特許第6602145号(P6602145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6602145
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】基板載置台及び気相成長装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20191028BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20191028BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/458
   H01L21/68 N
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-202040(P2015-202040)
(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公開番号】特開2017-76652(P2017-76652A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】徳永 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】矢野 良樹
(72)【発明者】
【氏名】池永 和正
(72)【発明者】
【氏名】田渕 俊也
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−129764(JP,A)
【文献】 特開2001−237053(JP,A)
【文献】 特開2004−128019(JP,A)
【文献】 特開2007−067394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/458
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に化合物半導体薄膜を気相成長させる際に用いられ、
前記基板の底面側から当該基板を加熱するプレート部と、
前記プレート部の上面に設けられ、前記基板の底面と前記プレート部の上面とが離間した状態で当該基板の底面の端部を支持する第1支持部と、を備える基板載置台であって、
前記プレート部の上面から突出するように設けられる第2支持部をさらに備え、
前記第2支持部の上端が、前記基板の底面離間し
前記基板が加熱されることにより前記基板が前記プレート部側に湾曲した際に、前記第2支持部で当該基板の中央部を支持可能である、基板載置台。
【請求項2】
前記第2支持部が、前記基板の中心を支持可能に設けられた支持部材である、請求項1に記載の基板載置台。
【請求項3】
前記第2支持部が、前記プレート部の上面から0.05〜0.15mm突出している、請求項2に記載の基板載置台。
【請求項4】
前記第2支持部が、前記基板の中心を同心とした円周上の複数カ所を支持可能に設けられた支持部材である、請求項1に記載の基板載置台。
【請求項5】
前記第2支持部が、前記基板の中心を重心としてなる正三角形の各頂点を支持可能に設けられた支持部材である、請求項4に記載の基板載置台。
【請求項6】
前記第2支持部が、前記プレート部の上面から0.05〜0.12mm突出している、請求項4又は5に記載の基板載置台。
【請求項7】
前記第2支持部が、耐熱性を有し、かつ熱伝導性の低い材質から構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板載置台。
【請求項8】
前記第2支持部の材質が、石英、サファイア、又はファインセラミックである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板載置台。
【請求項9】
前記プレート部の上面に設けられた凹部を有し、
前記第2支持部が前記凹部に固定されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の基板載置台。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の基板載置台を備える気相成長装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板載置台及び気相成長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に化合物半導体薄膜を気相成長させる際は、一般的に、気相成長装置が用いられている。気相成長装置では、基板載置台を介して基板を加熱しており、例えば、サファイア等の基板上に窒化ガリウム(GaN)系薄膜を成長させる場合、ヒーターにより加熱された基板上に、原料である有機金属及びアンモニアを、キャリアガスである水素及び窒素と共に導入して、GaN系薄膜を気相成長させている。
【0003】
気相成長の際に用いられる装置は、基板を支持すると同時に加熱するための基板載置台を備えているのが一般的である。基板載置台は、基板の熱分布に影響するため、様々な形状及び材質が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている基板載置台は、基板を支持するために、外周に熱伝導率の低い材料からなる支持構造体を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2005−530335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された基板載置台では、加熱により基板が基板載置台側に湾曲した際に、基板の中央部が加熱部材に接触するおそれがある。基板の中央部が基板載置台の表面に接触した場合、基板の中央部の温度が局所的に上昇し、これにより基板の中央部における化合物半導体薄膜の品質が局所的に低下するため問題となる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基板の中央部が基板載置台の表面に接触するのを防ぐことが可能な基板載置台及び気相成長装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
基板上に化合物半導体薄膜を気相成長させる際に用いられ、
前記基板の底面側から当該基板を加熱するプレート部と、
前記プレート部の上面に設けられ、前記基板の底面と前記プレート部の上面とが離間した状態で当該基板の底面の端部を支持する第1支持部と、を備える基板載置台であって、
前記プレート部の上面から突出するように設けられるとともに、気相成長させる際に前記基板の底面と前記プレート部の上面とが離間した状態となるように当該基板の中央部を支持可能に設けられた第2支持部を有する、基板載置台である。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、
前記第2支持部が、前記基板の中心を支持可能に設けられた支持部材である、請求項1に記載の基板載置台である。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、
前記第2支持部が、前記プレート部の上面から0.05〜0.15mm突出している、請求項2に記載の基板載置台である。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、
前記第2支持部が、前記基板の中心を同心とした円周上の複数カ所を支持可能に設けられた支持部材である、請求項1に記載の基板載置台である。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、
前記第2支持部が、前記基板の中心を重心としてなる正三角形の各頂点を支持可能に設けられた支持部材である、請求項4に記載の基板載置台である。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、
前記第2支持部が、前記プレート部の上面から0.05〜0.12mm突出している、請求項4又は5に記載の基板載置台である。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、
前記第2支持部が、耐熱性を有し、かつ熱伝導性の低い材質から構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板載置台である。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、
前記第2支持部の材質が、石英、サファイア、又はファインセラミックである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板載置台である。
【0016】
また、請求項9に係る発明は、
前記プレート部の上面に設けられた凹部を有し、
前記第2支持部が前記凹部に固定されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の基板載置台である。
【0017】
また、請求項10に係る発明は、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の基板載置台を備える気相成長装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の基板載置台は、プレート部の上面から突出するように設けられるとともに、気相成長させる際に基板の底面とプレート部の上面とが離間した状態となるように基板の中央部を支持可能に設けられた第2支持部を有するため、気相成長の際(すなわち、基板を加熱する際)に基板の中央部が基板載置台に接触するのを防ぐことができる。これにより、接触による局所的な基板の温度上昇に由来する基板の湾曲を抑制し、気相成長時に基板上の温度のばらつきを抑制することができるため、化合物半導体薄膜の品質のばらつきを抑えることができる。
【0019】
また、本発明の気相成長装置は、上述した基板載置台を有するため、気相成長の際(すなわち、基板を加熱する際)に基板の中央部が基板載置台に接触するのを防ぐことができる。これにより、接触による局所的な基板の温度上昇に由来する基板の湾曲を抑制し、気相成長時に基板上の温度のばらつきを抑制することができるため、化合物半導体薄膜の品質のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明を適用した一実施形態である基板載置台の断面模式図である。
図2】本発明を適用した一実施形態である気相成長装置の断面模式図である。
図3】本発明を適用した他の実施形態である基板載置台の断面模式図である。
図4】本発明を適用した他の実施形態である基板載置台におけるプレート部を上方から見た平面図である。
図5】実施例1の基板載置台を用いてLEDを成長した際の基板反り測定結果を示すグラフである。
図6】比較例1の基板載置台を用いてLEDを成長した際の基板反り測定結果を示すグラフである。
図7】比較例2の基板載置台を用いてLEDを成長した際の基板反り測定結果を示すグラフである。
図8】実施例1の基板載置台を用いた成長したLEDの波長マッピングの結果を示すグラフである。
図9】実施例1の基板載置台を用いて成長したLEDの光強度マッピングの結果を示すグラフである。
図10】比較例1の基板載置台を用いて成長したLEDの波長マッピングの結果を示すグラフである。
図11】比較例1の基板載置台を用いて成長したLEDの光強度マッピングの結果を示すグラフである。
図12】比較例2の基板載置台を用いて成長したLEDの波長マッピングの結果を示すグラフである。
図13】比較例2の基板載置台を用いて成長したLEDの光強度マッピングの結果を示すグラフである。
図14】従来の実施形態である基板載置台の断面模式図である。
図15】従来の他の実施形態である基板載置台の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した一実施形態である基板載置台と、これを備えた気相成長装置について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0022】
<基板載置台>
先ず、本発明を適用した一実施形態である基板載置台の構成について説明する。図1は、本実施形態の基板載置台1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の基板載置台1は、プレート部2と、第1支持部3と、凹部4と、第2支持部5と、プレートリング6とを備え概略構成されている。
【0023】
本実施形態の基板載置台1は、基板7上に化合物半導体薄膜を気相成長させる際に、第1支持部3により基板7の底面7bとプレート部2の上面2aとが離間するように基板7の端部を支持し、さらに第2支持部5により基板7の中央部7cがプレート部2の上面2aに接触するのを防ぐことができる。
【0024】
プレート部2は、ヒーター17(図2を参照)により加熱されている。プレート部2により、ヒーター17(図2を参照)の熱を間接的に基板7に伝えることで、基板7を加熱可能とされている。
【0025】
プレート部2の形状としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、円盤状等が挙げられる。また、例えば、プレート部2を平面視した際は、プレート部2の上面2aが円形であってもよい。
【0026】
プレート部2の材質としては、基板7に熱を間接的に伝えることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、シリコンカーバイド、グラファイト、シリコンカーバイドでコーティングしたグラファイト、石英、窒化アルミニウム、窒化ボロン等が挙げられる。
【0027】
第1支持部3は、プレート部2の上面2aの端部に設けられている。第1支持部3により、基板7の底面7bとプレート部2の上面2aとが離間するように、基板7の端部を支持可能とされている。
【0028】
第1支持部3の形態としては、基板7の底面7bの端部を接触して支持することができるものであれば、特に限定されない。例えば、プレート部2が円盤状の場合、プレート部2の上面2aの外周に沿って一体のリング状に設けられていてもよいし、プレート部2の上面2aの端部に複数の支持部材が設けられていてもよい。
【0029】
第1支持部3の高さとしては、基板7上に気相成長させる化合物半導体の種類や基板7の大きさ等により、適宜設定することができる。具体的には、例えば、0.1〜0.2mmが好ましい。
【0030】
第1支持部3の材料としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、シリコンカーバイド、グラファイト、シリコンカーバイドでコーティングしたグラファイト、石英、窒化アルミニウム、窒化ボロン等が挙げられる。第1支持部3は、プレート部2と同材質で一体化されていても良いし、同材質又は別材質で分離されていても良い。
【0031】
凹部4は、第2支持部5の位置決めとともに固定するために、プレート部2の上面2aに設けられている。凹部4は、プレート部2の上面2aを掘ることにより形成される。
【0032】
凹部4の位置としては、基板7を載置し、気相成長する際に、基板7の底面7bの中央部7cを支持可能な位置であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、プレート部2の上面2aの中央部等が挙げられる。
【0033】
凹部4の径としては、基板載置台1により支持される基板7のサイズにより適宜設定することができる。凹部4の径としては、特に限定されないが、あまり大きいと、温度分布の悪化の原因となるため好ましくない。具体的には、例えば、1〜10mmφが好ましい。
【0034】
凹部4のプレート部2の上面2aからの深さとしては、第2支持部5が滑って移動しない程度に固定できる深さ(数百μm程度)であればよい。
【0035】
第2支持部5は、基板7を支持するための支持部材であり、上述した凹部4によりプレート部2の中央部に固定されている。基板7が加熱されることによりプレート部2側に湾曲した際に、第2支持部5により基板7の中央部7cを支持可能とされている。これにより、基板7の中央部7cがプレート部2の上面2aに接触するのを防ぐことが可能とされている。また、第2支持部5は、熱伝導性の低い部材からなり、プレート部2から基板7へ熱が伝導するのを抑えることが可能とされている。
【0036】
第2支持部5の高さとしては、特に限定されないが、プレート部2の上面2aから0.05〜0.15mm突出していることが好ましい。第2支持部5の高さが上記範囲であることにより、基板7の中央部7cがプレート部2の上面2aに近接するのを抑え、基板7の中央部7cが局所的に加熱されるのを抑えることができる。
【0037】
第2支持部5の材質としては、特に限定されないが、熱伝導性が低い材質が好ましい。具体的には、例えば、石英、サファイアや、アルミナ、窒化ケイ素、イットリア、ジルコニア等のファインセラミック等が挙げられる。上記材質を選択することにより、プレート部2の熱が基板7に伝導するのを抑え、基板7の中央部7cが局所的に加熱されるのを抑えることができる。
【0038】
プレートリング6は、プレート部2上であって、プレート部2の外側を囲むように設けられている。プレートリング6により、プレート部2上に載置された基板7がプレート部2から位置がずれるのを防止可能とされている。
【0039】
プレートリング6の形状としては、基板7の位置ずれを防止することができる形状であれば、特に限定されない。例えば、平面視した際に、基板7の形状が円形の場合は、基板7の外周を囲むようなリング状であってもよい。
【0040】
プレートリング6の材料としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、シリコンカーバイド、グラファイト、シリコンカーバイドでコーティングしたグラファイト、石英、窒化アルミニウム、窒化ボロン等が挙げられる。プレートリング6は、プレート部2と同材質で一体化されていても良いし、同材質又は別材質で分離されていても良い。
【0041】
プレートリング6の高さは、支持する基板7の厚みや基板径により適宜設定することができる。具体的には、例えば、室温で設置した基板7の表面と同じ高さにすることが好ましいが、プレートリング6の高さが基板7の表面の高さよりも最大で0.3mm高くてもよい。
【0042】
本実施形態の基板載置台1により支持される基板7としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、サファイア、シリコン、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコンカーバイド等からなる基板が挙げられる。
【0043】
基板7の形状としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、2〜8インチサイズの円盤状等が挙げられる。
【0044】
<気相成長装置>
次に、上述した基板載置台1を有する本実施形態の気相成長装置11について説明する。図2は、本実施形態の気相成長装置11の断面模式図である。図2に示すように、本実施形態の気相成長装置11は、基板載置台1と、チャンバー12と、回転軸13と、回転部材14と、ガス導入部15と、ガス排出部16と、ヒーター17とを備えて概略構成されている。
本実施形態の気相成長装置11は、基板7上に化合物半導体薄膜を気相成長させるのに用いることができる。なお、上述した基板載置台1については説明を省略する。
【0045】
チャンバー12は、気相成長により基板7上に化合物半導体薄膜を成膜するための反応炉として機能する。
【0046】
回転軸13は、チャンバー12の底面部分を貫通するようにして設けられている。回転軸13により、後述する回転部材14を回転可能とされている。
【0047】
回転部材14は、回転軸13により支持されている円盤状の部材である。回転部材14上には、複数の基板載置台1が載置されている。また、平面視した際に、各基板載置台1は、回転軸13を中心とした同一円の円周上に並んで載置されている。
【0048】
回転軸13により回転部材14を回転駆動することにより、回転軸13を中心として基板載置台1が公転するとともに、基板載置台1が自転することにより、基板載置台1に載置された基板7がチャンバー12内を自公転する状態になる。
【0049】
ガス導入部15は、チャンバー12の中央上部に設けられている。ガス導入部15により、化合物半導体薄膜を気相成長させるための原料となるガスをチャンバー12内に導入可能とされている。
【0050】
ガス排出部16は、チャンバー12の外周部に設けられている。ガス排出部16により、気相成長により発生した排気ガスをチャンバー12から排出可能とされている。
【0051】
ヒーター17は、回転部材14の下方であって、回転軸13を囲むようにして設けられている。ヒーター17により、プレート部2を加熱可能とされている。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の基板載置台1によれば、プレート部2の上面2aから突出するように設けられるとともに、気相成長させる際に基板7の底面7bとプレート部2の上面2aとが離間した状態となるように基板7の中央部7cを支持可能に設けられた第2支持部5を有するため、気相成長の際(すなわち、基板7を加熱する際)に基板7の中央部7cがプレート部2に接触するのを防ぐことができる。これにより、接触による局所的な基板7の温度上昇に由来する基板7の湾曲を抑制し、気相成長時に基板7上の温度のばらつきを抑制することができるため、化合物半導体薄膜の品質のばらつきを抑えることができる。
【0053】
また、本実施形態の基板載置台1によれば、第2支持部5が熱伝導性の低い材質から構成されるため、プレート部2の熱が基板7に伝導するのを抑え、基板7の中央部7cが局所的に加熱されるのを抑えることができる。
【0054】
また、本実施形態の基板載置台1によれば、プレート部2の上面2aに設けられた凹部4を有すため、第2支持部5の位置決めをすることができるとともに、第2支持部5を凹部4に固定することができる。
【0055】
また、本実施形態の基板載置台1によれば、第2支持部5がプレート部2の上面2aから0.05〜0.15mm突出しているため、基板7の中央部7cがプレート部2の上面2aに近接するのを抑え、基板7の中央部7cが局所的に加熱されるのを抑えることができる。
【0056】
また、本実施形態の気相成長装置11によれば、上述した基板載置台1を備えるため、気相成長の際(すなわち、基板7を加熱する際)に基板7の中央部7cがプレート部2に接触するのを防ぐことができる。これにより、接触による局所的な基板7の温度上昇に由来する基板7の湾曲を抑制し、気相成長時に基板7上の温度のばらつきを抑制することができるため、化合物半導体薄膜の品質のばらつきを抑えることができる。
【0057】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0058】
例えば、上述した基板載置台1では、凹部4が所定の深さを有する1段からなる穴である例について説明したが、この形態に限定されるものではない。図3に示すように凹部4が異なる深さを有する2段からなる穴であっても良いし、3段以上の複数段からなる穴であっても良い。
【0059】
凹部4を複数段からなる穴にすることにより、基板7が加熱されて基板載置台1側に大きく湾曲した場合であっても、第2支持部5を固定する段4bとは別の段4aにより、基板7の中央部7cのより広い範囲がプレート部2に近接又は接触するのを防ぐことができる。これにより、品質のばらつきをより効果的に抑えることができる。一方、第2支持部5を固定する段4bにより、第2支持部5の位置決めとともに固定することができる。
【0060】
なお、基板7と凹部4に設けた各段4a,4bの間隔が広すぎる場合、基板7の面内温度分布が不均一になるおそれがあるため、凹部4に設ける段差は2,3段程度が好ましい。
【0061】
また、上述した基板載置台1では、第2支持部5が基板7の中心を支持可能に設けられている例について説明したが、この形態に限定されるものではない。例えば、第2支持部5が基板7の中心を同心とした円周上の複数カ所を支持可能に設けられていてもよい。
【0062】
また、より具体的には、図4に示すように、第2支持部35が基板7の中心を重心としてなる正三角形の各頂点を支持可能に設けられていてもよい。これにより、基板7が加熱により湾曲した際に、基板7がバランスをくずして傾くのを防止することができる。
【0063】
なお、第2支持部35を基板7の中心を重心としてなる正三角形の各頂点に設ける場合、第2支持部35の上面は、第1支持部3の上面と同じ高さか、それよりも低くなることが好ましい。具体的には、第2支持部35は、プレート部2の上面2aから0.05〜0.12mm突出していることが好ましい。また、第2支持部35は、具体的には、例えば、直径1mm程度の円柱状であることが好ましい。
【0064】
また、第2支持部35を基板7の中心を重心としてなる正三角形の各頂点に設ける場合、第2支持部35は、基板7の中心を同心とした円であって、基板7の半径の2/3以下を半径とする円周上に設けられていることが好ましい。
【0065】
さらに、第1支持部3を基板7の中心を同心とした円周上に3点設ける場合、図4に示すように、第1支持部3と第2支持部35における3点の位置関係が、基板7の中心を通る直線に対して線対称であることが好ましい。すなわち、第1支持部3の3点のうちの1点と基板7の中心とを通る直線上であって、基板7の中心に対してこの第1支持部3の反対側に、第2支持部35の1点が位置することが好ましい。これにより、第1支持部3によって基板7の傾きを支えることができなかった場合に、第2支持部35により基板7を支えることができる。
【0066】
また、上述した気相成長装置11では、回転部材14上に複数の基板載置台1が載置されている例について説明したが、この形態に限定されるものではない。回転部材14の中央部に1つの基板載置台1が載置されている形態であっても良い。
【0067】
<実施例>
以下、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0068】
(実施例1)
実施例1の基板載置台として、上述した図1に示す基板載置台1を用意した。
なお、第1支持部3は、プレート部2の上面2aに正三角形状になるように3カ所設けられている。また、第1支持部3の高さを0.12mmとし、プレート部2の中央部に直径10mm、深さ330μmの凹部4を設けた。さらに、この凹部4に直径10mm、高さ430μmの石英を第2支持部5として設けた。すなわち、第2支持部5は、プレート部2の上面2aから100μm突出している。
【0069】
(比較例1)
比較例1の基板載置台として、図14に示す従来の実施形態である基板載置台51を用意した。従来の基板載置台51は、プレート部2の上面に凹部4と第2支持部5とが設けられていないこと以外は、図1に示す基板載置台1と同様である。
なお、第1支持部3は、プレート部2の上面2aに正三角形状になるように3カ所設けられている。また、第1支持部3の高さを0.12mmとした。
【0070】
(比較例2)
比較例2の基板載置台として、図15に示す従来の他の実施形態である基板載置台61を用意した。従来の基板載置台61は、プレート部2の上面に第2支持部5が設けられておらず、さらに、プレート部2の中央部に凹部4の代わりに2段階の階段状の凹部64が設けられていること以外は、図1に示す基板載置台1と同様である。
【0071】
なお、第1支持部3は、プレート部2の上面2aに正三角形状になるように3カ所設けられている。また、第1支持部3の高さを0.12mmとし、凹部64の1段目64aの高さをプレート部2の上面2aから50μm下方とし、2段目64bの高さを1段目64aから50μm下方とした。
【0072】
(基板反り測定)
実施例1、比較例1,2の基板載置台を用いてLED(n−GaN+MQW+p−GaN)を成長させ、成長中の基板の反りの状況、及び成長したLEDのPLマッピングを測定した。なお、基板として室温初期状態においてお椀型に湾曲した(凹型に反った)4インチGaNバルク基板(基板反り量は約20μm)を用いた。また、基板の反りの状況は、Laytec社製のEpicurveTT(モニター)を用いて測定し、PLマッピング(光強度マッピング、波長マッピング)は、ナノメトリクス社製のフォトルミネッセンス(PL)マッピング装置を用いて測定した。PLマッピングの測定は基板の中心を通る直線上を測定した。
【0073】
図5〜7に実施例1、比較例1,2の基板装置台を用いてLEDを成長した際の基板反り測定の結果を示す。なお、基板反り測定において、基板が凹型に反る方向をプラス(+)とし、凸型に反る方向をマイナス(−)とした。また、図8〜13に実施例1、比較例1,2の基板装置台を用いて成長したLEDの光強度マッピング及び波長マッピングの結果を示す。
【0074】
比較例1の基板載置台では、図6に示すように、凹型の反りの値(Curvature X)が大きくなり、モニターの測定レンジを超えてしまった。このように、比較例1の基板装置台のようにプレート部の上面が一様な高さのものを用いて、初期状態が凹型に反ったGaN基板を加熱した場合、基板の中央部が高温、外周が低温になりやすい。その結果、昇温により凹型の反りが大きくなり、基板裏面中央部がプレート部上面に接触してしまう。
【0075】
また、比較例1の基板載置台を用いて成長したLEDでは、図10,11に示すように、光強度分布や波長分布が不均一であった。
【0076】
比較例2の基板載置台では、図7に示すように、凹型の反りの値はモニターの測定レンジ内で比較的安定した値であった。このように、比較例2の基板載置台では、プレート部上面の中央部に階段状の凹部を設けているため、昇温により凹型の反りが大きくなっても、基板裏面中央部がプレート部上面には接触しない。そのため、比較例1に比べ基板中央部が高温になりにくい。
【0077】
また、比較例2の基板載置台を用いて成長したLEDでは、図12,13に示すように、光強度分布や波長分布が比較的均一となった。
【0078】
しかしながら、比較例2の基板載置台でも、室温初期状態において凹型に反った基板反り量が約40μmの4インチGaN基板に同様のLED構造を成長させた場合、比較例1の結果と同様に、凹型の反りが大きくなり、モニターの測定レンジを超えてしまった。さらに、成長したLEDの光強度分布や波長分布が不均一であった。
すなわち、比較例2の基板載置台でも、初期状態で凹型に大きく反った基板では、課題の解決にはならないことが確認された。
【0079】
実施例1の基板載置台では、図5に示すように、凹型の反りの値はモニターの測定レンジ内で比較的安定した値であった。このように、実施例1の基板載置台では、基板が凹型に大きく反った場合でも、基板中心が第2支持部材に接触することにより、比較例1,2と比べて、基板の中央部が高温になりにくい。
【0080】
また、実施例1の基板載置台を用いて成長したLEDでは、図8,9に示すように、光強度分布や波長分布が比較的均一となった。
【0081】
さらに、実施例1の基板載置台では、室温初期状態において凹型に反った基板反り量が約40μmの4インチGaN基板に同様のLED構造を成長させた場合であっても、凹型の反りの値はモニターの測定レンジ内で比較的安定した値であった。
【0082】
以上のように、プレート部の上面に第2支持部を設けたことにより、プレート部の上面への接触による局所的な基板の温度上昇に由来する基板の湾曲を抑制し、気相成長時に基板上の温度のばらつきを抑制することができた。そのため、化合物半導体薄膜の品質のばらつきを抑えることができた。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の基板載置台及び気相成長装置は、基板上に化合物半導体薄膜を気相成長させる際に適した装置等に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0084】
1,21,51,61…基板載置台
2…プレート部
2a…上面
3…第1支持部
4,64…凹部
4a,4b…段
5,35…第2支持部
6…プレートリング
7…基板
7b…底面
7c…中央部
11…気相成長装置
12…チャンバー
13…回転軸
14…回転部材
15…ガス導入部
16…ガス排出部
17…ヒーター
64a…1段目
64b…2段目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15