(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603237
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】自動標本処理システム及び顕微鏡スライドのマルチステップ処理
(51)【国際特許分類】
G01N 1/30 20060101AFI20191028BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20191028BHJP
G02B 21/34 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
G01N1/30
G01N1/28 J
G01N1/28 U
G02B21/34
【請求項の数】43
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-559942(P2016-559942)
(86)(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公表番号】特表2017-515102(P2017-515102A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015056770
(87)【国際公開番号】WO2015150278
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年3月22日
(31)【優先権主張番号】61/972,725
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507179346
【氏名又は名称】ベンタナ メディカル システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ショウアルター,ウェイン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ハウリー,ポール
【審査官】
野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/071357(WO,A1)
【文献】
特表2004−503742(JP,A)
【文献】
特表2013−511048(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/060387(WO,A1)
【文献】
特表2012−511164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−1/44
G02B 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標本担持顕微鏡スライドを処理するための自動の方法であって、
複数の標本担持顕微鏡スライドをそれぞれのスライド処理ステーションまで送達するステップと、
それぞれのスライド上まで液体を送達するために複数の第1の計量分配位置に第1のディスペンサを順番に配置するステップを含む第1のロックサイクルを繰り返し実施するステップと、
それぞれのスライド上まで液体を送達するために複数の第2の計量分配位置に第2のディスペンサを順番に配置するステップを含む第2のロックサイクルを実施するステップであって、前記第2のロックサイクルが、前記第1のロックサイクル及び前記第2のロックサイクルを同時に実施しながら前記第1のディスペンサと前記第2のディスペンサとの間の衝突を一切防止するために前記第1のロックサイクルに同期される、ステップと
を含む自動の方法。
【請求項2】
第1のディスペンサ装置が前記第1のディスペンサを移動させるとき及び/又は第2のディスペンサ装置が前記第2のディスペンサを移動させるときに衝突する可能性がある前記第1のディスペンサ装置と前記第2のディスペンサ装置との間の衝突を一切防止するために、前記第2のロックサイクルを前記第1のロックサイクルに同期させるステップをさらに含む、請求項1に記載の自動の方法。
【請求項3】
前記第1のロックサイクルを実施するステップが、前記第1のディスペンサから前記スライドの各々の上まで非染色液体を送達するステップを含み、
前記第2のロックサイクルを実施するステップが、前記第2のディスペンサのロボットピペッタから前記スライドの各々の上まで液体を送達するステップを含む、
請求項1又は2に記載の自動の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2のディスペンサから前記同じスライド上まで液体が同時に送達されるのを防止するために、前記第1のロックサイクルの複数の第1のロックステップを前記第2のロックサイクルの複数の第2のロックステップに同期させるステップをさらに含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項5】
前記第1のロックステップの各々が、前記第1の計量分配位置のそれぞれの1つのところに位置する前記第1のディスペンサに対応し、前記第2のロックステップの各々が、前記第2の計量分配位置のそれぞれの1つのところに位置する前記第2のディスペンサに対応する、請求項4に記載の自動の方法。
【請求項6】
前記第1のロックステップのうちの少なくとも1つのロックステップが、前記第2のロックステップのうちの少なくとも1つのロックステップの時間とは異なる時間を有する、請求項4又は5に記載の自動の方法。
【請求項7】
前記第1のロックステップが、非染色液体を前記スライドのうちの1つ又は複数のスライド上まで送達するステップを含み、
前記第2のロックステップが、染色液体を前記スライドのうちの1つ又は複数のスライド上まで送達するステップを含む、
請求項4から6までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項8】
前記第1のロックサイクルが複数の第1のロックステップを含み、前記第1のロックステップの各々が前記第1のディスペンサを前記第1の計量分配位置のそれぞれの1つのところに配置するステップに対応し、第1の時間を有し、
前記第2のロックサイクルが複数の第2のロックステップを含み、前記第2のロックステップの各々が前記第2のディスペンサを前記第2の計量分配位置のそれぞれの1つのところに配置するステップに対応し、前記第1の時間とは異なる第2の時間を有する、
請求項1に記載の自動の方法。
【請求項9】
前記第2のロックサイクルを実施する第2の頻度の少なくとも2倍である第1の頻度で前記第1のロックサイクルを実施するステップをさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項10】
前記第1及び第2のロックサイクルを同期させるステップをさらに含み、その結果、前記第1及び第2のディスペンサが、異なる時間において、各スライドのための前記第1及び第2の計量分配位置のところに位置するようになる、請求項1から9までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項11】
前記スライド処理ステーションを使用して、前記第1のディスペンサから計量分配される液体及び前記第2のディスペンサから計量分配される液体を、前記スライド上の標本を横断させるように移動させるステップをさらに含む、請求項1から10までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項12】
前記第2のディスペンサが前記第2の計量分配位置のうちの1つまで移動させられるごとに、前記第1のロックサイクルを実施するステップをさらに含む、請求項1に記載の自動の方法。
【請求項13】
追加の第1のディスペンサを使用して追加の第1のロックサイクルを繰り返し実施するステップと、
追加の第2のディスペンサを使用して追加の第2のロックサイクルを繰り返し実施するステップであって、その結果、前記追加の第2のディスペンサの移動が前記追加の第1のディスペンサの移動を用いて調節される、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の自動の方法。
【請求項14】
以下の式
FLS=FLC/(n+FR)
に従って前記第1のロックサイクルの複数の第1のロックステップの各々のための第1のロックステップ時間(FLS)を決定するステップであって、ここでは、FLCが、前記第1のロックサイクルの第1のロックサイクル時間であり、FRが、前記第1のディスペンサをその可動域を通して物理的に戻すことに割り当てられるロックステップの定数であり、nが、前記第1のディスペンサによって処理されることになる前記スライドの総数である、ステップと、
以下の式
SLS=(n+FR+FN)×FLS/2
に従って前記第1のロックサイクル(FLS)の複数の第2のロックステップの各々のための第2のロックステップ時間(SLS)を決定するステップであって、ここでは、nが、前記第1のディスペンサによって処理されることになる前記スライドの前記総数であり、FRが、前記第1のディスペンサをその可動域を通して物理的に戻すことに割り当てられるロックステップの前記定数であり、FNがフロー番号であり、FLSが前記第1のロックステップ時間である、ステップと、
以下の式
SLC=SLS×(n+FR)×2
に従って前記第2のロックステップ(SLS)の複数の第2のロックステップの各々のための第2のロックサイクル時間(SLC)を決定するステップであって、ここでは、nが、前記第1のディスペンサによって処理されることになる前記スライドの前記総数であり、FRが、前記第1のディスペンサをその可動域を通して物理的に戻すことに割り当てられるロックステップの前記定数であり、SLSが前記第2のロックステップ時間である、ステップと
前記第1のディスペンサからの液体及び前記第2のディスペンサからの液体を異なる時間において送達するために、前記フロー番号(FN)に基づいて前記第1のロックステップを前記第2のロックステップに同期させるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の自動の方法。
【請求項15】
FNが整数である、請求項14に記載の自動の方法。
【請求項16】
FLCが、非染色動作に付随する1つ又は複数のタスクをサポートするように選択されかつ前記1つ又は複数のタスクの物理的制限によって制約される任意の整数秒である、請求項14又は15に記載の自動の方法。
【請求項17】
FLCが約30秒である、請求項14から16までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項18】
SLCが整数秒であり、FNの選択によって左右されるFLCの整数倍である、請求項14から17までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項19】
スライド処理ステーションのところで保持される複数の標本担持顕微鏡スライドを処理するための自動の方法であって、
第1のロックステップに従って各スライドを扱うことにより第1のディスペンサを用いて前記複数のスライドを順番に扱うステップであって、前記第1のディスペンサが前記スライド処理ステーションに対して移動可能であり、前記扱われるスライド上まで液体を送達するように構成される、ステップと、
第2のロックステップに従って各スライドを扱うことにより第2のディスペンサを用いて前記複数のスライドを順番に扱うステップであって、前記第2のディスペンサが前記スライド処理ステーションに対して移動可能であり、前記扱われるスライド上まで液体を送達するように構成される、ステップと
を含み、
前記第1及び第2のディスペンサが前記スライドを順番に扱うときに前記第1のディスペンサと前記第2のディスペンサとの間の衝突を一切防止するために、前記第1のロックステップが前記第2のロックステップに同期される、自動の方法。
【請求項20】
前記第1及び第2のディスペンサを使用して、前記スライドのうちの第1のスライドによって運搬される第1の標本に対して第1の染色プロトコルを実施するステップと、
前記第1及び第2のディスペンサを使用して、スライドのうちの第2のスライドによって運搬される第2の標本に対して第2の染色プロトコルを実施するステップであって、前記第1の染色プロトコルが前記第2のプロトコルとは異なる、ステップと
をさらに含む、請求項19に記載の自動の方法。
【請求項21】
前記第1のディスペンサにより前記複数のスライドの各々を順番に扱うごとに、前記第2のディスペンサが前記スライドのうちの1つのみを扱う、請求項19又は20に記載の自動の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2のディスペンサが互いに衝突する可能性がある、請求項19から21までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項23】
前記第1及び第2のディスペンサが前記同じスライドを同時に扱うのを防止するために、前記第1のロックステップが前記第2のロックステップに同期される、請求項19から22までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項24】
前記第1のディスペンサを用いて前記スライドを順番に扱うステップが、前記扱われるスライド上まで液体を送達するために前記スライドに隣接するように前記第1のディスペンサを順番に配置するステップを含む、請求項19から23までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項25】
前記第1のロックステップの時間が、前記スライドのうちの2つ以上のスライドを扱う場合で同じである、請求項19から24までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項26】
前記第1のロックステップの時間が、各スライドを扱う場合で同じである、請求項19から25までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項27】
前記第1のディスペンサを用いて各スライドを順番に扱うステップが、前記第1のディスペンサを使用して前記扱われるスライド上に非染色液体を計量分配するステップを含み、その結果、前記非染色液体が各スライド上に計量分配され、
前記第2のディスペンサを用いて各スライドを順番に扱うステップが、前記第1のディスペンサを使用して前記扱われるスライド上に染色液体を計量分配するステップを含み、その結果、前記染色液体が各スライド上に計量分配される、
請求項19から26までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項28】
前記スライド上の標本を染色した後、前記スライドが前記スライド処理ステーションから離れるようにロボット制御で搬送される、請求項27に記載の自動の方法。
【請求項29】
前記第1及び第2のディスペンサが前記同じスライドを同時に扱うのを防止するために、前記第1のロックステップ及び前記第2のロックステップが時間をずらされる、請求項27又は28に記載の自動の方法。
【請求項30】
前記第1のディスペンサが第1の時間で各スライドを扱い、前記第2のディスペンサが第2の時間で各スライドを扱う、請求項19から29までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項31】
第1の順序に従って前記第1のディスペンサを用いて前記スライドを順番に扱うステップを含む第1のロックサイクルを繰り返し実施するステップと、
前記第1の順序とは異なる第2の順序に従って前記第2のディスペンサを用いて前記スライドを順番に扱うステップを含む第1のロックサイクルを繰り返し実施するステップと
をさらに含む、請求項19から30までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項32】
標本担持顕微鏡スライドを処理するための自動の方法であって、
第1のセットの標本担持顕微鏡スライドを第1のスライド処理ステーションまで送達するステップと、
第2のセットの標本担持顕微鏡スライドを第2のスライド処理ステーションまで送達するステップと、
前記第1のセット内の前記スライド上に液体を計量分配するための第1の計量分配位置まで第1の非染色用のディスペンサを順番に移動させるステップ、及び、
前記第2のセット内の前記スライド上に液体を計量分配するための第2の計量分配位置まで第2の非染色用のディスペンサを順番に移動させるステップ
を含む、非染色ロックサイクルを実施するステップと、
前記非染色ロックサイクルを実施しながら染色ロックサイクルを実施するステップであって、前記染色ロックサイクルを実施するステップが、
前記第1のセット内の前記スライド上に試薬を計量分配するための第1の試薬計量分配位置まで第1の染色用のディスペンサを順番に移動させるステップ、及び、
前記第2のセット内の前記スライド上に試薬を計量分配するための第2の試薬計量分配位置まで第2の染色用のディスペンサを順番に移動させるステップ
を含む、ステップと
を含み、
前記染色ロックサイクルを実施するステップが、前記第1の非染色用のディスペンサと前記第1の染色用のディスペンサとの間の衝突を一切回避するために、及び、前記第2の非染色用のディスペンサと前記第2の染色用のディスペンサとの間の衝突を一切回避するために、前記染色ロックサイクルを前記非染色ロックサイクルに同期させるステップを含む、自動の方法。
【請求項33】
前記非染色ロックサイクルを実施するステップが、対応する対のスライドの少なくとも大部分の上に液体が計量分配されるようになるまで、前記対応する対のスライド上まで液体を同時に送達するステップを含み、スライドの各対が、前記第1のセット内にある1つスライドと、前記第2のセット内にある1つのスライドとを有する、請求項32に記載の自動の方法。
【請求項34】
前記染色ロックサイクルを実施するステップが、前記第1のセット内の前記スライド上に及び前記第2のセット内の前記スライド上に試薬液体を選択的に計量分配するステップを含む、請求項32又は33に記載の自動の方法。
【請求項35】
前記第1のセット内の前記スライド上に及び前記第2のセット内の前記スライド上に試薬液体を選択的に計量分配するステップが、
(a)前記第1のセット内の前記スライドのうちの1つのスライド上まで試薬液体を送達するステップと、
(b)(a)の後で、前記第2のセット内の前記スライドのうちの1つのスライド上まで試薬液体を送達するステップと、
(c)前記第1のセット内のすべての前記スライド上まで及び前記第2のセット内のすべての前記スライド上まで試薬液体を送達するために(a)及び(b)を繰り返すステップと
を含む、請求項34に記載の自動の方法。
【請求項36】
前記染色ロックサイクルを実施する頻度とは異なる頻度で前記非染色ロックサイクルを実施するステップをさらに含む、請求項32から35までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項37】
前記非染色ロックサイクルを実施するステップが、
前記第1の非染色用のディスペンサを使用して前記第1のセット内の前記スライド上に液体を計量分配するステップと、
前記第2の非染色用のディスペンサを使用して前記第2のセット内の前記スライド上に液体を計量分配するステップであって、その結果、前記第2の非染色用のディスペンサ及び前記第1の非染色用のディスペンサが直接に隣接するスライド上に同時に液体を計量分配しなくなる、ステップと
を含む、請求項32から36までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項38】
前記第1の染色用のディスペンサ及び前記第2の染色用のディスペンサが独立して移動可能であるピペッタである、請求項32から37までのいずれか一項に記載の自動の方法。
【請求項39】
前記非染色ロックサイクルを実施するステップが、
前記第1のセット内の前記スライド上に非染色液体を一度に計量分配するステップと、
前記第2のセット内の前記スライド上に非染色液体を一度に計量分配するステップと
を含む、請求項32に記載の自動の方法。
【請求項40】
前記染色ロックサイクルを実施するステップが、
前記第1の試薬計量分配位置にある前記第1の染色用のディスペンサに対応する複数の第1の染色ロックステップを、前記第1の計量分配位置にある前記第1の非染色用のディスペンサに対応する複数の第1の非染色ロックステップに同期させるステップと、
前記第1の試薬計量分配位置にある前記第2の染色用のディスペンサに対応する複数の第2の染色ロックステップを、前記第2の計量分配位置にある前記第2の非染色用のディスペンサに対応する複数の第2の非染色ロックステップに同期させるステップと
を含む、請求項32に記載の自動の方法。
【請求項41】
自動スライド処理装置であって、
それぞれの標本担持顕微鏡スライドを保持するように構成される複数のスライド処理ステーションと、
前記スライド処理ステーションに対して移動可能であり、前記スライド処理ステーションのところに位置する前記スライド上に液体を順番に計量分配するように構成される第1のディスペンサ装置と、
前記スライド処理ステーションに対して移動可能であり、前記スライドの各々の上に液体を順番に計量分配するように構成される第2のディスペンサ装置であって、その結果、前記第1のディスペンサ装置及び前記第2のディスペンサ装置が異なる時間に前記スライドの各々の上まで液体を送達する、第2のディスペンサ装置と、
前記第1のディスペンサ装置及び前記第2のディスペンサ装置に連絡される制御装置であって、前記制御装置がプロセスを実施するための命令を含むコンピュータ可読媒体を有し、前記プロセスが、
前記スライド処理ステーションのところに位置する前記スライドの各々の上まで液体を送達するための複数の第1の計量分配位置に前記第1のディスペンサ装置を順番に配置するステップを含む第1のロックサイクルを実施するステップ、及び、
前記スライドの各々の上まで液体を送達するための複数の第2の計量分配位置に前記第2のディスペンサ装置を順番に配置するステップを含む第2のロックサイクルを実施するステップであって、前記第1及び第2のロックサイクルを同時に実施しながら前記第1のディスペンサ装置と前記第2のディスペンサ装置との間の衝突を一切防止するために、前記第2のロックサイクルが前記第1のロックサイクルに同期される、ステップ
を含む、制御装置と
を備え、
前記第1のディスペンサ装置が、
第1のセットの前記スライド処理ステーションに沿って移動可能であり、それにより前記第1のセットの前記スライド処理ステーションのところで前記スライド上に液体を順番に計量分配する、第1の非染色用のディスペンサ、及び、
第2のセットの前記スライド処理ステーションに沿って移動可能であり、それにより前記第2のセットの前記スライド処理ステーションのところで前記スライド上に液体を順番に計量分配する、第2の非染色用のディスペンサ
を有し、
前記第2のディスペンサ装置が、
第1のセットの前記スライド処理ステーションに沿って移動可能であり、それにより前記第1のセットの前記スライド処理ステーションのところで前記スライド上に液体を順番に計量分配する、第1の染色用のディスペンサ、及び、
第2のセットの前記スライド処理ステーションに沿って移動可能であり、それにより前記第2のセットの前記スライド処理ステーションのところで前記スライド上に液体を順番に計量分配する、第2の染色用のディスペンサ
を有する、
自動スライド処理装置。
【請求項42】
前記第1のディスペンサ装置及び前記第2のディスペンサ装置に連絡される前記制御装置が、前記第1のディスペンサ装置及び前記第2のディスペンサ装置から前記同じスライド上に液体が同時に送達されるのを防止することを目的として前記第1のディスペンサ装置のための複数の第1のロックステップを前記第2のディスペンサ装置ための複数のロックステップに同期させるように構成され、また、そのための命令を含む、請求項41に記載の自動スライド処理装置。
【請求項43】
前記第1のディスペンサ装置及び前記第2のディスペンサ装置に連絡される制御装置をさらに備え、前記制御装置が、請求項14に記載の自動の方法を実施するための命令を含むコンピュータ可読媒体を有する、請求項41又は42に記載の自動スライド処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は分析のための標本を調製するためのシステムに関する。詳細には、本開示は、標本処理システムと、標本担持顕微鏡スライドを処理するためのマルチステップの方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]生物標本を調製及び分析するために多種多様な技術が開発されてきた。例としての技術には、顕微鏡検査、マイクロアレイ解析(例えば、タンパク質及び核酸のマイクロアレイ解析)、及び、質量分析法が含まれる。標本は、通常、分析のために、標本に対して1つ又は複数の液体(例えば、試薬)を加えることによって調製される。標本が複数の液体と共に処理される場合、分析に適する染色標本を作るのに、各液体を加えること及びその後で除去することの両方が重要となる可能性がある。例えば、例としては組織切片又は細胞などの、生物標本を担持する顕微鏡スライドは、しばしば、そうしなければ透明又は不可視である細胞又は細胞成分に対して色及びコントラストを加えるために手動で加えられる一連の試薬と共に処理される。このような労働集約的なプロセスでは、しばしば、検査技師の間での個々の特有の技術を原因として、処理が一貫性を欠くことになり、また、しばしば、スループットが比較的低くなる。
【0003】
[0003]実験室において大量の標本を染色するのに、しばしば、「ディップアンドダンク(dip and dunk)」自動機械及び自動ピペット操作システムが使用される。ディップアンドダンク自動機械は、標本担持顕微鏡スライドを運搬するラックを、蓋なし容器内で保持されるオープンバス(open bath)の中に浸漬することにより標本をバッチ式に処理することができる。残念ながら、容器の間で処理液が持ち越されることで、処理液が汚染されたり劣化したりし、また、バッチごとで処理が一貫性を欠くようになる。さらに悪いことに、標本からはがれ落ちる細胞が液浴中の他のスライドを汚染する可能性があり、誤診を招く可能性がある。また、ディップアンドダンクプロセスは過度の量の液体を利用することから、標本の相互汚染の可能性を低減するために試薬を交換しなければならない場合、処理コストが比較的高くなる。また、蓋なし容器は蒸発損失及び試薬の酸化劣化を引き起こしやすく、これらは試薬の濃度及び効果を有意に変化させる可能性があり、バッチごとで染色特性の一貫性を欠くことになる。加えて、単一のラック内のすべてのスライドが同じ浴の中に浸されることから、各スライドが同じ染色プロトコルを受けることになり、したがって標本処理を個別化することが妨げられる。このように、ディップアンドダンク自動システムは多くの欠点を有する。自動ピペット操作システムは、標本に対して液体を個別に計量分配することができるピペッティングヘッド(pipetting head)を有する。汚染を防止するために、ピペット先端部は標本に直接には接触せず、使い捨て先端部をさらに備えるように設計され得る。ピペッティングヘッド間の衝突を回避するために、自動ピペット操作システムは、1セットのスライドに対して仕事を行う単一のピペッティングヘッドを備えるように設計され得る。残念ながら、この単一のピペッティングヘッドのデザインの速度により、システムのスループットが制限されてしまう。加えて、自動ピペット操作システムは、ディップアンドダンクシステムと比較して発生する流体廃棄物の量を低減することを目的として、比較的少量を標本上に正確に計量分配するように設計される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、これらの課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]少なくともいくつかの実施形態が、標本担持顕微鏡スライドを処理するためのリソースを調節するように構成される自動標本処理システムを対象とする。リソースを効率的に使用すること及び一貫性をもって標本を処理することを目的として種々のタスクのスケジュールを決定するのに、アルゴリズムが使用され得る。いくつかの実施形態では、自動標本処理システムが、液体を計量分配するためのロックサイクルを実施することができる移動可能なディスペンサ装置を有する。ディスペンサ装置が互いに衝突し得る可能性がある。したがって、ディスペンサ装置間の衝突及び/又はディスペンサ装置のそれぞれの機能の干渉を回避又は制限するために、ロックサイクルが同期され得る。一実施形態では、ディスペンサ装置のアレイが、1セットのスライドを、互いに物理的に接触させることなく、順番に、並行に、又は、その両方で、個別に処理することができる。各ディスペンサ装置が、デュアルロックステップのプロトコルに基づいて移動させられる2つ以上の液体計量分配機構を有することができる。例えば、1つの計量分配機構が1つのロックステップのプロトコルに基づいてスライドを扱うことができ、別の計量分配機構が別のロックステップのプロトコルに基づいてこれらの同じスライドを扱うことができる。これらのロックステップは、衝突を回避するように計量分配機構(例えば、衝突する可能性がある計量分配機構)の移動を調節するように同期され得る。また、標本処理システムの動作も、流体システム(例えば、染色のための計量分配(staining dispense)、非染色の計量分配(non−staining dispense)など)と、材料取扱い構成要素(例えば、スライド移送機構、消耗品移送機構、又は、カバー移送機構など)などの別のシステムとの間での衝突を回避するように制御され得る。干渉(接触を含む)を回避しながら所望されるスループットを達成するように、種々のタスクがスケジュール設定され得る。
【0006】
[0005]自動標本処理システムが、いくつかの実施形態では、ロボットピペッタと、ディスペンサヘッド(例えば、スライドに注水するために液体の流れを吸引又は計量分配することができるディスペンサヘッド)とを有するディスペンサ装置のアレイを有する。ピペッタが計量分配のためにスライドの上方に配置され得、ディスペンサヘッドが計量分配のために横方向においてスライドに隣接するように配置され得る。一実施形態では、ディスペンサヘッドが1自由度又は2自由度を有することができ、ピペッタが3自由度を有することができる。例えば、ディスペンサヘッドが直線的に移動することができ、ピペッタが3方向に直線運動することができる。ロボットピペッタが、限定しないが、液体を吸引、保持及び計量分配するように構成されるロボットアーム組立体を有することができる。
【0007】
[0006]自動標本処理システムが、いくつかの実施形態では、アルゴリズムを使用してロックステップを決定することができ、ロックステップに付随するタスクを選択することができる。ロックステップ処理は各スライドに等しい割り当てのリソースを提供することができ、一貫性をもって染色するために全域のスライドでタイミング又は化学的性質(chemistry)あるいはその両方を一様にすることができ、それにより結果の信頼性及び再現性が向上する。ロックステップは、互いに物理的に接触する可能性のある移動する構成要素の間での衝突を防止するように時間をずらされてよい。いくつかの実施形態では、マルチロックステップ処理が、異なるピペットヘッドを用いて異なる液体を加えるための複数のロックステップを含むことができる。例えば、デュアルロックステップ処理が、上で説明した2つ以上の独立した液体計量分配機構を使用して複数のスライド又は複数のセットのスライドを同時に処理するのを可能にするように調節される2つの異なるロックステップルーチンを含むことができる。ロックステップは、スライド間(例えば、同じセット内のスライド、異なるセット内のスライド、など)で処理に一貫性をもたせるために一様な継続時間を有することができる。自動標本処理システムが、ロボット構成要素の、衝突のない移動経路、時間的に最適な移動経路、及び/又は、調節された運動を決定することができる。
【0008】
[0007]少なくともいくつかの実施形態が、非染色ロックステップ、染色ロックステップ、又は、他のロックステップを有するデュアルロックステップ処理を含む。各非染色ロックステップにおいて、ディスペンサ機構が、非染色液体(non−staining liquid)(例えば、1つ又は複数のバルク流体)を1つのスライド上に計量分配するように又はディスペンサを洗浄するなどの代替の動作を実施するように、配置され得る。各染色ロックステップにおいて、別のディスペンサ機構が、液体(例えば、1つ又は複数の新しい試薬又は他の液体)を1つのスライド上に計量分配するように配置され得る。非染色ロックステップ及び染色ロックステップは複数のセットのスライドを同時に処理するように調節され得る。また、非染色ロックステップのパラメータ(例えば、時間、順序など)は、染色ロックステップのパラメータ(例えば、時間、順序など)と異なってよい。いくつかの実施形態では、非染色ロックステップが、例えばスライド上の最小量の液体を維持するように液体を補充するために、各スライドに対して頻繁に仕事を行うために高い頻度で繰り返されてよい。染色ロックステップは低い頻度で繰り返されてよく、その理由は、試薬は低い頻度で加えられてよいからである。いくつかの実施形態では、単一の染色ロックステップが非染色ロックステップの各セットに対して実施される。したがって、非染色液体を計量分配するためのディスペンサ機構は、染色用のディスペンサ機構(staining dispenser mechanism)よりも頻繁に各スライドを扱う。
【0009】
[0008]いくつかの実施形態では、スライド処理ステーションにおいて保持される標本担持顕微鏡スライドを処理するための方法が、第1のロックステップに従って各スライドを扱うことにより、第1のディスペンサを用いてスライドを順番に扱うことを含む。第1のディスペンサがスライド処理ステーションに対して移動可能であり、扱われるスライドの上まで液体を送達するように構成される。スライドがさらに第2のディスペンサによって順番に扱われる。第2のディスペンサは第2のロックステップに従って各スライドを扱うことができ、スライド処理ステーションに対して移動可能である。いくつかの実施形態では、標本上で異なる染色プロトコルを実施するために、標本が個別に処理される。第1のロックステップは、第1の及び第2のディスペンサがスライドを順番に扱うときに第1のディスペンサと第2のディスペンサとの間の衝突を一切防止するように、第2のロックステップを基準としてスケジュール設定され得る。染色後、ロックステップスケジューラ(lock step scheduler)の制御下で、スライドが、例えば搬送装置(例えば、ロボットアーム、移送機構など)を使用して、スライド処理ステーションから離れるようにロボット制御で搬送され得る。第1及び第2のディスペンサは、計量分配位置(例えば、スライドの隣、スライドの上方、など)に配置され、それぞれのスライド上へと液体を扱い計量分配し得る。このような移動は所与のロックステップに対して割り当てられることから、これらの移動も、異なる搬送装置の間での考えられる衝突を回避するようにスケジュール設定され得る。染色ステーションの動作も、スライドを移動させるとき、向かい合わせの要素(opposable element)(例えば、流体を広げるためのカバー/弧状の物体(arc))を取り扱うとき、又は、スライド上の液体を操作するときなどにおいて、衝突を含めたディスペンサとステーションとの間の干渉を回避するように制御され得る。
【0010】
[0009]自動標本処理システムが、いくつかの実施形態では、特有のタイミング要求条件を有するような、取扱い機能(例えば、ラックの移送、バーコードの読取り、スライドの乾燥など)又は別の機能を制御することを目的として、動作を選択して動作の順序を決定するスケジューラモジュールを有することができる。スケジューラモジュールは、標本処理、個別のスライド又はラックのSTAT処理、あるいは、別の種類の処理を実施するようにシステムの構成要素に命令を出すことができる。いくつかの実施形態では、標本処理システムは、使用者がSTAT処理を選択したかどうかに基づいて、あるいは、目標スループット又は他の目標パラメータに基づいて、異なる動作モードの間を交替させることができる。スケジューラモジュールは、いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアルゴリズム、データベース、及び/又は、染色情報を有することができる。アルゴリズムは、例えば所望される染色特性又は所望される処理時間などに基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、非染色液体(例えば、洗浄溶液、溶剤、脱パラフィン液など)を計量分配するためのスケジュールを作るのに1つのアルゴリズムが使用され得、試薬を計量分配するための染色スケジュールを作るのに別のアルゴリズムが使用され得る。アルゴリズムはタスクを同期させるのにも使用され得る。
【0011】
[0010]1つの動作モードにおいて、スケジューラモジュールがタスクを待ち行列に入れ、次いで、所与のロックステップの種類(例えば、染色、非染色など)の前後関係においてリソースが利用可能となるたびに、それらのタスクを実行する。このようなリソースには、限定しないが、ロボットアーム組立体、混合ステーション、及び、他の構成要素が含まれてよい。いくつかの実施形態では、デュアルロックステップスケジューラモジュールがジョブショップスケジュールの動作モードで動作することができ、ここでは、タスクが所定の時間内でタスクを処理するようにリソース及び時間を物差しとして分布される。例えば、スケジューラモジュールは、最短の時間でタスクを実施するように利用可能なすべてのリソースを同時に利用することができる。ジョブショップスケジュールの動作モードは、すべてのリソースを単一のスライド処理ステーションに当てるのに使用され得る。
【0012】
[0011]標本処理システムに関連してタスクを制御するためのスケジュールは、限定しないが、構成要素を移動させるためのタスク、液体を計量分配するためのタスク、スライド処理ステーションを動作させるためのタスク、及び、アイテム(例えば、ラック、スライド、向かい合わせの物体(opposable)など)を移動させるためのタスクなどを含むことができる。スケジュールは、タスクを順番に実行するためのロックサイクルの前後関係において、スライドを基準としてディスペンサ装置を位置決めすることを目的として進行する。例えば、ロックサイクルが、スライド上に液体を計量分配するようにディスペンサ機構を配置するためのロックステップを含むことができる。液体を計量分配するためのスケジュールは、計量分配の開始時間及び停止時間を含むことができる。スライド処理ステーションを動作させるスケジュールは、限定しないが、スライドに沿わせて向かい合わせの要素を旋回させるためのタスク、インキュベーションタスク、又は、真空化タスク(vacuum task)(例えば、液体を除去するために真空を適用するためのタスク)などを含むことができる。
【0013】
[0012]いくつかの実施形態では、標本担持顕微鏡スライドを処理するための方法が、それぞれのスライド処理ステーションまでスライドを送達することと、各々のスライド上まで液体を送達するために複数の第1の計量分配位置のところに第1のディスペンサを順番に配置することを含む第1のロックサイクルを繰り返し実施することと、各々のスライド上まで液体を送達するために複数の第2の計量分配位置のところに第2のディスペンサを順番に配置することを含む第2のロックサイクルを実施することとを含む。スライドを取り扱うことは、それぞれのスライド処理ステーションまでスライドを送達するときに材料取扱い構成要素(例えば、スライドハンドラ)の間での衝突を一切回避するようにスケジュール設定され得る。第1及び第2のロックサイクルは、例えばディスペンサ(例えば、2つの染色用のディスペンサ、2つの非染色用のディスペンサなど)又は他の構成要素(例えば、流体構成要素、材料取扱い構成要素、スライド移送ヘッドなど)の間での衝突を一切防止するようにスケジュール設定される。一実施形態では、第1のロックサイクルが、第1のディスペンサから非染色液体の1つ又は複数の流れを送達することを含み、第2のロックサイクルが第2のディスペンサの1つ又は複数のロボットピペッタから液体を送達することを含む。最も高い頻度のロックサイクル(すなわち、「非染色」のロックサイクル)は、このロックステップに付随するタスクの物理的制限(例えば、バルク流体ロボット(bulk fluid robot)又は他の非染色ハードウェア(non−staining hardware)を移動させるのに必要となる時間)に基づいて設定され得る。第2の頻度のロックサイクル(すなわち、「染色」のロックサイクル)は、最も高い頻度の整数倍(例えば、1x、2x、3xなど)となるように設定され得、このロックステップに付随するタスクの制限(例えば、染色ハードウェア(staining hardware)を使用して試薬を吸引及び計量分配するのに必要となる時間)に適合するように選択され得る。このようにして、デュアルロックステップ手法が種々の自動標本処理システムに適合するように調整され得る。
【0014】
[0013]別の実施形態では、標本担持顕微鏡スライドを処理するための方法が、第1のセットの標本担持顕微鏡スライドを第1のスライド処理ステーションまで送達することを含む。第2のセットの標本担持顕微鏡スライドが第2のスライド処理ステーションまで送達される。非染色ロックサイクルが実施され、これが、第1のセット内のスライド上に液体を計量分配するための第1の計量分配位置まで第1の非染色用のディスペンサを順番に移動させることと、第2のセット内のスライド上に液体を計量分配するための第2の計量分配位置まで第2の非染色用のディスペンサを順番に移動させることとを含む。非染色ロックサイクルを実施しながら染色ロックサイクルが実施され、これが、第1のセット内のスライド上に試薬を計量分配するための第1の試薬計量分配位置まで第1の染色用のディスペンサを順番に移動させることと、第2のセット内のスライド上に試薬を計量分配するための第2の試薬計量分配位置まで第2の染色用のディスペンサを順番に移動させることとを含む。非染色ロックサイクルが、いくつかの実施形態では、すべてのスライドが液体を受け取るまで対のスライド(例えば、1つのスライドが第1のセット内にあり、1つのスライドが第2のセット内にある)上まで液体を同時に送達することを含むことができる。他の実施形態では、3つ以上のセットのスライドが、2つのディスペンサ、3つのディスペンサ及び4つのディスペンサなどにより、同時に処理され得る。染色ロックサイクルが、いくつかの実施形態では、第1のセット内のスライド上に及び第2のセット内のスライド上に選択的に試薬液を計量分配することを含むことができる。いくつかの実施形態では、試薬を交互に計量分配することが、(a)第1のセット内のスライドのうちの1つのスライド上まで試薬を送達することと、(b)ステップ(a)の後で第2のセット内のスライドのうちの1つのスライド上まで試薬を送達することと、(c)第1のセット内のスライドの大部分のスライド又はすべてのスライド上まで及び第2のセット内のスライドの大部分のスライド又はすべてのスライド上まで試薬を送達するためにステップ(a)及び(b)を順番に繰り返すこととを含む。このプロセスは広範囲の染色プロトコルを実施するように繰り返され得る。
【0015】
[0014]いくつかの実施形態では、自動スライド処理システムが、それぞれの標本担持顕微鏡スライドを保持するように構成される複数のスライド処理ステーションと、非染色用のディスペンサ装置と、染色用のディスペンサ装置とを有する。非染色のディスペンサ装置がスライド処理ステーションに対して移動可能であり、スライド上に液体を順番に計量分配するように構成される。染色ディスペンサ装置がスライド処理ステーションに対して移動可能であり、各々のスライド上に試薬を順番に計量分配するように構成される。自動スライド処理システムが、いくつかの実施形態では、ディスペンサ装置に連絡される制御装置を有することができる。制御装置が、ディスペンサ装置の間での衝突を一切防止するようにスケジュール設定されるロックサイクルを繰り返し実施することを含むプロセスを実施するための命令を含むコンピュータ可読媒体を有することができる。
【0016】
[0015]この技術の少なくともいくつかの実施形態が、スライドに沿わせて向かい合わせの要素を旋回させることにより標本を液体に接触させるシステムを対象とする。向かい合わせの要素の非平坦(例えば、湾曲)の湿潤表面と標本を運搬するスライドとを分離する距離は、湿潤表面とスライドとの間に液体メニスカス層(例えば、流体薄膜、液体の集まりなど)を形成するのに十分な大きさである。例えば、メニスカス層が標本の少なくとも一部分に接触することができ、操作的アクションを使用してスライドを横断するように移動させられ得る。毛管作用を介して移動可能であるメニスカス層の所望される体積を維持するように液体がスライド上に計量分配され得る。毛管作用には、限定しないが、付着力、凝集力及び/又は表面張力により、向かい合わせの湾曲の湿潤表面とスライドとの間の隙間を通って自然にゆっくり動く液体の現象によりメニスカス層が移動することが含まれてよい。向かい合わせの要素が、無駄を管理するのを補助すること及び処理に一貫性をもたせることを目的として、比較的少量の液体を使用して標本を処理するために液体を操作(例えば、激しく動かす、変位させる、など)することができる。生じる場合の蒸発損失は、所望される体積の液体又は試薬の濃度などを維持するように計量分配を行うことによって対処され得る。
【0017】
[0016]以下の図面を参照して非限定的かつ非包括的な実施形態を説明する。特に明記しない限り、種々の図を通して、同じ参照符号は同様の部品又は動作を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】[0017]開示される技術の実施形態による自動標本処理システムを示す等角図である。
【
図2】[0018]
図1の標本処理システムを示す分解等角図である。保護ハウジングのいくつかの部分が取り外されている。
【
図3】[0019]
図2の標本処理システムの一部分を示す詳細図である。
【
図4】[0020]開示される技術の実施形態による標本担持顕微鏡スライド上に計量分配されている液体を示す図である。
【
図5】[0021]向かい合わせの要素とスライドとの間で保持される液体を示す図である。
【
図6】[0022]スライドの上方に配置されるピペッタを示す図である。
【
図7】[0023]液体をスライド上に計量分配しているピペッタを示す図である。
【
図8】[0024]向かい合わせの要素とスライドとの間で保持される液体を示す図である。
【
図9】[0025]開示される技術の実施形態による標本を担持するスライドを処理するためのシーケンスを示す図である。
【
図10】[0026]開示される技術の実施形態による、スライドのアレイを示す上面図、及び、時間に関する、液体を計量分配するためのロックステップのプロットである。
【
図11】[0027]開示される技術の実施形態による、スライドのアレイを示す上面図、及び、時間に関するデュアルロックステップのプロットである。
【
図12】[0028]開示される技術の実施形態によるデュアルロックステップ処理のためのパラメータを示す表である。
【
図13】[0029]異なるフロー番号における、時間に関するロックステップのプロットである。
【
図14】異なるフロー番号における、時間に関するロックステップのプロットである。
【
図15】異なるフロー番号における、時間に関するロックステップのプロットである。
【
図16】異なるフロー番号における、時間に関するロックステップのプロットである。
【
図17】異なるフロー番号における、時間に関するロックステップのプロットである。
【
図18】異なるフロー番号における、時間に関するロックステップのプロットである。
【
図19】[0030]開示される技術の実施形態による計算システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0031]
図1は、保護ハウジング120と、スライドキャリアパーキングステーション124(「パーキングステーション124」)と、向かい合わせの物体キャリア載置ステーション130(「載置ステーション130」)と、試薬パーキングステーション140、142とを有する自動標本処理システム100(「システム100」)を示す。システム100が、載置ステーション130を介して載置される向かい合わせの要素(「向かい合わせの物体」)を使用して標本を担持するスライドを自動で処理することができ、それにより、例えば、目視検査、蛍光可視化、顕微鏡検査、微量分析、質量分析法、撮像(例えば、デジタル撮像)、あるいは、他の分析手法又は撮像手法のための標本を調製するための、標本のコンディショニング(specimen conditioning)(例えば、細胞のコンディショニング(cell conditioning)、洗浄、脱パラフィン、など)、抗原回復、染色(例えば、ヘマトキシリン染色、エオシン染色)、又は、他の種類のプロトコル(例えば、免疫組織化学プロトコル、in situハイブリダイゼーションプロトコル、など))が実施される。スライドが、好都合に取り扱えるようにまた同時に相互汚染(例えば、スライドの間での汚染)を防止するように、処理の全体を通して(例えば、ベーキングから染色まで)標本を運搬することができる。1つの動作モードにおいて、スライドのバッチが同じプロトコルに従って処理され得る。別の動作モードにおいて、同じバッチの異なるスライドが異なるプロトコルを使用して処理され得る。例えば、システム100は、独自の染色プロトコルを用いて各スライドを個別に処理することができ、処理の一貫性を維持しながら比較的高いスループットを達成するようにその内部構成要素の使用を最適化することができる。
【0020】
[0032]保護ハウジング120が、内部処理環境の中に汚染物質が入るのを防ぐか、制限するか、又は、実質的に防止することができる。保護ハウジング120が、内部構成要素に対してアクセスするときに開けられ得るカバー146を有することができ、内部構成要素には、限定しないが、流体構成要素、スライド処理ステーション、混合構成要素(例えば、混合ウェル、試薬トレイ、など)、スライドキャリア取扱い構成要素、向かい合わせの物体キャリア取扱い構成要素、乾燥機、又は、加圧デバイス(例えば、ポンプ、真空デバイス、など)などが含まれる。
【0021】
[0033]パーキングステーション124が一列のベイを有する。バスケットの形態のスライドキャリアが左側のベイ148内に配置される。各ベイは、標本処理の前、その最中及び/又はその後にスライドを運搬するのに適する、ラック、バスケット、トレイ又は他の種類のキャリアなどの、他の種類のスライドキャリアを受け取るようにも構成され得る。示されるパーキングステーション124は仕切りによって分離される12個のベイを有する。ベイの数、ベイの位置、ベイの向き及びベイの構成は、使用されることになるスライドキャリアの種類及び/又はシステム100のキャパシティに基づいて選択され得る。
【0022】
[0034]載置ステーション130が受け取り開口部150を有し、この受け取り開口部150を通して使用者が向かい合わせの物体キャリアを載置することができる。向かい合わせの物体キャリアは、向かい合わせの要素のスタックを保持するマガジンであってよい。他の実施形態では、向かい合わせの物体キャリアは、向かい合わせの物体を運搬するためのカートリッジ又は他の携帯可能な構造であってよい。
【0023】
[0035]各パーキングステーション140、142が一列のベイを有することができ、各ベイが1つ又は複数の容器を保持することができ、これには、試薬容器、ボトル、又は、バッグインボックスの試薬容器などが含まれる。パーキングステーション140のベイが比較的少量を保持する容器を受け取ることができ、パーキングステーション142のベイが比較的多量を保持する容器を受け取ることができる。例えば、バルク液体容器(例えば、洗浄溶液、溶剤などを保持する容器)がパーキングステーション142のそれぞれのベイの中に載置され得る。パーキングステーション140、142内の空の容器が好都合には満杯の容器と交換され得る。
【0024】
[0036]制御装置144がシステム構成要素に対して命令を出すことができ、制御装置144は、限定しないが、一般に、1つ又は複数のプロセッサ、コンピュータ、中央処理装置、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)及び読取装置などを有することができる。情報を保存するために、制御装置144が、限定しないが、メモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM))などの、1つ又は複数の記憶素子を有することができる。保存される情報には、限定しないが、スケジューラモジュール、アルゴリズム、試薬の配合(reagent recipe)、ロックステップ情報、加熱プログラム、最適化プログラム、較正プログラム、インデクシングプログラム、データベース及び/又は実行可能プログラムが含まれてよい。スケジューラモジュールが、構成要素のための動作を選択してそれらの動作の順序を決定するのに使用され得る。試薬の配合は、スライド上に計量分配されることになる新しい試薬を作るために液体を組み合わせるためのプロトコルであってよい。ロックステップ情報には、限定しないが、移動経路(例えば、ピペッタ又は他のディスペンサの衝突のない移動経路、時間的に最適な移動経路、など)、及び、ロックサイクル間、ロックステップ間などの関係などの同期情報が含まれてよい。最適化プログラムは、例えば、過度の液体消費(例えば、試薬消費)を低減するか、生産性を向上させるか、廃棄を低減するか、又は、処理の一貫性を向上させることなどにより、性能を最適化するように実行され得る。
【0025】
[0037]
図2は、ステーション163と、スライドエジェクタ組立体200と、向かい合わせの物体ディスペンサ380と、標本リターン機構157とを有するシステム100の等角分解図である。ステーション163、スライドエジェクタ組立体200及び向かい合わせの物体ディスペンサ380が内部環境121の左側に配置される。標本リターン機構157が内部環境121の右側に配置される。一列のスライド処理ステーション152が、生物標本を運搬する水平方向において離間されるスライドを個別に処理することができる。スライド処理ステーションは、線形構成(
図2に示される)、円形構成、又は、任意の他の所望される構成であってよい。スライド移送装置135が、スライド処理ステーションまで及びスライド処理ステーションからスライドを運搬する移送ヘッド136と、移送ヘッド136を移動させるように構成される搬送組立体137とを有することができる。いくつかの実施形態では、スライド移送装置135がロックステップ(例えば、染色ロックステップ)に従って制御され得る。
【0026】
[0038]液体ディスペンサシステム171が、ディスペンサ装置172及びディスペンサ装置173(ハウジング内に示される)を有することができる。ディスペンサ装置172が、液体を調製して計量分配するための、1つ又は複数の混合ステーション165a、165b(総称して「混合ステーション165」)と協働することができるロボットピペッタ160、162の形態のディスペンサを有することができ、いくつかの実施形態では、染色ロックステップの制御下にある。示される実施形態を含めたいくつかの実施形態では、ピペッタ160、162がスライドの概して上方の位置まで個別に移動させられ得、これは限定しないが、1つ又は複数のピペッティングヘッド、ピペット(例えば、再使用可能なピペット先端部、使い捨てのピペット先端部、メスピペット、微量ピペット、など)、吸引チューブ、又は、他の流体構成要素、を含むことができる。ロボットピペッタの数及び構成は、同時に処理されることになるスライドの数に基づいて選択され得る。一実施形態では、ディスペンサ装置172が、多数のスライドを並行して処理するための3つ以上のピペッタ(例えば、3つのピペッタ、4つのピペッタ、5つのピペッタなど)を有することができる。ピペッタ160、162を移動させるために、ディスペンサ装置172がトランスポータ装置189を有することができ、これは、限定しないが、1つ又は複数のレール組立体(例えば、レール191及び往復台193)、ロボットハンドラ、X−Y−Z搬送システム、コンベア、駆動モータ、あるいは、他の自動機構又は構成要素を含むことができる。他の実施形態では、ディスペンサ装置172が単一のピペッタを有してもよい。
【0027】
[0039]混合ステーション165が処理キャパシティを有意に向上させるための中間領域として機能することができ、又は他には処理を改善することができる。ピペッタ160、162が混合ステーション165において液体(例えば、ウェル内に保持される液体)を入手することができ、スライド上まで液体を送達することができる。染色の一貫性及びクオリティを向上させるために、混合されるとすぐに反応する試薬などの反応試薬が計量分配の直前に混合され得る。試薬は必要とされる前に段階的に処理され得ることから、大容量の自動スライド処理を実現するようにスライド処理能力を向上させることができる。
【0028】
[0040]ディスペンサ装置173が、ディスペンサヘッド175a、175bの形態の1つ又は複数のディスペンサと(
図3がスライドに隣接して配置される1つのディスペンサヘッド175を示す)、ディスペンサヘッド175a、176bを移動させるように構成されるトランスポータ装置176とを有することができる。ディスペンサヘッド175は、一度に1つのスライド上に液体(例えば、非染色液体、補助の液体など)を計量分配するように構成され得、これは、限定しないが、1つ又は複数のオリフィス(例えば、ジュエルオリフィス)、ポート、ノズル、弁(例えば、一方向弁、逆止め弁、圧力逃がし弁、など)、センサ(例えば、圧力センサ、流体検出センサ、など)、加圧デバイス(例えば、ポンプ)、又は、液体の送達を制御するための他の構成要素を含むことができる。トランスポータ装置176が、限定しないが、1つ又は複数のレール組立体(例えば、
図2のレール/ベルト組立体177)、ロボットハンドラ、X−Y−Z搬送システム、コンベア、駆動モータ、又は、ロケーション間でアイテムを運搬するための他の自動機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスペンサヘッド175a、175bが、液体の流れをスライド上まで直接、同時に又は順番に送達するように構成されるディスペンサヘッドの集まりを有することができ、それによりスライドが洗浄又は注水される。レール組立体177が、このようなディスペンサヘッドの集まりを、離間されるスライドのグループの上で又はそれらに隣接させて移動させることができる。流体モジュールが、
図1のパーキングステーション140、142のところに位置する容器などの液体供給源からディスペンサ装置173まで液体を送達することができる。
【0029】
[0041]
図2が、廃棄物容器149a、149bを保持する廃棄物ドロア(drawer)143を示す。空気圧式モジュールが、スライド処理ステーションからの廃棄物を、定期的に空にされ得る容器149a、149bまで送達することができる。構成要素の中に入る、構成要素から出る、又は、構成要素内での、流体の移動は、例えば、導管、ポンプ、弁及び/又はフィルタを有する流体モジュールによって制御され得る。空気圧式モジュールが加圧流体(例えば、空気)を供給することができ、また、種々のスライド処理動作を実施するために及びシステム100全体において流体を移動させるために真空を発生させることができる。
【0030】
[0042]システム100はさらに、構成要素間でアイテムを搬送する1つ又は複数の搬送機構を有することができ、これには、限定しないが、1つ又は複数のロボットハンドラ(例えば、ロボットアーム)、X−Y−Z搬送システム(例えば、レール組立体及び/又はエレベータを備える搬送システム)、又は、ロケーション間でアイテムを運搬する(例えば、スライド処理ステーションまで及びスライド処理ステーションから、標本を担持するスライドを運搬する)ことができる他の自動機構が含まれてよい。いくつかの実施形態では、移送機構が、1つ又は複数のエンドエフェクタ、グリッパ、吸引デバイス、ホルダ、クランプ、又は、所望のロケーションまでアイテムを運搬するためにアイテムを保持するのに適する他の構成要素を含む。例えば、移送機構が、スライド処理ステーションまで及びスライド処理ステーションからスライド及び/又は向かい合わせの物体を移送することができる。
【0031】
[0043]
図3は、スライド処理ステーション155(
図3では1つ示される)の列152の一区間の詳細図である。標本を担持するスライドがスライド処理ステーション155のプラテン195(
図3では1つ示される)の支持表面上に置かれ得、向かい合わせの要素154(
図3では1つ示される)がスライド156に沿って旋回することができ、それにより、スライド156(1つ示される)に沿わせて液体(例えば、薄膜)を移動させるか、液体を混合するか(例えば、スライド上で2つ以上の液体を混合する)、又は、他の形で液体を操作する。各スライド処理ステーション155がスライドを個別に処理することができ、これには、限定しないが、1つ又は複数の熱素子(例えば、ヒータ、ベルティエ素子、など)、アクチュエータ(例えば、向かい合わせの物体アクチュエータ)、流体素子(例えば、流体導管、弁、など)、加圧デバイス(例えば、ポンプ)、ファン、密閉部材(例えば、スライドを密閉するための密閉部材)又は、センサ(例えば、スライド検出センサ、圧力センサ、など)などが含まれてよい。
【0032】
[0044]
図3が、比較的少量の試薬(例えば、約10mLから約150mL)を保持することができる密閉容器212を示しており、これは、蒸発損失を最小にするか制限するか又は実質的に防止することができる隔壁153の形態の密閉要素を備えるキャップ151を有することができる。使用者が試薬パーキングステーション140(
図1)のベイの中に容器212を設置するとき、隔壁153が破壊され得(例えば、穿孔される、裂断される、など)、それにより、ディスペンサ(例えば、ピペッタ160、162)との流体連通が確立され、これらのディスペンサが、適切なスライド及び混合ステーション(例えば、
図2の混合ステーション165a、165bのうちの1つ)まで流体を送達しさらに混合ステーションからスライドまで流体を送達する。このプロセスは染色ロックステップの制御下にあってよい。容器212が、限定しないが、1つ又は複数の人により読取可能なラベル、機械可読ラベル(例えば、システムによって読み取られるバーコード)、又は、他の種類のラベルを有することができる。容器212の中身、保持容量、及び、形状/構成は、実施されることになる染色プロトコルに基づいて選択され得る。
【0033】
[0045]動作中、使用者が、標本を担持するスライドを運搬するスライドキャリアを、
図1のパーキングステーション124の空のベイの中に載置することができ、向かい合わせの物体を運搬する向かい合わせの物体キャリアを載置ステーション130の中に載置することができる。スライドキャリアが読取装置(例えば、ラベルリーダ、バーコードリーダなど)まで移送され得、これらは示されないが、存在する場合、スライドに上のラベルを読み取る。スライドキャリアが
図2のステーション163まで送達され得、このステーション163は、限定しないが、乾燥機(例えば、脱水ユニット)、加熱ユニット(例えば、ベーキングモジュール)、又は、スライドから水を除去すること又は標本を加熱すること(例えば、標本を加熱して標本をスライドに付着させること)などが可能である他の構成要素を有することができる。いくつかの実施形態では、ステーション163がスライドを乾燥させるためにスライド上に高温空気を吹きつけ、また、標本がパラフィンを含む場合、高温空気がパラフィンを軟化させることができ、それによりスライドに対して標本を付着させることが促進される。空気システムがステーション163内の湿度を制御するために空気を部分的に再循環させることができる。スライドキャリアが拾い上げられてステーション163から別のモジュール(例えば、スライド処理ステーション、ラベルリーダ、など)まで搬送され得るか又はパーキングステーション124のベイのうちの1つのベイまで戻され得る。
【0034】
[0046]スライドがスライド処理ステーション155まで送達され得、ディスペンサヘッド175が固定の顕微鏡スライド(例えば、
図3のスライド156)上まで液体を送達する。ディスペンサヘッド175が1つのスライド上に液体を計量分配した後、ディスペンサヘッド175は他のスライドを順番に扱うために移動させられ得る。ピペッタ162がスライド上に試薬を計量分配した後、ピペッタ162は他のスライドを扱うためにそのスライドから離れるように移動させられ得る。異なる種類のプロトコルを実施するために、広範囲の異なる液体が計量分配され得る。例えば、ディスペンサヘッド175が非染色液体(すなわち、バルク流体)を計量分配することができ、ピペッタ162が染色液体(すなわち、試薬)を計量分配することができる。ディスペンサヘッド175及びピペッタ162の移動は、衝突又は干渉を一切防止するためにスケジューラによって同期される。これらの移動は、所望されるスループット、染色の特性などを達成するように選択される時限シーケンス(timed sequence)に基づいてよい。時限シーケンスは、スライドを扱うためのロックステップを備えるロックサイクルの一部である。1つの計量分配サイクルが、
図3のディスペンサヘッド175をスライド156に隣接するように順番に配置するためのロックステップを含むことができ、別の計量分配サイクルが、スライド156の上方にピペッタ162を順番に配置するためのロックステップを含むことができる。向かい合わせの要素154が種々の時間でスライド156を覆うのに使用され得、
図4から8に関連して考察したように蒸発損失を最小にするか又は制限することができる。
【0035】
[0047]処理されるスライドが、スライド移送機構135により、スライド処理ステーション155から標本リターン機構157まで搬送され得る。標本リターン機構157が標本を担持するスライドをスライドキャリアの中に載置することができ、載置されたスライドキャリアがパーキングステーション124まで搬送され得る。スライドキャリアが自動カバースリッパに適合する場合、使用者がスライドキャリアをパーキングステーション124からカバースリップのための自動カバースリッパまで搬送することができる。別法として、スライドは手動でカバースリップされてもよい。カバースリップされたスライドが、例えば、顕微鏡、又は、デジタルパソロジーリーダ(digital pathology reader)などの他の光学デバイス、などの、光学機器を使用して分析され得る。
【0036】
[0048]本明細書で開示される生物標本は、被験者から取り出される組織試料(例えば、細胞の任意の集まり)であってよい1つ又は複数の生物試料を含むことができる。組織試料は、器官内で同様の機能を果たす相互接続される細胞の集まりであってよい。また、生物試料は、限定しないが、バクテリア、酵母菌、単細胞動物及びアメーバなどの単細胞生物、多細胞生物(植物又は動物などであり、これには、健康であるか又は見掛け上健康であるヒト被験体あるいは癌などのように診断又は検査を行うべき状態又は病気の影響を受けているヒト患者からの試料も含まれる)、を含めた任意の生命有機体から入手されるか、そのような任意の生命有機体によって排泄されるか、又は、そのような任意の生命有機体から分泌される、任意の固体試料又は流体試料であってよい。いくつかの実施形態では、生物試料は顕微鏡スライドの上に設置可能であり、これには、限定しないが、組織片、器官、腫瘍切片、塗沫標本、凍結切片、cytology prep、細胞株が含まれる。試料を入手するのに、切開生検、コア生検、切除生検、微細針吸引生検、コア針生検、定位生検、直視下生検又は外科生検が使用され得る。
【0037】
[0049]
図4〜8が、液体を計量分配する及びスライド156に沿って液体を移動させる段階を示す。
図4がスライド156を扱うための1つのロックステップ中のディスペンサヘッド175を示しており、
図6及び7がスライド156を扱うための別のロックステップ中のピペッタ162を示す。
図4〜8の計量分配プロセスは、
図10〜18に関連して考察される処理の一部であってよい。
【0038】
[0050]
図4は、開示される技術の実施形態による、非染色ロックステップ中にスライド156上に非染色液体又はバルク液体169を計量分配するディスペンサヘッド175の側面図である。液体169の流れが、プラテン195によって概略水平の向きで保持されるスライド156の上側表面178上まで送達される。「概略水平」という用語は、概して、例えば水平方向の+/−約3度の範囲内といったように、水平方向の+/−約5度の範囲内の角度を意味し、これは水平方向の約+/−約1度の範囲内にある角度などである。スライド156が水平の向きであることにより、スライド156上で液体169を維持することが補助され得る。スライド156は別の向き及び位置で保持されてもよい。
【0039】
[0051]
図5は、スライド処理ステーション(例えば、
図3のステーション155)上に載置されている向かい合わせの物体154とスライド156との間で保持される液体169の側面図である。スライド処理ステーションが、向かい合わせの物体154の運動の速度(例えば、約10mm/秒から約180mm/秒)及びスライド156の温度(例えば、約37℃から約100℃)を制御するのに使用されるモータ及び加熱ユニットを包含する。動的な動作モードでは、アクチュエータ192が向かい合わせの物体154を前後に旋回させることができ、それにより標本179を横断させるように液体169のメニスカス層を繰り返し移動させることができる。いくつかの実施形態では、向かい合わせの物体154は、液体169の蒸発率を所定の蒸発率(例えば、約37℃で、毎分7μL、又は、毎分5μL、など)とほぼ同じに維持するか又はそれ未満に維持しながら液体169を移動させる。静的な動作モードでは、向かい合わせの物体154が概して静止状態を維持することができ、例えばインキュベーションを実施することができる。スライド処理ステーションは染色プロトコルを進めるために動的モードと静的モードとを切り替えることができる。いくつかの実施形態では、向かい合わせの物体の旋回は、スライド処理ステーションのヒータユニットの所与の設定値においてスライド156に沿う温度プロフィルを概して一様にするように約100mm/秒であってよい。例えば、目標の設定値が100℃である場合、180mm/秒の旋回速度でスライド156に跨る温度の一様性を約4℃の範囲内にすることができ、対して、100mm/秒の旋回速度で温度の一様性を約6℃の範囲内にする。旋回方向、旋回速度及び旋回の頻度は、加えられる液体の特性、所望される温度プロフィル、及び、許容される蒸発率に基づいて調整され得る(例えば、旋回速度が高い場合、蒸発率が上がる可能性がある)。
【0040】
[0052]
図6は、アクチュエータ192が向かい合わせの物体154を降下位置(
図5)から上昇位置(
図6)まで移動させた後の、計量分配位置に配置されたピペッタ162の側面図である。ピペッタ162がスライド156の中央領域の上方に配置され得、それにより、計量分配された液体がスライド156から落下することが防止される。この量の液体169(例えば、一たまりの液体又は液体の膜)が標本179の大部分又はすべてを覆うことができ、それにより標本179が乾燥することが制限されるか又は防止される。他の実施形態では、スライド156の上側表面178が独立した(freestanding)液体169を実質的に有さなくてよい。
【0041】
[0053]
図7は、液体194(例えば、試薬)を計量分配しているピペッタ162の側面図である。所望される量の液体194を計量分配した後、アクチュエータ192が向かい合わせの物体154をスライド156上まで降下させることができ、向かい合わせの物体154がスライド156を横断するように液体199を移動させることができる。
【0042】
[0054]
図8は、向かい合わせの物体154が降下位置まで移動した後の向かい合わせの物体154とスライド156との間で保持される液体199の側面図である。向かい合わせの物体154がスライド156に沿わせて液体199を移動させるのに使用され得る。
【0043】
[0055]
図4〜8の方法は広範囲の液体を加えるのに使用され得る。液体は、前処理(例えば、タンパク質架橋、核酸露出、など)、変性、ハイブリダイゼーション、洗浄(例えば、厳密な洗浄)、検出(例えば、ビジュアル分子又はマーカー分子をプローブに連結する)、増幅(例えば、タンパク質の増幅、遺伝子の増幅、など)、又は、対比染色など、のために加えられ得る。種々の実施形態で、物質には、限定しないが、染色剤(例えば、ヘマトキシリン液、又は、エオジン液、など)、湿潤剤、プローブ、抗体(例えば、モノクローン抗体、多クローン性抗体、など)、抗原回復液(antigen recovering fluid)(例えば、水生又は非水性の抗原回復溶液、抗原回復緩衝液、など)、あるいは、溶剤(例えば、アルコール、又は、リモネン、など)などが含まれる。染色剤には、限定しないが、染料、ヘマトキシリン染色剤、エオジン染色剤、抗体又は核酸とハプテンなどの検出可能な標識との複合体、酵素類又は蛍光部分、あるいは、色を加えるための及び/又はコントラストを強めるための他の種類の物質が含まれる。ピペッタ162を使用して比較的少量の液体が計量分配され得、対して、大容量のディスペンサヘッド175により、比較的多量の液体が計量分配され得る。例えば、
図2のピペッタ160、162は個別化された染色のために少量の液体を計量分配することができ、対して、ディスペンサヘッド175は多量のバルク液体を計量分配することができる。標本179がパラフィン内に埋め込まれた生物試料である場合、試料178は、ディスペンサヘッド175によって計量分配される適切な脱パラフィン流体を使用して脱パラフィンされ得る。脱パラフィン流体を除去した後、ディスペンサヘッド175及び/又はピペッタ162を使用して、任意の数の物質が標本179に対して順番に加えられ得る。いくつかの実施形態では、ピペッタ162が試薬を計量分配し、ディスペンサヘッド175が標本及び/又はスライドをきれいに洗うために洗浄溶液を計量分配する。ディスペンサヘッド175は非染色液体を計量分配するものとして説明されるが、ディスペンサヘッド175は試薬を含めた他の種類の液体を計量分配してもよい。ピペッタ160、162は試薬を計量分配するものとして説明されるが、洗浄溶液などの他の液体を計量分配してもよい。
【0044】
[0056]
図9は、開示される技術の実施形態による、スライドを処理するための、時間に関するロックステップを示す。一般に、液体ディスペンサが異なる時間においてスライドを扱うことができる。非染色ロックサイクル又は高頻度のロックサイクル205で、ディスペンサが、液体の考えられる計量分配のためにスライドを扱う。非染色ロックサイクル205が、ディスペンサがスライドを扱うことになるロックステップ203、さらには、他のスライドを扱うための他のロックステップ(図示せず)を含むことができる。染色ロックサイクル又は低頻度のロックサイクル211で、ディスペンサが染色液体の考えられる計量分配のためにスライドを扱うことができる。非染色ロックサイクル205及び染色ロックサイクル211は、後で説明するように、スライド上に定期的に液体を計量分配するために繰り返され得る。
【0045】
[0057]ロックサイクル205のロックステップ203で、ディスペンサがスライド上に非染色液体を計量分配するように配置され得る。(
図4が、このようなロックステップ中の、ディスペンサヘッド175の形態の1つの液体ディスペンサを示す。)液体がロックステップ203の継続時間全体にわたって計量分配され得る。他の実施形態では、液体はロックステップ203の一部のみにおいて計量分配される。他の実施形態では、液体はロックステップ203中に計量分配されない。ロックステップ203が完了すると、ディスペンサがスライドから離れるように移動させられ得る。示される実施形態では、ロックサイクル205は、20個のスライド位置にインデックスをつけて(index)同じ位置に戻るための30秒に等しい継続時間LC
1を有し、したがって、ロックステップ203は約2.7秒の継続時間を有することになり(この実施形態では、ロックステップ203’’ではLS1=2.7秒と記され、これは、30秒/(20個のステーションでの移動+1回のリターンの移動)に等しい)、その結果、ディスペンサは同じスライド上で30秒ごとに別のロックサイクルを開始することになる(つまり、約27.3秒後にロックステップ203’においてスライドから離れる)。
【0046】
[0058]ロックサイクル211のロックステップ201で、ディスペンサがスライド上に染色液体を計量分配するように配置され得る。(
図6及び7が、このようなロックステップ中の、ピペッタ162の形態の1つの液体ディスペンサを示す。)ロックステップ201の継続時間全体にわたって、他のピペッタ(つまり、
図2のピペッタ162)に衝突させることなく1つのピペッタ(例えば、
図2のピペッタ160のピペット)に対して染色タスクが行われ得る。このような染色タスクには、限定しないが、バイアル(例えば、
図2のバイアル149a)から流体を吸引すること、標本(例えば、標本)又は混合ステーション(例えば、
図2の混合ステーション165a、165b)まで流体を移動させること、及び、これらのロケーションで流体を計量分配することが含まれてよい。他の実施形態では、液体はロックステップ201の一部のみにおいて計量分配される。他の実施形態では、液体はロックステップ201中に計量分配されない。液体が計量分配されない場合、ディスペンサは移動されなくてよく、またいくつかの実施形態では、スタンバイ位置又は他の適切なロケーションに配置されてよい。示される実施形態では、ロックステップ201は約13.6秒の継続時間(ロックサイクル201’のところで約13.6秒のLS
2が記される)を有し、ロックサイクル211が、示される実施形態の20個のスライドすべてにインデックスをつけるための5分の継続時間LC
2(例えば、非染色ロックステップのタイミングの10x)を有する。サイクル211が完了した後(つまり、1セットのスライドを扱った後)、ロックステップ201’でディスペンサがスライドに戻ることができる。ロックサイクルのオフセット213は、ロックステップ201と片方又は両方のロックステップ203、203’との間での重複を一切防止するように選択され得る。多様なロックサイクルのロックステップの時間は、処理に一貫性をもたせるために互いに概して等しくてよい。必要に応じて又は所望される場合、他の時間及びオフセットが使用されてもよい。
【0047】
[0059]
図10は、開示される技術の実施形態による、スライドのセット152の上面図、及び、時間に関するロックステップのプロットである。2つの液体ディスペンサ装置173a、173b(総称して「ディスペンサ173」)が、スライド処理ステーションのところに位置するスライド上まで液体を順番に計量分配するために移動することができる(例えば、直線的に)。非染色ロックサイクル又は2次ロックサイクル228(「ロックサイクル228」)は、セット233内のすべてのスライドを扱うためのすべてのロックステップを含むことができる。ロックステップ222aは、スライド223aを扱うために第1の位置224aのところにあるディスペンサ173aに対応する。スライド223aを扱った後、ディスペンサ173aがスライド223bを扱うための第2の位置224b(破線で示される)まで移動し、これがロックステップ222bに対応する。ディスペンサ173aがセット223内のそれぞれのスライドを扱うために順番に移動させられ得、リターンロックステップ223中に最初の計量分配位置224aに戻ることができ、このリターンロックステップ223は他のロックステップ(例えば、ロックステップ222a)の継続時間と等しい又は異なる継続時間を有することができる。
【0048】
[0060]別の非染色ロックサイクル又は2次ロックサイクル238が、セット225内のすべてのスライドを扱うためのすべてのロックステップを含むことができる。ロックステップ232aで、ディスペンサ173bがスライド233aを扱うための計量分配位置234aに配置され得る。スライド233aを扱った後、ディスペンサヘッド173bがロックステップ232bに対応する第2の位置234b(破線で示される)まで移動する。ディスペンサ173bが、示されるプロットされるロックステップに対応するセット225内のすべてのスライドを順番に扱うように移動させられ得る。衝突を回避するために、ディスペンサ173a、173bは隣接するスライド(例えば、すぐ隣のスライド、又は、2〜3個離れたスライド)を同時に扱わない。例えば、ディスペンサ173aの移動がディスペンサ173bの移動と同期され得、その結果、ディスペンサ173a、173bが異なる時間にスライド223c、223jをそれぞれ扱うようになる。
図10では、ディスペンサ173bがスライド233cを扱い、その間、ディスペンサ173aがスライド223cを扱う。同時に処理されるスライドを分離させるスライド(又は、スライド処理ステーション)の数は、ディスペンサ173a、173bを移動させる機構の構成要素の間での衝突を回避するように選択され得る。
【0049】
[0061]
図11が、開示される技術の実施形態による、時間に関する、ディスペンサ173a、173bのためのロックサイクル、及び、ピペッタ160、162のためのロックサイクルを示す(上方から概略的に示される)。ロックサイクル241で、ピペッタ160(スライド223aの上方に示される)がセット223内の各スライドを順番に扱うことができる。ディスペンサ173a、173bのロックサイクル228、238のそれぞれが、ピペッタ160、162のロックサイクル241、227にそれぞれ同期され得る。ロックサイクル241のロックステップ242aで、ピペッタ160がスライド223aを扱うことができる。スライド223aを扱った後、ピペッタ160が、ロックステップ242cにおいて次のスライド223cまで送達するための液体(例えば、混合ステーション165からの液体)を入手することができる。このプロセスはセット223内の各スライドを扱うために繰り返され得る。ロックサイクル241が、ロックサイクル228の頻度とは異なる頻度で繰り返され得る。例えば、ロックサイクル228は、ロックサイクル241の頻度の少なくとも2倍である第1の頻度で実施され得る。したがって、ロックサイクル228は、標本/スライドをきれいに洗うこと、反応を止めること、又は、蒸発損失を補償することなどを目的として、特定の時間に液体を加えるようなgranularityを実現することができる。いくつかの実施形態では、ロックサイクル441の頻度に対するロックサイクル228の頻度の比が、セット223内のスライドの数にほぼ等しいか又はそれ以上である。したがって、1つ又は複数のロックサイクル228がロックサイクル241の各ロックステップのために実施され得る。
【0050】
[0062]ディスペンサ160、162は衝突し得る可能性があるが、これらはこのような衝突を回避するように異なる時間に移動させられ得る。例としては、
図11に示されるように、ロックサイクル241、227が、ディスペンサ間の衝突を回避するために、ディスペンサ160を使用してセット223内のスライド上に染色液体を計量分配することと、ディスペンサ162を使用してセット225内のスライド上に染色液体を計量分配することとを選択的に行うように調節され得る。いくつかの実施形態では、ディスペンサ160、162のロックステップの間の重複をなくすることができる。他の計量分配ルーチンでは、ディスペンサ160、162のロックステップ間でいくらか重複してもよい。
【0051】
[0063]
図12は、第1のロックサイクル/ステップの場合の、−2、−1、1、2、3及び4のフロー番号(FN:flow number)のデュアルロックステップ処理のパラメータの表である(つまり、非染色ロックサイクルと染色ロックサイクルとの間の頻度の関係を設定するためにフロー番号が調整され得る)。高頻度のロックサイクルを管理する第1のロックサイクル時間(「FLC:first lock cycle」又は「LC
1」)が、システムの任意の物理的制限を考慮に入れて、可能な限り短く設定されることが考えられる。しかし、FLCは1分の倍数であってよく、例えば15秒、20秒、30秒であってよい。これにより、プロトコルステップを「分」の小部分に容易に丸める、例えば、3:20、4:00、15:30とすることが可能となる。FLCが例えば23秒のような「分」の奇数倍である場合、可能ではあるが、23秒の倍数となるようにFLCを計算又は設定することがより困難となる。これは、インキュベーション時間を約7〜8分とすることが必要である場合、FLCが例えば7:17又は7:40あたりに設定される必要があることを意味する。このことから、FCLを切りのいい秒数とすることが好まれることが考えられる。
【0052】
[0064]示される実施形態では、FLCは20秒又は30秒である。この場合、各サイクルにおいてインデックスをつけなければならないスライドの数(「n」)に基づいてこの実施形態では約1.8秒から約2.7秒の範囲内にあってよい第1のロックステップ時間(「FLS」又は「LS
1」)が得られ、示される実施形態ではスライドの数は10である(したがって、「デュアル」ロックサイクルアルゴリズムでは各サイクルで10個となり、スライドは合計で20個となる)。いくつかの実施形態では、FLCは約10秒から30秒の範囲内にあってよい。第2のロックステップ時間(「SLS:second lock step」又は「LS
2」)は約10秒から約14秒の範囲内にあってよい。例えば、SLSは、約10.9秒、11.8秒、12.3秒、12.7秒又は13.6秒に等しくてよく、第2のロックサイクル(「SLC:second lock cycle」又は「LC
2」)は約4分から約5分の範囲内にあってよい。上で言及したように、他の時間が選択されてもよい。
【0053】
[0065]
図13、14、15、16、17及び18は、開示される技術の実施形態による、それぞれ、−2、−1、1、2、3及び4であるフロー番号のロックサイクル/ステップのプロットである。システム100(
図1)が、
図10〜18に示されるロックサイクル/ステップに従ってスライドを処理することができる。
図10〜18は例示の時間パラメータを示すが、他の時間パラメータが使用されてもよい。
図17及び18はロックステップのタイミングの詳細を示す。いくつかの計量分配ルーチンでは、ロックステップの間でいくらか重複があってもよい。
図13が重複するロックステップ367、369を示す。異なるバッチのスライドが、性能を最適化するように異なるデュアルロックステッププロセスを使用して処理され得る。例えば、1つのバッチのスライドが
図13に示されるマルチステップ処理を使用して処理され得、別のバッチのスライドが
図14に示されるマルチステップ処理を使用して処理され得る。
図1の制御装置144が、
図13、14、15、16、17及び18の種々のロックステップシーケンスを実施するための命令を含むことができる。また、
図10〜11、13〜18は、左側及び右側のディスペンサによりスライド処理位置を反対方向にインデックスをつけるような実施形態、つまり、これらの両方が中心位置に向かって移動してその後で外側の位置に戻るような実施形態を示しているが、これらを同じ方向に移動させるようにインデックスをつけることも可能である。
【0054】
[0066]
図19は、本開示の実施形態による計算システム303を示すブロック図である。計算システム303が、プログラミング言語によりソースコードとして書き込まれるコンピュータプログラム、プロシージャ又はプロセスの形態の構成要素を備える制御装置144を有することができ、プロセッサ(例えば、CPU)によって実行されるために提供され得る。種々の実装形態のソースコード及びオブジェクトバイトコード(object byte code)がコンピュータ可読記憶媒体上に保存され得る。いくつかの実施形態では、制御装置144がプログラマブルプロセッサ433及びデータベース440を有する。プロセッサ433が、互いに相互接続される、入力モジュール402と、プロセスモジュール406と、出力モジュール408と、表示モジュール410(例えば、スクリーン、モニタなど)と、メモリ412と、スケジューラモジュール416とを有することができる。入力モジュール402が、所望される染色特性、処理時間、又は、他の情報などの、動作入力430を受信して、その情報を他の構成要素に連絡することができる。入力モジュール402はさらに、センサ(例えば、温度センサ、スライド有無センサ(slide presence sensor)、バーコードセンサなど)又は他の検出器からセンサ読取値432を受信することができる。
【0055】
[0067]プロセスモジュール406が、メモリ412及び/又はデータベース440から、情報(例えば、利用可能な試薬、スライドのロケーション、温度設定値、動力設定(power setting)、周囲温度及び/又は湿度などの環境情報、処理プロトコル、など)を受信することができる。プロセスモジュール406が、ロックステップのパラメータ、ロックステップの開始時間、ロックステップの終了時間、送達経路の連携などを決定することができる。メモリ412がさらにプログラム命令を保存することができる。保存されるプログラム命令の1つのシーケンスが標本を洗浄剤に接触させるのに使用され得、プログラム命令の別のシーケンスが標本に対して試薬(例えば、染色剤)を加えるのに使用され得る。プログラマブルプロセッサ433が、同期されるロックサイクル(例えば、
図11、13、14、15、16、17及び18に関連して考察したロックサイクル)を実施するようにこれらのプログラム命令を実行することができる。
【0056】
[0068]スケジューラモジュール416が、固定の増分(lock increment)などの所定の値に基づいてスケジュールを作るための1つ又は複数の計算ルーチン又はアルゴリズムを含むことができる。固定の増分は構成要素のタイミング又はアクションの最小距離(resolution)であってよい。いくつかの実施形態では、固定の増分は、ディスペンサのうちの1つのディスペンサの最小変位(smallest resolution)であってよい。単一のスライドに液体を計量分配するための第1のディスペンサ(例えば、非染色ディスペンサ/2次ディスペンサ)に対して割り当てられる第1のロックステップ時間(FLS)が以下の公式に従って
図12に示されるように決定され得る:
FLS=FLC/(n+FR) (公式1)
ここでは、FLCは第1のロックサイクルの第1のロックサイクル時間であり、FRは「戻り時間(return time)」に対して割り当てられるロックステップの定数(例えば、ディスペンサを開始位置まで「戻す」ためにその可動域に跨ってディスペンサを物理的に移動させるのに必要となるロックステップの数)(この実施形態で示されるように1であることが多い)であり、nは第1のディスペンサによって処理されることになるスライドの総数である。
図9及び10の実施形態ではスライドの総数nは10であるが、この総数nは10より多くても少なくてもよい(例えば、6個から12個のスライド処理ステーション)。
【0057】
[0069]第2のロックサイクルにおいてそれぞれのスライド上に液体を計量分配するための第2のディスペンサ(例えば、染色ディスペンサ/1次ディスペンサ)に対して割り当てられる第2のロックステップ時間(SLS)が以下の公式に従って
図12に示されるように決定され得る:
SLS=(n+FR+FN)×FLS/2 (公式2)
ここでは、nは第1のディスペンサによって処理されることになるスライドの総数であり、FRは「戻り時間」に対して割り当てられるロックステップの定数であり、FNはフロー番号であり、FLSは第1のディスペンサのステップ時間(公式1で計算される)である。
【0058】
[0070]スケジューラモジュール416が、フロー番号(例えば、
図13、14、15、16、17及び18に示される−2、−1、1、2、3及び4にそれぞれ等しいフロー番号)に基づいてスケジュールを決定することができるが、他のフロー番号が使用されてもよい。公式2において概説したように、フロー番号(FN)が、第1のロックステップ(FLS)を基準として第2のロックステップ(SLS)のタイミング(又は、頻度)を管理することになる。加えて、有利には、第2のロックステップのディスペンサのフロー(すなわち、移動)もフロー番号の影響を受け、ディスペンサ装置(例えば、適切にスケジュール設定されない場合に衝突する可能性がある
図2のディスペンサ装置172、173)の間での衝突を防止するように選択され得る。1つのディスペンサが隣接するスライドを1つずつ順番に扱うことができ、一方で、別のディスペンサがフロー番号に基づいてスライドを扱うことができる。いくつかの実施形態では、2次ロックステップ又はバルクロックステップ(bulk lock step)が固定され得、1次又は染色ロックステップが、1次ディスペンサによって扱われるスライドのタイミング及び/又は順序をオフセットする特定の構成に対応するようなフロー番号を選択することにより、調整され得る。いくつかの実施形態では、2次ロックステップ又はバルクロックステップが調整され得、1次ロックステップ又は染色ロックステップが固定され得る。スライドを扱う順序及びタイミングを選択することができるこの能力により、リソースの一様な分布を犠牲にすることなくより迅速かつより効率的にシステムが個別のスライド処理を取り扱うことが可能となる。
【0059】
[0071]データベース440が、プロトコル442、ルックアップテーブル444及び液体情報446などを含む情報を体系化することができる。プロトコル442には、限定しないが、標本コンディショニングプロトコル、抗原回復プロトコル、ヘマトキシリン−エオジン染色剤(H&E)染色プロトコル、目視検査、蛍光可視化、顕微鏡検査、微量分析、質量分析法、撮像(例えば、デジタル撮像)のための標本を調製するための他の種類のプロトコル、あるいは、他の分析手法又は撮像手法が含まれてよい。ルックアップテーブル444には、限定しないが、試薬の配合、処理温度(例えば、目標の組織処理温度)、タイミング情報(例えば、ロックサイクルの時間、ロックステップの時間、など)、及び、他のパラメータが含まれてよい。液体情報446は、洗浄溶液、試薬などの特性に関する情報であってよい。いくつかの実施形態では、データベース情報は使用者によって入力される。他の実施形態では、データベース情報は、試薬容器などの容器から入手される。任意の種類のデータベース構成が利用されてよく、これには、単層ファイルシステム、階層型データベース、リレーショナルデータベース、又は、分散データベースが含まれる。
【0060】
[0072]継続して
図19を参照すると、制御装置144が、スライド/標本を洗浄するために、試薬を加えるために、及び、補助の液体を加えるために、標本処理システム100の構成要素に対して命令を出すことができる。染色中、染色剤の体積が均衡範囲内で維持され得る。スライド上の液体の体積が均衡体積範囲を上回る場合、液体が比較的高い速度で蒸発することができ、液体の濃度を有意に変化させることができる。液体の体積が均衡体積範囲を下回る場合、標本を十分に処理するのに液体の体積が不十分となる可能性がある。また、液体の体積が不十分であることにより、望ましくないことに、処理中の液体の撹拌の量が低下する可能性がある。均衡体積範囲は、液体の組成、所望される処理温度、又は、所望される液体の撹拌に基づいて選択され得る。液体の均衡体積は、目標レベルを下回るように蒸発損失を維持しながら標本全体をカバーするような流体の体積(特定の温度又は特定の温度範囲における)に対応していてよい。ディスペンサ(例えば、
図3のディスペンサヘッド175)が、液体の体積を均衡体積範囲内で維持するように一定の率又は変化する率(例えば、蒸発率に基づく率)で液体を定期的に補完する補充デバイスとして機能することができる。例えば、
図4のディスペンサヘッド175が、液体199(
図8)の体積を均衡体積範囲で維持するように液体を補充することができる。目標の処理温度又は温度範囲及び全体の蒸発率を用いて、
図19の制御装置144が目標の均衡体積範囲及びロックサイクル/ステップのスケジュールを決定することができる。
【0061】
[0073]処理プロトコルは、多様な処理基準(例えば、化学的要求条件、取り込みの要求条件、溶解度制限、又は、粘度、など)に適合させるために多様な向かい合わせの物体の旋回速度及び多様な液体量を必要とする可能性がある。標本がパラフィン包埋標本である場合、非染色ロックステップ/2次ロックステップ中に、比較的少量の脱ろう剤(例えば、12マイクロリットルのキシレン)がスライド上に送達され得る。脱ろう後、別の染色ロックステップ中に、比較的多量の試薬がスライド上に送達され得る。例えば、ディスペンサ(例えば、
図7のピペッタ162)は、約125マイクロリットルから約180マイクロリットルの体積の染色剤をスライド上に送達することができ、これは後で洗浄溶液を使用してディスペンサ(例えば、
図4のディスペンサ175)から除去される。
【0062】
[0074]ロックステップ処理が、比較的低い温度でアッセイステップ(例えば、抗体及び色原体のアッセイ)を実施するのに使用され得る。本明細書で開示されるスライドホルダプラテン(slide holder platen)が、約35℃から約95℃の範囲内の温度で標本及び/又は処理液体を制御することができる。一実施形態では、液体及び/又は標本は約37℃の温度で維持される。ディスペンサ(例えば、
図2のディスペンサ装置173)が、約30マイクロリットルから約350マイクロリットルの目標の体積を維持するために補助の液体を送達することができる。いくつかのプロトコルでは、ディスペンサが、毎分約4〜約5.1マイクロリットルから毎分約5.6マイクロリットルまでの率で補助の液体を送達する。このような実施形態では、約10%〜90%の相対湿度、約15℃から約32℃の周囲温度、約±1℃の平均スライド温度許容度、毎秒約25ミリメートルから60ミリメートルの向かい合わせの物体の旋回速度に基づく場合、15分の時間にわたって、スライド上の液体の体積は約90マイクロリットルから約175マイクロリットルの範囲内で維持され得る。蒸発率は旋回速度に概して比例する可能性がある。旋回速度が毎秒約20ミリメートルである場合、毎分約3.8マイクロリットルから毎分約4.2マイクロリットルの補充率で約115マイクロリットルから約200マイクロリットルの体積を維持することができる。旋回速度が毎秒約40ミリメートルである場合、毎分約5.1マイクロリットルから毎分約5.6マイクロリットルの補充率で約115マイクロリットルから約200マイクロリットルの液体の体積を維持することができる。毎秒約90ミリメートルの高い旋回速度では、約110マイクロリットルから約200マイクロリットルの体積を維持するためには、補充率は毎分約7.6マイクロリットルから毎分約8.4マイクロリットルであってよい。狙いを付けた取出し(targeted retrieval)の場合、向かい合わせの物体の旋回速度は毎秒約100ミリメートルであってよく、補充率は毎分72マイクロリットルであってよい。抗原回復の場合、旋回速度は毎秒約180ミリメートルであってよく、補充率は毎分約105マイクロリットルであってよい。処理条件に基づき、他の補充率が選択されてもよい。
【0063】
[0075]上記から、本明細書では本発明の特定の実施形態が説明のために記述されており、本発明の少なくともいくつかの実施形態の説明を不必要に不明瞭にするのを回避するためによく知られる構造及び機能が詳細に示されたり又は説明されたりしていないことを認識されたい。本明細書で説明されるシステム、装置及び構成要素は、分析のための生物標本を調製するために広範囲のプロセスを実施することができる。本明細書で開示されるスケジュール設定及び方法は、固定のスライド、あるいは、定期的に又は処理全体を通して継続的に移動させられるスライドなどの、スライドの上まで液体を送達するように構成される装置を備える多様な種類の標本処理システムと共に使用され得る。文脈により許容される場合、単数形又は複数形の用語はそれぞれ複数形の用語又は単数形の用語も含むことができる。2つ以上のアイテムのリストを参照する場合に他のアイテムを除外して単一のアイテムのみを意味するものとしてその単語が制限されるということを示す明確な節に「又は」という単語が関連付けされない限りにおいては、このようなリスト内で「又は」を使用することは、(a)リスト内の任意の単一のアイテム、(b)リスト内のすべてのアイテム、又は(c)リスト内のアイテムの任意の組み合わせ、を含むものとして解釈されるものとする。特に明記しない限り、単数形の「a」、「an」及び「the」は複数の対象物も含む。したがって、例えば、「標本」を参照することは、1つ又は複数の標本を意味しており、これは、2つの以上の標本、3つ以上の標本、又は、4つ以上の標本などである。
【0064】
[0076]上述した種々の実施形態は組み合わされて別の実施形態を提供することができる。本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、及び、技術は、いくつかの実施形態では、国際特許出願PCT/US2010/056752、PCT/EP2013/077557、PCT/US2013/077162、PCT/EP2013/077559、PCT/EP2013/077560、PCT/US2013/077177、PCT/EP2013/077649及びPCT/US2013/077192に記載される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法及び技術のうちの任意の1つ又は複数に類似する可能性があり、これらのすべてが参照によりその全体が組み込まれる。例えば、本明細書で開示されるスライド処理ステーションは、2013年12月20日に出願された国際特許出願PCT/US2013/077162で開示されるスライド処理ステーション又は標本処理ステーションであってよい。また、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法及び技術は、特定の実施形態では、上で言及した特許及び特許出願で開示される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法及び技術のうちの任意の1つ又は複数に対して適用され得るか又はそれらと共に使用され得る。開示される実施形態の態様は、必要に応じて、別の実施形態を提供することを目的として、上で言及した種々の特許、特許出願及び特許公報の概念を採用するように修正され得る。上に列記されるすべての特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
[0077]上記の詳細な説明に照らして、実施形態に対してこのような変更及び他の変更が行われ得る。35U.S.C.112段落6に基づいて扱われることを意図されるいかなる請求項も「のための手段」という単語から始まることになるが、任意の他の文脈で「ステップ」又は「のための(for)」という用語が使用されても35U.S.C.112段落6に基づく扱いを訴えることを意図しない。例えば、「ロックステップ」という用語は35U.S.C.112段落6に基づく扱いを訴えるものではない。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲で開示される特定の実施形態のみに限定するものとして解釈されるべきではなく、この特許請求の範囲の享受する均等物の全範囲と共に考えられるすべての実施形態を含むものとして解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されない。