(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対応情報生成部は、前記断層画像ごとの前記乳腺量に基づいて、当該乳腺量が多いほど当該断層画像の前記グラフマーカの幅が薄くなるように前記断層対応情報における前記断層位置を変更することを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
前記表示制御部は、前記シェーマを表示するとともに、前記断層画像ごとの前記乳腺量に基づいて、当該乳腺量が多いほど当該断層画像の前記グラフマーカの幅が薄くなるように前記グラフ情報における前記断層位置を変更して前記グラフ情報を表示することを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
前記表示制御部は、前記断層画像ごとの前記乳腺量に基づいて、予め定められた閾値超又は以上の前記乳腺量の前記断層画像を前記断層画像群から抽出し、抽出された前記断層画像を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の医用画像表示装置。
前記表示制御部は、前記断層画像ごとの前記乳腺量に基づいて、前記乳腺量が多い順に前記断層画像を切り換え表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の医用画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態のマンモグラフィ装置及び医用画像表示装置について図面を参照して説明する。
【0011】
〈第1の実施形態〉
図1は、第1の実施形態に係るマンモグラフィ装置の機能構成を示すブロック図である。この実施形態のマンモグラフィ装置は、支持台1と、圧迫板2と、X線管球3と、X線検出部4と、画像生成部5と、乳腺量算出部6と、グラフ情報生成部7と、表示制御部8と、表示部9と、操作部10と、システム制御部11とを有する。また、「画像」と「画像データ」とは一対一に対応するので、これらを同一視する場合がある。
【0012】
支持台1は、載置された乳房Pを支持する。支持台1の後段には、X線検出部4が設けられる。
【0013】
圧迫板2は、支持台1に対向して設けられる。圧迫板2は、支持台1に対して接近または離反する方向に移動可能に構成される。それにより、乳房Pは圧迫される。
【0014】
X線管球3は、X線を発生する。また、X線管球3は、圧迫された乳房Pに対して移動可能に設けられる。
図2は、X線管球3の移動の概略を示す模式図である。X線管球3は、X線検出部4の鉛直方向に対して片側に角度α傾いた位置(開始位置)から、開始位置の反対側へ鉛直方向に対して角度α傾いた位置へ回動方向βに沿って移動可能に設けられる。角度αの値は、例えば「15度」「20度」など、予め定められる。
【0015】
また、
図3は、乳房Pの圧迫方向の概略を示す模式図である。
図3の例では、方向D1が被検者の体軸方向とする。圧迫板2及び支持台1は、被検者の前後方向を軸として回動可能に設けられる。それにより、圧迫板2及び支持台1は、複数の圧迫方向で乳房Pを圧迫することができる。圧迫方向の例としては、CC(Cranio‐Caudal)方向やMLO(Medio‐Lateral Oblique)方向が挙げられる。
【0016】
圧迫方向は、撮影時に操作者からの入力によって定められ、圧迫方向を表す圧迫方向情報は、撮影された画像データに付帯される。また、MLO方向での撮影が行われた場合、圧迫板2及び支持台1の角度θを表す角度情報は、撮影された画像データに付帯される。
【0017】
X線検出部4は、入射したX線を検出する。このX線には乳房Pを透過したX線が含まれる。例えば、X線検出部4は、直接変換型又は間接変換型の平面検出器によって構成される。平面検出器は、入射したX線を電気信号に変換し、この電気信号を画像生成部5へ出力する。
【0018】
画像生成部5は、定められた圧迫方向に圧迫された乳房Pの断層画像群を生成する。このとき、画像生成部5は、X線検出部4からの電気信号をA/D変換する。A/D変換されたデジタル信号を検出データと称する。画像生成部5は、検出データにシフト加算処理等の再構成処理を施して、圧迫方向に直交する面を断面とする断層画像群を生成する。生成される断層画像の画像厚は、適宜設定される。また、画像生成部5は、操作部10及びシステム制御部11を介して入力された圧迫方向情報及び設定された画像厚を表す画像厚情報、断層位置を表す断層位置情報を断層画像群の付帯情報に含める。圧迫方向がMLO方向である場合、画像生成部5は、さらに角度情報を付帯情報に含める。
【0019】
乳腺量算出部6は、断層画像ごとに乳腺量を算出する。このとき、乳腺量算出部6は、断層画像群を画像生成部5から読み出す。例えば、乳腺量算出部6は、代表的なエッジ検出法によって、断層画像のスキンラインを検出する。スキンラインが検出されることによって、断層画像における乳房領域と非乳房領域とが識別される。乳腺量算出部6は、K−means法などの代表的なクラスタリング法によって、乳房領域内を乳腺領域、脂肪領域、及び胸筋領域に分割する。乳腺量算出部6は、脂肪領域の面積(画素数)に対する乳腺量の面積の割合(百分率等)を乳腺量として算出する。また、乳腺量算出部6は、この割合に画像厚を乗算した値を乳腺量として算出してもよい。乳腺量算出部6は、断層画像ごとに乳腺量を算出する。
【0020】
グラフ情報生成部7は、断層画像ごとの断層位置と乳腺量との対応関係を表すグラフ情報を生成する。このとき、グラフ情報生成部7は、断層画像ごとの画像厚情報、断層位置情報及び乳腺量を画像生成部5及び乳腺量算出部6から読み出して、グラフ情報を生成する。
図4は、グラフ情報G1の概略を示す模式図である。
図4の例では、横軸が断層位置を表し、縦軸が乳腺量を表すとする。断層位置を表す軸(横軸)の座標間隔は、断層画像ごとの画像厚に対応する。
【0021】
なお、複数の圧迫方向について断層画像群が生成されたとき、グラフ情報生成部7は、圧迫方向ごとにグラフ情報G1を生成する。断層位置を表す軸(横軸)は、当該断層画像群の圧迫方向に対応する。
【0022】
表示制御部8は、断層画像及びグラフ情報G1を表示するとともに、表示された断層画像の断層位置を表すグラフマーカをグラフ情報G1に重畳表示する。
図5は、断層画像G2、グラフ情報G1及びグラフマーカGMの表示例を示す模式図である。表示制御部8は、グラフ情報生成部7からグラフ情報G1を読み出して、このグラフ情報G1を表示する。なお、複数の圧迫方向について断層画像群が生成されたとき、表示制御部8は、当該断層画像群の圧迫方向に対応したグラフ情報G1を読み出して、このグラフ情報G1を表示する。表示制御部8は、画像生成部5が生成した断層画像群を読み出して所定の断層画像G2を表示する。このとき、表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置とグラフ情報の断層位置を表す軸の座標(
図5の例では横軸の座標)とを参照して、当該ライス位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。
【0023】
また、読影医等の画像参照者は、撮影された断層画像G2を読影するとき、多数の断層画像G2を切り換え表示しながら読影する。表示制御部8は、断層画像G2の切り換え指示を操作部10及びシステム制御部11を介して受ける度に、表示される当該断層画像G2の断層位置に対応するグラフマーカGMを当該断層位置の座標に表示する。
【0024】
表示部9は、表示制御部8からの制御信号に基づいて、グラフ情報G1、断層画像G2及びグラフマーカGMを表示する。表示部9は、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示デバイスによって構成される。
【0025】
操作部10は、医師や技師等の操作者による操作を受けて、この操作内容に応じた信号や情報を装置各部に入力する。操作部10は、キーボード、マウス、トラックボール等の操作デバイスによって構成される。また、操作部10は、表示部9に表示されたGUI(Graphical User Interface)を含んだタッチパネルによって構成されてもよい。
【0026】
システム制御部11は、マンモグラフィ装置の各部の動作を制御する。例えば、システム制御部11は、マンモグラフィ装置の各部の機能を実行するためのコンピュータプログラムを記憶する。システム制御部11は、このコンピュータプログラムを実行することで、上記機能を実現する。例えば、システム制御部11は、以下の動作を表すコンピュータプログラムを記憶し、実行する。
【0027】
図6は、第1の実施形態に係るマンモグラフィ装置の動作を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS101:画像生成部5は、定められた圧迫方向に圧迫された乳房Pの断層画像群を生成する。生成される断層画像の画像厚は、適宜設定される。また、画像生成部5は、操作部10及びシステム制御部11を介して入力された圧迫方向情報及び設定された画像厚を表す画像厚情報、断層位置を表す断層位置情報を断層画像群の付帯情報に含める。圧迫方向がMLO方向である場合、画像生成部5は、さらに角度情報を付帯情報に含める。
【0029】
ステップS102:乳腺量算出部6は、断層画像ごとに乳腺量を算出する。このとき、乳腺量算出部6は、断層画像群を画像生成部5から読み出す。乳腺量算出部6は、脂肪領域の面積(画素数)に対する乳腺量の面積の割合(百分率等)を乳腺量として算出する。また、乳腺量算出部6は、この割合に画像厚を乗算した値を乳腺量として算出してもよい。
【0030】
ステップS103:グラフ情報生成部7は、断層画像ごとの断層位置と乳腺量との対応関係を表すグラフ情報を生成する。グラフ情報生成部7は、断層画像ごとの画像厚情報、断層位置情報及び乳腺量を画像生成部5及び乳腺量算出部6から読み出して、グラフ情報を生成する。
【0031】
ステップS104:表示制御部8は、グラフ情報生成部7からグラフ情報G1を読み出して、このグラフ情報G1を表示する。
【0032】
ステップS105:表示制御部8は、画像生成部5が生成した断層画像群を読み出して所定の断層画像G2を表示する。
【0033】
ステップS106:表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置とグラフ情報の断層位置を表す軸の座標とを参照する。
【0034】
ステップS107:表示制御部8は、当該断層位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。
【0035】
ステップS108:表示制御部8が断層画像G2の切り換え指示を受けたとき(ステップS108;YES)、この実施形態の動作はステップS105へ戻る。表示制御部8が断層画像G2の切り換え指示を受けないとき(ステップS108;NO)、この実施形態の動作はステップS109へ進む。
【0036】
ステップS109:読影(断層画像の参照)を終了する終了指示が入力されたとき(ステップS109;YES)、この実施形態の動作は終了する。終了指示が入力されないとき(ステップS109;NO)、この実施形態の動作はステップS108へ戻る。
【0037】
第1の実施形態に係るマンモグラフィ装置は、断層画像ごとの断層位置と乳腺量との対応関係を表すグラフ情報を表示し、表示された断層画像の断層位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。それにより、読影医等の画像参照者は、グラフマーカGMが表示された位置を視認して、表示された断層画像の乳腺量を容易に把握しながら読影を行うことができる。したがって、読影効率を向上することができるマンモグラフィ装置を提供することができる。
【0038】
〈第2の実施形態〉
図7は、第2の実施形態に係るマンモグラフィ装置の機能構成を示すブロック図である。この実施形態に係るマンモグラフィ装置は、非圧迫状態の乳房Pを模式的に表すシェーマ上に断層画像ごとの断層位置を対応させることが可能に構成される。以下、第1の実施形態と異なる内容について主に説明する。第1の実施形態と同様の内容については説明を省略する場合がある。
【0039】
記憶部12は、非圧迫状態の乳房Pを模式的に表すシェーマを予め記憶する。シェーマとしては、臨床的に代表的な乳房形状(非圧迫状態)を表す1以上の模式図が、医療従事者によって予め入力される。
【0040】
寸法取得部13は、非圧迫状態の乳房Pの寸法である非圧迫寸法を取得する。このとき、定められた複数の取得位置について、圧迫方向の寸法を非圧迫寸法として取得する。
図8は、非圧迫寸法の概略を示す模式図である。
図8では、圧迫方向がMLO方向である例を示す。例えば、複数の取得位置(Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mg)は、圧迫方向及び被検者の前後方向に直交する方向(取得位置方向D2と称する)に定められる。
図8では、取得位置の数が「7」である例を示しているが、取得位置の数は「7」に限定されるものではなく、複数であればよい。
【0041】
また、それぞれの取得位置の取得位置方向D2における座標値は、適宜設計される。ただし、少なくとも1つの取得位置は、乳房Pと取得位置との位置関係、及び、乳房Pとシェーマとの縮尺を特定するための基準となる取得位置が定められる。例えば、複数の取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)のうち、取得位置Mdは、取得位置方向D2における乳房Pのニップル中心Ncの位置に定められている。
【0042】
寸法取得部13は、圧迫方向に平行な方向(測定方向D3)の寸法を取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとに非圧迫寸法(Za,Zb,Zc,Zd,Ze,Zf,Zg)として取得する。取得位置方向D2と測定方向D3とは直交関係となる。非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)を表す非圧迫寸法情報には、各取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)を表す取得位置情報、測定方向D3を表す測定方向D3情報、各取得位置の非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)を表す寸法情報が含まれる。
【0043】
なお、本明細書の実施形態に係る非圧迫寸法情報は、取得位置、測定方向D3及び非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)が特定される情報であればよく、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)の測定方法を限定するものではない。例えば、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)としては、定規を用いて医療従事者の手によって測定された情報が入力されてもよく、公知の光学3次元測定器によって測定された情報が入力されてもよい。寸法取得部13は、このように測定された非圧迫寸法情報の入力を受けることによって、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)を取得する。寸法取得部13は、非圧迫寸法情報を対応情報生成部14へ出力する。
【0044】
また、寸法取得部13は、圧迫状態の乳房Pの寸法である圧迫寸法を取得する。
図9は、圧迫寸法Z´の概略を示す模式図である。
図9では、圧迫方向がMLO方向である例を示す。寸法取得部13は、支持台1と圧迫板2との間隔を測定し、測定された間隔を圧迫寸法Z´として取得する。寸法取得部13は、圧迫寸法情報を対応情報生成部14へ出力する。
【0045】
対応情報生成部14は、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)及び圧迫寸法Z´に基づいて、断層画像ごとの断層位置がシェーマにおける位置に対応付けられた断層対応情報を生成する。このとき、対応情報生成部14は、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)と圧迫寸法Z´との比を算出する。
【0046】
図10は、対応情報生成部14により算出される値の概略を示す表である。対応情報生成部14は、寸法取得部13からの非圧迫寸法情報を読んで、取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとの非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)を特定する。対応情報生成部14は、寸法取得部13からの圧迫寸法情報を読んで、圧迫寸法Z´を特定する。そして、対応情報生成部14は、取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとに、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)と圧迫寸法Z´との比(Za/Z´,Zb/Z´,・・・,Zg/Z´)を算出する。
【0047】
対応情報生成部14は、画像生成部5から画像厚δを読み出す。対応情報生成部14は、取得位置ごとの比(Za/Z´,Zb/Z´,・・・,Zg/Z´)と画像厚δとを乗算して、グラフマーカGMの幅(δZa/Z´,δZb/Z´,・・・,δZg/Z´)を算出する。
【0048】
対応情報生成部14は、取得位置ごとに断層画像ごとの断層位置をシェーマにおける位置に対応付けることによって、断層対応情報を生成する。
図11は、断層対応情報の概略を示す模式図である。対応情報生成部14は、医師や技師等の操作者により指定されたシェーマSHを記憶部12から読み出す。例えば、対応情報生成部14は、寸法取得部13から取得位置方向D2を読み出して、取得位置方向D2にシェーマSHのニップル中心Ncを通過する基準線L1を作成する。
【0049】
対応情報生成部14は、寸法取得部13から取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとの座標値を読み出して、基準線L1上に、これら座標値を反映する。このとき、対応情報生成部14は、取得位置Mdにおける非圧迫寸法Zdに基づいて乳房PとシェーマSHとの縮尺を求め、この縮尺を取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとの座標値に適用することで、これら座標値を基準線L1上に反映する。この縮尺は、適宜設定される。ここでは、説明のため、縮尺が「1:1」であるとする。
【0050】
対応情報生成部14は、寸法取得部13から測定方向D3を読み出し、基準線L1上に反映された各取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)から、算出されたグラフマーカGMの幅(δZa/Z´,δZb/Z´,・・・,δZg/Z´)の間隔で測定方向D3にドットdtを配置する。
図11では、説明のため、ドットdtの集合の一部DTを拡大して示している。この配置において、ドットdtどうしの測定方向D3の間隔は、取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとのグラフマーカGMの幅(δZa/Z´=δa,δZb/Z´=δb,・・・,δZg/Z´=δgとして示す)である。また、ドットdtは、測定方向D3における断層画像の画像境界を表す。換言すると、測定方向D3におけるドットdt間は、断層画像の断層位置を表す。
【0051】
このようにドットdtがシェーマSH上に配置されることにより、断層画像ごとの断層位置がシェーマSHにおける位置に対応付けられた座標情報が生成される。対応情報生成部14は、断層画像ごとの断層位置とシェーマSHにおける位置とが対応付けられた断層対応情報を表示制御部8へ出力する。
【0052】
なお、対応情報生成部14は、同じ画像境界を示すドットdtを公知の平滑線で連結してもよい。この場合、平滑線の集束点E1は、取得位置方向D2における画像端T1と、基準線L1との交点に設定されればよい。画像端T1は設定された縮尺に基づいて、ニップル中心Ncからの距離が求められることによって特定される。また、ここでは、基準線L1を基準としてドットdtが配置される例を説明したが、シェーマSHの縁に接する平滑線L2を基準としてドットdtが配置されてもよい。
【0053】
また、対応情報生成部14は、断層画像ごとの乳腺量に基づいて、当該乳腺量が多いほど当該断層画像のグラフマーカGMの幅(断層位置軸方向の長さ)が薄くなるように断層対応情報における断層位置を変更する。
図12は、断層画像(S1,S2,S3,・・・)ごとの乳腺量(μ1,μ2,μ3,・・・)を示す表である。ここでは説明のため、乳腺量(μ1,μ2,μ3,・・・)のそれぞれは「1」以上の値であるとする。
図13は、対応情報生成部14が算出する値を示す表である。対応情報生成部14は、乳腺量算出部6から断層画像(S1,S2,S3,・・・)ごとの乳腺量(μ1,μ2,μ3,・・・)を読み出す。
【0054】
例えば、対応情報生成部14は、取得位置MaのグラフマーカGMの幅(δZa/Z´)と乳腺量(μ1,μ2,μ3,・・・)の逆数とを乗算して、変更されたグラフマーカGMの幅(δZa/μ1Z´,δZa/μ2Z´,δZa/μ3Z´,・・・)を算出する。対応情報生成部14は、取得位置(Mb,Mc,・・・,Mg)についても同様に変更されたグラフマーカGMの幅を算出する。
【0055】
図14は、断層対応情報において変更された断層位置を示す模式図である。ここでは説明のため、ドットdtの集合の一部DTのうち、基準線L1から遠ざかる順に、断層画像の順序が、断層画像S1、断層画像S2、断層画像S3、断層画像S4・・・という順序であるとする。対応情報生成部14は、ドットdtどうしの測定方向D3の間隔を、変更されたグラフマーカGMの幅(δZa/μ1Z´=Δa1,δZa/μ2Z´=Δa2,δZa/μ3Z´=Δa3,・・・として示す)に変更する。
【0056】
一般的に、乳房が圧迫されるとき、乳腺量が少ない部分ほどつぶれ易く、乳腺量が多い部分ほどつぶれ難いと言われている。したがって、乳腺量が多い断層画像ほど非圧迫状態の画像厚が薄くなるように断層位置を変更することによって、乳腺量によるつぶれ易さ(つぶれ難さ)に応じた断層位置をシェーマSHに対応付けることができる。
【0057】
表示制御部8は、グラフ情報G1及びシェーマSHを表示する。また、表示制御部8は、断層画像G2ごとの乳腺量に基づいて、当該乳腺量が多いほど当該断層画像G2のグラフマーカGMの幅が薄くなるようにグラフ情報における断層位置を変更してグラフ情報G1を表示する。
【0058】
図15は、グラフ情報G1及びシェーマSHの表示例を示す模式図である。表示制御部8は、グラフ情報生成部7からグラフ情報を読み出して、このグラフ情報G1を表示する(表示枠SC1参照)。また、表示制御部8は、操作者によって指定されたシェーマSHを記憶部12から読み出して、このシェーマSHを表示する(表示枠SC1参照)。このとき、グラフ情報G1の断層位置を示す軸(横軸)において、断層画像(S1,S2,S3,・・・)ごとの座標幅は、画像厚δである。
【0059】
操作者が、操作部10を介して、シェーマSHにおける取得位置を選択したとき、表示制御部8は、選択された取得位置について変更されたグラフマーカGMの幅に断層画像ごとの座標幅を変更する。取得位置Mbが選択された場合の表示例を表示枠SC2に示す。表示制御部8は、取得位置Mbが選択されたことを表す信号を受け、取得位置Mbについて変更されたグラフマーカGMの幅(δZb/μ1Z´,δZb/μ2Z´,δZb/μ3Z´,・・・)を対応情報生成部14から読み出す。表示制御部8は、グラフ情報G1の断層位置を示す軸(横軸)において、断層画像(S1,S2,S3,・・・)ごとの座標幅を取得位置Mbについて変更されたグラフマーカGMの幅(δZb/μ1Z´,δZb/μ2Z´,δZb/μ3Z´,・・・)に変更してグラフ情報G1を表示する。
【0060】
図16は、取得位置Mbが選択された後に取得位置Maが選択された場合のグラフ情報G1及びシェーマSHの表示例を示す模式図である。表示制御部8は、取得位置Maが選択されたことを表す信号を受け、取得位置Maについて変更されたグラフマーカGMの幅(δZa/μ1Z´,δZa/μ2Z´,δZa/μ3Z´,・・・)を対応情報生成部14から読み出す。表示制御部8は、グラフ情報G1の断層位置を示す軸(横軸)において、断層画像(S1,S2,S3,・・・)ごとの座標幅を取得位置Maについて変更されたグラフマーカGMの幅(δZa/μ1Z´,δZa/μ2Z´,δZa/μ3Z´,・・・)に変更してグラフ情報G1を表示する(表示枠SC3参照)。
【0061】
また、表示制御部8は、断層対応情報に基づいて、断層画像G2及びシェーマSHを表示するとともに、表示された断層画像G2の断層位置を表す断層マーカSLをシェーマSHに重畳表示する。
図17は、断層画像G2、シェーマSH及び断層マーカSLの表示例を示す模式図である。
【0062】
表示制御部8は、指定されたシェーマSHを記憶部12から読み出して、当該シェーマSHを表示する。表示制御部8は、画像生成部5が生成した断層画像群を読み出して所定の断層画像G2を表示する。このとき、表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置と断層対応情報に含まれる変更されたグラフマーカGMの幅とを参照して、当該断層位置を表す断層マーカSLをシェーマSHに重畳表示する。変更されたグラフマーカGMの幅が参照されることによって、表示制御部8は、乳腺量によるつぶれ易さ(つぶれ難さ)に応じた位置に断層マーカSLを表示することができる。
【0063】
図17では、断層マーカSLを実線で示し、表示された断層画像G2以外の断層位置を破線で示している。このように、表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置を表す断層マーカSLと表示された断層画像G2以外の断層位置とを異なる表示態様で表示してもよく、表示された断層画像G2の断層位置を表す断層マーカSLのみをシェーマSHに重畳表示してもよい。少なくとも表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置を表す断層マーカSLとシェーマSHとの位置関係が視認できるように断層マーカSLを表示すればよい。
【0064】
読影医等の画像参照者は、撮影された断層画像G2を読影するとき、多数の断層画像G2を切り換え表示しながら読影する。表示制御部8は、断層画像G2の切り換え指示を操作部10及びシステム制御部11を介して受ける度に、表示される当該断層画像G2の断層位置に対応する断層マーカSLをシェーマSHに重畳表示する。
【0065】
また、表示制御部8は、さらにグラフ情報G1を表示するとともに、表示された断層画像の断層位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示してもよい。
図18は、グラフ情報G1、シェーマSH及び断層画像G2の表示例を示す模式図である。表示制御部8は、表示制御部8は、グラフ情報生成部7からグラフ情報G1を読み出して、このグラフ情報G1を表示する。
【0066】
取得位置が選択された場合、表示制御部8は、グラフ情報G1の断層位置を示す軸(横軸)において、断層画像ごとの座標幅を選択された取得位置について変更されたグラフマーカGMの幅に変更してグラフ情報G1を表示する。
図18では、取得位置Mbが選択された例を示している。
【0067】
取得位置が選択されていない場合、表示制御部8は、グラフ情報G1の断層位置を示す軸(横軸)において、断層画像(S1,S2,S3,・・・)ごとの座標幅を、画像厚δとしたグラフ情報G1を表示する。
【0068】
表示制御部8は、断層画像G2の切り換え指示を操作部10及びシステム制御部11を介して受ける度に、表示される当該断層画像G2の断層位置に対応するグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。
【0069】
なお、表示制御部8は、断層画像G2ごとの乳腺量に基づいて、予め定められた閾値超又は以上の乳腺量の断層画像G2を断層画像群から抽出し、抽出された断層画像G2を表示してもよい。例えば、閾値は、操作者による入力によって定められる。表示制御部8は、この閾値と断層画像G2ごとの乳腺量とを参照して、閾値以上超又は以上の乳腺量の断層画像G2を断層画像群から抽出する。表示制御部8は、断層画像G2の切り換え指示を操作部10及びシステム制御部11を介して受ける度に、抽出された断層画像群に含まれる断層画像G2を切り換え表示する。
【0070】
また、表示制御部8は、断層画像G2ごとの乳腺量に基づいて、乳腺量が多い順に断層画像G2を切り換え表示してもよい。例えば、表示制御部8は、断層画像G2ごとの乳腺量を参照することによって、断層画像G2の切り換え指示を操作部10及びシステム制御部11を介して受ける度に、乳腺量が多い順に断層画像G2を切り換え表示する。
【0071】
一般的に、乳腺量が多い断層画像が読影されるとき、異常陰影と乳腺との濃度差が小さいので、異常陰影は見つけられにくく、慎重な観察が行なわれる。したがって、読影者は、乳腺量が多い断層画像を抽出して観察したい場合や、断層画像を乳腺量が多い順に観察したい場合がある。この実施形態のマンモグラフィ装置によれば、乳腺量が多い断層画像を抽出して観察したい場合の読影効率を向上することができる。また、この実施形態のマンモグラフィ装置によれば、断層画像を乳腺量が多い順に観察したい場合の読影効率を向上することができる。
【0072】
図19は、第2の実施形態に係るマンモグラフィ装置の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS201:寸法取得部13は、非圧迫状態の乳房Pの寸法である非圧迫寸法を取得する。このとき、寸法取得部13は、定められた複数の取得位置について、圧迫方向の寸法を非圧迫寸法として取得する。
【0074】
ステップS202:寸法取得部13は、圧迫状態の乳房Pの寸法である圧迫寸法を取得する。寸法取得部13は、支持台1と圧迫板2との間隔を測定し、測定された間隔を圧迫寸法Z´として取得する。
【0075】
ステップS203:画像生成部5は、定められた圧迫方向に圧迫された乳房Pの断層画像群を生成する。生成される断層画像の画像厚は、適宜設定される。また、画像生成部5は、操作部10及びシステム制御部11を介して入力された圧迫方向情報及び設定された画像厚を表す画像厚情報、断層位置を表す断層位置情報を断層画像群の付帯情報に含める。圧迫方向がMLO方向である場合、画像生成部5は、さらに角度情報を付帯情報に含める。
【0076】
ステップS204:対応情報生成部14は、寸法取得部13からの非圧迫寸法情報を読んで、取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとの非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)を特定する。対応情報生成部14は、寸法取得部13からの圧迫寸法情報を読んで、圧迫寸法Z´を特定する。そして、対応情報生成部14は、取得位置(Ma,Mb,・・・,Mg)ごとに、非圧迫寸法(Za,Zb,・・・,Zg)と圧迫寸法Z´との比(Za/Z´,Zb/Z´,・・・,Zg/Z´)を算出する。
【0077】
ステップS205:対応情報生成部14は、画像生成部5から画像厚δを読み出す。対応情報生成部14は、取得位置ごとの比(Za/Z´,Zb/Z´,・・・,Zg/Z´)と画像厚δとを乗算して、グラフマーカGMの幅(δZa/Z´,δZb/Z´,・・・,δZg/Z´)を算出する。
【0078】
ステップS206:対応情報生成部14は、取得位置ごとに断層画像ごとの断層位置をシェーマSHにおける位置に対応付けることによって、断層対応情報を生成する。対応情報生成部14は、断層画像ごとの断層位置とシェーマSHにおける位置とが対応付けられた断層対応情報を表示制御部8へ出力する。
【0079】
ステップS207:乳腺量算出部6は、断層画像ごとに乳腺量を算出する。このとき、乳腺量算出部6は、断層画像群を画像生成部5から読み出す。乳腺量算出部6は、脂肪領域の面積(画素数)に対する乳腺量の面積の割合(百分率等)を乳腺量として算出する。また、乳腺量算出部6は、この割合に画像厚を乗算した値を乳腺量として算出してもよい。
【0080】
ステップS208:対応情報生成部14は、断層画像ごとの乳腺量に基づいて、当該乳腺量が多いほど当該断層画像グラフマーカGMの幅が薄くなるように断層対応情報における断層位置を変更する。例えば、対応情報生成部14は、取得位置MaのグラフマーカGMの幅(δZa/Z´)と乳腺量(μ1,μ2,μ3,・・・)の逆数とを乗算して、変更されたグラフマーカGMの幅(δZa/μ1Z´,δZa/μ2Z´,δZa/μ3Z´,・・・)を算出する。対応情報生成部14は、取得位置(Mb,Mc,・・・,Mg)についても同様に変更されたグラフマーカGMの幅を算出する。
【0081】
ステップS209:グラフ情報生成部7は、断層画像ごとの断層位置と乳腺量との対応関係を表すグラフ情報を生成する。グラフ情報生成部7は、断層画像ごとの画像厚情報、断層位置情報及び乳腺量を画像生成部5及び乳腺量算出部6から読み出して、グラフ情報G1を生成する。
【0082】
ステップS210:表示制御部8は、指定されたシェーマSHを記憶部12から読み出して、当該シェーマSHを表示する。また、表示制御部8は、グラフ情報生成部7からグラフ情報G1を読み出して、このグラフ情報G1を表示する。
【0083】
ステップS211:表示制御部8は、画像生成部5が生成した断層画像群を読み出して所定の断層画像G2を表示する。
【0084】
ステップS212:表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置と対応情報生成部14から受けた断層対応情報とを参照する。また、表示制御部8は、表示された断層画像G2の断層位置とグラフ情報の断層位置を表す軸の座標とを参照する。
【0085】
ステップS213:表示制御部8は、当該断層位置を表す断層マーカSLをシェーマSHに重畳表示する。また、表示制御部8は、当該断層位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。
【0086】
ステップS214:表示制御部8が断層画像G2の切り換え指示を受けたとき(ステップS214;YES)、この実施形態の動作はステップS211へ戻る。表示制御部8が断層画像G2の切り換え指示を受けないとき(ステップS214;NO)、この実施形態の動作はステップS215へ進む。
【0087】
ステップS215:読影(断層画像の参照)を終了する終了指示が入力されたとき(ステップS215.;YES)、この実施形態の動作は終了する。終了指示が入力されないとき(ステップS215;NO)、この実施形態の動作はステップS214へ戻る。
【0088】
第2の実施形態に係るマンモグラフィ装置は、非圧迫状態の乳房を模式的に表すシェーマ上に断層画像ごとの断層位置を対応させ、表示された断層画像に対応する断層位置を表す第1の断層マーカをシェーマ上に重畳表示する。さらに、第2の実施形態に係るマンモグラフィ装置は、乳腺量が多い断層画像ほど非圧迫状態の画像厚が薄くなるように断層位置を変更することによって、乳腺量によるつぶれ易さ(つぶれ難さ)に応じた断層位置をシェーマに対応付けることができる。したがって、読影医等の画像参照者は、断層マーカを視認することによって、表示されている断層画像の断層位置と非圧迫状態の乳房との位置関係を乳腺量によるつぶれ易さ(つぶれ難さ)に応じて把握する手がかりとすることができる。
【0089】
また、第2の実施形態に係るマンモグラフィ装置は、断層画像ごとの断層位置と乳腺量との対応関係を表すグラフ情報を表示し、表示された断層画像の断層位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。さらに、第2の実施形態に係るマンモグラフィ装置は、乳腺量によるつぶれ易さ(つぶれ難さ)に応じた位置に断層マーカSLを表示することができる。したがって、読影医等の画像参照者は、グラフマーカGMが表示された位置を視認して、表示された断層画像の乳腺量を乳腺量によるつぶれ易さ(つぶれ難さ)に応じて把握しながら読影を行うことができる。
【0090】
〈第3の実施形態〉
図20は、第3の実施形態に係る医用画像表示装置100の機能構成を示すブロック図である。この実施形態の医用画像表示装置100は、マンモグラフィ装置200とネットワークNを介して通信可能に接続される。マンモグラフィ装置200は、定められた乳房の断層画像群を生成する。医用画像表示装置100は、この断層画像群を表示する装置であり、読影の際に使用される。以下、第1の実施形態と異なる内容について主に説明する。第1の実施形態と同様の内容については説明を省略する場合がある。
【0091】
通信部15は、マンモグラフィ装置200から各種情報を読み出し、医用画像表示装置100の各部へ出力する。例えば、通信部15は、マンモグラフィ装置200から断層画像群を読み出し、乳腺量算出部6へ出力する。通信部15は、マンモグラフィ装置200から画像厚情報及び断層位置情報を読み出し、グラフ情報生成部7へ出力する。通信部15は、マンモグラフィ装置200から断層画像群を読み出し、表示制御部8へ出力する。
【0092】
第3の実施形態に係る医用画像表示装置100は、断層画像ごとの断層位置と乳腺量との対応関係を表すグラフ情報を表示し、表示された断層画像の断層位置を表すグラフマーカGMをグラフ情報G1に重畳表示する。それにより、読影医等の画像参照者は、グラフマーカGMが表示された位置を視認して、表示された断層画像の乳腺量を容易に把握しながら読影を行うことができる。したがって、読影効率を向上することができる医用画像表示装置を提供することができる。
【0093】
以上述べた少なくともひとつの実施形態のマンモグラフィ装置及び医用画像表示装置によれば、読影効率を向上することができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。