(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るブランク搬送装置110を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1に示すように、ブランク搬送装置110は、ブランク供給機構700と、ブランク搬送機構800と、ブランク搬出機構900と、を有し、ほぼ扇形の紙製のブランクBLを加工装置KSに搬送する。ブランクBLは、ほぼ扇状に形成された板紙であり、その片面あるいは両面には熱可塑性を有する合成樹脂フィルムがコーティング(ラミネート加工)されている。
【0014】
ブランク供給機構700は、積み重ねられた複数枚のブランクBLをブランク搬送機構800に1枚ずつ供給する。
【0015】
ブランク搬送機構800は、ブランク供給機構700から供給されるブランクBLを加熱しながらブランク搬出機構900まで搬送する。
【0016】
ブランク搬出機構900は、ブランク搬送機構800により搬送されるブランクBLを加工装置KSに搬出する。
【0017】
加工装置KSは、マンドレルMDを有する。ブランクBLは、ブランク搬出機構900により、マンドレルMDの下方の所定位置まで搬送される。ブランクBLは、ホルダウィングなどによりマンドレルMDに巻き付けられたあとに加工され、紙コップの胴部(使用者が持つ部分)が形成される。なお、ブランクBLから、2重構造となっている紙コップの内コップの胴部や外スリーブを形成するようにしてもよい。
【0018】
ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900の各動作は、コンピュータなどからなる制御部50により制御される。制御部50は、ブランク搬送装置110が備えるものであってもよいし、ブランク搬送装置110とは別に設けられてもよい。また、制御部50は、さらに加工装置KSなどを制御してもよい。
【0019】
次に、ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900の構成を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、ブランクBLの搬送ラインをフィードラインFLとする(
図2などを参照)。また、ブランクBLが進む方向を前方又は下流といい、その反対の方向を後方又は上流という(
図2などを参照)。フィードラインFLは、ブランクBLの下流が低くなるように傾斜している。また、フィードラインFLで搬送されるブランクBLなどの幅方向(
図2などの紙面を貫く方向であって、
図5の上下方向)を左右方向とする(
図3、
図5などを参照)。また、前後方向及び幅方向(左右方向)に直交する方向を上下方向とする(
図2などを参照)。
【0020】
ブランク供給機構700は、
図2に示すように、固定テーブル701A、取付部材701B、ブランクスタッカー702、スライサーバー703、回転支持部704、回転軸705、第1駆動モータ706、第1連結部材707、第2駆動モータ708、第2連結部材709、を備える。
【0021】
固定テーブル701Aは、ブランクスタッカー702が固定される平板である。固定テーブル701Aは、その上面が前後方向に沿って延びるように配置されている。従って、固定テーブル701Aは、ブランク搬送機構800側が低くなるように傾斜している。
【0022】
ブランクスタッカー702は、所定の取付部材701Bを介して固定テーブル701Aに固定されている。ブランクスタッカー702は、ブランクBLを収容する枠体である。ブランクスタッカー702には、多数のブランクBLが積層した状態で収容される。
【0023】
ブランクスタッカー702は、収容するブランクBLのうち、最下位置のブランクBLが前方に向けて送り出されるように構成されている。例えば、ブランクスタッカー702は、前方側(下流側)の下部に隙間702Aを有する。ブランクスタッカー702内の最下位置のブランクBLは、この隙間702Aから送り出される。また、ブランクスタッカー702は、その底に、収容しているブランクBLを支持する支持板702Bを備える。支持板702Bの上面(ブランクBLに接する面)は、前後方向及び左右方向を面内方向としている。当該上面は、滑らかになっており、ブランクBLの送り出しの際にブランクBLが支持板702Bにより傷つかないようになっている。支持板702Bの幅(左右方向の長さ)は、ブランクBLの幅よりも狭く、支持板702Bは、前後方向及び左右方向を面内方向とし、かつ前後方向に長尺となっている。
【0024】
スライサーバー703は、ブランクスタッカー702内に収容されたブランクBLを1枚ずつ載せて、ブランク搬送機構800に搬送する搬送部である。スライサーバー703は、スライサーバー本体703Aと、吸着部703Bと、空気路703Cと、連結部703Dと、を備える。
【0025】
スライサーバー本体703Aは、回転支持部704のガイドレール704Bにスライド可能に取り付けられている。スライサーバー本体703Aは、下部にガイドレール704Bと係合して転動するベアリングなどを有し、ガイドレール704B上をスライドする。
【0026】
吸着部703Bは、ブランクBLを載せる部分であり、ブランクBLを吸着する。吸着部703Bは、スライサーバー本体703Aの上部に固定され、スライサーバー本体703Aのスライドにともなってスライドする。ここで、吸着部703Bなどについて
図3を参照して説明する。なお、
図3は、スライサーバー703がブランクBLをブランク搬送機構800に搬送する様子などを示す。吸着部703Bは、平板703BAと、2つの突出部703BBと、複数の吸着孔703BCと、を備える。
【0027】
2つの突出部703BBは、平板703BAの両端部(フィードラインFLと直交する方向)それぞれから上方に突出している。突出部703BBは、
図3の状態において、ブランクスタッカー702の支持板702Bの幅方向両側に位置し、かつ、支持板702Bと平行に延びている(前後方向に延びている)。突出部703BBは、支持板702Bの厚みよりも厚くなっている。従って、
図3の状態において、突出部703BBの上面は、ブランクBLに接することができ、かつ、支持板702Bは、平板703BAなどに接しない。
【0028】
各突出部703BBには、突出部703BBの延びる方向に沿って、複数の吸着孔703BCが設けられている。吸着孔703BCは、突出部703BBの上面に開口を形成し、ここから空気を吸うことができる(ブランクBLが吸着される)。吸着孔703BCは、突出部703BBや平板703BA内を通り、空気路703Cに繋がっている。
【0029】
図2に戻り、空気路703C(
図2では、途中で切れている。)は、一端が図示しない吸気装置に繋がり、他端が吸着部703Bの吸着孔703BCに繋がっている。従って、吸気装置が吸気すると、空気路703Cを介して吸着孔703BCが吸気状態となる(ブランクBLが吸着部703Bに吸着される)。なお、吸気装置は、バキュームファンなどである。
【0030】
連結部703Dは、スライサーバー本体703Aから下方に垂れ下がるように設けられている。なお、
図2では、連結部703Dは、回転支持部704の奥側(左側)に位置する。連結部703Dには、第1連結部材707の一端部が回転可能に連結されている。
【0031】
回転支持部704は、スライサーバー703をスライド可能に支持する。回転支持部704は、ブランクBLのフィードラインFLに近付けたり離したりする部材である。回転支持部704は、支持部本体704Aと、ガイドレール704Bとを備える。
【0032】
支持部本体704Aは、前後方向に長尺である。支持部本体704Aの基端部(後方端部)は、回転軸705に連結されている。従って、支持部本体704Aは、回転軸705まわりに回転可能となっている。また、支持部本体704Aの先端部(前方端部)は、下方に垂れ下がる部分を有し、ここに第2連結部材709の一端部が回転可能に連結されている。
【0033】
ガイドレール704Bは、支持部本体704Aの上面に設けられており、支持部本体704Aと同方向に延びている。ガイドレール704Bは、複数設けられてもよい。ガイドレール704B上にスライサーバー703が載せられ、スライサーバー703は、ガイドレール704B上をスライドする。
【0034】
第1駆動モータ706は、スライサーバー703をスライド移動させるための駆動源である。第1駆動モータ706は、スライサーバー703の連結部703Dの後方に位置する。第1駆動モータ706は、回転軸706A(
図2では図示せず。
図7などを参照)と、回転軸706Aに取り付けられた板状部材706Bと、を有する。板状部材706Bは、回転軸706Aと一体で回転する。板状部材706Bの面内方向は、回転軸706Aと垂直である。板状部材706Bには、第1連結部材707の他端部が回転可能に連結されている。
【0035】
第1連結部材707は、棒状の部材であり、上述のように、第1駆動モータ706(板状部材706B)とスライサーバー703(連結部703D)とに回転可能に連結されている。第1連結部材707は、スライサーバー703の連結部703Dの後方に位置する。第1連結部材707は、板状部材706Bの回転(回転軸706Aの回転)にともなって、当該第1連結部材707の一端部(前端部)を軸にして回転しながらスライドし、スライサーバー703をスライドさせる。なお、第1連結部材707は、一回転するのではなく、予め定められた回転角の範囲で回転することになる。
【0036】
第2駆動モータ708は、回転支持部704を回転軸705回りに回転させるための駆動源である。第1駆動モータ706は、回転支持部704の先端部(前端部)の下方に位置する。第2駆動モータ708は、回転軸708Aと、回転軸708Aに取り付けられた板状部材708Bと、を有する。板状部材708Bの面内方向は、回転軸708Aと垂直である。板状部材708Bには、第2連結部材709の他端部が回転可能に連結されている。
【0037】
第2連結部材709は、棒状の部材であり、上述のように、第2駆動モータ708(板状部材708B)と回転支持部704(先端部)とに回転可能に連結されている。第2連結部材709は、回転支持部704の先端部の下方に位置する。第2連結部材709は、板状部材708Bの回転(回転軸708Aの回転)にともなって、当該第2連結部材709の一端部(上端部)を軸にして回転しながらスライドし、回転支持部704(先端部)を回転軸705を軸にして回転させる。なお、第2連結部材709は、一回転するのではなく、予め定められた回転角の範囲で回転することになる。
【0038】
なお、第1駆動モータ706と第2駆動モータ708とは、ステッピングモータなどから構成される。
【0039】
ブランク搬送機構800は、
図4および
図5に示すように、サクションコンベア801と、ヒータ802と、ガイドローラ805と、ガイドローラ806と、吸気機構808と、支持板809A〜809Cを備える。
【0040】
サクションコンベア801は、ブランク供給機構700から供給されたブランクBLを吸着しならがら搬送する装置である。サクションコンベア801は、サクションベルト801Aと、駆動ローラ801Bと、従動ローラ801Cと、従動ローラ801Dと、テンションローラ801Eと、を有する。
【0041】
サクションベルト801Aは、その外周面上に載せられたブランクBLを搬送する。サクションベルト801Aは、無端状に形成されたベルトであって、駆動ローラ801Bと、従動ローラ801Cと、従動ローラ801Dと、テンションローラ801Eと、によって張られている。
【0042】
サクションベルト801Aは、複数の吸着部801AAを備える。1つの吸着部801AAは、サクションベルト801Aの幅方向に長尺で前後方向に並んだ複数の溝801ABと、複数の溝801ABそれぞれの底に設けられた貫通孔801ACと、が設けられた部分である。貫通孔801ACは、サクションベルト801Aをその厚さ方向に沿って貫通している。1つの吸着部801AAは、1つのブランクBLを吸着する(吸い付ける)。後述のように貫通孔801ACを介した吸気によって溝801ABが吸気状態となることで、吸着部801AAはブランクBLを吸着する。1つの吸着部801AAの前後方向の長さ(先頭(最前位置)の貫通孔801ACの前端から最後尾の貫通孔801ACの後端までの長さ)は、ブランクBLの前後方向の長さよりも短い。従って、吸着部801AAがブランクBLを吸い付けたとときに、吸い付けに使用されない溝801ABが発生することを防止できる。2つの吸着部801AAの前後方向の間隔(前方の吸着部801AAにおける最後尾の溝801ABと、後方の吸着部801AAにおける先頭の溝801ABと、の間隔)は、1つの吸着部801AAにおける溝801ABの間隔や1つの吸着部801AAの前後方向の長さよりも広くなっている。これによって、1つの吸着部801AAを適切な間隔で配置できており、1つの吸着部801AAが1つのブランクBLを精度良く吸着できる。各吸着部801AAの間隔は、搬送されるブランクBLの搬送間隔(具体的には、後述のキッカー901によるブランクBLの送り出しを阻害しない間隔)に応じた間隔となっている。
【0043】
駆動ローラ801Bは、図示しない駆動源から駆動が伝達されて回転する。この回転力によりサクションベルト801Aを循環的に回す。
【0044】
従動ローラ801C及び801Dは、サクションベルト801Aの回転に従って回転する。
【0045】
テンションローラ801Eは、サクションベルト801Aの前後方向に移動可能に保持されている。テンションローラ801Eは、サクションベルト801Aを付勢し、サクションベルト801Aにテンションを与える。なお、テンションローラ801Eも、回るサクションベルト801Aに従って回転する。
【0046】
ヒータ802は、ブランクBLにコーティングされた熱可塑性樹脂を非接触で加熱して溶融させる。ヒータ802は、ここでは、赤外線ヒータである。
図5に示すように、ヒータ802は、サクションベルト801Aの左側に配置され、ブランクBLの左縁部を上方から非接触で加熱する。これにより、ブランクBLの左縁部の内周面(筒としたときの内周面)側の熱可塑性樹脂が溶融される。この溶融された熱可塑性樹脂は、ブランクBLの右縁部の外周面(筒としたときの外周面)と重ね合わせて外スリーブなどの筒を成形する際の接着剤として機能する。
【0047】
ガイドローラ805は、それぞれ、従動ローラ801Cに対応して設けられており、ガイドローラ805と従動ローラ801CとでブランクBLを挟むことで、ブランクBLを案内する。
【0048】
ガイドローラ806は、それぞれ、従動ローラ801Dに対応して設けられており、ガイドローラ806と従動ローラ801DとでブランクBLを挟むことで、ブランクBLを案内する。
【0049】
吸気機構808は、バキュームファンなどを含んで構成され、空気を吸気する。吸気機構808は、上面に吸気孔を有する。吸気孔が設けられている上面は、サクションベルト801Aの内周面に接している。従って、サクションベルト801Aは、吸気孔が設けられている上面と接触しながら回る(サクションベルト801Aの内周面は、前記の上面上を摺動する)。吸気機構808の吸気により、サクションベルト801Aの貫通孔801ACは吸引状態になる。これによって、ブランクBLは、サクションベルト801Aの外周面(吸着部801AA)上に吸着された状態で載せられる。なお、貫通孔801ACの周囲の溝801ABにより吸着面積が大きくなっている。
【0050】
支持板809A〜809Cは、上面にブランクBLを載せて支持する。ブランクBLは、サクションベルト801Aによる搬送中に、支持板809A及び809B上を滑りながら移動する。支持板809Cは、サクションベルト801Aにより搬送された後のブランクBLを支持する。
【0051】
ブランク搬出機構900は、
図6に示すように、キッカー901、可動部材902、第3駆動モータ903、第3連結部材904、第4駆動モータ905、第4連結部材906、を備える。
【0052】
キッカー901は、ブランク搬送機構800の支持板809Cまで搬送されたブランクBLをマンドレルMD下方の所定位置(ブランクBLがマンドレルMDに巻き付けられる位置)まで押し出して搬出する部材である。キッカー901は、可動部材902にスライド可能に支持されている一対のキッカー本体901Aと、キッカー本体901Aそれぞれの上部に設けられた一対の押し出し部901Bと、を備える。一対のキッカー本体901Aは、可動部材902の左右両側に設けられている。また、一対の押し出し部901Bは、ブランク搬送機構800の支持板809Cの左右両側に配置される(
図5参照)。なお、キッカー本体901Aを1つとし、当該1つのキッカー本体901Aは、上部に左右方向に延びる棒状部材を有し、そこに一対の押し出し部901Bが設けられてもよい。一対の押し出し部901Bにより、ブランクBLが押し出される。キッカー本体901Aの下部には、第3連結部材904の一端部が回転可能に連結されている。
【0053】
可動部材902は、キッカー901をスライド可能に支持する。具体的には、可動部材902は、左右両側面にキッカー901のスライド方向に沿って延びる一対の案内溝902Aを備える。一方で、一対のキッカー本体901Aそれぞれは、案内溝902Aそれぞれの中に入り込んで案内溝902Aそれぞれに係合する突出部(図示せず)を備える。突出部は、キッカー901のスライド方向に沿って延びている。このような突出部が、案内溝902Aと係合して案内溝902A内を移動することで、キッカー901は、可動部材902上をスライドする。
【0054】
可動部材902は、上下方向に移動可能なように支持される。例えば、上下方向に沿って延びるガイド溝などを設け、このガイド溝に可動部材902の凸部などを係合させる。
【0055】
また、可動部材902は、下方に延びる連結部902Bを備える。連結部902Bには、第4連結部材906の一端部が回転可能に連結されている。
【0056】
第3駆動モータ903は、キッカー901をスライド移動させるための駆動源である。第3駆動モータ903は、キッカー901の下端部(キッカー本体901Aの下端部)の後方に位置する。第3駆動モータ903は、回転軸903Aと、回転軸903Aに取り付けられた板状部材903Bと、を有する。板状部材903Bは、回転軸903Aと一体で回転する。板状部材903Bの面内方向は、回転軸903Aと垂直である。板状部材903Bには、第3連結部材904の他端部が回転可能に連結されている。
【0057】
第3連結部材904は、棒状の部材であり、上述のように、第3駆動モータ903(板状部材903B)とキッカー901(キッカー本体901Aの下端部)とに回転可能に連結されている。第3連結部材904は、キッカー901の下端部の後方に位置する。第3連結部材904は、板状部材904Bの回転(回転軸904Aの回転)にともなって、当該第3連結部材904の一端部(前端部)を軸にして回転しながらスライドし、キッカー901をスライドさせる。なお、第3連結部材904は、一回転するのではなく、予め定められた回転角の範囲で回転することになる。
【0058】
第4駆動モータ905は、可動部材902を移動させるための駆動源である。第4駆動モータ905は、可動部材902の下方に位置する。第4駆動モータ905は、回転軸905Aと、回転軸905Aに取り付けられた板状部材905Bと、を有する。板状部材905Bの面内方向は、回転軸905Aと垂直である。板状部材905Bには、第4連結部材906の他端部が回転可能に連結されている。
【0059】
第4連結部材906は、棒状の部材であり、上述のように、第4駆動モータ905(板状部材905B)と可動部材902(連結部902B)とに回転可能に連結されている。第4連結部材906は、可動部材902の先端部の下方に位置する。第4連結部材906は、板状部材905Bの回転(回転軸905Aの回転)にともなって、当該第4連結部材906の一端部(上端部)を軸にして回転しながらスライドし、回転支持部704(先端部)を上下方向に移動させる。なお、第4連結部材906は、一回転するのではなく、予め定められた回転角の範囲で回転することになる。
【0060】
なお、第3駆動モータ903と第4駆動モータ905とは、ステッピングモータなどから構成される。
【0061】
次に、ブランク搬送装置110の動作を説明する。
【0062】
まず、ブランク供給機構700の動作を
図2、
図7〜10を参照して説明する。なお、
図7〜10では、スライサーバー703(吸着部703B)の位置(ある点の位置)を示す移動点P1〜P4を付している。
【0063】
図7の状態から、制御部50は、第2駆動モータ708を駆動し、
図7に向かって時計回りに回転軸708A及び板状部材708Bを回転させる。板状部材708Bの回転力は、第2連結部材709によって、回転支持部704の先端部を上方に押し上げる力に変換される。これにより、回転支持部704は、回転軸705を中心にして
図7に向かって反時計回りに回転する。この回転支持部704の回転により、回転支持部704上のスライサーバー703は、移動点P1から上方に移動して移動点P2に移動する。この移動後の状態が
図8の状態である。なお、
図8の状態では、スライサーバー703のスライド方向がフィードラインFLに平行になっている。
【0064】
図8の状態では、吸着部703Bの突出部703BBが、ブランクスタッカー702(
図8などでは省略)内に積み重ねられているブランクBLのうちの最下位置のブランクBLに当接する(
図3も参照)。このような状態のときに、制御部50は、吸気装置を制御して吸気を行わせ、吸着部703Bの吸着孔703BCを吸気状態とする。従って、吸着部703Bは、ブランクBLを吸着する。
【0065】
その後、制御部50は、第1駆動モータ706を駆動し、
図8に向かって時計回りに回転軸706A及び板状部材706Bを回転させる。板状部材706Bの回転力は、第1連結部材707によって、スライサーバー703(連結部703D)を前方に押し出す力に変換される。これにより、スライサーバー703は、前方に押し出される(前方にスライドする)。このため、スライサーバー703は、移動点P2から移動点P3に移動する。この移動後の状態が
図9の状態である。なお、スライサーバー703の移動により、吸着部703Bにより吸着されている最下位置のブランクBLが1枚だけ吸着部703Bに載った状態で前方に搬送される。
【0066】
制御部50は、スライサーバー703をスライドさせて移動点P3に移動させると、吸気装置を制御して吸気を中止させる。これによって、吸着部703Bに載ったブランクBLは、吸着されなくなり、吸着部703Bから容易に離間できる。そして、ブランクBLは、ブランク搬送機構800により搬送される。具体的には、吸着部703Bが移動点P3にあるときには、ブランクBLがサクションベルト801A近傍に位置し、当該ブランクBLは、サクションベルト801Aに設けられた吸着部801AAにより吸着されて搬送される。なお、スライサーバー703が移動点P3に位置しているときのブランクBLをサクションベルト801Aに押し出す機構を別途設けるようにしてもよい。なお、制御部50は、吸気装置を制御して吸気を中止させたあと、第1駆動モータ706などを動作させず所定期間待機する。当該所定期間は、ブランクBLがサクションベルト801Aに載って搬送され始めるまでの期間であり、例えば予め設定されていればよい。
【0067】
その後、制御部50は、第2駆動モータ708を駆動し、
図9に向かって反時計回りに回転軸708A及び板状部材708Bを回転させる。板状部材708Bの回転力は、第2連結部材709によって、回転支持部704の先端部を下方に引く力に変換される。これにより、回転支持部704は、回転軸705を中心にして
図9に向かって時計回りに回転する。この回転支持部704の回転により、回転支持部704上のスライサーバー703は、移動点P3から下方に移動して移動点P4に移動する。この移動後の状態が
図10の状態である。
【0068】
その後、制御部50は、
図10に向かって反時計回りに回転軸706A及び板状部材706Bを回転させる。板状部材706Bの回転力は、第1連結部材707によって、スライサーバー703(連結部703D)を後方に引く力に変換される。これにより、スライサーバー703は、回転支持部704のガイドレール704B上を後方にスライドする。このため、スライサーバー703は、移動点P1に移動する。つまり、ブランク供給機構700は、
図7の状態に戻る。
【0069】
以上のような動作により、スライサーバー703(吸着部703B)は、移動点P1〜P4を循環移動し、その間にブランクBLを吸着して搬送する。これによって、ブランクスタッカー702に積み重ねて収容されたブランクBLは、下から1枚ずつブランク搬送機構800に供給される。なお、スライサーバー703(吸着部703B)の動きは、ボックスモーションとなっている。
【0070】
次に、ブランク搬送機構800の動作を
図4及び
図5を参照して説明する。ブランクBLは、吸着された状態でサクションベルト801Aに載って、
図5に向かって左から右に搬送される。このとき、ヒータ802がブランクBLの左縁部を上方から非接触で加熱する。これにより、ブランクBLの左縁部の内周面側の熱可塑性樹脂が溶融される。この溶融された熱可塑性樹脂は、紙コップの胴部又は外スリーブなどの筒をマンドレルMDにて成形する際の接着剤として機能する。サクションベルト801Aにより搬送されたブランクBLは、最終的に支持板809Cに載ることになる。
【0071】
次に、ブランク搬出機構900の動作を
図6、
図11〜14を参照して説明する。なお、
図11〜14では、キッカー901(押し出し部901B)の位置(ある点の位置)を示す移動点P5〜P8を付している。
【0072】
図11の状態から、制御部50は、第4駆動モータ905を駆動し、
図11に向かって反時計回りに回転軸905A及び板状部材905Bを回転させる。板状部材905Bの回転力は、第4連結部材906によって、可動部材902を上方に押す力に変換される。これにより、可動部材902は、上方に押し出される。これにより、可動部材902に取り付けられているキッカー901は、移動点P5から上方に移動して移動点P6に移動する。この移動後の状態が
図12の状態である。なお、このとき、キッカー901の押し出し部901Bは、支持板809C(
図6参照、
図11などでは図示せず。)に載ったブランクBLの後方に位置する。
【0073】
その後、制御部50は、第3駆動モータ903を駆動し、
図12に向かって時計回りに回転軸903A及び板状部材903Bを回転させる。板状部材903Bの回転力は、第3連結部材904によって、キッカー901を前方に押し出す力に変換される。これにより、キッカー901は、前方に押し出され(前方にスライドし)、移動点P6から移動点P7に移動する。この移動後の状態が
図13の状態である。なお、キッカー901の移動により、押し出し部901Bは、支持板809Cに載ったブランクBLを前方に弾いて押し出し、ブランクBLをマンドレルMDの下方の所定位置(ブランクBLがマンドレルMDに巻き付けられる位置)まで移動させる。このようにして、ブランクBLは、押し出し部901Bによる押し出しによって搬送される。
【0074】
その後、制御部50は、第4駆動モータ905を駆動し、
図13に向かって時計回りに回転軸905A及び板状部材905Bを回転させる。板状部材905Bの回転力は、第4連結部材906によって、可動部材902を下方に引く力に変換される。これにより、可動部材902は、下方に移動する。これにより、可動部材902に取り付けられているキッカー901は、移動点P7から下方に移動して移動点P8に移動する。この移動後の状態が
図14の状態である。なお、このとき、キッカー901の押し出し部901Bは、支持板809C(
図6参照、
図14などでは図示せず。)よりも下方に位置する。
【0075】
その後、制御部50は、第3駆動モータ903を駆動し、
図14に向かって反時計回りに回転軸903A及び板状部材903Bを回転させる。板状部材903Bの回転力は、第3連結部材904によって、キッカー901を後方に引く力に変換される。これにより、キッカー901は、後方に引かれ(後方にスライドし)、移動点P8から移動点P5に移動する。つまり、ブランク搬出機構900は、
図11の状態に戻る。なお、移動点P8から移動点P5に移動中、キッカー901の押し出し部901Bは、支持板809C(
図6参照、
図14などでは図示せず。)よりも下方に位置するので、支持板809CにブランクBLがあったとしても、押し出し部901BがブランクBLに当たってしまうことはない。
【0076】
以上のような動作により、キッカー901(押し出し部901B)は、移動点P5〜P8を循環移動し、その間にブランクBLを押し出して搬送する。これにより、ブランクBLは加工装置KSに搬出される。なお、キッカー901(押し出し部901B)の動きは、ボックスモーションとなっている。
【0077】
この実施の形態によって得られる効果などを以下説明する。
【0078】
上記特許文献1のように、回転可能な吸着パッドによって、ブランクスタッカー702に積載されたブランクBLのうち最下位置のブランクBLを引き下げる場合、一度に複数のブランクBLが引き下げられる恐れがある。そこで、従来、スライサーバー703が上記移動点P2と上記移動点P3とを往復してブランクBLをブランクスタッカーから1枚ずつ搬送する構成が一般に採用されていたが、この場合、スライサーバー703が移動点P3から移動点P2に戻るときに、スライサーバー703がブランクBLをこすってしまい、ブランクBLにキズを付けてしまうことがある。この実施の形態のブランク供給機構700では、スライサーバー703は、ボックスモーションにより、フィードラインFLと平行に移動してブランクBLを搬送したあと、移動点P3から移動点P2に移動する際に、移動点P4及びP1を経由する。つまり、スライサーバー703は、後方に移動するときに下方に下がって、ブランクBLから離間する。このため、スライサーバー703がブランクBLの下面をこすってしまうことが防止され、ブランクBLにキズが付きにくい。
【0079】
また、上記特許文献1のように、上下一対のフィードベルトによりブランクBLを挟んで搬送する場合、上側のフィードベルトの押圧力の加減をうまく調整しないと、ブランクBLの搬送中に当該ブランクBLの位置がずれてしまうことが起きる。また、上下一対のフィードベルトでブランクBLを挟むことで、フィードベルトの汚れがブランクBLに転写されてしまうことがあった。この実施の形態のブランク搬送機構800では、サクションベルト801Aに吸着部801AAが設けられ、サクションベルト801Aは、ブランクBLを吸着した状態で載せて搬送する。このため、搬送中にブランクBLの位置ずれが生じにくい。また、ブランクBLを上下から2つのベルトで挟む必要もなく、ブランクBLに汚れが転写されにくい。
【0080】
なお、吸着部801AAにおける複数の溝801ABの面積(貫通孔801ACの面積含む。)の合計を、ブランクBLの面積の3%以上とするとよい。ブランクBLをより適切に吸着できる。溝801ABの形状はサクションベルト801Aの幅方向に長尺な形状が好ましい。この形状によりブランクBLの幅方向の反りを効果的に抑制する事が出来る。
【0081】
また、溝801ABの流れ方向(
図5の前後方向)の長さは、紙コップ等の紙容器に使用される一般的なブランクBLの強度(厚さ)などを考慮すると、5〜10mmが好ましい。5mmより小さいと吸着力が弱くて搬送中にブランクBLがずれやすくなり、10mmより大きいと吸着力が強すぎてブランクBLが反り返りやすくなることがあり、5〜10mmを採用する理由は、これらを防止するためである。
【0082】
また、上記特許文献1のように、押し込み爪(キッカー)の円弧動作によってブランクBLを搬送する場合には、押し込み爪の円弧動作のため、押し込み爪がブランクBLに当たる位置が安定しないことがある。特に、ブランクBLは、ベルトによる搬送後、進行方向に沿った位置がずれる場合があり、押し込み爪がブランクBLに当たる位置が安定しないことがある。押し込み爪がブランクBLに当たる位置が安定しないと、ブランクBLの位置ずれが発生しやすくなり、また、ブランクBLをマンドレルに巻き付けたときに、筒体のテンションにバラツキが生じてしまう。また、当該円弧動作のため、押し込み爪がブランクBLをこすってしまい、押し込み爪の摩耗、紙粉の発生などの不具合が生じやすい。前記紙粉は、後工程の加熱などによって焦げて汚れとなることがあり、紙粉の発生は好ましいものではない。この実施の形態のブランク搬出機構900では、キッカー901が、ボックスモーションによりフィードラインFLに沿ってスライド移動して、ブランクBLの後端を押すので、キッカー901(押し出し部901B)がブランクBLに当たる位置を安定させることができ、紙粉も発生し難くすることができる。また、キッカー901(押し出し部901B)の摩耗も少なくできる。
【0083】
この実施の形態では、スライサーバー703及びキッカー901の動きをボックスモーションにしている。紙コップの製造では、一度に大量の紙コップを生産するため、1つの紙コップの製造を短時間にすることが好ましい。このようなことからすると、スライサーバー703及びキッカー901は、従来のように単純な往復運動をすることが望ましい。しかしながら、本願発明者は、従来の往復運動では上記で説明した不具合が生じることを見出し、上記実施の形態のようにスライサーバー703及びキッカー901の動きを、往復運動よりも移動時間がかかるボックスモーションとすることで、不具合を生じ難くしている。
【0084】
なお、スライサーバー703は、移動点P3から移動点P1やP2に戻るときに下方に下がってブランクBLから離間できればよく、制御部50によって第1駆動モータ706と第2駆動モータ708とを同時に制御して、スライサーバー703を移動点P3から直接移動点P1に移動させてもよい(
図15参照)。また、スライサーバー703を、移動点P3から後方かつ斜め下方に移動させてから、後方に移動させて移動点P1に戻すようにしてもよい。また、スライサーバー703を、移動点P3から後方かつ斜め下方に移動させてから後方かつ斜め上方に移動させて(V字状に移動させて)、移動点P2に戻してもよい。これらによっても上記と同様の効果が得られる。また、これらのように、スライサーバー703を後方に移動させながら下方又は上方にも移動させることで、スライサーバー703の移動時間を短縮できる。
【0085】
なお、キッカー901は、移動点P6から移動点P7に移動するとき、つまり、ブランクBLを押し出すときに、フィードラインFL(ブランクBLの進行方向)に沿ってスライド移動できればよく、制御部50によって第3駆動モータ903と第4駆動モータ905とを同時に制御して、キッカー901を移動点P7から直接移動点P5に移動させてもよい(
図16参照)。また、キッカー901を移動点P7から後方かつ斜め下方に移動させてから、後方に移動させて移動点P5に戻すようにしてもよい。また、キッカー901を、移動点P7から後方かつ斜め下方に移動させてから後方かつ斜め上方に移動させて(V字状に移動させて)、移動点P6に戻してもよい。これらによっても上記と同様の効果が得られる。また、これらのように、キッカー901を後方に移動させながら下方又は上方にも移動させることで、キッカー901の移動時間を短縮できる。なお、キッカー901の下方への移動を早く終わらせるようにして、当該キッカー901が次に搬送されてくるブランクBLに当たらないようにするとよい。
【0086】
この実施の形態では、回転支持部704をスライサーバー703よりも後方にある回転軸705を中心にして回転させて、当該スライサーバー703を上下方向に移動させている。スライサーバー703は一般に重いが、当該構成により、スライサーバー703を比較的に容易に上下動させることができる。
【0087】
また、この実施の形態では、ブランクBLの加熱の際に赤外線ヒータを使用している。従来は、直火で加熱を行うことが多いが、この場合には、ブランクBLの搬送が何らかの要因で止まってしまったときに、ブランクBLを焦がしてしまったり、燃やしてしまったりすることがあった。ブランクBLの搬送が止まったときに搬送機構の電源を落とせば、赤外線ヒータによる加熱は止まるので、ブランクBLを焦がしてしまったり、燃やしてしまったりすることを防止できる。このように、ブランクBLの加熱は、電源により動作するヒータ(赤外線ヒータに限らなくてもよい。)によって行うとよい。また、ヒータは、非接触で加熱するものがよい。
【0088】
本発明は、上記実施の形態に限らない。上記実施の形態を適宜変更してもよい。また、上記実施の形態の構成を省略してもよい。
【0089】
ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900のうちのいずれかを省略又は従来の機構としてもよい。このような場合であっても、ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900のいずれかにより、種々の不具合の少なくとも1つを発生し難くすることができる。なお、ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900が全て揃うことで、ブランクの搬送において考えられる不具合を全て生じ難くくすることができ、ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900が全てを採用することが望ましい。
【0090】
上記の実施の形態では、スライサーバー703は、ブランクBLを吸着しなくてもよい。この場合には、スライサーバー703のうち、ブランクBLに接触する部分の後端に引っ掛け爪を設け、ブランクBLを引っ掛けて搬送してもよい。
【0091】
なお、ブランクBLの反りやねじれの発生を防止したり、当該反りやねじれを矯正するためにブランクBLを押さえつける部材を適宜の箇所に設けてもよい。また、ブランク供給機構700、ブランク搬送機構800、ブランク搬出機構900それぞれの間に所定の装置が介在してもよい。
【0092】
スライサーバー703又はキッカー901を移動させる機構は、上記実施の形態に限らず種々の構成を採用できる。当該機構を、上記実施の形態のように、モータと、当該モータが発生させる回転力を、スライサーバー703又はキッカー901を上下移動や円弧移動させる力又は前後方向へのスライド移動させる力に変換する変換部材と、を用いた機構(クランク機構)とすることで、簡素な構成でスライサーバー703又はキッカー901を移動させることができる。特に、変換部材は、モータの回転部分(回転軸や回転軸に固定された部材など)と、スライサーバー703又はキッカー901との両者に回転可能に連結された、棒状又は板状の部材であるとよい。
【0093】
ブランクBLによって構成されるのは、飲料を入れる紙コップの他、アイスクリームなどを入れる紙カップなどでもよい。
【0094】
上記実施形態や変形例の少なくとも一部を一例とする構成を以下に列挙する。本発明は、下記の記載に限定されない。
【0095】
(1)紙容器を構成するブランク(例えば、ブランクBL)を搬送するブランク搬送装置であって、
前記ブランクを載せて第1位置(例えば、移動点P2)から当該第1位置よりも前方の第2位置(例えば、移動点P3)に移動することで前記ブランクを搬送する搬送部(例えば、スライサーバー703)と、
前記搬送部を、前記第1位置から前記第2位置に移動させたあとに後方に移動させて前記第1位置に戻す第1移動機構(例えば、回転支持部704、第1駆動モータ706、第1連結部材707、第2駆動モータ708、第2連結部材709)と、
前記搬送部により搬送されたブランクが載る搬送ベルト(例えば、サクションベルト801A)を備え、当該ブランクを前記搬送ベルトに載せて搬送する搬送機構(例えば、ブランク搬送機構800)と、
第3位置(例えば、移動点P6)から第4位置(例えば、移動点P7)に移動することで、前記搬送機構により搬送された前記ブランクの後端を押して当該ブランクを前方(例えば、マンドレルMDの下方の所定位置)に押し出す押し出し部(例えば、キッカー901又は押し出し部901B)と、
前記押し出し部を、前記第3位置から前記第4位置に移動させる第2移動機構(例えば、可動部材902、第3駆動モータ903、第3連結部材904、第4駆動モータ905、第4連結部材906)と、を備え、
前記第1移動機構は、前記搬送部を後方に移動させて前記第1位置に戻すときに当該搬送部を下方に移動させることで当該搬送部を前記ブランクから離間させ(例えば、ボックスモーションや、
図15の軌道)、
前記搬送機構は、前記ブランクを上下方向からベルトで挟まずに前記搬送ベルトに載せて搬送し(例えば、
図4)、
前記搬送ベルトは、前記ブランクを吸着しながら前記ブランクを搬送し(例えば、吸着部801Aによる吸着)、
前記第2移動機構は、前記押し出し部を前記第3位置から前記第4位置に移動させるときに当該押し出し部を前記ブランクの進行方向に沿って移動させる(例えば、ボックスモーションや、
図16の軌道)、
ブランク搬送装置。
【0096】
上記構成によれば、搬送中の不具合の発生を少なくできる。なお、上記構成のうち、搬送部及び第1移動機構と、搬送機構と、押し出し部及び第1移動機構と、のうちのいずれか1つ又は2つは省略されてもよい。
【0097】
(2)前記第1移動機構は、前記搬送部を前記第1位置から前記第2位置にスライド可能に支持する支持部(例えば、回転支持部704)を備え、
前記支持部は、前記第1位置よりも後方に位置する回転軸(例えば、回転軸705)回りに回転することで、搬送部を下方に移動させる(例えば、
図9及び
図10)、
上記(1)に記載のブランク搬送装置。
【0098】
上記構成によれば、搬送部が重くても、比較的弱い力で搬送部を下方に移動させることができる。
【0099】
(3)前記第1移動機構は、前記搬送部を後方に移動させながら下方に移動させる(例えば、
図15)、
上記(1)又は(2)に記載のブランク搬送装置。
【0100】
上記構成によれば、搬送部の移動に要する時間を短くすることができる。
【0101】
(4)前記第2移動機構は、前記押し出し部を、前記第3位置から前記第4位置に移動させたあとに後方に移動させながら下方に移動させ、その後前記第3位置に戻す(例えば、
図16)、
上記(1)〜(3)のいずれかに記載のブランク搬送装置。
【0102】
上記構成によれば、搬送部の移動に要する時間を短くすることができる。
【0103】
前記搬送ベルトに載せて前記ブランクを搬送しているときに、当該ブランクの一部を非接触で加熱する赤外線ヒータをさらに備える、
上記(1)〜(4)のいずれかに記載のブランク搬送装置。
【0104】
上記構成によれば、ブランクの搬送が止まったときに、ブランクが焦げてしまうことを防止できる。