(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一形態に係る太陽電池アレイの一実施様態を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A’線で切断した様子を示す端面図であり、(c)は(a)のB−B’線で切断した様子を示す端面図である。
【
図2】本発明の一形態に係る太陽電池アレイにおける太陽電池モジュールの一実施形態を説明する図であり、(a)は受光面側から見た平面図、(b)は背面図、(c)は
図2(b)をD−D’線で切断した様子を示す端面図、(d)は
図2(b)をE−E’線で切断した様子を示す端面図である。
【
図3】本発明の一形態に係る太陽電池アレイにおける太陽電池モジュールを構成する太陽電池パネルの一実施形態太陽電池パネルの一実施形態を説明する図であり、(a)は受光面側から見た平面図であり、(b)はC−C’線で切断した様子を示す断面図である。
【
図4】本発明の一形態に係る太陽電池アレイにおけるテンションバーの一実施形態を説明する斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、(a)は
図1(c)のG部に相当する部位を拡大して示す分解斜視図であり、(b)は固定部材を拡大して示す側面図であり、(c)は
図1(c)のF部を拡大して示す端面図であり、(d)は
図1(c)のG部を拡大して示す端面図である。
【
図6】本発明の一形態に係る太陽電池アレイにおける固定部材の一実施形態を示す図面であり、斜め下から見た様子を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一形態に係る太陽電池アレイにおけるカバー部材の一実施形態を示す図面であり、(a)はカバー部材を斜め上から見た様子を示す斜視図であり、(b)はカバー部材を斜め下から見た様子を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、(a)は
図1(b)のH部に相当する部位を拡大して示す分解斜視図であり、(b)は
図1(b)のH部に相当する部位を拡大して示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、
図1のH部を拡大して示す端面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、(a)は
図1(c)のI部に相当する部位を拡大して示す分解端面図であり、(b)は
図1(c)のJ部に相当する部位を拡大して示す分解端面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、(a)は
図1(a)のK部に相当する部位を分解して示す分解斜視図であり、(b)は
図1(b)のL部に相当する部位を拡大して示す側面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図面であり、
図1(b)のH部に相当する部位を拡大して示す端面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、(a)は
図1(a)のM部に相当する部位を拡大して示す分解斜視図であり、(b)は固定部材を示す斜視図である。
【
図14】本発明の他の実施形態に係る太陽電池アレイを説明する図であり、(a)
図1(a)のN部に相当する部位を分解して示す分解斜視図であり、(b)はアンダーラップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、太陽電池アレイを構成する同一名称の部材については同一符号を付すものとし、重複した説明を省略する。また、図面は模式的に示したものであり、各図における構成要素のサイズおよび位置関係等は必ずしも正確に示したものではない。
【0010】
≪第1実施形態≫
図1(a),(b),(c)に示すように、太陽電池アレイ1は、水平面2に対して傾斜した構造物の設置面3上に、複数の太陽電池モジュール4を固定した構造を有する。また、太陽電池アレイ1は、屋根材としての防水性の機能を有するものである。設置面3と
しては、例えば建物の野地である。また、太陽電池アレイ1は、
図1(b),(c)に示すように、固定部材5、テンションバー6およびカバー部材7を有している。なお、
図1(b)は、テンションバー6の見えない位置で示す端面図であり、
図1(c)はテンションバー6の見える位置で示す端面図である。
【0011】
また、
図2(a),(b),(c),(d)に示すように、各太陽電池モジュール4は、太陽電池パネル11の外周部を複数のフレームで構成されるフレーム12で固定されている。各太陽電池モジュール4は、棟側(棟側のフレーム)の部位を固定部材5によって固定され、軒側(軒側フレーム)をカバー部材7によって固定される。
【0012】
なお、以下の説明では、設置面3と水平面2の交線に平行な方向を水平方向X(以下、X方向)とし、設置面3に平行でかつ設置面3と水平面2の交線に垂直な方向を傾斜方向Y(以下、Y方向)とし、X方向およびY方向の双方に対して垂直な方向を垂直方向Z(以下、Z方向)とする。
【0013】
また、Y方向へ隣接して配置された3枚の太陽電池モジュール4のうち、中央に位置する太陽電池モジュールを第1太陽電池モジュール4a、第1太陽電池モジュール4aのY方向の上側に位置する太陽電池モジュール4を第2太陽電池モジュール4b、第1太陽電池モジュール4aのY方向の下側に位置する太陽電池モジュールを第3太陽電池モジュール4cとする。
【0014】
また、通常、太陽電池パネル11の光を受けて発電に寄与する側の面を上面11aとし、上面11aと反対側の面を裏面11bとする。また、太陽電池アレイ1が設置面3上へ設置された際に、Y方向における上方向側を棟側または+Y方向とし、Y方向における下方向側を軒側または−Y方向とする。
【0015】
<太陽電池モジュール>
まず、太陽電池モジュール4の具体的な構成例について説明する。
【0016】
太陽電池モジュール4は、
図2に示すように、太陽電池パネル11を4個のフレーム12で固定されている。
【0017】
太陽電池パネル11は、
図3(a),(b)に示すように、主として光を受光する上面11aと該上面11aの反対側に位置する裏面11bとを有している。また、以下の説明においては、太陽電池アレイ1を設置した際に、太陽電池パネル11の軒側に位置する長辺を下端(例えば軒側)11cとし、棟側に位置する長辺を上端(例えば棟側)11dとし、一対の短辺を短辺11eとする。また、太陽電池パネル11の裏面11bには、裏面保護部材13が設けられている。太陽電池パネル11は、上面11a側から順に、太陽電池モジュール4の基板を兼ねる透光性基板14と、熱硬化性樹脂からなる一対の充填材15と、これら充填材15に周囲を保護されるとともに、インナーリード16で互いに電気的に接続された複数の太陽電池素子17と、裏面保護部材13とを備えている。太陽電池パネル11の外形は、例えば矩形状を有している。
【0018】
また、太陽電池パネル11の裏面11bには、太陽電池モジュール4の太陽電池素子17で得られた出力を外部に取り出すための端子ボックス18が設けられている。
【0019】
なお、太陽電池パネルの裏面11bは、全く受光(発電に寄与)しないわけではない。例えば、裏面保護部材13および充填材15に透光性を有するような材質を用いることによって、非受光面11b側から入射される光の一部を受けて発電に寄与させることができる。
【0020】
フレーム12は、太陽電池パネル11を保護する機能を有する。フレーム12は、例えば4個のフレームを組み合わせて構成される。具体的に、フレーム12は、
図2(a),(b)に示すように、軒側に配置される軒側フレーム12aと、棟側に配置される棟側フレーム12bと、一対の短辺に配置される2個の横側フレーム12cとからなる。
【0021】
軒側フレーム12aは、太陽電池パネル11の下端(軒側)11cを保護する。棟側フレーム12bは、太陽電池パネル11の上端(棟側)11dを保護する。横側フレーム12cは、太陽電池パネル11の短辺11eを保護する。
【0022】
軒側フレーム12aは、
図2(c)に示すように、上側の部分にあたる上部12a1と、上部12a1の下側に設けられており、太陽電池パネル11の下端11cの厚みよりも広く開口し、下端11cを嵌合可能なU型断面の嵌合部12a2を有する。また、軒側フレーム12aは、上部12a1から−Z方向に延びる側部12a3を有する。また、軒側フレーム12aは、側部12a3の下端から太陽電池パネル11の裏面11bと平行な方向に+Y方向(棟側方向)に延びるフランジ部12a4を有する。また、側部12a3は、
図2(d)に示すように、後述のテンションバー6を固定する第1ねじ8を挿通可能な孔部12a31を有している。
【0023】
また、棟側フレーム12bは、
図2(c)に示すように、上側の部分にあたる上部12b1と、上部12b1の下側に設けられており、太陽電池パネル11の上端11dの厚みよりも広く開口し、上端11dを嵌合可能なU型断面の嵌合部12b2を有する。また、棟側フレーム12bは、嵌合部12b2の下側に位置する下部12b3を有する。また、棟側フレーム12bは、下部12b3の下側に設けられ、嵌合部12b2と逆の方向(棟側方向)に開口するU型断面の鉤部12b4を有する。また、鉤部12b4は、
図2(b),(d)に示すように、後述のテンションバー6の連結部6cを嵌められるように、テンションバー6の幅よりも大きい幅に切りかかれた切欠部12b41を有する。なお、以下で鉤部12b4のうち、鉤部12b4の下側の部分を板状部12b42とする。
【0024】
なお、フレーム12には、例えばアルミニウム材を用いることができる、このような場合、フレーム12は押し出し成形等で製造すればよい。
【0025】
裏面保護材13は、充填材15を保護する役割を有するものであり、例えば、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、或いは、これらを積層したものが好適に用いられる。
【0026】
透光性基板14としては、太陽電池素子17に光を入射させることができる部材であれば特に限定されないが、例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどのガラスやポリカーボネート樹脂などからなる光透過率の高い基板を用いればよい。また、白板強化ガラスであれば、例えば厚みが3mm〜5mmであればよい。また、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂基板であれば、例えば厚みが5mm程度であればよい。
【0027】
充填材15は、後述する太陽電池素子17を封止する役割を有するものであり、例えば、熱硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂に架橋剤を含有して熱硬化の特性を持たせた樹脂を、Tダイと押出し機によりシート状に成形し切断して用いる。このような熱硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などが利用可能である。また、熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)やエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などの熱可塑性樹脂を主成分とし、それらに架橋剤を含有させたものが好適に用いられる。架橋剤は、熱可塑性樹脂の分子間を結合させる役割を有するものであり、例えば70〜180℃の温度で分解してラジカルを発生する有機過酸化物を用いることができる。有機過酸化物として、例えば2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンやtert−ヘキシルパーオキシピバレートなどが挙げられ、例えばEVA100質量部に対し1質量部程度の割合で含有させることが好ましい。
【0028】
インナーリード16は、例えば、厚さ0.1mm〜0.5mmの銅箔などの配線材の表面全面を20〜70μm程度メッキやディピングによりハンダコートしたものを用いればよい。
【0029】
太陽電池素子17は、例えば、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン等からなる平板状の部材が用いられる。このようなシリコン基板を用いる場合は、上述したように、インナーリード16で隣接するシリコン基板同士を電気的に接続すればよい。また、太陽電池素子17は、例えば、太陽電池素子17として、アモルファスシリコンからなる薄膜太陽電池、主に銅−インジウム−ガリウム−セレンの四元化合物からなるCIGS系太陽電池、CdTe系太陽電池、または結晶シリコン基板上に薄膜アモルファスを形成した太陽電池等を用いてもよい。
【0030】
例えば、アモルファスシリコン系太陽電池、CIGS系太陽電池またはCdTe系太陽電池を採用する場合、透光性基板上において、アモルファスシリコン層、CIGS層またはCdTe層を透明電極等と組み合わせて適宜積層するようにしたものが利用できる。
【0031】
端子ボックス18は、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)またはポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO樹脂)からなる箱体内にターミナル板を備えており、さらに端子ボックス18の外部へ電力を導出する出力ケーブルを備えるものでよい。
【0032】
<テンションバー>
テンションバー6は、太陽電池モジュール4を固定部材5に固定する部材である。テンションバー6は、
図4に示すように、一端側に設けられた鉤部6aと、他端側に設けられた当接部6bと、鉤部6aと当接部6bとを連結する短冊状の連結部6cとを有する長尺状の部材である。
【0033】
鉤部6aは、連結部6cと協働してU型断面を構成しており、当接部6bと相対する方向に開口している。鉤部6aの開口幅は、太陽電池モジュール4および固定部材5と組み合わせたときに、鉤部6aと連結部6cの間に、棟側フレーム12bの鉤部12b4と、固定部材5のフランジ部5a1および第1突出部5a3を挟むことできる幅に開口している。
【0034】
当接部6bは、連結部6cの先端を曲折し、連結部6cと直交するように設けられた部位である。当接部6bは、軒側フレーム12aの側部12a3と固定する第1ねじ8を取付けるねじ穴6b1を有している。
【0035】
このようなテンションバー6は、ステンレスや溶融亜鉛メッキを施した鉄鋼、アルミニウム合金などで形成することができる。
【0036】
<固定部材>
固定部材5は、
図5および
図6に示すように、固定部材5の長手方向(X方向)に直交する断面(YZ断面)の方向から見るとC字型の断面を有する長尺状の部材である。固定部材5は、太陽電池モジュール4と同じ長さを有する。固定部材5は、太陽電池モジュール4の棟側フレーム12bを支持する第1部位5aと、第1部位5aと対向する下側の部
分に設けられた第2部位5bとを有する。この第2部位5bは、設置面3に固定されている。さらに、固定部材5は、第1部位5aと第2部位5bとを連結する連結部5cを有する。
【0037】
また、第1部位5aは、連結部5cから+Y方向に張り出したフランジ部5a1と、フランジ部5a1の先端から上方向へ立設した立設部5a2とを有する。また、第1部位5aは、断面視(YZ断面)した場合において、立設部5a2の上端からフランジ部5a1と同じ方向に張り出した第1突出部5a3と、立設部5a2の上端から第1突出部5a3と逆の方向に張り出した第2突出部5a4とを有する。なお、第1フランジ部5a1と第1突出部5a3の主面同士は、Y方向において相対する。
【0038】
第1突出部5a3は、太陽電池モジュール4を第1部位5a上に配置したときに、太陽電池モジュール4に向かう方向に張り出した部分であり、棟側フレーム12bの鉤部12b4に挿入される。なお、
図6において、第1突出部5a3は、立設部5a2と直接に接続されず、第2突出部5a4と接続しているが、立設部5a2と直接接続する形態であっても構わない。
【0039】
また、固定部材5は、
図5(b)に示すように、フランジ部5a1、立設部5a2および第1突出部5a3でU型断面を構成することから、フランジ部5a1と第1突出部5a3との間に軒側フレーム12の鉤部12b4の板状部12b42を挟むことができる。
【0040】
また、第2突出部5a4は、
図5(d)に示すように、太陽電池モジュール4を第1部位5a上に配置したときに、太陽電池モジュール4から遠ざかる方向に張り出した部分である。第2突出部5a4は、テンションバー6の鉤部6aの短辺方向の幅よりも大きい幅に切り欠かれた切欠部5a41を有する。この切欠き部5a41には、テンションバー6の鉤部6aが挿入される。テンションバー6の鉤部6aが切欠部5a41に挿入されることにより、テンションバー6と固定部材5とが電気的に接続される。これにより、太陽電池モジュール4、固定部材5およびテンションバー6が電気的に接続される。さらに、第2突出部5a4は、下方向(−Z方向)に向けて突出したフック部5a42を有する。フック部5a42は、後述するカバー部材7の孔部7a32に嵌まることによって、固定部材5とカバー部材7とを固定することができる。
【0041】
第2部位5bは、張出部5b1と、張出部5b1上に設けられた孔部5b2とを有する。張出部5b1は、第2部位5bから上方に張り出すように形成されている。また、張出部5b1の上面は、連結部5cから遠ざかる方向に傾斜している。また、孔部5b2は、固定部材5を設置面3に固定する第2ねじ9を挿通する孔である。この第2ねじ9には、例えば木ねじが用いられる。
【0042】
このような固定部材5は、ステンレスや溶融亜鉛メッキを施した鉄鋼で形成することができる。
【0043】
<カバー部材>
カバー部材7は、
図7および
図8に示すように、第1太陽電池モジュール4aの棟側フレーム12bおよび固定部材5の第2突出部5a4を挟むC型断面の凹部7aを有している。また、カバー部材7は、第2太陽電池モジュール4bの軒側フレーム12aのフランジ部12a4が挿入される嵌合部7bを有する。
【0044】
凹部7aは、
図7に示すように、C型の縦棒に相当する立設部7a1と、立設部7a1の上部に連結する上部7a2と、立設部6a1の下部に連結する下部7a3とを有する。凹部7aの上部7a2の上面は、第2太陽電池モジュール4bの軒側フレーム12aを支
持する支持部となる。凹部7aの下部7a3は、テンションバー6の鉤部6aよりも広い幅に切り欠かれた切欠部7a31を有する。これにより、テンションバー6を取り付けた第1太陽電池モジュール4aにカバー部材7を取り付ける際に、テンションバー6とカバー部材7との干渉を避けることができる。また、凹部7aの下部7a3は、孔部7a32を有する。凹部7aの孔部7a32は、太陽電池アレイ1を組み立てたときに、固定部材5のフック部5a42と相対する位置に設けられている。凹部7aの孔部7a32にフック部5a42が嵌まることによって、カバー部材7と固定部材5との間の位置を固定することができる。
【0045】
凹部7aは、その内側に立設部7a1から下部7a3と同じ方向へ平行に張り出した張出部7cを有する。張出部7cと下部7a3との間の距離は、固定部材5の第2突出部5a4の厚みよりも大きいか同じであればよい。これにより、張出部7cと下部7a3との間に固定部材5の第2突出部5a4を嵌めることができる。
【0046】
また、嵌合部7bは、
図7に示すように、立設部7b1と、立設部7b1の上側に連結する上部7b2と、立設部7b1の下側に連結する下部7b3とを有する。嵌合部7bは凹部7aと同じ方向へ開口したC型の断面を有する。
【0047】
嵌合部7bは下部7b3を、凹部7aの立設部7a1に連結するとともに凹部7aの上部7a2から延在するように設けられている。このため、嵌合部7bは凹部7aよりも+Y方向側に位置する。
【0048】
このようなカバー部材7は、アルミニウム合金などで押出成形することで形成することができる。
【0049】
次に、
図5を用いて太陽電池モジュール4の固定部材5に対する固定について詳述する。
【0050】
まず、
図5(a)に示すように、−Z方向に向かうに従って太陽電池モジュール4(本実施形態では、第1太陽電池モジュール4a)とテンションバー6と固定部材5の順となるように重ねる。このとき、太陽電池モジュール4、テンションバー6および固定部材5の第2突出部5a4の+Y方向側の端部が、+Y方向へ向かうに従って太陽電池モジュール4、固定部材5、テンションバー6の順となるように配置する。次に、固定部材5およびテンションバー6を太陽電池モジュール4に向けて−Y方向に移動する。これにより、
図5(c)に示すように、太陽電池モジュール4の−Y方向側において、テンションバー6の当接部6bが太陽電池モジュール4の軒側フレーム12aに当接する。その後、第1ねじ8を軒側フレーム12aの孔部12a31に挿通した後にテンションバー6のねじ穴6b1に締結することによって、テンションバー6を太陽電池モジュール4に固定することができる。また、太陽電池モジュール4およびテンションバー6は、第1ねじ8で固定されるため、互いに電気的に接続される。
【0051】
一方、太陽電池モジュール4の+Y方向側では、
図5(d)に示すように、固定部材5の第1突出部5a3が棟側フレーム12bの鉤部12b4に入り込む。これにより、固定部材5は、太陽電池モジュール4に対して−Y方向の移動を拘束される。
【0052】
また、テンションバー6の鉤部6aが棟側フレーム12bの切欠部12b41に入り込み、テンションバー6の鉤部6aが固定部材5の切欠部5a41に入り込む。そして、太陽電池モジュール4の棟側フレーム12b、固定部材5およびテンションバー6をX方向から断面視すると、テンションバー6の鉤部6aと連結部6cとの間に、固定部材5の第1突出部5a3およびフランジ部5a1と棟側フレーム12bの鉤部12b4を挟むこと
ができる。このように固定部材5とテンションバー6により、太陽電池モジュール4の棟側は、固定部材5に対する+Y方向の移動および±Z方向の移動が拘束される。
【0053】
以上により、太陽電池モジュール4が固定部材5に固定される。
【0054】
次に、
図6〜
図9を用いて第1太陽電池モジュール4aと第2太陽電池モジュール4bとをカバー部材7を介して固定する構造について説明する。
【0055】
まず、第1太陽電池モジュール4aに装着された固定部材5の孔部5b2を用いて、第2ねじ9で固定部材5の第2部位5bを設置面3に固定する。これにより、固定部材5が装着された第1太陽電池モジュール4aが設置面3に固定される。この際に、固定部材5の孔部5b2の設けられた張出部5b1が、後述のカバー部材7に遮られないことから、第2ねじ9を棟側フレーム12bのZ方向の下方で締結(固定)することができるまた、固定部材5の孔部5b2に設けられた張出部5b1が、連結部5cから遠ざかる方向に傾斜しているため、第2ねじ9を容易に締結することができる。
【0056】
次に、カバー部材7を第1太陽電池モジュール4aの棟側フレーム12bに嵌め込む。このとき、
図8(b)と
図9に示すように、カバー部材7の凹部7aは、第1太陽電池モジュール4aの棟側フレーム12bと固定部材5の第2突出部5a4を挟みこむ。同時に、
図6に示す固定部材5のフック部5a42が、
図7に示すカバー部材7の孔部7a32に嵌まるように配置される。これにより、カバー部材7が固定部材5から脱落しないようになる。
【0057】
なお、カバー部材7は、下部7a3に切欠部7a31を設けられているため、テンションバー6を切欠部7a31内に収容することで干渉を避けて、第1太陽電池モジュール4aに取り付けることができる。これにより、カバー部材7が第1太陽電池モジュール4aおよび固定部材5に固定される。
【0058】
次に、第2太陽電池モジュール4bをカバー部材7の−Y方向側から+Y方向側に動かして、第2太陽電池モジュール4bの軒側フレーム12aのフランジ部12a4を、カバー部材7の嵌合部7bに差し込み、第2太陽電池モジュール4bをカバー部材7に固定する。より詳細には、第2太陽電池モジュール4bの軒側フレーム12aは、フランジ部12a4がカバー部材7の上部7a2と上部7b2との間に挟まれることによって、Z方向の移動が拘束される。これにより、第2太陽電池モジュール4bは、カバー部材7および固定部材5を介して設置面3に固定される。換言すれば、第2太陽電池モジュール4bは、第1太陽電池モジュール4aにカバー部材7を介して固定される。以下、第1太陽電池モジュール4aの固定と同様に、第2太陽電池モジュール4bに取り付けられた固定部材5を設置面3に第2ねじ9で固定する。なお、Y方向に隣接する他の太陽電池モジュール4についても同様の方法(構造)で固定することができる。
【0059】
次に、設置面3に取り付けた太陽電池アレイ1を例えばメンテナンスする際に太陽電池モジュール4を取り外す方法について
図10を用いて説明する。
【0060】
まず
、第1太陽電池モジュール4aとテンションバー6の間を固定する第1ねじ8を取り外し、第1太陽電池モジュール4aの軒側を−Y方向に移動させる。
【0061】
第1ねじ8を取り外した際、
図10(b)に示すように、第1太陽電池モジュール4aの棟側フレーム12bは、固定部材5の第1突出部5a3およびテンションバー6の鉤部6aによってZ方向および+Y方向の移動が拘束されているが、−Y方向への移動は許容
されている。そのため、元の位置に固定部材5およびカバー部材7を残した状態で、第1太陽電池モジュール4aを−Y方向に抜き取ることができる。
【0062】
一方、固定部材5の第2突出部5a4は、フック部5a42がカバー部材7の孔部7a32に挿入されている。さらに、固定部材5の第2突出部5a4は、カバー部材7の下部7a3と張出部7cとの間に挟まれている。これにより、カバー部材7は、第1太陽電池モジュール4aを取り外しても、固定部材5から脱落しない。
【0063】
上述のように、本実施形態では、太陽電池モジュール4の点検や交換などのために、太陽電池アレイ1から1枚の太陽電池モジュール4を容易に取り外すことができる。その結果、本実施形態では、定期なメンテナンスが容易になるため、太陽電池アレイ1の出力を維持しやすい。
【0064】
本実施形態では、第1太陽電池モジュール4aの棟側フレーム12bと、設置面3に固定される固定部材5の第2部位5bとが、設置面3に対する法線方向(Z方向)に並ぶように配置されている。そして、第1太陽電池モジュール4aおよび第2太陽電池モジュール4bを固定するカバー部材7が、第1太陽電池モジュール4aの棟側フレーム12bおよび固定部材5と別体で構成されている。本実施形態では、固定部材5の第1部位5aよりも棟側に張り出した嵌合部7bを有してはいるが、カバー部材7を別体としたため、カバー部材7に遮られることなく固定部材5の第2部位5bに第2ねじ9を取付けて固定しやすい。
【0065】
また、本実施形態では、第1太陽電池モジュール4aの軒側と棟側とを支持する支点間の距離を軒側フレーム12aと棟側フレーム12bの間の距離以下にすることができるため、第1太陽電池モジュール4aを支持するY方向の支点間の距離を小さくすることができる。これにより、本実施形態では、太陽電池アレイ1を構成する部材に加わるモーメントを低減できるため、太陽電池アレイ1の耐荷重性を高めることができる。
【0066】
なお、
図1および
図11に示すように、太陽電池アレイ1の軒側には屋根材10が配置されており、太陽電池アレイ1の最も軒側に位置する第3太陽電池モジュール4cは、その軒側フレーム12aをスターター部材20によって、屋根材10上に固定される。
【0067】
スターター部材20は、設置面3に当接する第1固定部20aを、屋根材10の棟側の設置面3にネジ止めにより固定されている。スターター部材20は、第1固定部20aから立ち上がる立ち上がり部20bと、立ち上がり部20bの上部から屋根材10上へ向かう方向に延びる板状の押さえ部20cとを有する。押さえ部20cは、太陽電池モジュールの軒側フレーム12aのフランジ部12a4を屋根材10との間で挟み込む。これにより、第3太陽電池モジュール4cは設置面3に固定される。
【0068】
≪第2実施形態≫
本発明の他の実施形態に係る太陽電池アレイ1について
図12を参照して説明する。
図12に示すように、太陽電池アレイ1を構成するカバー部材7の下部7b3の長さが異なる点で上述の実施形態と相違する。
【0069】
本実施形態でも、上述の実施形態と同様に、カバー部材7が固定部材5および軒側フレーム12aと別体であることから異なる形状のものに換装することができる。このように、本実施形態では、カバー部材7の形状容易に変更できるため、Y方向の長さが種々に異なる屋根材10に合わせて、太陽電池モジュール4のY方向の配置間隔を調整して設置することができる。これにより、本実施形態では、太陽電池アレイ1と屋根材10のY方向の長さを合わせられるため、太陽電池アレイ1と屋根材10との境の部分でのズレを低減して防水性を高めることができる。
【0070】
≪第3実施形態≫
本発明の他の実施形態に係る太陽電池アレイ1について
図13を参照して説明する。
図13(a)に示すように、本実施形態は、X方向に隣接する固定部材5同士が、電気的に接続される点で上述の実施形態と相違する。
【0071】
図13(b)に示すように、固定部材5は、X方向の第1端部5dに雌ネジを切ったねじ穴5eを有し、第1端部5dの他端である第2端部5fにおいてX方向に隣接する他の固定部材5の第1端部5d上に重なる接続部5gと、ねじ穴5eと重なるように接続部5gに設けられた貫通孔5hを有する。X方向に隣接する固定部材5は、第1端部5dと第2端部5fとが重ね合せられ、第3ねじ19が貫通孔5hを通りねじ穴5eに固定されることで、X方向に隣接する固定部材5同士が電気的に接続される。
【0072】
前述の通り、太陽電池モジュール4と固定部材5とは電気的に接続されているため、X方向に隣接する固定部材5同士を電気的に接続すれば、X方向に隣接する太陽電池モジュール4同士を電気的に接続することができる。
【0073】
これにより、X方向に隣接する複数の固定部材5から1つのアース線を接地することで、X方向に隣接する複数の太陽電池モジュール4を接地できる。その結果、太陽電池アレイ1を施工する工数を低減し、施工性を向上することができる。
【0074】
≪第4実施形態≫
本発明の他の実施形態に係る太陽電池アレイ1について
図14を参照して説明する。
図14(a)に示すように、本実施形態は、太陽電池モジュール4のX方向の端部で下側に配置されるアンダーラップ21を有する点で上述の実施形態と相違する。
【0075】
図14(b)に示すように、アンダーラップ21は、Y方向に延びる平板状の本体部21aと、本体部21aのX方向の両端で+Z方向に立ち上がるように設けられた第1立設部21bとを有する。さらに、アンダーラップ21は、本体部21aの+Y方向側に設けられた+Z方向に立ち上がる第2立設部21cと、第2立設部21cの+Y方向側に設けられた第2固定部21dとを有する。この第2固定部21dは、第2立設部21cから下垂し、設置面3に接触している。なお、第2立設部21cのZ方向の高さは、第1立設部21bのZ方向の高さよりも高い。
【0076】
アンダーラップ21は、X方向に隣接する太陽電池モジュール4の間で、その下側に跨って配置される。また、本体部21aの+Y方向の端部は、太陽電池モジュール4およびカバー部材の+Y方向の端部よりも、+Y方向に突き出して配置される。また、第2固定部21dは、設置面3に接触してネジで固定される。一方で、本体部21aの−Y方向の端部は、太陽電池モジュール4の軒側フレーム12aの嵌合部12a2とフランジ部12a4との間に配置される。
【0077】
アンダーラップ21は、X方向に隣接する太陽電池モジュール4の間から浸入した雨水を本体部21aで受けることができる。また、アンダーラップ21は、Y方向に隣接する太陽電池モジュール4同士の間から棟側に向かって強風により吹き込んだ雨水を第2立設部21cで遮ることができるため、設置面3が雨水で濡れにくくなる。これにより、設置面3の雨水等に起因する傷みを低減できる。また、第2立設部21cは、第1立設部21bよりも大きなZ方向の高さを有することによって、太陽電池モジュール4同士の隙間から強い空気の流れとともに吹き込む雨滴を効率よく遮ることができる。その結果、雨水銅を本体部21a上で受けることができる。
【0078】
また、太陽電池モジュール4のフランジ部12a4は、X方向に沿う一部を切欠かれた排水部(不図示)を有する。これにより、アンダーラップ21上を流れる雨水を、排水部から太陽電池アレイ1の外側に排水できる。
【0079】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
【0080】
例えば、本実施形態に適用できる太陽電池モジュール4としては、上述の実施形態で説明したスーパーストレート構造のものに限られるものではなく、ガラスパッケージ構造または、サブストレート構造などの種々の構造のものに適用可能である。