【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ベンチレーション付きポロシャツは、通気性は改善されている(文献1における主張)けれども、Tシャツやポロシャツ自体が直射日光にさらされるため熱を持ち、肩口など熱を持った部分に肌が触れることで、より強い暑さを感じやすい点、また、紫外線が強いと、Tシャツやポロシャツの生地を透過しやすく、結局、Tシャツやポロシャツで覆われている部分も日焼けをしてしまう点、など、Tシャツやポロシャツの従来からある根本的な課題が依然として解消できていない。
【0007】
このため、長袖の衣類を着るなどして肌の露出を抑えることで日焼けを防いだり、重ね着をすることで直射日光による肌へのダメージを和らげたり、薄い生地あるいはレース状の生地から作られた、ゆったりとした衣類を着用することで衣類の中の空気の流れを起こし、温度が上昇した空気を衣類の外へ出す、という工夫が日常的に行われている。
【0008】
しかし、長袖の衣類を着用若しくは複数枚の衣類を重ね着すると、日焼けを防ぐことができる代わりに衣類内の空気の温度が上昇し暑さを感じやすく、薄い生地あるいはレース状の生地から作られた衣類を着用すると、衣類の中が透けて見えるため着用することがためらわれる。
【0009】
また、開口部とメッシュ部は後ろ見頃の襟部分と袖部分のみに設けられているため、衣類内部の空気の流れは、着用者の背中側でのみ生じ、衣類内部全体での空気の流れは生じないため、例えば前身頃部分に含まれている空気の流れは生じにくく、着用者は暑さを感じてしまう。
【0010】
本発明は、以上の点を鑑みて発明されたものであり、衣類に用いられる生地体を、換気をしやすい形状に形成することで、衣類の表面及び内部に空気の流れを生じさせ、かつ複数の布を重ね合わせて取り付けることで直射日光による肌へのダメージをやわらげる生地体、この生地体を用いた衣類、その製造方法及びこの生地体を用いた構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の通風体が設けられた生地体は、柔軟性を有し、1または複数の開口部が形成された基布と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、前記基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、該中空部は同開口部及び前記通気口と連通した通風体とを備える。
【0012】
ここで、柔軟性を有する基布と、柔軟性を有する通風体とによって、風を生地内に取り込みやすくなり、生地体内の空気に流れが生じやすくなる。
【0013】
また、1または複数の開口部が形成された基布によって、空気が開口部から出入りしやすくなるので、空気の流れが妨げられにくくなる。
【0014】
また、複数の互いに連通した通気口を有する通風体によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出することができる。
【0015】
さらに、基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられる通風体によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出するだけでなく、開口部からも放出することができるので、スムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0016】
内部に中空部を形成する通風体によって、通風体内に空気を取り込みやすくなる。
【0017】
中空部が開口部及び通気口と連通した通風体によって、一方の通気口から通風体の中空部に取り込まれた空気は開口部及び他方の通気口から放出されるので、更にスムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0018】
前記通風体を複数有し、同複数の通風体が、互いに前記複数の通気口のいずれか一つが設けられている側の一部を他の通風体のいずれか一つの通気口に通気が可能な隙間を以て差し込むように配置されて通風路が設けられた場合には、通風体内に取り込まれた空気が通風路を通り抜けることで、よりスムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0019】
前記通風路が複数並設された場合には、通風体内に取り込まれた空気が複数の通風路を通り抜けることで、さらにスムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0020】
また、開口部がメッシュ素材で覆われた場合には、開口部から流入する空気の勢いをやわらげると共に、肌が露出するのを防ぐことができる。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の通風体が設けられた生地体を用いた衣類は、柔軟性を有し、1または複数の開口部が形成された基布と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、前記基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、該中空部は同開口部及び前記通気口と連通した通風体とを有する生地体を、構成部の全部または一部に備える。
【0022】
ここで、柔軟性を有する基布と、柔軟性を有する通風体とによって、風を衣類内に取り込みやすくなり、衣類内の空気に流れが生じやすくなる。
【0023】
また、1または複数の開口部が形成された基布によって、空気が開口部から出入りしやすくなるので、衣類内の空気の流れが妨げられにくくなる。
【0024】
複数の互いに連通した通気口を有する通風体によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出することができる。
【0025】
基布の一部であり開口部を含む領域を被覆するように取り付けられる通風体によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出するだけでなく、開口部からも放出することができるので、スムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0026】
内部に中空部を形成する通風体によって、通風体内に空気を取り込みやすくなる。
【0027】
中空部が開口部及び通気口と連通した通風体によって、一方の通気口から通風体の中空部に取り込まれた空気は開口部及び他方の通気口から放出されるので、更にスムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0028】
柔軟性を有し、1または複数の開口部が形成された基布と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、基布の一部であり開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、中空部は開口部及び通気口と連通した通風体とを有する生地体を、衣類の全部に備えることによって、周囲から流入する風を衣類内部に取り込むことができ、衣類内の空気の流れを創り出すことができる。
【0029】
柔軟性を有し、1または複数の開口部が形成された基布と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、基布の一部であり開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、中空部は開口部及び通気口と連通した通風体とを有する生地体を、衣類の一部に備えることによって、衣類の一部分からの空気の流入であっても、風を衣類内部に取り込むことができるので、充分に衣類内の空気の流れを創り出すことができる。
【0030】
また、上記課題を解決するために、本発明の通風体が設けられた生地体を用いた衣類の製造方法は、柔軟性を有し、衣類を構成する基布に1または複数の開口部を設ける工程と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、前記基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、該中空部は同開口部及び前記通気口と連通した通風体を設ける工程とを備える。
【0031】
ここで、柔軟性を有する基布と、柔軟性を有する通風体とによって、風を衣類内に取り込みやすくなり、衣類内の空気に流れが生じやすくなる。
【0032】
また、衣類を構成する基布に1または複数の開口部を設ける工程によって、空気が開口部から出入りしやすくなるので、衣類内の空気の流れが妨げられにくくなる。
【0033】
複数の互いに連通した通気口を有する通風体を設ける工程によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出することができる。
【0034】
基布の一部であり開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成する通風体を設ける工程によって、通風体内に空気を取り込みやすくなる。
【0035】
中空部が開口部及び通気口と連通した通風体を設ける工程によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出するだけでなく、開口部からも放出することができるので、スムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0036】
また、上記課題を解決するために、本発明の通風体が設けられた生地体を用いた衣類の製造方法は、柔軟性を有し、1または複数の開口部が設けられた基布と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、前記基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、該中空部は同開口部及び前記通気口と連通した通風体とを有する生地体を形成する工程と、前記生地体を裁断する工程と、前記裁断された生地体を縫い合わせて衣類を形成する工程とを備える。
【0037】
ここで、柔軟性を有する基布と、柔軟性を有する通風体とによって、風を衣類内に取り込みやすくなり、衣類内の空気に流れが生じやすくなる。
【0038】
また、1または複数の開口部が設けられた基布と、複数の互いに連通した通気口を有し、基布の一部であり開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、該中空部は同開口部及び前記通気口と連通した通風体とを有する生地体を形成する工程によって、風を衣類内に取り込みやすくなり、衣類内の空気に流れが生じやすくなる。
【0039】
生地体を裁断し、裁断された生地体を縫い合わせる工程によって、様々なサイズやデザインの衣類を製造することができる。
【0040】
また、上記課題を解決するために、本発明の通風体が設けられた生地体を用いた構造体は、柔軟性を有し、1または複数の開口部が形成された基布と、柔軟性を有し、複数の互いに連通した通気口を有し、前記基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられて内部に中空部を形成すると共に、該中空部は同開口部及び前記通気口と連通した通風体とを有する生地体を、構成部の全部または一部に備える。
【0041】
ここで、柔軟性を有する基布と、柔軟性を有する通風体とによって、風を構造体内に取り込みやすくなり、構造体内の空気に流れが生じやすくなる。
【0042】
また、1または複数の開口部が形成された基布によって、空気が開口部から出入りしやすくなるので、構造体内の空気の流れが妨げられにくくなる。
【0043】
複数の互いに連通した通気口を有する通風体によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出することができる。
【0044】
基布の一部であり前記開口部を含む領域を被覆するように取り付けられる通風体によって、一方の通気口から通風体内に取り込まれた空気を他方の通気口から放出するだけでなく、開口部からも放出することができるので、スムーズな空気の流れを創り出すことができる。
【0045】
内部に中空部を形成する通風体によって、通風体内に空気を取り込みやすくなる。
【0046】
中空部が同開口部及び前記通気口と連通した通風体によって、一方の通気口から通風体の中空部に取り込まれた空気は開口部及び他方の通気口から放出されるので、更にスムーズな空気の流れを創り出すことができる。