(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押し板部は、前記載置面と前記下端部との距離が前記薬剤の高さより小さい状態では前記薬剤貯留部に近づく方向に移動し、前記載置面と前記下端部との距離が薬剤の高さよりも大きい状態では前記薬剤貯留部から離れる方向に移動する、
請求項1に記載の薬剤計数用装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、薬剤計数用装置100の斜視図である。また、
図2から
図4は、薬剤計数用装置100の六面図である。具体的には、
図2(a)は正面図であり、
図2(b)は背面図である。
図3(a)は平面図であり、
図3(b)は底面図である。
図4(a)は右側面図であり、
図4(b)は左側面図である。
図1に示すように、薬剤計数用装置100は、トレイ部110、土台部120、モニタ部130、薬剤計数部140、薬剤注出口150、薬剤移動部160、不要薬剤注出口170を有する。なお、本実施の形態では、
図1に示すように、薬剤注出口150がある側を薬剤計数用装置100の前方と定義する。
【0013】
トレイ部110は、錠剤やカプセル剤等をその上で計数するための皿状の部材である。本発明では、薬剤計数用装置にて計数される錠剤やカプセル剤等の大きさは特に限定しないが、それぞれがある程度の大きさを有し、個数単位で計数を行うことができる大きさを想定している。なお、本実施の形態では、計数を行うことができる錠剤やカプセル剤等を総称して薬剤と称する。
【0014】
図5は、トレイ部110の形状を説明するための図である。
図5(a)に示す線A−A’における断面図が
図5(b)である。
図5(b)に示すように、トレイ部110は、薬剤載置部111と、薬剤載置部111と比較して狭い不要薬剤留置部112と、境部113とを有する。
【0015】
薬剤載置部111は、薬剤を広散して載置し、計数するための載置面を有する。そして、不要薬剤留置部112は、薬剤載置部111から薬剤師等の使用者が不要な薬剤をへら等を使用して移動させたとき、当該不要な薬剤を留置するための留置面を有する。一度不要薬剤留置部112に移動された薬剤が意図せず薬剤載置部111に戻ってしまうことがないように、薬剤載置部111と不要薬剤留置部112との間には他の部位よりも高くなるように構成された境部113が設けられる。
【0016】
図5(b)に示すように、トレイ部110の左右の縁の部位において、トレイ部110の底面からほぼ垂直に側壁面114が形成されている。トレイ部110の底面、すなわち薬剤載置部111および不要薬剤留置部112と、側壁面114とによって、トレイ部110は皿状に形成されている。また、側壁面114の上部終端部から、トレイ部110の外側に向かって縁部115が形成されている。当該縁部115は、土台部120に対するトレイ部110の安定性を向上させるための部位である。
【0017】
図6は、境部113の形状の一例を説明するための拡大断面図である。
図6に示すように、境部113の頂点部と薬剤載置部111および不要薬剤留置部112との間にはそれぞれ斜面116および117が形成されている。薬剤載置部111から不要薬剤留置部112へは使用者がへら等を用いて薬剤を移動させることがあるが、不要薬剤留置部112から薬剤載置部111へ薬剤を移動させることは基本的にはない。このため、薬剤載置部111側の斜面116よりも不要薬剤留置部112側の斜面117の方が傾斜が急であるように形成される。言い換えれば、境部113における鉛直方向に対する斜面116のなす角αと、斜面117のなす角βとを比較すると、α>βとなるように形成される。なお、角βは0であってもよく、角αは使用者がへら等を用いて薬剤を移動させるときに移動させやすい傾斜角であればよい。
【0018】
なお、薬剤載置部111と不要薬剤留置部112の高さについては、同一の高さとしてもよいし、異なる高さとしてもよい。特に、薬剤載置部111を不要薬剤留置部112よりも高くなるように形成することで、不要薬剤留置部112に留置された薬剤が意図せずに薬剤載置部111へ戻らないようにすることができるとともに、使用者がへら等を用いて容易にかつ確実に薬剤を移動させることができるようになる。
【0019】
土台部120は、上述したトレイ部110を載置する部材であるとともに、モニタ部130および薬剤計数部140を保持する部材でもある。土台部120は、上述したトレイ部110を取り外しできないように固定していてもよいし、トレイ部110を取り外し可能に載置してもよい。取り外し可能に載置した場合には、使用者は例えば上述したトレイ部110の縁部115等を持つことで容易にトレイ部110を土台部120から取り外しできる。このようにすることで、トレイ部110を土台部120から取り外して洗浄することができ、トレイ部110を清潔に保つことが容易となる。
【0020】
土台部120におけるトレイ部110の直下部には、図示は省略するが、バックライトが配置される。このバックライトは、薬剤計数部140から見て薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤がシルエットとなるように、薬剤載置部111全体を照射する。
【0021】
また、土台部120は、薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122を有する。
図7は、薬剤計数用装置100の背面斜視図である。
図7に示すように、薬剤載置部111の前縁部118と土台部120の前端部との間に、薬剤貯留部121が設けられる。薬剤貯留部121は、トレイ部110の薬剤載置部111の前縁部118に隣接して設けられ、計数が完了した薬剤を貯めておく穴状の部位である。なお、薬剤載置部111の前縁部118とは、薬剤載置部111の最前方の縁の部位である。
【0022】
また、不要薬剤留置部112の前縁部と土台部120の前端部との間に、不要薬剤貯留部122が設けられる。不要薬剤貯留部122は、トレイ部110の不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤を貯めておく穴状の部位である。
【0023】
図8は、薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122について説明するための図である。
図8(a)に示す線B−B’における断面図が
図8(b)である。
図7および
図8(b)に示すように、薬剤貯留部121は、薬剤載置部111の前縁部118の左右方向両端部から延びる、ほぼ等しい傾斜角を有する2つの斜面123を有する。この2つの斜面123によって、薬剤載置部111の載置面から落とされた薬剤が貯留される。2つの斜面が交わる部位付近には、貯留された薬剤を薬剤計数用装置100の外部に注出するための薬剤注出口150が設けられている。なお、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤を薬剤貯留部121へ落とす方法についての詳細は後述する。
【0024】
また、
図7および
図8に示すように、不要薬剤貯留部122は、不要薬剤留置部112の前縁部118の中央側端部から延びる斜面124を有する。上述したように、薬剤載置部111と比較して不要薬剤留置部112の方が狭いため、
図7および
図8に示すように、斜面123と比較して斜面124の傾斜は急である。この斜面124と、当該斜面124に対向する土台部120の壁面とにより、不要薬剤留置部112の留置面から落とされた不要な薬剤を貯めておくことができるように形成されている。この不要薬剤貯留部122の最低部付近には、貯留された不要な薬剤を薬剤計数用装置100の外部に注出するための不要薬剤注出口170が設けられている。
【0025】
なお、
図7に示すように、薬剤載置部111の前縁部118は、薬剤計数用装置100の前方方向に進むに伴って高くなるように形成されていてもよい。これにより、薬剤載置部111における薬剤の計数途中に、前縁部118を超えて意図せず薬剤が薬剤貯留部121側へ落ちてしまう事態を回避することができる。
【0026】
モニタ部130は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示デバイスである。また、モニタ部130は、タッチパネルを有し、使用者のタッチによる入力操作を受け付けることができる。モニタ部130は、必要な薬剤の個数を表示したり、当該個数の入力を行わせる入力キーを表示したり、現在薬剤載置部111の載置面に載置されている薬剤の個数を表示したりする。
【0027】
図9は、モニタ部130の表示画面の一例を示す図である。
図9に示すように、モニタ部130の表示画面200は、必要個数入力画面201、テンキー202、現在個数表示画面203を有する。必要個数入力画面201は、処方箋に記載されている、必要な薬剤の必要な個数を表示する表示領域である。必要個数入力画面201に表示される個数は、例えばテンキー202を介して使用者により入力された個数である。テンキー202は、モニタ部130の有するタッチパネルにより数字の入力を受け付ける表示領域である。また、現在個数表示画面203は、薬剤計数部140により撮影され、画像処理によって計数された、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の個数を表示する表示領域である。計数開始ボタン204は、使用者からの計数開始の指示を受け付ける領域である。
【0028】
なお、
図9においてはテンキー202を介して使用者の入力を受け付けていたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、テンキー202の代わりに、例えばタッチするたびに、あるいはタッチし続けることによって入力値がカウントアップするボタンや、同様にカウントダウンするボタンを用意し、これを介して使用者の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0029】
また、
図9に示す例では、必要個数入力画面201に対する個数は、テンキー202を介して入力されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば図示しないバーコードリーダによって、処方箋等に予め記載されたバーコードを読み取ることにより、当該バーコードによって指示された個数を必要個数入力画面201に入力できるようにしてもよい。
【0030】
また、モニタ部130は、本実施の形態では
図1等に示すように土台部120に固定されているが、本発明はこれに限定されない。モニタ部130は、土台部120から取り外しできるように構成されていてもよい。この場合、モニタ部130は図示しない通信デバイスによって薬剤計数用装置100と無線通信できるように構成され、表示画面を受信したり、タッチパネルに入力された内容を送信したりできることが望ましい。
【0031】
薬剤計数部140は、薬剤載置部111のほぼ直上に配置され、薬剤載置部111全体を含む領域を撮影するカメラと、当該カメラが撮影した画像に対して画像解析を行うことにより、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の個数を計数する画像解析部により構成される。上述したように、薬剤載置部111の下部にはバックライトが配置されており、カメラが撮影する画像においては薬剤がシルエットとなるため、画像解析部による薬剤の計数が容易となっている。
【0032】
薬剤注出口150は、上述した薬剤貯留部121に貯められた薬剤を、バイアル瓶や薬剤を保存するボトル等の各種容器に注出するための注ぎ口である。
図10は、薬剤注出口150について説明するための図である。
図10(a)は薬剤注出口150が閉じた状態を示す図であり、
図10(b)は薬剤注出口150が開いた状態を示す図である。
【0033】
図10(a)に示すように、薬剤注出口150は、薬剤ガイド部151と、押し下げ部152と、支点部153と、枠部154とを有する。薬剤貯留部121に貯められた薬剤を薬剤注出口150から容器に注ぐときは、まず
図10(a)に示すように、使用者はバイアル瓶等の容器300の下側の縁を薬剤ガイド部151と押し下げ部152との間に入り込ませる。そして、使用者が容器300に対して下側の力を加えることによって、押し下げ部152が支点部153を支点として回転するとともに押し下げられる。薬剤ガイド部151は、押し下げ部152と連動して動くように構成されており、
図10(b)に示すように押し下げ部152に伴って薬剤ガイド部151も下がる。
【0034】
これにより、薬剤ガイド部151と枠部154とによって閉じられていた薬剤注出口150が開き、斜め状態となった薬剤ガイド部151に導かれて薬剤が容器へと注がれる。ここで、容器300の下側の縁が薬剤ガイド部151と押し下げ部152との間に入り込んでいるため、薬剤ガイド部151に導かれて出てきた薬剤は、容器300の外にこぼれることなく容器300の中へと注がれる。
【0035】
薬剤が注ぎ終わり、使用者が容器300を薬剤注出口150から離すと、図示しない弾性部により、薬剤ガイド部151と押し下げ部152とは支点部153を支点として
図10(a)に示す薬剤注出口150が閉じられた状態へと戻る。なお、図示は省略するが、不要薬剤注出口170も上記説明した薬剤注出口150と同様の構成を有し、薬剤注出口150と同様の手順によって、不要薬剤貯留部122に貯められた薬剤を注出することができる。
【0036】
薬剤移動部160は、トレイ部110上を前後方向に移動する部材である。薬剤移動部160は、2種類の役割を果たす。1つは薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤を、画像認識しやすいようにばらばらに広散する役割である。もう1つは、計数が終了した後に、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤および不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に落とす役割である。これらの2つの役割を果たすため、薬剤移動部160は、例えば、
図11から
図18に示す構成を有する。
【0037】
図8は、薬剤移動部160の構成の一例を示す図である。
図11は、薬剤移動部160の斜視図である。
図12から
図14は、薬剤移動部160の六面図である。具体的には、
図12(a)は平面図であり、
図12(b)は底面図である。
図13(a)は正面図であり、
図13(b)は背面図である。
図14(a)は左側面図であり、
図14(b)は右側面図である。
図11から
図14に示すように、薬剤移動部160は、把持部161、支柱部162、ガイド部163、仕切り部164、櫛歯部165、押し板操作部166、押し板部167、支点部168を有する。薬剤移動部160はトレイ部110の左右の縁の部分を前後移動可能に取り付けられる。薬剤移動部160は、トレイ部110から取り外しできるように構成されてもよいし、取り外しできないように構成されていてもよい。
【0038】
把持部161は、例えば台形状に形成され、左右方向に設けられた支柱部162の上部に配置される。支柱部162の左右両端部には、水平方向に所定の広がりを有するガイド部163が形成されている。支柱部162の下部には、櫛状の櫛歯部165が形成される。また、支柱部162の端部から所定距離だけ内側に仕切り部164が設けられている。ここで、薬剤移動部160の構成の内、把持部161、支柱部162、ガイド部163、仕切り部164、櫛歯部165は、一体に形成されており、後述する押し板操作部166および押し板部167とは別体である。なお、把持部161が本発明の把持部に対応している。把持部161の形状は台形に限定されず、他の形状、例えば四角形状や半円形状等としてもよい。また、櫛歯部165は本発明の薬剤ばらし部の一例である。
【0039】
把持部161は、使用者が指等でつまんで把持するための部位である。ガイド部163は、薬剤移動部160の左右両端に設けられており、
図1で説明したトレイ部110の左右の縁の部分(
図5で説明した縁部115)に接触して、薬剤移動部160をトレイ部110上の前後方向に移動させるためのガイドとなる部位である。すなわち、薬剤移動部160の左右両端部にガイド部163があることで、薬剤移動部160全体を薬剤計数用装置100に対して傾かず、薬剤計数用装置100の前後方向に対して垂直のまま前後移動させることができる。
【0040】
仕切り部164は、
図5(b)で説明した薬剤載置部111と不要薬剤留置部112との間を仕切るための部材であり、
図5(b)に示す境部113付近に配置される。すなわち、仕切り部164は支柱部162の端部から不要薬剤留置部112の幅だけ内側に設置される。
【0041】
櫛歯部165は、トレイ部110上に薬剤が山状に積み重なっているとき、当該薬剤の山を崩して薬剤をばらばらに広散するための構成である。すなわち、使用者が把持部161を把持し、薬剤移動部160全体をトレイ部110上の前後方向に動かすことによって、櫛状に形成された櫛歯部165が山状に積み重なった薬剤に当たり、これをばらすことができる。櫛歯部165は、薬剤をばらばらに広散することによって、薬剤計数部140によって薬剤が計数される際に、薬剤が互いに重なっているために画像解析による正確な計数が行うことができないという事態を回避することができる。
【0042】
押し板操作部166と押し板部167とは、
図11から
図14に示すように、横から見て、「く」の字状になるように一体に形成されている。また、
図12(a)に示すように、押し板部167は、横幅が薬剤載置部111の載置面とほぼ同じである板状部分167Bと、横幅が不要薬剤留置部112の留置面とほぼ同じである板状部分167Cとを有し、薬剤ばらし部165に隣接して設けられる。そして、押し板操作部166の下端側に位置する下端側部と押し板部167の上端側に位置する上端側部が接する部位、すなわち押し板操作部166と押し板部167との接続部には、薬剤移動部160の他の部位と接続される支点部168が設けられる。
図12および
図13に示すように、支点部168は、櫛歯部165の上端部付近に設けられている。押し板部167は、この支点部168を中心軸として回転自在に設けられている。支点部168付近には、押し板操作部166が把持部161から遠ざかる方向、言い換えれば、押し板部167が薬剤載置部111の載置面に接近する方向に付勢する図示しないばね等の弾性材が設けられている。この弾性材により、使用者が触れていない状態では、
図11から
図14に示すように、押し板操作部166は把持部161から離れた状態となる。
【0043】
押し板操作部166と押し板部167とは、横から見て、「く」の字状に形成されているため、
図14に示すように、押し板操作部166が把持部161から離れた状態では、押し板部167は薬剤載置部111の載置面に接近し、ほぼ接した状態となる。
【0044】
また、押し板操作部166は、把持部161とともに使用者によって把持される。
図15から
図18は、
図11から
図14に例示した薬剤移動部において、把持部161とともに押し板操作部166が使用者の指等によってともに把持されている状態を示す図である。
図15は斜視図であり、
図16から
図18は六面図である。具体的には、
図16(a)は平面図であり、
図16(b)は底面図である。
図17(a)は正面図であり、
図17(b)は背面図である。
図18(a)は左側面図であり、
図18(b)は右側面図である。
図16および
図18に示すように、押し板操作部166が把持部161とともに把持され、これらがほぼ接している状態では、押し板操作部166と一体に形成された押し板部167が薬剤載置部111の載置面から離れた状態となっている。
【0045】
以上説明したように、薬剤移動部160は、把持部161のみが使用者により把持されている状態と、把持部161および押し板操作部166が同時に使用者により把持されている状態の2通りの状態を取りうる。すなわち、使用者が押し板操作部166を把持部161とともに把持すると、押し板部167が薬剤載置部111から離れた状態となり、反対に、使用者が押し板操作部166を把持せず把持部161のみを把持すると、押し板部167が薬剤載置部111にほぼ接した状態となる。
【0046】
ここまで、薬剤計数用装置100の各構成について説明した。以下では、薬剤計数用装置100の使用形態について説明する。
図19は、薬剤計数用装置100の使用態様について説明するための図である。
【0047】
図19は、薬剤計数用装置100の右側から見た前後方向の断面図である。
図19は、すなわち、
図19(a)から(d)における左側が薬剤計数用装置100の前方、右側が薬剤計数用装置100の後方である。また、
図19(a)においては、トレイ部110と土台部120のみ示し、モニタ部130、薬剤計数部140および薬剤注出口150については図示を省略している。
【0048】
薬剤計数用装置100では、薬剤の計数を開始するとき、まず、
図19(a)に示すように、薬剤載置部111の載置面の上に計数対象の薬剤を必要な個数より多く載置する工程が行われる。
【0049】
このとき、
図19(a)に示すように、薬剤移動部160が、薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に最も近い端部付近に配置される。ここで、薬剤移動部160の長辺である支柱部162(
図11から
図18参照)は、薬剤計数用装置100の前後方向に対してほぼ垂直になるように配置される。さらに、
図19(a)に示すように、薬剤載置部111の載置面の上に計数対象の薬剤を必要な個数より多く載置する工程においては、薬剤移動部160は、押し板部167が薬剤載置部111にほぼ接した状態、すなわち
図11から
図14に示す状態である。これにより、薬剤載置部111の載置面に薬剤を広散する際に、薬剤が意図せず薬剤貯留部122側に転がっても、押し板部167により押し戻されるので、薬剤が薬剤貯留部122に落ちてしまう事態を防止することができる。ここで、使用者が把持部161のみを把持していてもよいし、ガイド部163が縁部115に接触することにより薬剤移動部160が自立していてもよい。
【0050】
上記の薬剤載置部111の載置面の上に計数対象の薬剤を必要な個数より多く載置する工程において、必要な薬剤の個数が多い場合、例えば何百錠も必要である場合は、
図19(a)に示すように、薬剤が山状に積み重なる状態が生じうる。このように薬剤が互いに積み重なった状態では、トレイ部110の直下部に配置されたバックライトを照射したとしても、薬剤計数部140により撮影した画像を用いた計数が正確に行われない。
【0051】
このため、薬剤計数用装置100では、次に山状に積み重なった薬剤をばらばらに広散する工程が行われる。当該工程では、薬剤移動部160が使用される。
図19(b)は、薬剤をばらばらに広散する工程を示している。
【0052】
なお、薬剤をばらばらに広散する工程では、
図20(a)に示すように、薬剤移動部160の把持部161と押し板操作部166とがともに使用者の指等により把持される。これにより、薬剤移動部160は、
図15から
図18に示す状態となる。
図20は、山状に積み重なった薬剤を平らに均す工程における薬剤移動部160の状態を示す図である。上述したように、また
図20(a)に示すように、把持部161と押し板操作部166とがともに使用者に把持され、これらがほぼ接した状態では、押し板部167の下端部167Aと薬剤載置部111の載置面とが離れた状態となる。
【0053】
山状に積み重なった薬剤をばらばらに広散する工程では、使用者は把持部161と押し板操作部166とをともに把持したまま、薬剤貯留部121から離れる方向へ、すなわちトレイ部110の前端部から後端部まで薬剤移動部160を移動させる。すると、
図20(a)に示すように、櫛歯部165から離れた状態の押し板部167の下端部167Aが薬剤の山と接触し、これにより山の高い部分が崩されることになる。
【0054】
そして、
図20(b)に示すように、押し板部167により山の高い部分が崩された後、櫛状に形成された櫛歯部165によって、未だ塊状の薬剤が1つ1つばらばらの状態になるように広散される。
図20(b)は、使用者が把持部161と押し板操作部166とをともに把持した状態における薬剤移動部160を前方から見た図である。
図20(b)に示すように、櫛歯部165の後方側に押し板部167が位置しており、押し板部167の下端部167Aによって薬剤の山が崩される。
【0055】
ここで、把持部161と押し板操作部166とがともに使用者により把持された状態では、櫛歯部165の先端部と、薬剤載置部111の載置面との距離は、薬剤の高さよりも小さい。そして、押し板部167の下端部167Aと薬剤載置部111の載置面との距離が少なくとも薬剤の高さより大きい状態となるように、押し板部167の長さ等が調整されている。このような薬剤移動部160の構成により、把持部161と押し板操作部166とがともに使用者により把持されたまま、薬剤移動部160が薬剤載置部111の前端部から後端部まで移動されることで、山状に積み重なった薬剤が1つ1つばらばらに広散される。このため、この後の薬剤計数部140の画像解析による薬剤の計数が好適に行われる。
【0056】
図19の説明に戻ると、
図19(c)は、把持部161と押し板操作部166とがともに使用者により把持されたまま、薬剤移動部160が薬剤載置部111の後端部まで移動した状態を示している。
図19(c)に示す状態において、例えば使用者がモニタ部130を介して計数を行う指示を入力すると、薬剤計数部140が薬剤載置部111の載置面に載っている薬剤の個数を計数する工程が行われる。すなわち、薬剤載置部111の直下部に設置された図示しないバックライトが点灯し、カメラによって薬剤載置部の載置面111全体を含む画像が撮影される。カメラによって撮影された画像は、画像解析部によって画像解析が行われて薬剤の個数が計数される。計数された薬剤の個数はモニタ部130に表示され、使用者はこれを参照しつつ、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の個数が必要な個数となるまで、へら等を用いて不要な薬剤を不要薬剤留置部112に落とす作業を行う。なお、ここで薬剤を不要薬剤留置部112に落としすぎ、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の個数が必要な個数よりも小さくなってしまった場合は、新たに薬剤を薬剤載置部111に足してもよいし、例えば手袋をした指等でつまんで必要な個数の薬剤を不要薬剤留置部112から薬剤載置部111に戻してもよい。
【0057】
薬剤載置部111の載置面に載っている薬剤の個数が所望の個数になると、トレイ部110上の薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に落とす工程が行われる。この工程では、
図21(a)に示すように、把持部161のみが使用者によって把持される。
図21は、トレイ部110上の薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に落とす工程における薬剤移動部160の状態を示す図である。上述したように、また
図21(a)に示すように、把持部161のみが使用者によって把持された状態では、押し板部167の下端部167Aと薬剤載置部111の載置面がほぼ接した状態となる。使用者は、薬剤載置部111の載置面に載っている薬剤の個数が所望の個数となった時点で、把持部161のみを把持すればよい。
【0058】
トレイ部110上の薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部に落とす工程では、使用者は把持部161のみを把持したまま、薬剤移動部160を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に近づく方向へ、すなわちトレイ部110の後端部から前端部まで移動させる。すると、
図21(a)および(b)に示すように、薬剤載置部111の載置面とほぼ接した押し板部167によって、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤および不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤が押され、薬剤載置部111の前方、すなわち薬剤貯留部121側へと薬剤が移動させられる。薬剤移動部160がトレイ部110の前端部に到達すると、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤は薬剤貯留部121に、不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤は不要薬剤貯留部122に、それぞれ落とされる。
図21(b)は、使用者が把持部161のみを把持した状態における薬剤移動部160を前方から見た図である。
【0059】
なお、使用者により薬剤移動部160がトレイ部110の後端部から前端部へと移動される間、
図11や
図15等に示す仕切り部164によって、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の不要薬剤留置部112への移動、および不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤の薬剤載置部111側への移動が防止される。
【0060】
なお、薬剤が押し板部167により押されているとき、薬剤と薬剤載置部111の載置面との摩擦力等により、押し板部167に対して後方ヘ向かう力が働くことがある。これに対応するため、例えばばね等の図示しない弾性材が押し板操作部166および押し板部167と薬剤移動部160の他の部位とを接続する支点部168付近に設けられる。当該弾性材によって、押し板部167は薬剤載置部111の載置面に接近する方向に付勢される。これにより、押し板部167が当該後方へ向かう力によって意図せず薬剤載置部111の載置面から離れてしまい、薬剤を押すことができなくなる事態を回避することができる。
【0061】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100は、計数可能な薬剤を載置面上に載置する薬剤載置部111と、載置面と横幅がほぼ同じ板状部分を少なくとも有し、薬剤を載置面から押し出す場合に、載置面と前記板状部分167Bの下端部167Aとの距離が薬剤の高さよりも小さい状態で載置面上を移動可能な押し板部167と、薬剤載置部111に隣接し、押し板部167の移動によって載置面から薬剤が押し出される位置に設けられた薬剤貯留部121と、を有する。
【0062】
このような構成により、薬剤載置部111の載置面上において計数した薬剤を、薬剤移動部160の押し板部167により容易に薬剤貯留部121まで移動させることができるので、薬剤の計数を正確に、かつ少ない労力で行うことができる。また、薬剤の種類を変更する場合には、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤を、薬剤移動部160の押し板部167によって薬剤貯留部121に移動させ、薬剤注出口150から薬剤を注出するだけでよい。このため、薬剤の種類を変更する場合の手間と時間を軽減することができる。
【0063】
また、本発明の第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100では、押し板部167は、薬剤載置部111の載置面と下端部167Aとの距離が変更可能であって、押し板部167は、薬剤をばらす場合に、載置面と下端部167Aとの距離が薬剤の高さよりも大きい状態で載置面上を移動可能である。また、押し板部167は、載置面と下端部167Aとの距離が薬剤の高さより小さい状態では薬剤貯留部121に近づく方向に移動し、載置面と下端部167Aとの距離が薬剤の高さよりも大きい状態では薬剤貯留部121から離れる方向に移動する。
【0064】
また、本発明の第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100では、押し板部167に隣接する位置に櫛状の薬剤ばらし部である櫛歯部165をさらに有し、当該櫛歯部165の先端部と薬剤載置部111の載置面との距離は薬剤の高さよりも小さい。また、本発明の第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100は、載置面に載置された薬剤を計数する薬剤計数部をさらに有する。
【0065】
このような構成により、使用者が薬剤移動部160を薬剤貯留部121から離れる方向に移動させる、すなわち、薬剤載置部111の前端部から後端部まで移動させたとき、押し板部167の下端部167Aが山状に積み重なった薬剤に接触して、当該山が崩されるとともに、櫛歯部165によって薬剤がばらばらに広散された状態となる。その後に、薬剤計数部140によって薬剤の計数が行われるため、薬剤同士が重なり合った状態等に起因する、正確な計数を行うことができない事態を回避することができる。
【0066】
また、本発明の第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100は、薬剤載置部111と隣接して設けられ、載置面に載置された薬剤のうち、不要な薬剤を留置面上に留置する不要薬剤留置部と、不要薬剤留置部と隣接して設けられ、押し板部の移動によって留置面から不要な薬剤が押し出される位置に設けられた不要薬剤貯留部と、をさらに有し、押し板部は、留置面と横幅がほぼ同じ板状部分167Cをさらに備える。
【0067】
このような構成により、使用者が薬剤載置部111の載置面において必要な個数の薬剤を揃える場合に、不要な薬剤は不要薬剤留置部112に移動させて留め置けばよいので、不要な薬剤の取り扱いが容易である。さらに、薬剤載置部111の載置面に必要な個数の薬剤が載置された後には、押し板部167によって、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤と、不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤とが、押し板部167の板状部分167Bおよび167Cによって、必要な薬剤は薬剤貯留部121に、不要な薬剤は不要薬剤貯留部122に、それぞれ移動させられる。このため、必要な薬剤と不要な薬剤とを一度に移動させることができるので、薬剤の移動の手間と時間を軽減することができる。
【0068】
また、本発明の第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100は、押し板部167に隣接する位置に薬剤ばらし部である櫛歯部165と、載置面と留置面との境界付近の櫛歯部165に固定され、載置面および留置面に対してほぼ垂直、かつ押し板部の移動方向に対して平行に設けられた板状の仕切り部164をさらに有する。
【0069】
このような構成により、薬剤載置部111に載置された薬剤が意図せず不要薬剤留置部112に移動したり、不要薬剤留置部112に留置された不要な薬剤が意図せず薬剤載置部111に戻ってしまったりする事態を回避することができる。
【0070】
上述した第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100は、本発明の薬剤ばらし部の一例として、櫛状に形成された櫛歯部165を有していた。しかし、本発明はこれには限定されず、薬剤ばらし部の他の例として、例えば複数の薬剤を好適にばらばらに広散する間隔で植えられたブラシ、刷毛状の構成を採用してもよい。
【0071】
また、上述した第1の実施の形態に係る薬剤計数用装置100では、使用者によって把持部161とともに押し板操作部166が把持されるか、把持部161のみが把持されるか、の2通りの状態しか存在しないが、例えば支点部168付近に図示しないクリック用の孔を複数設け、上述した2通りよりも多くの状態に対応できるようにしてもよい。すなわち、例えば押し板部167の下端部167Aの薬剤載置部111からの距離を複数段階に調節できるように、上記クリック用の孔によって、使用者によって把持部161とともに押し板操作部166が把持された状態と、把持部161のみが把持された状態と、その間の状態との3通り以上の状態に対応できるようにしてもよい。これにより、薬剤の大きさに応じて、押し板部167の下端部167Aの薬剤載置部111からの距離を調節することができるようになる。
【0072】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、薬剤移動部の形状および動作を除いて第1の実施の形態とほぼ同様である。従って、以下では第2の実施の形態に係る薬剤移動部180について説明する。なお、薬剤移動部180は、本発明の薬剤移動部材の一例である。
【0073】
図22は、第2の実施の形態に係る薬剤移動部180について説明するための図である。
図22(a)および(b)に示すように、薬剤移動部180は、把持部181、支柱部182、ガイド部183、櫛歯部185、押し板部187、支点部188を有する。薬剤移動部180のこれらの構成のうち、把持部181、支柱部182、ガイド部183、および櫛歯部185は、第1の実施の形態の同名の構成とほぼ同様である。
【0074】
すなわち、把持部181は、使用者が指等でつまんで把持するための部位であり、左右方向に設けられた支柱部182の上部に配置される。支柱部182の左右両端部には、水平方向に所定の広がりを有するガイド部183が形成されている。支柱部182の下部には、櫛状の櫛歯部185が形成される。把持部181、支柱部182、ガイド部183、櫛歯部185は、一体に形成されており、押し板部187とは別体に形成されている。
【0075】
押し板部187は、支点部188によって薬剤移動部180の他の部位と接続されている。支点部188は、
図22に示すように、薬剤移動部160の薬剤貯留部121に近い側、すなわち前側に設けられ、かつ押し板部187の上端側に位置する上端側部に設けられている。すなわち、第1の実施の形態とは、支点部が設けられる位置が反対側となっている。押し板部187は、支点部188を中心軸として回転自在に構成されている。
【0076】
薬剤移動部180は、第1の実施の形態の薬剤移動部160と同様に、2種類の役割を果たす。すなわち、1つは薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤を、画像認識しやすいようにばらばらに広散する役割である。もう1つは、計数が終了した後に、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤および不要薬剤留置部112の留置面に留置された不要な薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に落とす役割である。
【0077】
図23は、第2の実施の形態に係る薬剤移動部180の状態について説明するための図である。
図23(a)は、山状に積み重なった薬剤をばらばらに広散する工程における薬剤移動部180の状態を示している。まず、把持部181を把持した使用者が薬剤移動部180を薬剤載置部111の前端部から後端部へ向かって移動させると、山状に積み重なった薬剤が櫛歯部185に接触する。同時に、櫛歯部185の間を抜けた薬剤が、押し板部187の櫛歯部185側の面に接触する。
【0078】
上述したように、押し板部187は支点部188によって自由に回転するように支柱部182に接続されているので、
図23(a)に示すように、薬剤に接触した押し板部187は、薬剤に押され、前側へと回転する。これにより、押し板部187の下端部187Aが薬剤載置部111から離れた状態となり、この隙間に錠剤が入り込む。これとともに、押し板部187の下端部187Aにより、未だ山状に積み重なっていた薬剤は崩されることになる。このように薬剤の山が崩され、押し板部187が薬剤と接触しない状態となると、押し板部187の下端部と薬剤載置部111の載置面との距離は薬剤の高さよりも小さい状態に戻る。
【0079】
このような状態遷移を繰り返すことにより、薬剤載置部111上で山状に積み重なった薬剤は、櫛歯部185および押し板部187の下端部187Aによって山が崩され、ばらばらに広散された状態となる。このため、この後の薬剤計数部140の画像解析による薬剤の計数が好適に行われる。
【0080】
薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の個数が所望の個数となると、次に
図23(b)に示すように、トレイ部110上の薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に落とす工程が行われる。この工程では、使用者は把持部181を把持して薬剤移動部180をトレイ部110の後端部から前端部へと移動させる。このとき、
図23(b)に示すように、押し板部187の前側の面が薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤と接触する。ここで、押し板部187には薬剤との接触により、後ろ方向への力が発生するが、押し板部187は櫛歯部185の存在により、それ以上回転することができないため、押し板部187によって薬剤は押され、薬剤載置部111の前方、すなわち薬剤貯留部121側へと薬剤が移動させられる。これにより、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤は薬剤貯留部121に、不要薬剤留置部112の留置面に留置された薬剤は不要薬剤貯留部122に、それぞれ落とされる。
【0081】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態では、押し板部187は薬剤ばらし部の一例である櫛歯部185よりも薬剤貯留部121に近い側、すなわち前方に設けられ、押し板部187の上端側である上端側部に設けられた接続部である支点部188を中心軸として回転自在に設けられる。このような構成により、使用者が操作せずとも、薬剤移動部180をトレイ部110の前端部から後端部に移動させるときには、薬剤をばらばらに広散することができるとともに、薬剤移動部180をトレイ部110の後端部から前端部に移動させるときには、すべての薬剤を容易に移動させることができる。
【0082】
なお、上述した第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態の仕切り部164に対応する構成を省略しているが、本発明はこれに限定されず、薬剤移動部180は仕切り部を有していてもよい。
【0083】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、薬剤移動部の形状および動作を除いて第1の実施の形態とほぼ同様である。従って、以下では第3の実施の形態に係る薬剤移動部190について説明する。なお、薬剤移動部190は、本発明の薬剤移動部材の一例である。
【0084】
図24から
図27は、第3の実施の形態に係る薬剤移動部190について説明するための図である。
図24は、薬剤移動部190の斜視図であり、
図25から
図27は薬剤移動部190の六面図である。具体的には、
図25(a)は正面図であり、
図25(b)は背面図である。
図26(a)は平面図であり、
図26(b)は底面図である。
図27(a)は右側面図であり、
図27(b)は左側面図である。
図24から
図27に示すように、薬剤移動部190は、把持部191、支柱部192、ガイド部193、および押し板部197を有する。薬剤移動部190は、そのガイド部193の形状および役割において、上述した第1の実施の形態に係る薬剤移動部160および第2の実施の形態に係る薬剤移動部180と異なっている。その他の構成は、第1の実施の形態に係る薬剤移動部160および第2の実施の形態に係る薬剤移動部180の各構成とほぼ同様である。
【0085】
図24に示すように、ガイド部193は、支柱部192より前方では上向きに湾曲しており、支柱部192より後方ではほぼ水平に形成されている。このガイド部193は、
図5に示すトレイ部110の左右の縁の部分である縁部115に接する部位である。ガイド部193は、
図28に示すように、使用者が把持部191を把持した状態で、薬剤移動部190全体を斜めに傾けることで、押し板部197の下端部197Aの薬剤載置部111からの距離を調節することができるように構成されている。
【0086】
図28は、第3の実施の形態に係る薬剤移動部190の状態について説明するための図である。
図28(a)は、山状に積み重なった薬剤をばらばらに広散する工程における薬剤移動部190の状態を示している。
図28(a)には、使用者が把持部191を把持し、ガイド部193の湾曲した部位を縁部115に押しつけるようにした状態が示されている。
【0087】
図28(a)に示すように、ガイド部193の湾曲した部位が縁部115に接しているため、当該湾曲に従って、薬剤移動部190全体が前後方向に対して斜めになっている。これにより、押し板部197の下端部197Aが薬剤載置部111から離れた状態となる。使用者は、薬剤移動部190を傾ける角度を調節することで、押し板部197の下端部197Aの薬剤載置部からの距離を自由に調節することができる。ここで、ガイド部193の湾曲した部位により、薬剤移動部190を傾ける角度を調節することが容易となっている。
【0088】
使用者が例えば、押し板部197の下端部197Aの薬剤載置部111からの距離を、薬剤の高さよりも大きい状態とすることにより、当該下端部197Aは山状に積み重なった薬剤を崩し、平たく均すことができるようになる。これにより、薬剤はばらばらに広散され、この後の薬剤計数部140の画像解析による薬剤の計数が好適に行われる。また、使用者は、薬剤移動部190を移動させつつ、薬剤の広がり具合を見ながら、押し板部197の下端部197Aの薬剤載置部111からの距離をより好適に調節するため、薬剤移動部190を任意の角度に調節することができる。
【0089】
一方、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の個数が所望の個数となると、
図28(b)に示すように、トレイ部110上の薬剤を薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122に落とす工程が行われる。当該工程では、
図28(b)に示すように、使用者はガイド部193のほぼ水平な部位を縁部115に押しつけるように把持部191を把持しながら、薬剤移動部190をトレイ部110の後端部から前端部へ移動させる。すると、押し板部197は薬剤載置部111の載置面に接した状態となるため、この状態で薬剤移動部190が移動されると、押し板部197に接した薬剤が押し板部197によって押され、薬剤貯留部121および不要薬剤貯留部122側へと移動する。これにより、薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤は薬剤貯留部121に、不要薬剤留置部112の留置面に留置された薬剤は不要薬剤貯留部122に、それぞれ落とされる。
【0090】
以上説明したように、第3の実施の形態では、薬剤載置部111の縁部115に載置され、押し板部197に固定されたガイド部193をさらに有し、当該ガイド部193は、押し板部197の移動方向における前方あるいは後方の端部が上向きに湾曲している。このような構成により、使用者は、ガイド部193の湾曲した部位を縁部115と接触させることにより、薬剤移動部190を自由に傾けることができるようになる。また、ガイド部193は上向きに湾曲した部位を有するため、薬剤移動部190を傾ける角度を調節することができる。このため、押し板部197の下端部197Aの薬剤載置部111からの距離を自由に調節することができる。一方、使用者は、ガイド部193の水平方向に平行な部位を縁部115と接触させることにより、押し板部197の下端部197Aが薬剤載置部111の載置面に接した状態のまま、薬剤移動部190を移動させることができる。
【0091】
なお、第3の実施の形態では、ガイド部193は、支柱部192より前方で上向きに湾曲していたが、本発明はこれに限定されない。ガイド部193は、支柱部192より後方が上向きに湾曲していてもよい。
【0092】
上述した第1から第3の実施の形態において、薬剤移動部160、180、190を例示したが、本発明はこれには限定されない。薬剤移動部は、さらに異なる構成を有していてもよい。すなわち、例えば、上述した第1の実施の形態に係る薬剤移動部160において、押し板操作部166および押し板部167の代わりに、垂直方向に高さを変更可能な押し板部を設け、当該押し板部の高さを所望の高さで固定できるような構成としてもよい。
【0093】
また、上述した第1から第3の実施の形態において説明した薬剤移動部160、180、190では、使用者が把持部161、181、191を把持して薬剤移動部160、180、190を移動させていたが、本発明はこれには限定されない。すなわち、例えば、上述した第1の実施の形態に係る薬剤移動部160において、トレイ部110の縁部115にレールおよびモータ等を設け、例えばモニタ部130に対する使用者の入力操作等に応じて、当該レール上を薬剤移動部160がモータにより移動されるようにしてもよい。
【0094】
また、上述した第1から第3の実施の形態において、薬剤計数部140は、カメラを用いて撮影した画像を解析することで薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤を計数していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、例えば薬剤載置部111の直下部に、薬剤載置部111の重さを計測する重量計測器(電子秤等)を設け、当該重量計測器によって薬剤載置部111の載置面に載置された薬剤の重さに基づいて、薬剤の計数を行うようにしてもよい。