(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明の第1の実施形態)
ウェハエッジ検査装置100は、
図1〜
図3に示すように、検査対象のシリコンウェハやシリコンカーバイト(SiC)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)又は窒化ガリウム(GaN)などの化合物ウェハの半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ200」と称す)を撮像領域に載置させる載置手段10と、内側面が反射面を有する半球面体で形成され、当該半球面の中心軸Oが載置手段10上のウェハ200の中心面S上に位置するように配設され、撮像領域における当該ウェハ200のベベル201を含む領域に光を照射するドーム型の照明手段20と、光軸Xが載置手段10上のウェハ200の中心面Sに対して略垂直であり、当該光軸Xが照明手段20で光を照射される当該ウェハ200のベベル201近傍と交差する位置に配設され、撮像領域におけるウェハ200のベベル201を含む領域を撮像する撮像手段30と、を備える。
【0010】
また、ウェハエッジ検査装置100は、撮像手段30で撮像された画像に対して、ウェハ200のベベル201を帯状の画像として編集する画像処理手段40と、載置手段10、照明手段20及び撮像手段30を制御すると共に、画像処理手段40で画像処理された画像に基づいてウェハ200のベベル201に生じるチッピング202を検出する演算手段50と、を備える。
また、ウェハエッジ検査装置100は、
図3に示すように、照明手段20及び撮像手段30を暗室101に内包し、載置手段10上のウェハ200に対応する暗室101の底面が開放している。
【0011】
載置手段10は、載置したウェハ200を円周方向に回転させる回転ステージ11と、複数のウェハ200が整列収納したカセット300から1枚のウェハ200を引き出し、引き出したウェハ200を後方に移動して回転ステージ11に載置すると共に、チッピング検査後に、ウェハ200を前方に移動してカセット300の元の位置に収納する搬送アーム12(不図示)と、を備える。
また、載置手段10は、対角線が直交する4点でウェハ200の周縁部を支持し、対向する2点間の間隔がウェハ200の直径と略同一であり、回転ステージ11の上下動により回転ステージ11上のウェハ200を中央に位置決めする略円錐台状の上端を有する4本の支持体13(不図示)と、を備える。
【0012】
照明手段20は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、複数のLED(light-emitting diode:発光ダイオード)の光源20aが半球面の内周縁にリング状に配設され、半球面の内側面が白色の粗面で形成されて光源20aからの入射光を拡散及び反射させる反射面を有する。
また、照明手段20は、
図1に示すように、ウェハ200のベベル201近傍を均一に照明してベベル201に影が生じることを防止するうえで、ウェハ200の端部との間隔dを撮像手段30による撮像に影響がない(レンズ視野に入らない)範囲で近づけること(例えば、10mm以下)が好ましい。
【0013】
なお、本実施形態に係る照明手段20は、
図2(c)及び
図2(d)に示すように、反射面の中央にカメラ穴21aが存在するドーム照明21(例えば、株式会社イマック製「NEOドーム照明」)と、
図2(e)及び
図2(f)に示すように、ドーム照明21の半球面発光を補う面発光照明22(例えば、株式会社イマック製「大型面照明リアルックス」)と、から構成される。
特に、株式会社イマック製「NEOドーム照明」は、カメラ穴21aの部分に反射面(照明)が存在しないため、カメラ穴21aを面発光照明22で塞ぐことにより、完全な半球面発光を得ることができる。
なお、照明手段20は、カメラ穴21aのない半球面発光が得られるドーム照明21を用いるのであれば、面発光照明22を備える必要はない。
【0014】
撮像手段30は、カメラ30aと、主光線が光軸に対して平行な(画角が0°となる)テレセントリックレンズ30bと、ハーフミラー(不図示)を使用してカメラ30aの光軸と同軸で光を照射する同軸照明30cと、から構成される。
【0015】
なお、本実施形態に係るカメラ30aは、センテック株式会社製のイメージセンサー「GigE Vision(登録商標) CCDモデル」(型名:STC-SB202POEHS、画素数:200万画素、センサーサイズ:1/1.8型(7.18mm×5.32mm)、解像度:1624×1236)を用いているが、このイメージセンサーに限られるものでない。
また、本実施形態に係るカメラ30aは、200万画素の画素数であるが、テレセントリックレンズ30bのレンズ倍率が1倍(1×)の場合には、200万画素以上の画素数が必要であり、テレセントリックレンズ30bのレンズ倍率が0.5倍(0.5×)の場合には、400万画素以上の画素数が必要である。
また、本実施形態に係るカメラ30aは、エリアセンサを用いているが、ラインセンサを用いていもよい。
【0016】
また、本実施形態に係るテレセントリックレンズ30bは、同軸照明30cとの接続部を備えた同軸ポート付テレセントリックレンズであり、作動距離(WD:work distance)が65mmであり、レンズ倍率が1倍(1×)であるレンズを用いているが、ウェハエッジ検査装置100のユーザーの要求(視野、スループット)により、レンズ倍率が0.5倍(0.5×)であるレンズを使用することも可能である。
【0017】
また、本実施形態に係る同軸照明30cは、株式会社イマック製「同軸スポット照明」を用いているが、この同軸照明に限られるものではない。
また、同軸照明30cは、照射強度が強すぎると、必要以上のハレーションを撮像画像に起こすため、照射強度が弱い照明を使用することが、調光を容易にするうえで好ましい。
特に、市販の同軸照明30cは、照射強度が強すぎる(光量が多い)ため、減光(Neutral Density:ND)フィルター(例えば、透過率が約10%程度)を介して減光することが好ましい。
【0018】
ただし、配線パターンがウェハ200の表面側のベベル201まで存在する場合には、画像処理後のその配線パターンが、チッピング202として検出される可能性がある。
このため、同軸照明30cは、配線パターンにハレーションを生じさせ、かつ、ベベル201にハレーションを生じさせない若干強い照射強度に設定することにより、配線パターンが明部(白色)として視認し難くなり、ベベル201及びチッピング202が暗部(黒色)として残り、配線パターンに依存することなく、チッピング202だけを抽出して、配線パターンの過検出を低減させることができる。
また、ウェハ200の裏面側は、研磨痕による粗さがあるために、ウェハ200の表側と同様に、同軸照明30cを若干強い照射強度に設定することにより、研磨痕を明部として視認し難くさせ、画像処理を容易にすることができる。
【0019】
なお、本実施形態に係る撮像手段30は、ウェハ200の表面側に配設され、ウェハ200の表面側のベベル201を含む領域を撮像する第1の撮像手段31(第1のカメラ31a、第1のテレセントリックレンズ31b、第1の同軸照明31c)と、ウェハ200の裏面側に配設され、ウェハ200の裏面側のベベル201を含む領域を撮像する第2の撮像手段32(第2のカメラ32a、第2のテレセントリックレンズ32b、第2の同軸照明32c)と、から構成される。
また、第1の撮像手段31及び第2の撮像手段32は、第1の撮像手段31の同軸照明(第1の同軸照明31c)の光軸X
1と、第2の撮像手段32の同軸照明(第2の同軸照明32c)の光軸X
2と、が一致するように配設される。
【0020】
なお、撮像手段30は、同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)を必ずしも備える必要はないが、ウェハ200がSiC(炭化ケイ素)ウェハなどの透明なウェハの場合に、照明手段20だけでは、ウェハ200上のカーボンなどが視認し難い。
このため、撮像手段30は、第1のカメラ31a(第2のカメラ32a)に対向する第2の同軸照明32c(第1の同軸照明31c)を透過照明とすることで、ウェハ200上のカーボンなどが視認し易くなるために、同軸照明30cを備えることが好ましい。
なお、第1の同軸照明31cの光軸X
1と第2の同軸照明32cの光軸X
2とが一致しない場合には、撮像画像に輝度斑が生じるため、第1の同軸照明31cの光軸X
1と第2の同軸照明32cの光軸X
2とを一致させることが好ましい。
【0021】
なお、本実施形態に係る光学系(照明手段20、撮像手段30)の仕様は、視野が7.2mm×5.3mmであり、画素分解能(画素レート)が4.4μmであるが、この仕様に限れられるものではない。
また、本実施形態に係る光学系(照明手段20、撮像手段30)は、一体として構成され、暗室101内に固定される。
【0022】
また、本実施形態に係る演算手段50は、ドーム照明21、面発光照明22、第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32cをそれぞれ独立して制御し、各照明による調光が可能である。
【0023】
表示手段60は、
図3(a)に示すように、ウェハエッジ検査装置100の正面上部に配設され、演算手段50で検出されたウェハ200のチッピング202の有無又は位置を表示する液晶表示装置などのディプレイである。
【0024】
つぎに、本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100の処理動作について説明する。
ウェハエッジ検査装置100は、カセット300が上下動エレベータ102上に投入されると、上下動エレベータ102は、演算手段50の制御信号に基づき、カセット300内の検査対象のウェハ200の位置が載置手段10の回転ステージ11の高さと合うように、カセット300を上下方向に移動させる。
【0025】
そして、載置手段10の搬送アーム12は、演算手段50の制御信号に基づき、カセット300から1枚のウェハ200を引き出し、ウェハ200を後方に移動して回転ステージ11上にウェハ200を載置する。
載置手段10の回転ステージ11は、演算手段50の制御信号に基づいて下降し、ウェハ200の周縁部が4本の支持体13の上端に当接することにより、回転ステージ11上のウェハ200を中央に位置決めする。
【0026】
そして、照明手段20(ドーム照明21、面発光照明22)及び同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)は、演算手段50の制御信号に基づき、撮像領域における載置手段10上のウェハ200のベベル201を含む領域に光を照射する。
撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)は、演算手段50の制御信号に基づき、撮像領域におけるウェハ200のベベル201を含む領域を撮像し、画像処理手段40に画像データを出力する。
【0027】
なお、ウェハ200のベベル201は、
図4に示すように、チッピング202を除く領域は明部(白色)となり、チッピング202の領域は暗部(黒色)となる。
また、チッピング202は、様々な大きさがあり、後工程で影響しない微細なチッピング(例えば、0.1mm以下のチッピング)については、検出する必要はない。
このため、照明手段20の照射強度を強める方向に調整し、ウェハ200のベベル201に若干のハレーションを生じさせ、微細なチッピングによる暗部を飽和して明部とし、微細なチッピングの過検出を防止することが好ましい。
【0028】
そして、載置手段10の回転ステージ11は、演算手段50の制御信号に基づき、先の撮像領域と一部重畳する範囲で次の撮像領域まで回転する。
撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)は、演算手段50の制御信号に基づき、新たな撮像領域(次の撮像領域)におけるウェハ200のベベル201を含む領域を撮像し、画像処理手段40に画像データを出力する。
【0029】
以下、前述の処理動作と同様に、演算手段50の制御信号に基づき、載置手段10の回転ステージ11は、順次、次の撮像領域まで回転し、撮像手段30は、新たな撮像領域(次の撮像領域)におけるウェハ200のベベル201を含む領域を撮像し、画像処理手段40に画像データを出力することを、ウェハ200の周縁部の全周を撮像するまで繰り返す。
【0030】
そして、画像処理手段40は、撮像された画像データを取得すると、ウェハ200のベベル201を帯状の画像として編集し、画像処理後の編集画像データを演算手段50に出力する。
演算手段50は、
図5に示すように、編集画像データにおける帯状部分(ベベル部分)の幅Wを、ノッチ201a又はオリフラ201b(円弧部分とオリフラ部分との境界の角の部分)を基準点として中心角θ毎に算出し、帯状部分の幅が局所的に狭いところをチッピング202として検出する。
【0031】
なお、ベベル201の幅Wは、ウェハ200の外周面取研削装置の加工精度が精密でないため、一定であるとは限らないのであるが、徐々に変化するものであり、局所的に変化するチッピング202と区別することができる。
また、後工程で影響しない微細なチッピング(例えば、0.1mm以下のチッピング)の過検出を防止するために、照明手段20の照射強度を調整する場合について前述したが、画像処理手段40の画像処理の設定値により過検出を防止してもよい。
すなわち、画像処理手段40は、チッピング202がない正常なベベル201の幅W(例えば、0.3mm)の閾値(例えば、0.2mm)を設定し、ベベル201の幅Wが0.2mm以上であれば、チッピング202がないものとする(微細なチッピングを無視する)ことが考えられる。
【0032】
そして、載置手段10の搬送アーム12は、演算手段50の制御信号に基づき、チッピング検査を終えたウェハ200を前方に移動してカセット300の元の位置に収納する。
また、上下動エレベータ102は、演算手段50の制御信号に基づき、カセット300内の次の検査対象のウェハ200の位置が載置手段10の回転ステージ11の高さと合うように、カセット300を上下方向に移動させる。
以下、前述の処理動作と同様に、ウェハエッジ検査装置100は、カセット300内の全てのウェハに対して同様のチッピング検査を行う。
【0033】
そして、ウェハエッジ検査装置100は、カセット300内の全てのウェハに対してチッピング検査を終えると、演算手段50が検査結果を表示手段60に出力し、表示手段60がチッピング202を検出したウェハ200の番号(必要に応じて、画像処理後のウェハ200の画像)を表示し、検査処理を終了する。
【0034】
なお、ウェハエッジ検査装置100は、チッピング202の有無のみを検出するだけでなく、チッピング202の位置を検出する場合であれば、以下の処理を行うことになる。
【0035】
演算手段50は、チッピング202として検出した位置における中心角θをチッピング202の座標位置θとして検出する。
【0036】
表示手段60は、演算手段50から入力される検査結果に基づき、チッピング202を検出したウェハ200の番号(必要に応じて、画像処理後のウェハ200の画像)と共に、チッピング202の位置座標をウェハ200のマップ及び座標位置θで表示する。
【0037】
以上のように、本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100においては、ウェハ200を撮像領域に載置させる載置手段10と、半球面の中心軸Oが載置手段10上のウェハ200の中心面S上に位置するように配設され、撮像領域における当該ウェハ200のベベル201を含む領域に光を照射するドーム型の照明手段20と、光軸Xが載置手段10上のウェハ200の中心面Sに対して略垂直であり、当該光軸Xが照明手段20で光を照射される当該ウェハ200のベベル201近傍と交差する位置に配設され、撮像領域におけるウェハ200のベベル201を含む領域を撮像する撮像手段30と、を備えることにより、装置構成が簡易であると共に、ウェハ200のベベル201(ノッチ201a、オリフラ201b)に暗部が残ることを防止して、ウェハ200のベベル201を鮮明に撮像することができるという作用効果を奏する。
【0038】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100は、
図1に示すように、載置手段10の回転ステージ11に取り付けられ、回転軸の位置を検出し、位置情報としてパルス信号を出力するロータリーエンコーダー(不図示)と、ロータリーエンコーダーからの出力パルスをカウントし、演算手段50にカウント情報を出力するカウンタユニット(不図示)と、を備える。
【0039】
また、本実施形態に演算手段50は、カウンタユニットのカウント情報に基づき、所定の時間間隔で、照明手段20(ドーム照明21、面発光照明22)及び同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)並びに撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)に制御信号を出力する。
【0040】
さらに、本実施形態に係る照明手段20(ドーム照明21、面発光照明22)及び同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)は、演算手段50の制御信号に基づき、所定の時間間隔で光を照射する機構を有する。
【0041】
また、本実施形態に係る撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)は、演算手段50の制御信号に基づき、撮像領域を所定の時間間隔で撮像する機構を有する。
【0042】
つぎに、本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100の処理動作について説明する。
なお、カセット300から1枚のウェハ200を取り出し、暗室101内の初期位置にウェハ200をセットし、撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)で撮像する前までは、前述した第1の実施形態と同様の処理動作となるので、説明を省略する。
【0043】
撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)は、演算手段50の制御信号に基づき、撮像領域におけるウェハ200のベベル201を含む領域を撮像し、画像処理手段40に画像データを出力する。
【0044】
そして、載置手段10は、初期位置に対してウェハ200を水平面内で等速に回転させる。
ロータリーエンコーダーは、回転軸の位置を検出し、位置情報としてパルス信号を出力する。また、カウンタユニットは、ロータリーエンコーダーからの出力パルスをカウントし、演算手段50にカウント情報を出力する。
【0045】
そして、演算手段50は、カウンタユニットのカウント情報に基づき、所定の時間間隔(例えば、100パルス毎)で、照明手段20(ドーム照明21、面発光照明22)及び同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)並びに撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)に制御信号を出力する。
【0046】
照明手段20(ドーム照明21、面発光照明22)及び同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)は、演算手段50の制御信号に基づき、所定の時間間隔(例えば、100パルス毎)で光を照射する。
また、撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)は、演算手段50の制御信号に基づき、照明手段20(ドーム照明21、面発光照明22)及び同軸照明30c(第1の同軸照明31c、第2の同軸照明32c)と同期して、先の撮像領域と一部重畳する新たな撮像領域(次の撮像領域)を所定の時間間隔(例えば、100パルス毎)で撮像し、画像処理手段40に画像データをそれぞれ出力する。
【0047】
そして、画像処理手段40は、撮像された画像データを取得すると、ウェハ200のベベル201を帯状の画像として編集し、画像処理後の編集画像データを演算手段50に出力するのであるが、前述した第1の実施形態と同様の処理動作となるので、説明を省略する。
【0048】
以上のように、本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100は、ロータリーエンコーダー及びカウンタユニットを用いて、ウェハ200を回転させながら撮像することにより、回転、停止及び撮像を繰り返す場合と比較して、1枚のウェハ200の撮像時間を短縮することができるという作用効果を奏する。
【0049】
(本発明の第3の実施形態)
図6は第3の実施形態に係るウェハエッジ検査装置のシステム構成を説明するための説明図である。
図6において、
図1乃至
図5と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
【0050】
本実施形態に係る照明手段20は、半球面の中心軸O上に開口部を有し、例えば、第1の実施形態で前述した面発光照明22を使用せず、開口部としてのカメラ穴21aが存在するドーム照明21を使用することが考えられる。
また、本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100は、照明手段20(ドーム照明21)の半球面の中心軸O上に光軸X
3が配設され、照明手段20(ドーム照明21)の開口部(カメラ穴21a)を介して、撮像領域におけるウェハ200の端面(APEX)を含む領域を撮像する第3の撮像手段33(第3のカメラ33a、第3のテレセントリックレンズ33b、第3の同軸照明33c)を備える。
【0051】
なお、第3のカメラ33aは、第1のカメラ31a及び第2のカメラ32aと同様に、センテック株式会社製のイメージセンサー「GigE Vision(登録商標) CCDモデル」(型名:STC-SB202POEHS、画素数:200万画素、センサーサイズ:1/1.8型(7.18mm×5.32mm)、解像度:1624×1236)を用いているが、このイメージセンサーに限られるものでない。
【0052】
また、第3のテレセントリックレンズ33bは、第1のテレセントリックレンズ31b及び第2のテレセントリックレンズ32bと同様に、第3の同軸照明33cとの接続部を備えた同軸ポート付テレセントリックレンズであり、作動距離(WD:work distance)が65mmであり、レンズ倍率が1倍(1×)であるレンズを用いているが、ウェハエッジ検査装置100のユーザーの要求(視野、スループット)により、レンズ倍率が0.5倍(0.5×)であるレンズを使用することも可能である。
【0053】
また、本実施形態に係る第3の同軸照明33cは、第1の同軸照明31c及び第2の同軸照明32cと同様に、株式会社イマック製「同軸スポット照明」を用いているが、この同軸照明に限られるものではない。
【0054】
また、本実施形態に係る演算手段50は、載置手段10、照明手段20及び撮像手段30(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)の制御に加え、第3の撮像手段33を制御すると共に、画像処理手段40で画像処理された画像に基づいてウェハ200のベベル201及び端面に生じるチッピング202を検出する。
また、本実施形態に係る画像処理手段40は、撮像された画像データを取得すると、ウェハ200のベベル201及び端面を帯状の画像として編集し、画像処理後の編集画像データを演算手段50に出力する。
【0055】
なお、本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100は、第3の撮像手段33を備えるところのみが第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるところであり、第3の撮像手段33を備えることによる作用効果以外は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0056】
本実施形態に係るウェハエッジ検査装置100は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る上下の光学系(第1の撮像手段31、第2の撮像手段32)に加えて、水平の光学系(第3の撮像手段33)を備えることにより、ウェハ200の端面(エッジ全面)の撮像を可能にし、上下の光学系で撮像することができないウェハ200の端面に存在するチッピングを検出することができるという作用効果を奏する。