(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記挿通孔は、前記複数のスラットが閉じたときに、前記幅減少部の幅が前記昇降コードの幅以下になる部分まで前記スラットが重なり、前記幅減少部の前記スラットが重なっていない部分に前記昇降コードが重なることを特徴とする、請求項1に記載のブラインド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、昇降コードのような太さがない昇降テープを利用しており、挿通孔は昇降テープの幅に合わせて幅方向に広くする必要があるため、スラットの縁部近傍における挿通孔の面積は必然的に大きくなるという問題があった。
【0006】
また、昇降テープは薄く透けやすい材料であることから光が透過しやすい。このため、室外から差し込む光がスラット面で反射して上下のスラットの重なり部分で拡散反射し、拡散反射した光が挿通孔及び昇降テープを介して室内に漏れやすくなるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スラットの縁部近傍における挿通孔の面積を小さくするとともに、室外から差し込む光が上下のスラットの重なり部分で拡散反射し、挿通孔及び昇降コードを介して室内に漏れやすくなることを防止することの可能な、ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、整列状態に支持される複数のスラットと、前記複数のスラットを昇降する昇降コードと、を備えたブラインドにおいて、前記複数のスラットには前記昇降コードが挿通する挿通孔が形成され、前記挿通孔は、前記昇降コードの幅よりも幅が広い幅広部と、先端部分において前記幅広部から先端に向かって幅が減少していく幅減少部とからなり、前記挿通孔は、前記複数のスラットが閉じたときに、前記幅広部から前記幅減少部の一部にかけて前記スラットが重なり、前記幅減少部の前記スラットが重なっていない部分の少なくとも一部に前記昇降コードが重なることを特徴とする、ブラインドが提供される。
【0009】
かかる構成によれば、挿通孔は昇降コードの幅に合わせて細くすることができることから、スラットの縁部近傍における挿通孔の面積を小さくすることができる。また、スラットの重なりからわずかに露出した挿通孔の少なくとも一部は、昇降コードが重なるため、昇降コードによって正面側からほぼ覆い隠すことができる。このように、太さのある昇降コードによって光の透過が防止されるため、拡散反射による挿通孔からの光漏れを極力抑えることができる。
【0010】
さらに、スラットの重なり部分からわずかに露出するまで挿通孔を形成しているため、スラット同士の重なりでほぼ挿通孔を覆い隠しながらも挿通孔を長くすることができる。よって、スラットの回転性を高めることができる。
【0011】
また、挿通孔を完全に覆うほどスラットの重なりを大きくとる必要はないため、上下のスラット同士の間隔を特別に小さくする必要はない。よって、一般的な横型ブラインドと同等のスラット枚数とすることができるため、スラット枚数増によるコストアップを抑えるとともにスラット重量が増加することに起因する製品の耐久性にも影響がない。
【0012】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記挿通孔は、前記複数のスラットが閉じたときに、前記幅減少部の幅が前記昇降コードの幅以下になる部分まで前記スラットが重なり、前記幅減少部の前記スラットが重なっていない部分に前記昇降コードが重なるようにしてもよい。このような構成により、挿通孔のスラットが重ならない部分全域で昇降コードが重なるため、挿通孔はスラットと昇降コードとで完全に覆われる。よって、拡散反射による挿通孔からの光漏れが防止される。
【0013】
また、前記挿通孔の幅広部は幅が一定の部分であり、前記減少部は円弧状に形成された部分であるようにしてもよい。挿通孔の形状が一般的にスラットに形成する挿通孔の形状であるため、スラットに対する挿通孔の位置を変更するだけである。よって、挿通孔の加工が簡単にできる。
【0014】
また、本発明の第2の観点によれば、整列状態に支持される複数のスラットと、前記複数のスラットを昇降する昇降コードと、を備えたブラインドにおいて、前記複数のスラットには前記昇降コードが挿通する挿通孔が形成され、前記複数のスラットが閉じたときに前記挿通孔の上端から下端部近傍まで前記スラットが重なり、前記挿通孔の前記スラットが重なっていない部分の少なくとも一部に前記昇降コードが重なることを特徴とする、ブラインドが提供される。
【0015】
かかる構成によれば、挿通孔は昇降コードの幅に合わせて細くすることができることから、スラットの縁部近傍における挿通孔の面積を小さくすることができる。また、スラットの重なりからわずかに露出した挿通孔の少なくとも一部は、昇降コードが重なるため、昇降コードによって正面側からほぼ覆い隠すことができる。このように、太さのある昇降コードによって光の透過が防止されるため、拡散反射による挿通孔からの光漏れを極力抑えることができる。
【0016】
さらに、スラットの重なり部分からわずかに露出するまで挿通孔を形成しているため、スラット同士の重なりでほぼ挿通孔を覆い隠しながらも挿通孔を長くすることができる。よって、スラットの回転性を高めることができる。
【0017】
また、挿通孔を完全に覆うほどスラットの重なりを大きくとる必要はないため、上下のスラット同士の間隔を特別に小さくする必要はない。よって、一般的な横型ブラインドと同等のスラット枚数とすることができるため、スラット枚数増によるコストアップを抑えるとともにスラット重量が増加することに起因する製品の耐久性にも影響がない。
【0018】
また、本発明の第3の観点によれば、整列状態に支持される複数のスラットと、前記複数のスラットを昇降する昇降コードと、を備えたブラインドにおいて、前記複数のスラットには前記昇降コードが挿通する挿通孔が形成され、前記挿通孔は、前記昇降コードの幅よりも幅が広い幅広部と、前記昇降コードの幅よりも幅が狭い幅狭部と、からなり、前記挿通孔は、前記複数のスラットが閉じたときに、前記幅広部に前記スラットが重なり、前記幅狭部に前記昇降コードが重なることを特徴とする、ブラインドが提供される。
【0019】
かかる構成によれば、挿通孔のスラットが重ならない幅狭部の全域に昇降コードが重なるため、挿通孔はスラットと昇降コードとで完全に覆われる。よって、拡散反射による挿通孔からの光漏れが防止される。
【0020】
さらに、スラットの重なり部分からわずかに露出するまで挿通孔を形成しているため、スラット同士の重なりでほぼ挿通孔を覆い隠しながらも挿通孔を長くすることができる。よって、スラットの回転性を高めることができる。
【0021】
また、挿通孔を完全に覆うほどスラットの重なりを大きくとる必要はないため、上下のスラット同士の間隔を特別に小さくする必要はない。よって、一般的な横型ブラインドと同等のスラット枚数とすることができるため、スラット枚数増によるコストアップを抑えるとともにスラット重量が増加することに起因する製品の耐久性にも影響がない。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スラットの縁部近傍における挿通孔の面積を小さくするとともに、室外から差し込む光が上下のスラットの重なり部分で拡散反射し、挿通孔及び昇降コードを介して室内に漏れやすくなることを防止することが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るブラインド100の構成について、
図1〜
図3を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のブラインド100の全体構成を示す正面図であり、
図2は、昇降ドラム114−1、114−3の位置のブラインド100の断面図であり、
図3は、昇降ドラム114−2の位置のブラインド100の断面図である。
【0026】
本実施形態のブラインド100は、スラット130の縁部近傍における挿通孔132の面積を小さくするとともに、室外から差し込む光が上下のスラット130の重なり部分で拡散反射し、挿通孔132及び昇降コード140を介して室内に漏れやすくなることを防止することの可能なブラインド100である。以下説明する。
【0027】
ブラインド100は、
図1に示したように、図示していない窓枠や天井等に固定されるヘッドボックス110と、ヘッドボックス110から垂下するラダーコード120と、ラダーコード120によって整列状態に支持される複数のスラット130と、複数のスラット130を昇降する昇降コード140と、ラダーコード120の下端及び昇降コード140の下端が連結されるボトムレール150と、ヘッドボックス110の一端から垂下し、複数のスラット130の昇降及び回転を操作する操作コード160と、を備えて構成される。
【0028】
ヘッドボックス110は、前述のように窓枠や天井等にブラケットを介して固定されている。ヘッドボックス110内には、
図1に示したように、長手方向ほぼ全長にわたって回転軸112が回転可能に配設されている。回転軸112の一端には図示していないプーリが一体回転するように設けられている。プーリには無端状の操作コード160が巻き掛けられており、操作コード160を操作するとプーリを介して回転軸112が回転する。
【0029】
また、ヘッドボックス110内には、
図1に示したように、ラダーコード120及び昇降コード140を巻き取り及び巻き解き可能な3つの昇降ドラム114(114−1、114−2、114−3)が長手方向に等間隔に配置されている。それぞれの昇降ドラム114には、回転軸112が一体に回転するように貫通している。
【0030】
ラダーコード120は、
図1に示したように、ヘッドボックス110の長手方向3か所に配置され、上端が3つの昇降ドラム114に対して昇降ドラム114とともに所定角度一体回転可能なクラッチバネ(図示せず)にそれぞれ連結される。ラダーコード120は、
図2に示したように、上下方向に伸びる2本の垂直コード122と2本の垂直コード122を連結する中段コード124によってはしご状に構成されており、複数のスラット130を整列状態に支持する。ラダーコード120は、昇降ドラム114の回転によってクラッチバネが回転することで、昇降ドラム114の周面に巻き取り及び巻き解かれることにより傾動する。ラダーコード120の下端はボトムレール150に連結される。
【0031】
昇降コード140は、
図1に示したように、ヘッドボックス110の長手方向3か所に配置され、上端が3つのドラム114にそれぞれ連結される。3つの昇降コード140のうち、ヘッドボックス110の両端に配置される昇降コード140−1、140−3と、ヘッドボックス110の中央に配置される昇降コード140−2とでは、配回しが異なるように構成されている。昇降コード140は後述のように、太さcが1.3mmの断面が円形のコードである。
【0032】
すなわち、ヘッドボックス110の両端に配置される昇降コード140−1、140−3は、
図2(a)、(b)に示したように、昇降ドラム114−1、114−3の後側からヘッドボックス110の前側に導かれて、ヘッドボックス110の前側の底部から導出される。このようにヘッドボックス110の前側から導出された昇降コード140−1、140−3は、ラダーコード120の最上部に配置されるスラット130は挿通しないで縁を通り、上から2段目のスラット130からは、スラット130の室内側に形成された後述する挿通孔132を順次挿通して、ボトムレール150に連結される。
【0033】
また、ヘッドボックス110の中央に配置される昇降コード140−2は、
図3(a)、(b)に示したように、昇降ドラム114−2の後側からヘッドボックス110の後側に導かれて、ヘッドボックス110の後側の底部から導出される。このようにヘッドボックス110の後側から導出された昇降コード140−2は、
図3(a)に示したように、ラダーコード120の最上段から2段目まで(
図3(a)のA)はラダーコード120の垂直コード122の外側を通り、上から3段目以降(
図3(a)のB)は、ラダーコード120の中段コード124を順次挿通して、ボトムレール150に連結される。
【0034】
なお、本実施形態では、昇降コード140−2は、上から3段目以降は中段コード124を順次挿通することにしたが、この例に限定されず、昇降コード140−2が中段コード124を挿通する箇所は適宜設計することができる。
【0035】
(スラット130)
複数のスラット130は、前述のように、ラダーコード120によって整列状態に支持されており、ラダーコード120が傾動することによって回転する。複数のスラット130には、
図4に示したように、室内側に挿通孔132が2つ形成されている。挿通孔132は、昇降コード140の幅よりも幅が広い幅広部132aと、幅広部の両端からそれぞれ先端に向かって幅が減少していく幅減少部132bとからなる。なお、幅減少部132bは、昇降コード140の幅よりも幅が広い部分から徐々に減少して幅が狭い部分になる。
【0036】
幅広部132aは幅が一定であり、幅減少部132bは半円であり、先端の形状が昇降コード140の円形断面よりもR形状が大きくなっている。挿通孔132には、
図5に示したように、昇降コード140−1、140−3が順次挿通する。挿通孔132は、スラット130が閉じたときに、スラット130の回転がラダーコード120によって回転が規制されるまで、あるいはスラット130の下端部が下のスラット130に接触するまで回転できる長さに構成されており、挿通孔132の上下あるいはいずれか一方の幅減少部132bの先端に昇降コード140が接触する程度の長さとなっている。昇降コード140が挿通孔132の上下端部に接触するまで回転できれば、挿通孔132の長さを小さくできることになり、光漏れをより一層抑えられることになる。
【0037】
スラット130に設けられる挿通孔132の位置と大きさを、
図6を参照しながら説明する。スラット130は、
図5に示したように、前後方向の幅xが24.6mm、スラット130を閉じたときの上下のスラット130が重ならない長さyが19.5mmである。上下のスラット130が重ならない長さyは、ラダーコード120の中段コード124のピッチpと同じ長さである。
【0038】
スラット130の室内側の縁部から挿通孔132までの長さzは、1.5mmである。挿通孔132は、スラット130の縁部に寄せすぎるとスラット130の縁部の剛性が低下する。よって、スラット130に挿通孔132を加工するとスラット130の縁部が波状になる波打ちが生ずる可能性がある。しかし、この長さzは、挿通孔132を加工するときに加工される位置が多少ずれてもずれを吸収できる位置である。挿通孔132の長さaは4.0mmである。この長さaは、スラット130が閉じるときに、スラット130の回転がラダーコード120によって回転が規制されるまで、あるいはスラット130の下端部が下のスラット130に接触するまで回転できる長さであり、スラット130が十分に回転して挿通孔132の上下端部のうち少なくとも一方の端部に昇降コード140が接触する程度の長さとなっている。
【0039】
挿通孔132の幅bは2.3mmである。挿通孔132の幅bを2.3mmとすることで、直径が1.3mmの昇降コード140が無理なく挿通し、また、昇降コード140の昇降が妨げられない。このような挿通孔132の位置は、スラット130を閉じたとき、上下のスラット130の重なり合いにより、上のスラット130−1によって挿通孔132の大部分が覆い隠される位置である。
【0040】
また、上のスラット130−1によって覆い隠されない挿通孔132の下部近傍の部分dには、昇降コード140が配置される。挿通孔132の下部近傍の部分dの長さは、例えば、0.4mm以下に設計することができる。この場合、上のスラット130−1によって挿通孔132が90パーセント〜95パーセント隠される。また、好ましくは下部近傍の部分dの長さを0.2mm以下にすることもできる。この場合、挿通孔132が95パーセント以上隠されるため、さらによい。
【0041】
上のスラット130−1の下端部は、下のスラット130−2の挿通孔132の下側の幅減少部132bの上下方向の途中まで重なる。この際、上のスラット130−1は下側の幅減少部132bの幅が昇降コード140の幅よりも若干大きい幅に減少した位置まで挿通孔132に重なる。よって、上のスラット130−1によって覆い隠されない下のスラット130−2の挿通孔132の下部近傍の部分の幅は、昇降コード140よりも若干大きくなる。このため、挿通孔132の下部近傍の部分は昇降コード140によって完全には塞がれないが、ほぼ覆い隠される。
【0042】
以上、本実施形態のブラインド100の全体構成について説明した。次に、本実施形態のブラインド100のスラット130の開閉動作について、
図7〜
図9を参照しながら説明する。
【0043】
操作コード160を操作して、回転軸112を回転させて、昇降ドラム114にラダーコード120の室内側の垂直コード122を巻き取らせる。これによって、
図7に示したように、室内側の垂直コード122が上昇するため、スラット130の室内側が上昇する。スラット130は、
図8(a)に示したように、挿通孔132の上下の端部に昇降コード140が接触するまで回転し、上下のスラット130−1、130−2のうち、上のスラット130−1の下端部と、下のスラット130−2の上端部が重なり合う。
【0044】
挿通孔132は、
図8(b)に示したように、下のスラット130−2の上方に配されるため、上のスラット130−1によって、下のスラット130−2の挿通孔132の上端部から下側の幅減少部132bの上下方向の途中まで、すなわち、挿通孔132の下端部近傍までが覆われる。よって、挿通孔132は、上のスラット130−1によってほぼ覆われることになる。また、上のスラット130−1の重なりから僅かに露出した挿通孔132、すなわち、挿通孔132の下側の幅減少部132bの下側の部分には、昇降コード140がほぼ重なる。
【0045】
よって、
図8(b)に示したように、スラット130を正面から見たときに、挿通孔132は、上のスラット130−1によってほとんどが覆われ、挿通孔132の下部近傍の残りの部分が昇降コード140によってほぼ覆われることになる。このため、
図9に示したように、スラット130を閉じたときにスラット130と昇降コード140によって挿通孔132がほぼ覆われる。
【0046】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、挿通孔132は昇降コード140の幅に合わせて細くすることができることから、スラット130の縁部近傍における挿通孔132の面積を小さくすることができる。また、スラット130の重なりからわずかに露出した挿通孔132の少なくとも一部は、昇降コード140が重なるため、昇降コード140によって正面側からほぼ覆い隠すことができる。このように、太さ(厚み)のある昇降コード140によって光の透過が防止されるため、拡散反射による挿通孔132からの光漏れを極力抑えることができる。
【0047】
また、スラット130の重なり部分からわずかに露出するまで挿通孔132を形成しているため、スラット130同士の重なりでほぼ挿通孔132を覆い隠しながらも挿通孔132を長くすることができる。よって、スラット130の回転性を高めることができる。
【0048】
また、挿通孔132を完全に覆うほどスラット130の重なりを大きくとる必要はないため、上下のスラット130同士の間隔を特別に小さくする必要はない。よって、一般的な横型ブラインドと同等のスラット枚数とすることができるため、スラット枚数増によるコストアップを抑えるとともにスラット重量が増加することに起因する製品の耐久性にも影響がない。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るブラインド200の構成について、
図10〜
図12を参照しながら説明する。
図10は、第2の実施形態のスラット230の概略図である。
図11は、スラット230が閉じた状態を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は挿通孔232の位置でスラット230を切断した断面図である。
図12は、スラット230が閉じたときの挿通孔232の状態を説明するための図であり、(a)は挿通孔232の位置でスラット230を切断した断面図であり、(b)は挿通孔232の正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは挿通孔232の形状が異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0050】
本実施形態のブラインド200、ラダーコード220、スラット230、昇降コード240は、第1の実施形態のブラインド100、ラダーコード120、スラット130、昇降コード140に対応するため、説明を省略する。
【0051】
挿通孔232の形状は、
図10に示したように、幅広部232aは幅が一定であり、幅狭部232bは上側が半円で、下側が幅が急激に減少する半楕円であり、先端の形状が昇降コード240の円形断面にほぼ一致する。挿通孔232には、
図11に示したように、昇降コード240が順次挿通する。挿通孔232は、スラット230が閉じたときに、スラット230の回転がラダーコード220によって回転が規制されるまで、あるいはスラット230の下端部が下のスラット230に接触するまで回転できる長さに構成されており、挿通孔232の上下あるいはいずれか一方の幅狭部232bの先端に昇降コード240が接触する程度の長さとなっている。
【0052】
なお、本実施形態では、挿通孔232の幅が昇降コード240の幅よりも狭い幅狭部232bとしたが、この構成に限定されない。挿通孔232は、スラット230で覆い隠されない下部近傍を昇降コード240で隠すという性質上、第1の実施形態と同様に昇降コード340の幅よりも幅が狭くない部分を有する幅減少部としてもよい。
【0053】
図12(a)に示したように、スラット230が閉じたときに、上のスラット230−1は、下のスラット230−2の挿通孔232の下側の幅狭部232bの上下方向の途中まで重なる。この際、
図12(b)に示したように、上のスラット230−1は下側の幅減少部232bの幅が昇降コード240と同じ幅に減少した位置まで挿通孔232に重なる。よって、上のスラット230−1によって覆い隠されない挿通孔232の下部近傍の部分には、昇降コード240が重なり、塞がれる。このため、スラット230を正面から見たときに、挿通孔232は、重なり合った上のスラット230−1と昇降コード240とによって完全に覆い隠される。
【0054】
本実施形態のブラインド200のスラット230の開閉動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、挿通孔232のスラット230が重ならない部分全域で昇降コード240が重なるため、挿通孔232はスラット230と昇降コード240とで完全に覆われる。よって、拡散反射による挿通孔232からの光漏れが防止される。
【0056】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るブラインド300の構成について、
図13及び
図14を参照しながら説明する。
図13は、第3の実施形態のスラット330の概略図である。
図14は、スラット330が閉じたときの挿通孔332の状態を説明するための図であり、(a)は挿通孔332の位置でスラット330を切断した断面図であり、(b)は挿通孔332の正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは挿通孔332の形状が異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0057】
本実施形態のブラインド300、ラダーコード320、スラット330、昇降コード340は、第1の実施形態のブラインド100、ラダーコード120、スラット130、昇降コード140に対応するため、説明を省略する。
【0058】
挿通孔332形状は、
図13に示したように、水滴の上下を逆にしたような形状であり、昇降コード340の幅よりも幅が広い幅広部332aと、昇降コード340の幅よりも幅が狭い幅狭部332bと、からなる。幅狭部332bは上側が半円で、下側が幅が急激に減少する半楕円であり、先端の形状が昇降コード340の円形断面にほぼ一致する。
【0059】
挿通孔332には、
図14(a)に示したように、昇降コード340が順次挿通する。挿通孔332は、スラット330が閉じたときに、スラット330の回転がラダーコード320によって回転が規制されるまで、あるいはスラット330の下端部が下のスラット330に接触するまで回転できる長さに構成されており、挿通孔332の上下あるいはいずれか一方の幅狭部332bの先端に昇降コード340が接触する程度の長さとなっている。また、
図14(b)に示したように、スラット330が閉じたときに、上のスラット330−1は、下のスラット330−2の挿通孔332の下側の幅狭部332bと幅広部332aの境界まで重なる。この際、上のスラット330−1は下側の幅狭部332bの幅が昇降コード340と同じ幅に減少した位置まで挿通孔332に重なる。
【0060】
よって、上のスラット330−1によって覆い隠されない挿通孔332の下部近傍の部分には、昇降コード340が重なり、塞がれる。このため、スラット330を正面から見たときに、挿通孔332は、重なり合った上のスラット330−1と昇降コード340とによって完全に覆い隠される。
【0061】
本実施形態のブラインド300のスラット330の開閉動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、挿通孔332のスラット330が重ならない部分全域で昇降コード340が重なるため、挿通孔332はスラット330と昇降コード340とで完全に覆われる。よって、拡散反射による挿通孔332からの光漏れが防止される。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0064】
例えば、上記第1の実施形態では、挿通孔132の下側の幅減少部132bを半円形にしたことにより、上のスラット130−1は下側の幅減少部132bの幅が昇降コード140の幅よりも若干大きい幅に減少した位置までしか挿通孔132に重ならないが、本発明はこの例に限定されない。例えば、スラット130の前後方向の幅を大きくしたり、ラダーコード120のピッチを狭めたりすることによって、上のスラット130−1によって覆い隠されない挿通孔132の下部近傍の部分の幅を、昇降コード140よりも小さくすることができる。このようにすると、挿通孔132の下部近傍の部分は昇降コード140によって完全に塞ぐことができる。
【0065】
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、幅広部132a、232aは幅が一定であり、幅減少部132b及び幅狭部232bは半円や半楕円のような円弧状の形状としたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、幅広部は波形や凹凸状に構成されるなど幅が広がったり狭まったりする構成であってもよい。また、幅減少部及び幅狭部は直線状や階段状に減少していく構成としてもよい。また、幅減少部及び幅狭部も、幅広部と同様に、波形や凹凸状に構成されるなど幅が広がったり狭まったりする構成であってもよい。