(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる内視鏡リプロセッサ1の概略構成を説明する説明図である。
図1において、接続管路は実線で表され、電気配線は破線で表される。
図1において、後述する切替部51に接続される電気配線以外の電気配線は、省略する。
【0012】
図1に示すように、内視鏡リプロセッサ1は、処理槽11と、再生処理部21と、内視鏡情報読み取り部であるタグリーダ31と、通電部41と、切替部51とを有して構成される。
【0013】
処理槽11は、桶状に形成され、内部に1又は複数の、後述する内視鏡情報を収めた内視鏡情報源を含む内視鏡Eを配置でき、液体を貯留できるように構成される。処理槽11は、蓋12と、開閉検知部13と、薬液導入口14と、排液口15と、循環口16と、循環ノズル17と、コネクタ18と、付属品ケース19と、処理槽温度測定部Mとを有して構成される。
【0014】
蓋12は、処理槽11を覆うように、処理槽11に対して開閉自在に構成される。
【0015】
開閉検知部13は、例えば、センサまたはスイッチ等により、蓋12の開閉を検知できるように構成される。開閉検知部13は、後述する切替部51に接続され、蓋12の開閉状態の情報を切替部51に送信可能である。
【0016】
薬液導入口14は後述する薬液導入部22に接続され、排液口15は後述する排液部23に接続され、循環口16と循環ノズル17は後述する送気送液部24に接続される。
【0017】
コネクタ18は、
図1の2点鎖線で示すように、接続チューブCを介し、内視鏡Eに接続される。
【0018】
付属品ケース19は、内視鏡Eの付属品Aを収容可能であり、処理槽11に貯留された液体によって付属品Aに対しても再生処理ができるように、メッシュ網19aを有して構成される。付属品ケース19は、後述する流路切替弁24aに接続される。
【0019】
処理槽温度測定部Mは、後述する制御部25に接続され、処理槽11に貯留された液体の温度を測定可能である。
【0020】
再生処理部21は、処理槽11に配置された内視鏡Eを再生処理できるように構成される。再生処理部21は、薬液導入部22と、排液部23と、送気送液部24と、制御部25とを有して構成される。
【0021】
薬液導入部22は、処理槽11に薬液22aを供給可能に構成される。薬液導入部22は、薬液タンク22bと、薬液ポンプ22cとを有して構成される。
【0022】
薬液タンク22bは、薬液導入口14に接続される。薬液タンク22bは、薬液22aを貯留可能である。薬液タンク22bは、制御部25に接続される加温部22dを有して構成され、制御部25からの制御信号によって、薬液タンク22bの薬液22aを加温可能である。
【0023】
薬液ポンプ22cは、薬液タンク22bと薬液導入口14の間に配置される。薬液ポンプ22cは、制御部25と接続され、制御部25からの制御信号により、薬液導入口14を介し、薬液タンク22bの薬液22aを処理槽11に供給可能である。
【0024】
排液部23は、処理槽11に貯留された液体を排液可能に構成される。排液部23は、開閉弁23aと、三方弁23bとを有して構成される。
【0025】
開閉弁23aは、制御部25に接続され、制御部25の制御信号によって開閉可能な電磁弁によって構成される。開閉弁23aは、排液口15と、三方弁23bに接続される。開閉弁23aを開状態にすると、処理槽11に貯留された液体は、排液口15を介し、三方弁23b方向へ排液される。
【0026】
三方弁23bは、制御部25に接続され、制御部25の制御信号により、排液口15と薬液タンク22bが連通する状態と、排液口15と外部排液手段23cが連通する状態とを、切替可能な電磁弁によって構成される。排液口15と薬液タンク22bが連通するとき、処理槽11の液体は薬液タンク22bに排液される。一方、排液口15と外部排液手段23cが連通するとき、処理槽11の液体は外部排液手段23cに排液される。
【0027】
送気送液部24は、水導入弁24bと、給水切替弁24cと、循環ポンプ24dと、流路切替弁24aと、送液ポンプ24eと、エアコンプレッサ24fと、を有して構成される。水導入弁24bは、外部水道栓24gに接続される。
【0028】
水導入弁24bは、制御部25に接続され、制御部25の制御信号により、開閉可能な電磁弁によって構成される。水導入弁24bは、給水切替弁24cに接続される。水導入弁24bを開状態にすると、外部水道栓24gから給水切替弁24c方向へ水が供給される。
【0029】
給水切替弁24cは、制御部25に接続され、制御部25の制御信号により、循環ノズル17と循環口16が連通する状態と、循環ノズル17と水導入弁24bが連通する状態とを、選択的に切替可能な電磁弁によって構成される。循環ノズル17と循環口16が連通すると、後述する循環ポンプ24dにより、処理槽11の液体を循環させることが可能である。循環ノズル17と水導入弁24bが連通すると、外部水道栓24gから供給される水は、循環ノズル17を介し、処理槽11に供給される。
【0030】
循環ポンプ24dは、給水切替弁24cと循環口16の間に配置される。循環ポンプ24dは、制御部25と接続され、制御部25からの制御信号により、循環口16から処理槽11の液体を取り込み、循環ノズル17を介して液体を処理槽11に戻すことにより、処理槽11の液体を循環させることが可能である。
【0031】
流路切替弁24aは、制御部25に接続され、制御部25の制御信号により、付属品ケース19、送液ポンプ24e及びエアコンプレッサ24fが連通する状態と、コネクタ18、送液ポンプ24e及びエアコンプレッサ24fが連通する状態とを、選択的に切替可能な電磁弁によって構成される。付属品ケース19、送液ポンプ24e及びエアコンプレッサ24fが連通すると、付属品ケース19に対して送気送液が可能になる。一方、コネクタ18、送液ポンプ24e及びエアコンプレッサ24fが連通すると、コネクタ18を介して内視鏡Eに送気送液が可能になる。
【0032】
送液ポンプ24eは、流路切替弁24aと循環口16の間に配置される。流路切替弁24aは、制御部25と接続され、制御部25からの制御信号により、循環口16から処理槽11の液体を取り込み、付属品ケース19または内視鏡Eに対し、液体を供給可能である。
【0033】
エアコンプレッサ24fは、流路切替弁24aに接続され、また、大気に接続される。エアコンプレッサ24fは、制御部25と接続され、制御部25からの制御信号により、大気を取り込み、付属品ケース19または内視鏡Eに対し、空気を供給可能である。
【0034】
制御部25は、中央処理装置(以下「CPU」という)25aと、ROM25bと、RAM25cとを有して構成される。
【0035】
CPU25aは、ROM25bとRAM25cに記憶された各種プログラムを読み込み、実行可能である。
【0036】
ROM25bは、内視鏡Eの再生処理に関する各種プログラムが記憶される。
【0037】
制御部25の機能は、CPU25aがROM25bに格納された各種プログラムを実行することによって実現される。
【0038】
内視鏡情報読み取り部であるタグリーダ31は、後述する内視鏡情報源である無線タグGから内視鏡情報を読み取りできるように、近距離通信が可能であるRFID(Radio Frequency Identification)リーダによって構成される。タグリーダ31は、送信部32と、受信部33と、アンテナ34とを有して構成される。
【0039】
送信部32は、アンテナ34を介し、内視鏡Eに紐S等によって取り付けられた無線タグGに対し、エネルギー波である電磁波を送信する回路である。
【0040】
受信部33は、アンテナ34を介し、内視鏡情報源から送られてきた情報を受信する回路である。ここでいう内視鏡情報源から送られてきた情報とは、内視鏡情報源から自発的に発せられる信号であっても、前記送信部が送ったエネルギー波が内視鏡情報源に到達し内視鏡情報源から返される反射波であってもいずれであってもよい。本実施例では受信部33は内視鏡情報源である無線タグGから送信される反射波を受信する回路である。
【0041】
内視鏡情報源である無線タグGには、型式またはシリアル番号等の識別情報を含んで構成される内視鏡情報が記憶される。タグリーダ31から電磁波が受信されると、無線タグGは、内視鏡情報含む反射波をタグリーダ31に送信する。
【0042】
反射波は、内視鏡情報を含む電磁波によって構成される。反射波は、タグリーダ31から送信される電磁波に対し、無線タグGが内視鏡情報を付加して反射させるものを含み、また、タグリーダ31から送信される電磁波を受け、無線タグGが内視鏡情報を含む応答用信号を生成し、応答用信号を応答波として送信するものも含む。
【0043】
なお、タグリーダ31と無線タグGの通信方式は、例えば、電磁結合方式、電磁誘導方式または電波方式等の方式であり、これ以外の通信方式であっても構わない。
【0044】
通電部41は、スイッチを有して構成され、再生処理部21および内視鏡情報読み取り部への通電のオン/オフを切替可能である。通電部41は、再生処理部21と、内視鏡情報読み取り部とに接続され、さらに外部電源に接続される。通電部41は、外部電源から、再生処理部21と、内視鏡情報読み取り部とに対し、電力を供給可能であり、また、通電状態のオン/オフを切替可能である。
【0045】
切替部51は、内視鏡情報読み取り部の読取能力を切替可能な回路である。切替部51は、タイマ52を有して構成される。切替部51は、開閉検知部13と、内視鏡情報読み取り部と、制御部25とに接続される。
【0046】
切替部51は、通電部41とは別体であり、内視鏡情報読み取り部であるタグリーダ31の読取能力を、第1の読取能力、または、第1の読取能力よりも読取能力の高い第2の読取能力に、選択的に切替可能である。より具体的には、切替部51は、送信部32の送信出力を、第1の出力、または、第1の出力よりも高い第2の出力に、選択的に切り替え可能である。
【0047】
また、切替部51は、受信部33の受信感度を第1の感度、または、第1の感度よりも高い第2の感度に、選択的に切り替え可能である。
【0048】
第1の読取能力は、無線タグGがタグリーダ31に近接しても、タグリーダ31が無線タグGに記憶された内視鏡情報を読み取ることができない程度の読取能力である。第1の読取能力は、送信部32の送信出力を第1の出力に切り替える、または、受信部33の受信感度を第1の感度としての0に切り替えることにより実現される。
【0049】
送信部32の送信出力は、送信部32がアンテナ34に対して供給する電力の出力である。送信部32の送信出力が第1の出力に切り替えられると、無線タグGがタグリーダ31に近接しても、無線タグGは、送信部32から送信される電磁波を受信することができない。これにより、無線タグGがタグリーダ31に近接しても、受信部33は、無線タグGに記憶された内視鏡情報を読み取らない。
【0050】
受信部33の受信感度が0に切り替えられたとき、無線タグGがタグリーダ31に近接しても、受信部33は無線タグGに記憶された内視鏡情報を読み取らない。
【0051】
第1の送信出力は、好ましくは0〜70mWであり、より好ましくは0〜50mWである。なお、第1の送信出力は、出力が0であることを含む。
【0052】
一方、第2の読取能力は、無線タグGがタグリーダ31に近接すると、タグリーダ31が無線タグGに記憶された内視鏡情報を読み取ることができる程度の読取能力である。第2の読取能力は、送信部32の送信出力を第2の出力に切り替えるか、または、受信部33の受信感度を第2の感度に切り替えることにより実現される。
【0053】
送信部32の送信出力が第2の出力に切り替えられるか、または受信部33の受信感度が第2の感度に切り替えられると、タグリーダ31に近接した無線タグGは、送信部32から送信される電磁波を受信し、タグリーダ31に反射波を送信する。受信部33は、反射波を受信し、反射波に含まれる内視鏡情報を抽出し、内視鏡情報を切替部51に送信する。
【0054】
第2の送信出力は、好ましくは1〜320mWであり、より好ましくは80〜320mWであり、更に好ましくは100〜300mWである。
【0055】
切替部51は、送信出力を、再生処理部21における再生処理が終了してから所定時間Tは第1の出力にし、所定時間T経過後に第2の出力にする。より具体的には、切替部51は、送信出力を、再生処理部21における再生処理が終了した後、開閉検知部13が蓋12の開放を検知してから所定時間Tは第1の出力にし、所定時間T経過後に第2の出力にする。
【0056】
または、切替部51は、受信感度を、再生処理部21における再生処理が終了してから所定時間Tは第1の感度にし、所定時間T経過後に第2の感度にする。より具体的には、切替部51は、受信感度を、再生処理部21における再生処理が終了した後、開閉検知部13が蓋12の開放を検知してから所定時間Tは第1の感度にし、所定時間T経過後に第2の感度にする。
【0057】
タイマ52は、再生処理部21における再生処理が終了してから所定時間T経過するまで駆動するように構成される。より具体的には、タイマ52は、再生処理部21において内視鏡Eの再生処理が終了した後、開閉検知部13が蓋12の開放を検知してから、所定時間T経過するまで駆動するように構成される。
【0058】
所定時間Tは、内視鏡Eの再生処理が終了した後、開閉検知部13が蓋12の開放を検知してから、全ての内視鏡Eを取り出し終わるまでの想定される時間に予め設定される。なお、所定時間Tは、図示しない操作部を介し、ユーザによって設定されても構わない。なお、所定時間Tは、全ての内視鏡Eを取り出し終わるまでの想定される時間に加えて、予備の時間を加えて設定されても構わない。
【0059】
これにより、内視鏡リプロセッサ1は、内視鏡Eを処理槽11にセットする際、タグリーダ31によって内視鏡Eの再生処理の履歴の記録が可能であり、内視鏡Eの処理が終了した後、処理後の内視鏡Eを取り出すために蓋12を開けてから全ての内視鏡Eを取り出すまでの所定時間Tだけ、タグリーダ31に無線タグGが近接してもタグリーダ31は無線タグGの内視鏡情報を読み取らない。そして、所定時間T経過後は、次回の内視鏡Eの再生処理の履歴の記録に備え、タグリーダ31は、近接した無線タグGの内視鏡情報を読み取れるようになる。
【0060】
上述の第1の実施形態によれば、内視鏡Eの再生処理終了後、所定時間Tだけタグリーダ31が無線タグGの内視鏡情報を読み取らなくなる。
【0061】
(第1の実施形態の変形例1)
上述の第1の実施形態では、内視鏡情報源は、無線タグGであり、内視鏡情報読み取り部は、無線タグGの内視鏡情報を読み取るタグリーダ31によって構成されるが、内視鏡情報源は、バーコード付タグGaであり、内視鏡情報読み取り部は、バーコード付タグGaのバーコードを読み取るバーコードリーダ31aであっても構わない。
【0062】
バーコードリーダ31aは、送信部32aと受信部33aを有し、送信部32aからエネルギー波である光をバーコードに照射し、バーコードから返ってきた光の反射波を受信部33aによって受信し、内視鏡情報を読み取り可能である。
【0063】
これにより、内視鏡リプロセッサ1は、内視鏡Eを処理槽11にセットする際、バーコードリーダ31aによって内視鏡Eの再生処理の履歴の記録が可能であり、内視鏡Eの処理が終了した後、処理後の内視鏡Eを取り出すために蓋12を開けてから全ての内視鏡Eを取り出すまでの所定時間Tだけ、バーコードリーダ31aにバーコード付タグGaが近接してもバーコードリーダ31aはバーコード付タグGaの内視鏡情報を読み取らない。そして、所定時間T経過後は、次回の内視鏡Eの再生処理の履歴の記録に備え、バーコードリーダ31aに近接したバーコード付タグGaの内視鏡情報を読み取れるようになる。
【0064】
この構成によれば、内視鏡Eの再生処理終了後、所定時間Tだけバーコードリーダ31aが無線タグGの内視鏡情報を読み取らなくなる。
【0065】
(第1の実施形態の変形例2)
上述の第1の実施形態の変形例2では、内視鏡情報源は、バーコード付タグGaであり、内視鏡情報読み取り部は、バーコードリーダ31aによって構成されるが、内視鏡情報源は、2次元バーコード付タグGbであり、内視鏡情報読み取り部は、2次元バーコードリーダ31bであっても構わない。
【0066】
2次元バーコードリーダ31bは、2次元バーコードを撮像可能な受信部33bを有し、2次元バーコードから返ってきた外部光源の反射波を受信部33bによって受信することによって2次元バーコードを撮像し、内視鏡情報を読み取り可能である。
【0067】
この構成によれば、内視鏡Eの再生処理終了後、所定時間Tだけ2次元バーコードリーダ31bが2次元バーコード付タグGbの内視鏡情報を読み取らなくなる。
【0068】
(第2の実施形態)
第1の実施形態、第1の実施形態の変形例1及び第1の実施形態の変形例2においては、切替部51は、送信出力または再生処理部21の再生処理が終了してから所定時間Tは第1の出力にし、所定時間T経過後に第2の出力にするか、または、受信感度を再生処理部21の再生処理が終了してから所定時間Tは第1の感度にし、所定時間T経過後に第2の感度にするように構成されると述べた。しかし、切替部51は、送信出力を、再生処理部21における再生処理が終了したとき、第1の出力にし、操作部による切替指示があったとき、第2の出力にするか、または受信感度を再生処理部21における再生処理が終了したとき、第1の感度にし、操作部による切替指示があったとき、第2の感度にするように構成されてもよい。
【0069】
図2は、本発明の第2の実施形態に係わる内視鏡リプロセッサ1aの概略構成を説明する説明図である。
図2において、接続管路は実線で表され、電気配線は破線で表される。
図2において、切替部51に接続される電気配線以外の電気配線は、省略する。
【0070】
次に本発明の第2の実施形態について説明をする。第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0071】
第2の実施形態における内視鏡リプロセッサ1aは、操作部である切替ボタン61を有して構成される。切替ボタン61は、切替部51に接続される。
【0072】
切替部51は、送信出力を、再生処理部21における再生処理が終了したとき第1の出力にし、切替ボタン61による切替指示があったとき、第2の出力にするか、または受信感度を、再生処理部21における再生処理が終了したとき第1の感度にし、切替ボタン61による切替指示があったとき、第2の感度にする。
【0073】
ユーザは、切替ボタン61を介し、切替指示を入力することにより、送信出力を第1の出力から第2の出力に切り替えるか、または受信感度を第1の感度から第2の感度に切り替えることが可能である。
【0074】
これにより、内視鏡リプロセッサ1aは、内視鏡Eを処理槽11にセットする際、タグリーダ31によって内視鏡Eの再生処理の履歴の記録が可能であり、内視鏡Eの処理が終了した後、切替ボタン61によって切替指示が入力されるまで、タグリーダ31に無線タグGが近接してもタグリーダ31は無線タグGの内視鏡情報を読み取らない。そして、切替指示入力後は、次回の内視鏡Eの再生処理の履歴の記録に備え、タグリーダ31は、近接した無線タグGの内視鏡情報を読み取れるようになる。
【0075】
上述の第2の実施形態によれば、内視鏡Eの再生処理終了後、切替指示を入力するまでタグリーダ31は無線タグGの内視鏡情報を読み取らず、内視鏡Eを取り出す時間を気にすることなく、取出し時に内視鏡情報が記録されることを防ぐ内視鏡リプロセッサ1aを提供可能である。
【0076】
(第3の実施形態)
切替部51は、送信出力または受信感度を、内視鏡Eの動き検知するモーションセンサ71の検知結果によって切り替えるように構成されてもよい。
【0077】
図3は、本発明の第3の実施形態に係わる内視鏡リプロセッサ1bの概略構成を説明する説明図である。
図3において、接続管路は実線で表され、電気配線は破線で表される。
図3において、切替部51に接続される電気配線以外の電気配線は、省略する。
図4は、本発明の第3の実施形態に係わる内視鏡リプロセッサ1bのモーションセンサ71の構成を説明する説明図である。次に本発明の第3の実施形態について説明をする。第3の実施形態の説明では、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0078】
第3の実施形態における内視鏡リプロセッサ1bは、内視鏡Eの動きを検知可能であるモーションセンサ71を有して構成される。
【0079】
モーションセンサ71は、内視鏡または人の手の動きが、処理槽の内部から外部に向かう方向に移動している場合と、処理槽の外部から内部に向かう方向に移動している場合とを区別することができる。
【0080】
モーションセンサ71が、内視鏡または人の手の動きが処理槽の内部から外部に向かう方向に移動していると判断した場合には、切替部は内視鏡情報読み取り部の読み取り能力を第1の読取能、つまり、送信部の送信出力を第1の出力にするか、または受信部の受信感度を第1の感度にする。
【0081】
モーションセンサ71が、内視鏡または人の手の動きが処理槽の外部から内部に向かう方向に移動していると判断した場合には、切替部は内視鏡情報読み取り部の読み取り能力を第2の読取能、つまり、送信部の送信出力を第2の出力にするか、または受信部の受信感度を第2の感度にする。
【0082】
センサであるモーションセンサ71は、内視鏡リプロセッサ1bにおいて、タグリーダ31よりも外方に配置される外側検知センサ72と、タグリーダ31よりも内方に配置される内側検知センサ73とを有して構成してもよい。外側検知センサ72および内側検知センサ73の各々は、例えば、赤外線又は超音波等により、内視鏡Eが近接したことを検知できるように構成される。外側検知センサ72および内側検知センサ73の各々は、切替部51に接続され、内視鏡Eが近接したことを検知すると、オン状態になり、オン状態であることを示す信号を切替部51に送信する。
【0083】
切替部51は、外側検知センサ72、内側検知センサ73及びタグリーダ31の各出力に基づいて、内視鏡Eの移動方向を検知し、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際の取出しフェーズであるか、内視鏡Eを処理槽11にセットする際のセットフェーズにあるか、を判定する。
【0084】
図4は、内視鏡リプロセッサ1bを上方から上面視した図である。
【0085】
次のいずれかの場合に、切替部51は、内視鏡Eが外方に移動していると検知し、取出しフェーズであると判定する。
A.内側検知センサ73がオン状態にされた後、タグリーダ31によって無線タグGの内視鏡情報が読み込まれた場合。
B.タグリーダ31によって無線タグGの内視鏡情報が読み込まれた後、外側検知センサ72がオン状態にされた場合。
C.内側検知センサ73がオン状態にされた後、外側検知センサ72がオン状態にされた場合。
【0086】
一方、次のいずれかの場合に、切替部51は、内視鏡Eが内方に移動していると検知し、セットフェーズであると判定する。
a.外側検知センサ72がオン状態にされた後、タグリーダ31によって無線タグGの内視鏡情報が読み込まれた場合。
b. タグリーダ31によって無線タグGの内視鏡情報が読み込まれた後、内側検知センサ73がオン状態にされた場合。
c. 外側検知センサ72がオン状態にされた後、内側検知センサ73がオン状態にされた場合。
【0087】
切替部51は、送信出力を、内視鏡Eが外方に移動して取出しフェーズにあると判定されるとき第1の出力にし、内視鏡Eが内方に移動してセットフェーズにあると判定されるとき第2の出力にするか、または受信感度を内視鏡Eが外方に移動して取出しフェーズにあると判定されるとき第1の感度にし、内視鏡Eが内方に移動してセットフェーズにあると判定されるとき第2の感度にする。
【0088】
これにより、内視鏡リプロセッサ1bは、内視鏡Eの移動方向を検知し、内視鏡Eの移動方向から、取出しフェーズまたはセットフェーズのいずれのフェーズであるかを判定可能である。内視鏡リプロセッサ1bは、内視鏡Eを処理槽11にセットする際には、タグリーダ31によって内視鏡Eの再生処理の履歴の記録が可能であり、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際には、タグリーダ31に無線タグGが近接してもタグリーダ31は無線タグGの内視鏡情報を読み取らない。
【0089】
上述の第3の実施形態によれば、内視鏡Eを処理槽11にセットする際には内視鏡Eの再生処理の履歴を記録可能であり、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際にはタグリーダ31が無線タグGの内視鏡情報を読み込まず、取出し時に内視鏡情報が記録されることを防ぐ内視鏡リプロセッサ1bを提供可能である。
【0090】
(第3の実施形態の変形例)
上述の第3の実施形態では、内視鏡リプロセッサ1bは、モーションセンサ71を有して構成されるが、重量センサ74を有して構成されても構わない。次に本発明の第3の実施形態の変形例について説明をする。第3の実施形態の変形例の説明では、第3の実施形態の説明と重複する箇所については、説明を省略する。
【0091】
第3の実施形態の変形例における内視鏡リプロセッサ1bは、
図3の2点鎖線で示すように、重量センサ74を有して構成される。
【0092】
センサである重量センサ74は、処理槽11の下部に配置され、セットされた内視鏡Eの重量を検知できるように構成される。重量センサ74は、切替部51に接続される。
【0093】
処理槽11に内視鏡Eがセットされると、重量センサ74は、検知した重量に基づいて内視鏡Eが処理槽11にセットされたことを検知し、内視鏡Eが処理槽11にセットされていることを示す情報を切替部51に送信する。一方、処理槽11から内視鏡Eが取り外されると、重量センサ74は、検知した重量に基づいて内視鏡Eが取り外されたことを検知し、内視鏡Eが取り外されたことを示す情報を切替部51に送信する。
【0094】
切替部51は、重量センサ74の出力に基づいて、内視鏡Eが処理槽11にセットされているとき、及び、内視鏡Eが無くなってから所定時間T1経過するまでを取出しフェーズと判定し、内視鏡Eが無くなってから所定時間T1経過後をセットフェーズと判定する。
【0095】
切替部51は、送信出力を、取出しフェーズにあると判定されるとき第1の出力にし、セットフェーズにあると判定されるとき、第2の出力にするか、または受信感度を取出しフェーズにあると判定されるとき第1の感度にし、セットフェーズにあると判定されるとき、第2の感度にする。すなわち、切替部51は、送信出力を、内視鏡Eが無くなってから所定時間T1経過するまでは第1の出力にし、所定時間T1経過後に第2の出力にするか、または受信感度を、内視鏡Eが無くなってから所定時間T1経過するまでは第1の感度にし、所定時間T1経過後に第2の感度にする。
【0096】
これにより、内視鏡リプロセッサ1bは、重量センサ74によって内視鏡Eの有無を検知し、取出しフェーズまたはセットフェーズのいずれのフェーズであるかを判定可能である。内視鏡リプロセッサ1bは、内視鏡Eを処理槽11にセットする際には、タグリーダ31によって内視鏡Eの再生処理の履歴の記録が可能であり、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際には、タグリーダ31に無線タグGが近接してもタグリーダ31は無線タグGの内視鏡情報を読み取らない。
【0097】
上述の第3の実施形態によれば、内視鏡Eを処理槽11にセットする際には内視鏡Eの再生処理の履歴を記録可能であり、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際にはタグリーダ31が無線タグGの内視鏡情報を読み込まず、取出し時に内視鏡情報が記録されることを防ぐ内視鏡リプロセッサ1bを提供可能である。
【0098】
上述の第1の実施形態、第1の実施形態の変形例1、第1の実施形態の変形例2、第2の実施形態、第3の実施形態及び第3の実施形態の変形例(以下「第1の実施形態等」という)によれば、取出し時に内視鏡情報が記録されることを防ぐ内視鏡リプロセッサ1、1a、1bを提供することができる。
【0099】
なお、本実施形態等においては、切替部51は、回路によって構成されるが、制御部25のROM25bに切替処理に関するプログラムを格納し、制御部25のCPU25aによって切替部51の機能を実現する構成にされても構わない。
【0100】
なお、本実施形態等においては、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際、切替部51が通電部41に対して制御信号を送信し、通電部41に内視鏡情報読み取り部の電源をオフにさせても構わない。
【0101】
なお、本実施形態等においては、内視鏡Eを処理槽11から取り出す際、切替部51は、送信出力を、第1の出力にするか、または受信感度を第1の感度にするが、切替部51は、受信部33によって読み込まれた無線タグGの内視鏡情報を無効データとして処理するように構成されても構わないし、受信部33によって読み込まれた内視鏡情報を破棄するように構成されても構わない。
【0102】
なお、内視鏡リプロセッサ1、1a、1bは、汚染された内視鏡E、又は、内視鏡付属品Aの再生処理を行う装置である。ここでいう再生処理とは、特に限定されるものではなく、水によるすすぎ、有機物等の汚れを落とす洗浄、所定の微生物を無効かする消毒、全ての微生物を排除、もしくは、死滅させる滅菌、又は、これらの組み合わせのいずれであってもよい。
【0103】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。