(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体部と前記本体部に対し開閉可能な前扉とを備えた遊技機であって、照射光装置と前記照射光装置から投影された演出画像を表示するスクリーン装置とからなる表示ユニットを前記本体部に配した遊技機において、
文字、模様又は図柄あるいはそれらの組み合わせが描かれた表示部と、前記表示部の一方の側端部に所定角度傾斜して接続されたミラー部とからなる表示装置を、前記スクリーン装置の遊技機正面視側方で、かつ前記前扉を閉じた状態で当該表示装置と前記表示ユニットの前面端とが連なるように、前記前扉に配したことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
なお、以下の説明では、遊技機としていわゆるパチスロ機に適用した例について説明するが、パチンコ機等の他の遊技機にも適用できることはもちろんである。
【0021】
パチスロ機からなる遊技機は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0022】
[遊技機の機能構成]
まず、
図38を参照して、本発明に係るパチスロ機からなる遊技機1の機能構成について説明する。
【0023】
遊技者により遊技機1にメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0024】
内部抽選手段は、抽出された乱数値に基づいて抽選を行い、内部当選役を決定する。内部当選役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられる。
【0025】
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段及び特別遊技停止制御手段は、内部当選役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0026】
遊技機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止するように制御される。本明細書では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と称し、規定期間が190msec(最大遅延時間)である場合には、その最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
【0027】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当選役が決定されているときには、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、
リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当選役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
【0028】
上述のようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。そして、入賞判定手段により入賞に係る図柄の組合せであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。遊技機1では、以上のような一連の流れの動作が1回の遊技(単位遊技)として行われる。
【0029】
また、パチスロでは、上述した一連の動作の中で、液晶表示装置による映像の表示動作、各種ランプによる光の出力動作、スピーカによる音声の出力動作、プロジェクターによる画像の投影動作、或いは、これらの動作の組合せを利用して様々な演出が行われる。このような演出動作は次のようにして行われる。
【0030】
まず、スタートレバーが操作されると、上述した内部当選役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値という)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当選役に対応づけられた複数種の演出内容の中から今回実行する演出内容を抽選により決定する。
【0031】
そして、演出内容が決定されると、演出実行手段(液晶表示装置、スピーカ、ランプ、プロジェクター装置)は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動して対応する演出を実行する。本発明はこのように、遊技機1では、内部当選役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当選役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
【0032】
[制御部の構成]
次に、
図39及び
図40を参照して、本実施形態に係る遊技機の制御部の構成について説明する。
図39は、遊技機1が備える回路全体のブロック構成図であり、
図40は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
【0033】
遊技機1は、
図39に示すように、主制御回路41(主制御部)、副制御回路42(副制御部)、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0034】
(1)主制御回路
主制御回路41は、主に、回路基板上に実装されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、
図39に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65及び払出完了信号回路66を含む。
【0035】
マイクロコンピュータ50は、CPUからなるメインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
【0036】
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽選テーブル等のデータテーブル(不図示)、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当選役等の各種データや制御に必要な各種フラグなどを格納する格納領域(不図示)が設けられる。
【0037】
メインCPU51には、
図39に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続される。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0038】
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
【0039】
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
【0040】
メダルセンサ35Sは、メダル投入口に投入されたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。
【0041】
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
【0042】
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
【0043】
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有するギアを介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
【0044】
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
【0045】
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)により計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
【0046】
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックス検出後の回転動作で変動した図柄の個数を管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
【0047】
また、本実施形態では、遊技中の滑り駒数の最大数を図柄4個分に定める。それゆえ、例えば左ストップボタン17Lが押されたときには、そのときに左リール3Lの入賞判定ライン上に位置する図柄と、その4個先までの範囲に存在する図柄が、入賞判定ライン上に停止可能な図柄となる。
【0048】
なお、主制御回路41に含まれる、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0049】
(2)副制御回路
副制御回路42は、
図39及び
図40に示すように、主制御回路41に接続され、主制御回路41から送信されるコマンド(所定のデータ)に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。
【0050】
副制御回路42は、基本的には、
図40に示すように、サブCPU71、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92及びアンプ93を有する。
【0051】
サブCPU71は、CPUで構成され、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光、投影画像の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
【0052】
プログラム記憶領域には、サブCPU71が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて画像表示装置20(液晶表示装置)による映像の表示を制御するための描画制御タスク、発光装置22(ランプ)による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、音声出力装置21(スピーカ)による音声の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。さらに、本実施形態では、プロジェクター101による表示部材104への画像投影の制御タスクのプログラムもプログラム記憶領域に格納される。
【0053】
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域、投影画像のデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
【0054】
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当選役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
【0055】
また、副制御回路42には、
図40に示すように、画像表示装置20、音声出力装置21、発光装置22、プロジェクター101等のサブデバイスが接続され、各サブデバイスの動作は、副制御回路42により制御される。
【0056】
本実施形態では、サブCPU71、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成された映像は画像表示装置20(液晶表示装置)により表示される。また、サブCPU71、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音を音声出力装置21(スピーカ)により出力する。また、サブCPU71は、演出内容により指定されたランプデータに従って発光装置22(ランプ)の点灯及び消灯を行う。さらに、本実施形態では、サブCPU71は、演出内容により指定された投影画像データに従ってプロジェクター101の動作制御を行う。
【0057】
[遊技機の構造]
本発明に係る遊技機1の構造を図面を参照して説明する。
【0058】
なお、以下の説明において、遊技機1から遊技者に向かう側(方向)を遊技機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側を遊技機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
【0059】
遊技機1は、
図1〜
図6に示すように、矩形箱状の筐体2により構成されている。
【0060】
筐体2は、前面側に矩形状の開口を有するキャビネット21と、キャビネット21の前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネット21の前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。キャビネット21は、遊技に用いられる機器(例えばリール(又は、ドラムともいう)など)を収容する。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネット21の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネット21における開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
【0061】
[表示ユニットA(プロジェクター装置)]
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態に係る表示ユニットA(プロジェクター装置)について、図面を参照して説明する。
【0062】
本第1の実施形態では、スクリーン装置Cとして、平面上の固定スクリーン機構Dと、平面上の可動フロントスクリーン機構E1と、凸面状の可動リアスクリーンを用いている。
【0063】
第1の実施形態に係る表示ユニットAは、
図4に示すように、上ドア機構UDの後側におけるキャビネット21の内部に設けられている。
図5に示すように、表示ユニットAは、キャビネット21内の中間支持板211上に着脱可能に設けられている。尚、中間支持板211は、キャビネット21内の上部空間と下部空間との仕切り壁として機能している。表示ユニットAは、映像を含む照射光を出射する照射光装置Bと、照射光装置Bからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有した所謂プロジェクションマッピング装置である。
【0064】
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
【0065】
(表示ユニットA:照射光装置B)
図6に示すように、照射光装置Bは、照射光を前方に出射するプロジェクタ機構B2と、プロジェクタ機構B2の前方に配置され、プロジェクタ機構B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置C方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ機構B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
【0066】
(表示ユニットA:照射光装置B:プロジェクタ機構B2)
プロジェクタ機構B2は、キャビネット21内の後部に配置されている。プロジェクタ機構B2は、水平配置された平板状のベース部材B22を有している。ベース部材B22の下面には、レンズ機構B21及び図示しない光源が設けられている。レンズ機構B21は、光源から出射された照射光を前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。
【0067】
また、ベース部材B22の下面には、排熱機構B23・B24が設けられている。排熱機構B23・B24は、レンズ機構B21及び光源の右側及び左側にそれぞれ配置されている。排熱機構B23・B24は、空気を流通させるダクトと空気を送出するファンとを有しており、空気を後方に吹き出すことによって、照射光を生成する際に発生する熱を強制的に後方に流動させるようになっている。
図2に示すように、排熱機構B23・B24における空気の流動方向には、キャビネット21の通気穴21aが配置されている。これにより、排熱機構B23・B24は、プロジェクタ機構B2の熱を空気と共に通気穴21aを介して機外に強制的に排出することが可能になっている。
【0068】
(表示ユニットA:照射光装置B:ミラー機構B3)
図6に示すように、プロジェクタ機構B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。
図7に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33・B34とを有している。
図8にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されていると共に、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311・B311間には、取付け穴B314・B314が上下対称に形成されている。
【0069】
一方、また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33・B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33・B34は、角度調整穴B331・B341と、取付け穴B334・B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33・B34における角度調整穴B331・B341及び取付け穴B334・B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311・B311及び取付け穴B314・B314に対応するように配置されている。
【0070】
ミラーストッパB33・B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33・B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314・B334・B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
【0071】
図9に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
【0072】
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341に螺合される。
【0073】
そして、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が縮まることとなる。
【0074】
上記のように、取付け穴B314・B334・B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33・B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311・331・B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311・331・B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ機構B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
【0075】
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
【0076】
(表示ユニットA:照射光装置B:プロジェクタカバーB1)
図10に示すように、上記のように構成されたプロジェクタ機構B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13・B13とを有している。上壁部B12は、前部が
図5のキャビネット21よりも前方に突出されている。上壁部B12の前辺中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3を角度調整可能に保持している。
【0077】
また、側壁部B13・B13は、下端部から水平方向に突出された突出部B131を有している。突出部B131は、前部側の第1突出部B131aと、後部側の第2突出部B131bとを有している。第1突出部B131aは、プロジェクタカバーB1がキャビネット21に装着されたときに、キャビネット21の開口部に対応する位置に形成されており、キャビネット21の開口部の幅よりも僅かに小さな幅に設定されている。一方、第2突出部B131bは、プロジェクタカバーB1がキャビネット21に装着されたときに、キャビネット21の開口部から後方の空間部に対応する位置に形成されており、後方の空間部の幅よりも僅かに小さな幅に設定されている。即ち、各側壁部B13・B13は、第1突出部B131aの幅よりも第2突出部B131bの幅が広く形成されている。これにより、プロジェクタカバーB1は、キャビネット21における内部空間の大部分を覆うことが可能になっている。
【0078】
プロジェクタカバーB1の下面側には、複数の孔B151を有した多孔板B15が設けられている。多孔板B15は、金属(例えば、ステンレス、鉄、鋼、アルミ等)製の板に打ち抜き加工を施すことにより複数の孔を開けたパンチングメタルである。複数の孔B151は、多孔板B15の全面において略均等に分散して形成されている。多孔板B15は、多孔板B15の全面において空気を流通可能にしており、プロジェクタ機構B2の排熱機構B23・B24による吸引により下側から上側への空気の流動を可能にしている。孔B151のサイズ及び個数は、外部からプロジェクタカバーB1内を目視できない程度に設定されている。孔B151は、丸、四角、六角形等の形状に形成されており、孔径は、3〜5mm程度となっている。
【0079】
多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の第1突出部B131a及び第2突出部B131bを下側位置から覆うように形成されている。
図12に示すように、多孔板B15は、前部側の上側部B15aと、中部側の傾斜部B15bと、後部側の下側部B15cとを有している。上側部B15aは、水平配置されている。傾斜部B15bは、上側部B15aの後辺から斜め下後方に曲折されることにより形成されている。下側部B15cは、傾斜部B15bの後辺から水平方向に曲折されることにより形成されている。
【0080】
多孔板B15の上側部B15aは、プロジェクタカバーB1の側壁部B13・B13に取付けられている。これにより、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の前部を上側部B15aで下側から覆い、プロジェクタカバーB1の中部から後部にかけて傾斜部B15b及び下側部B15cで下側から覆うように配置されている。
図10に示すように、多孔板B15の下方には、スクリーン装置Cにおけるフロントスクリーン機構E1が配置されている。
【0081】
詳細は後述するが、フロントスクリーン機構E1は、照射光による映像の出現を禁止する待機姿勢となる上側に配置されたフロント待機位置と、照射光による映像の出現を許可する露出姿勢となる下側に配置されたフロント露出位置との間を回動可能にされており、待機姿勢におけるフロントスクリーン機構E1は、多孔板B15の傾斜部B15bに略平行に近接した傾斜姿勢にされている。一方、フロントスクリーン機構E1が露出姿勢となったときには、多孔板B15の下方に大きな空間部が出現し、この空間部に存在する空気が流動抵抗のない状態で多孔板B15に到達し、複数の孔B151を通過することによって、スクリーン装置C内への空気の流入を容易にして冷却効率を高めることを可能にしている。
【0082】
また、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の下面を覆うように設けられることによって、例えば
図13に示すように、前側に位置した遊技者の目線位置がスクリーン装置Cの上下方向及び左右方向の中心部の水平線上に存在し、この目線位置から照射光装置Bを見上げる状態になったとしても、多孔板B15により照射光装置Bの内部を目視されないようにしている。
【0083】
(表示ユニットA:スクリーン装置C)
図14に示すように、上記のように構成された照射光装置Bは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。これにより、表示ユニットAは、照射光装置Bとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
【0084】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10)
スクリーン装置Cは、箱形形状のスクリーン筐体C10を有している。
図15にも示すように、スクリーン筐体C10は、水平配置された底板C1と、底板C1の右端部に立設された右側板C2と、底板C1の左端部に立設された左側板C3と、底板C1の後端部に立設された背板C4とを有している。これにより、底板C1に対して右側板C2と左側板C3と背板C4とがネジ締結により連結されることによって、遊技者が位置する前面側と、照射光装置Bが位置する上面側とが開放された箱形形状のスクリーン筐体C10が形成されている。
【0085】
スクリーン筐体C10を構成する底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4とは、それぞれが独立して所定形状に形成されており、固定スクリーン機構D等の所定の機能部品が取付け可能にされている。これにより、スクリーン装置Cのユニット全体として共通化を図れない場合でも、底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4との板部材単位で共通化することが可能になっている。また、板部材毎の部分的な変更が可能であるため、遊技機1の機種毎に容易に仕様変更することが可能になっている。
【0086】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:底板C1)
具体的に説明すると、スクリーン筐体C10の底板C1は、上面視が長方形の平板形状に形成されている。底板C1の上面には、中央部に配置された中央載置部C11と、中央載置部C11を中心として左右方向に配置された右載置部C12及び左載置部C13とを有している。これらの載置部C11・C12・C13は、凹状に形成されている。中央載置部C11は、固定スクリーン機構Dの下端部が嵌合されることによって、固定スクリーン機構Dを位置決め可能に載置している。右載置部C12及び左載置部C13は、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6の下端部がそれぞれ嵌合されることによって、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6をそれぞれ位置決め可能に載置している。
【0087】
また、底板C1の前辺部C14は、下方に曲折されることによって、先端部が底板C1の下面よりも下方に位置されている。前辺部C14には、複数の貫通穴C141が形成されている。
図5に示すように、前辺部C14は、表示ユニットAがキャビネット21の中間支持板211に載置されながら組み込まれる際に、中間支持板211の前面に当接することによって、キャビネット21内の後方への位置決めを行うことを可能にしている。そして、表示ユニットAは、前辺部C14の貫通穴C141を介してキャビネット21の前面にネジ締結されることによって、キャビネット21の前面側からの表示ユニットAの組み込み作業及び据え付け作業を行うことが可能になっている。
【0088】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:右側板C2、左側板C3)
図15及び
図16に示すように、スクリーン筐体C10の右側板C2及び左側板C3は、操作用開口部C21・C31を有している。操作用開口部C21・C31は、取っ手として形成されており、操作用開口部C21・C31に手を引っかけることによって表示ユニットAを持ち運ぶことができるようになっている。操作用開口部C21・C31は、フロントスクリーン駆動機構E2のクランクギアE21・E21の側方に配置されている。
【0089】
操作用開口部C21・C31は、水平方向に長手方向を一致させた長方形状に形成されている。操作用開口部C21・C31の開口面積は、クランクギアE21・E21を外部から人手により操作することができる程度に設定されている。
【0090】
これにより、表示ユニットAをキャビネット21に組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、上ドア機構UDが開放されたキャビネット21の前面側から表示ユニットAを取り出す。具体的には、キャビネット21の前面側に位置した作業者がキャビネット21に対する表示ユニットAのネジ締結を解除してネジを取り外す。そして、キャビネット21内に手を伸ばして表示ユニットAの操作用開口部C21・C31を両手で把持し、表示ユニットAをキャビネット21外に取り出す。この後、例えば
図17に示すように、取り外した表示ユニットAの一方の操作用開口部C21からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C21から水平方向に見えるクランクギアE21を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。フロントスクリーン機構E1のロック状態については後述する。待機位置からの移動によりロック状態が解除されると、フロントスクリーン機構E1を所望の位置に素早く回動させることができる。
【0091】
なお、上ドア機構UDを開けた状態で、キャビネット21の開口の前方から、キャビネット21の側面壁212とスクリーン装置Cの右側板C2との間のスペース内に手を伸ばし、操作用開口部C21からクランクギアE21を操作することによって、クランクギアE21を回転させることができる。この場合には、表示ユニットAをキャビネット21外に取り外さなくても、フロントスクリーン機構E1のロック状態を解除することができる。
【0092】
また、右側板C2には、モータ収容部C22が形成されている。モータ収容部C22は、リールスクリーン駆動機構F2の駆動モータF21を収容している。
【0093】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:背板C4)
図18に示すように、スクリーン筐体C10の背板C4は、平板状に形成されており、背面に中継基板CKが設けられている。中継基板CKは、表示ユニットAにおける複数の信号線を集合して表示ユニットA外との配線を一箇所で行うことを可能にしている。中継基板CKは、背板C4の背面に設けられることによって、キャビネット21の背面壁213の前方に配置された状態にされている。即ち、中継基板CKは、キャビネット21の背面壁213とスクリーン筐体C10の背板C4との隙間に配置されている。中継基板CKの下方には、
図5に示すように、表示ユニットAを支持する中間支持板211の貫通穴2111が配置されており、中継基板CKの信号線が挿通されている。
【0094】
これにより、中継基板は、スクリーン装置Cの外部に配置されることによって、配線作業が容易化されていると共に、スクリーン装置C内に中継基板CK用の設置スペースを確保することを不要にし、スクリーン装置C内の設計の自由度を拡大させている。
【0095】
また、
図18に示すように、背板C4には、操作用開口部C41が形成されている。操作用開口部C41は、右側下部に配置されており、フロントスクリーン駆動機構E2の中間ギアE23に対向されている。操作用開口部C41は、中間ギアE23を手動で操作可能なサイズに形成されている。これにより、表示ユニットAをキャビネット21に組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、表示ユニットAをキャビネット21から取り外す。この後、操作用開口部C41からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C41から水平方向に見える中間ギアE23を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。
【0096】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン機構)
スクリーン筐体C10の内部には、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切替え可能に設けられている。具体的には、複数のスクリーン機構として固定スクリーン機構Dとフロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とが設けられている。各スクリーン機構D・E1・F1の詳細な構造は後述する。
【0097】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン位置関係)
図19に示すように、固定スクリーン機構Dは、照射光の照射方向に存在する固定露出位置に固定状態で設けられている。
図20に示すように、フロントスクリーン機構E1は、フロント露出位置とフロント待機位置との間を回動可能に設けられている。固定露出位置とフロント露出位置との位置関係は、フロント露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に移動した場合は、フロントスクリーン機構E1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をフロントスクリーン機構E1だけに出現可能にしている。フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。
【0098】
また、
図21に示すように、リールスクリーン機構F1は、リール露出位置とリール待機位置との間を回動可能に設けられている。リール露出位置と固定露出位置との位置関係は、リール露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に移動した場合は、リールスクリーン機構F1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をリールスクリーン機構F1だけに出現可能にしている。リールスクリーン機構F1がリール待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。
【0099】
フロント待機位置とリール待機位置との位置関係は、フロント待機位置に存在するフロントスクリーン機構E1とリール待機位置に存在するリールスクリーン機構F1とが干渉しないように設定されている。即ち、フロント待機位置は、固定スクリーン機構Dの上方に配置されている一方、リール待機位置は、固定スクリーン機構Dの後方に配置されている。これにより、フロントスクリーン機構E1の回動距離がリールスクリーン機構F1の回動距離よりも短くされている。
【0100】
フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とは、回動による作動領域の重複が最小限になるように、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸とリールスクリーン機構F1の回動中心軸とが相違されている。具体的には、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸は、リールスクリーン機構F1の回動中心軸よりもフロント待機位置方向となる上方に設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1の移動が最小限に設定されている。
【0101】
また、フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とは、少なくとも一方のスクリーン機構E1・F1が待機位置に存在することを条件として回動可能にされている。これにより、スクリーン機構E1・F1同士の回動時における干渉が防止されている。
【0102】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:固定スクリーン機構D)
図15及び
図16に示すように、固定スクリーン機構Dは、スクリーン筐体C10の底板C1上にネジ締結により固定されている。固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1と右面反射部D2と左面反射部D3と下面反射部D4とを有している。これらの反射部D1〜D4の反射面は、照射光装置Bからの照射光の光軸に対してそれぞれ異なる角度に設定されている。
【0103】
尚、固定スクリーン機構Dは、照射光の光軸に対して複数の異なる角度の反射面を有する構成であれば、例えば2面や3面、5面の反射部を有してもよいし、或いは、光軸に対して連続的に異なる角度となる、曲率中心点が前面側に位置する湾曲状や円弧状の反射面の反射部を備えていてもよい。
【0104】
上記の正面反射部D1は、反射面が前側の遊技者に対して対向配置されており、固定スクリーン機構Dの前方上部に配置された照射光装置Bからの反射光の大部分を前方に反射するように設定されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1の右辺部及び左辺部に接合されており、正面反射部D1を中心として左右対称に配置されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1における左右方向の幅よりも前端部間の幅が拡大するように配置されている。これにより、右面反射部D2及び左面反射部D3は、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向い易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。また、下面反射部D4についても、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向い易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。
【0105】
上記の固定スクリーン機構Dは、反射面の明度が後述のフロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の各反射面の明度よりも低く設定されている。即ち、固定スクリーン機構Dは、照射光が反射面を反射する光量が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面を反射する光量よりも少なくされている。これにより、固定スクリーン機構Dは、反射部D1〜D4の乱反射による光の混合による白ぼけが防止されている。尚、固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1の明度よりも他の反射部D2・D3・D4の明度が低くされていてもよい。この場合には、他の反射部D2・D3・D4における照射光の正面反射部D1への反射を低減できるため、正面反射部D1において映像を強く出現させながら白ぼけを低減することができる。
【0106】
なお、明度としては、L*a*b*表色系(L*a*b*色空間)やL*u*v*表色系(L*u*v*色空間)におけるBrightnessを採用することができるが、白を基準として、その他の色を相対値で表すことができるのであれば、どのように定義することも可能である。
【0107】
固定スクリーン機構Dの反射面の明度と、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度とは、固定スクリーン機構Dの反射面の明度が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低ければ特に限定されない。例えば、固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも、5〜25%(又は10〜20%)程度低い値とすればよい。
【0108】
固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低くするためには、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料の色を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料の色よりも、黒くすればよい。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料として白色のものを使用し、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料としては、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料に対して黒色顔料が添加されたものを使用すればよい。
【0109】
このような塗料において、白色顔料(例えば、酸化チタン)と黒色顔料(例えば、カーボンブラック)との割合を異ならせることによって、スクリーン機構の反射面の明度を変化させることができる。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料とのうち白色顔料のみが含まれ、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料の双方が含まれるようにしてもよい。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料よりも、固定スクリーン機構Dに塗布する塗料の方が、白色顔料に対する黒色顔料の割合が(例えば、5〜25%(又は10〜20%)程度)高くなるようにしてもよい。なお、これらのスクリーン機構の基材に塗布する塗料としては、従来公知のスクリーン用塗料を適宜採用することができ、スクリーンの型(例えば、拡散型や反射型)に応じて調整することができる。
【0110】
なお、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料に黒色顔料を含ませるのではなく、固定スクリーン機構Dの基材を成形する前に、当該基材の材料となる樹脂中に黒色顔料を分散させることにより、基材自体に色を付け、基材自体の明度を低くしてもよい。
【0111】
また、光の乱反射を防止するという観点からは、周囲壁(底板C1、右側板C2、左側板C3、及び、背板C4)等、スクリーン筐体C10を構成する部材やスクリーン筐体C10の内部に配置された他の部材(スクリーン以外の部材)の明度も低くすることが望ましい。それらの部材の明度は、固定スクリーン機構Dの反射面の明度よりも低いことが望ましく、例えば、周囲壁については、スクリーンとして映像が投影されることを考慮する必要がないため、明度は低ければ低いほど望ましい。すなわち、周囲壁の色は、黒に近いほど望ましい。
【0112】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:フロントスクリーン機構E1)
図22に示すように、フロントスクリーン機構E1は、投影面E11aを全面に有した長方形状のフロントスクリーン部材E11と、第1模様面E12a等の模様を両面に有したフロントスクリーン支持台E12とを有している。フロントスクリーン部材E11は、薄板状の平面パネルにスクリーン塗料を塗布することにより形成されている。これにより、フロントスクリーン部材E11は、投影面E11aが平坦状に形成されることによって、照射光の照射時に歪みの無い映像を出現させるようになっている。
【0113】
一方、フロントスクリーン支持台E12は、フロントスクリーン部材E11を保持する保持凹部E121を有している。保持凹部E121は、フロントスクリーン部材E11の投影面E11aに対して僅かに拡大した状態で相似する開口形状を有しており、フロントスクリーン部材E11全体を収容している。また、保持凹部E121は、深さが深部と浅部との2段階に設定されている。浅部は、フロントスクリーン支持台E12の周縁部に形成された段部E121aと、中心部を通過する短手方向の両端にかけて直線状に形成された段部E121bとで実現されている。
【0114】
これにより、保持凹部E121に収容されたフロントスクリーン部材E11は、周縁部の段部E121aと中心部を通過する直線状の段部E121bとに当接及び支持され、残りの深部部分から離隔された状態にされている。この結果、深部部分におけるフロントスクリーン支持台E12の変形が、フロントスクリーン部材E11を変形させて投影面E11aに歪みを引き起こすことが防止されている。
【0115】
また、フロントスクリーン支持台E12は、投影面E11aの周囲の一部領域に第1模様面E12aを有している。第1模様面E12aは、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。さらに、フロントスクリーン支持台E12は、第1模様面E12aとは反対側の面全体に第2模様面E12bを有している。第2模様面E12bは、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。これらの第1模様面E12a及び第2模様面E12bは、例えば遊技の演出に関連した模様が凹凸により立体的に形成されている。
【0116】
上記のように構成されたフロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12とは、別個に形成された後に、接着剤で接着されることにより一体化されている。これにより、フロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン支持台E12に模様等を形成する際の成形収縮等によりひけが発生することがあっても、このひけがフロントスクリーン部材E11から機械的に分離した状態で発生するため、フロントスクリーン部材E11における投影面E11aのひけによる歪みの発生を防止することが可能になっている。
【0117】
なお、フロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12との固着方法としては、接着剤での接着に限らず、ネジ締結等の任意の方法を採用することができる。
【0118】
フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12は、それぞれ射出成形により作製される。フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12の材料としては、射出成形を行った場合にひけが発生し得る熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂等)を適宜採用することができる。
【0119】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:フロントスクリーン駆動機構E2)
上記のフロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン駆動機構E2の駆動力により回動可能にされている。
図15及び
図16に示すように、フロントスクリーン駆動機構E2は、フロントスクリーン機構E1の左端部下面に連結された左フロントスクリーン駆動機構E2Aと、フロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結された右フロントスクリーン駆動機構E2Bとを有している。
【0120】
図23及び
図24に示すように、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、クランク部材E22とクランクギアE21と中間ギアE23とモータ軸ギアE24と駆動モータE25とを有している。右フロントスクリーン駆動機構E2Bにおけるクランク部材E22は、上端部(一端部)がフロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結されている。
図25に示すように、クランク部材E22は、中間位置E22aにおいて
図15の右可動体ベースC5に回転自在に軸支されている。これにより、クランク部材E22は、中間位置E22aを回転中心として上端部及び下端部(他端部)を回動可能にしている。
【0121】
クランク部材E22は、中間位置E22aから上端部側の上側領域と、中間位置E22aから下端部側の下側領域とを有している。
図25のようにクランク部材E22を側面視したとき、上側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の上端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において上下方向となるように設定されている。一方、下側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の下端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において下側が上側よりも前側に傾斜するように設定されている。
【0122】
クランク部材E22の下側領域には、スライド溝E22bが形成されている。スライド溝E22bは、溝壁面E22b1が側面視U字形状となるように形成されている。該U字は、2つの直線部と、該2つの直線部の端部同士を結んだ曲線部とから構成されている。
【0123】
2つの直線部は、平行に形成されており、スライド溝E22bは、溝壁面E22b1の上記直線部に相当する面が下側領域の中心線に平行に設定されている。スライド溝E22bには、スライド部材E26が移動自在に係合されている。スライド溝E22bの溝幅(上記2つの直線部間の距離)は、スライド部材E26の部材幅にほぼ一致されており、移動時において摺動するように設定されている。即ち、スライド部材E26は、常時、スライド溝E22bの溝壁面E22b1に当接状態にされている。また、スライド溝E22bの上端部は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢である場合において、スライド部材E26が上端面(上記曲線部に相当する面)に当接するように設定されている。一方、スライド溝E22bの下端部は、スライド部材E26の一部を露出可能に開放状態にされている。
【0124】
上記のスライド部材E26は、クランクギアE21の偏心位置E21bに回転自在に軸支されている。クランクギアE21の回転中心位置E21aは、
図24の右可動体ベースC5に回転自在に軸支されている。クランクギアE21の回転中心位置E21aは、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されている。
【0125】
これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合においては、クランク部材E22の下側領域を回動させる方向に力が働いても、この力の全成分の付与方向に回転中心位置E21aが存在し、固定端として作用するため、スライド部材E26が移動することはない。この結果、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の回転中心位置E21aとを固定端とし、スライド部材E26を自由端とする0自由度の三節リンクによるトラス構造が形成されるため、フロントスクリーン機構E1を手で押した場合でも、クランク部材E22及びクランクギアE21が強固なブレーキとして作用することによって、フロントスクリーン機構E1が動くことはない。
【0126】
上記のクランクギアE21には、中間ギアE23が噛合されている。中間ギアE23には、モータ軸ギアE24が噛合されている。モータ軸ギアE24は、駆動モータE25の駆動軸が接続されている。これにより、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、駆動モータE25の回転駆動力をモータ軸ギアE24及び中間ギアE23を介してクランクギアE21に伝達可能にされている。
【0127】
ここで、クランクギアE21に付与された回転駆動力の全成分は、スライド部材E26の旋回軌跡の接線方向に一致する。また、
図26及び
図28に示すように、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されているため、旋回軌跡の接線方向がクランク部材E22のスライド溝E22bの溝壁面に平行となっている。これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、クランクギアE21に回転駆動力が付与されると、スライド部材E26の移動方向(接線方向)に反力となる溝壁面が存在しないため、クランクギアE21が容易に回転を開始する。
【0128】
クランクギアE21に回転駆動力が付与された場合は、偏心位置E21bに設けられたスライド部材E26がスライド溝E22bとの摺動によりスライド溝E22bに沿って移動自在にされているため、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の回転中心位置E21aとを固定端とし、スライド部材E26を溝壁面に沿って移動自在の自由端にした1自由度の二節リンクが形成される。そして、スライド部材E26が回動すると、スライド部材E26が係合されたスライド溝E22bを備えたクランク部材E22が中間位置E22aを支点として回動し、クランク部材E22の上側領域を回動させることになる。この結果、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置及びフロント露出位置間を移動することになる。
【0129】
また、フロントスクリーン機構E1の移動速度は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において停止状態0であり、徐々に増速し、待機姿勢及び露出姿勢間の中間姿勢(
図27)において最大速度となった後、徐々に減速し、露出姿勢及び待機姿勢になったときに停止状態0になる。これにより、クランクギアE21の角加速度が小さな状態(慣性モーメント)で回動を開始及び停止させることができるため、クランクギアE21に必要なトルクを小さくすることが可能になり、結果として駆動機構(中間ギアE23、モータ軸ギアE24、駆動モータE25)の過負荷による故障や消耗を低減することが可能になっている。
【0130】
図15に示すように、上記のように構成された右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、モータ軸ギアE24と駆動モータE25とを除いて、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと同一構成とされている。そして、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと右フロントスクリーン駆動機構E2Bとは、左右対称に配置されている。左フロントスクリーン駆動機構E2AのクランクギアE21と右フロントスクリーン駆動機構E2BのクランクギアE21とは、シャフト部材E3を介して連結され、駆動モータE25の回転駆動力が均等に付与されるようになっている。
【0131】
(表示ユニットA:スクリーン装置C:リールスクリーン機構F1)
図15及び
図16に示すように、リールスクリーン機構F1は、湾曲形状の平板からなるリールスクリーン部F11と、リールスクリーン部F11の左端に接続された左リールスクリーン支持部F12と、リールスクリーン部F11の右端に接続された右リールスクリーン支持部F13とを有している。
【0132】
リールスクリーン部F11は、回動方向に近似した形状に湾曲されており、回動中心側である裏面に模様が形成されている。この裏面の模様は、リールスクリーン機構F1がリール待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。また、リールスクリーン部F11の表面は、周縁部に模様が形成されていると共に、周縁部の内周領域が投影面とされている。投影面は、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に位置されたときに、照射光の照射により映像を出現可能になっている。
【0133】
左右のリールスクリーン支持部F12・F13の一端部は、リールスクリーン部F11に接続されている。一方、リールスクリーン支持部F12・F13の他端部は、図示しない突出部をそれぞれ有している。突出部は、各リールスクリーン支持部F12・F13の外側に水平方向に突出されており、リールスクリーン駆動機構F2に連結されることによって、リールスクリーン機構F1の回動中心軸とされている。
【0134】
以上、
図1〜
図28を用いて、本発明の実施形態に係る遊技機1について説明した。上述した第1の実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
【0135】
(I−1) 投影手段(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する表示手段(フロントスクリーン機構E1)を駆動するための駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)を備え、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)は、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)に連結されたアーム(クランク部材E22)と、
前記アーム(クランク部材E22)に形成されたピン受け部(スライド溝E22b)に対して、前記ピン受け部(スライド溝E22b)の内部を移動可能なピン(スライド部材E26)を介して、動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達機構(クランクギアE21)と、を備え、
前記アーム(クランク部材E22)は、前記ピン(スライド部材E26)が前記ピン受け部(スライド溝E22b)の内部を移動することにより前記ピン(スライド部材E26)を介して前記ピン受け部(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されることと連動して動作を行う一方、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)は、前記アーム(クランク部材E22)の動作に連動して第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で動作を行い、
前記ピン受け部(スライド溝E22b)は、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)から前記第2の位置(フロント露出位置)に向けて動作を開始する際に前記ピン(スライド部材E26)を介して前記ピン受け部(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されず、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)から前記第1の位置(フロント待機位置)に向けて動作を開始する際に前記ピン(スライド部材E26)を介して前記ピン受け部(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されない方向に沿って形成されている。
【0136】
(I−2) 投影手段(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する表示手段(フロントスクリーン機構E1)を駆動するための駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)を備え、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)は、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)に連結されたアーム(クランク部材E22)と、
前記アーム(クランク部材E22)に形成されたスライド溝(スライド溝E22b)に対して、前記スライド溝(スライド溝E22b)の内部を摺動可能なスライド部材(スライド部材E26)を介して、モータ(駆動モータE25)から発生した駆動力を伝達するギア(クランクギアE21)と、を備え、
前記アーム(クランク部材E22)は、前記スライド部材(スライド部材E26)が前記スライド溝(スライド溝E22b)の内部を摺動することにより前記スライド部材(スライド部材E26)を介して前記スライド溝(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されることと連動して動作を行う一方、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)は、前記アーム(クランク部材E22)の動作に連動して第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で動作を行い、
前記スライド溝(スライド溝E22b)は、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)から前記第2の位置(フロント露出位置)に向けて動作を開始する時点における前記スライド部材(スライド部材E26)の移動方向、及び、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)から前記第1の位置(フロント待機位置)に向けて動作を開始する時点における前記スライド部材(スライド部材E26)の移動方向と略平行となるように、溝壁面(溝壁面E22b1)が形成されている。
【0137】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、スライド溝E22bは、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置からフロント露出位置に向けて動作を開始する時点におけるスライド部材E26の移動方向、及び、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置からフロント待機位置に向けて動作を開始する時点におけるスライド部材E26の移動方向と略平行となるように、溝壁面E22b1が形成されている。そのため、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置からフロント露出位置に向けて動作を開始する際にスライド部材E26を介してスライド溝E22bに駆動力が伝達されず、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置からフロント待機位置に向けて動作を開始する際にスライド部材を介してスライド溝E22bに駆動力が伝達されない。
【0138】
従って、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置からフロント露出位置に向けて動作を開始する際、及び、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置からフロント待機位置に向けて動作を開始する際、フロントスクリーン機構E1の動作を緩やかなものとすることができる。これにより、フロントスクリーン機構E1の駆動を滑らかに行うことが可能となり、フロントスクリーン機構E1や駆動モータE25に対する負荷を軽減することができる。その結果、フロントスクリーン機構E1や駆動モータE25が損傷してしまうことを防止することができる。また、パルスの出力を工夫しなくても、フロントスクリーン機構E1の駆動を滑らかに行うことができるため、複雑な励磁制御を行う必要がなく、フロントスクリーン機構E1の駆動に係る制御負荷を低く抑えることができる。
【0139】
また、フロントスクリーン機構E1の駆動を滑らかに行うために励磁制御を行う必要がある場合には、フロントスクリーン機構E1のサイズを変更した場合等に、励磁制御の設計も変更する必要があり、非常に手間がかかる。この点、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、励磁制御を行わなくてもフロントスクリーン機構E1の駆動を滑らかに行うことができるため、このような手間が発生することがなく、フロントスクリーン機構E1のサイズ等の仕様の変更に容易に対応することができる。
【0140】
上述した第1の実施形態では、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置からフロント露出位置に向けて動作を開始する際にスライド部材E26を介してスライド溝E22bに駆動力が伝達されず、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置からフロント待機位置に向けて動作を開始する際にスライド部材を介してスライド溝E22bに駆動力が伝達されないこととして説明した。すなわち、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置からフロント露出位置に向けて動作を開始する際、及び、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置からフロント待機位置に向けて動作を開始する際の双方で、スライド溝E22bに駆動力が伝達されないこととして説明した。しかし、本発明においては、フロントスクリーン機構がフロント待機位置からフロント露出位置に向けて動作を開始する際、及び、フロントスクリーン機構がフロント露出位置からフロント待機位置に向けて動作を開始する際の一方でのみ、スライド溝に駆動力が伝達されないこととしてもよい。
【0141】
ここで、表示手段が第1の位置にある場合におけるピンの位置(ピン受け部を基準とした相対的な位置)を第1所定位置と表記し、表示手段が第2の位置にある場合におけるピンの位置(ピン受け部を基準とした相対的な位置)を第2所定位置と表記する。この場合、ピン受け部における第1所定位置は、表示手段が第1の位置から第2の位置に向けて動作を開始する時点におけるピンの移動方向(ピン受け部とは無関係に、実際にピンが移動しようとする方向)に沿って形成されており、ピン受け部における第2所定位置は、表示手段が第2の位置から第1の位置に向けて動作を開始する時点におけるピンの移動方向(ピン受け部とは無関係に、実際にピンが移動しようとする方向)に沿って形成されていることとしてもよい。第1所定位置と第2所定位置とは、同じ位置であっても異なる位置であってもよい。
【0142】
さらに、駆動力伝達機構は、動力源から発生した駆動力に応じて第1の直線を軸として回動する駆動力伝達体(例えば、ギア)を備え、ピンは、駆動力伝達体に固定されていてもよい。そして、ピン受け部における第1所定位置は、第1所定位置にあるピン、及び、第1の直線と駆動力伝達体との交点(例えば、ギアの中心)を結ぶ直線と垂直な方向に形成されており、ピン受け部における第2所定位置は、第2所定位置にあるピン、及び、第1の直線と駆動力伝達体との交点(例えば、ギアの中心)を結ぶ直線と垂直な方向に形成されていてもよい。
【0143】
これにより、ピン受け部における第1所定位置の方向は、表示手段が第1の位置から第2の位置に向けて動作を開始する際にピンが移動しようとする方向(駆動力伝達体と同心の円であって、駆動力伝達体の中心と第1所定位置にあるピンとの距離を半径とする円の接線方向)と一致し、ピン受け部における第2所定位置は、表示手段が第2の位置から第1の位置に向けて動作を開始する際にピンが移動しようとする方向(駆動力伝達体と同心の円であって、駆動力伝達体の中心と第2所定位置にあるピンとの距離を半径とする円の接線方向)と一致する。従って、表示手段が第1の位置から第2の位置に向けて動作を開始する際にピンを介してピン受け部に駆動力が伝達されず、表示手段が第2の位置から第1の位置に向けて動作を開始する際にピンを介してピン受け部に駆動力が伝達されない。
【0144】
これにより、表示手段が第1の位置及び第2の位置付近にあるとき、表示手段の動作を緩やかなものとすることができる。
【0145】
前記駆動機構によって駆動される対象は、特に限定されず、前記駆動機構は、以下の駆動機構であってもよい。
【0146】
可動体を駆動するための駆動機構であって、
前記可動体に連結されたアームと、
前記アームに形成されたピン受け部に対して、前記ピン受け部の内部を移動可能なピンを介して、動力源から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、を備え、
前記アームは、前記ピンが前記ピン受け部の内部を移動することにより前記ピンを介して前記ピン受け部に駆動力が伝達されることと連動して動作を行う一方、前記可動体は、前記アームの動作に連動して第1の位置と第2の位置との間で動作を行い、
前記ピン受け部は、前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置に向けて動作を開始する際に前記ピンを介して前記ピン受け部に駆動力が伝達されず、前記可動体が前記第2の位置から前記第1の位置に向けて動作を開始する際に前記ピンを介して前記ピン受け部に駆動力が伝達されない方向に沿って形成されている、
ことを特徴とする駆動機構。
【0147】
可動体を駆動するための駆動機構であって、
前記可動体に連結されたアームと、
前記アームに形成されたピン受け部に対して、前記ピン受け部の内部を移動可能なピンを介して、動力源から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、を備え、
前記アームは、前記ピンが前記ピン受け部の内部を移動することにより前記ピンを介して前記ピン受け部に駆動力が伝達されることと連動して動作を行う一方、前記可動体は、前記アームの動作に連動して第1の位置と第2の位置との間で動作を行い、
前記ピン受け部は、前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置に向けて動作を開始する時点における前記ピンの移動方向、及び、前記可動体が前記第2の位置から前記第1の位置に向けて動作を開始する時点における前記ピンの移動方向に沿って形成されている、
ことを特徴とする駆動機構。
【0148】
(II−1) 投影手段(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する表示手段(フロントスクリーン機構E1)を駆動するための駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)を備え、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)は、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)に連結されたアーム(クランク部材E22)と、
前記アーム(クランク部材E22)に形成されたピン受け部(スライド溝E22b)に対して、前記ピン受け部(スライド溝E22b)の内部を移動可能なピン(スライド部材E26)を介して、動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達体(クランクギアE21)と、を備え、
前記駆動力伝達体(クランクギアE21)は、動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力に応じて、第1の直線を軸として回動し、
前記ピン(スライド部材E26)は、前記駆動力伝達体(クランクギアE21)に固定されており、
前記アーム(クランク部材E22)は、前記駆動力伝達体(クランクギアE21)の回動に伴って前記ピン(スライド部材E26)が前記ピン受け部(スライド溝E22b)の内部を移動することにより前記ピン(スライド部材E26)を介して前記ピン受け部(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されることと連動して回動する一方、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)は、前記アーム(クランク部材E22)の回動に連動して第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で回動し、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合における前記ピン(スライド部材E26)、及び、前記第1の直線と前記駆動力伝達体(クランクギアE21)との交点を結ぶ直線(クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線)の方向は、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合において前記動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力に依らずに前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)を回動させるための力を前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)又は前記アーム(クランク部材E22)に対して加えたときに前記ピン(スライド部材E26)に対して加わる力の方向であり、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合における前記ピン(スライド部材E26)、及び、前記第1の直線と前記駆動力伝達体(クランクギアE21)との交点を結ぶ直線(クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線)の方向は、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合において前記動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力に依らずに前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)を回動させるための力を前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)又は前記アーム(クランク部材E22)に対して加えたときに前記ピン(スライド部材E26)に対して加わる力の方向である。
【0149】
(II−2) 投影手段(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する表示手段(フロントスクリーン機構E1)を駆動するための駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)を備え、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)は、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)に連結されたアーム(クランク部材E22)と、
前記アーム(クランク部材E22)に形成されたスライド溝(スライド溝E22b)に対して、前記スライド溝(スライド溝E22b)の内部を摺動可能なスライド部材(スライド部材E26)を介して、モータ(駆動モータE25)から発生した駆動力を伝達するギア(クランクギアE21)と、を備え、
前記ギア(クランクギアE21)は、モータ(駆動モータE25)から発生した駆動力に応じて回動し、
前記スライド部材(スライド部材E26)は、前記ギア(クランクギアE21)に固定されており、
前記アーム(クランク部材E22)は、前記ギア(クランクギアE21)の回動に伴って前記スライド部材(スライド部材E26)が前記スライド溝(スライド溝E22b)の内部を摺動することにより前記スライド部材(スライド部材E26)を介して前記スライド溝(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されることと連動して回動する一方、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)は、前記アーム(クランク部材E22)の回動に連動して第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で回動し、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合、及び、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合に、前記ギア(クランクギアE21)の回動中心及び前記スライド部材(スライド部材E26)を結ぶ直線(クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線)と、前記アーム(クランク部材E22)の回動中心及び前記スライド部材(スライド部材E26)を結ぶ直線(クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の偏心位置E21bとを結ぶ直線)とが、略直交する。
【0150】
(III−1) 投影手段(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する表示手段(フロントスクリーン機構E1)を駆動するための駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)と、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)を内部に収容する収容部(スクリーン筐体C10)と、を備え、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)は、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)に連結されたアーム(クランク部材E22)と、
前記アーム(クランク部材E22)に形成されたピン受け部(スライド溝E22b)に対して、前記ピン受け部(スライド溝E22b)の内部を移動可能なピン(スライド部材E26)を介して、動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達体(クランクギアE21)と、を備え、
前記駆動力伝達体(クランクギアE21)は、動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力に応じて、第1の直線を軸として回動し、
前記ピン(スライド部材E26)は、前記駆動力伝達体(クランクギアE21)に固定されており、
前記アーム(クランク部材E22)は、前記駆動力伝達体(クランクギアE21)の回動に伴って前記ピン(スライド部材E26)が前記ピン受け部(スライド溝E22b)の内部を移動することにより前記ピン(スライド部材E26)を介して前記ピン受け部(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されることと連動して回動する一方、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)は、前記アーム(クランク部材E22)の回動に連動して第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で回動し、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合における前記ピン(スライド部材E26)、及び、前記第1の直線と前記駆動力伝達体(クランクギアE21)との交点を結ぶ直線(クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線)の方向は、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合において前記動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力に依らずに前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)を回動させるための力を前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)又は前記アーム(クランク部材E22)に対して加えたときに前記ピン(スライド部材E26)に対して加わる力の方向であり、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合における前記ピン(スライド部材E26)、及び、前記第1の直線と前記駆動力伝達体(クランクギアE21)との交点を結ぶ直線(クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線)の方向は、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合において前記動力源(駆動モータE25)から発生した駆動力に依らずに前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)を回動させるための力を前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)又は前記アーム(クランク部材E22)に対して加えたときに前記ピン(スライド部材E26)に対して加わる力の方向であり、
前記収容部(スクリーン筐体C10)には、前記駆動力伝達体(クランクギアE21)を手動で回動させることが可能な位置に開口(操作用開口部C21・C31)が設けられている。
【0151】
(III−2) 投影手段(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する表示手段(フロントスクリーン機構E1)を駆動するための駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)と、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)を内部に収容する駆動機構用筐体(スクリーン筐体C10)と、
前記駆動機構用筐体(スクリーン筐体C10)を収容する本体部(キャビネット21)と、
前記本体部(キャビネット21)に対して開閉可能に取り付けられた開閉扉(上ドア機構UD及び下ドア機構DD)と、を備え、
前記駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)は、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)に連結されたアーム(クランク部材E22)と、
前記アーム(クランク部材E22)に形成されたスライド溝(スライド溝E22b)に対して、前記スライド溝(スライド溝E22b)の内部を摺動可能なスライド部材(スライド部材E26)を介して、モータ(駆動モータE25)から発生した駆動力を伝達するギア(クランクギアE21)と、を備え、
前記ギア(クランクギアE21)は、モータ(駆動モータE25)から発生した駆動力に応じて回動し、
前記スライド部材(スライド部材E26)は、前記ギア(クランクギアE21)に固定されており、
前記アーム(クランク部材E22)は、前記ギア(クランクギアE21)の回動に伴って前記スライド部材(スライド部材E26)が前記スライド溝(スライド溝E22b)の内部を摺動することにより前記スライド部材(スライド部材E26)を介して前記スライド溝(スライド溝E22b)に駆動力が伝達されることと連動して回動する一方、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)は、前記アーム(クランク部材E22)の回動に連動して第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で回動し、
前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合、及び、前記表示手段(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合に、前記ギア(クランクギアE21)の回動中心及び前記スライド部材(スライド部材E26)を結ぶ直線(クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線)と、前記アーム(クランク部材E22)の回動中心及び前記スライド部材(スライド部材E26)を結ぶ直線(クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の偏心位置E21bとを結ぶ直線)とが、略直交し、
前記駆動機構用筐体(スクリーン筐体C10)には、前記ギア(クランクギアE21)を手動で回動させることが可能な位置に開口(操作用開口部C21・C31)が設けられている。
【0152】
(III−3) 前記開口(操作用開口部C21・C31)は、前記駆動機構用筐体(スクリーン筐体C10)の一の側面(右側板C2)に設けられた第1の開口(操作用開口部C21)と、前記駆動機構用筐体(スクリーン筐体C10)の側面のうち前記一の側面(右側板C2)と対向する側面(左側板C3)に設けられた第2の開口(操作用開口部C31)とを備え、
前記第1の開口(操作用開口部C21)と前記第2の開口(操作用開口部C31)とは、略同一の大きさ且つ略同一の形状に形成されている。
【0153】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置にある場合、及び、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置にある場合に、クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線と、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の偏心位置E21bとを結ぶ直線とが、略直交する。
【0154】
これにより、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置又はフロント露出位置にある場合において、駆動モータE25から発生した駆動力に依らずに(手動で)フロントスクリーン機構E1を回動させるための力をフロントスクリーン機構E1又はクランク部材E22に対して加えたとき、スライド部材E26に対して加わる力の方向は、クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線の方向と一致する。
【0155】
従って、スライド部材E26に対して加わる力は、クランクギアE21を回動させる力に変換されない(力の作用する方向が、クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線の方向から少しでもずれていれば、クランクギアE21を回動させる力に変換される)。そのため、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置又はフロント露出位置にある場合に、フロントスクリーン機構E1又はクランク部材E22を手で動かすことによりフロントスクリーン機構E1を回動させようとしても、フロントスクリーン機構E1は回動しない。その結果、フロントスクリーン機構E1を取り扱う者がフロントスクリーン機構E1に直接触れてフロントスクリーン機構E1を強引に動かしてしまうことを防止することができる。
【0156】
また、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置又はフロント露出位置にある場合にフロントスクリーン機構E1が手動で回動しないようにすることを実現するに当たり、フロントスクリーン機構E1の回動をロックさせるための部材等を別途追加する必要がなく、コストが増大してしまうことを防止することができる。
【0157】
さらに、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン駆動機構E2は、スクリーン筐体C10の内部に収容されており、スクリーン筐体C10には、クランクギアE21を手動で回動させることが可能な位置に操作用開口部C21・C31が設けられている。そのため、フロントスクリーン機構E1を取り扱う者は、操作用開口部C21・C31からクランクギアE21を手動で回動させることにより、フロントスクリーン機構E1を回動させることができる。従って、フロントスクリーン機構E1に直接触れてフロントスクリーン機構E1を回動させることはできないものの、フロントスクリーン機構E1を回動させるための手段が別途担保されているため、利便性が低下してしまうことを防止することができる。また、クランクギアE21を手動で回動させることを介してフロントスクリーン機構E1を回動させる場合、フロントスクリーン機構E1に直接触れられるわけではないため、フロントスクリーン機構E1に大きな負荷がかかることによりフロントスクリーン機構E1が損傷してしまう虞を低減することができる。
【0158】
また、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、スクリーン筐体C10には、一対の側面にそれぞれ略同一の大きさ且つ略同一の形状の開口(操作用開口部C21・C31)が設けられており、当該2つの開口に手を引っかけることによってスクリーン筐体C10を持ち運ぶことができるようになっている。このように、操作用開口部C21・C31は、取っ手として形成されており、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、取っ手としての開口からクランクギアE21を手動で回動させることにより、フロントスクリーン機構E1を回動させることができる。
【0159】
上述した第1の実施形態では、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置又はフロント露出位置にある場合において、駆動モータE25から発生した駆動力に依らずに(手動で)フロントスクリーン機構E1を回動させるための力をフロントスクリーン機構E1又はクランク部材E22に対して加えたとき、スライド部材E26に対して加わる力の方向は、クランクギアE21の回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ直線の方向と一致することとして説明した。すなわち、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置にある場合とフロント露出位置にある場合との双方で、フロントスクリーン機構E1が手動で回動しない(ロックされている)こととして説明した。しかし、本発明においては、フロントスクリーン機構がフロント待機位置にある場合とフロント露出位置にある場合とのうち一方でのみ、フロントスクリーン機構が手動で回動しない(ロックされている)こととしてもよい。
【0160】
前記駆動機構によって駆動される対象は、特に限定されず、前記駆動機構は、以下の駆動機構であってもよい。
【0161】
可動体を駆動するための駆動機構であって、
前記可動体に連結されたアームと、
前記アームに形成されたピン受け部に対して、前記ピン受け部の内部を移動可能なピンを介して、動力源から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達体と、を備え、
前記駆動力伝達体は、動力源から発生した駆動力に応じて、第1の直線を軸として回動し、
前記ピンは、前記駆動力伝達体に固定されており、
前記アームは、前記駆動力伝達体の回動に伴って前記ピンが前記ピン受け部の内部を移動することにより前記ピンを介して前記ピン受け部に駆動力が伝達されることと連動して回動する一方、前記可動体は、前記アームの回動に連動して第1の位置と第2の位置との間で回動し、
前記可動体が前記第1の位置にある場合における前記ピン、及び、前記第1の直線と前記駆動力伝達体との交点を結ぶ直線の方向は、前記可動体が前記第1の位置にある場合において前記動力源から発生した駆動力に依らずに前記可動体を回動させるための力を前記可動体又は前記アームに対して加えたときに前記ピンに対して加わる力の方向であり、
前記可動体が前記第2の位置にある場合における前記ピン、及び、前記第1の直線と前記駆動力伝達体との交点を結ぶ直線の方向は、前記可動体が前記第2の位置にある場合において前記動力源から発生した駆動力に依らずに前記可動体を回動させるための力を前記可動体又は前記アームに対して加えたときに前記ピンに対して加わる力の方向である、
ことを特徴とする駆動機構。
【0162】
可動体を駆動するための駆動機構であって、
前記可動体に連結されたアームと、
前記アームに形成されたピン受け部に対して、前記ピン受け部の内部を移動可能なピンを介して、動力源から発生した駆動力を伝達する駆動力伝達体と、を備え、
前記駆動力伝達体は、動力源から発生した駆動力に応じて、第1の直線を軸として回動し、
前記ピンは、前記駆動力伝達体に固定されており、
前記アームは、前記駆動力伝達体の回動に伴って前記ピンが前記ピン受け部の内部を移動することにより前記ピンを介して前記ピン受け部に駆動力が伝達されることと連動して、第2の直線を軸として回動する一方、前記可動体は、前記アームの回動に連動して第1の位置と第2の位置との間で回動し、
前記可動体が前記第1の位置にある場合、及び、前記可動体が前記第2の位置にある場合に、前記第1の直線と前記駆動力伝達体との交点及び前記ピンを結ぶ直線と、前記第2の直線と前記アームとの交点及び前記ピンを結ぶ直線とが、直交する、
ことを特徴とする駆動機構。
【0163】
なお、第1の直線と第2の直線とは平行であってもよく、その場合、第1の直線の方向(第2の直線の方向)から見た図(例えば、駆動機構の側面図)において、第1の直線と駆動力伝達体との交点及びピンを結ぶ直線(例えば、ギアの中心とピンとを結ぶ直線)と、第2の直線とアームとの交点及びピンを結ぶ直線(例えば、アームの回転中心とピンとを結ぶ直線)とが、直交していればよい。
【0164】
(IV−1) 映像を表示するための表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネット21)と、
前記本体部(キャビネット21)に対して開閉可能に取り付けられ、前記表示ユニット(表示ユニットA)により表示される映像を視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記表示ユニット(表示ユニットA)は、
映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ機構B2)と、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)から照射された光を後方に反射させる反射ミラー(ミラー機構B3)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有する第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有し、前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)とは異なる第2スクリーン(固定スクリーン機構D)と、
前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)及び前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)を収容するスクリーン用筐体(スクリーン筐体C10)と、を備え、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)、前記反射ミラー(ミラー機構B3)、前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)、前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)、及び、前記スクリーン用筐体(スクリーン筐体C10)がユニット化されることにより構成されており、
前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)は、駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)により駆動されることにより、第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で動作を行い、
前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)は、前記第2の位置(フロント露出位置)の背後に配置されており、前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像が前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)に表示される一方、前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像が前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)に表示され、
前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)と前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)とでは、前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)の方が明度が低い。
【0165】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン機構E1及び固定スクリーン機構Dという2つのスクリーンが、スクリーン筐体C10に収容されている。フロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン駆動機構E2により駆動されることにより、フロント待機位置とフロント露出位置との間で動作を行うところ、固定スクリーン機構Dは、フロント露出位置の背後に配置されており、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置にある場合、プロジェクタ機構B2により投影された映像がフロントスクリーン機構E1に表示される一方、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置にある場合、プロジェクタ機構B2により投影された映像が固定スクリーン機構Dに表示される。
【0166】
従って、プロジェクタ機構B2により投影された映像がフロントスクリーン機構E1に表示される場合におけるフロントスクリーン機構E1の位置と、プロジェクタ機構B2により投影された映像が固定スクリーン機構Dに表示される場合における固定スクリーン機構Dの位置とを比較すると、固定スクリーン機構Dの方がフロントスクリーン機構E1よりも、スクリーン筐体C10の後方に存在することとなる。
【0167】
ここで、スクリーン筐体C10の奥側の方が、スクリーン筐体C10の壁で光が反射することによる乱反射の影響が大きいため、フロントスクリーン機構E1よりも固定スクリーン機構Dの方が、所謂白ぼけが発生してしまいやすい。この点に鑑み、上述した第1の実施形態に係る遊技機1では、フロントスクリーン機構E1の明度よりも固定スクリーン機構Dの明度を低くしている。その結果、固定スクリーン機構Dに表示される映像の白ぼけを防止することができ、映像の鮮明度を改善することが可能となる。
【0168】
(IV−2) 映像を表示するための表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネット21)と、
前記本体部(キャビネット21)に対して開閉可能に取り付けられ、前記表示ユニット(表示ユニットA)により表示される映像を視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記表示ユニット(表示ユニットA)は、
映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ機構B2)と、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)から照射された光を後方に反射させる反射ミラー(ミラー機構B3)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な一の表示面を有する第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を複数有する第2スクリーン(固定スクリーン機構D)と、を備え、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)、前記反射ミラー(ミラー機構B3)、前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)、及び、前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)がユニット化されることにより構成されており、
前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)は、駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)により駆動されることにより、第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で動作を行い、
前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像が前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)に表示される一方、前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像が前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)に表示され、
前記第1スクリーン(フロントスクリーン機構E1)と前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)とでは、前記第2スクリーン(固定スクリーン機構D)の方が明度が低い。
【0169】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン機構E1は、一の表示面を有しており、固定スクリーン機構Dは、複数の表示面を有している。固定スクリーン機構Dは、表示面が複数存在するため、表示面同士で光が反射することによる乱反射の影響が大きく、所謂白ぼけが発生してしまいやすいところ、上述した第1の実施形態に係る遊技機1では、フロントスクリーン機構E1の明度よりも固定スクリーン機構Dの明度を低くしている。その結果、固定スクリーン機構Dに表示される映像の白ぼけを防止することができ、映像の鮮明度を改善することが可能となる。
【0170】
本発明においては、表示面が照射光の光軸に対して垂直な第1スクリーンと、表示面が照射光の光軸に対して垂直ではない第2スクリーンとを設け、第2スクリーンの明度を第1スクリーンの明度よりも低くしてもよい。この場合にも、第2スクリーンに表示される映像の白ぼけを防止することができる。
【0171】
(V−1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ機構B2)と、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能な表示面を有するスクリーン(フロントスクリーン機構E1)とが、ユニット化されることにより構成された表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネット21)と、
前記本体部(キャビネット21)に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)を視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)は、前記表示面(投影面E11a)を有する第1の部材(フロントスクリーン部材E11)と、凸部の設けられた面(第2模様面E12b)を有する第2の部材(フロントスクリーン支持台E12)とが、前記第1の部材(フロントスクリーン部材E11)における前記表示面(投影面E11a)とは反対側の面と前記第2の部材(フロントスクリーン支持台E12)における前記凸部の設けられた面(第2模様面E12b)とは反対側の面とを接触させるように固着されることにより形成されている。
【0172】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン機構E1は、投影面E11aを有するフロントスクリーン部材E11と、第2模様面E12bを有するフロントスクリーン支持台E12とが、フロントスクリーン部材E11における投影面E11aとは反対側の面とフロントスクリーン支持台E12における第2模様面E12bとは反対側の面とを接触させるように固着されることにより形成されている。このように、投影面E11aを有する部材と、第2模様面E12bを有する部材とを、別部材で構成したため、フロントスクリーン機構E1を成形する過程において、第2模様面E12bの凸部に起因して投影面E11aにひけが形成され、スクリーンとしての精度が低下してしまうことが防止される。従って、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、精度の良好なスクリーンに映像を表示することが可能となる。
【0173】
(V−2) 前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)における前記凸部の設けられた面(第2模様面E12b)には、凹凸を有する装飾が施されており、
前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)は、駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2)により駆動されることにより、第1の位置(フロント待機位置)と第2の位置(フロント露出位置)との間で動作を行い、
前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)が前記第2の位置(フロント露出位置)にある場合、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像が前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)に表示される一方、前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)が前記第1の位置(フロント待機位置)にある場合、前記スクリーン(フロントスクリーン機構E1)は、前記凸部の設けられた面(第2模様面E12b)に施された装飾が前記表示領域(上側表示窓UD1)を介して視認可能なように配置される。
【0174】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置にある場合、フロントスクリーン機構E1は、第2模様面E12b(投影面E11aと反対側の面、すなわち、スクリーンの裏面)に施された装飾が上側表示窓UD1を介して視認可能なように配置される。従って、仮に、当該装飾が施されていなければ、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置にある場合、フロントスクリーン機構E1の裏面が遊技者から直接視認されてしまうこととなる。これでは、遊技機の美観が著しく損なわれてしまい、望ましくない。このような観点から、上述した第1の実施形態に係る遊技機1では、フロントスクリーン機構E1の裏面に装飾を施すこととしている。
【0175】
しかしながら、このような装飾の施されたフロントスクリーン機構E1を一体成形しようとすると、装飾を構成する凸部に起因してフロントスクリーン機構E1の投影面E11aにひけが形成され、スクリーンとしての精度が低下してしまう。この点に鑑み、上述した第1の実施形態に係る遊技機1では、投影面E11を有する部材と、装飾の施された面を有する部材とを、別部材で構成し、両部材を固着することにより、フロントスクリーン機構E1を成形している。これにより、装飾に起因して投影面E11にひけが形成され、スクリーンとしての精度が低下してしまうことが防止される。従って、上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、精度の良好なスクリーンに映像を表示することが可能となる。
【0176】
(VI−1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ機構B2)と、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)を収容するスクリーン用筐体(スクリーン筐体C10)とが、ユニット化されることにより構成された表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネット21)と、
前記本体部(キャビネット21)に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)を視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
複数の孔が形成された多孔板(多孔板B15)と、を備え、
前記多孔板(多孔板B15)は、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)が前記表示領域(上側表示窓UD1)を介して視認困難なように配置されており、前記複数の孔は、前記多孔板(多孔板B15)を境にして、前記スクリーン用筐体(スクリーン筐体C10)における前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の収容された空間と、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)の配置された空間との間で、空気が流動可能な通路を形成している。
【0177】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、多孔板B15に形成された複数の孔によって、スクリーン筐体C10における固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1の収容された空間と、プロジェクタ機構B2の配置された空間との間で、空気が流動可能な通路が形成されている。従って、スクリーン筐体C10におけるスクリーンの収容された空間(映像を投影するために開放している領域)を放熱に利用することができるため、プロジェクタ機構B2で発生した熱を効率よく放出することができる。また、多孔板B15は、上ドア機構UDに設けられた上側表示窓UD1を介してプロジェクタ機構B2が視認困難なように配置されているため、遊技者からプロジェクタ機構B2が見え難く、プロジェクタ機構B2が見えることによって遊技機の美観が損なわれてしまうことを防止することができる。
【0178】
(VI−2) 前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)は、前記スクリーン用筐体(スクリーン筐体C10)に立設されたスクリーン(固定スクリーン機構D)の上方に配置される一方で、前方に光を照射することが可能であり、
前記遊技機は、さらに、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)から照射された光を斜め下後方に反射させることが可能なように前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)の前方に配置された反射ミラー(ミラー機構B3)を備え、
前記多孔板(多孔板B15)は、前記スクリーン(固定スクリーン機構D)の上方において前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)の下面を覆うように配置される。
【0179】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、スクリーン筐体C10に固定スクリーン機構Dが立設されており、固定スクリーン機構Dの上方にプロジェクタ機構B2が配置される。そのため、プロジェクタ機構B2の下方には、比較的広い空間が広がっている。そして、多孔板B15は、固定スクリーン機構Dの上方においてプロジェクタ機構B2の下面を覆うように配置される。従って、当該比較的広い空間を放熱に利用することができるため、プロジェクタ機構B2で発生した熱をより効率よく放出することができる。
【0180】
(VII−1) 映像を表示するための表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネット21)と、
前記本体部(キャビネット21)に対して開閉可能に取り付けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記表示ユニット(表示ユニットA)は、
映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ機構B2)と、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)から照射された光を反射させる反射ミラー(ミラー機構B3)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)により投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、を備え、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)、前記反射ミラー(ミラー機構B3)、及び、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)がユニット化されることにより構成されており、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記開閉扉(上ドア機構UD)を開けた状態で前記表示ユニット(表示ユニットA)の外部から位置を調整することが可能である。
【0181】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、表示ユニットAは、プロジェクタ機構B2、ミラー機構B3、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1がユニット化されることにより構成されているが、ミラー機構B3は、上ドア機構UDを開けた状態で表示ユニットAの外部から位置を調整することが可能である。従って、表示ユニットAが遊技機1のキャビネット21に設置された後であっても、ミラー機構B3の位置を調整することが可能であるため、プロジェクタ機構B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
【0182】
(VII−2) 前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)及び前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)は、前記表示ユニット(表示ユニットA)における所定の位置で固定されており、
前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)は、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置される一方で、前方に光を照射することが可能であり、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)から照射された光を斜め下後方に反射させることが可能なように前記プロジェクタ(プロジェクタ機構B2)の前方に配置され、前記本体部(キャビネット21)の開口側に向けて露出した螺子における螺合の程度を変更することにより該光の反射方向を調整することが可能である。
【0183】
上述した第1の実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ機構B2、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1は、表示ユニットAにおける所定の位置で固定されている。一方で、ミラー機構B3には、光の反射方向を調整するための螺子が設けられており、当該螺子は、キャビネット21の開口側に向けて露出している。従って、表示ユニットAが遊技機1のキャビネット21に設置された後であっても、上ドア機構UDを開けた状態で、螺子を緩めたり締めたりすることにより、光の反射方向(角度)を調整することができる。これにより、プロジェクタ機構B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
【0184】
上述した第1の実施形態では、プロジェクタ機構B2、ミラー機構B3、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1は、ユニット化されていることとして説明した。しかし、プロジェクタ機構、ミラー機構、及び、各種スクリーンは、ユニット化せずに、遊技機の本体部に直接取り付けられることとしてもよい。
【0185】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る表示ユニットA(プロジェクター装置)について、
図29〜
図35を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同一又は類似の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0186】
本第2の実施形態では、スクリーン装置Cとして、凹面状の可動スクリーン機構G1と、凹面状の固定スクリーン機構H1を用いている。ここで、
図29は本第2実施形態に係る表示ユニットAの縦断面図であり、
図30はこの表示ユニットAを搭載した遊技機1の正面図である。
【0187】
この表示ユニットAの前面端部には文字、模様又は図柄あるいはそれらの組み合わせからなる表示装置Kが設けられている。
【0188】
(可動スクリーン機構G1の構成)
第2の実施形態に係る表示ユニットAの可動スクリーン機構G1は、
図29、
図31に示すように、分割された凹面状の左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bからなる可動スクリーンG10と、左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bの背面にそれぞれ設けられ、左可動及び右可動スクリーンG10a、G10bを前後、左右、上下、斜め方向等あらゆる方向に移動可能にする多関節アーム等からなる駆動機構G15と、から構成される。
【0189】
この左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bは、相互に近接して配置され、左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bが回動するときに両者が干渉しないように、隣接する側端部には傾斜面(切り欠き部)G11が形成されている。
【0190】
なお、
図31の例では、可動スクリーンG10は左右に分割されているが、これに限定されず、上下方向又は斜め方向に分割してもよく、さらに、3以上に分割してもよい。
【0191】
また、駆動機構G15は、スクリーンを複数方向に移動できるものであればどのようなものでもよく、多関節アームのほかに、例えばカム、ギア、ローラ、ワイヤ等からなる駆動機構を用いてもよい。
【0192】
(固定スクリーン機構H1の構成)
第2の実施形態に係る表示ユニットAの固定スクリーン機構H1は、
図31に示すように、可動スクリーンG10の両端部に所定の間隙部G20、G21をおいて設けられた左固定スクリーンH11及び右固定スクリーンH12と、可動スクリーンG10の下部に所定の間隙部G22をおいて設けられた下部固定スクリーンH13から構成される。これらの固定スクリーンH11、H12、H13の前方側(遊技者側)の表面はいずれも凹面状に形成されている。
【0193】
なお、間隙部G20〜G22は可動スクリーンG10と固定スクリーンH11〜H13が干渉しないように設けられるもので、その寸法は適宜変更可能である。また、可動スクリーンG10を固定スクリーンH11〜H13の前方又は後方に配置して、間隙部が生じないようにしてもよい。
【0194】
なお、少なくとも1つの固定スクリーンH11〜H13の背面に駆動機構G15を設け、上記可動スクリーンG10と同様に、固定スクリーンH11〜H13を複数方向に移動可能に構成してもよい。
【0195】
また、固定スクリーンH11〜H13のうちの少なくとも1つを平面のスクリーンとしてもよい。
【0196】
〈作用〉
上記のように構成された第2の実施形態において、定常状態では、左可動スクリーンG10a及び右可動スクリーンG10bは、所定の間隙部G20〜G22をおいて、左固定及び右固定スクリーンH11、H12の間の略中央部に配置され、照射光装置Bにより各スクリーンG10、H11〜H13に一体的な演出画像が投影表示される。そして、各スクリーンとの表面が凹面状であるため、これらの複数のスクリーンからなる大型スクリーンに立体的な奥行きのある演出画像が表示される。
【0197】
ここで、照射光装置Bは、各スクリーンとの間に形成される間隙部G20〜G22を通過する演出画像が表示ユニットAの奥部に投影反射されてノイズ画像とならないように、間隙部G20〜G22に対応する画像部分をマスクすることで、ノイズ画像の発生を防止する。これにより、各スクリーンG10、H11〜H13に投影される画像は
図32に示すような投影画像となり、間隙部G20〜G22は暗画像となる。
【0198】
さらに、照射光装置Bは、可動及び固定スクリーン機構G10、H1の斜め前方上方から照射光を投射するため、左右の可動スクリーンG10a、G10bの下方と下部固定スクリーンH13に投影される画像が下方に向かって拡がる可能性がある。そのため、照射光装置Bは、下方の画像拡開を抑制する処理を行うか、又は下方の画像の一部が左右の可動スクリーンG10a、G10b又は下部固定スクリーンH13からはみ出る場合には、その部分をマスクすることが望ましい。
【0199】
上記の例では、照射光装置Bをマスク処理することにより、間隙部G20〜G22に暗画像を投射するものであるが、これに限定されず、マスク処理の代わりに、間隙部G20〜G22に対応する領域に黒、グレー等からなる濃い色の画像(暗色からなる暗画像)を投射してもよく、マスク処理と同様な作用効果が得られる。
【0200】
次に、遊技機1の遊技状態に応じ、遊技者に定常状態とは異なる画像演出、例えば、左右の可動スクリーンG10a、10bを移動させて画像演出を行う場合は、制御部からの指示に基づいて、左可動スクリーンG10a及び/又は右可動スクリーンC10bをそれぞれ前後、左右、上下及び/又は斜め方向に移動させ、遊技者に意外性のある大迫力の画像を左可動スクリーンG10a、右可動スクリーンG10b、左及び右固定スクリーンH11、H12及び下部スクリーンH13に投影させる。
【0201】
その際、可動スクリーンG10の移動にともない、間隙部G20〜G22も変動し、さらに左可動スクリーンG10a及び右可動スクリーンG10bとの間に新たな間隙部G23が生じる場合もあるが(
図34)、それらの間隙部に合わせて、照射光装置Bはマスク位置を変動させる。これにより、間隙部G20〜G23は定常的に暗画像となる。
【0202】
ここで、
図33は左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bを左方向に移動した場合の演出画像の例であり、間隙部G20が消滅する一方、間隙部G21の幅が増大している。また、
図34は左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bを拡開した場合の演出画像の例であり、間隙部G20とG21が略消滅する一方、左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bの間に新たな間隙部G23が生じている。
【0203】
さらに、
図35(a)〜(c)は、定常状態にある左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10b(
図35(b))の両端を、前方に回動した場合(
図35(a))、及び後方に回動した場合(
図35(c))の上面図である。なお、
図35(c)に示す左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bに投影された演出画像は
図34に示す演出画像のようになる。
【0204】
この左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bを回動する際、隣接する左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bの側端部は傾斜面が形成されているので、左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bは干渉することなく円滑に回動することができる。
【0205】
また、上記左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bの動きは、
図34、
図35(a)〜(c)の例に限定されず、前後、左右、上下、斜め方向等あらゆる方向に移動可能であるため、立体的で動きのある様々な演出が可能となる。
【0206】
〈効果〉
本第2の実施形態によれば、左可動スクリーンG10a及び右可動スクリーンG10b、左及び右固定スクリーンH11、H12並びに下部固定スクリーンH13が凹面状に形成されているため、同サイズの平面スクリーンよりも演出画面がより大きく見え、奥行きある大迫力の演出画像を提供することができる。このように、凹面状のスクリーン機構を用いたことで、遊技機1の内の狭隘な空間を有効活用することができる。
【0207】
また、左可動スクリーンG10a及び右可動スクリーンG10bは、多関節アーム等の駆動機構G15により、それぞれ前後、左右、上下及び/又は斜め方向等あらゆる方向に移動可能に構成されているため、遊技状態に応じて演出画面領域が様々に変化した演出画像を表示することが可能となるとともに、遊技者は動きのある意外性に富んだ演出画像を楽しむことができる。
【0208】
さらに、各スクリーンの間に間隙部G20〜G23が生じた場合、当該間隙部G20〜G23を暗画像にすることにより、ノイズ画像の発生を抑制することができるので、各スクリーンG10a、G10b、H11〜H13からなる大型スクリーンに立体的で一体感のある演出画像を表示することができる。
【0209】
また、隣接する左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bの側端部は傾斜面が形成されているので、左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bは干渉することなく円滑に回動することができる。
【0210】
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、凹面状の可動スクリーンG10として、分割した左可動スクリーンG10aと右可動スクリーンG10bを用いているが、本第3の実施形態では、
図36に示すように、可動スクリーンG10を分割せずに単一の可動スクリーンG10を用いている。本第3の実施形態も上記第2の実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0211】
[表示装置K]
以下、表示装置Kの実施形態を、
図31、
図37を参照して説明する。
【0212】
照射装光置B及びスクリーン装置Cからなる表示ユニットAは、サイズが大きいため、キャビネット21の上部を占有し、そのため、文字、模様、図柄等を表示する表示部を配置するスペースを確保するのが困難である。
【0213】
そのため、本実施形態では、スペース効率の高い表示装置Kを提供する。なお、以下の説明では表示部K10に縦書きで「日本一」という文字を表示する例について説明するが、これに限定されず、表示対象物はその他の文字、模様、図柄等であってもよい。
【0214】
〈構成〉
本実施形態に係る表示装置Kは、
図37に示すように、縦書きの「日本一」の左半分が印字された表示部K10と、表示部K10の一方の端部に所定角度傾斜して接続されたミラー部K11とから構成され、スクリーン装置Cの側部に取り付けられる(
図31)。なお、表示部K10とミラー部K11との接続角度は適宜変更可能である。また、表示装置Kは表示ユニットAと一体に設けてもよい。
【0215】
〈作用〉
上記のように構成された表示装置Kにおいて、表示部K10に左右対称の文字の左半分が印字された文字は、ミラー部K11に写り、全体として「日本一」という文字が浮かび上がる。これにより、ミラー部K11を用いない表示装置に比較して横方向のサイズを減少させることができるため、スペース効率を高めることができる。
【0216】
また、ミラー部K11を用いたことで、奥行きのある装飾性の高い文字等を表示することができる。
【0217】
なお、
図37に示す例では、「日本一」という文字の左半分が表示部K10に平面的に描かれているが、
図36に示す例では、表示部K10には厚みのある立体的な文字、模様が描かれている。この立体的な文字、模様は、表示部K10とミラー部K11の接合部から開放端部に向かうにつれて厚みが大きくなるように構成されている。これにより、ミラー部K11に写される像はその厚みを反映した像となり、表示部K10とミラー部K11とから浮かび上がる像は、より迫力のある立体的で装飾性の高い画像となる。
【0218】
〈効果〉
本実施形態に係る表示装置Kによれば、設置箇所が狭隘な空間であっても、ミラー部K11を用いることで、大きな表示領域を確保することができる。また、スペース効率が高いため、サイズの大きなスクリーン機構Cの側部に配置することが可能となる。また、このミラー部K11を有する表示装置Kは装飾性も高く、奥行きがあり、意外性に富んだ画像を遊技者に提供することができる。
【0219】
なお、このミラー部K11を用いた表示装置Kは、遊技機1の他の部分に、例えば前扉側に設けてもよい。このとき、前扉を閉じた状態で表示装置Kが表示ユニットAと一体的に見えるように、表示装置Kを表示ユニットAの前面端と連なるように配置するのが好ましい。
【0220】
さらに、このミラー部K11を用いた表示方式を、遊技機1に設けられた他の表示装置に適用してもよい。
【0221】
さらに、表示部K10に描かれる文字、模様、図柄等は左右対称なものに限らず、非対称なものであってもよい。この場合、文字等が非対称であっても、表示部K10及びミラー部K11全体から左右対称の像が浮かび上がる。
【0222】
以上、本発明の実施形態をパチスロ機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチンコ機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
【0223】
また、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。