特許第6602158号(P6602158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6602158
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】粉粒体の計量フィーダにおける弁装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 13/00 20060101AFI20191028BHJP
   B65G 65/32 20060101ALI20191028BHJP
   G01G 13/06 20060101ALI20191028BHJP
   B65G 47/16 20060101ALI20191028BHJP
   F16K 3/22 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G01G13/00 N
   B65G65/32 B
   G01G13/06 A
   B65G47/16
   F16K3/22 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-210329(P2015-210329)
(22)【出願日】2015年10月27日
(65)【公開番号】特開2017-83242(P2017-83242A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】392028424
【氏名又は名称】アイシン産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003665
【氏名又は名称】株式会社ツムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
(72)【発明者】
【氏名】西谷 博久
(72)【発明者】
【氏名】齋須 康仁
(72)【発明者】
【氏名】橋ヶ谷 修司
(72)【発明者】
【氏名】朝日 雅之
(72)【発明者】
【氏名】前川 潤哉
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−205823(JP,A)
【文献】 実開昭50−150362(JP,U)
【文献】 特開昭64−009320(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0111155(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 13/00−13/34
B65G 47/00−47/20
B65G 65/30−65/48
F16K 3/00− 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子秤上に載置される収納容器に、粉粒体を目的とする重量分を投入する計量フィーダに付設され、前記した電子秤から送られる情報によって稼動される電動シリンダによって開度調整される弁装置であって、その弁体は外面が膨出した弧状板とし、その弧状板の支持部の基端を軸支し、その軸を前記電動シリンダで作動させ、弧状板を前記軸を中心として縦方向に枢動させることとし、前記した弁体の軸は弧状板の円弧方向と直交した、弧状板の外方へ突出され、上ケーシングと下ケーシングとの間に挟持されることとし、前記した上ケーシングの上面開口には粉粒体の供給用シュートが取り付けられ、その供給シュートと弁体との間にはクリアランスが形成されていることとし、前記した弁体、上ケーシング、下ケーシングは分解、組み立てが可能とされている粉粒体の計量フィーダにおける弁装置において、前記した弁体の軸の一方は電動シリンダのシリンダシャフトの先端に枢支されたシリンダアームに取り付けられたジョイントシャフトと嵌合して一体化され、その嵌合は、弁体の軸側とジョイントシャフトに形成されている段部によって方向性が規制されていることを特徴とする粉粒体の計量フィーダにおける弁装置。
【請求項2】
前記した支持部の基端には各々外方に向けて第一の回転軸(4c)と第二の回転軸(4d)の基部が固定され、電動シリンダと連結される第一の回転軸(4c)の先端を連結部(4e)とし、支持部間には回転軸は設けられておらず中空としてあることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の計量フィーダにおける弁装置。
【請求項3】
前記した弁体の位置は上下方向に調整可能としてあることを特徴とする請求項1から2のうち1項に記載の粉粒体の計量フィーダにおける弁装置。
【請求項4】
前記した弁体の上下方向の位置調整は電動シリンダをトラニオン構造で支承することで、電動シリンダのジョイントを傾動することでなされることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体の計量フィーダにおける弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体の計量フィーダにおける弁装置に関し、特にコンパクトで設置場所に大きな制約を受けず、複数パーツに分解、組み立てを容易に行なうことができ、細部まで洗浄、清掃を行なうことができ、しかも種々の特性を有する粉粒体への対応も可能とする粉粒体の計量フィーダにおける弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、粉粒体を目的とする容器に、目的とする重量を収納させる計量作業は、ホッパーやコニカル等の粉粒体の投入部材から、スクリューフィーダ、テーブルフィーダ、電磁フィーダ等の搬送手段を使用して、秤上に載置された目的容器内へ、その粉粒体を排出供給することで行なわれる。
【0003】
しかしながら、この計量作業にあって計量の精度と作業時間は相関関係にあり、精度を上げようとすればそれだけ時間がかかり、即ち、少量ずつを継続して供給する必要があり、また、時間を短くし、効率を重視すると、一時に大量を供給することとなって精度を守ることは難しくなってしまう。
【0004】
また、従来の計量装置は、その能力にも限界があったもので、粉粒体の有する特性の相違によってもその対応する能力が変動してしまい、フラッシングする粉粒体は特に計量作業が困難となっていた。
【0005】
そこで、近時は、当初に目的とする重量の大半を弁体全開して目的容器内へ排出供給し、徐々に追加供給していく計量フィーダが考察開発されているが、この計量フィーダにあっては追加供給の際に粉粒体の通行を制御する弁体の構造や制御が問題となってくる。
【0006】
また、この計量フィーダにおける弁体を含めた弁装置は全体が一体的に構成されるため、使用後に、他種の粉粒体を対象として再使用する際の細部までの清掃が困難となってしまうものであり、弁装置全体のサイズも大型化して、設置場所が制約されたり、その重量も大きなものとなって移動も煩わしいものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
出願人は本願発明について、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似すると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明が解決しようとする問題点は、従来の粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は、粉粒体の特性の相違に柔軟に対応することが難しかったことに加え、重量の精度を確保しながら作業時間を短縮し、対象を変更する度に、細部までの清掃が困難であり、また、大型化してしまい、設置場所や移動が制約されてしまっていたという点である。そして、従来粉粒体の切出し計量装置は振動フィーダやスクリューフィーダが一般的であるが、粗充填(大投入)と微充填(小投入)の切替制御が難しく、計量時間がかかっていた。また、構造が複雑なため、分解清掃性が悪く、切替時間がかかっていたという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は、電子秤上に載置される収納容器に、粉粒体を目的とする重量分を投入する計量フィーダに付設され、前記した電子秤から送られる情報によって稼動される電動シリンダによって開度調整される弁装置であって、その弁体は外面が膨出した弧状板とし、その弧状板の支持部の基端を軸支し、その軸を前記電動シリンダで作動させ、弧状板を前記軸を中心として縦方向に枢動させることとし、前記した弁体の軸は弧状板の円弧方向と直交した、弧状板の外方へ突出され、上ケーシングと下ケーシングとの間に挟持されることとし、前記した上ケーシングの上面開口には粉粒体の供給用シュートが取り付けられ、その供給シュートと弁体との間にはクリアランスが形成されていることとし、前記した弁体、上ケーシング、下ケーシングは分解、組み立てが可能とされている粉粒体の計量フィーダにおける弁装置において、前記した弁体の軸の一方は電動シリンダのシリンダシャフトの先端に枢支されたシリンダアームに取り付けられたジョイントシャフトと嵌合して一体化され、その嵌合は、弁体の軸側とジョイントシャフトに形成されている段部によって方向性が規制されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は、前記した支持部の基端には各々外方に向けて第一の回転軸(4c)と第二の回転軸(4d)の基部が固定され、電動シリンダと連結される第一の回転軸(4c)の先端を連結部(4e)とし、支持部間には回転軸は設けられておらず中空としてあることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は、前記した弁体の位置は上下方向に調整可能としてあることを特徴としている。
【0012】
そして、本発明に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は、前記した弁体の上下方向の位置調整は電動シリンダをトラニオン構造で支承することで、電動シリンダのジョイントを傾動することでなされることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は上記のように構成されている。そのため、弁体の外面の膨出した弧状板を開放することで、粉粒体を目的容器へ流し入れることができ、この弧状板をガイドとして回動に使用でき、微細な量にも対応できる。また、この弁体と供給用シュートの排出口との間にクリアランスを設けることによって、素材の金属同士による擦れがなくなり、粉粒体に異物が混入してしまう虞もなくなる。
【0014】
また、この弁装置は駆動系と簡単に離脱でき、弁体、上下のケーシングを分解し、組立て直すことができるので、細部に亘って清掃ができ、常にクリーンな状態で使用することができ、前回使用した対象の粉粒体が残存し、混入することもない。粗充填(大投入)と微充填(小投入)の切替も容易となって制御し易く、要する時間も短縮できる。
【0015】
さらに、この弁装置はその構成によって、コンパクト化、軽量化が可能となって、設置場所や位置移動に制約を受けることがなく、非常に扱い易いものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を実施した粉粒体の計量フィーダにおける弁装置を示す平面図である。
図2】正面図である。
図3図2中のA−A線断面図である。
図4図3中のB−B線断面図である。
図5図1中のC−C線矢視図である。
図6】分解断面図である。
図7】上ケーシングと供給用シュートを示す別方向から見た図である。
図8】駆動機構を示す正面図である。
図9】要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0018】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図中1は上ケーシングを示しており、この上ケーシング1は上下貫通する円筒部1aを有し、その下方開口周囲に後述する下ケーシング2と当接接合して一体化するための略矩形の下フランジ1bを一体的に形成し、上下開口周囲には、これも後述する粉粒体の供給用シュート3を一体的に接合するための略矩形の上フランジ1cを一体に形成されている。この上フランジ1cの上面には環状溝が形成され、Oリング9が装着されている。
【0019】
また、この上ケーシング1の上フランジ1c上に接合される供給用シュート3は、中央に粉粒体投入用の円筒部3aを有し、その円筒部3aの外面に、上フランジ1cと重合するフランジ3bを一体的に形成してある。円筒部3aの上ケーシング1内に嵌入される下部の下面開口は、後述する弁体4の上面弧状板の形状と合わせ、その弁体4の回動方向に沿わせて円弧状の切り欠き3cが形成されている。フランジ3bは上フランジ1c上に載置され、四隅近傍でハンドルボルト13、13‥によって締着される。また、一部には上フランジ1cに貫通するピン孔が穿設され、位置決めピン3dが打ち込み溶接される。
【0020】
前記した上ケーシング1の下フランジ1bの前後中央位置には弁体4の回動軸を抑え、下ケーシング2との境界間で挟持するための下向き円弧状の軸抑え部1dが形成されている。一方、下フランジ1bの左右縁には四箇所に下ケーシング2との締着固定をなすためのヒンジボルト12を引き起こし、受け入れるための切り欠き1e、1e‥が形成されている。
【0021】
下ケーシング2は円筒状とし、下方をすぼめた形状の円筒体2aを有しており、このすぼめた部分は内面も粉粒体を集約し易いようテーパ面が形成されている。また、上面開口周囲には、上ケーシング1の下フランジ1bと当接接合されるフランジ2bが形成され、このフランジ2bには、前記した軸抑え部1dと対応して円筒状となる上向き円弧状の軸置き部2dが形成されている。さらに、このフランジ2bの上面開口周囲には環状溝が設けられ、この環状溝にひもパッキン10が嵌め付けられている。
【0022】
この下ケーシング2の左右位置には、上ケーシング1の切り欠き1e、1e‥と対応する位置に突片2c、2c‥が設けられ、この突片2c、2c‥を基部とするハンドル式のヒンジボルト12、12‥が設けられている。このヒンジボルト12、12‥を引き起こして下フランジ1bの切り欠き1e、1e‥に嵌め、ハンドルを操作することで、上ケーシング1と下ケーシング2との締結がなされ、このハンドル操作によって締結を緩め、簡単に分離させることができる。
【0023】
さらに、図中4は本実施例に用いられる弁体を示しており、この弁体4は上部に外面を膨出させた弧状板4aを有しており、この弧状板4aは四分の一の円弧となっている。そのため、この弧状板4aの内側四隅から延設される両側板4b、4bは90度の扇形とされ、この両側板4b、4bは相対向する構成となっている。
【0024】
前記した両側板4b、4bの基端には各々外方へ向けて第一の回転軸4cと第二の回転軸4dの基部が固定されているもので、このうち、駆動機構と連結される第一の回転軸4cは第二の回転軸4dよりも1.5倍程長く構成されており、その第一の回転軸4cの先端は連結部4eとなっている。尚、両側板4b、4bの間に回転軸は設けられておらず、中空となっており、駆動の負荷軽減や装置全体の重量の軽減を図っている。
【0025】
この第一の回転軸4cと第二の回転軸4dには順にシールリング5、オイルシール6及び軸受7が嵌め付けられており、シールリング5と軸受7の外周にはOリング8が装着されている。この第一の回転軸4c及び第二の回転軸4dは、この状態で下ケーシング2の軸置き部2d部分にセットされ、その上方から上ケーシング1が被せられ、軸抑え部1dで抑えられ、上ケーシング1と下ケーシング2の境界部分に挟持させる形態となる。この挟持は、第一の回転軸4cと第二の回転軸4dの回転作用を阻害するものではない。
【0026】
この第一の回転軸4cと第二の回転軸4dのセット後、下ケーシング2の軸置き部2dの外面には、その回転軸4c,4dのストッパープレート11、11がねじ11a、11aによって固着される。このストッパープレート11のうち、第一の回転軸4c側のものには連結部4eを外方へ突出させるための切り欠きが形成されている。
【0027】
一方、図中14は、第一の回転軸4cに回転力を伝え、強いては弁体4を回動(枢動)させるための駆動源としての電動シリンダを示している。この電動シリンダ14はシリンダベース28上に、上面に電動シリンダ14を固設したシリンダ取付板20をねじで固定することにより設置される。
【0028】
シリンダ取付板20の上面には一対のトラニオン軸受金具18、18が対向して、ねじによって固着されている。このトラニオン軸受金具18、18間には電動シリンダ14の前面に取り付けられる平面コ字状のトラニオン軸19がベアリング23を介在して軸支され、電動シリンダ14自体を傾動可能としている。これによって、弁体4の位置を上下方向に調整できることとなり、弁体4と供給用シュート3の円筒部3aとのクリアランス調整ができ、流動性の悪い粉粒体への適応も良好にできる。
【0029】
電動シリンダ14のシリンダシャフトはトラニオン軸19の前面を貫通して前方へ突出可能となっており、このシリンダシャフトの基部にはトラニオン軸19と当接して、そのシリンダシャフトの摺動を抑止するシリンダストッパー22が取り付けられている。このシリンダストッパー22の前面には二山ジョイント16が備えられている。
【0030】
前記した二山ジョイント16の先端にはシリンダアーム15の平板状をした基端がジョイントピン17によって枢支されている。ジョイントピン17の先端には止め輪17aが嵌め付けられ、抜けを防止している。シリンダアーム15はその先端を上方へ延設して開口縁をテーパ状とした円筒15aが側面に形成されており、この円筒15aにジョイントシャフト26が細径部26aによって隙間(遊び)を残して嵌装されている。
【0031】
また、図中25は基端をシリンダ取付板20にねじで固定された平板状のシリンダアーム固定板であり、このシリンダアーム固定板25はエルボ状に屈曲されて、その先端を上方へ延設し、ジョイントシャフト26と対応する位置に透孔25aが穿設されている。そして、この透孔25a内にジョイントシャフト26の先端が遊嵌されているもので、この遊嵌されたジョイントシャフト26の周域には透孔25a内で複数のベアリング27、27‥が設けられている。さらに、遊嵌されているジョイントシャフト26の先端面には固定ねじ21が取り付けられ、抜けやガタ付きを防止している。
【0032】
そして、ジョイントシャフト26の後端には第一の回転軸4cの連結部4eの受溝26bが形成され、この受溝26bに連結部4eが嵌合される。連結部4eは偏平に形成され、その一方側面に係合段部4fが形成されており、受溝26bには、この係合段部4fと合致される段部が形成された構成となっており、嵌合の方向性を誤る虞を防止している。
【0033】
本実施例に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は上記のように構成されている。ここで、その作用動作を説明すると、下ケーシング2の下面開口の下に電子秤を配置して粉粒体の収納容器をその電子秤上にセットする。この電子秤からの情報によって電動シリンダ14が作動するが、当初は収納容器内の粉粒体の重量はゼロであるので、電動シリンダ14はそのシリンダシャフトを前方へフルに突き出した状態となる。このシリンダシャフトの前方への突出で二山ジョイント16に枢支されたシリンダアーム15の基端も前方へ移動し、この移動によって円筒15aに嵌合されたジョイントシャフト26を回動させ、この回動力が第一の回転軸4cに伝達されて弁体4を全開状態とする。この状態で供給用シュート3の円筒部3aの上面開口から目的とする粉粒体の重量の大半が投入され、収納容器内へ供給される。弁体4の回動方向は、シリンダシャフトの出入によって規制される一方方向となる。
【0034】
この重量に応じて電子秤から電動シリンダ14へ情報が送られると、電動シリンダ14は徐々にシリンダシャフトを引き込み、弁体4、それも円弧板4aを回動させて供給用シュート3の円筒部3aの下方開口を閉じていき、粉粒体の落下流通路を制限していき、目的の重量に到達するとその制限は全閉となり、粉粒体の供給は停止される。このシリンダアーム15の動きはシリンダアーム固定板25の透孔25aや円筒15aの遊びによって吸収され、スムーズなものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本実施例に係る粉粒体の計量フィーダにおける弁装置は上記のように構成され、作用する。この弁装置は目的の重量を計量して粉粒体を収納容器に供給するものであるが、ロードセルを用いることで、目的とする重量を減算する作業にも応用実施することができる。
【0036】
また、弁体4の側板4b、4bは図に示すように平行状態ではなく、下方の間隔を狭くした構成としたり、円弧板4aの裏面四隅から角錐状、円錐状として構成したり、また、円錐板の裏面四隅から支持ポールを回転軸に対して取り付けることもできる。この場合、支持ポールの先端はリングとして回転軸に嵌め付けることが望ましい。
【0037】
さらに、この弁装置は対象を粉粒体に限らず、粘性のないものならば液体にも対応することができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1 上ケーシング
1a 円筒部
1b 下フランジ
1c 上フランジ
1d 軸抑え部
1e 切り欠き
2 下ケーシング
2a 円筒体
2b フランジ
2c 突片
2d 軸置き部
3 供給用シュート
3a 円筒部
3b フランジ
3c 切り欠き
3d 打ち込みピン
4 弁体
4a 弧状板
4b 側板
4c 第一の回転軸
4d 第二の回転軸
4e 連結部
4f 係合段部
5 シールリング
6 オイルシール
7 軸受
8 Oリング
9 Oリング
10 ひもパッキン
11 ストッパープレート
11a ねじ
12 ヒンジボルト
13 ハンドルボルト
14 電動シリンダ
15 シリンダアーム
15a 円筒
16 二山ジョイント
17 ジョイントピン
17a 止め輪
18 トラニオン軸受金具
19 トラニオン軸
20 シリンダ取付板
21 固定ねじ
22 シリンダシャフトストッパー
23 ベアリング
24 ベアリング
25 シリンダアーム固定板
25a 透孔
26 ジョイントシャフト
26a 細径部
26b 受溝
27 ベアリング
28 シリンダベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9