる。また、チップ部品4を圧着する面の外周サイズを、実装のピッチサイズよりも小さくすることで、隣接チップ部品4間での干渉を抑えて本圧着を行うことができる。なお、本圧着用アタッチメント221には、効率よく熱を伝えるために50W/mK以上の熱伝導率を有する材料を用いることが好ましい。
【0046】
本圧着アタッチメント221は、本圧着ヒータ220と分離されていて脱着できる構成であれば、安価であり、交換することで複数品種に対応できて好ましいが、一体型の構造であってもよい。
【0047】
制御部150は、タッチパネル等の入出力装置、メモリチップやマイクロプロセッサなどを主体とした適当なハードウエア、このハードウエアを動作させるためのプログラムを組み込んだハードディスク装置、及び各構成部とデータ通信を行う適当なインターフェイス回路から構成され、実装装置1の全体制御を行っている。
【0048】
回路基板2は、
図2に示すように、複数の回路パターン7が設けられ、各回路パターン7には図示しない接着剤樹脂供給手段により、接着剤樹脂6が充填される。接着剤樹脂6を充填する代わりにシート状の熱硬化性シートを回路基板2上に貼り付けても良い。
【0049】
また、チップ部品4の回路面にシート状の熱硬化性シートを貼り付けても良い。チップ部品4の回路面にシート状の熱硬化性シートを予め貼り付けておくことで、接着剤樹脂供給手段及び、接着剤樹脂充填工程が不要になるので望ましい。
【0050】
このような構成の実装装置1を用いて、チップ部品4を回路基板2に実装する実装方法を
図3の動作フローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0051】
まず、回路基板2を基板保持ステージ102に吸着保持する(ステップST01)。この際、基板保持ステージ102は、仮圧着部100に移動している。2視野カメラ130の回路基板2用のカメラで、基板保持ステージ102に保持された回路基板2の姿勢補正用マークを認識して、実装ポイント位置を計算する。次いで、図示しない樹脂供給手段の位置に、計算された最初の実装ポイントに接着剤樹脂6を供給するために、基板保持ステージ102を移動させる。
【0052】
次に、回路基板2の回路パターン7に、チップ部品4が実装される場所の1箇所の回路パターンに接着剤樹脂6を充填する(ステップST02)。予めチップ部品4の回路面にシート状の熱硬化性シートが貼り付けられたチップ部品4を使用した場合は、この工程は不要となる。
【0053】
次に、チップスライダ110がチップ部品4をチップ供給部から仮圧着ヘッド107の下側に搬送する(ステップST03)。
【0054】
次に、仮圧着ヘッド107が下降し、チップスライダ110からチップ部品4を受け取る(ステップST04)。
【0055】
次に、チップスライダ110がチップ供給部に退避し、チップ部品4と回路基板2の間に2視野カメラ130を挿入する。2視野カメラ130は、チップ部品4に設けられた位置合わせマークと、所定の回路パターン7に設けられた位置合わせマークとを画像認識する。制御部150は、画像認識されたデータに基づき、基板保持ステージ102をXY方向、仮圧着ヘッド107をθ方向に位置合わせする(ステップST05)。
【0056】
次に、2視野カメラ130が退避位置に移動し、仮圧着ヘッド107が回路基板2側に下降し、チップ部品4が所定の回路パターン7に仮圧着される(ステップST06)。仮圧着ヘッド107は所定時間、チップ部品4を回路パターン7に加圧した後、上昇する。チップ部品4は樹脂6を介して回路パターン7に仮止めされる。
【0057】
次に、本圧着部200の本圧着ヘッド207の下部に仮圧着されたチップ部品4が来るように、仮圧着部100で計算された実装ポイント情報に基づき、基板保持ステージ102を移動させる(ステップST07)。基板保持ステージ102に保持された回路基板2の姿勢で、傾きが大きすぎた場合には、本圧着ヘッド207を回路基板2の傾きに応じて、回転させるのが望ましい。
【0058】
次に、本圧着ヘッド207がチップ部品4が仮圧着されている箇所に下降し、所定の加圧力で加圧および所定の温度で加熱し本圧着を行う(ステップST08)。加圧と加熱は、
図3に示すように、本圧着ヘッド207がチップ部品4に接触すると所定加圧が開始され、所定時間の遅れ(
図4のt)の後、接着剤樹脂6を熱硬化させる温度までの加熱が行われる。こうすることにより、チップ部品4のバンプ5が回路パターン7に設けられた電極3に所定圧力で加圧された後、バンプ5の周辺の接着剤樹脂6が硬化反応するようになる。そのため、バンプ5と電極3が良好に接合される。接着剤樹脂6の特性によっては、加熱を接着剤樹脂6の硬化温度に加熱された状態で実施すると、バンプ5が所定加圧される前に接着剤樹脂6の硬化反応が開始されるため接触不良を招く問題がある。
【0059】
本圧着部200で本圧着が行われている間に、仮圧着部100では、チップスライダ110がチップ供給部から次に実装するチップ部品4を仮圧着ヘッド107の下側に搬送し、仮圧着ヘッド107にチップ部品4が受け渡されている(ステップST09)。
【0060】
次に、本圧着ヘッド207が上昇し、基板保持ステージ102が本圧着部200から仮圧着部100に移動する(ステップST10)。
【0061】
次に、回路基板2の回路パターン7に次の実装ポイントの回路パターン7に接着剤樹脂6を充填する。貫通電極を用いた3次元実装の場合には、前回実装したチップ部品の上面側の接合される面に接着剤樹脂6を充填する(ステップST11)。
【0062】
次に、仮圧着ヘッド107と基板保持ステージ102の間に2視野カメラ130を挿入し、次に実装する回路パターン7に設けられた位置合わせマークと仮圧着ヘッド107に吸着保持されたチップ部品の位置合わせマークとを画像認識する。制御部150は、画像認識されたデータに基づき、基板保持ステージ102をXY方向に仮圧着ヘッド107をθ方向に位置合わせする(ステップST12)。
【0063】
次に、2視野カメラ130が退避位置に移動し、仮圧着ヘッド107が回路基板2側に下降し、チップ部品4が所定の回路パターン7に仮圧着される(ステップST13)。仮圧着ヘッド107は所定時間、チップ部品4を回路パターン7に加圧した後、上昇する。チップ部品4は接着剤樹脂6を介して回路パターン7に仮止めされる。
【0064】
仮圧着部100で仮圧着が行われている間、本圧着部200の本圧着ヘッド207の冷却が行われる(ステップST14)。
【0065】
次に、ステップST07以降の動作が繰り返され、回路基板2のすべての回路パターン7にチップ部品4が仮圧着および本圧着されると回路基板2が実装装置1から排出される(ステップST15)。
【0066】
このように、仮圧着が行われる毎に、基板保持ステージ102を仮圧着部100から本圧着部200に移動し本圧着を行っているので、個々の回路パターン7の接着剤樹脂6は加熱による硬化反応が完了してるので、隣接する回路パターン7で本圧着が行われても、熱の伝導による硬化反応はなくなる。
【0067】
また、仮圧着中に本圧着部200の本圧着ヒータ220の冷却が行われ、本圧着中に仮圧着部100のチップ部品4の搬送が行われているので、タクトタイムを短縮し効率よい生産を行うことができる。
【0068】
また、一旦、基板保持ステージ102に吸着保持した回路基板2はすべての工程が完了するまで取り外されることがないので、回路基板2の搬送にともなう置き換えなどによるチップ部品4の位置ずれを防止することができる。
【0069】
次に、本発明の実施の形態2について
図5を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同様の機能を有する部材は符号を同一にして説明する。
図5に示す実装装置500は、基板保持ステージ102が、位置調整手段106を介して基台101に固定されている。基台101には門方フレーム300が立設している。門方フレーム300には、仮圧着用の加圧手段104が水平移動するスライドレール301と、本圧着用の加圧手段204が水平移動するスライドレール302が設けられている。基板保持ステージ102上を作業位置とし、加圧手段104および加圧手段204は、サーボモータとボールねじの機構により作業位置と退避位置とを移動できるようになっている。チップ部品4をチップ供給部から搬送してきたチップスライダ110は、加圧手段104の退避位置でチップ部品4の仮圧着ヘッド107への受け渡しを行うようになっている。2視野カメラ130は、基板保持ステージ102上に挿入可能に構成されている。樹脂シート供給機構210は図示しないが、基板保持ステージ102上に挿入可能に構成されている。
【0070】
このような実装装置500を用いて、チップ部品4を回路基板2に実装する実装方法を
図6の動作フローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0071】
まず、回路基板2を基板保持ステージ102に吸着保持する(ステップST51)。
【0072】
次に、回路基板2の回路パターン7にチップ部品4が実装される場所の1箇所の回路パターン7に接着剤樹脂6を充填する(ステップST52)。予めチップ部品4の回路面にシート状の熱硬化性シートが貼り付けられたチップ部品4を使用した場合は、この工程は不要となる。
【0073】
次に、チップスライダ110がチップ部品4をチップ供給部から退避位置に移動した仮圧着ヘッド107の下側に搬送する(ステップST53)。
【0074】
次に、仮圧着ヘッド107が下降し、チップスライダ110からチップ部品4を受け取る(ステップST54)。
【0075】
次に、仮圧着ヘッド107が基板保持ステージ102上に移動する(ステップST55)。
【0076】
次に、チップ部品4と回路基板2の間に2視野カメラ130を挿入する。2視野カメラ130は、チップ部品4に設けられた位置合わせマークと、所定の回路パターン7に設けられた位置合わせマークとを画像認識する。制御部150は、画像認識されたデータに基づき、基板保持ステージ102をXY方向に仮圧着ヘッド107をθ方向に位置合わせする(ステップST56)。
【0077】
次に、2視野カメラ130が退避位置に移動し、仮圧着ヘッド107が回路基板2側に下降し、チップ部品4が所定の回路パターン7に仮圧着される(ステップST57)。仮圧着ヘッド107は所定時間、チップ部品4を回路パターン7に加圧した後、上昇する。チップ部品4は接着剤樹脂6を介して回路パターン7に仮止めされる。
【0078】
次に、仮圧着ヘッド107が退避位置に移動し、本圧着用の本圧着ヘッド207が基板保持ステージ102上に移動する(ステップST58)。
【0079】
次に、本圧着ヘッド207がチップ部品4が仮圧着されている箇所に下降し、所定の加圧力で加圧および所定の温度で加熱し本圧着を行う(ステップST59)。加圧と加熱は、実装装置1と同じように
図3に示すプロファイルで行われる。
【0080】
本圧着ヘッド207で本圧着が行われている間に、チップスライダ110がチップ供給部から次に実装するチップ部品4を仮圧着ヘッド107の下側に搬送し、仮圧着ヘッド107にチップ部品4が受け渡されている(ステップST60)。
【0081】
次に、本圧着ヘッド207が上昇し、基板保持ステージ102上から本圧着ヘッド207が退避位置に移動する(ステップST61)。
【0082】
次に、仮圧着ヘッド107がチップ部品4を保持した状態で基板保持ステージ102上に移動する(ステップST62)。
【0083】
次に、回路基板2の次の実装ポイントの回路パターン7に接着剤樹脂6を充填する。貫通電極を用いた3次元実装の場合には、前回実装したチップ部品の上面側の接合される面に接着剤樹脂6を充填する(ステップST63)。
【0084】
次に、チップ部品4と回路基板2の間に2視野カメラ130を挿入する。2視野カメラ130は、チップ部品4に設けられた位置合わせマークと、所定の回路パターン7に設けられた位置合わせマークとを画像認識する。制御部150は、画像認識されたデータに基づき、基板保持ステージ102をXY方向に仮圧着ヘッド107をθ方向に位置合わせする(ステップST64)。
【0085】
次に、2視野カメラ130が退避位置に移動し、仮圧着ヘッド107が回路基板2側に下降し、チップ部品4が所定の回路パターン7に仮圧着される(ステップST65)。仮圧着ヘッド107は所定時間、チップ部品4を回路パターン7に加圧した後、上昇する。チップ部品4は接着剤樹脂6を介して回路パターン7に仮止めされる。
【0086】
仮圧着が行われている間、本圧着ヘッド207の冷却が行われる(ステップST66)。
【0087】
次に、ステップST58以降の動作が繰り返され、回路基板2のすべての回路パターン7にチップ部品4が仮圧着および本圧着されると回路基板2が実装装置500から排出される(ステップST67)。
【0088】
このように、基板保持ステージ102上に仮圧着ヘッド107と本圧着ヘッド207を交互に移動し仮圧着と本圧着を行っているので、個々の回路パターン7の接着剤樹脂6は加熱による硬化反応が完了してるので、隣接する回路パターン7で本圧着が行われても、熱の伝導による硬化反応はなくなる。
【0089】
また、仮圧着中に本圧着部200の本圧着ヒータ220の冷却が行われ、本圧着中に仮圧着部100のチップ部品4の搬送が行われているので、タクトタイムを短縮し効率よい生産を行うことができる。
【0090】
さらに、貫通電極を用いた3次元実装の場合には連続して仮圧着動作を行うことで、本圧着時間と本圧着ヒータ220の冷却時間を無駄なく使えるので、効率よい生産を行うことができる。
【0091】
また、一旦、基板保持ステージ102に吸着保持した回路基板2はすべての工程が完了するまで取り外されることがないので、回路基板2の搬送にともなう置き換えなどによるチップ部品4の位置ずれを防止することができる。
【0092】
次に、本発明の実施の形態3について
図7を参照しながら説明する。
図7は実施の形態1または実施の形態2の実装装置1,500の本圧着ヘッド207の形状を示したものである。本圧着ヘッド207は、複数のチップ部品4を一括して本圧着できるようにヘッドの幅を大きくしている。このような本圧着ヘッド207を用いることにより、仮圧着作業を複数のチップ部品4に行った後、本圧着を行うことができるので生産効率を大幅に向上することができる。
【0093】
また、本圧着ヘッド207に設けられた本圧着ヒータ220の冷却を毎チップ部品4行う場合に比べて、本圧着ヒータ220の冷却を複数のチップ部品4の実装毎に1回の冷却動作にできるため確実に冷却することができる。
【0094】
また、本圧着ヘッド207の加圧力を複数のチップ部品4の数量に応じて加圧力を可変するようにすると、回路パターン7の不良により仮圧着されなかった回路パターン7が本圧着の圧着箇所に含まれていても、個々のチップ部品4には適正な加圧を行うことができる。また、回路基板2がウエハなど円形の形状の場合、外周部の複数の回路パターン7を本圧着する際に、チップ部品4の数に応じて加圧力を可変することができるので加圧不良を発生させない。
【0095】
次に、本発明の実施の形態4について
図8を参照しながら説明する。
図8は実施の形態1または実施の形態2の実装装置1,500の基板保持ステージ102で回路基板2に複数のチップ部品4を積層した場合を説明する図である。チップ部品4は仮圧着状態で順次積層され、所定の積層数まで仮圧着が完了すると、本圧着工程へと移動し加圧および加熱が行われる。このように、仮圧着状態で積層した後、本圧着することで上記、実施の形態1および実施の形態2の効果と同様の効果が得られる。