(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
複数の電池を備える電池パックは、これ等の電池を直列に接続することで出力電圧を高くできる。とくに、内蔵する電池を角形電池とする電池パックは、複数の角形電池を積層状態で配置することで、全体をコンパクトにして外形を小さくできる。さらに、電池パックは、電池温度を検出して電流を遮断する保護素子を電池に接続することで、過電流が流れる状態や異常な温度に加熱された状態では電流を遮断して電池を保護できる。(例えば、特許文献1及び2参照)
【0003】
複数の角形電池を備えると共に、これらの角形電池を直列に接続してなる従来の電池パックの一例を
図20に示す。この図に示す電池パックは、2個の角形電池91と、これ等の角形電池91に接続された保護素子95と、積層された角形電池91の一端に対向して配置された回路基板94とを備えている。角形電池91は、外装缶81の開口部を封口板82で閉塞すると共に、封口板82の中央部に凸部電極83を設けて一方の電極80とし、外装缶81を他方の電極80としている。
図20の電池パックは、2個の角形電池91を互いに逆向きの姿勢で、すなわち、凸部電極83を設けた端子面91Xが各々逆方向に配置される姿勢として積層して電池ブロック98としている。さらに、電池パックは、電池ブロック98の一端において、第1の角形電池91Aの外装缶81の底面81Aと第2の角形電池91Bの端子面91Xに設けた凸部電極83とをリード板93を介して直列に接続すると共に、電池ブロック98の他端において、第1の角形電池91Aの端子面91Xに設けた凸部電極83と第2の角形電池91Bの外装缶81の底面81Aとを、それぞれ保護素子95を介して回路基板94に接続している。また、電池パックは、直列に接続される中間接続点の電圧を回路基板94に入力するために、電池ブロック98の一端に接続されたリード板93を回路基板94まで延長して配置している。
【0004】
この電池パックは、2個の角形電池91を直列に接続するので、積層される外装缶81には電位差が生じる。したがって、2個の角形電池91を絶縁するために、積層される角形電池91の間には絶縁プレート92を積層している。また、中間接続点の電圧を検出するリード板93は、第1の角形電池91Aの外装缶81の表面に沿って配置している。それは、このリード板93と第2の角形電池91Bの外装缶81との間には電位差が生じているからである。また、電池ブロック98の他端において、角形電池91の電極80と回路基板94との間に接続される2個の保護素子95は、それぞれ角形電池91の端面に対向して配置されている。
【0005】
この電池パックは、以下のようにして製造される。
(1)2個の角形電池91を、
図20に示すように、端子面91Xが逆方向となる姿勢で積層して電池ブロック98とする。このとき、積層される角形電池91の間には絶縁プレート92を配置して互いに絶縁する。さらに、
図21に示すように、積層された角形電池91の周囲に固定テープ87を巻き付けて、2個の角形電池91を所定の姿勢で固定する。
(2)電池ブロック98の第1の端面98Xに2個の保護素子95を配置する。各保護素子95は、
図20に示すように、角形電池91の端面に対向して配置される。第1の保護素子95Aは、絶縁シート88を介して端子面91Xの端部に配置されると共に、一方の接続リード板96が第1の角形電池91Aの凸部電極83にスポット溶接される。第2の保護素子95Bは、絶縁シート88を介して第2の角形電池91Bの外装缶81の底面81Aの端部に配置されると共に、一方の接続リード板96が第2の角形電池91Bの外装缶81の底面81Aにスポット溶接して接続される。第1の保護素子95Aと第2の保護素子95Bは互いに隣接して配置される。さらに、第1の保護素子95Aと第2の保護素子95Bの表面、及び電極80との接続部に固定テープ89を付着してこれ等を電池ブロック98の定位置に固定しながら表面を被覆して保護する。
(3)
図21に示すように、第1の保護素子95A及び第2の保護素子95Bの他方の接続リード板96をそれぞれ回路基板94の短辺側の端部に半田付け等により接続する。さらに、回路基板94の反対側の端部において、長辺側の側縁部であって第1の角形電池91A側の側部にリード板93の一端を半田付け等により接続する。
(4)回路基板94と保護素子95との間において2本の接続リード板96を折り返して、回路基板94を電池ブロック98の第1の端面98Xに対向する姿勢で配置する。
(5)回路基板94の長辺側に接続されたリード板93を回路基板94の近傍の折曲部93aで折曲して、リード板93の延長部93Aを第1の角形電池91Aの外装缶81の表面に沿って配置すると共に、第1の角形電池91Aの底面側において折曲部93bで折曲して、先端に設けた接続部93Bを電池ブロック98の第2の端面98Yに対向する姿勢で配置する。
(6)電池ブロック98の第2の端面98Yにおいて、リード板93の接続部93Bを第1の角形電池91Aの外装缶81の底面81Aと第2の角形電池91Bの端子面91Xの凸部電極83にスポット溶接して接続し、第1の角形電池91Aと第2の角形電池91Bを直列に接続する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電池パックを例示するものであって、本発明は電池パックを以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0023】
図1ないし
図6に示す電池パック100は、積層状態に配置されて互いに直列に接続されてなる複数の角形電池1と、角形電池1の温度を検出して電流を遮断する保護素子5とを備えている。
【0024】
(角形電池1)
角形電池1は、充放電できる二次電池である。図の電池パックは、二次電池としてリチウムイオン二次電池を使用している。リチウムイオン二次電池は、容量と重量に対する充放電容量が大きく、電池パックの外形を小さく、また軽量にして充放電容量を大きくできる。ただし、本発明の電池パックは、リチウムイオン二次電池に代わって、他の充放電できる全ての二次電池も使用できる。
【0025】
図3の角形電池1は、一面を開口した有底筒状の外装缶11と、この外装缶11の開口を閉塞する封口板12とを備えている。外装缶11の開口部は、金属板をプレス加工した平板状の封口板12により、レーザー溶接でもって密封されている。
図3の角形電池1は、幅(w)よりも厚さ(t)の小さい外形であって、全体を薄い形状の角形電池としている。角形電池1は、外装缶11の両側を湾曲面として、外装缶11の四隅のコーナー部を面取りした形状としている。また、
図3に示すように、角形電池1の封口板12には、角形電池1の内圧が異常に上昇したときに開弁して外装缶11の内部のガスを外部に放出するための安全弁14の排出口15を備えている。さらに、封口板12は、外装缶11の内部に電解液を注入するための注液部16も備えている。
図3に示す封口板12は、一方の端部に安全弁14の排出口15を設けて他方の端部に注液部16を設けている。
【0026】
さらに、角形電池1は、封口板12を端子面1Xとして、その中央部に凸部電極13を備えている。この角形電池1は、封口板12に設けた凸部電極13が一方の電極10となり、封口板12及び外装缶11が他方の電極10となる。
図3の角形電池1は、互いに隣接する角形電池1を端子面1Xにおいて接続するために、封口板12の凸部電極13を第1の電極10Aとし、封口板12を第2の電極10Bとして、端子面1Xに正負の電極10を設けている。
図3の角形電池1は、封口板12の一方の端部であって、注液部16に隣接してクラッド板19を固定して、第2の電極10Bを形成している。この角形電池1は、クラッド板19を介してリード3を確実に接続できる。なお、
図3に示す角形電池1では、凸部電極13(第1の電極10A)が負極となり、封口板12及びクラッド板19(第2の電極10B)が正極となる。
【0027】
(保護素子5)
保護素子5は、角形電池1に過電流が流れると電流を遮断し、あるいは角形電池1が異常な温度に加熱されると電流を遮断する素子であって、ブレーカやヒューズ、PTC等である。図の保護素子5はブレーカ5Aで、隣接する角形電池1を直列に接続するリード3に接続されている。ブレーカ5Aである保護素子5は、
図6に示すように、互いに直列に接続される角形電池1の中間電位の位置に接続されており、角形電池1の温度が異常に高くなる状態で電流を遮断して角形電池1を保護する。
【0028】
図3のブレーカ5Aは、板状で四角形の本体部の両端から突出するリード板を備えており、一対のリード板に接続された接続リード板3Bを介して角形電池1の正負の電極10に接続されている。接続リード板3Bを介して角形電池1の電極10に接続される保護素子5は、角形電池1の端子面1Xに対向して配置されている。この保護素子5は、接続リード板3Bに接続された角形電池1の温度を速やかに検出して、電池温度が異常に高くなる状態では電流を遮断する。
【0029】
(電池ブロック8)
電池パック100は、複数の角形電池1を互い絶縁された状態で厚さ方向に積層して電池ブロック8Aを形成している。電池ブロック8Aは、複数の角形電池1を、
図3に示すように、端子面1Xが同一方向及び同一平面に位置する姿勢で積層している。さらに、
図3の電池パック100は、保護素子5を角形電池1の端子面1Xに対向して配置しており、隣接して積層してなる角形電池1を直列に接続してなるリード3の接続リード板3Bに保護素子5を接続している。図の電池パック100は、互いに直列に接続される角形電池1の中間電位の位置に保護素子5を接続している。この位置に接続される保護素子5は、接続リード板3Bに接続された角形電池1が異常な温度に加熱されると、接続リード板3Bを介して角形電池1の発熱が効率よく伝導されて、電流を速やかに遮断できる。
【0030】
さらに、電池ブロック8Aは、
図3と
図5に示すように、互いに隣接する角形電池1を、第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で、すなわち、
図5において隣接する角形電池1の第2の電極10Bが点対称の位置となるように積層している。この電池ブロック8Aは、封口板12の一方の端部であって、第2の電極10Bが配置されない領域において、互いに隣接する角形電池1を接続リード板3Bで直列に接続しながら、このスペースに保護素子5を理想的に配置できる。
【0031】
さらに、
図3の電池パック100は、複数の角形電池1を定位置に配置する電池ホルダ2Aを備えている。
図3の電池パック100は、2個の角形電池1を、電池ホルダ2Aを介して所定の姿勢で積層して電池ブロック8Aとしている。
【0032】
(電池ホルダ2)
電池ホルダ2は、全体を絶縁材のプラスチックで成形している。
図3の電池ホルダ2Aは、隣接する角形電池1の間に配置されて、隣接する角形電池1を絶縁する絶縁プレート部21と、角形電池1の端子面1Xに配置されて、端子面1Xをカバーするカバープレート部22と、カバープレート部22と対向する端部に位置して、複数の角形電池1の底面11Aと対向する端面プレート部23とを備えている。
図3に示す電池ホルダ2Aは、絶縁プレート部21とカバープレート部22と端面プレート部23とをプラスチックで一体成形している。
【0033】
絶縁プレート部21は、角形電池1の幅広面である主面をほぼ等しい大きさであって、積層される角形電池1を絶縁している。
図3の絶縁プレート部21は、中央凹に成形しており、充電時に厚さが変化する角形電池1の膨れを吸収できるようにしている。さらに、
図3に示す絶縁プレート部21は、両側縁に沿って低い側壁を設けており、両側を湾曲面としてコーナー部を面取りした外装缶11を位置決めしながら定位置に配置できるようにしている。絶縁プレート部21に配置される角形電池1は、両面テープを介して、あるいは接着して定位置に固定される。
【0034】
カバープレート部22は、絶縁プレート部21の一端に沿って、絶縁プレート部21の両側に突出して設けられており、絶縁プレート部21の両側に積層される角形電池1の端子面1Xに対向して設けられている。カバープレート部22は、電池ブロック8Aの一方の端面において、角形電池1の端子面1Xに設けた電極10を露出させるために電極窓24を開口している。
図3に示すカバープレート部22は、第1の電極10Aである凸部電極13と対向する位置と、封口板12の一方の端部に設けた第2の電極10Bと対向する位置に各々電極窓24を設けている。互いに隣接する角形電池1の第2の電極10Bは、平面視において点対称の位置に配置されているので、カバープレート部22に開口される複数の電極窓24も、
図3に示すように、点対称の位置に設けられている。
【0035】
このカバープレート部22は、電池ホルダ2Aの定位置に角形電池1をセットする状態で、電極窓24から第1の電極10Aである凸部電極13と第2の電極10Bであるクラッド板19とを露出させる。電池ブロック8Aは、この電極窓24において、角形電池1の第1の電極10Aと第2の電極10Bにリード3が接続される。以上のカバープレート部22は、端子面1Xの電極10以外の領域を電極窓24が開口されない部分で被覆するので、カバープレート部22の外側表面に配置されるリード3と端子面1Xとが不意に接触する弊害を有効に防止できる特徴がある。
【0036】
端面プレート部23は、絶縁プレート部21の他端に沿って、絶縁プレート部21の両側に突出して設けられており、絶縁プレート部21の両側に積層される角形電池1の底面11Aに対向して設けられている。電池パック100は、電池ホルダ2Aのカバープレート部22の電極窓24から表出する第1の電極10A及び第2の電極10Bに、リード3を溶接して接続する。このとき、角形電池1の電極10の表面には、リード3が重ねられ、その表面に溶接電極を押圧して、リード3が電極10にスポット溶接して連結される。溶接電極がリード3を電極10の表面に押圧してスポット溶接する状態では、電池ホルダ2Aの端面プレート部23が溶接電極の押圧力を支える台となる。したがって、電池ホルダ2Aの端面プレート部23は、好ましくは、溶接電極の押圧力に耐える強度に成形される。ただ、リード3を角形電池1の端子面1Xに押圧する状態で、リード3の表面にレーザービームを照射して、リード3を端子面1Xにレーザー溶接して接続することもできる。
【0037】
以上の電池ホルダ2Aは、絶縁プレート部21の両端に設けられるカバープレート部22と端面プレート部23とを互いに平行な姿勢で配置している。この電池ホルダ2Aは、カバープレート部22と端面プレート部23の間に配置される角形電池1の両端面の位置を位置決めしながら定位置に配置できる。
【0038】
(回路基板4)
さらに、電池パック100は、
図2に示すように、電池ブロック8Aの一方の端面であって、角形電池1の端子面1Xが配置された第1の端面8Xに対向して回路基板4を配置している。回路基板4は、ガラスエポキシ基板などの絶縁基板で、電池ブロック8Aの端面の外形にほぼ等しい四角形としている。この回路基板4は、角形電池1を過充電・過放電から保護するための保護回路を実現する電子部品(図示せず)を実装している。保護回路は、角形電池1を過充電や過放電から防止するために、直列に接続された角形電池1の中間接続点3aから入力される電圧を検出している。この保護回路は、放電している電池の電圧が最低電圧よりも低下すると放電電流を遮断し、また充電している電池の電圧が最高電圧よりも高くなると充電電流を抑制して電池を保護する。回路基板4に保護回路を実装する電池パックは、保護回路で角形電池1を保護しながら充放電できる。
【0039】
さらに、回路基板4は、
図3に示すように、外部と接続するための出力端子41及び信号端子42を表面に備えている。出力端子41及び信号端子42は、回路基板4の表面上に設けられて、プリント配線と接続した金属薄膜として回路基板4に固定されている。回路基板4に設けられた出力端子41及び信号端子42は、後述するキャップ部61や外装ケース7の端子窓61A、71Aから露出して外部に接続される。
【0040】
回路基板4は、
図2に示すように、電池ブロック8Aの第1の端面8Xに対向して定位置に配置される。電池ホルダ2Aのカバープレート部22は、
図2ないし
図4に示すように、回路基板4を定位置に配置するために、回路基板4に向かって突出する支持リブ25及び外周リブ26を備えている。支持リブ25は、カバープレート部22の中央部分に設けられており、先端を回路基板4の裏面に当接させて、回路基板4をカバープレート部22から離間させた姿勢で支持する。外周リブ26は、カバープレート部22の外周縁に沿って設けられている。図において第1の端面8Xの長辺側に位置する外周リブ26は、支持リブ25と同じ高さとしており、長方形状の回路基板4の長辺側の端縁部を裏面側から支持する。また、第1の端面8Xの短辺側に位置する外周リブ26は、支持リブ25より高く形成されており、その先端部の内側に沿って長方形状の回路基板4の短辺側の端縁を配置することで、回路基板4の両端を位置決めして電池ホルダ2Aの定位置に配置する。この電池ホルダ2Aは、支持リブ25の先端と、第1の端面8Xの長辺側に位置する外周リブ26の先端とを回路基板4の裏面に当接させて、回路基板4をカバープレート部22に対して平行な姿勢で定位置に配置する。この構造は、回路基板4をカバープレート部22から離間させた姿勢として、カバープレート部22との間に、回路基板4に実装される電子部品やリード3等を配置するスペースを形成しながら、電池ホルダ2Aの定位置に確実に配置できる。さらに、回路基板4の表面側に出力端子41及び信号端子42を設ける構造においては、出力端子41及び信号端子42の背面側を電池ホルダ2Aの支持リブ25及び外周リブで支持するので、電池パック100がセットされる機器側の接続端子に対して出力端子41及び信号端子42を確実に接触させることができる。
【0041】
(リード3)
さらに、電池パック100は、
図3ないし
図5に示すように、隣接する角形電池1を直列に接続し、あるいは角形電池1の電極10を回路基板4に接続するためのリード3を備えている。リード3は、
図3ないし
図6に示すように、電池ブロック8Aの出力側を回路基板4に接続する出力リード板3Aと、隣接する角形電池1を直列に接続する接続リード板3Bとを備えている。リード3は、金属板を所定の形状に裁断して製作される。なお、
図5においては、角形電池1の電極10と保護素子5と回路基板4とを接続するリード3を簡略化して太線で示している。
【0042】
出力リード板3Aは、直列に接続された角形電池1の両端に位置する電極10に接続されて、電池ブロック8Aの正負の出力側を回路基板4に接続する。出力リード板3Aは、一端がスポット溶接等の溶接により角形電池1の電極10に固定され、他端が半田付けして、あるいは溶接して回路基板4に固定される。
【0043】
接続リード板3Bは、隣接して配置された角形電池1の電極10に接続されて、隣接する角形電池1を直列に接続する。
図3に示す接続リード板3Bは、中間に保護素子5が接続されており、保護素子5の両端から突出する一対のリード板に一対の接続リード板3Bが接続されている。一対の接続リード板3Bは、一方が第1の角形電池1Aの第2の電極10Bに接続され、他方が第2の角形電池1Bの第1の電極10Aに接続されて、第1の角形電池と第2の角形電池を直列に接続する。接続リード板3Bは、スポット溶接やレーザー溶接等の溶接により角形電池1の電極10に固定される。
【0044】
さらに、保護素子5の両端に接続された一対の接続リード板3Bのうち一方の接続リード板3Bは、中間接続点3aの電圧を回路基板4に出力する検出リード部3bを備えている。検出リード部3bは、先端部が回路基板4に接続されて、直列接続された角形電池1の中間電位を回路基板4に出力する。
【0045】
この電池パック100は、
図3ないし
図6に示すように、電池ブロック8Aの第1の端面8Xにおいて、隣接する角形電池1をリード3を介して直列に接続すると共に、電池ブロック8Aの正負の出力側と、直列接続された角形電池1の中間接続点3aの各々を、リード3を介して回路基板4に接続している。第1の角形電池1Aは、一方の電極10である第1の電極10Aに出力リード板3Aを、他方の電極10である第2の電極10Bに接続リード板3Bを溶接して連結している。第2の角形電池1Bは、一方の電極10である第1の電極10Aに接続リード板3Bを、他方の電極10である第2の電極10Bに出力リード板3Aを溶接して連結している。2個の角形電池1は、中間に保護素子5が接続された接続リード板3Bを介して互いに直列に接続している。さらに、互いに直列に接続される2個の角形電池1の正負の出力は、出力リード板3Aを介して回路基板4に接続している。さらに、接続リード板3Bから延長された検出リード部3bを電池間の中間電位である電池電圧の検出端子として回路基板4に接続している。
【0046】
電池ブロック8Aの第1の端面8Xにおいて、電池ブロック8Aの正負の出力側に接続される一対の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される検出リード部3bは、
図4と
図5に示すように、第1の端面8Xの一辺(図において、第1の角形電池1Aの幅広面側)から同方向に引き出されて回路基板4に接続される。この構造は、
図4に示す姿勢で電池ブロック8Aの第1の端面8Xの一辺に隣接して回路基板4を接続した後、一対の出力リード板3A及び検出リード部3bを折り返すことで回路基板4を電池ブロック8Aの対向位置に簡単に配置できる。また、
図4に示す一対の出力リード板3Aと検出リード部3bは、角形電池1の幅方向に離間して配置している。この構造は、リード3同士の接触を有効に防止して安全性を確保できる。
【0047】
さらに、電池パック100は、電池ブロック8Aの第1の端面8Xにおいて、複数の角形電池1を直列接続すると共に、電池ブロック8Aの正負の出力と、角形電池1の中間接続点3aの各々を電池ブロック8Aの第1の端面8X側において回路基板4に接続している。このため、複数の角形電池1の電極10とリード3との接続やリード3と回路基板4との接続を全て電池ブロック8Aの第1面側で行うことができ、スポット溶接等の接続工程を簡単かつ容易にできる。
【0048】
ただ、電池ブロック8Aは、第1の端面8Xにおいて、電池ブロック8Aの正負の出力側に接続される一対の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される検出リード部3bとを、必ずしも第1の端面8Xの一辺から同方向に引き出す必要はなく、第1の端面8Xの異なる辺から引き出して回路基板4に接続することもできる。リード3を第1の端面8Xの異なる辺から外側に引き出す構造は、例えば、回路基板を電池ブロックの対向位置に配置した状態で、異なる辺から引き出されたリードを回路基板の表面側に接続し、あるいは、異なる辺から引き出されたリードを回路基板の裏面又は表面に接続されたリードに接続して回路基板に接続することができる。
【0049】
また、電池ブロックは、電池ブロックの正負の出力側に接続される一対の出力リード板と、中間接続点に接続される検出リード部の全てを第1の端面から外側に引き出すことなく、一部のリードを第1の端面上で回路基板に接続することもできる。この構造は、詳細には後述するが(
図10参照)、回路基板を短くカットし、あるいは、回路基板に切欠部を設けて電池ブロックの第1の端面の一部を回路基板から表出させると共に、この表出部分において、回路基板の裏面又は表面に接続されたリードを、第1の端面に配置される角形電池の電極や、この電極に接続されたリードに接続して電池ブロックを回路基板に接続する。
【0050】
このように、リードを第1の端面の異なる辺から引き出して回路基板に接続し、あるいは、リードを第1の端面から外側に引き出すことなく第1の端面上で回路基板に接続する構造は、電池ブロックの第1の端面に配線される複数のリードが接触するのを有効に防止できる特徴がある。
【0051】
(外装体)
以上の電池パック100は、電池ブロック8Aの外周を外装体6で被覆している。
図1に示す外装体6は、電池ブロック8Aの第1の端面8Xに配置されたキャップ部61と、電池ブロック8Aの第2の端面8Yに配置された端面プレート部23と、電池ブロック8Aの外周面を被覆する外装シート62とを備えている。この電池パック100は、電池ホルダ2Aの端面プレート部23を外装体6の一部に兼用している。すなわち、
図1の電池パック100は、一端に配置されたキャップ部61で回路基板4を被覆し、他端に配置された電池ホルダ2の端面プレート部23で角形電池1の外装缶11の底面11Aを被覆している。
【0052】
(キャップ部61)
キャップ部61は、電池ブロック8Aの第1の端面8X側に配置されて、回路基板4を収納する。回路基板4を収納するキャップ部61は、回路基板4の外側面と対向する端面壁と、この端面壁の外周に沿って形成された周壁とからなる浅い容器状に形成されており、その内部を、回路基板4を収納する収納部としている。端面壁は、端子窓61Aを開口しており、収納部に収納される回路基板4の表面に設けた出力端子41及び信号端子42を表出させている。
【0053】
さらに、キャップ部61は、回路基板4が収納される収納部の開口縁であって、周壁の端縁を電池ホルダ2Aのカバープレート部22に連結して、電池ホルダ2Aの定位置に固定されている。
図2ないし
図4に示す電池ホルダ2Aは、カバープレート部22の外周縁に沿って外周リブ26を設けており、この外周リブ26の外側面に係止凸部27を設けている。キャップ部61は、この係止凸部27を周壁に設けた係止部61Bに係止させて連結できるようにしている。図の係止凸部27はフック状に成形してキャップ部61を係止する形状としており、係止部61Bはフック形状の係止凸部27を係合させる貫通孔としている。ただ、係止部は周壁の内面に設けた係止凹部とすることもできる。
【0054】
(外装シート62)
外装シート62は、片面に接着層を設けたラベルシートとしている。この外装シート62は、両側縁をキャップ部61の外周と端面プレート部23の外周にラップさせる状態で、付着されて電池ブロック8Aの外周を被覆する。
図2の外装シート62は、角形電池1の外周面を被覆する本体シート部62Xの両側縁から電池ブロック8Aの第1の端面8X側に突出する突出片62Aと第2の端面8Y側に突出する突出片62Bとを有している。この外装シート62は、本体シート部62Xの中央部分で電池ブロック8Aの片側面を被覆すると共に、第1の端面8X側の突出片62Aでキャップ部61の表面を被覆し、第2の端面8Y側の突出片62Bで端面プレート部23の表面を被覆し、さらに、電池ブロック8Aの裏側面において各々の突出片62A、62Bの先端部に本体シート部62Xの先端部をラップさせて電池ブロック8Aの外周を被覆している。
【0055】
この構造の外装体6は、角形電池1の表面を外部に露出させることなく、角形電池1の外周面を外装シート62で被覆しながら、電池ブロック8Aの両端にキャップ部61と端面プレート部23を配置することにより角形電池1を保護できる特徴がある。とくに、キャップ部61と端面プレート部23をプラスチック製とすることで、落下等の衝撃による耐衝撃強度を高くできる。また、電池パック100の両端面は、図示しないが、電池パック100をデジタルカメラ等の携帯機器の電池収納部に挿入する状態で、電池収納部の底面や電池収納部の開口部に設けた抜け止め防止用の係止フックと当接する部位であるため、強度と耐久性が要求される部分である。したがって、この部分をプラスチック製の部材であるキャップ部や端面プレート部で被覆することで、携帯機器に繰り返し出し入れされて使用される用途においても優れた耐久性を実現でき、長期間にわたって安心して使用できる。
【0056】
さらに、外装体6として外装シート62を使用する構造は、電池パック100の外形を大きくすることなく、また、別部材の外装ケースを使用することなく、簡単な構造で電池ブロック8Aを被覆する構造を実現できる。ただ、電池パックは、回路基板が連結された電池ブロックを外装ケースに収納する構造とすることもできる。
【0057】
図7と
図8に示す電池パック200は、電池ブロック8Bの定位置に回路基板4が配置された電池組立9を外装ケース7に収納している。
【0058】
(外装ケース7) 外装ケース7はプラスチック製で、上方開口で箱形に成形している本体ケース71と、この本体ケース71の開口部を閉塞する蓋ケース72からなる。本体ケース71と蓋ケース72は、電池組立9を収納できる大きさの四角形の表面プレートの周囲に周壁を設けた箱形に成形している。本体ケース71と蓋ケース72は、互いの周壁を超音波溶着して連結して、内部に電池組立9を内蔵する。本体ケース71は、収納される電池組立9の回路基板4と対向する周壁に、回路基板4の出力端子41及び信号端子42を外部に露出させる端子窓71Aを開口している。
【0059】
ここで、
図8に示す電池ブロック8Bの電池ホルダ2Bは、角形電池1の間に配置される絶縁プレート部21の後端に端面プレート部を設けていない。この電池ホルダ2Bは、電池ブロックの全長を短くすることができ、電池組立9が収納される外装ケース7の外形を小さくできる特徴がある。ただ、外装ケースに収納される電池組立は、電池ホルダの絶縁プレート部の後端に端面プレート部を設けることもできる。この電池パックは、電池ブロックの第2の端面側を二重壁構造として、落下等の衝撃に対する強度を高くできる。
【0060】
以上の電池パックは、2個の角形電池1を積層して直列に接続している。ただし、本発明の電池パックは、積層する角形電池の個数、及び直列に接続する角形電池の個数を2個には限定しない。電池パックは、3個以上の角形電池を積層すると共に、これ等の角形電池を直列に接続することも、あるいは、4個以上の角形電池を積層して、これ等の角形電池を多直列を多並列に、又は、多並列を多直列に接続することもできる。ここで、電池パックは、直列接続される角形電池の個数で出力電圧を調整でき、並列接続する角形電池の個数で容量を調整できる。したがって、電池パックは、使用される用途に最適な出力電圧や容量となるように、積層する角形電池の個数とその接続状態を決定する。
【0061】
図9ないし
図11は、3個の角形電池1を備える電池パック300、400の例を示している。ここで、
図9と
図10は、電池パック300、400の端子面1X側における、角形電池1の電極10と保護素子5と回路基板4との接続構造を示しており、
図11は、これ等の電池パック300、400の等価回路図を示している。なお、
図9においては、角形電池1の電極10と保護素子5と回路基板4とを接続するリード3を簡略化して太線で示している。
【0062】
図9と
図10に示す電池パック300、400は、第1、第2、第3の角形電池1A、1B、1Cからなる3個の角形電池1を、端子面1Xが同一方向となる姿勢で積層すると共に、互いに隣接する角形電池1の第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で積層して電池ブロック8Cとしている。隣接する3個の角形電池1は、端子面1X側において、接続リード板3Bを介して直列に接続されている。互いに直列に接続される角形電池1の中間電位の位置には、保護素子5を接続している。電池パック300、400は、直列接続された角形電池1の両端に位置する電極10と、中間接続点3aの各々を、電池ブロック8Cの端面(端子面1X側の端面)において回路基板4、4’に接続している。
【0063】
図9の電池パック300は、電池ブロック8Cの正負の出力側に接続される一対の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される2本の検出リード部3bとを、電池ブロック8Cの端面の一辺(図において、第1の角形電池1Aの幅広面側)から同方向に引き出して回路基板4に接続している。リード3が近接する箇所においては、
図9の一点鎖線で示すように、リード3とリード3との間に絶縁シート63を配置して絶縁している。この構造の電池パック300も、端子面1X側において角形電池1に回路基板4を接続した後、一対の出力リード板3A及び2本の検出リード部3bを折り返すことで回路基板4を電池ブロック8Cの対向位置に簡単に配置できる。
【0064】
図10の電池パック400は、電池ブロック8Cの正負の出力のうち、負極側の出力(図において、第1の角形電池1Aの第1の電極10A)に接続される出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される2本の検出リード部3bとを、電池ブロック8Cの端面の一辺(図において、第1の角形電池1Aの幅広面側)から引き出して回路基板4’に接続している。電池ブロック8Cの正負の出力のうち、正極側の出力(図において、第3の角形電池1Cの第2の電極10B)に接続される出力リード板3Aは、電池ブロック8Cの端面の一辺から引き出すことなく、電池ブロック8Cの端面上(図においては、第3の角形電池1Cの端子面1X上)で回路基板4’に接続する構造としている。
【0065】
図10に示す回路基板4’は、電池ブロック8Cの端面の一辺から引き出される出力リード板3A及び2本の検出リード部3bが接続される端部と反対側の端部を部分的に切り欠いて切欠部4aを設けている。切欠部4aは、回路基板4’を電池ブロック8Cの端面に対向して配置する状態で、第3の角形電池1Cの第2の電極10Bと対向する位置に設けており、この切欠部4aに配置される出力リード板3Aを回路基板4’の裏面側に接続している。この電池パック400は、電池ブロック8Cの端面の一辺から引き出された出力リード板3Aと2本の検出リード部3bとを
図10の矢印で示すように折り返して、回路基板4を電池ブロック8Cの対向位置に配置する状態で、回路基板4’の切欠部4aにおいて、電池ブロック8Cの正極側の出力である第3の角形電池1Cの第2の電極10Bと、回路基板4’の裏面側に接続された出力リード板3Aとをスポット溶接やレーザー溶接等により接続する。回路基板4’と出力リード板3Aとの接続部分は、絶縁シールや絶縁塗料等の絶縁部材64により絶縁されており、近接するリード3等との接触を回避している。この回路基板4’は、表面側において、切欠部4aが形成されない領域に、出力端子(図示せず)と信号端子(図示せず)が形成される。この構造の電池パック400は、電池ブロック8Cの端面において、角形電池1に接続されるリード3が近接するのを防止できるので、
図9に示すような絶縁シート63を配置することなく配線できる。
【0066】
図12ないし
図19は、4個の角形電池1を備える電池パック500、600、700、800の例をそれぞれ示している。
図12、
図14、
図16及び
図18は、電池パック500、600、700、800の端子面1X側における、角形電池1の電極10と保護素子5と回路基板4との接続構造を示しており、
図13、
図15、
図17及び
図19は、これ等の電池パック500、600、700、800の等価回路図を示している。ここで、
図12と
図13に示す電池パック500は、4個の角形電池1を直列に接続する例を示しており、
図14ないし
図19に示す電池パック600、700、800は、4個の角形電池1を2直列を2並列に、又は、2並列を2直列に接続する例を示している。なお、
図12、
図14、
図16、及び
図18においては、角形電池1の電極10と保護素子5と回路基板4とを接続するリード3を簡略化して太線で示している。
【0067】
図12に示す電池パック500は、第1、第2、第3、第4の角形電池1A、1B、1C、1Dからなる4個の角形電池1を、端子面1Xが同一方向となる姿勢で積層すると共に、互いに隣接する角形電池1の第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で積層して電池ブロック8Dとしている。隣接する4個の角形電池1は、端子面1X側において、接続リード板3Bを介して直列に接続されている。さらに、
図12と
図13に示す電池パック500は、第1の角形電池1Aと第2の角形電池1Bの中間電位の位置と、第3の角形電池1Cと第4の角形電池1Dの中間電位の位置に保護素子5を接続している。この電池パック500は、4個の角形電池1に対して2個の保護素子5を配置している。この構造は、保護素子5の個数を少なくしながら、いずれかの角形電池1が異常な温度に加熱される状態では、角形電池1の温度を速やかに検出して電流を遮断できる。ただ、電池パックは、
図12と
図13の鎖線で示すように、第2の角形電池1Bと第3の角形電池1Cの中間電位の位置にも保護素子5を接続することができる。この電池パックは、4個の角形電池1に対して3個の保護素子5を配置して保護する。
【0068】
さらに、
図12に示す電池パック500は、直列接続された角形電池1の両端に位置する電極10と、中間接続点3aの各々を、電池ブロック8Dの端面(端子面1X側の端面)において回路基板4に接続している。
図12の電池パック500は、電池ブロック8Dの正負の出力側に接続される一対の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される3本の検出リード部3bとを、電池ブロック8Dの端面の一辺(図において、第1の角形電池1Aの幅広面側)から同方向に引き出して回路基板4に接続している。リード3が近接する箇所においては、
図12の一点鎖線で示すように、リード3とリード3との間に絶縁シート63を配置して絶縁している。この構造の電池パック500も、端子面1X側において角形電池1に回路基板4を接続した後、一対の出力リード板3A及び3本の検出リード部3bを折り返すことで回路基板4を電池ブロック8Dの対向位置に簡単に配置できる。
【0069】
図14と
図15に示す電池パック600は、第1、第2、第3、第4の角形電池1A、1B、1C、1Dからなる4個の角形電池1を、端子面1Xが同一方向となる姿勢で積層して電池ブロック8Eとしている。
図14と
図15に示す電池パック600は、並列接続された2個の角形電池1で1つの並列ユニット31を構成すると共に、2つの並列ユニット31を直列に接続して、4個の角形電池1を2並列を2直列に接続している。
図14の電池パック600は、並列ユニット31を構成する2個の角形電池1については、第2の電極10Bが対向位置となる姿勢で積層しており、互いに隣接する並列ユニット31においては、対向する角形電池1の第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で積層している。
図14の電池パック600は、第1の角形電池1Aと第2の角形電池1Bを並列に接続して第1の並列ユニット31Aとし、第3の角形電池1Cと第4の角形電池1Dを並列に接続して第2の並列ユニット31Bとしている。2つの並列ユニット31は、端子面1X側において、接続リード板3Bを介して直列に接続されている。さらに、
図14と
図15の電池パック600は、第1の並列ユニット31Aと第2の並列ユニット31Bの中間電位の位置に保護素子5を接続している。この電池パック600は、4個の角形電池1に対して1個の保護素子5を配置している。この構造は、保護素子5の個数を最少にしながら、いずれかの角形電池1が異常な温度に加熱される状態では、角形電池1の温度を速やかに検出して電流を遮断できる。
【0070】
さらに、
図14に示す電池パック600は、直列に接続された2つの並列ユニット31の両端に位置する電極10と、中間接続点3aの各々を、電池ブロック8Eの端面(端子面1X側の端面)において回路基板4に接続している。
図14の電池パック600は、電池ブロック8Eの正負の出力側に接続される一対の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される検出リード部3bとを、電池ブロック8Eの端面の一辺(図において、第1の角形電池1Aの幅広面側)から同方向に引き出して回路基板4に接続している。この電池パック600は、中間接続点3aに接続される検出リード部3bから並列ユニット31の平均電圧を検出して、各々の角形電池1を保護する。この構造の電池パック600も、端子面1X側において角形電池1に回路基板4を接続した後、一対の出力リード板3A及び検出リード部3bを折り返すことで回路基板4を電池ブロック8Eの対向位置に簡単に配置できる。
【0071】
さらに、
図16ないし
図19に示す電池パック700、800は、第1、第2、第3、第4の角形電池1A、1B、1C、1Dからなる4個の角形電池1を、端子面1Xが同一方向となる姿勢で積層して電池ブロック8F、8Gとしている。
図16ないし
図19に示す電池パック700、800は、直列接続された2個の角形電池1で1つの直列ユニット32を構成すると共に、2つの直列ユニット32を並列に接続して、4個の角形電池1を2直列を2並列に接続している。
図16と
図18の電池パック700、800は、互いに隣接する第1の角形電池1Aと第2の角形電池1Bを直列に接続して第1の直列ユニット32Aとし、互いに隣接する第3の角形電池1Cと第4の角形電池1Dを直列に接続して第2の直列ユニット32Bとしている。直列ユニット32を構成する2個の角形電池1は、端子面1X側において、接続リード板3Bを介して直列に接続されている。それぞれの直列ユニット32は、互いに直列接続される角形電池1の中間電位の位置に保護素子5を接続している。これらの電池パック700、800は、4個の角形電池1に対して2個の保護素子5を配置している。
【0072】
図16に示す電池パック700は、直列ユニット32を構成する2個の角形電池1については、第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で積層しており、互いに隣接する直列ユニット32についても、対向する角形電池1の第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で積層している。すなわち、互いに隣接する角形電池1の第2の電極10Bが交互に非対向位置となる姿勢で積層している。さらに、
図16に示す電池パック700は、電池ブロック8Fの端面(端子面1X側の端面)において、2つの直列ユニット32を出力リード板3Aを介して並列に接続すると共に、2つの直列ユニット32を並列接続してなる一対の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される2本の検出リード部3bとを、電池ブロック8Fの端面の一辺(図において、第1の角形電池1Aの幅広面側)から同方向に引き出して回路基板4に接続している。リード3が近接し、あるいはラップする箇所においては、リード3とリード3との間に絶縁シート63を配置して絶縁している。この電池パック700は、各々の直列ユニット32の中間接続点3aにおける中間電位を、検出リード部3bを介して回路基板4に出力するので、個々の角形電池1の電圧を検出しながら角形電池1を保護できる。この構造の電池パック700も、端子面1X側において角形電池1に回路基板4を接続した後、一対の出力リード板3A及び2本の検出リード部3bを折り返すことで回路基板4を電池ブロック8Eの対向位置に簡単に配置できる。
【0073】
図18に示す電池パック800は、直列ユニット32を構成する2個の角形電池1については、第2の電極10Bが非対向位置となる姿勢で積層しており、互いに隣接する直列ユニット32については、対向する角形電池1の第2の電極10Bが対向位置となる姿勢で積層している。すなわち、この電池ブロック8Gは、
図18に示す平面視において、第2の角形電池1Bと第3の角形電池1Cの境界ラインを対称の軸として線対称な配置となるように4個の角形電池1を積層している。さらに、
図18に示す電池パック800は、2つの直列ユニット32の一端(図においては負極側)を電池ブロック8Gの端面(端子面1X側の端面)において出力リード板3Aで互いに接続するが、2つの直列ユニット32の他端(図においては正極側)は電池ブロック8Gの端面(端子面1X側の端面)で互いに接続することなく、各々を出力リード板3Aを介して回路基板4に接続している。すなわち、2つの直列ユニット32の他端(図においては正極側)は回路基板4上で接続されて、2つの直列ユニット32が並列に接続される。
【0074】
さらに、
図18に示す電池パック800は、2つの直列ユニット32の一端を接続する出力リード板3Aと、2つの直列ユニット32の他端に接続される2本の出力リード板3Aと、中間接続点3aに接続される2本の検出リード部3bとを、電池ブロック8Gの端面の一辺から同方向に引き出すが、前述の実施例のように、角形電池1の幅広面側に引き出すのではなく、角形電池1の側面である幅狭面側から同方向に引き出して回路基板4に接続している。リード3が近接し、あるいはラップする箇所においては、リード3とリード3との間に絶縁シート63を配置して絶縁している。この構造の電池パック800も、端子面1X側において角形電池1に回路基板4を接続した後、3本の出力リード板3A及び2本の検出リード部3bを折り返すことで回路基板4を電池ブロック8Gの対向位置に簡単に配置できる。
【0075】
なお、
図14、
図16、及び
図18に示す電池パック600、700、800は、互いに隣接する角形電池1を並列接続して並列ユニット31とし、あるいは、互いに隣接する角形電池1を直列接続して直列ユニット32としている。ただ、本発明の電池パックは、積層された複数の角形電池のうち、離れた位置にある角形電池同士を接続して並列ユニットや直列ユニットとすることもできる。例えば、4個の角形電池を積層してなる電池パックにおいては、第1の角形電池と第4の角形電池を接続して並列ユニットや直列ユニットとすることもできる。
【0076】
さらに、本発明の電池パックは、図示しないが、6個の角形電池を積層すると共に、これ等の角形電池を2直列を3並列に、2並列を3直列に、あるいは、3直列を2並列に、3並列を2直列に接続することもできる。