特許第6603114号(P6603114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603114
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】シフトスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20191028BHJP
   F16H 61/28 20060101ALI20191028BHJP
   F16H 63/34 20060101ALI20191028BHJP
   G05G 5/05 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   B60K20/02 E
   F16H61/28
   F16H63/34
   G05G5/05
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-231137(P2015-231137)
(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2017-95012(P2017-95012A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】槙尾 一平
(72)【発明者】
【氏名】三山 憲治
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0028886(US,A1)
【文献】 特開2006−349016(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0352476(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
F16H 61/28
F16H 63/34
G05G 5/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作経路に沿って移動され、中立位置において前記操作経路における所定操作位置に向かって突出する突起部を有するシフトレバーと、
車両に搭載された制御部により駆動制御されるアクチュエータと、
前記アクチュエータの出力部にギア結合して駆動されるホイール部材と、
押圧部と、前記押圧部から連続して形成された平面部と、を含んで構成され、前記ホイール部材と同期して回転するカム部と、
を備え、
前記所定操作位置と前記中立位置との間を前記シフトレバーが移動する際の操作経路を所定操作経路とするとともに、前記所定操作経路に沿って前記シフトレバーが移動した際に前記シフトレバーが通過する領域を所定操作経路範囲とし、
予め設定された車両状況が検出された場合に、前記所定操作位置に前記シフトレバーが位置していることを検出すると、前記制御部からの駆動信号に応じて前記アクチュエータにより前記ホイール部材を駆動制御して、前記カム部を前記所定操作経路に沿った方向に対して交差する平面上で回転させ且つ前記所定操作経路範囲外から前記所定操作経路範囲内に移動させると共に、前記押圧部を前記シフトレバーの軸線方向から前記突起部に当接させて前記シフトレバーを前記中立位置に復帰させ、且つ前記平面部と前記突起部とを対向させることを特徴とするシフトスイッチ装置。
【請求項2】
前記平面部は、前記カム部の回転方向に所定の幅を有して形成されることを特徴とする請求項1に記載のシフトスイッチ装置。
【請求項3】
前記平面部は、前記シフトレバーの軸線方向に平行に設けられ、
前記押圧部は、
前記カム部の回転方向における前記押圧部の一端に、前記平面部が接続されるとともに、
前記カム部の回転方向における前記押圧部の一端から他端に向かうに従って、前記シフトレバーから離間する向きに傾斜して形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のシフトスイッチ装置。
【請求項4】
前記カム部は、前記ホイール部材の内径内に設けられ、前記ホイール部材の回転軸を回転中心として前記ホイール部材と一体に回転することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシフトスイッチ装置。
【請求項5】
前記カム部の位置を検出する検出手段を備え、
前記検出手段は、前記シフトレバーの位置を検出するシフトレバー位置検出手段が設けられている基板上に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシフトスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シフトバイワイヤー式のオートマティック車両用のシフトスイッチ装置の中には、オートマティック操作モードとマニュアル操作モードとを運転者が選択することのできるものがある。このようなシフトスイッチ装置は、シフトレバーをガイドするガイド溝として、オートマティック操作モード時にシフトレバーが位置するオートマティック操作ガイド溝と、マニュアル操作モード時にシフトレバーが位置するマニュアル操作ガイド溝と、これらオートマティック操作ガイド溝とマニュアル操作ガイド溝とを繋ぐ中央ガイド溝と、を備えている。
【0003】
オートマティック操作ガイド溝には、ドライブ位置(D)、ニュートラル位置(N)、バック位置(R)といった複数の操作位置が設定されている。一方、マニュアル操作ガイド溝にも、アップシフト位置(+)、ニュートラル位置(N)、ダウンシフト位置(−)といった複数の操作位置が設定されている。また、中央ガイド溝は、オートマティック操作ガイド溝のニュートラル位置(N)と、マニュアル操作ガイド溝のニュートラル位置(N)と、を繋ぐように設けられており、この中央ガイド溝には、ホーム位置(H)が設定されている。
【0004】
運転者は、オートマティック操作モードからマニュアル操作モードに切り替えたり、マニュアル操作モードからオートマティック操作モードに切り替えたりする際に、中央ガイド溝を経由してシフトレバーを移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−151708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シフトレバーがマニュアル操作ガイド溝に位置している状態で、車両のエンジンが停止される場合がある。この場合、シフトレバーは、ホーム位置(H)に位置していないことになるが、車両のシステムは、シフトレバーがホーム位置(H)に位置しているものとして処理する。このため、シフトレバーの実際の位置と、車両のシステム上におけるシフトレバーの位置と、が一致しなくなるという課題がある。
【0007】
そこで、シフトレバーがマニュアル操作ガイド溝に位置している状態で車両のエンジンが停止されると、シフトスイッチ装置がシフトレバーをホーム位置(H)に復帰させて、一定の操作をしない限りシフトレバーをマニュアル操作ガイド溝に移動できないようにシフトロックをする技術が検討されている。
【0008】
その技術の一例として、偏心カムを用いる技術が考えられる。具体的には、シフトレバーの軸線方向に回転軸を有する偏心カムを設け、偏心カムを回転させることによって偏心カムとシフトレバーとの距離を変化させる。
このようにすれば、シフトレバーに当接させた状態の偏心カムを回転させることで、シフトレバーをホーム位置(H)側に押圧して、シフトレバーをホーム位置(H)に復帰させることができる。また、ホーム位置(H)にシフトレバーを復帰させた状態において、所定のロック位置で偏心カムの回転を停止させることで、シフトレバーがマニュアル操作ガイド溝に移動するのを規制してシフトロックをすることもできる。
【0009】
上述の偏心カムの回転には、電動モータを用いることが考えられる。具体的には、電動モータに対して電力および駆動信号を供給することで、電動モータにより偏心カムの回転駆動を開始し、電動モータに対する電力または駆動信号の供給を停止することで、電動モータによる偏心カムの回転駆動を停止させる。
【0010】
しかし、電動モータは、偏心カムの回転駆動を終了した後に惰性回転することがある。この偏心カムの惰性回転の有無やばらつきにより、偏心カムの回転が停止する位置にばらつきが生じてしまい、偏心カムとシフトレバーとの間隔がばらつき、ホーム位置(H)に復帰させたシフトレバーをシフトロックするロック位置がばらついてしまうおそれがあった。
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、中立位置に復帰させたシフトレバーをシフトロックするロック位置のばらつきを抑えるシフトスイッチ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下のような解決手段により、上述の課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、操作経路に沿って移動され、中立位置において前記操作経路における所定操作位置に向かって突出する突起部(14)を有するシフトレバーと(10)、車両に搭載された制御部(AA)により駆動制御されるアクチュエータ(60)と、前記アクチュエータの出力部にギア結合して駆動されるホイール部材(70)と、押圧部(821)と、前記押圧部から連続して形成された平面部(822)と、を含んで構成され、前記ホイール部材と同期して回転するカム部(80)と、を備え、前記所定操作位置と前記中立位置との間を前記シフトレバーが移動する際の操作経路を所定操作経路とするとともに、前記所定操作経路に沿って前記シフトレバーが移動した際に前記シフトレバーが通過する領域を所定操作経路範囲とし、予め設定された車両状況が検出された場合に、前記所定操作位置に前記シフトレバーが位置していることを検出すると、前記制御部からの駆動信号に応じて前記アクチュエータにより前記ホイール部材を駆動制御して、前記カム部を前記所定操作経路に沿った方向に対して交差する平面上で回転させ且つ前記所定操作経路範囲外から前記所定操作経路範囲内に移動させると共に、前記押圧部を前記シフトレバーの軸線方向から前記突起部に当接させて前記シフトレバーを前記中立位置に復帰させ、且つ前記平面部と前記突起部とを対向させることを特徴とするシフトスイッチ装置(1)である。
【0015】
請求項の発明は、請求項に記載のシフトスイッチ装置(1)において、前記平面部は、前記カム部の回転方向に所定の幅を有して形成されることを特徴とするシフトスイッチ装置(1)である。
【0016】
請求項の発明は、請求項またはに記載のシフトスイッチ装置(1)において、前記平面部は、前記シフトレバーの軸線方向に平行に設けられ、前記押圧部は、前記カム部の回転方向における前記押圧部の一端に、前記平面部が接続されるとともに、前記カム部の回転方向における前記押圧部の一端から他端に向かうに従って、前記シフトレバーから離間する向きに傾斜して形成されることを特徴とするシフトスイッチ装置(1)である。
【0017】
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載のシフトスイッチ装置(1)において、前記カム部は、前記ホイール部材の内径内に設けられ、前記ホイール部材の回転軸を回転中心として前記ホイール部材と一体に回転することを特徴とするシフトスイッチ装置(1)である。
【0018】
請求項の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載のシフトスイッチ装置(1)において、前記カム部の位置を検出する検出手段(33、34)を備え、前記検出手段は、前記シフトレバーの位置を検出するシフトレバー位置検出手段(31、32)が設けられている基板上に設けられることを特徴とするシフトスイッチ装置(1)である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中立位置に復帰させたシフトレバーをシフトロックするロック位置のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るホイール部材およびカム部材の分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るウォームギアとホイール部材との関係を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の動作を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の動作を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の動作を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の動作を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の動作を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態に係るシフトスイッチ装置1について、図1から図10を用いて以下に説明する。
なお、図1から図10の各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさおよび形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料などを示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
さらに、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、図中にXYZ直交座標系を設けたが、これらは単に図中の向きを統一して説明するために設定したものであり、絶対的な座標を示すものではない。
【0022】
図1は、シフトスイッチ装置1の分解斜視図である。シフトスイッチ装置1は、車両のシフト位置を切り替えるために車両に搭載されるものであり、シフトレバー10と、ベゼル21と、シフトベース22と、センサーカバー23と、ベースカバー24と、基板30と、ロータ部材40と、アーム部材50と、アクチュエータとしてのモータ60と、ホイール部材70と、カム部としてのカム部材80と、ガイドケース90と、を備えている。
【0023】
シフトレバー10は、運転者が操作可能なレバーであり、下方(Zマイナス側)に設けられたボール部12を支点として揺動可能なように、シフトベース22に取り付けられたホルダー221およびホルダーカバー222により保持される。シフトレバー10が揺動可能な方向、すなわちシフトレバー10の操作経路は、図5に示すように、ガイドケース90に形成されているガイド溝91によって規制される。具体的には、シフトレバー10の操作経路は、ガイド溝91によって、シフトレバー10の上端部(Zプラス方向側の端部)がX方向に沿って移動するシフト方向と、シフトレバー10の上端部がY方向に沿って移動するセレクト方向と、に規制される。
【0024】
ガイド溝91は、マニュアル操作モード時にシフトレバー10が位置するマニュアル操作ガイド溝911と、オートマティック操作モード時にシフトレバー10が位置するオートマティック操作ガイド溝912と、マニュアル操作ガイド溝911とオートマティック操作ガイド溝912とを繋ぐ中央ガイド溝913と、を備えている。
【0025】
マニュアル操作ガイド溝911には、アップシフト位置(+)、ニュートラル位置(N)、ダウンシフト位置(−)といった複数の操作位置が設定されている。オートマティック操作ガイド溝912には、ドライブ位置、ニュートラル位置、バック位置といった複数の操作位置が設定されている。また、中央ガイド溝913は、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)と、オートマティック操作ガイド溝912のニュートラル位置と、を繋ぐように設けられており、この中央ガイド溝913には、中立位置としてのホーム位置(H)が設定されている。
なお、本実施形態では、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)を所定操作位置とし、中央ガイド溝913を所定操作経路とする。また、ガイド溝91に沿ってシフトレバー10が操作された際にシフトレバー10が通過する領域のことを、操作経路範囲とする。また、中央ガイド溝913に沿ってシフトレバー10が操作された際にシフトレバー10が通過する領域のことを、操作経路範囲のうち特に、所定操作経路範囲とする。
【0026】
また、シフトレバー10には、節度部材13が取り付けられている。この節度部材13の下端部(Zマイナス方向側の端部)には、当接ピン131が設けられている。ガイドケース90には、シフトレバー10の揺動位置に対応した位置に、節度溝92が複数形成されている。当接ピン131は、節度溝92に対して付勢された状態で当接する。
このため、シフトレバー10が操作されると、当接ピン131が隣の節度溝92に移動する際に、適度な抵抗感(節度感、クリック感)を運転者に与えることができ、操作感を向上させることができる。また、当接ピン131と節度溝92との係合によって、シフトレバー10の操作位置が保持される。
【0027】
なお、シフトレバー10の操作経路を規制することと、当接ピン131が付勢された状態で当接することと、により、ガイドケース90には、運転者がシフトレバー10を操作するときの操作力による負荷が、シフトレバー10から掛かる。そこで、ガイドケース90は、図1に示すように、ストッパーピン93およびプッシュナット94を用いて、シフトベース22およびベースカバー24に対して強固に固定される。
【0028】
ボール部12は、シフトレバー10が挿入されることによりシフトレバー10と一体化されており、ボール部12の外形形状は、肉抜き形状に設けられているものの全体としては略球形状である。ボール部12のYマイナス側には、スリット状に開口した係合溝121が形成され、ボール部12のXマイナス側には、スリット状に開口した係合溝122が形成されている。
【0029】
係合溝121には、ロータ部材40の係合片41が摺動可能な状態で係合し、係合片41は、シフトレバー10のシフト方向(X方向)における揺動に追従して回転する。基板30に実装されているシフトレバー位置検出手段としてのホールIC31は、ロータ部材40の回転角度を検出する。
係合溝122には、アーム部材50の係合片51が摺動可能な状態で係合し、係合片51は、シフトレバー10のセレクト方向(Y方向)における揺動に追従して回転する。基板30に実装されているシフトレバー位置検出手段としてのホールIC32は、アーム部材50の回転位置を検出する。
基板30には、ホールIC31、32から検出結果を受信する制御回路35と、コネクタ36と、が形成されている。制御回路35には、コネクタ36を介して、車両に搭載された制御部AAが電気的に接続されている。制御部AAは、制御回路35から受信したホールIC31の検出結果に基づいて、シフトレバー10のシフト方向の揺動位置を判定するとともに、制御回路35から受信したホールIC32の検出結果に基づいて、シフトレバー10のセレクト方向の揺動位置を判定して、シフトレバー10の操作位置を特定する。
【0030】
また、シフトレバー10には、中央ガイド溝913のホーム位置(H)においてマニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)に向かって、すなわちYマイナス方向に向かって突出する突起部14が設けられている。
【0031】
シフトベース22には、Zプラス方向からベゼル21が取り付けられる。ベゼル21の上面(Zプラス方向側の側面)には、シフトレバー10が貫通する貫通孔211が形成されており、この貫通孔211は、ゲートカバー15で覆われる。ゲートカバー15には、シフトレバー10が貫通する貫通孔151が形成されている。シフトレバー10のうち、貫通孔151および貫通孔211から突出する部分には、図2に示すように、シフトノブ11が取り付けられる。
【0032】
図1に戻って、モータ60は、制御部AAから出力される駆動信号に基づいて、電力が制御回路35を介して供給され、出力軸を正回転または逆回転させる。モータ60の出力軸には、この出力軸と一体になって回転するように、ウォームギア61が設けられている。ウォームギア61は、図4に示すように、ホイール部材70と噛合する。
【0033】
図1に戻って、ホイール部材70は、シフトベース22に設けられた回転軸223により回転可能に軸支された状態で、ギアカバー224によりシフトベース22に取り付けられる。ホイール部材70には、カム部材80が取り付けられる。これらホイール部材70およびカム部材80について、図3を用いて以下に説明する。
【0034】
図3は、ホイール部材70およびカム部材80の分解斜視図である。
ホイール部材70は、上述の回転軸223が挿通される軸受部71と、カム固定用爪部72と、を備えている。
【0035】
カム部材80は、ホイール部材70の内径内に収容され、回転方向位置決めリブ83によりホイール部材70に対する相対位置が定められた状態で、カム固定用爪部72によりホイール部材70に固定される。このため、カム部材80は、回転軸223を回転中心として、ホイール部材70と一体に回転する。
なお、回転軸223は、Y方向に沿って延伸しているため、ホイール部材70は、Y方向に対して垂直な平面上、すなわち中央ガイド溝913に沿った方向に対して交差する平面上で、回転する。このため、カム部材80も、中央ガイド溝913に沿った方向に対して交差する平面上で回転する。
【0036】
カム部材80は、上述の回転方向位置決めリブ83が端縁に形成された円環状の基体81と、基体81から突出する突出部82と、を備えている。
基体81には、ホイール部材70の軸受部71が挿通される挿通孔811が形成されている。
【0037】
突出部82は、回転軸223に軸支されているホイール部材70にカム部材80が固定されている状態において、Yプラス方向、すなわち中央ガイド溝913の延在する方向に沿って、基体81から突出して形成されている。この突出部82は、押圧部821および平面部822を備えている。
【0038】
平面部822は、シフトレバー10の突起部14に対向可能に設けられている。具体的には、平面部822は、シフトレバー10の軸線方向に平行に設けられ、カム部材80の回転方向、言い換えると基体81の円環状の端縁に沿った方向に、所定の幅を有して形成されている。
【0039】
カム部材80の回転方向における押圧部821の一端には、平面部822が接続されている。また、押圧部821は、カム部材80の回転方向における押圧部821の一端から他端に向かうに従って、シフトレバー10から離間する向き、すなわちYマイナス方向に傾斜して形成されている。
この押圧部821は、詳細については図7、8を用いて説明するが、シフトレバー10の突起部14に、シフトレバー10の軸線方向から当接する。
【0040】
マグネット84は、ホイール部材70とカム部材80とで挟持されて固定される。図1に示すように、基板30のうち、ホイール部材70が回転した際にマグネット84が通る軌道と対向する位置には、検出手段としてのカム位置検出用ホールIC33、34が実装されている。カム位置検出用ホールIC33、34は、マグネット84の磁束を検出することによって、突出部82の回転位置を検出し、検出結果を制御回路35およびコネクタ36を介して制御部AAに送信する。
【0041】
以上のシフトスイッチ装置1は、予め設定された車両状況としてパーキングスイッチがオンされたことが検出された場合に、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)にシフトレバー10が位置していることを検出すると、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を正回転させて、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で時計回りにホイール部材70を回転させる。これにより、突出部82の押圧部821が、シフトレバー10の突起部14をYプラス方向に押圧し、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)から中央ガイド溝913のホーム位置(H)にシフトレバー10を復帰させる。
そして、カム位置検出用ホールIC33、34により、突出部82の回転位置が規制位置であることが検出されると、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60の正回転を停止させる。これにより、突出部82の平面部822が、シフトレバー10の突起部14に対向している状態を維持することになり、ホーム位置(H)からマニュアル操作ガイド溝911へのシフトレバー10の移動が規制される。
【0042】
また、シフトスイッチ装置1は、ドライブポジションにシフトレバー10を移動させるといった所定の操作が行われたことが検出された場合に、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を逆回転させて、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で反時計回りにホイール部材70が回転させる。これにより、平面部822が突起部14に対向している状態が解消され、突起部14からカム部材80の突出部82が離れていく。
そして、カム位置検出用ホールIC33、34により、突出部82の回転位置が待避位置であることが検出されると、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60の逆回転を停止させる。これにより、マニュアル操作ガイド溝911へのシフトレバー10の移動の規制が解除される。
【0043】
図5から図10を用いて、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)にシフトレバー10が位置している状態で、パーキングスイッチがオンされた場合におけるシフトスイッチ装置1の動作について、以下に詳述する。
【0044】
図5、6は、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)にシフトレバー10が位置している状態における、シフトスイッチ装置1を示している。この状態では、カム部材80の突出部82の回転位置が待避位置であり、シフトレバー10の突起部14から突出部82が大きく離間している。
【0045】
図5、6に示す状態において、パーキングスイッチがオンされたことが検出されると、シフトスイッチ装置1は、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を正回転させて、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で時計回りにホイール部材70が回転させる。すると、突出部82がシフトレバー10の所定操作経路範囲外から所定操作経路範囲内に移動して、図7、8に示すように、Zプラス方向から押圧部821が突起部14に当接する。
【0046】
押圧部821が突起部14に当接した後においても、シフトスイッチ装置1は、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を正回転させ続ける。すると、シフトレバー10は、押圧部821によりYプラス方向に押圧され、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で時計回りにホイール部材70が回転するに従って、シフトレバー10がマニュアル操作ガイド溝911からオートマティック操作ガイド溝912に向かって(Yプラス方向に)中央ガイド溝913を移動する。そして、突出部82のうち突起部14に当接する位置が、押圧部821から平面部822に変わる前後のタイミングで、シフトレバー10の当接ピン131が節度溝92から受ける力により、シフトレバー10が中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰する。
なお、シフトレバー10が中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰した状態では、図10を用いて後述するように、平面部822が、突起部14に対して所定の間隙を空けて対向する。このため、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で時計回りにホイール部材70が回転しても、シフトレバー10は移動しなくなる。
【0047】
図9、10は、カム部材80の突出部82の回転位置が規制位置である状態における、シフトスイッチ装置1を示している。この状態になると、シフトスイッチ装置1は、カム位置検出用ホールIC33、34により、突出部82の回転位置が規制位置であることを検出し、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60の正回転を停止させる。すると、平面部822が、突起部14に対して所定の間隙を空けて対向した状態を維持することになり、ホーム位置(H)からマニュアル操作ガイド溝911へのシフトレバー10の移動が規制される。
【0048】
以上では、図5から図10を用いて、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)にシフトレバー10が位置している状態で、パーキングスイッチがオンされた場合におけるシフトスイッチ装置1の動作について説明した。ドライブポジションにシフトレバー10を移動させるといった所定の操作が行われたことが検出された場合には、シフトスイッチ装置1は、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を逆回転させて、上述の場合と逆の順番で、図5から図10を用いて説明した上述の動作を行う。
【0049】
以上のように、シフトスイッチ装置1は、モータ60と、モータ60により駆動されるホイール部材70と、ホイール部材70と同期して移動するカム部材80と、を備えている。また、パーキングスイッチがオンされたことが検出された場合に、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)にシフトレバー10が位置していることを検出すると、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を正回転させることで、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で時計回りにホイール部材70を回転させる。そして、シフトレバー10の操作経路範囲外から操作経路範囲内に突出部82を移動させることにより、シフトレバー10を中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させる。
このため、シフトレバー10を中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させた後にホイール部材70の回転を停止させることで、シフトレバー10に近接させた状態で、突出部82をシフトレバー10に対向させることができる。したがって、中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させたシフトレバー10をシフトロックするロック位置のばらつきを、抑えることができる。
【0050】
また、シフトスイッチ装置1では、中央ガイド溝913に沿ってシフトレバー10を移動させると、シフトレバー10が所定操作経路内を移動する。そして、シフトスイッチ装置1は、パーキングスイッチがオンされたことが検出された場合に、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)にシフトレバー10が位置していることを検出すると、制御部AAからの駆動信号に応じてモータ60を正回転させることで、Yプラス方向から見たときにXZ平面上で時計回りにホイール部材70を回転させる。そして、シフトレバー10の所定操作経路範囲外から所定操作経路範囲内に突出部82を移動させることにより、シフトレバー10を中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させる。
このため、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)に位置しているシフトレバー10に突出部82を当接させ、突出部82によりシフトレバー10を押圧して、マニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)から中央ガイド溝913のホーム位置(H)にシフトレバー10を復帰させることができる。
【0051】
また、シフトスイッチ装置1は、シフトレバー10に、中央ガイド溝913のホーム位置(H)においてマニュアル操作ガイド溝911のニュートラル位置(N)に向かって突出する突起部14を設けている。また、カム部材80を、中央ガイド溝913に沿った方向に対して交差する平面上で回転させるとともに、このカム部材80に、押圧部821と、押圧部821から連続して形成された平面部822と、を設けている。また、押圧部821を、シフトレバー10の軸線方向からシフトレバー10の突起部14に当接させるとともに、平面部822を、突起部14と対向可能に設けている。
このため、カム部材80を回転させることで、シフトレバー10の軸線方向から突出部82を突起部14に当接させて、突出部82によりシフトレバー10を押圧することができる。
【0052】
また、シフトスイッチ装置1は、カム部材80の回転方向に所定の幅を有するように平面部822を形成している。
このため、平面部822がシフトレバー10の突起部14に対向している状態でカム部材80を回転させても、突起部14に平面部822を対向させ続けて、平面部822と突起部14との間隔を保つことができる。したがって、モータ60の惰性回転の有無やばらつきを平面部822で吸収することができ、中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させたシフトレバー10をシフトロックするロック位置のばらつきを、抑えることができる。
【0053】
また、シフトスイッチ装置1は、平面部822を、シフトレバー10の軸線方向に平行に設けている。
このため、平面部822がシフトレバー10の突起部14に対向している状態でカム部材80を回転させても、平面部822と突起部14との間隔を一定に保つことができる。したがって、モータ60の惰性回転の有無やばらつきを平面部822で吸収することができ、中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させたシフトレバー10をシフトロックするロック位置のばらつきを、さらに抑えることができる。
【0054】
また、シフトスイッチ装置1は、カム部材80の回転方向における押圧部821の一端に、平面部822を接続する。また、カム部材80の回転方向における押圧部821の一端から他端に向かうに従って、シフトレバー10から離間する向きに傾斜するように、押圧部821を形成している。
このため、押圧部821を突起部14に当接させた状態であっても、押圧部821の傾斜によりカム部材80を回転させることができ、突起部14に当接する部位を、押圧部821から平面部822に変化させることができる。
【0055】
また、シフトスイッチ装置1は、カム部材80を、ホイール部材70の内径内に設けるとともに、ホイール部材70の回転軸を回転中心としてホイール部材70と一体に回転させる。
このため、ホイール部材70とカム部材80とを同一平面上で回転させることができるので、スペースを有効利用することができ、シフトスイッチ装置1を小型化することができる。
【0056】
また、シフトスイッチ装置1は、シフトレバー10の位置を検出するホールIC31、32が実装されている基板30に、カム部材80の突出部82の回転位置を検出するカム位置検出用ホールIC33、34を実装している。
このため、シフトスイッチ装置1を小型化することができる。
【0057】
なお、上述の実施形態では、ホイール部材70は、Y方向に対して垂直な平面上で回転するが、これに限らず、Y方向に対して交差する平面上、言い換えると中央ガイド溝913に沿った方向に対して交差する平面上で、回転すればよい。
【0058】
また、上述の実施形態では、図3を用いて説明したように、カム部材80を、ホイール部材70と別体に設けたが、これに限らず、ホイール部材70と一体に設けてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、突出部82の回転位置が規制位置である場合、突出部82の平面部822が、シフトレバー10の突起部14に対して所定の間隙を空けて対向配置される。しかし、これに限らず、突出部82の回転位置が規制位置である場合、突出部82の平面部822がシフトレバー10の突起部14に当接してもよい。これにより、中央ガイド溝913のホーム位置(H)に復帰させたシフトレバー10にがたつきが生じてしまうのを、防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 シフトスイッチ装置、10 シフトレバー、14 突起部、30 基板、31、32 ホールIC、33、34 カム位置検出用ホールIC、35 制御回路、36 コネクタ、60 モータ、70 ホイール部材、80 カム部材、82 突出部、821 押圧部、822 平面部、90 ガイドケース、91 ガイド溝、911 マニュアル操作ガイド溝、912 オートマティック操作ガイド溝、913 中央ガイド溝、AA 制御部
図1
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図8
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