(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6602912
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】伐採装置
(51)【国際特許分類】
A01G 23/08 20060101AFI20191028BHJP
B27B 17/00 20060101ALI20191028BHJP
B27B 17/02 20060101ALI20191028BHJP
B27B 17/08 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
A01G23/08 501B
B27B17/00 D
B27B17/02
B27B17/08 C
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-87198(P2018-87198)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2019-187371(P2019-187371A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2018年5月2日
【審判番号】不服2018-14727(P2018-14727/J1)
【審判請求日】2018年11月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505268677
【氏名又は名称】株式会社九建
(73)【特許権者】
【識別番号】306031814
【氏名又は名称】株式会社 南王
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 眞二
(72)【発明者】
【氏名】平井 政之
【合議体】
【審判長】
刈間 宏信
【審判官】
見目 省二
【審判官】
中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−242801(JP,A)
【文献】
実開昭55−2677(JP,U)
【文献】
特開昭53−36098(JP,A)
【文献】
特開昭53−84297(JP,A)
【文献】
実公昭48−27594(JP,Y1)
【文献】
実開昭57−151701(JP,U)
【文献】
実開昭57−151702(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 23/08
B27B 17/00 - 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンソーと、このチェーンソーを固定するチェーンソー固定板と、前記チェーンソー固定板を水平方向に回転自在に支持するとともに、立木に固定するチェーンソー固定板支持体とからなる伐採装置において、
前記チェーンソー固定板は、前記チェーンソーの位置決めをする位置決め部材が設けられるとともに、前記チェーンソーが固定金具で押さえられて固定される金属板からなり、前記チェーンソー固定板の一端の隅部には前記チェーンソー固定板を前記チェーンソー固定板支持体に回動自在に垂直に挿入する横断面円形の挿入部材と、チェーンソー固定板の他端には前記チェーンソー固定板を回動させるためのロープを係止するロープ係止部材を備え、
前記チェーンソー固定板支持体は、前記チェーンソー固定板支持体を前記立木に固定する立木固定部材を備え、前記立木固定部材は、ベルトを立木に巻き閉めていくラッチェト式ベルトを備えるとともに、立木側には前記チェーンソー固定板支持体が立木に対して移動するのを防止する立木に食い込む凹凸板が上下に配置され、前記立木側と反対の側には前記横断面円形の挿入部材がコイルばねを介して挿入されてチェーンソー固定板を回動自在に支持する円筒が固定され、
前記コイルばねは、前記チェーンソー固定板の前記横断面円形の挿入部材と前記チェーンソー固定板支持体の前記円筒の間に配置され、一端がチェーンソー固定板に固定され、他端がチェーンソー固定板支持体に固定されてロープを引いて待機位置から回動した前記チェーンソー固定板を、ロープを緩めて前記待機位置に戻す方向に付勢するコイルばねであることを特徴とする伐採装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立木をチェーンソーで伐採する伐採装置に関し、特に簡単な構造で、伐採現場での組み立て、立木への固定に手間がかからず、作業者が伐採位置から離れた位置で安全に伐採作業をすることができる伐採装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業者が立木を直接伐採作業する場合、切り口が裂けて跳ね上がって当たったり、傾斜地の伐採作業では作業者が転倒したりなどして危険なため、作業者の安全を確保するために各種の伐採装置が提案されている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
前記特許文献1には、遠隔操作で立木を伐採する人肩運搬型の遠隔操作伐採装置として、樹木に取付架台を取り付け、この取付架台にスライドテーブルを装着し、スライドテーブルのチェーンソー移動台にチェーンソーを搭載して組み立て、送受信機を備えた制御手段により遠隔操作できる伐採装置が記載されている。
【0004】
また、前記特許文献2には、チェーンソー支持架台の支持ケースにチェーンソーが支持され、チェーンソーハンドルを操作するワイヤーからなる操作杆とチェーンソー支持架台の支持ケースを回動させてチェーンソーを動かすワイヤーからなる操作ハンドルを備えた遠隔操作できる伐採装置が記載されている。
【0005】
前記特許文献3には、旋回台にチェーンソーが支持され、操作部の操作によりチェーンソーを駆動するとともに、操作ワイヤーの操作により旋回台を旋回させて立木を切る遠隔操作できる伐採装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−240959号公報
【特許文献2】実開昭57-136701号公報
【特許文献3】実開昭55−118702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載の伐採装置においては、制御手段により遠隔操作するため、伐採装置の構造が複雑となり、また、現場でチェーンソー、スライドテーブル、取り付け架台の組立が簡単でないだけでなく、手間がかかるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2,3に記載の伐採装置では、ワイヤーをチェーンソーに接続して遠隔操作するために接続構造が複雑となり、その組立にも手間がかかるという欠点がある。
【0009】
そこで、本発明は、伐採装置の構造が簡単なので伐採現場において簡単に組み立て、立木に固定できるとともに、作業員の安全を確保するために伐採位置から離れた安全な場所で遠隔作業ができる立木の伐採装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願請求項1に記載の発明は、チェーンソーと、このチェーンソーを固定するチェーンソー固定板と、前記チェーンソー固定板を水平方向に回転自在に支持するとともに、立木に固定するチェーンソー固定板支持体とからなる伐採装置において、前記チェーンソー固定板は、前記チェーンソー
の位置決めをする位置決め部材が設けられるとともに、前記チェーンソーが固定金具で押さえられて固定される金属板からなり、前記チェーンソー固定板の一端の隅部には前記チェーンソー固定板を前記チェーンソー固定板支持体に回動自在に垂直に挿入する横断面円形の挿入部材と、
チェーンソー固定板の他端には前記チェーンソー固定板を回動させるためのロープを係止するロープ係止部材を備え、前記チェーンソー固定板支持体は、
前記チェーンソー固定板支持体を前記立木に固定する立木固定部材を備え、前記立木固定部材は、ベルトを立木に巻き閉めていくラッチェト式ベルトを備えるとともに、立木側の面には前記チェーンソー固定板支持体が立木に対して移動するのを防止する立木に食い込む凹凸板が上下に配置され、前記立木側の面と反対の側の面には前記横断面円形の挿入部材がコイルばねを介して挿入されてチェーンソー固定板を回動自在に支持する円筒が固定され、
前記コイルばねは、前記チェーンソー固定板
の前記横断面円形の挿入部材と前記チェーンソー固定板支持体
の前記円筒の間に
配置され、一端がチェーンソー固定板に固定され、他端がチェーンソー固定板支持体に固定されてロープを引いて待機位置から回動した前記チェーンソー固定板を、ロープを緩めて前記待機位置に戻す方向に付勢するコイルばね
であることを特徴とする伐採装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の伐採装置は、チェーンソーとワイヤーや制御手段と接続したりする必要がないので、チェーンソーをそのまま使用でき、チェーンソー固定板とチェーンソー固定板支持体だけなので、構造がシンプルで持ち運びやすく、また、現場でチェーンソーをチェーンソー固定板に固定してチェーンソー固定板の挿入部材をチェーンソー固定板支持体の円筒に挿入して回動自在に支持するだけなので、伐採装置を現場で手間を掛けることなく簡単に組み立てることができる。
【0014】
また、本発明の伐採装置は、伐採装置から離れた場所でロープを引いてチェーンソーを操作できるので、作業員の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の栽培装置を構成するチェーンソー固定板とチェーンソー固定板支持体の斜視図である。
【
図2】本発明の栽培装置を立木に固定した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1、
図2において、本発明の立木を伐採するための伐採装置は、チェーンソー1と、チェーンソー1を固定するチェーンソー固定板2と、チェーンソー固定板2を回転自在に支持して、立木に固定するチェーンソー固定板支持体3により構成される。
【0017】
チェーンソー固定板2は金属板4からなり、金属板表面には固定するチェーンソーの位置決めをする位置決め部材5が設けられている。チェーンソーはアーチ形あるいは門形の固定金具6で押さえて固定される。裏面には、必要に応じて、強度を上げるために金属板4を補強する補強リブ7を設けてもよい。
【0018】
チェーンソー固定板2の一端の隅部には、チェーンソー固定板2の表面と同一平面方向且つチェーンソー固定板2の長手方向に直角に横断面円形の棒あるいは管からなる挿入部材8が接続されている。挿入部材8はチェーンソー固定板支持体3の円筒11に挿入されてチェーンソー固定板2が回動自在に支持される。
【0019】
チェーンソー固定板2の他端には、ロープ9(
図1)を係止するため、ロープ係止部材10となるロープ9を通す孔10が形成されている。孔10にロープ9を掛けて引くことにより、チェーンソー固定板2をチェーンソー固定板支持体3の円筒11に挿入した挿入部材8を中心に回動させる。ロープ係止部材10は孔だけでなくロープを巻いて係止する突起など、チェーンソー固定板に係止できる係止部材であればよい。
【0020】
チェーンソー固定板支持体3は円筒11を備えており、円筒11にはチェーンソー固定板2の挿入部材8が挿入されてチェーンソー固定板2が回動自在に支持される。
【0021】
チェーンソー固定板支持体3は、チェーンソー固定板支持体3を立木に固定する立木固定部材12を備えている。立木固定部材12は、チェーンソー固定板支持体3を
、ベルト13を巻き付け、締め付けていき立木へ固定するものである。本実施例では、公知のラッチェト式ベルトの例で、ハンドルを往復動作させてベルト13を立木に巻き閉めていく。
【0022】
チェーンソー固定板支持体3には、チェーンソー固定板支持体3が移動するのを防止する移動防止部材14を備えている。移動防止部材14として、本実施例では、固定したチェーンソー固定板支持体3が作業中に上下動あるいは回動して移動しないように立木に食い込む凹凸板14が上下に配置されている。
【0023】
チェーンソー固定板2の挿入部材8とチェーンソー固定板支持体3の円筒11との間には、コイルばね15が配置され、コイルばね15の一端と他端がチェーンソー固定板2とチェーンソー固定板支持体3に固定されている。コイルばね15は回動したチェーンソー固定板2がコイルばね15の復元力により待機位置に戻る方向に付勢されている。ロープ9を引いてチェーンソー固定板2を待機位置からコイルばね15に抗して回動させ、ロープ9を緩めるとチェーンソー固定板2がコイルばね15の復元力により逆方向に回動して待機位置に戻る。
【0024】
前記構成の伐採装置の使用方法の一例について説明する。
【0025】
チェーンソー固定板支持体3の立木固定部材12であるラッチェト式ベルト13を立木16に巻き付けてハンドルを往復動作させて締め付け、移動防止部材14の上下の凹凸板を立木16に食い込ませチェーンソー固定板支持体3を移動しないように立木16へ強固に固定する。
【0026】
チェーンソー固定板支持体3の立木16への固定が終了すると、チェーンソー1を固定金具6で強固に固定したチェーンソー固定板2の挿入部材8を、立木に固定されているチェーンソー固定板支持体3の円筒11にコイルばね15を介して挿入して支持する。コイルばね15を回してコイルばね15の一端と他端をチェーンソー固定板2とチェーンソー固定板支持体3に固定する。
【0027】
チェーンソー固定板2とチェーンソー固定板支持体3の組立が終わると、チェーンソー固定板2の他端のロープ係止部材の孔10に、安全な作業位置までの長さのロープ9を通し、ロープ9を引いてチェーンソー固定板2を回動可能にする。
【0028】
こうして伐採装置の立木へのセットが完了すると、チェーンソー1を起動させて回転させた後、作業者は安全な位置に移動した後、ロープ9を引いてチェーンソー1を立木方向に移動させて伐採を開始する。
【0029】
伐採により立木が倒れると、ロープ9を緩めてチェーンソー固定板2をコイルばね15の作用によりに逆方向に回動させて待機位置に戻す。伐採作業終了後は、チェーンソー1を停止させ、逆の手順でチェーンソー固定板2をチェーンソー固定板支持体3から取り外し、チェーンソー固定板支持体3を立木16から取り外す。
【符号の説明】
【0030】
1:チェーンソー
2:チェーンソー固定板
3:チェーンソー固定板支持体
4:金属板
5:位置決め部材
6:固定金具
7:補強リブ
8:挿入部材
9:ロープ
10:ロープ係止部材(孔)
11:円筒
12:立木固定部材
13:ベルト
14:移動防止部材
15:コイルばね
16:立木