(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の設置場所を示す図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。また、Y軸正方向を前方とする。
【0013】
図1に示すように、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、筐体10と、コンバイナ20とを備える。筐体10は、車両のダッシュボードDに埋め込まれ、コンバイナ20は、使用時においてダッシュボードDの上部に露出する。
【0014】
なお、筐体10の内部には、画像を表示して表示光を発する表示部や、表示部から発された表示光を反射してコンバイナ20へ入射させる反射部が収容されている。
【0015】
ヘッドアップディスプレイ装置1が提供する画像は、座席Sに着座したドライバから見てコンバイナ20よりも奥側(車両の前方側)に虚像として表れる。これにより、ドライバは、運転中において車両の前方を見ながら視線を大きく移動させずに、虚像として表れた画像を確認して様々な情報を得ることができる。ヘッドアップディスプレイ装置1は、たとえば、車両の速度やルート案内など、ドライバに必要な情報を表示することができる。
【0016】
ヘッドアップディスプレイ装置1は、たとえば、車両のACCスイッチのオンに連動して電源がオンとなり、車両のACCスイッチのオフに連動して電源がオフとなる。
【0017】
コンバイナ20は、表示面を起こした使用状態と表示面を倒した収納状態との間で回転可能に構成される。かかるコンバイナ20は、たとえばACCスイッチのオフに連動して使用状態から収納状態へ変位する。これにより、未使用時にコンバイナ20がドライバの視界に入らないようにすることができる。
【0018】
また、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、収納状態のコンバイナ20を覆う蓋体30を備える。これにより、収納状態のコンバイナ20が傷付いたり、コンバイナ20に太陽光が反射してドライバの視界に入ったりすることを防止することができる。
【0019】
しかしながら、コンバイナを蓋体で覆う構成とした場合、蓋体の可動域や収納場所を確保することによって装置が大型化するおそれがある(この点の詳細については後述する)。
【0020】
そこで、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1では、筐体10の内部に配置された反射部を上記蓋体と一体化し、蓋体と反射部とを一体的に回転させる構成とすることで、装置の大型化を抑えることとした。以下では、かかる第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1の構成について
図2〜
図12を参照して具体的に説明する。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1の使用状態における断面模式図である。
図3は、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1の使用状態における表示光の光路を示す図である。
図4は、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1の収納状態における断面模式図である。
【0022】
図2に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、筐体10と、コンバイナ20と、蓋体30と、表示部40と、反射部50とを備える。
【0023】
筐体10は、コンバイナ20、蓋体30、表示部40および反射部50を収容する箱体であり、上部に開口部11を有する。
【0024】
コンバイナ20は、筐体10の前方側(Y軸正方向側)に配置される。コンバイナ20は、コンバイナ本体21と、コンバイナホルダ22とを備える。コンバイナ本体21は、光を反射可能な透明部材であり、画像の表示面21aを有する。コンバイナ本体21としては、たとえば凹面ハーフミラーを用いることができる。
【0025】
コンバイナホルダ22は、コンバイナ本体21を回転可能に保持する。具体的には、コンバイナホルダ22は、X軸方向に沿って延在する第1の回転軸22aを有し、保持したコンバイナ本体21を第1の回転軸22a周りに回転させる。これにより、コンバイナ本体21は、表示面21aを起こした使用状態(
図2参照)と、表示面21aを倒した収納状態(
図4参照)との間で変位する。
【0026】
なお、ヘッドアップディスプレイ装置1は、コンバイナホルダ22を第1の回転軸22a周りに回転させる駆動手段を備える。かかる駆動手段については後述する。
【0027】
蓋体30は、筐体10の後方側(Y軸負方向側)に配置される。このように、蓋体30は、筐体10のうちコンバイナ20が配置される側とは反対側に配置される。蓋体30は、蓋本体31と、アーム32とを備える。
【0028】
蓋本体31は、収納状態のコンバイナ本体21を覆う部材であり、アーム32によって第2の回転軸32a周りに回転可能に支持される。蓋本体31の第2の回転軸32a側の面には、反射部50が取り付けられる。
【0029】
アーム32は、X軸方向に沿って延在する第2の回転軸32aを有し、蓋本体31および反射部50を第2の回転軸32a周りに回転させる。これにより、蓋本体31は、後述する表示部40からの表示光の光路上に反射部50を配置させて使用状態のコンバイナ20に対して表示光を入射させる入射状態(
図2参照)と、収納状態のコンバイナ20の上方を覆う覆蓋状態(
図4参照)との間で変位する。
【0030】
なお、ヘッドアップディスプレイ装置1は、アーム32を第2の回転軸32a周りに回転させる駆動手段を備える。かかる駆動手段については後述する。
【0031】
蓋本体31は、先端部および基端部にそれぞれ第1当接部31aおよび第2当接部31bを有する。第1当接部31aおよび第2当接部31bは、蓋体30の回転位置を検出する検出部と当接する。かかる点についても後述する。
【0032】
表示部40は、画像を表示して、画像の表示光を発する。表示部40としては、たとえば、蛍光表示管(VFD)や液晶ディスプレイ(LCD)などの表示デバイスを用いることができる。また、像を投影するスクリーンと組み合わせ、DLP(Digital Light Processing)方式やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)方式等の表示光を照射するプロジェクタを表示部40として用いてもよい。
【0033】
反射部50は、たとえば鏡であり、入射状態(
図2参照)において表示部40から発された表示光の光路上に配置され、該表示光を反射して使用状態のコンバイナ20に入射させる(
図3参照)。
【0034】
なお、
図3に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1が提供する画像の表示光は、反射部50によって反射されてコンバイナ20へ入射した後、コンバイナ20によってさらに反射されてドライバの目に入射する。
【0035】
ドライバは、コンバイナ20の奥側に虚像として表れた画像を視認することができる。表示部40からコンバイナ20までの表示光の光路の長さは、コンバイナ20に映る虚像の位置を規定する。したがって、表示光の光路上に反射部50を設けることにより、光路の長さを調整して適正な位置に虚像を配置できる。また、入射状態においては、反射部50の全体が筐体10の内部に配置され、この反射部50に対して表示部40から発された表示光が入射する。このため、筐体10などに何らかの異常が生じたとしても、表示部40から発された表示光が直接的に筐体10の外部に漏れることはないことから、ドライバが異常な表示光を視認することを防止できる。
【0036】
ヘッドアップディスプレイ装置1は、上記のように構成されており、たとえばACCスイッチがオフされた場合に、コンバイナ20を使用状態(
図2参照)から収納状態(
図4参照)へ変位させる。
【0037】
具体的には、
図4に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、コンバイナホルダ22を第1の回転軸22a周りに第1回転方向(
図4では、反時計回り)に回転させることにより、コンバイナ本体21を筐体10の内部へ進入させて収納状態とする。
【0038】
さらに、ヘッドアップディスプレイ装置1は、蓋体30を入射状態(
図2参照)から覆蓋状態(
図4参照)へ変位させる。具体的には、ヘッドアップディスプレイ装置1は、アーム32を第1回転方向とは逆方向の第2回転方向(
図4では、時計回り)に回転させる。
【0039】
これにより、アーム32に支持された蓋本体31および反射部50が第2の回転軸32a周りに回転し、蓋本体31の先端部31cがコンバイナホルダ22と当接してコンバイナ本体21を覆う。なお、コンバイナホルダ22は、コンバイナ本体21よりも第1回転方向後方に突出し、収納状態において覆蓋状態の蓋本体31の先端部31cと当接する当接部22bを有する。
【0040】
このように、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1では、反射部50を蓋体30と一体化し、蓋体30および反射部50を一体的に回転変位させてコンバイナ本体21を覆うこととしたため、装置の大型化を抑えることができる。この点について
図5および
図6を参照して説明する。
【0041】
図5および
図6は、蓋体と反射部とが別体に構成された比較例となるヘッドアップディスプレイ装置の構成例を示す図である。なお、
図5には、使用状態における断面模式図を示し、
図6には、収納状態における断面模式図を示している。
【0042】
図5および
図6に示すヘッドアップディスプレイ装置1Xのように、蓋体30Xと反射部50Xとを別体に構成した場合、反射部50Xを避けながら蓋体30Xを回転させる必要が生じる。これにより、蓋体30Xが大型化し(
図5および
図6のH1部参照)、さらに、大型化した蓋体30Xを収納するための広いスペースも必要となるため(
図6のH2部参照)、筐体10Xが大型化する。このように、蓋体30Xと反射部50Xとを別体に構成すると、ヘッドアップディスプレイ装置1Xが大型化するおそれがある。
【0043】
これに対し、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、蓋体30を反射部50と一体化し、蓋体30および反射部50を一体的に回転変位させてコンバイナ本体21を覆うこととした。これにより、蓋体30を回転させる場合に、反射部50を避ける必要がなくなるため、蓋体30の大型化を抑えることができる。さらに、蓋体30の大型化が抑えられることで、蓋体30の収納スペースの大型化も抑えられるため、筐体10の大型化が抑えられる。
【0044】
したがって、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1によれば、装置の大型化を抑えつつ、コンバイナ本体21を蓋体30で覆うことができる。
【0045】
図4に示すように、収納状態において外部に露出するコンバイナホルダ22の面22cは、収納状態において、筐体10の開口部11の外縁部11aと同一平面上に配置される。同様に、覆蓋状態において外部に露出する蓋本体31の面31dも、覆蓋状態において、筐体10の開口部11の外縁部11aと同一平面上に配置される。このような構成とすることにより、ヘッドアップディスプレイ装置1の意匠性を高めることができる。
【0046】
次に、コンバイナ20および蓋体30を回転駆動させる駆動部の構成例について
図7を参照して説明する。
図7は、コンバイナ20および蓋体30の駆動部の構成例を示す図である。
【0047】
図7に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、第1の駆動源61と、第2の駆動源62と、第1の伝達機構63と、第2の伝達機構64とを備える。第1の駆動源61および第2の駆動源62は、たとえば正逆両方向に回転可能なモータであり、回転駆動力を発生させる。
【0048】
第1の伝達機構63および第2の伝達機構64は、たとえばギア列で構成される。第1の駆動源61で発生した回転駆動力をコンバイナホルダ22へ伝達する。なお、第1の伝達機構63は、少なくとも、第1の駆動源61の回転軸周りに回転する歯車63aと、第1の回転軸22a周りに回転する歯車63bとを含む。
【0049】
第2の伝達機構64は、第2の駆動源62で発生した回転駆動力をアーム32へ伝達する。なお、第2の伝達機構64は、少なくとも、第2の駆動源62の回転軸周りに回転する歯車64aと、第2の回転軸32a周りに回転する歯車64bとを含む。
【0050】
このように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、第1の駆動源61で発生させた回転駆動力を第1の伝達機構63によってコンバイナホルダ22へ伝達することにより、コンバイナ20を使用状態(
図2参照)と収納状態(
図4参照)との間で回転変位させることができる。同様に、ヘッドアップディスプレイ装置1は、第2の駆動源62で発生させた回転駆動力を第2の伝達機構64によってアーム32へ伝達することにより、蓋体30および反射部50を入射状態(
図2参照)と覆蓋状態(
図4参照)との間で回転変位させることができる。
【0051】
上記の例では、ヘッドアップディスプレイ装置1が、2つの駆動源を備えることとしたが、ヘッドアップディスプレイ装置1は、1つの駆動源を用いてコンバイナ20および蓋体30の双方を回転させるように構成されてもよい。以下では、かかる場合の変形例について
図8〜
図11を参照して説明する。
【0052】
まず、第1の変形例について
図8を参照して説明する。
図8は、第1の実施形態における第1の変形例に係るコンバイナ20および蓋体30の駆動部の構成を示す図である。
【0053】
図8に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、1つの駆動源65と、第1の伝達機構66と、第2の伝達機構67とを備える構成であってもよい。
【0054】
第1の伝達機構66は、駆動源65で発生した回転駆動力を駆動源65の回転方向と同一方向でコンバイナホルダ22へ伝達する。一方、第2の伝達機構67は、駆動源65で発生した回転駆動力を駆動源65の回転方向と反対方向でアーム32へ伝達する。これにより、1つの駆動源65を用いてコンバイナ20と蓋体30とを逆方向に回転させることができる。
【0055】
次に、第2の変形例について
図9〜
図11を参照して説明する。
図9〜
図11は、第1の実施形態における第2の変形例に係るコンバイナ20および蓋体30の駆動部の構成を示す図である。なお、
図9〜
図11には、コンバイナ20が使用状態から収納状態へ移行するまでの動きを示している。
【0056】
図9に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、1つの駆動源71と、第1の伝達機構72と、第2の伝達機構73と、第1変換部74と、第3の伝達機構75とを備える構成であってもよい。
【0057】
駆動源71は、筐体10の前方側(Y軸正方向側)、たとえばコンバイナ20の下部に配置される。
【0058】
第3の伝達機構75は、駆動源71の回転駆動力を第1変換部74へ伝達する。第3の伝達機構75は、たとえばウォームギアであり、駆動源71の回転軸に設けられた円筒ウォーム75aと、円筒ウォーム75aに当接するウォームホイール75bと、ウォームホイール75bに当接する歯車75cとを備える。歯車75cは、後述する第1変換部74の第1の歯列74aに当接しており、駆動源71からの回転駆動力を第1変換部74へ伝達する。
【0059】
第1変換部74は、たとえばラックギアであり、筐体10の前後方向に延在する第1の歯列74aおよび第2の歯列74bを備える。第1の歯列74aは、第3の伝達機構75の歯車75cに当接しており、駆動源71からの回転駆動力を直進駆動力へ変換して第1変換部74を直進させる。第2の歯列74bは、後述する第1の伝達機構72の第2変換部72aと当接しており、第2変換部72aへ直進駆動力を伝達する。
【0060】
第1の伝達機構72は、たとえばギア列で構成され、少なくとも、コンバイナ20の使用状態において第1変換部74と当接する位置に配置された歯車である第2変換部72aと、第1の回転軸22a周りに回転する歯車72bとを含む。かかる第1の伝達機構72は、第1変換部74の直進駆動力をコンバイナ20の移動のための駆動力へ変換する。すなわち、第1の伝達機構72は、第1変換部74の直進駆動力を第2変換部72aによって回転駆動力へ変換して歯車72bへ伝達することにより、コンバイナ20を第1の回転軸22a周りに回転させる。
【0061】
第2の伝達機構73は、第2の回転軸32a周りに回転する歯車である第3変換部73aを有する。第3変換部73aは、コンバイナ20の使用状態において第1変換部74から離れた位置に配置されており、直進してきた第1変換部74と当接することにより、第1変換部74の直進駆動力を蓋体30の移動のための駆動力へ変換する。すなわち、第3変換部73aは、第1変換部74の直進駆動力を回転駆動力へ変換して蓋体30を第2の回転軸32a周りに回転させる。
【0062】
なお、第2の伝達機構73は、第3変換部73aを含む複数の歯車を有するギア列で構成されてもよい。
【0063】
図9に示すコンバイナ20の使用状態において、駆動源71を回転駆動させると、駆動源71で発生した回転駆動力は、第3の伝達機構75を介して第1変換部74へ伝達され、第1変換部74によって直進駆動力へ変換される。第1変換部74は、かかる直進駆動力によって筐体10の後方側(Y軸負方向側)へ直進移動し、第1の伝達機構72の第2変換部72aへ直進駆動力を伝達する。そして、第2変換部72aが直進駆動力を回転駆動力へ変換して歯車72bへ伝達することで、コンバイナ20は、第1の回転軸22a周りに回転する(
図10参照)。
【0064】
つづいて、
図10に示すように、直進運動によって接近してきた第1変換部74が第2の伝達機構73の第3変換部73aと当接すると、第3変換部73aが、第1変換部74の直進駆動力を回転駆動力に変換する。これにより、
図11に示すように、蓋体30は、第2の回転軸32a周りに回転する。
【0065】
このように、ヘッドアップディスプレイ装置1では、第2の伝達機構73の第3変換部73aが、コンバイナ20の使用状態において第1変換部74から離れた位置に配置され、コンバイナ20が使用状態から収納状態への変位を開始した後、直進運動によって接近してきた第1変換部74と当接して第1変換部74の直進駆動力を回転駆動力へ変換するようにしてもよい。
【0066】
かかる構成とすることにより、コンバイナ20が回転し始めた後で蓋体30が回転し始める動作を1つの駆動源71を用いて容易に実現することができる。
【0067】
次に、コンバイナ20や蓋体30の回転位置を検出する検出部の構成例について
図12を参照して説明する。
図12は、検出部の構成例を示す図である。
【0068】
図12に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置1は、蓋体30の回転位置を検出する検出部として、第1検出部81と、第2検出部82とを備える。第1検出部81および第2検出部82は、たとえばスイッチであり、第1検出部81は、収納状態におけるコンバイナ20の第1当接部31aと当接し、第2検出部82は、使用状態におけるコンバイナ20の第2当接部31bと当接する。
【0069】
ヘッドアップディスプレイ装置1は、これら第1検出部81および第2検出部82の検出結果に基づいて蓋体30が入射状態(
図2参照)あるいは覆蓋状態(
図4参照)となったことを検出して蓋体30の回転を停止させることができる。
【0070】
また、ヘッドアップディスプレイ装置1は、コンバイナ20の回転位置を検出する検出部として、第3検出部83を備える。第3検出部83は、たとえばロータリーセンサであり、第1の回転軸22aに設けられる。
【0071】
ヘッドアップディスプレイ装置1は、第3検出部83の検出結果に基づいてコンバイナ20が使用状態(
図2参照)あるいは収納状態(
図4参照)となったことを検出してコンバイナ20の回転を停止させることができる。ヘッドアップディスプレイ装置1は、ロータリーセンサである第3検出部83を用いて、コンバイナ20のチルト調整を行うことも可能である。
【0072】
検出部の構成は上記の例に限ったものではなく、蓋体30の回転位置を検出する検出部としてロータリーセンサを用いてもよいし、コンバイナ20の回転位置を検出する検出部としてスイッチを用いてもよい。
【0073】
なお、
図7〜
図11を参照して説明した駆動部および
図12を参照して説明した検出部は、後述する第2の実施形態および第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置にも適用可能である。
【0074】
上述してきたように、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、表示部40と、コンバイナ20と、反射部50と、蓋体30とを備える。表示部40は、表示光を発する。コンバイナ20は、表示面21aを起こした使用状態と表示面21aを倒した収納状態との間で回転可能であり、表示光を表示面21aに反射させて虚像を表示する。反射部50は、表示部40から発された表示光を反射してコンバイナ20へ入射させる。蓋体30は、反射部50と一体に設けられ、表示部40から表示光の光路上に反射部50を配置させて使用状態のコンバイナ20に対して表示光を入射させる入射状態と、収納状態のコンバイナ20の上方を覆う覆蓋状態との間で回転可能である。
【0075】
したがって、第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1によれば、装置の大型化を抑えつつ、コンバイナ20を蓋体30で覆うことができる。
【0076】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成について
図13〜
図18を参照して説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0077】
図13は、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の使用状態における断面模式図である。
図14は、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の使用状態における表示光の光路を示す図である。
図15は、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置が使用状態から収納状態へ移行する様子を示す図である。
図16は、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の収納状態における断面模式図である。
図17は、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の使用状態における斜視図である。
図18は、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の収納状態における斜視図である。
【0078】
図13に示すように、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Aは、筐体10Aと、コンバイナ20Aと、蓋体30Aと、表示部40と、第2反射部50Aと、第1反射部90とを備える。
【0079】
筐体10Aは、コンバイナ20A、蓋体30A、表示部40、第2反射部50Aおよび第1反射部90を収容する箱体であり、上部に開口部11Aを有する。なお、コンバイナ20Aおよび第1反射部90は、筐体10Aの前方側(Y軸正方向側)に配置され、蓋体30A、表示部40および第2反射部50Aは、筐体10Aの後方側(Y軸負方向側)に配置される。
【0080】
また、筐体10Aは、蓋体30Aの後述する第2の蓋体部分312を案内するガイド部12を有する。ガイド部12は、たとえば筐体10Aの側面に形成された溝部である。
【0081】
コンバイナ20Aは、コンバイナ本体21と、コンバイナホルダ22Aとを備える。コンバイナホルダ22Aは、コンバイナ本体21を保持し、保持したコンバイナ本体21を第1の回転軸22Aa周りに回転させる。これにより、コンバイナ本体21は、使用状態(
図13参照)と収納状態(
図16参照)との間で変位する。
【0082】
コンバイナホルダ22Aは、当接部22Abと、第1の面22Acと、第2の面22Adと、空間22Aeとを有する。
【0083】
当接部22Abは、コンバイナ本体21よりも第1回転方向(
図13では、反時計回り)後方に突出し、収納状態において覆蓋状態の蓋本体31Aの先端部311bと当接する(
図16参照)。
【0084】
第1の面22Acは、コンバイナ20Aの使用状態において露出する面である。第1の面22Acは、コンバイナ20の使用状態において、筐体10Aの内部に設けられる傾斜面13と同一平面上に配置される(
図17参照)。これにより、使用時におけるヘッドアップディスプレイ装置1Aの意匠性を高めることができる。
【0085】
第2の面22Adは、コンバイナ20Aの収納状態において露出する面である。第2の面22Adは、コンバイナ20の収納状態において、筐体10Aの開口部11Aの外縁部11Aaと同一平面上に配置される(
図16および
図18参照)。これにより、未使用時におけるヘッドアップディスプレイ装置1Aの意匠性を高めることができる。
【0086】
空間22Aeは、第1の面22Acおよび第2の面22Adの内側(第1の回転軸22Aa側)に形成された空間である。空間22Aeには、第1反射部90が配置される。このように、コンバイナホルダ22Aの空きスペースである空間22Aeに第1反射部90を配置することにより、筐体10Aの大型化をさらに抑えることができる。
【0087】
蓋体30Aは、蓋本体31Aと、アーム32Aとを備える。蓋本体31Aは、第1の蓋体部分311と、第2の蓋体部分312とを備える。
【0088】
第1の蓋体部分311は、アーム32Aによって第2の回転軸32Aa周りに回転可能に支持される。第1の蓋体部分311の第2の回転軸32Aa側の面には、第2反射部50Aが取り付けられる。また、第1の蓋体部分311は、第3の回転軸311aを基端部に有し、第3の回転軸311aにおいて第2の蓋体部分312を回転可能に軸支する。
【0089】
第2の蓋体部分312は、第1の蓋体部分311の第3の回転軸311aに回転可能に軸支される。第2の蓋体部分312は、第1の蓋体部分311が回転すると、筐体10Aのガイド12に沿って変位する。
【0090】
図16および
図18に示すように、覆蓋状態において外部に露出する第1の蓋体部分311および第2の蓋体部分312の面311c,312aは、覆蓋状態において、筐体10Aの開口部11Aの外縁部11Aaおよびコンバイナホルダ22Aの第2の面22Adと同一平面上に配置される。かかる構成とすることにより、ヘッドアップディスプレイ装置1Aの意匠性を高めることができる。
【0091】
アーム32Aは、第1の蓋体部分311および第2反射部50Aを第2の回転軸32Aa周りに回転させる。これにより、蓋本体31Aは、入射状態(
図13参照)と覆蓋状態(
図16参照)との間で変位する。
【0092】
図14に示すように、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Aが提供する画像の表示光は、表示部40から発された後、第1反射部90および第2反射部50Aによって順次反射されてコンバイナ20Aへ入射し、コンバイナ20Aによってさらに反射されてドライバの目に入射する。
【0093】
上記のように構成されたヘッドアップディスプレイ装置1Aでは、
図15に示すように、第2の蓋体部分312が、第1の蓋体部分311に対して第1の蓋体部分311の回転中心側(すなわち、第2の回転軸32Aa側)に折れ曲がった状態で変位するようにガイド部12に案内される。これにより、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Aは、筐体10Aの大型化をさらに抑えることができる。
【0094】
かかる点について
図19を参照して説明する。
図19は、蓋本体が分割されていない蓋体を備えた比較例となるヘッドアップディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【0095】
図19に示すヘッドアップディスプレイ装置1AXのように、蓋体30AXが分割されていない場合、蓋体30AXと筐体10AXとの干渉を避けるために、筐体10AX内に比較的広いスペースを設ける必要がある。これにより、ヘッドアップディスプレイ装置1AXが大型化するおそれがある(
図19のH3部参照)。
【0096】
これに対し、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Aは、蓋体30Aが変位する際に、第2の蓋体部分312が第1の蓋体部分311に対して第2の回転軸32Aa側に折れ曲がることで、蓋体30Aの回転半径が小さく抑えられる。これにより、蓋体30Aと筐体10Aとの干渉を避けるために必要となる筐体10A内のスペースを小さくすることができるため、筐体10Aの大型化を抑えることができる。
【0097】
このように、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Aでは、第1の蓋体部分311と第2の蓋体部分312とに分割された蓋本体31Aを備える構成としたため、筐体10Aの大型化をさらに抑えることができる。
【0098】
次に、第2の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Aの変形例について
図20を参照して説明する。
図20は、第2の実施形態における変形例に係るヘッドアップディスプレイ装置の使用状態における断面模式図である。
【0099】
図20に示すように、変形例に係るヘッドアップディスプレイ装置1A’は、ガイド部12A’を備える。ガイド部12A’は、
図20に示す入射状態において、第2の蓋体部分312が、第1の蓋体部分311に対して第2の回転軸32Aa側に折れ曲がった状態となるように第2の蓋体部分312を案内する。
【0100】
このように構成することで、入射状態において第1の蓋体部分311と第2の蓋体部分312とが一直線となるように構成されたヘッドアップディスプレイ装置1A(
図13参照)と比較して、筐体10A’をさらに小型化することができる(
図20のH4部参照)。
【0101】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成について
図21〜
図23を参照して説明する。
図21は、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の収納状態における断面模式図である。
図22は、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置が収納状態から使用状態へ移行する様子を示す図である。
図23は、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の使用状態における断面模式図である。
【0102】
図21に示すように、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Bは、筐体10Bと、別蓋35と、コンバイナ20Bと、蓋体30Bと、表示部40と、第2反射部50Bと、第1反射部90Bとを備える。
【0103】
筐体10Bは、コンバイナ20B、別蓋35、蓋体30B、表示部40、第2反射部50Bおよび第1反射部90Bを収容する箱体であり、上部に開口部11Bを有する。
【0104】
別蓋35は、筐体10Bの後方上端に配置される。別蓋35は、X軸方向に沿って延在する第4の回転軸35aを有しており、筐体10Bに対し、第4の回転軸35a周りに回転可能に軸支される。また、別蓋35は、バネ等によって筐体10Bの開口部11Bを閉塞する方向に付勢されており、覆蓋状態において筐体10B後方の開口部11Bを覆う状態で維持される。
【0105】
コンバイナ20Bは、筐体10Bの前方側(Y軸正方向側)に配置される。コンバイナ20Bは、コンバイナ本体21と、コンバイナホルダ22Bとを備える。コンバイナホルダ22Bは、コンバイナ本体21を保持し、保持したコンバイナ本体21を第1の回転軸22Ba周りに回転させる。これにより、コンバイナ本体21は、収納状態(
図21参照)と使用状態(
図23参照)との間で変位する。
【0106】
蓋体30Bは、蓋本体31Bと、アーム32Bとを備える。蓋本体31Bは、アーム32Bによって第2の回転軸32Ba周りに回転可能に支持される。蓋本体31Bの第2の回転軸32Ba側の面には、第2反射部50Bが取り付けられる。
【0107】
蓋体30Bは、別蓋35とコンバイナ20との間に配置される。具体的には、蓋体30Bは、
図21に示す覆蓋状態において、別蓋35の先端部に蓋本体31Bの基端部が重なる位置に配置される。
【0108】
覆蓋状態において外部に露出する蓋本体31Bおよび別蓋35の面31Ba,35bは、覆蓋状態において、筐体10Bの開口部11Bの外縁部11Baと同一平面上に配置される。かかる構成とすることにより、ヘッドアップディスプレイ装置1Bの意匠性を高めることができる。
【0109】
アーム32Bは、蓋本体31Bおよび第2反射部50Bを第2の回転軸32Ba周りに回転させる。これにより、蓋本体31Bは、覆蓋状態(
図21参照)と入射状態(
図23参照)との間で変位する。
【0110】
図22に示すように、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Bでは、蓋体30Bが、別蓋35と連動して移動することで覆蓋状態から入射状態へ変位する。すなわち、蓋体30Bは、蓋本体31Bの基端部で別蓋35を押し下げながら覆蓋状態から入射状態へ変位する。これにより、別蓋35は、付勢力に抗して筐体10Bの開口部11Bを開く方向に変位する。
図23に示す入射状態において、別蓋35は、筐体10Bと蓋本体31Bとの間に挟まれた状態で筐体10B内に収容される。
【0111】
このように、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Bでは、蓋体30Bと別体の別蓋35を設け、蓋体30Bが覆蓋状態から入射状態へ変位する場合に、蓋本体31Bの基端部で別蓋35を押し下げる構成とした。これにより、蓋体30Bの回転半径を小さく抑えることができるため、筐体10Bの大型化を抑えることができる。
【0112】
図23に示すように、第3の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1Bが提供する画像の表示光は、表示部40から発された後、第1反射部90Bおよび第2反射部50Bによって順次反射されてコンバイナ20Bへ入射し、コンバイナ20Bによってさらに反射されてドライバの目に入射する。
【0113】
なお、上記では、蓋体30Bが蓋本体31Bの基端部で別蓋35を押し下げると説明したが、別途設けられる移動機構が蓋体と別蓋との双方を移動させることにより、蓋体と別蓋とが連動するようにしてもよい。
【0114】
以上、本願に係るヘッドアップディスプレイ装置の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0115】
例えば、上記実施形態では、コンバイナ及び蓋体は回転することで移動するものとして説明したが、スライドするなどの回転以外の移動手法で移動するものであってもよい。また、コンバイナ及び蓋体は、スライドと回転とを組み合わせた移動手法で移動するものであってもよい。
【0116】
また、上記第1の実施形態では入射状態となった蓋体30の一部が筐体10の外部に突出していたが、第2及び第3の実施形態と同様に、入射状態となった蓋体30の全体が筐体10の内部に入り込むようにしてもよい。このように、入射状態となった蓋体は、その全体が筐体の内部に入ることが望ましい。ただし、第1の実施形態のように入射状態となった蓋体の過半以上の部分が筐体の内部に入り込むようにすれば、ヘッドアップディスプレイ装置1の使用状態において蓋体がドライバの視界の邪魔になることを防止できる。
【0117】
また、入射状態となった蓋体の位置を保持するためのロック機構をさらに設けてもよい。これにより、蓋体と一体となった反射部の位置が保持されるため、表示部からの表示光の光路を安定化させることができる。その結果、コンバイナに映る虚像の位置が安定化し、虚像の視認性を向上できる。また、このようなロック機構を設けない場合でも、第1の実施形態のように、入射状態となった蓋体の少なくとも一部を筐体に接触させることで、蓋体及び反射部の位置を保持することができる。