特許第6603139号(P6603139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6603139低温貯槽のドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603139
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】低温貯槽のドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 7/18 20060101AFI20191028BHJP
【FI】
   E04H7/18 302
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-7576(P2016-7576)
(22)【出願日】2016年1月19日
(65)【公開番号】特開2017-128867(P2017-128867A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健一
(72)【発明者】
【氏名】上田 和弘
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−021367(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0154320(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 7/02 − 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温貯槽のドーム屋根を防液堤に暫定的に固定するドーム屋根仮固定構造において、
前記ドーム屋根は放射状に延びる複数の屋根骨を備え、
前記防液堤の上面に配設され、前記ドーム屋根の屋根骨と結合された屋根固定梁と、前記屋根固定梁を跨ぐようにして前記防液堤の上面に着脱自在に固定され、前記屋根固定梁を前記防液堤に結合させる防液堤上固定治具とを、複数の前記屋根骨の夫々に対応して備えたことを特徴とするドーム屋根仮固定構造。
【請求項2】
前記防液堤の上面にはアンカーボルトが埋設されており、
前記防液堤上固定治具は、前記屋根固定梁を跨ぐ1対の脚部と前記脚部を結合する水平部とを有し、
前記脚部の下端には貫通孔を有するフランジが形成されており、
前記防液堤上固定治具は、前記アンカーボルトが前記貫通孔に挿通されると共に前記フランジが前記防液堤の上面に当接された状態で前記アンカーボルトを介して前記防液堤に締結されたことを特徴とする請求項1に記載のドーム屋根仮固定構造。
【請求項3】
前記防液堤の上面には凹部が形成され、
前記アンカーボルトの先端が前記凹部に収容されたことを特徴とする請求項2に記載のドーム屋根仮固定構造。
【請求項4】
屋根固定梁を介して低温貯槽のドーム屋根を防液堤に暫定的に固定するドーム屋根仮固定方法において、
前記防液堤に前記屋根固定梁を配設する工程と、
前記屋根固定梁を跨ぐように防液堤上固定治具を設置すると共に、前記防液堤上固定治具を前記防液堤に締結する工程と、
前記屋根固定梁と前記防液堤上固定治具の間に楔部材を嵌入する工程とを含み、
前記各工程を前記ドーム屋根の複数の屋根骨に対して行うことを特徴とするドーム屋根仮固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温貯槽のドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平底円筒型の低温貯槽(例えばLNGタンク)を外槽先行工法により建造する場合、コンクリート製の円筒型の防液堤が構築され、防液堤の内部で外槽底板と外槽側板とが組み立てられる。次に、外槽底板上で内槽屋根と外槽屋根とを含むドーム屋根が組み立てられ、このドーム屋根がエアレージングにより持ち上げられ、ドーム屋根が加圧エアにより支持された状態で外槽屋根の外周部が防液堤のトップリングに溶接により固定される。
【0003】
ところで、加圧エアにより支持された状態でドーム屋根をトップリングに溶接することが難しい場合があり、ドーム屋根は防液堤に暫定的に固定された後トップリングに溶接される。防液堤の上面に配設された複数の屋根固定梁を介してドーム屋根を防液堤に仮固定させる構造が特許文献1に開示されている。屋根固定梁は、防液堤の上面に溶接固定された門形固定治具に挿通されている。屋根固定梁と門形固定治具との間には楔部材が嵌入されており、屋根固定梁と防液堤とが楔作用を介して結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−238039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、門形固定治具が防液堤の上面に予め固定されていると、屋根固定梁を門形固定治具に挿通させる作業の方向、及び引出す作業の方向が門形固定治具によって規制され、場合によっては作業効率の低下を招く。
【0006】
本発明の目的は、ドーム屋根の仮固定の作業性を向上させたドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るドーム屋根仮固定構造は、低温貯槽のドーム屋根を防液堤に暫定的に固定するドーム屋根仮固定構造において、前記防液堤の上面に配設され、前記ドーム屋根の屋根骨と結合された屋根固定梁と、前記屋根固定梁を跨ぐようにして前記防液堤の上面に着脱自在に固定され、前記屋根固定梁を前記防液堤に結合させる防液堤上固定治具とを、複数の前記屋根骨の夫々に対応して備えたことを特徴としている。この構造によれば、防液堤上固定治具が防液堤に着脱自在であるため、屋根固定梁を配設する作業が防液堤上固定治具により制限されることがなく、作業性に優れている。
【0008】
前記防液堤の上面にはアンカーボルトが埋設されており、前記防液堤上固定治具は、前記屋根固定梁を跨ぐ1対の脚部と前記脚部を結合する水平部とを有し、前記脚部の下端には貫通孔を有するフランジが形成されており、前記防液堤上固定治具は、前記アンカーボルトが前記貫通孔に挿通されると共に前記フランジが前記防液堤に当接された状態で前記アンカーボルトを介して前記防液堤に締結されていてもよい。この構造によれば、防液堤上固定治具を防液堤に固定する構造を簡単化することができる。
【0009】
防液堤の上面には凹部が形成され、前記アンカーボルトの先端が前記凹部に収容されていてもよい。この構造によれば、作業者がアンカーボルトに躓くおそれが無く安全である。
【0010】
本発明に係るドーム屋根仮固定方法は、屋根固定梁を介して低温貯槽のドーム屋根外周部を防液堤に暫定的に固定するドーム屋根仮固定方法において、前記防液堤に前記屋根固定梁を配設する工程と、前記屋根固定梁を跨ぐように防液堤上固定治具を設置すると共に、前記防液堤上固定治具を前記防液堤に締結する工程と、前記屋根固定梁と前記防液堤上固定治具の間に楔部材を嵌入する工程とを含み、前記各工程を前記ドーム屋根の複数の屋根骨に対して行うことを特徴としている。この方法によれば、屋根固定梁を配設させた後で固定治具の設置、楔部材による仮固定が行われる。そのため、屋根固定梁を配設する作業が防液堤上固定治具により制限されることがなく、作業性に優れている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業性に優れたドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】低温貯槽の概略断面図である。
図2】ドーム屋根の屋根骨の配置を示す部分平面図である。
図3】本発明のドーム屋根仮固定構造の要部の断面図である。
図4】ドーム屋根仮固定構造の要部の平面図である。
図5図3のV−V線断面図である。
図6】本発明のドーム屋根仮固定方法のドーム屋根浮上工程における防液堤の上端側部分と外槽屋根等の断面図である。
図7】本発明のドーム屋根仮固定方法の屋根固定梁設置工程における防液堤の上端側部分と外槽屋根等の断面図である。
図8】本発明のドーム屋根仮固定方法の治具締結工程における防液堤の上端側部分と外槽屋根等の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法について、実施形態に基づいて説明する。
【0014】
平底円筒型の低温貯槽(例えばLNGタンク)を外槽先行工法により建造する場合、はじめにコンクリート製の円筒型の防液堤が構築される。次に、防液堤の内部で外槽底板と外槽側板とが組み立てられる。さらに、外槽底板上で内槽屋根と外槽屋根とを含むドーム屋根が組み立てられる。このドーム屋根がエアレージングにより持ち上げられ、ドーム屋根が加圧エアにより支持された状態で防液堤に暫定的に固定され、外槽屋根の外周部が防液堤のトップリングに溶接により固定される。
【0015】
図1に示すように、低温貯槽Tは、基礎コンクリート1と、コンクリート製の防液堤2と、防液堤2の内部の鋼材製の外槽底板3、外槽側板4、およびドーム屋根5と、トップリング6等を備えている。エアレージングにより持ち上げられたドーム屋根5が防液堤2に暫定的に固定された状態では、さらに後述のドーム屋根仮固定構造7を備えている。図1図2に示すように、ドーム屋根5は半径方向に放射状に延びる複数の屋根骨10,11、環状補強骨12〜17、これらに固定された内槽屋根5a、外槽屋根5b等を含む。尚、ドーム屋根5の外周部には加圧エアを封止する環状シール8が環状取付部材9を介して取り付けられている。
【0016】
次に、ドーム屋根仮固定構造7について説明する。
図3図5に示すように、本実施の形態のドーム屋根仮固定構造7は、防液堤2の上面に配設された屋根固定梁18と、屋根骨10,11を屋根固定梁18に支持させるための屋根骨上固定治具19と、防液堤2の上面に埋設された1対のアンカーボルト群20A,20Bと、防液堤2の上面に着脱自在に固定され、屋根固定梁18を防液堤2の上面に支持させるための防液堤上固定治具21等が、ドーム屋根5の複数の屋根骨10,11の夫々に対応して設けられている。尚、屋根固定梁18等は必ずしも全ての屋根骨10,11に対応するように設けられている必要はなく、強度上問題のない範囲内で一部の屋根骨10,11に対応するように設けられていてもよい。
【0017】
屋根骨上固定治具19は、外槽屋根5bの開口部5cから露出した屋根骨10,11の上面に溶接されて鉛直上方に延びる脚部19aと、この脚部19aの上端から径方向外方に延びる水平部19bとを有している。脚部19aの外側面には屋根固定梁18の受面となる受板19cが溶接されている。屋根骨10,11の上面と屋根骨上固定治具19の水平部19bの下面との間には径方向外側に開放状の空間Sが形成されている。
【0018】
屋根固定梁18はH形鋼であり、その1対のフランジ18a,18bを上下向きにして防液堤2の上面に配設されている。屋根固定梁18が屋根骨10,11に当接する部分は、屋根骨10,11の上面に沿った傾斜状のフランジ18cが形成され、屋根固定梁18の径方向内側の端部には面板18dが溶接されている。
【0019】
各屋根固定梁18は、屋根骨10,11に対応する周方向位置に配設されており、その長手方向は、平面視屋根骨10,11が延びる方向、即ちドーム屋根5の放射方向とほぼ一致している。この屋根固定梁18の径方向内側の一部が防液堤2から突出しており、傾斜状のフランジ18cの一部が屋根骨10,11の上面に当接している。屋根固定梁18は空間Sに径方向外側から挿入されて面板18cが受板19cに当接している。屋根固定梁18の上側フランジ18aと屋根骨上固定治具19の水平部19bの間に形成された隙間に楔部材20が嵌入されることで、屋根骨10,11と屋根固定梁18とが楔作用により結合されている。尚、屋根固定梁18の下側フランジ18bの下面には、鋼製のスライド板18eが溶接されている。
【0020】
防液堤上固定治具21は、矩形状のフランジ21a,21bを夫々備えた1対の脚部21c、21dと、この1対の脚部21c,21dを結合する水平梁部21eを有し、屋根固定梁18の径方向外端側を跨ぐようにして配設されている。各フランジ21a,21bには複数の貫通孔が形成されている。各貫通孔には1対のアンカーボルト群20A,20Bを構成する各アンカーボルトの先端が夫々挿通されている。各アンカーボルトの先端側からナットが締め込まれることで、各フランジ21a,21bが防液堤2の上面に締結されている。
【0021】
屋根固定梁18の上側フランジ18aと防液堤上固定治具21の水平梁部21eとの間に楔部材22が嵌入されることで、屋根固定梁18と防液堤2とが結合されている。このように防液堤2に固定された所謂門型形状の防液堤上固定治具21を採用し、楔作用を介したので、屋根固定梁18が防液堤2に強固に結合されている。
【0022】
防液堤2の上面には1対のアンカーボルト群20A,20Bに対応する位置に矩形状の凹部23A,23Bが形成されており、防液堤上固定治具21の1対のフランジ21a,21bはこれらの凹部23A,23Bに夫々収容されている。1対のアンカーボルト群20A,20Bの先端側の一部は、凹部23A,23Bの底面から夫々突出している。本実施の形態では、アンカーボルト群20A,20Bの先端は防液堤2の上面と同じ高さに位置している。尚、アンカーボルト群20A,20Bの先端は、本実施の形態のように防液堤2の上面と同じ高さであるか、これよりも低いこと、即ち、アンカーボルト群の先端が凹部23A,23Bに収容されていることが作業者の安全面から望ましい。
【0023】
防液堤2の上面には屋根固定梁18に沿って延びる複数の敷板25が敷設されており、各敷板25はトップリング6に溶接されている。各敷板25の屋根固定梁18よりも径方向外方にはストッパ部材26が溶接されている。ストッパ部材26と屋根固定梁18の間にはスペーサブロック27aと楔体27bからなるスペーサ部材27が嵌入されている。このようにして、屋根固定梁18の径方向への動きが規制されている。尚、ストッパ部材26、スペーサブロック27a、楔体27bは必須の構成ではない。
【0024】
以上説明したような構造により、ドーム屋根5が屋根固定梁18を介して防液堤2に暫定的に固定される。このドーム屋根仮固定構造7は、防液堤上固定治具21が防液堤2に対して着脱自在に固定されているため、屋根固定梁18を配設する作業が防液堤上固定治具21により制限されることがなく、作業性に優れている。
【0025】
次に、ドーム屋根5を防液堤2に仮固定する方法(ドーム屋根仮固定方法)について説明する。
【0026】
まずは、図6、7に示すように、ドーム屋根5にエアレージングの浮上力を作用させた状態で、ドーム屋根5をトップリング6に下側から当接または近接させる(ドーム屋根浮上工程)。
【0027】
次に、防液堤2の上面に屋根固定梁18を配設する(屋根固定梁設置工程)。屋根固定梁18は、フランジ18a,18bを上下向きにし、屋根固定梁18の長手方向をドーム屋根5の放射方向に沿うように配置する。屋根固定梁18の径方向内側の一部を防液堤2から突出させ、傾斜状のフランジ18cの一部を屋根骨10,11の上面に当接させると共に、面板18dを屋根骨上固定治具19の受板19cに当接させる。
【0028】
次に、図8に示すように、防液堤上固定治具21を防液堤2に固定する(治具締結工程)。屋根固定梁18の径方向外端側に跨るように防液堤上固定治具21を設置し、防液堤上固定治具21のフランジ21a,21bの貫通孔に、対応する1対のアンカーボルト群20A,20Bを挿通させ、防液堤上固定治具21を防液堤2にボルト−ナット締結する。
【0029】
次に、図3図5に示すように、屋根固定梁18を固定する(梁固定工程)。屋根固定梁18の径方向外端部分とストッパ部材26との間にスペーサ部材27を嵌入すると共に、屋根固定梁18の径方向内端部分と屋根骨上固定治具19の水平部19bの間及び屋根固定梁18と防液堤上固定治具21の水平梁部21cの間に楔部材22,23を夫々嵌入する。
【0030】
スペーサ部材27の嵌入は、スペーサブロック27aをストッパ部材26に当接させた状態で、スペーサブロック27aと屋根固定梁18の径方向外端部の間に2対の楔体27bを嵌入することにより行う。屋根固定梁18の前記一端部と屋根骨上固定治具19の水平部19bの間には、楔部材22を強固に嵌入し、屋根固定梁18と防液堤上固定治具21の水平梁部21eの間には、径方向内側から楔部材23を強固に嵌入する。
【0031】
上記の工程をドーム屋根5の全ての屋根骨10,11に対して行うことで、ドーム屋根5を防液堤2と上記のドーム屋根仮固定構造7で支持した仮固定の状態になる。ドーム屋根5の仮固定後、防液堤2の内部の加圧エアを抜き、ドーム屋根5の外槽屋根5bの外周端を全周に亙ってトップリング6に溶接する。これによりドーム屋根仮固定構造7でドーム屋根5を支持する必要がなくなった後、楔部材22,23やスペーサ部材27、防液堤上固定治具21、屋根固定梁18、屋根骨上固定治具19、敷板24等を撤去するものとする。凹部24A,24Bは、防液堤上固定治具21を固定する時以外は板部材等で覆われていてもよい。
【0032】
以上説明したドーム屋根仮固定構造及びドーム屋根仮固定方法によれば、屋根固定梁18を配設する作業が防液堤上固定治具21により制限されることがないので、ドーム屋根の仮固定の作業性を向上させることができる。
【0033】
前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
[1]防液堤2の上端部の全面にチェッカープレートが敷設される場合には、そのチェッカープレートを敷板25として活用することができる。この場合、アンカーボルト群20A,20Bに対応する位置を開放可能にしておき、ドーム屋根5の仮固定の際に開放して防液堤上固定治具21を固定する。
[2]各屋根骨10,11に対応する防液堤上固定治具21の数は1組に限るものではなく2組以上設けてもよい。
[3]スペーサ部材27のスペーサブロック27aの幅を大きくし、2対の楔体27bの代わりに1対の楔体27bを用いてもよい。
[4]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができる。
【符号の説明】
【0034】
T 低温貯槽
2 防液堤
5 ドーム屋根
6 トップリング
7 ドーム屋根仮固定構造
10,11 屋根骨
18 屋根固定梁
19 屋根骨上固定治具
19c 受板(受面)
20A、20B アンカーボルト群
21 防液堤上固定治具
22,23 楔部材
24A,24B 凹部
25 敷板
26 ストッパ部材
27 スペーサ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8