【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態である文字入力補助装置100の外観を示す図である。また、
図2は、文字入力補助装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。まず、
図1を用いて本実施例である文字入力補助装置100の外観について説明する。
【0013】
[文字入力補助装置の外観の説明]
図1に示すように、多機能携帯端末などの文字入力装置(または入力表示装置)は、枠状の本体10と、本体10に実装されたタッチパネルのパネル面12とを有している。このパネル面12には、更に、パネル面12を左右に横切るように設置された仕切部材14が備えられている。なお、本実施例に用いられるタッチパネルは、その方式を問わない。即ち、抵抗膜式、静電容量式、光学式等いずれの方式のタッチパネルを用いても良い。
【0014】
タッチパネルのパネル面12は液晶表示器を兼ねており、仕切部材14によってパネル面12は2つの領域に分割されるようになっている。2つの領域は、例えば、即ち、仕切部材14の上側の第一領域16と、仕切部材14の下側の第二領域18である。
【0015】
そして、上記した文字入力補助装置100は、タッチパネルのパネル面12に対して指掛かりとなる段差を有するように設けられた少なくとも1つの辺縁部20a,20bを備えるようにしている。辺縁部20a,20bは、手指が触れたときに触感で区別ができる程度のものであれば良い。
そして、この実施例では、上記した仕切部材14の上下の辺が、上記した辺縁部20a,20bとして利用される。そして、第一領域16には、仕切部材14の上側の辺縁部20aに沿って第1文字アイコン40が複数表示される。また、第二領域18には、仕切部材14の下側の辺縁部20bに沿って第2文字アイコン60が単数または複数表示される。
【0016】
仕切部材14の上側の辺縁部20aには、第1文字アイコン40の一つ一つの位置を個々に識別させるようにするためのアイコン識別部22aが設けられている。このアイコン識別部22aは、手指による触感によって各第1文字アイコン40を識別させられるようにするのものであり、この実施例では、辺縁部20aからパネル面12に沿って上方へ突出された複数の凸部とされる。
また、仕切部材14の下側の辺縁部20bには、第2文字アイコン60の一つ一つを個々に識別させるようにするためのアイコン識別部22bが設けられている。このアイコン識別部22bは、手指による触感によって各第2文字アイコン60を識別させられるようにするものであり、この実施例では、辺縁部20bからパネル面12に沿って下方へ突出された凸部とされる。
なお、アイコン識別部22a,22bは、それぞれ、仕切部材14の辺縁部20a,20bを手指でなぞったときに、手指が凸形状を認知できるだけの突出量を有していれば、その形状は問わない。そして、第1文字アイコン40の各文字は、アイコン識別部22aを形成している隣接する2つの凸部の間に1つずつ表示される。また、第2文字アイコン60の各文字は、アイコン識別部22bを形成している隣接する2つの凸部の間に1つずつ表示される。
【0017】
例えば、日本語の「ひらがな入力」を行う場合、「ひらがな」を子音と母音との組み合わせでまとめた50音表(または「あいうえお表」)が広く知られているので、第1文字アイコン40は、50音表における一番上の横の列、即ち、「あ」の段(「あ」,「か」,「さ」,「た」,「な」,…などの子音と母音の「あ」とを組み合わせた列)に対応する「ひらがな」情報が記されたアイコンとなる。
その他に、第1文字アイコン40は、「数字入力」を選択する数字入力アイコン42と、「記号入力」を選択する記号入力アイコン44と、「ひらがな入力」,「カタカナ」,「アルファベット」を切り替える文字種アイコン46と、を有することができる。
【0018】
第2文字アイコン60には、上記50音表における縦の列(即ち、特定の子音と組み合わされた母音の列)のうちの、第1文字アイコン40の中から選択された文字アイコン(後述する選択第1文字アイコン48)のグループに所属している「ひらがな」情報が表示される。
例えば、
図1に示すように、第1文字アイコン40の中から「は」が選択されたときには、第2文字アイコン60として「は行」に対応する5文字である「は」,「ひ」,「ふ」,「へ」,「ほ」が表示される。また、第2文字アイコン60は、その他に「濁音入力」を選択する濁音入力アイコン62と、「半濁音入力」を選択する半濁音入力アイコン64を有することができる。なお、濁音入力アイコン62と半濁音入力アイコン64は、第2文字アイコン60として表示されたひらがなに対する濁音や半濁音が存在するときにのみ、必要に応じて表示される。即ち、
図1の場合、選択された「は行」は、濁音と半濁音を有するため、濁音入力アイコン62と半濁音入力アイコン64がともに表示される。
なお、第1文字アイコン40と第2文字アイコン60は、日本語に限らず、上記と同様に、文字を縦横の二次元表の形に分類できる言語に対して同様に適用することが可能である。
【0019】
第1文字アイコン40は、選択されると一回り大きく拡大して表示される。このとき拡大されたアイコンを選択第1文字アイコン48と呼ぶ。この選択第1文字アイコン48は、操作者に対して、第1文字アイコン40が選択されたことを知らせる。
【0020】
同様に、第2文字アイコン60は、選択されると一回り大きく拡大して表示される。このとき拡大されたアイコンを選択第2文字アイコン66と呼ぶ。この選択第2文字アイコン66は、操作者に対して、第2文字アイコン60が選択されたことを知らせる。
【0021】
さらに、第一領域16の上部には、選択された文字と確定された文字が表示される入力文字ウインドゥ50が表示によって設けられている。また、第二領域18の下部には、文字入力の開始を指示する文字入力スイッチ68と、文字入力の完了を指示する文字入力完了スイッチ70が表示によって設けられている。
【0022】
なお、仕切部材14の表面には、3つの開口部26,28a,28bが貫通形成されている。これらの開口部26,28a,28bの奥側はそのままタッチパネルのパネル面12となっており、タッチパネルのパネル面12には、必要に応じて、3つの開口部26,28a,28bと対応するように予め決められたスイッチが適宜表示される。
【0023】
このうち、開口部28a,28bは矩形状をなしており、開口部26に対応するパネル面12の押下、または開口部28a,28bの辺縁をなぞることによって、パネル面12に表示されたスイッチを操作することができる。
【0024】
また、他の開口部26は円形をなしており、開口部26に対応するパネル面12に表示されたスイッチを押下して操作することができる。なお、開口部26の外周部にはリング状のダイヤル24が回転操作可能に設置されている。このダイヤル24は自由に回転させることができ、割り当てられた所定の選択機能を実行することができる。
【0025】
なお、仕切部材14はタッチパネルのパネル面12に沿って上下に移動させることが可能である。操作者は、仕切部材14の上下位置を調整して、操作しやすい位置で操作を行うことができる。上下に調整された仕切部材14の位置は、
図1では図示しない仕切部材位置検出部によって計測されて、仕切部材14の上下位置に応じて形成された第一領域16に第1文字アイコン40が表示される。そして、仕切部材14の上下位置に応じて形成された第二領域18に第2文字アイコン60が表示される。
【0026】
[文字入力補助装置の機能構成の説明]
次に、
図2を用いて本実施例である文字入力補助装置100の機能構成について説明する。文字入力補助装置100において、操作者が押下したパネル面12の位置(座標)は、選択位置検出部80において検出される。そして、タッチパネル制御ECU82に実装された文字入力制御部86において、パネル面12の押下位置に応じた文字アイコン(第1文字アイコン40,第2文字アイコン60)の入力制御(後述)が行われる。さらに、文字アイコン表示制御部84において、パネル面12の押下位置に応じた文字アイコンの表示制御(後述)が行われる。
【0027】
文字アイコン(第1文字アイコン40,第2文字アイコン60)の入力制御には、表示された第1文字アイコン40または第2文字アイコン60を押下することによって選択する文字アイコン選択制御と、押下を解除して(指を離して)第1文字アイコン40または第2文字アイコン60を確定する文字アイコン確定制御の2種類がある。
【0028】
文字アイコン(第1文字アイコン40,第2文字アイコン60)の表示制御には、文字アイコンを表示する文字アイコン表示制御と、文字アイコンを消去する文字アイコン消去制御と、選択された文字アイコンを拡大して選択第1文字アイコン48,選択第2文字アイコン66として表示する文字アイコン拡大表示制御と、選択第1文字アイコン48,選択第2文字アイコン66を縮小して元の表示に戻す文字アイコン拡大表示終了制御の4種類がある。
【0029】
[文字入力補助装置の動作の説明]
次に、
図3と
図4A〜
図4Eを用いて、文字入力補助装置100における文字入力動作の流れについて順を追って説明する。
図3は文字入力補助装置100において文字入力を行った際の状態遷移図である。
【0030】
(ノードN1の状態の説明)
まず、
図3の状態遷移図におけるノードN1の状態について、
図4Aを用いて説明する。ノードN1の状態にあるとき、文字入力補助装置100のパネル面は、
図4Aに示す状態になっている。このとき、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン消去制御が行われて、第一領域16と第二領域18には、第1文字アイコン40,第2文字アイコン60は表示されない。また、入力文字ウインドゥ50の表示も消去される。なお、
図3に示すノードN2またはノードN5からノードN1に遷移したときには、入力文字ウインドゥ50に、そのときに確定している文字入力結果が表示される。
【0031】
ここで、ノードN1への遷移は、
図3に示すアークA2(後述する),アークA12(後述する)の他に、
図3には図示しないが、実際のアプリケーション画面(カーナビゲーション画面、オーディオ画面等)で文字入力を行う必要がある機能を選択した際に発生する。
【0032】
(ノードN2の状態の説明)
次に、
図3の状態遷移図におけるノードN2の状態について、
図4Bを用いて説明する。ノードN2の状態にあるとき、文字入力補助装置100のパネル面は、
図4Bに示す状態になっている。このとき、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン表示制御が行われて、第一領域16に第1文字アイコン40と文字種アイコン46が表示される。
【0033】
また、入力文字ウインドゥ50にカーソル54が点滅表示されて、文字入力が可能なことを知らせる。なお、
図3に示すノードN3またはノードN5からノードN2に遷移したときには、入力文字ウインドゥ50に、そのときに確定している文字入力結果が合わせて表示される。
【0034】
(ノードN3の状態の説明)
次に、
図3の状態遷移図におけるノードN3の状態について、
図4Cを用いて説明する。ノードN3の状態にあるとき、文字入力補助装置100のパネル面は、
図4Cに示す状態になっている。このとき、文字入力補助装置100の操作者は、仕切部材14の辺縁部20aに触れて、第1文字アイコン40を押下しながら指200(例えば人差し指)を左右に滑らせ、所望の第1文字アイコン40の位置まで指200を移動させる。このとき、指200はアイコン識別部22aの凸部に接触するため、操作者はアイコン識別部22aの凸部に何度接触したかを認識することによって、パネル面12を注視し続けることなく所望の第1文字アイコン40の位置を認識することができる。
【0035】
このとき、文字入力制御部86(
図2)によって文字アイコン選択制御が行われて、押下された第1文字アイコン40が選択される。そして、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン拡大表示制御が行われて、押下された第1文字アイコン40が選択第1文字アイコン48として拡大表示される。また、選択された第1文字アイコン40が変更される度に、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン拡大表示終了制御が行われて、選択第1文字アイコン48の拡大表示が終了する。
【0036】
そしてさらに、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって、新たに選択された第1文字アイコン40に対する文字アイコン表示制御が行われて、拡大表示された(選択された)選択第1文字アイコン48に対応する第2文字アイコン60が、第二領域18に表示される。このとき、第2文字アイコン60は、仕切部材14を挟んで選択第1文字アイコン48と対向する位置の近傍(例えば、人差し指(指200)を中心として親指(指202)を無理なく動かせる範囲)に表示される。なお、このときに表示される第2文字アイコン60は、選択第1文字アイコン48が示すひらがなが属する行(
図4Cの場合は「ま行」)に対応するひらがなである。
【0037】
また、このとき入力文字ウインドゥ50には、選択第1文字アイコン48に対応する文字が選択文字52として点滅表示される。なお、
図3に示すノードN2またはノードN5からノードN3に遷移したときには、入力文字ウインドゥ50に、そのときに確定している文字入力結果が合わせて表示される。
【0038】
(ノードN4の状態の説明)
次に、
図3の状態遷移図におけるノードN4の状態について、
図4Dを用いて説明する。ノードN4の状態にあるとき、文字入力補助装置100のパネル面は、
図4Dに示す状態になっている。このとき、文字入力補助装置100の操作者は、指200(例えば人差し指)で選択第1文字アイコン48を押下しながら、仕切部材14の辺縁部20bに触れて、第2文字アイコン60を押下しながら指202(例えば親指)を左右に滑らせ、所望の第2文字アイコン60の位置まで指202を移動させる。このとき、指202はアイコン識別部22bの凸部に接触するため、操作者はアイコン識別部22bの凸部に何度接触したかを認識することによって、パネル面12を注視し続けることなく所望の第2文字アイコン60の位置を認識することができる。
【0039】
なお、前述したように、第2文字アイコン60は仕切部材14を挟んで選択第1文字アイコン48と対向する位置の近傍に表示されるため、指200で選択第1文字アイコン48を押下しながら、指202で所望の第2文字アイコン60の位置を容易に押下することができる。
【0040】
このとき、文字入力制御部86(
図2)によって文字アイコン選択制御が行われて、押下された第2文字アイコン60が選択される。そして、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン拡大表示制御が行われて、押下された第2文字アイコン60が選択第2文字アイコン66として拡大表示される。また、選択された第2文字アイコン60が変更される度に、文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン拡大表示終了制御が行われて、選択第2文字アイコン66の拡大表示が終了する。
【0041】
また、このとき入力文字ウインドゥ50には、選択第2文字アイコン66に対応する文字が選択文字52として点滅表示される。なお、
図3に示すノードN3またはノードN5からノードN4に遷移したときには、入力文字ウインドゥ50に、そのときに確定している文字入力結果が合わせて表示される。
【0042】
(ノードN5の状態の説明)
次に、
図3の状態遷移図におけるノードN5の状態について、
図4Eを用いて説明する。ノードN5の状態にあるとき、文字入力補助装置100のパネル面は、
図4Eに示す状態になっている。このとき、文字入力補助装置100の操作者は、
図4Dに示した選択第2文字アイコン66から指202を離す。すると、文字入力制御部86(
図2)によって文字アイコン確定制御が行われて、選択第2文字アイコン66の入力が確定する。そして、このとき文字アイコン表示制御部84(
図2)によって文字アイコン拡大表示終了制御が行われて、選択第2文字アイコン66(
図4D)の拡大表示が終了する。
【0043】
そして、入力文字ウインドゥ50には、入力が確定した確定文字56が表示されると共に、指200によって押下されている選択第1文字アイコン48に対応する文字が、選択文字52として点滅表示される。
【0044】
(ノードN1からの状態遷移の説明)
ノードN1の状態にあるとき、文字入力スイッチ68(
図4A)が押下されると、アークA1を経てノードN2の状態に遷移する。
【0045】
(ノードN2からの状態遷移の説明)
ノードN2の状態にあるとき、文字入力完了スイッチ70(
図4B)が押下されると、アークA2を経てノードN1の状態に遷移する。
【0046】
また、ノードN2の状態にあるとき、第1文字アイコン40(
図4B)が押下されて選択されると、アークA3を経てノードN3の状態に遷移する。
【0047】
(ノードN3からの状態遷移の説明)
ノードN3の状態にあるとき、選択された第1文字アイコン40(選択第1文字アイコン48)(
図4C)から指200(
図4C)を離すと、アークA4を経てノードN2の状態に遷移する。
【0048】
また、ノードN3の状態にあるとき、指200(
図4C)を移動させて異なる第1文字アイコン40(
図4C)を選択すると、アークA5を経てノードN3の状態を繰り返す。
【0049】
そして、ノードN3の状態にあるとき、第2文字アイコン60(
図4C)が押下されて選択されると、アークA6を経てノードN4の状態に遷移する。
【0050】
(ノードN4からの状態遷移の説明)
ノードN4の状態にあるとき、指202(
図4D)を移動させて異なる第2文字アイコン60(
図4D)を選択すると、アークA7を経てノードN4の状態を繰り返す。
【0051】
また、ノードN4の状態にあるとき、選択された第2文字アイコン60(選択第2文字アイコン66)(
図4D)から指202(
図4D)を離すと、アークA8を経てノードN5の状態に遷移する。
【0052】
そして、ノードN4の状態にあるとき、選択された第1文字アイコン40(選択第1文字アイコン48)(
図4D)から指200(
図4D)を離すと、アークA9を経てノードN2の状態に遷移する。
【0053】
(ノードN5からの状態遷移の説明)
ノードN5の状態にあるとき、指200(
図4E)を移動させて異なる第1文字アイコン40(
図4E)を選択すると、アークA10を経てノードN3の状態に遷移する。
【0054】
また、ノードN5の状態にあるとき、第2文字アイコン60が押下されて選択されると、アークA11を経てノードN4の状態に遷移する。
【0055】
そして、ノードN5の状態にあるとき、文字入力完了スイッチ70(
図4E)が押下されると、アークA12を経てノードN1の状態に遷移する。
【0056】
さらに、ノードN5の状態にあるとき、選択された第1文字アイコン40(選択第1文字アイコン48)(
図4E)から指200(
図4E)を離すと、アークA13を経てノードN2の状態に遷移する。
【0057】
[アルファベット入力時の動作の説明]
次に、
図5A,
図5Bを用いて、文字入力補助装置100によってアルファベット入力を行う方法について説明する。
【0058】
図5Aは、文字入力補助装置100が
図3のノードN2の状態にあるときに、文字種アイコン46の「英字」が押下されたときの画面の状態を示している。このとき、仕切部材14の上部には、アルファベット、および付随する補助記号を示す第1文字アイコン40が表示される。なお、アルファベットは連続する3文字ずつにグループ分けされており、第1文字アイコン40として表示されたアルファベットに続く2文字のアルファベットが、第1文字アイコン40の上部に、右方に傾けられて第1文字補助アイコン45として表示される。
【0059】
文字入力補助装置100の操作者は、
図5Bに示すように、第1文字アイコン40および第1文字補助アイコン45の中から所望のアルファベットを選択する。そのために、第1文字アイコン40を押下したまま、仕切部材14の辺縁部20aに沿って指200を滑らせ、所望のアルファベットが属するグループの位置を押下する。例えば、アルファベット“N”を入力したいときには、
図5Bに示すようにアルファベット“N”が属するグループの“M”を選択する。選択されたアルファベット“M”は、選択第1文字アイコン48として拡大表示される。
【0060】
ここで、アルファベット“M”が選択されると、仕切部材14の下部には、アルファベット“M”が属するグループのアルファベットが第2文字アイコン60として表示される。そして、文字入力補助装置100の操作者は、
図5Bに示すように、指202で第2文字アイコン60を押下して、仕切部材14の辺縁部20bに沿って指202を滑らせ、所望のアルファベット“N”を選択する。選択されたアルファベット“N”は、選択第2文字アイコン66として拡大表示されると共に、入力文字ウインドゥ50に点滅表示される。
【0061】
そして、選択第2文字アイコン66から指202を離すと、アルファベット“N”の選択が確定して入力が完了する。
【0062】
なお、
図5Aにおいて、第1文字補助アイコン45は右方に傾けて表示したが、これは、
図5Bに示すように第2文字アイコン60が表示されたときに、第1文字補助アイコン45と第2文字アイコン60とを対応付けやすくするためである。
また、仕切部材14(の第1文字アイコン40)の上部に表示された第1文字補助アイコン45を直接選択して入力を行わせるようにしても良いことは言うまでもない。この場合には、仕切部材14の下部に対して、第2文字アイコン60は、表示させるようにしても、または、表示させないようにしても良い。第2文字アイコン60を表示させないことにより、仕切部材14の上部だけ(1つの辺縁部20aだけ)を使用した入力が可能となる。
【0063】
[数字入力時の動作の説明]
次に、
図6を用いて、文字入力補助装置100によって数字入力を行う方法について説明する。
【0064】
図6は、文字入力補助装置100が
図3のノードN2の状態にあるときに、第1文字アイコン40の「数」が押下されたときの画面の状態を示している。このとき、仕切部材14の下部には、0から9までの数字が第2文字アイコン60として表示される。
【0065】
そして、文字入力補助装置100の操作者は、第2文字アイコン60を押下しながら、仕切部材14の辺縁部20bに沿って指202を滑らせ、所望の数字、例えば「0」を押下する。すると、押下された第2文字アイコン60の「0」が選択されて、選択第2文字アイコン66として拡大表示される。そして入力文字ウインドゥ50には、その時点で確定された確定文字56に続いて、選択文字52として「0」が点滅表示される。そして、その後、選択第2文字アイコン66から指202を離すと、数字「0」の選択が確定する。
【0066】
[実施例1の変形例の説明]
以上説明した実施例1において、アイコン識別部22a,22bは仕切部材14の辺縁部20a,20bから突出する一様な凸部としたが、アイコン識別部22a,22bの形状はそれに限定されるものではない。即ち、
図7A,
図7Bに示すように、その他の形状として実現しても良い。
【0067】
図7Aは、アイコン識別部22c,22gとして、辺縁部20a,20bに設けた凸部の形状を場所によって変化させた例である。即ち、アイコン識別部22c,22gの左右端には、他の凸部よりも大きいアイコン識別部22dを設けて、左右端であることを強調することができる。
【0068】
また、所定の間隔毎に他の凸部とは形状の異なるアイコン識別部22eを設けて、所望の第1文字アイコン40(第2文字アイコン60(
図2))を選択する際の手がかりとすることができる。
【0069】
そして、このようなアイコン識別部22c,22gを形成することによって、操作中にパネル面を注視し続けなくても、所望の文字アイコンを選択することができる。
【0070】
また、
図7Bは、アイコン識別部22h,22iとして、辺縁部20a,20bに凹状の切り欠きを形成した例である。このような形状のアイコン識別部を形成することによっても、操作中にパネル面を注視し続けることなく、個々の第1文字アイコン40を確実に識別することができる。
【0071】
なお、アイコン識別部を形成する具体的な例としては、以上説明した凸部や切り欠きの他に、手指が触れたときに触感で区別ができる形状であれば、溝や筋等を形成しても構わない。
【0072】
なお、実施例1においては、仕切部材14をタッチパネルのパネル面18を上下に分割するように配置した例を示したが、仕切部材14はタッチパネルのパネル面18を左右に分割するように配置しても同様の文字入力補助装置を構成することができる。この場合には、例えば仕切部材14の左側の領域に第1文字アイコン40を縦並びに配置させて、仕切部材14の右側の領域に第2文字アイコン60を縦並びに配置させれば良い。
【0073】
なお、実施例1では、第二領域18に表示された第2文字アイコン60を選択確定させて文字入力を行ったが、特に「あ」の段の文字入力を行う際に、
図4Cの状態において、第一領域16に表示された第1文字アイコン40を選択した後、指200を離すことによって、ひらがな「ま」の選択確定を行っても構わない。
【0074】
また、実施例1ではひらがな入力を行った後の日本語の漢字変換について言及していないが、ひらがな入力が完了した後で、例えば、
図1に示すダイヤル24を回転させることによって漢字変換を行わせることができる。
【実施例2】
【0075】
図8は、実施例2を示すものである。
この実施例2では、多機能携帯端末などの文字入力装置(または入力表示装置)の本体10におけるタッチパネルのパネル面12の縁部(上縁部、下縁部、右縁部、左縁部の全てまたはいずれかを)それぞれ辺縁部20c〜20fとして利用できるようにしたものである。この場合、下縁部を使用する辺縁部20dとして、辺縁部20dに沿ってアイコン識別部22aを設け、辺縁部20dの上側に複数の第1文字アイコン40を1つずつ順番に表示すると共に、複数の第1文字アイコン40の上側に第2文字アイコン60を表示させるようにしている。
【0076】
より具体的には、数字を入力する場合に、数字を2文字ずつグループ分けして、第1文字アイコン40を奇数の数字、第2文字アイコン60を偶数と0の数字にしている。
【0077】
このように、複数の第1文字アイコン40の上側に第2文字アイコン60を表示させることにより、辺縁部20aを1つだけ使用した入力を行うことが可能となる。
なお、この実施例の場合においても、タッチパネルのパネル面12には、上記した仕切部材14を設けても良い。
【0078】
以上説明したように、この実施の形態に係る文字入力補助装置100によれば、以下の様な作用効果を得ることができる。
【0079】
(1)タッチパネルのパネル面12に対して指掛かりとなる段差を有するように設けられた少なくとも1つの辺縁部20a〜20fと、前記パネル面12に、前記辺縁部20a〜20fに沿って複数の第1文字アイコン40を表示すると共に、前記パネル面12に、前記複数の第1文字アイコン40の中から選択された選択第1文字アイコン48と関連付けられた単数または複数の第2文字アイコン60を表示する文字アイコン表示制御部84と、前記第1文字アイコン40から選択された選択第1文字アイコン48に対応する文字入力、または、前記第2文字アイコン60から選択された選択第2文字アイコン66に対応する文字入力を行う文字入力制御部86と、を有すると共に、前記辺縁部20a〜20fに、第1文字アイコン40または第2文字アイコン60の個々の位置を識別可能にするアイコン識別部22a〜22iが設けられた。
【0080】
そして、タッチパネルのパネル面12に対して指掛かりとなる段差を有するように設けられた少なくとも1つの辺縁部20a〜20fに沿って、文字アイコン表示制御部84が、第一領域16に複数の第1文字アイコン40を表示し、第二領域18に複数の第2文字アイコン60を表示して、文字入力制御部86が、選択された第1文字アイコン40に対応する文字入力、または選択された第2文字アイコン60に対応する文字入力を行うため、辺縁部20a〜20fに沿って手指を摺動させることで第1文字アイコン40および第2文字アイコン60を容易に選択することができる。即ち、入力したい第1文字アイコン40および第2文字アイコン60を注視し続けることなしに確実に選択することができるため、文字アイコンの選択操作を簡便かつ確実に、短時間で行うことができる。
【0081】
また、実施例1に係る文字入力補助装置100によれば、辺縁部20a〜20fに、個々の第1文字アイコン40および個々の第2文字アイコン60をそれぞれ識別するアイコン識別部22a〜22iを設けたため、第1文字アイコン40および第2文字アイコン60を選択する際、所望の文字アイコンを選択するために手指を摺動させる量が予め把握できる。従って、選択されたアイコンを確認するための視認頻度を低減させることができるため、文字アイコンの選択操作、入力操作に要する時間をより一層低減することができる。
【0082】
(2)前記アイコン識別部22a〜22iは、前記第1文字アイコン40または第2文字アイコン60を個別に仕切る凸部(22a〜22g)または凹部(22h,22i)とされている。そのため、指による触覚によって、第1文字アイコン40または第2文字アイコン60を容易に識別することが可能となる。
【0083】
(3)前記第1文字アイコン40は、文字をグループ分けした時にグループの代表となる文字の情報とされ、前記第2文字アイコン60は、各第1文字アイコン40と同じグループに所属する文字の情報のうちの、前記選択第1文字アイコン48と関連するものとされた。そのため、例えば、日本語の「ひらがな情報」などを効率良く選択して入力することができる。
【0084】
(4)前記第1文字アイコン40は、アルファベットの文字を順番に所定数ずつにグループ分けした時にグループの最初となる文字の情報とされ、前記第2文字アイコン60は、前記第1文字アイコン40となったアルファベットの文字と同じグループに所属する文字の情報のうちの、前記選択第1文字アイコン48と関連するものとされた。そのため、アルファベット情報を効率良く選択して入力することができる。
【0085】
(5)前記第1文字アイコン40は、文字の種類である文字種を表すアイコンとされ、前記第2文字アイコン60は、前記第1文字アイコン40の中から選択された文字種に属する文字情報とされた。そのため、異なる文字種からなる文字情報を簡便に切り替えて効率良く入力することができる。
【0086】
(6)前記文字入力制御部86は、前記選択第1文字アイコン48の選択が解除されたこと、または、前記選択第2文字アイコン66の選択が解除されたことを検出して、選択が解除された、当該選択第1文字アイコン48または選択第2文字アイコン66に対応する文字入力を行うものとされた。そのため、文字入力の確定操作を簡便に行うことができる。
【0087】
(7)前記タッチパネルのパネル面12上に、パネル面12を第一領域16と第二領域18とに分割するように仕切部材14が設置され、該仕切部材14の両側縁部が、一対の前記辺縁部20a,20bとされ、前記文字アイコン表示制御部84は、前記第1文字アイコン40を、一方の辺縁部20aに沿って表示させると共に、前記第2文字アイコン60を、他方の辺縁部20bに沿って表示させるようにした。そのため、仕切部材14の両側縁部に設けられた辺縁部20a,20bに沿って手指を摺動させることで第1文字アイコン40および第2文字アイコン60を容易に選択することができるようになる。
【0088】
(8)前記文字アイコン表示制御部84は、前記第2文字アイコン60を、前記仕切部材14を挟んで、前記選択第1文字アイコン48と対向する位置の近傍に表示させるようにした。そのため、第1文字アイコン40の選択操作に続いて行われる第2文字アイコン60の選択操作に素早く移行することができる。そして、文字入力の迅速化を図ることができる。
【0089】
以上、実施例を図面により詳述してきたが、実施例は例示にしか過ぎないものである。よって、本発明は、実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。