(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6602309
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】安定性を増大させるためのロータモーメントのフィードバック
(51)【国際特許分類】
B64C 19/00 20060101AFI20191028BHJP
B64C 27/32 20060101ALI20191028BHJP
B64C 27/57 20060101ALI20191028BHJP
B64D 45/00 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
B64C19/00
B64C27/32
B64C27/57
B64D45/00 A
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-547864(P2016-547864)
(86)(22)【出願日】2015年1月19日
(65)【公表番号】特表2017-503710(P2017-503710A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】US2015011906
(87)【国際公開番号】WO2015156879
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2018年1月9日
(31)【優先権主張番号】14/159,600
(32)【優先日】2014年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597102912
【氏名又は名称】シコルスキー エアクラフト コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】SIKORSKY AIRCRAFT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】エラー,エレズ
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ,オーレ
【審査官】
志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−016896(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0017048(US,A1)
【文献】
米国特許第05163011(US,A)
【文献】
特許第2878229(JP,B2)
【文献】
特表2008−545580(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/152767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 19/00
B64C 27/32
B64C 27/57
B64D 45/00
G05D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の少なくとも1つのロータの少なくとも1つのブレードに関連する少なくとも1つのブレード曲げ測定値を該少なくとも1つのブレードに取り付けられたセンサから取得し、
プロセッサを有するデバイスにより、少なくとも1つの測定値を処理してモーメントデータを取得し、
慣性測定ユニット(IMU)からデータを取得し、
デバイスにより、モーメントデータおよびIMUからのデータを処理して、航空機を安定化させるように構成されたコマンドを生成する、
ことを備え、
前記IMUから取得したデータは、航空機のピッチおよび角速度の少なくとも一方に関係し、
前記コマンドは、基準入力に基づくとともに、前記基準入力は、航空機のパイロットにより提供される少なくとも1つの入力に基づくことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つの測定値は、複数の測定値を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の測定値の第1が第1ブレードに関連し、複数の測定値の第2が第2ブレードに関連することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
航空機は、複数のロータを有し、第1ブレードが第1ロータに関連し、第2ブレードが第2ロータに関連することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
複数の測定値を平均化して、モーメントデータを取得することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
ブレードを設けた少なくとも1つのロータを有する回転翼航空機に使用する装置であって、この装置は、
少なくとも1つのプロセッサと、
内部に格納した命令を有するメモリと、
を備え、命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行したときに、装置に、
少なくとも1つのブレードに取り付けられた少なくとも1つのセンサによりブレード曲げ測定値を取得させ、
測定値を処理してモーメントデータを取得させ、
慣性測定ユニット(IMU)からデータを取得させ、
モーメントデータおよびIMUからのデータを処理して、航空機を安定化させるように構成されたコマンドを生成させる、
ことを備え、
前記IMUから取得したデータは、回転航空機のピッチおよび角速度の少なくとも一方に関係し、
前記コマンドは、基準入力に基づくとともに、前記基準入力は、回転翼航空機のパイロットにより提供される少なくとも1つの入力に基づくことを特徴とする装置。
【請求項7】
測定値の第1は、第1ブレードに関連し、測定値の第2は、第2ブレードに関連することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
回転翼航空機は、複数のロータを有し、第1ブレードが第1ロータに関連し、第2ブレードが第2ロータに関連することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
測定値を平均化して、モーメントデータを取得することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
第1の複数のブレードに関連する第1ロータと、
第2の複数のブレードに関連する第2ロータと、
制御コンピュータと、
を備え、この制御コンピュータは、
第1の複数のブレードに関連する第1センサから第1ブレード曲げ測定値を取得し、
第2の複数のブレードに関連する第2センサから第2ブレード曲げ測定値を取得し、
第1ブレード曲げ測定値および第2曲げ測定値を処理して回転翼航空機用のピッチモーメントを取得し、
ピッチモーメントに基づいて回転翼航空機を安定化させるように構成されたコマンドを生成する、
ように構成されることを特徴とする回転翼航空機。
【請求項11】
制御コンピュータは、慣性測定ユニット(IMU)から取得したデータを処理するように構成され、
コマンドは、処理されたデータに基づくことを特徴とする請求項10に記載の回転翼航空機。
【請求項12】
さらに、第1ブレード曲げ測定値および第2ブレード曲げ測定値を制御コンピュータに移送するように構成されたスリップリングを備えることを特徴とする請求項10に記載の回転翼航空機。
【請求項13】
制御コンピュータは、ピッチモーメントを取得する際に第1ブレード曲げ測定値および第2ブレード曲げ測定値を平均化するように構成されることを特徴とする請求項10に記載の回転翼航空機。
【請求項14】
制御コンピュータは、
第1の複数のブレードに関連する第3センサから第3ブレード曲げ測定値を取得し、
ピッチモーメントを取得する際に第3ブレード曲げ測定値を処理する、
ように構成されることを特徴とする請求項10に記載の回転翼航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の安定化に関連する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高速の垂直離着陸(vertical takeoff and landing)(VTOL)航空機に見られる堅い無関節ロータは、例えばピッチモーメント対迎え角の観点から比較的不安定である。この不安定性に対抗する復元力を形成するために、比較的大きな水平スタビライザを必要とすることがある。大きなスタビライザ荷重に反作用するテールコーンおよびロータにおける重量のペナルティに加え、典型的には、スタビライザ自体が、重量のペナルティに関連する。さらに、大きなスタビライザで重心(center of gravity)(CG)が後方に押しやられることに加え、抗力がペナルティとなることがある。
【0003】
従来の制御システムは、角航空機速度フィードバック(angular aircraft rate feedback)を検出して安定性を増大させる安定性増大システム(stability augmentation system)(SAS)を使用している。他の例では、角加速度フィードバックが安定性を向上させるために使用されていた。角速度の微分は、大きなノイズを内包する加速度信号を提供する。フィルタリングは加速度信号の信号対ノイズ比(signal−to−noise ratio)(SNR)を向上させ、有益なものとするが、航空機の安定性を向上させるための加速度フィードバックの有効性には限度がありうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施例は、航空機の少なくとも1つのロータの少なくとも1つのブレードに関連する少なくとも1つのブレード曲げ測定値を取得し、プロセッサを有するデバイスにより、少なくとも1つの測定値を処理してモーメントデータを取得し、慣性測定ユニット(inertial measurement unit)(IMU)からデータを取得し、デバイスにより、モーメントデータおよびIMUからのデータを処理して、航空機を安定化させるように構成されたコマンドを生成する、ことを含む方法に向けられている。
【0005】
実施例は、ブレードを設けた少なくとも1つのロータ有する回転翼航空機に使用する装置に向けられており、この装置は、少なくとも1つのプロセッサと、内部に格納した命令を有するメモリと、を備え、命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行したときに、装置に、ブレードに関連するブレード曲げ測定値を取得させ、測定値を処理してモーメントデータを取得させ、慣性測定ユニット(IMU)からデータを取得させ、モーメントデータおよびIMUからのデータを処理して、回転翼航空機を安定化させるように構成されたコマンドを生成させる。
【0006】
実施例は、回転翼航空機に向けられており、この回転翼航空機は、第1の複数のブレードに関連する第1ロータと、第2の複数のブレードに関連する第2ロータと、制御コンピュータと、を備え、この制御コンピュータは、第1の複数のブレードに関連する第1センサから第1ブレード曲げ測定値を取得し、第2の複数のブレードに関連する第2センサから第2ブレード曲げ測定値を取得し、第1ブレード曲げ測定値および第2ブレード曲げ測定値を処理して回転翼航空機用のピッチモーメントを取得し、ピッチモーメントに基づいて回転翼航空機を安定化させるように構成されたコマンドを生成する、ように構成される。
【0007】
追加の実施例について後述する。
【0008】
本開示は、例として示すものであり、添付の図に限定されるものではなく、図中、同様な参照番号は同様な部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】例示的な航空機の全体的な透視側面図である。
【
図1B】例示的なコンピューティングシステムを示す概略的なブロック図である。
【
図1C】例示的なシステム環境の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
なお、部材間の種々の結合部について、以下の説明および図面(その内容は、参照することにより本開示に包含される)に示してある。これらの結合部は、特に明記しない限り、全体的に、直接または間接的に、本明細書がこの点に限定することを意図するものでないことに、注意されたい。この点に関し、エンティティ間の連結は、直接または間接的な結合部を指すことができる。
【0011】
装置、システム、および、方法の例示的な実施例は、信号対ノイズ比(SNR)の高い航空機加速度フィードバック信号を提供する。信号は、ロータブレードの曲げに基づくことができる。
【0012】
図1Aは、ヘリコプタ10の全体的な透視図を示す。ヘリコプタ10は、主回転翼アセンブリ12と尾部回転翼アセンブリ14とを有する。ここに開示の実施例では、特にヘリコプタ形態を図示および説明するが、他の形態および/または機械も本開示との関係で使用することができる。
【0013】
図1Bを参照すると、例示的なコンピューティングシステム100を示してある。コンピューティングシステム100は、航空機10の飛行制御系統の一部とすることができる。システム100は、メモリ102を包含するものとして示してある。メモリ102は、実行可能命令を格納することができる。実行可能命令は、例えば、1つまたは複数のアプリケーション、プロセス、ルーチン、手続き、プロシージャ、方法等との関係で、任意の態様および任意の抽象化レベルで格納または統合(organize)することができる。例として、命令の少なくとも一部が、第1プログラム104aおよび第2プログラム104bと関連付けられた
図1Bに示してある。
【0014】
メモリ102内に格納した命令は、プロセッサ106等の1つまたは複数のプロセッサで実行することができる。プロセッサ106は、1つまたは複数の入出力(I/O)装置108に連結することができる。いくつかの実施例では、1つまたは複数のI/O装置108は、1つまたは複数のキーボードまたはキーパッド、タッチスクリーンまたはタッチパネル、表示画面、マイクロフォン、スピーカ、マウス、ボタン、リモコン装置、操縦桿、ジョイスティック、プリンタ、電話機またはモバイル機器(例えばスマートホン)等を含むことができる。1つまたは複数のI/O装置108は、ユーザがシステム100と対話可能なインターフェースを提供するように構成することができる。
【0015】
図示のように、プロセッサ106は、番号「n」のデータベース110−1、110−2、・・・110−nに連結することができる。データベース110は、1つまたは複数のセンサ(例えば歪ゲージ)から取得したデータ等のデータの格納に使用することができる。いくつかの実施例では、データは、航空機(例えば航空機10)のブレードに関連する1つまたは複数のパラメータに属することができる。
【0016】
システム100は説明のためのものである。いくつかの実施例では、1つまたは複数のエンティティは取捨選択することができる。いくつかの実施例では、図示しない追加のエンティティを包含することができる。いくつかの実施例では、エンティティは、
図1Bに示すものとは異なる態様で配置または統合することができる。例えば、いくつかの実施例では、メモリ102は、1つまたは複数のデータベース110に連結または組合わせることができる。
【0017】
図1Cを参照すると、1つまたは複数の実施例にしたがうシステム150の概略的なブロック図を示してある。システム150は、
図1Cに示すように、デュアルロータ152のヘリコプタ等の1つまたは複数のタイプの航空機に実現することができる。
【0018】
システム150は、1つまたは複数のセンサ154を有することができる。いくつかの実施例では、センサ154は、歪ゲージを含むことができる。センサ154は、航空機のブレード156上に、または、関連して実現することができる。
図1Cの実施例では、1つのセンサ154がブレード156毎に設けてある。いくつかの実施例では、より多くまたは少ない1つのセンサ154が、所定のブレード156に関連することができる。
【0019】
センサ154は、ロータブレードの貫層方向(垂直(normal))の曲げモーメントを検出する構成とすることができる。曲げモーメント信号は、1つまたは複数のロータ152から、データ移送系統160を介して1つまたは複数の飛行制御コンピュータ(flight control computer)(FCC)158に移送することができる。いくつかの実施例では、データ移送系統160は、スリップリング(例えば光学スリップリング)を有することができる。FCC158は、センサ154からおよび/または慣性測定ユニット(IMU)162からのデータを処理することができる。いくつかの実施例では、FCC158は、フライバイワイヤアーキテクチャまたは形態で設けることができる。
【0020】
IMU162に関連するデータは、航空機のピッチまたは角速度に関連することができる。ピッチ/角速度に基づいて、加速度等の1つまたは複数のパラメータを導き出すことができる。IMU162に関連するデータは、一般的にノイズを受けることがある。センサ154から取得するブレードの曲げ信号を使用することは、このようなノイズの観点から、IMU162に関連するデータの補完的使用が行われていた。さらに、IMU162に関連するデータの使用は、少なくとも、飛行の安定性または品質に対するパイロットの知覚が、センサ154/ロータに比較して航空機のIMU162/胴体に、より直接的に関係することができる限り、本質的なパイロット経験を提供する支援をなすことができる。
【0021】
センサ154から取得した生のブレード垂直曲げ信号は、1つまたは複数のロータ152の回転と共に周期的に変化することができる。
図2を参照すると、1つまたは複数のハーモニックエスティメータ(harmonic estimator)202(
図2の実施例では、第1のものに202aを付し、第2のものに202bを付してある)を使用して、ピッチモーメント(204a,204b)(例えば、1/回転ピッチモーメント)およびスラスト(206a,206b)を、所定のブレード曲げ信号(208a,208b)から引き出すことができる。複数のセンサ154を使用する場合は、信号を重み付けおよび/または平均化210することができる。例えば、ブレード曲げ信号208aは、上側ロータのブレードに関連させ、ブレード曲げ信号208bは、下側ロータのブレードに関連させることができる。ピッチモーメント204(「M」)は、質量慣性モーメント(「I」)とピッチ加速度(「α」)の積として計算することができる。この点に関して、ピッチモーメント「M」(204)が、ハーモニックエスティメータ202で実行されるハーモニック分析に基づいて取得される場合、および、質量慣性モーメント「I」が推定される場合に、ピッチ加速度「α」を計算することができる。
【0022】
1つまたは複数のハーモニックエスティメータ202a,202bに関連して1つまたは複数の利得が存在することができ、これらの利得は、良好な信号対ノイズ比(SNR)および数値安定性を取得するために調整することができる。
【0023】
図2に示すように、1つまたは複数のピッチモーメント(204a,204b)(または、その平均210)は、負荷認識制御法則(loads aware control laws)220に対する入力として作用することができる。制御法則220は、1つまたは複数のフィードバック制御(
図2に72のラベル付き)を、潜在的に1つまたは複数のパラメータ(例えば、角速度、姿勢、機首方向、加速度等)に対して提供するように構成することができる。フィードバック制御72は、1つまたは複数のパイロットコマンドから派生する1つまたは複数の基準入力に対して、潜在的に航空機の安定性を提供することを目指す。
【0024】
図2に示す制御法則220は、米国特許番号7,970,498から引用したものであり、そのため、制御法則220(および、そこに示したエンティティ62,64,66,68,70,72,74,76,77)の完全な(再)説明は、簡略化するために省略する。米国特許番号7,970,498は、参照することにより、ここに包含される。
【0025】
いくつかの実施例では、制御法則220は、FCC158との関係で実現することができる。FCC158は、センサ154および/またはIMU162からのデータを処理し、安定制御を提供することができる。いくつかの実施例では、IMU162に関する信号またはデータは、低周波数成分に関連し、一方、センサ154からの信号は、高周波数成分に関連することができる。
【0026】
ここで
図3に移ると、例示的な方法300の流れ図を示してある。方法300は、ここに記載のもののような(例えばシステム100および/またはFCC158)等の1つまたは複数のシステム、部材またはデバイスにより実行することができる。方法300は、1つまたは複数の制御信号またはフィードバックを提供し、航空機の安定性を取得するために使用することができる。
【0027】
ブロック302では、ブレードの曲げを測定することができる。例えば、ブレードの曲げは、センサ154で測定することができる。
【0028】
ブロック304では、ブレード曲げ測定値は、機体にもたらすことができる。例えば、ブレード曲げ測定値は、データ移送システム160を介してFCC158に提供することができる。
【0029】
ブロック306では、ブレード曲げ測定値は、ハブモーメントを取得するために処理することができる。
【0030】
ブロック308では、ピッチまたは速度データは、IMU162から取得することができる。
【0031】
ブロック310では、ハブモーメント(ブロック306)およびIMUデータ(ブロック308)を処理して、航空機を安定化させるコマンドまたは指令を生成することができる。
【0032】
方法300は例示である。いくつかの実施例では、1つまたは複数のブロックまたは操作(またはその一部)は取捨選択できる。いくつかの実施例では、図示しない1つまたは複数の追加ブロックまたは操作を包含することができる。いくつかの実施例では、ブロックまたは操作は、
図3に示すものとは異なる順序またはシーケンスで実行することができる。
【0033】
ここに説明したように、本開示の実施例は、X2 TECHNOLOGY(商標)ヘリコプタ、および、X2 TECHNOLOGY(商標)の特徴を使用する統合多用途(Joint Multi−Role)航空機を含む無関節ロータヘリコプタ等の1つまたは複数のタイプの航空機との関係で使用することができる。
【0034】
本開示の態様は、適切な外乱除去を維持しつつ、従来設計に対して水平スタビライザのサイズを大きく減少させるために使用することができる。このサイズの減少は、例えば、S−97 RAIDER(商標)ヘリコプタにおける大幅な重量減少に対応することができる。負荷の減少により、テールコーン構造およびロータにおける追加節減を実現することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、安定性と水平テール領域(horizontal tail area)(HTA)間のトレードオフを行うことができる。例えば、加速度制御の利得(gain)とHTAの組み合わせを、1つまたは複数の基準に基づいて選択することができる。いくつかの実施例では、ロータのスラストをさらに安定性を改善するために用いることができる。
【0036】
ここに記載のように、いくつかの実施例では、種々の機能または動作を所定の位置で、および/または、1つまたは複数の装置、システムまたはデバイスの操作との関係で行うことができる。例えば、いくつかの実施例では、所定の機能または動作の一部を第1のデバイスまたは位置で実行し、機能または動作の残部を1つまたは複数の追加のデバイスまたは位置で実行することができる。
【0037】
実施例は、1つまたは複数の技術を使用して実現することができる。いくつかの実施例では、装置またはシステムは、1つまたは複数のプロセッサ、および、1つまたは複数のプロセッサで実行したときに、装置またはシステムに、ここに記載のような1つまたは複数の方法論的動作を実行させる命令を格納するメモリを有することができる。いくつかの実施例に、当業者に既知の種々の機械的部材を用いることができる。
【0038】
実施例は、1つまたは複数の装置、システムおよび/または方法で実現することができる。いくつかの実施例では、命令は、一過性または持続性のコンピュータで読取り可能な媒体等の1つまたは複数のコンピュータ読取可能な媒体に格納することができる。命令は、実行したときに、エンティティ(例えば装置またはシステム)に、ここに記載の1つまたは複数の方法論的動作を実行させることができる。
【0039】
本開示の態様について、その例示的の実施例に関して説明してきた。本説明を再検討することで、当業者であれば、添付の請求の範囲の精神および範囲内における種々の他の実施例、変形および変更することができる。例えば、当業者であれば、例示的な図面と共に、記載されたステップを説明した順序以外で実行することができ、例示した1つまたは複数のステップが取捨選択できることが認められる。