特許第6603247号(P6603247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603247
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】呼吸装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20191028BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   A61M16/16 A
   A61M16/00 380
【請求項の数】13
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2017-5325(P2017-5325)
(22)【出願日】2017年1月16日
(62)【分割の表示】特願2014-502958(P2014-502958)の分割
【原出願日】2012年4月5日
(65)【公開番号】特開2017-109114(P2017-109114A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2017年1月17日
(31)【優先権主張番号】2011901262
(32)【優先日】2011年4月5日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】クラーセク,ポール・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ホリー,リーアム
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チュアンガン
(72)【発明者】
【氏名】ファルジア,スティーヴン・ポール
(72)【発明者】
【氏名】フー,ティモシー・ツン‐ファイ
(72)【発明者】
【氏名】フレイター,ロバート・ヘンリー
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表昭64−500088(JP,A)
【文献】 特開2001−321443(JP,A)
【文献】 特表2002−511786(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0132708(US,A1)
【文献】 特表2011−502019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/16
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸装置において、
加圧された空気またはガスの供給分をもたらすように構成されたインペラを有する送風機と、
前記加圧された空気またはガスの供給分を加湿するように構成された加湿器であって、加湿のための水の供給分を保持するチャンバを備えている加湿器と、
を備えており、
前記送風機の1つまたは複数の可動部は、作動中、前記加湿水の供給分が前記インペラまたは前記1つまたは複数の可動部の一部を包囲するように前記チャンバの空間内に収容されて、前記チャンバ内に配置されるように構成されており、前記チャンバは、基部に連結されるように構成されており、前記基部は、前記送風機を駆動するように構成された1つまたは複数の静止要素を備えていることを特徴とする、呼吸装置。
【請求項2】
前記インペラは、磁気インペラを含み、前記1つまたは複数の静止要素は、前記基部内に配置された1つまたは複数の磁場コイルを備える電子要素を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸装置。
【請求項3】
前記磁気インペラおよび前記1つまたは複数の磁場コイルは、前記基部の一部を形成する壁によって互いに分離された積層構造に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項4】
前記磁気インペラおよび前記1つまたは複数の磁場コイルは、前記基部のハウジングによって互いに分離された径方向構造に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項5】
前記磁気インペラおよび前記1つまたは複数の磁場コイルは、前記チャンバの壁によってさらに互いに分離されいることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項6】
前記チャンバは、底部および側壁を備える容器構造を備えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項7】
前記チャンバは、螺旋流路を備えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項8】
前記螺旋流路は、加圧された空気を前記チャンバの底壁に近接する螺旋流路内に排出するように構成された下流流路を備え、前記螺旋流路は、前記加圧された空気を前記チャンバの上部に近接する空気出口に送達するように構成されていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項9】
前記基部は、前記磁気インペラの作動を制御するためのユーザーインターフェイスをさらに備えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項10】
インペラの損耗を示す前記磁気インペラの振動を検出するセンサをさらに備えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項11】
第1のマフラーとして構成された入口経路をさらに備えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項12】
のマフラーとして構成された出口経路をさらに備えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【請求項13】
各磁場コイルは、振動吸収体えていることを特徴とする、請求項に記載の呼吸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2011年4月5日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2011/90
1262号の出願日の利得を主張するものであり、この開示内容は、参照することによっ
て、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本技術は、侵襲的および非侵襲的換気療法、持続気道陽圧法(CPAP)、双レベル療
法、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のような睡眠呼吸障害(SDB)疾患のための治療、
および慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、気腫、慢性心不全、筋委縮症、ま
たは他のこのような呼吸障害のような種々の他の呼吸障害および疾患のための治療をもた
らす、あらゆる形態の呼吸換気システムに用いられる呼吸装置に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸治療装置は、導管および患者インターフェイス装置を用いて、加圧された呼吸可能
なガス、例えば、空気、酸素富化空気、または酸素を患者の気道に送達するためのもので
ある。典型的に用いられるガス圧は、患者の要求に依存して、4cmHOから30cm
Oの範囲内にあり、流量は、最大で180L/分(マスクでの測定値)である。CR
APの場合、加圧されたガスは、CPAP装置内において患者の気道に対して空気副木(
pneumatic splint)として作用し、特に、呼吸の呼気過程中の気道虚脱を防ぐことになる
。換気のために、該装置は、呼吸可能なガスを患者の肺に対して出し入れするように設計
されている。
【0004】
患者に供給される空気を加湿する利点は、知られており、加湿装置を組み入れた呼吸装
置も知られている。このような呼吸装置は、一般的に、患者の気道の乾燥およびその結果
としての患者の不快さおよび関連する合併症を低減させるために、呼吸可能なガスの湿度
を変更する能力を有している。流れ発生器と患者マスクとの間に配置された加湿器ユニッ
トを用いることによって、加湿ガスを生じさせ、これによって、鼻粘膜の乾燥を最小限に
抑え、患者の気道の心地良さを高めることができる。寒気候において用いられるのみなら
ず、マスク内外の顔領域に概して加えられる温かい空気は、冷えた空気よりも快適である
【0005】
関連する呼吸装置に一体化されるかまたは連結されるように構成された加湿器を含む多
くの形式の加湿器が、入手可能である。関連する呼吸装置内に一体化されている場合、加
湿器は、一般的に、水が送風機内に入るのを防ぐために、送風機に対して装置の別の部分
内に形成されている。受動加湿器は、いくつかの効力をもたらすことができるが、一般的
に、患者が心地よいと感じるのに十分な湿度および温度を空気にもたらすために、加熱式
加湿器が必要である。加湿器は、典型的には、数100mmLの能力を有する水タブと、
タブ内の水を加熱するための加熱要素と、加湿のレベルを変更することができる制御装置
と、流れ発生器からガスを受け入れるガス入口と、加湿されたガスを患者のマスクに送達
する患者導管に接続されるように構成されたガス出口と、を備えている。
【0006】
典型的には、加熱要素は、水タブの下方に置かれて水タブと熱的に接触する加熱プレー
ト内に組み込まれるようになっている。
【0007】
呼吸装置は、典型的には、呼吸ガスの供給分をもたらすために、装置内に一体化された
送風機を備えている。送風機は、インペラを駆動するように適合された静止要素および回
転要素(ローター)を有する一体化モータを備えている。回転要素は、磁石に連結された
ローターおよびシャフトを備えており、静止要素は、複数の巻コイルを有するステーター
を備えている。ステーターは、磁石および連結されたローターを回転させる電磁気駆動部
をもたらすことになる。インペラは、一般的に、シャフトまたはローターに連結されてお
り、これによって、ローターまたはシャフトと共に回転するようになっている。静止要素
および回転要素は、一緒になって、送風機内においてモータとして配置されることになる
。典型的には、モータは、円筒構造を有しており、巻コイルを有するステーターは、ロー
ターおよび磁石を包囲するように垂直方向に配向されている。従って、モータが励起され
ると、巻コイルは、磁石を回転させる磁場を生じることになる。磁石がローターに連結さ
れ、ローターがインペラに連結されているので、ローターおよびインペラは、磁石と共に
回転することになる。
【0008】
特許文献1は、モータに対して別のハウジング内に配置されたインペラを有するものを
記載している。しかし、モータは、静止要素(巻コイル)および回転要素(ローターおよ
び磁石)を依然として備えている。インペラは、モータの回転部分に直接連結されておら
ず、インペラをモータの回転部分と同期して回転させる別の磁石をインペラに追加するこ
とによって、回転駆動されるようになっている。インペラをモータから分離することによ
って、空気経路を使い捨て式とすることができる、と記載されている。
【0009】
例えば、病院内において多数の患者に用いられるときに生理学的な汚染の危険を低減さ
せる呼吸装置も、開発されてきている。生理学的な材料が装置内に強制的に戻されること
を阻止する細菌学的フィルターが設けられる場合がある。他のシステムでは、呼吸装置は
、洗浄可能またはオートクレーブ殺菌可能となるように構成される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願第6,302,105号明細書
【発明の概要】
【0011】
開示されている技術の一態様は、一体化された送風機および加湿器を有する呼吸装置に
関する。
【0012】
開示されている技術の他の態様は、モータによって駆動されるインペラを有する送風機
を備えている呼吸装置であって、モータの回転要素がモータのステーター要素から離脱ま
たは分離されている、呼吸装置に関する。
【0013】
開示されている技術の他の態様は、呼吸装置において、空気入口および空気出口を備え
るチャンバと、基部であって、該基部上にチャンバを受けるように構成されている基部と
、加圧された空気の供給分を空気入口にもたらすように構成されたモータであって、静止
部および回転部を有しているモータとを備えており、モータの静止部は、基部内に配置さ
れており、モータの回転部は、チャンバ内に配置されている、呼吸装置に関する。呼吸装
置の回転部は、基部内の静止部によって磁気的に回転駆動される少なくとも1つのインペ
ラを備えていてもよい。
【0014】
開示されている技術の他の態様は、呼吸装置において、加圧された空気またはガスの供
給分をもたらすように構成されたインペラを有する送風機と、加圧された空気またはガス
の供給分を加湿するように構成された加湿器と、を備えており、送風機および加湿器は、
チャンバ内に配置されており、チャンバは、基部に連結されるように構成されており、基
部は、送風機を駆動するように構成された電子要素および制御要素を備えている、呼吸装
置に関する。
【0015】
本技術の他の態様では、呼吸装置は、加湿され、かつ加圧された空気またはガスの供給
分をもたらすように構成されたチャンバであって、基部に取外し可能に連結されるように
構成されているチャンバを備えており、基部は、チャンバ内の構成要素の作動を制御する
ようになっている。いくつかの形態では、チャンバは、使い捨て可能になっていてもよい
【0016】
いくつかの実施形態では、回転部は、基部内の静止部によって磁気的に回転駆動される
少なくとも1つのインペラを備えていてもよい。任意選択的に、磁石がインペラに連結さ
れていてもよい。場合によって、インペラは、着磁された材料、例えば、着磁されたポリ
マーから構成されていてもよい。さらに、回転部は、チャンバ内において送風機の一部を
形成していてもよい。送風機は、空気を空気入口からインペラに導くように構成された入
口流路を備えていてもよい。送風機は、加圧された空気をインペラから1つまたは複数の
送風機出口に向かって導くように構成された渦形室を備えていてもよい。任意選択的に、
静止部は、複数の巻コイルを有するステーターを備えていてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、チャンバは、加圧された空気またはガスの供給分を空気出口
を通って流出させる前に加湿するために、水の供給分を保持するようにさらに構成されて
いてもよい。水の供給分は、加熱要素によって加熱されるようになっていてもよい。加熱
要素は、基部内に配置されていてもよいし、および/またはチャンバ内に配置されていて
もよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、作動に際して、静止部および回転部は、基部のハウジング壁
によって互いに分離された積層構造に配置されるようになっていてもよい。いくつかの実
施形態では、作動に際して、静止部および回転部は、基部のハウジング壁によって互いに
分離された径方向構造に配置されるようになっていてもよい。任意選択的に、回転部およ
び静止部は、チャンバの壁によって、さらに互いに分離されていてもよい。また、チャン
バは、底壁および側壁を備える容器構造を有していてもよい。任意選択的に、チャンバは
、螺旋流路を備えていてもよい。いくつかの態様では、送風機仕切りが、チャンバの底壁
において加圧された空気を螺旋流路内に排出するように構成されており、螺旋流路は、加
圧された空気をチャンバの頂部に近接する空気出口に送達するように構成されている。
【0019】
本技術のいくつかの実施形態は、患者インターフェイスに対して治療空気の加圧流れを
生成するための呼吸装置を含んでいる。該装置は、治療空気の加圧流れを生成する磁気イ
ンペラを含む送風機仕切りを備えているとよい。送風機仕切りは、インペラに対する上流
流路および下流流路を有しているとよい。該装置は、治療空気の流れを加湿するための流
体を保持するように構成された加湿器チャンバも備えているとよい。該装置は、基部ハウ
ジングも備えているとよい。基部ハウジングは、インペラの運動に影響を及ぼす磁場コイ
ルを備えているとよい。基部ハウジングは、加湿器チャンバと連結するように構成されて
いるとよい。いくつかの態様では、送風機仕切りは、作動に際して、加湿器チャンバ内に
一体化されるかまたは挿入可能になっているとよい。いくつかの態様では、送風機仕切り
は、磁場コイルを備えていない。任意選択的に、作動中、加湿水は、送風機仕切りのイン
ペラ部を包囲するように、加湿器隔壁の空間内に収容されているとよい。さらに、磁気イ
ンペラおよび磁場コイルは、基部ハウジングの壁によって互いに分離された積層構造に配
置されていてもよい。同様に、磁気インペラおよび磁場コイルは、基部ハウジングによっ
て互いに分離された径方向構造に配置されていてもよい。磁気インペラおよび磁場コイル
は、加湿器チャンバの壁によってさらに互いに分離されていてもよい。加湿器チャンバは
、底壁および側壁を備える容器構造を備えていてもよい。また、加湿器チャンバは、螺旋
流路を備えていてもよい。場合によっては、下流流路は、加圧された空気を加湿器チャン
バの底壁に近接する螺旋流路内に排出するように構成されていてもよく、螺旋流路は、加
圧された空気を加湿器チャンバの上部に近接する空気出口に送達するように構成されてい
てもよい。任意選択的に、基部ハウジングは、インペラの作動を制御するためのユーザー
インターフェイスをさらに備えていてもよい。いくつかの態様では、該装置は、インペラ
の損耗を示すインペラの振動を検出するセンサも備えているとよい。いくつかのこのよう
な実施形態では、入口経路、例えば、上流流路は、マフラーを備えていてもよい。同様に
、装置の出口経路、例えば、下流流路は、マフラーを備えていてもよい。任意選択的に、
各磁場コイルは、振動吸収体を備えていてもよい。
【0020】
本技術の他の態様、特徴、および利点は、本開示の一部であって本技術の原理を例を挙
げて示す添付の図面と関連させて以下の詳細な説明を読めば、明らかになるだろう。
【0021】
添付の図面は、本技術の種々の実施例の理解を容易にするものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】例示的な呼吸システムの概略図である。
図1b】加湿器を備える例示的な呼吸システムの概略図である。
図2】本技術の例示的な装置の斜視図である。
図3図2の装置の側断面図である。
図4図2の装置の断面斜視図である。
図5図2図4の装置の分解図である。
図6】本技術の他の例示的な装置の斜視図である。
図7図6の装置の断面斜視図である。
図8図6図7の装置の分解図である。
図9】本技術のさらに他の例示的な装置の斜視図である。
図10図9の装置の断面斜視図である。
図11図9および図10の装置の分解図である。
図12】本技術の例示的な分解モータ配置の概略図である。
図13a-13c】本技術の例示的なインペラの種々の図である。
図14a-14c】本技術の巻コイルを有する例示的なステーターの種々の図である。
図15a-15d】本技術の他の例示的なインペラの種々の図である。
図16a】チャンバの断面が図16bの線SVに沿って切り取られている、径方向制御配置に構成されたインペラおよびコイルを有する本技術の実施形態の構成要素を示す側断面図である。
図16b図16aの実施形態の構成要素を示す上面図である。
図17a】径方向制御配置されたインペラおよびコイル構造を有する本語術の追加的な実施形態の構成要素を示す側面図である。
図17b】径方向制御配置されたインペラおよびコイル構造を有する本語術の追加的な実施形態の構成要素を示す側面図である。
図18a】螺旋経路を組み入れている本技術のいくつかの実施形態における例示的な加湿器チャンバを示す側面図である。
図18b図18aのチャンバの実施例の平面図である。
図19a】螺旋流れ技術を含む本呼吸装置技術の実施形態を示す図である。
図19b】螺旋加湿経路を示す図19aの実施形態の断面図である。
図19c】螺旋渦形室および螺旋加湿流れインサートを備える、図19aの実施形態の構成要素の分解図である。
図20a-20c】いくつかの実施形態における例示的な螺旋渦形室の図(それぞれ、斜視図、上面図、および正面図)である。
図21a-21c】いくつかの実施形態における例示的な螺旋加湿流れインサートの図(それぞれ、斜視図、上面図、および正面図)である。
図22】入口マフラー、送風機渦形室、磁気インペラ、および出口マフラーを有する空気経路の例示的な実施形態の等角投影図である。
図23】入口マフラーを備える互いに同心の入口流路および出口流路を有するチャンバの例を示す図である。
図24】入口マフラーを備える互いに同心の入口流路および出口流路を有するチャンバの例を示す図である。
図25】作動におけるコイル振動および騒音を低減させるのに適する構成要素を備える基部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明は、共通の特性および特徴を共有するいくつかの実施例(その殆どが図示さ
れているが、そのいくつかは図示されていない)に関してなされている。任意の1つの実
施例の1つまたは複数の特徴は、他の実施例の1つまたは複数の特徴と組み合わされても
よいことを理解されたい。加えて、任意の1つまたは複数の実施例におけるどのような単
一の特徴または特徴の組合せも、特許性のある主題を構成することが見込まれている。
【0024】
本明細書では、「〜を備えている(comprising)」という語句は、その「オープン(op
en)」の意味、すなわち、「〜を含んでいる(including)」の意味に理解され、その「
クローズド(closed)」の意味、すなわち、「〜のみからなっている(consisting only
of)」の意味に制限されるべきではない。対応する語句「comprise」、「comprised」、
および「comprises」が現れる場合も、対応する意味がもたらされることになる。
【0025】
「空気」という用語は、呼吸可能なガス、例えば、追加的な酸素を含む空気を含むと見
なされるべきである。
【0026】
詳細な説明における見出し語は、読者の参照を容易にするためにのみ用いられるもので
あり、本開示または請求項の全体にわたって見られる主題を制限するために用いられるも
のではない。これらの見出し語は、請求項の範囲または請求項の制限を解釈する際に用い
られるべきではない。
【0027】
[呼吸装置]
図1aに概略的に示されているように、呼吸システム10は、概して、呼吸装置12、
(空気送達チューブまたは空気送達配管とも呼ばれる)空気送達導管14、および患者イ
ンターフェイスユニット16を備えている。使用に際して、呼吸装置12は、正圧の呼吸
可能なガスを生成するための送風機または圧力生成装置20を備えており、加圧ガスが空
気送達導管14を介して患者インターフェイスユニット16に送達されるようになってい
る。空気送達導管14は、一端において送風機または圧力生成装置20の出口に連結され
ており、他端において患者インターフェイスユニット16に連結されている。非侵襲的換
気のために、患者インターフェイス16は、患者の顔に心地よく係合し、シールをもたら
すようになっている。患者インターフェイスまたはマスクは、当技術分野において知られ
ているどのような適切な形態、例えば、フルフェイスマスク、鼻マスク、口鼻マスク、口
マスク、鼻プロング、などを有していてもよい。また、患者インターフェイスを患者の顔
の所望の位置に心地よく支持するために、ヘッドギアが利用されてもよい。非侵襲性的形
態の換気をもたらすために、患者インターフェイスユニット16は、気官切開チューブを
備えていてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、加湿器18が、呼吸装置12内に組み入れられているかまた
は一体化されていてもよく、または呼吸装置12の下流に設けられていてもよい。このよ
うな実施形態では、空気送達導管14は、図1bに概略的に示されているように、患者イ
ンターフェイスユニット16と加湿器18の出口との間に設けられているとよい。
【0029】
一般的に、患者が心地よくなるのに十分な湿度および温度を空気にもたらすために、加
熱式加湿器が用いられている。いくつかの実施形態では、ガスが患者に供給されるときに
、空気送達導管14が加熱され、これによって、ガスを加熱し、導管の内側に生じる「レ
インアウト(rain-out)」または凝縮を防ぐようになっている。この構成において、空気
送達導管14は、加熱に関連する1つまたは複数のワイヤまたはセンサを備えているとよ
い。
【0030】
図2図11は、本技術の呼吸装置のいくつかの実施形態を示している。種々の実施形
態における同様の構成要素を示すために、同様の番号が用いられていることに留意された
い。呼吸装置112,212,312は、チャンバ150,250,350および基部1
70,270,370を備えている。チャンバ150,250,350は、基部170,
270,370に取外し可能に連結されるように構成されている。チャンバ150,25
0,350は、圧力生成装置または送風機120,220,320を包囲し、加湿のため
の水140の供給分を保持する水チャンバも形成しているとよい。従って、加湿機能およ
び圧力生成機能がチャンバ150,250,350のような共通チャンバ内において得ら
れることになり、これによって、呼吸装置112,212,312の全体の大きさを縮小
することができる。しかし、水140がチャンバ150,250,350に必ずしも加え
られる必要がなく、この場合、装置が加圧された空気またはガスの供給分のみをもたらす
ようになっていてもよいことに留意されたい。しかし、いくつかの実施形態では、共通チ
ャンバは、例えば、加湿のためのある量の水または他の液体が圧力源のモータ/送風機の
可動部、例えば、送風機仕切りのインペラ部分を含む周辺部を囲むことを可能にするよう
になっているとよい。このような構成によって、水と送風機からの空気との接触面積の増
大を促し、加湿効率を高めることに加えて、モータ振動の一部が近接する水に伝搬される
というよりも該水に吸収されることによって、騒音低減または騒音吸収をもたらすという
利点を得ることができる。また、近接する水によって、モータ構成要素から水への熱の吸
収を促進し、これによって、有利に水を温め、モータを冷却することができる。
【0031】
図2図11における呼吸装置112,212,312の送風機は、分割モータ構造を
備えているとよい。このような配置では、モータ130の静止要素130sは、装置の基
部170,270,370内に配置されており、モータ130の回転要素130rは、チ
ャンバ150,250,350内に配置されている(図12参照)。静止要素130sは
、磁束を基部170,270,370を通してチャンバ150,250,350に導通さ
せることによって、回転要素130rを電磁気的に回転駆動させるようになっている。分
割モータは、いくつかの実施形態では、積層配置またはパンケーキ配置を有している。こ
の配置では、使用時に、巻コイル179を有するステーター178が基部170,270
,370内において水平に配向され、インペラ136および磁石196がチャンバ内にお
いて水平に配向され、ステーター178の上方に位置することになる。基部170,27
0,370は、どのような回転要素も備えていない。このような構成では、モータの電子
駆動要素は、呼吸空気経路から分離しており、すなわち、呼吸空気経路の外側に位置して
おり、インペラおよび回転要素は、呼吸空気経路内に位置している。従って、いくつかの
実施形態では、基部のケースまたはハウジング壁および/またはチャンバの壁は、互いに
分離しているとよく、またはロータ(例えば、磁石を有するインペラ)とステーター(例
えば、制御コイル)との間に障壁が形成されているとよい。
【0032】
呼吸装置112,212,312は、このような装置に一般的に用いられているように
、センサ(図示せず)、例えば、圧力センサ、流量センサ、温度センサおよび/または湿
度センサを備えているとよい。圧力センサおよび/または流量センサは、装置の作動を制
御するために用いられるとよい。
【0033】
以下、図2図5に示されているある実施形態による呼吸装置112について、さらに
詳細に説明する。
【0034】
[基部]
基部170は、上部カバー144、PCB176、(モータ構成要素としても知られて
いる)巻コイル179を備えるステーター178、および基部底148を備えている。ス
テーター178は、(以下にさらに詳細に説明するように)送風機120のインペラ13
6を駆動するように適合されたモータの一部である。インペラ136は、チャンバ150
内に配置されている。基部170は、装置および該装置によってもたらされる治療を制御
する他の電子機器を備えていてもよい。基部170は、1つまたは複数のユーザーインタ
ーフェイス174、例えば、ユーザーボタン(図2参照)、ダイアル、タッチスクリーン
またはディスプレイスクリーン、または他のユーザーインターフェイスシステムを備えて
いるとよい。また、基部は、コンピュータまたは他のユーザーインターフェイスシステム
に連通するようにまたは連結されるように構成されていてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、図2図5に示されているように、基部170は、チャンバ
150の挿入または取外しを可能にするように構成されたラッチ172も備えている。ラ
ッチ172は、持上げるかまたは押下げることによって、基部170に対するチャンバ1
50の取外しまたは挿入を可能にするようになっているとよい。いくつかの実施形態では
、チャンバ150が基部170に連結されたとき、チャンバ150を基部170に対して
固定して係止するかまたは保持するために、保持機構が基部170内に配置されていると
よい。図3図5に示されているように、チャンバ150の下部は、基部170に対する
チャンバ150の保持を容易にするために、保持リム162を備えているとよい。基部1
50は、保持リム162に係合するように構成された突起163を備えているとよい。
【0036】
いくつかの他の実施形態では、保持機構は、基部170に接触しているチャンバ150
を付勢するバネ(図示せず)を備えていてもよい。このような構成では、ラッチ172は
、チャンバユニットの容易な挿入または取外しを可能にするためにバネの解除を行なえる
ようになっているとよい。保持機構およびラッチ172は、2006年8月15日に「C
PAP装置用の加湿器および/または流れ発生器」と題して出願された共有に係る同時係
属中の米国特許出願第11/988、870号(2009年8月6日に米国特許出願公開
第2009/0194106号として公開)において加湿器タブを加湿器クレードルに保
持するものとして記載されているようなどのような構成を備えていてもよい。なお、この
文献の内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0037】
いくつかの実施形態(図示せず)では、基部170は、チャンバ150内の水140を
加熱するためにステーター178の周りにまたは隣接して配置された加熱要素、例えば、
フィラメント加熱要素、セラミック加熱要素、または他のこのような加熱要素を備えてい
てもよい。他の実施形態では、以下にさらに詳細に述べるように、基部170内のステー
ター178がチャンバ150内の水を誘導加熱するようになっていてもよい。
【0038】
[チャンバ]
図2図5を参照すると、チャンバ150は、底カバー154に連結される上部152
を備えている。上部152は、空気入口156、出口158、および任意選択的に二次入
口160を備えている。底カバー154は、前述のように、基部170へのチャンバ15
0の固定を容易にするために、保持リム162を備えているとよい。図2図5において
、上部152は、チャンバ150の側面をもたらすチャンバ150の大きなチューブ状形
状を形成しており、底カバー154は、チャンバ150の底を形成している。しかし、底
カバー154は、チャンバ150の底というよりも、チャンバ150の下部を形成するよ
うに構成されていてもよい(図示せず)。例えば、上部152と底カバー154との間の
接合部は、どのような接合部における水漏れの可能性も低減させるために、最大水レベル
40の上方に配置されていてもよい。上部152および底カバー154は、例えば、溶接
または接着によって、製造中に永久的に連結されるようになっていてもよい。代替的に、
上部152および底部154は、クリップ、クランプのようなラッチまたはキャッチ機構
または同様の装置を用いて、取外し可能に連結されるようになっていてもよい。例えば、
2009年9月17日に出願された共有に係るPCT出願第PCT/AU2009/00
1232号(2010年3月25日に国際出願公開第2010/031126号として公
開)において再使用可能な加湿器タブに対して記載されているようなラッチ機構が用いら
れてもよい。なお、この文献の内容は、その全体がここに含まれるものとする。上部15
2と底カバー154との間には、シール(図示せず)が設けられてもよい。
【0039】
チャンバ150は、プラスチック、アルミニウム、ステンレス鋼、または他のこのよう
な材料から構成されているとよい。いくつかの実施形態では、チャンバ150は、少なく
とも部分的に低融点材料から構成されていてもよく、この場合、チャンバは、オートクレ
ーブ殺菌によって再使用されないことになる。代替的に、チャンバは、チャンバ150を
オートクレーブ殺菌または他の種類の洗浄または殺菌によって再使用することを可能にす
る材料から構成されていてもよい。
【0040】
図示されているように、チャンバ150は、円筒カップ状または容器形状を有している
とよい(図2図5参照)。しかし、当業者であれば、チャンバ150は、送風機120
の支持を容易にすると共に水の供給分を保持するどのような適切な形状、例えば、矩形、
正方形、などに構成されていてもよいことを理解するだろう。
【0041】
空気入口156は、大気の供給分を加圧のために送風機120にもたらすようになって
いる。いくつかの実施形態では、空気入口(図3図5参照)は、送風機120をチャン
バ150内に懸垂するように構成された懸垂チューブ134を備えている。懸垂チューブ
134は、シリコーンのような柔軟材料から構成されているとよい。代替的に、送風機は
、以下にさらに詳細に述べるような他の手段によって、チャンバ内に配置されるようにな
っていてもよい。
【0042】
チャンバ出口158は、加圧され、任意選択的に、加湿された空気をチャンバ150か
ら放出するための出口をもたらしている。チャンバ出口158は、加圧された空気を患者
インターフェイスユニット(図示せず)に送達するために、該チャンバ出口に空気送達導
管(図示せず)の取付けを可能にするように、構成されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、二次入口160は、水の供給分が水容器(図示せず)からチ
ャンバユニットにもたらされるようになっていてもよい。これによって、より小さいチャ
ンバ150の使用が助長されることになる。何故なら、チャンバは、わずかな量の水、例
えば、1〜100mL、例えば、1〜50mL、1〜20mL、または1〜10mLの水
しか保持する必要がないからである。わずかな量の水は、多量の水、例えば、300〜5
00mL以上の水よりも迅速に加熱されることになる。水は、連続的ドリップ送給構成、
鳥餌付け式送給構成によって、またはポンプまたは任意の他の水送達プロセスを用いて、
二次入口160に供給されるとよい。二次入口160は、該二次入口160を通る加圧さ
れた空気のどのような漏れも防ぐために、シールされている。水容器の例として、二次入
口160の上方にまたは隣接して配置される瓶、または水袋(図示せず)が挙げられる。
水の例として、無菌の水および/または濾過された水が挙げられる。代替的に、水容器が
用いられなくてもよく、この場合、チャンバが、治療または治療セッションに必要な量の
水を保持するように構成されているとよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、二次入口160は、呼吸可能なガスの供給分に酸素のような
二次ガスの供給分を加えるように構成されていてもよい。二次ガスをチャンバ150内に
導くことによって、二次ガスは、患者に送達される前に、送風機120からもたらされる
加圧されたガスと一緒に加湿されることが可能になる。代替的に、二次ガスは、空気入口
156に供給されてもよい。このような実施形態は、反応ガス、例えば、酸素を呼吸シス
テム内に導入するときに、該反応ガスをシステムの電子部品から隔離し、電気スパークに
よって生じる燃焼の危険を低減させることによって、より安全な作動をもたらすことがで
きる。
【0045】
いくつかの実施形態では、チャンバは、水および一種または複数種のガスの導入を可能
にするために、多数の二次入口160を備えていてもよい。
【0046】
[圧力生成装置または送風機]
図3図5に示されているように、チャンバ150は、圧力生成装置または送風機12
0を受け入れるように構成されている。送風機120は、空気入口156に供給された空
気またはガスの供給分を加圧するために、チャンバ150内に配置されている。次いで、
加圧された空気またはガスは、送風機出口122に送達され、チャンバ150内に送達さ
れることになる。送風機120は、該送風機120の内側領域と周囲のチャンバ150と
の間に障壁をもたらす外側ハウジングを有している。
【0047】
いくつかの実施形態では、送風機120は、入口流路138、インペラ136、および
渦形室128を備えている。入口流路138は、流入する空気またはガスをインペラ13
6に導くために、空気入口156に連結されている。入口流路138は、流入する空気流
またはガス流をインペラ136に向かって導くように構成された1つまたは複数の入口羽
根142(図3図4参照)を備えているとよい。入口羽根142は、流入する空気をイ
ンペラ136に向かって導くように構成されているとよい。インペラ136は、以下にさ
らに詳細に述べるように、流入する空気またはガスを加圧するために、駆動機構によって
回転駆動されるようになっている。加圧された空気またはガスは、インペラ136から渦
形室128に導かれ、該渦形室において、1つまたは複数の送風機出口122に導かれる
ようになっている。次いで、加圧された空気またはガスは、1つまたは複数の送風機出口
122からチャンバ150の外側領域内に受け入れられ、もし水140がチャンバ150
内に存在しているなら、該外側領域において、加圧された空気は、加湿されることになる
【0048】
いくつかの実施形態では、図3および図4に示されているように、空気入口156およ
び送風機の懸垂チューブ134は、入口流路138に連結されているとよい。外側ハウジ
ングは、上側シュラウド126、渦形室128、および送風機支持体132の組立によっ
て形成されている。いくつかの実施形態では、製造の部品点数を減らすために、送風機支
持体132は、渦形室128と一体化されているとよい。いくつかの他の実施形態では、
以下にさらに詳細に述べるように、上側シュラウド126、渦形室128、および送風機
支持体132の全てが、単一の構成要素に一体化されていてもよい。さらに他の実施形態
では、以下にさらに詳細に述べるように、送風機支持体が必要とされていない。
【0049】
いくつかの実施形態では、入口流路138は、軸受190、例えば、ボール軸受をイン
ペラ136のハブ内に保持するように構成されているとよい。軸受190は、インペラ1
36の回転を支持するように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、インペラ136を制御するために、空気軸受が用いられても
よく、この場合、生じた圧力がインペラを均衡化し、かつ持上げるように作用することに
なる。いくつかの他の実施形態では、インペラ136は、磁場内に懸垂される受動磁気軸
受として作用するようになっていてもよい。
【0051】
渦形室128は、インペラ136から来る空気を導くように、インペラ136を包囲し
ている。渦形室128は、空気流を1つまたは複数の送風機出口122に向かって導くよ
うに設計された複数のステーター羽根146を備えているとよい。いくつかの実施形態で
は、渦形室128のステーター羽根146は、加圧された空気流を上方向に送風機出口1
22に導くように構成された渦構造を備えているとよい。しかし、他の羽根構造が利用さ
れてもよい。
【0052】
図4に示されているように、送風機出口122は、チャンバの上部の近くに位置する送
風機の上側シュラウド126に配置されている。送風機出口122は、加圧されたガスの
加湿を容易にするために、加圧されたガス流をチャンバ150内の水に向かって下方に導
くように構成されているとよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の送風機出口
122は、一方向弁を備えているとよい。この一方向弁は、加圧された空気またはガスが
渦形室128を出ることを可能にする一方、水が送風機120内に入ることを阻止するも
のである。例えば、送風機出口122は、柔軟膜を備えているとよい。この柔軟膜は、使
用時、すなわち、インペラが回転して加圧された空気またはガスの供給分を生じるとき、
拡張されて、送風機出口122を開くように構成されている。拡張した柔軟膜によって、
加圧された空気またはガスの供給分は、送風機出口122を通って流出することが可能に
なる。しかし、インペラが回転していないとき、柔軟膜は、送風機出口122を閉鎖また
は被覆し、これによって、送風機出口122の通路を妨げるようになっている。従って、
例えば、移送中、装置の非作動モードまたは待機モードにおいて、初期位置にある柔軟膜
は、水がチャンバ150から送風機出口122を通って送風機120内に流入するのを阻
止することになる。
【0053】
以下にさらに詳細に述べるように、送風機120は、分割モータ構造の回転部しか備え
ていないので、いくつかの実施形態において、水の存在に耐えるように構成されていると
よい。送風機内の水の存在が許容されるのは、チャンバ150内に電子機器および制御装
置が存在しないからである。電子機器および制御装置は、基部170内に配置されている
ので、モータの回転部から分離している。
【0054】
[モータ]
モータ130は、インペラ136を回転駆動させるものである。いくつかの実施形態で
は、図12に示されているように、モータ130は、分割構造をなすように形成されてい
る。具体的には、モータ130の静止部130sは、基部17内に配置されており、モー
タ130の回転部130rは、チャンバ150内に配置されている。この配置では、モー
タは、磁束の方向が軸方向となる、すなわち、回転軸と平行となる積層構造またはパンケ
ーキ構造を有している。回転部130rと静止部130sとの間にどのような直接の連結
部も存在していない。すなわち、静止要素130sと回転要素130rとの間には、イン
ペラ136を駆動するためのシャフトが連結されていない。しかし、必要に応じて、イン
ペラ136は、チャンバ150内において、シャフト(図示せず)に取り付けられるよう
に構成されていてもよい。
【0055】
モータ130の静止部130sは、ステーター178を備えている。ステーター178
は、その上に配置された複数の巻コイル179を有している。図14a〜図14cは、6
個の巻コイル179(すなわち、3個の磁極対)が配置されたステーター178を示して
いる。ステーター178は、複数の磁極対コイル179、例えば、2〜20個の巻コイル
179、例えば、4,6,8,または10個の巻コイルを備えている。ステーター178
および巻コイル179は、基部170内に配置されている。巻コイル179を有するステ
ーター178は、基部170の上部カバーの下に配置されているとよい。ステーター17
8は、熱放散材料内に埋設されているとよい。例えば、ステーターは、熱放散プラスチッ
ク内に鋳込まれているとよい。このようなポリマー材料の例として、例えば、一種または
複数種の充填剤が添加されたPA,PC,PP,PPS,PEEKなどが挙げられる。図
示されているように、巻コイル179は、好ましくは、積層構造またはパンケーキ構造を
有するステーターの片側に配置されている。
【0056】
ステーター178は、1つまたは複数のセンサ(図示せず)、例えば、インペラ―13
6上の磁石196の位置を検出するホールセンサを備えているとよい。
【0057】
モータの回転部130rは、軸受190およびインペラ136に連結または一体化され
た永久磁石196を備えている。永久磁石196は、複数の着磁された磁極対(N,S)
、例えば、2〜20個の着磁された磁極、例えば、2,4,6,8,10個の磁極(すな
わち、1〜10個の磁極対)を備えている。好ましくは、コイルの磁極の数と比較して、
異なる数の磁極が磁石内に存在しているとよい。例えば、ステーターは、6個の巻コイル
(すなわち、3個の磁極対)を備え、永久磁石196は、8個の磁極(すなわち、4個の
磁極対)を備えているとよい。しかし、当業者であれば、他の構成が利用されてもよいこ
とを理解するだろう。
【0058】
いくつかの実施形態では、インペラ136が磁性材料から構成されており、これによっ
て、別の磁石を設ける必要がなく、インペラは、永久磁石196およびインペラ136の
両方として作用することになる。インペラ136は、インペラ136に連結または一体化
された磁石196とコイル179に供給される電磁駆動力との磁気的相互作用によって回
転駆動されることになる。コイル179によって生じた磁場は、基部170の上部カバー
およびチャンバ150の底カバー154を通って導通されることになる。この構成におけ
る磁束の方向は、軸方向である。ステーター178と磁石196との間の距離は、最小限
に抑えられ、好ましくは、10mm未満、例えば、約8mm、約7mm、約6mm、約5
mm、約4mm、約3mm、約2mm、約1mmである。
【0059】
いくつかの実施形態では、基部170の上部カバーおよびチャンバ150の底面は、コ
イル179とインペラ136の磁石196との間に生じる磁束経路を妨げないように、プ
ラスチック、例えば、磁気的に透過性のあるポリマーから形成されているとよい。他の実
施形態では、基部170の上カバーおよび/またはチャンバ150の底面は、ステンレス
鋼またはアルミニウムのような金属材料から形成されていてもよく、この場合、磁束は、
これらの表面の一方または両方を加熱し、チャンバ150内の水140の加熱を助長する
ことができる。
【0060】
ステーター178は、モータを制御するように構成された制御装置に連結されている。
制御装置は、PCB176、マイクロプロセッサ、および作動用電源を備えているとよい
。制御装置は、チャンバ150における送風機120内のインペラ136を含む回転部1
30rの回転を容易にするために、コイル179を電磁的に制御するように構成されてい
る。この構成は、空気流路を装置の電子要素および制御要素から隔離することになる。こ
れによって、チャンバ150および送風機120のいくつかまたは全ての部品を簡単に取
り換えて、空気流路を取り換えることが可能になる。
【0061】
いくつかの他の実施形態では、図示されていないが、モータは、磁石に連結されたシャ
フトまたはローターを有するより一般的な円筒形状を有し、磁石196とコイル179と
の間の電磁的相互作用によって回転駆動されるようになっていてもよい。例えば、シャフ
トまたはローターがチャンバ150の底から突出し、基部170の一部内に挿入され、ス
テーター178およびコイル179に係合するようになっていてもよい。シャフトは、永
久磁石196に連結されていてもよく、この場合、コイル178との電磁的相互作用によ
って、シャフトの回転が容易になる。また、シャフトは、チャンバ150内に突出し、イ
ンペラ136に連結されていてもよい。しかし、前述の実施形態におけるように、モータ
130の回転部130rは、モータの静止部130sから分離している。インペラ136
、磁石196、およびシャフトは、チャンバ150内に配置されており、巻コイル179
を有するステーター178は、基部170内に配置されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、基部170がチャンバ150の上方に配置され、チャンバ1
50内において送風機120を支持するようになっていてもよい。この場合、水140は
、送風機120の下方に位置することになる。
【0063】
いくつかの他の実施形態では、モータは、籠型モータのような誘導モータ構成を備えて
いてもよい。
【0064】
[インペラ]
いくつかの実施形態では、インペラ136は、磁気的伝導性であり、磁性材料から形成
されていてもよいし、磁性材料の一部を含んでいてもよいし、またはインペラ136の磁
気回転を駆動する磁性部品に取り付けられていてもよい。図13a〜図13cは、インペ
ラ136の底面に連結された磁石196を有するインペラ136を示している。図13
は、磁石196を有するインペラ136の底面図を示している。磁石196は、磁極対を
なすように配置された8個の着磁された磁極(196N、196S)を備えている。着磁
されたインペラは、前述したように、種々の数の着磁された磁極、例えば、2〜20個の
着磁された磁極を備えることができることを理解されたい。
【0065】
インペラ136は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、または他の適切
なポリマー材料から構成されているとよい。いくつかの実施形態では、磁性材料がポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、または他の適切なポリマー材料と一体化され
るかまたは組み合わされ、磁性ポリマーを形成するようになっていてもよい。磁性材料の
例として、着磁されたフェライト、ネオジウム、または他の磁性合金が挙げられる。イン
ペラまたはインペラの一部が、有機ポリマーのようなポリマー、または他の非金属磁石材
料から形成されていてもよい。プラスチック磁性材料またはプラスチック磁石を組み入れ
ているかまたはそれから構成されているこのようなインペラの例として、PANiCNQ
またはエメラルディン基ポリアニリン(PANi)とテトラシアノキノジメタン(TCN
Q)との他の組合せからなるインペラが挙げられる。
【0066】
インペラ136は、一体成形構造であるとよいが、他の適切な材料および製造技術が用
いられてもよい。インペラ136(図13c参照)は、シュラウド135のような1対の
ディスク間に挟み込まれた複数の羽根137、具体的には、4〜20個の羽根、例えば、
6〜13個の羽根を備えている。インペラ136は、該インペラ136の空気力学的な芯
出しを改良するために、後方に湾曲した羽根を備えているとよい。
【0067】
代替的構成(図示せず)では、インペラ123,236は、2006年10月27日に
出願された同時係属中の米国特許出願第12/083.350号に記載されているような
交互シュラウド構成を備えていてもよい。この文献の内容は、その全体がここに含まれる
ものとする。インペラ136は、空気を略接線方向に加速する略遠心インペラであっても
よい。インペラハブ194は、インペラ136を軸受190に連結するものである。いく
つかの実施形態では、インペラは、以下にさらに詳細に述べるように、モータのステータ
ー要素から独立している、すなわち、モータのステーター要素に直接的に連結されていな
い。
【0068】
いくつかの実施形態では、インペラ136は、回転しているインペラ136と入口流路
の壁との間の間隙に空気クッションが形成されることによって、使用時に自己芯出しおよ
び自己平衡化するように構成されているとよい。
【0069】
図15a〜図15dに示されているように、いくつかの実施形態では、インペラ236
は、空気軸受の使用を容易にするように構成されているとよい。前述したように、インペ
ラ236は、磁極対(196N,196S)をなすように配置された複数の着座された磁
極を有する磁石196を備えているとよい。また、インペラは、該インペラのハブに隣接
して複数の開口291を備えているとよい。これらの開口291によって、使用時に、空
気圧がインペラの下方に流れ、インペラを持上げ、空気軸受装置を形成することができる
。インペラ136と渦形室128の壁との間の加圧された空気も、インペラ136の支持
を助長することになる。
【0070】
いくつかの実施形態(図示せず)では、インペラは、わずかな量の水に浮くように構成
されていてもよい。水のわずかな供給分が、チャンバ150から送風機120にもたらさ
れるようになっているとよい。このような構成では、回転中に、水がインペラ136を支
持するための潤滑剤をもたらすことになる。インペラは、ツインインペラであってもよい
【0071】
いくつかの他の実施形態では、インペラ136は、磁場内に懸垂された受動磁気軸受と
して作用するようになっていてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、インペラ136は、インペラに生じた渦損失がインペラを加
熱するような適切な材料、例えば、適切な着磁された材料から構成されていてもよい。生
じた熱は、空気流および/または水を加熱するために用いられることになる。
【0073】
いくつかの実施形態では、送風機120は、加圧された空気またはガスの供給分をもた
らすように協働する複数のインペラ136,236、例えば、2,3,または4つ以上の
インペラを備えていてもよい。
【0074】
[加湿]
チャンバ150内の加圧された空気またはガスは、チャンバ150内の水140の供給
分によって加湿されるとよい。加圧された空気またはガスは、送風機出口122を介して
送風機120を出て、加湿が行なわれるチャンバ150の水収容領域に入るようになって
いる。チャンバ150内の水は、任意選択的に加熱されることになる。いくつかの実施形
態では、水は、送風機120によって生じた熱が周囲の水140内に分散されることによ
って、加熱されるようになっていてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、基部170が、チャンバ150内の水を加熱するように構成
された加熱要素を備えているとよい。加熱要素の例として、セラミック加熱要素、フィラ
メントヒーター、または他のこのような加熱要素が挙げられる。熱は、基部170の上カ
バーを通って、チャンバ150内に導通されることになる。チャンバ150の底カバー1
54は、少なくとも部分的に熱伝導材料から構成されているとよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、加熱器は、チャンバ150内に設けられていてもよい。例え
ば、加熱フィラメントまたは加熱帯片が、チャンバ150内に配置されていてもよい。加
熱帯片は、同時係属中の米国特許出願第12/669,889号に記載されているように
構成されているとよい。なおこの文献の内容は、その全体がここに含まれるものとする。
【0077】
いくつかの実施形態では、チャンバ150が少なくとも部分的に鋼、ステンレス鋼、ま
たはアルミニウムのような金属材料から形成され、基部170内に配置されたコイル17
9を有するステーター178がモータの回転部130rを駆動すると共にチャンバ150
内の水140を誘導加熱するように、構成されていてもよい。鋼またはアルミニウムと基
部170内のコイル179との金属相互作用によって、インペラ136を駆動するための
電力にいくらかの損失が生じる。しかし、これらの損失は、熱として回収されることにな
る。このような構成では、チャンバ150が基部170から取り外されると、加熱が生じ
ないので、装置の安全性を改善することができる。
【0078】
さらに、このような構成を用いることによって、装置を始動させる制御機構に係合され
た基部170にチャンバ150が係合されているかどうかを容易に認識することができる
。他の実施形態では、チャンバは、他の手段、例えば、2006年12月21日に出願さ
れた米国特許出願第11/642,963号に記載されているものを含む無線識別(RE
ID)タグまたは他の認識システムを用いて、基部によって認識されるようになっていて
もよい。なお、この文献の内容は、その全体がここに含まれるものとする。
【0079】
いくつかの実施形態では、加圧されたガスが加湿されなくてもよく、この場合、水がチ
ャンバ150内に供給されなくてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、チャンバ150は、チャンバ内の空気またはガスの温度およ
び/または湿度を測定する温度センサおよび/または湿度センサのようなセンサを備えて
いてもよい。加熱要素の加熱およびチャンバ150内の水140の温度の制御を助長する
ために、温度センサが、加熱要素に連結されていてもよい。
【0081】
[テーパ付きチャンバの実施形態]
図6図8は、テーパ付きチャンバ250を有する本技術のある実施形態による装置2
12を示している。前述の実施形態と同様、装置212は、分割モータ構造を有している
。具体的には、この分割モータ構造は、基部270内に複数の巻コイル179付きのステ
ーター178を有すると共に、チャンバ250内にインペラ136および送風機220を
有している。また、チャンバ250は、水140の供給分を保持するように構成されてい
る。理解を容易にするために、同様の番号が、前述の実施形態に関連して記載した構成要
素と同様の構成要素を示すために、用いられている。
【0082】
チャンバ250は、基部270へのチャンバ250の固定を容易にするために円錐形状
を有しているとよい(図6図8参照)。図6図8に示されているように、基部270
は、壁280を備えているとよい。壁280は、チャンバ250が基部270に挿入され
たとき、該チャンバ250を少なくとも部分的に包囲し、かつ支持するものである。壁2
80の開口によって、チャンバ250を取外し可能に摺動挿入することが可能になる。壁
280は、チャンバ250の垂直方向の離脱を防ぐために、チャンバ250の円錐形状に
適合するように内方に傾斜しているとよい。このように、チャンバ250がいったん基部
に挿入されると、傾斜した壁280が円錐状チャンバ250と連携して、チャンバ250
を基部に固定することになる。
【0083】
いくつかの実施形態では、図示されていないが、壁280は、チャンバ250を基部2
70にしっかりと固定するために、チャンバ250の側部の溝または通路内に係合される
リップまたは突起(図示せず)を備えていてもよい。代替的に、チャンバ250が突起ま
たはリップを備え、壁280が該突起またはリップを受け入れるように構成された相補的
な溝または通路を備えていてもよい。突起またはリップは、壁280および/またはチャ
ンバ250を取り囲む複数の突起またはリップ部から構成されていてもよいし、または単
一の連続的な突起またはリップであってもよい。任意選択的に、基部は、チャンバのネジ
山に適合するネジ山を含み、これによって、チャンバを基部に螺合させるようになってい
てもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、図6図8に示されているように、チャンバ250は、互い
に一体化された上部152および底カバー154を備えていてもよく、この場合、これら
は、単一の一体化チャンバ要素253として成形されることになる。例えば、チャンバ要
素253は、上面に開口264を有するカップ状形状に成形されているとよい。従って、
このようなチャンバは、底壁および側壁を備えていることになる。このような構成では、
チャンバ要素253の底に接合部が存在しないので、水140がチャンバ250から漏れ
る危険性が低減されることになる。開口264は、チャンバ要素253の上部において送
風機装置220を受け入れるように構成された窓の形態にあるとよい(図6参照)。この
ような構造では、空気入口156は、送風機220に連結され、開口264の一部内に受
け入れられるようになっているとよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、上側シュラウド、渦形室、および送風機支持体は、単一構成
要素、具体的には、渦形室インサート224として一体化されているとよい(図8参照)
。渦形室インサート224は、チャンバ250内に挿入されることになる。渦形室インサ
ート224は、成形インサートとして構成されているとよい。いくつかの実施形態では、
渦形室インサート224は、インペラ136,236からの振動伝達を容易にし、伝達さ
れる騒音を低減させるために、少なくとも部分的にシリコーンのような柔軟材料から構成
されているとよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、軸受が羽根の中心部および軸受ハウジング292内に支持さ
れているとよい(図7および図8参照)。羽根および軸受支持体292は、軸受190ま
たはインペラ136,236と共に回転しない静止構成要素である。羽根および軸受支持
体292は、流入する空気またはガスをインペラ136,236に導くように構成された
複数の静止羽根を備えている。羽根および軸受ハウジング292は、入口流路238に連
結されていてもよく、この場合、入口流路238に対して振動支持体をもたらし、伝達さ
れる騒音を低減させることになる。
【0087】
いくつかの実施形態では、入口フィルター284が、空気入口156に連結されている
とよい(図6図8)。入口フィルター284は、流入する空気を濾過し、粒子状物質お
よび/またはウイルスおよび/または細菌を除去するように構成されている。入口フィル
ター284は、空気入口156内に受け入れられるフィルターフレーム286によって支
持されているとよい。フィルターフレーム286は、例えば、バヨネット接続、締り嵌め
、スナップ嵌合、圧入、または任意の他の種類の接続を用いて、空気入口156に連結さ
れているとよい。図6図8に示されているように、空気入口156は、渦形室インサー
ト224内に形成されているとよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、チャンバ出口158は、渦形室224に形成されているとよ
く(図6図8参照)、装置212が組み立てられるとき、開口264内に受け入れられ
るようになっているとよい。
【0089】
[成形された送風機仕切りの実施形態]
図9図11は、送風機仕切り388を有する成形チャンバ350を有する本技術のあ
る実施形態による装置312を示している。前述の実施形態と同様、装置312は、分割
モータ構造を備えている。具体的には、この分割モータ構造は、基部370内に複数の巻
コイル179付きステーター178を有すると共に、チャンバ350内にインペラ136
および送風機320を有している。また、チャンバ350は、水140の供給分を保持す
るように構成されている。従って、チャンバは、底壁および側壁を備え、カップ状形状を
形成している。理解を容易にするために、前述の実施形態に関して述べた構成要素と同様
の構成要素を示すために、同様の番号が用いられている。
【0090】
図10に示されているように、チャンバ350は、該チャンバ350の底内に成形され
た送風機仕切り388を備えている。送風機仕切り388は、チャンバ350内に一端が
開いた円筒またはハブを形成しており、この一端が開いた円筒またはハブは、送風機32
0を受け入れ、送風機320の外側ハウジングを形成するように構成されている。円筒と
して示されているが、送風機仕切り388は、送風機320をチャンバ350内に収容す
るように構成された他の構造を有していてもよい。送風機仕切り388は、渦形室154
を形成していてもよく、この場合、送風機支持体が不要になる。
【0091】
前述のテーパ付きチャンバ250と同じように、チャンバ350は、一体化チャンバ要
素353を有しているとよい。チャンバ要素353は、一端が開いた容器(例えば、一端
が開いた円筒体)として形成されているとよい。この構成では、開口264によって、チ
ャンバ要素353の上部が開いており(図9参照)、チャンバ蓋355が、チャンバ要素
353に連結されるようになっている。チャンバ蓋355は、該蓋355がチャンバ要素
353の上に挿入されたとき、送風機320がチャンバ350内に真っ直ぐに配向される
べく、送風機320に密封可能に連結されるようになっているとよい。いくつかの実施形
態では、送風機320のいくつかの構成要素、例えば、入口流路138、渦形室128、
および上側シュラウド126は、送風機仕切り388内に挿入される渦形室インサート3
24として一体化されているとよい。渦形室インサート324は、チャンバ蓋355に一
体化されているとよい(図11参照)。構成要素の点数を少なくすることによって、装置
312の組立および製造が、より容易になる。
【0092】
チャンバ350は、前述の方法と同様の方法によって、基部370に連結されるとよい
。いくつかの他の実施形態(図10および図11参照)では、チャンバ350は、該チャ
ンバ350を基部370に保持するために、基部370のフランジ382を受け入れるよ
うに構成された溝366を備えているとよい。
【0093】
また、渦形室インサート324は、前述の構成と同様の構成を有する挿入フィルター2
84およびフィルターフレーム286を備えていてもよい。
【0094】
[径方向制御配置]
図16および図17の実施形態では、送風機のモータのステーター要素およびローター
要素の分割設計は、前述の実施形態の積層配置ではなく、径方向制御配置をもたらすよう
に構成されている。例えば、図16aおよび図16bに示されているように、インペラ1
636は、カップ状形状、瓶形状、または容器形状を有するチャンバ1650内に配置ま
たは挿入されるようになっているとよい。任意選択的に、軸受(図示せず)が、チャンバ
に対するインペラの回転を促進するために、チャンバの底に接触するようになっていても
よい。チャンバ1650は、(BOTの符号が付された)底および(SWの符号が付され
た)1つまたは複数の側壁を備えている。従って、容器が(インペラと共に)持ち上げら
れ、基部1670およびコイルから取り外されるときに、容器が(インペラと共に)水を
保持することが可能であり、これによって、加湿チャンバの補充を簡素化することができ
る。
【0095】
インペラ1636は、磁石1696を備えているとよい。インペラがチャンバの底内に
挿入されると、コイル1679が磁石の半径方向外方に位置し、これによって、インペラ
の回転運動を半径方向において制御することができ、加圧された空気流がチャンバに生じ
ることになる。この実施形態では、コイルは、基部1670のハウジンング、シェル、ま
たはカバー内に配置されているとよい。チャンバの底BOTは、基部に形成された空洞1
670CAV、例えば、円筒状空洞内に嵌合され、これによって、チャンバの底部が基部
の空洞内に挿入されることになる。従って、インペラの運動を制御するためにコイルから
生じる磁場は、チャンバの構造の壁を横切り、コイルと磁気制御要素とを分離する基部の
ハウジングのカバーまたは壁も横切ることになる。図16aに示されていないが、この実
施形態は、前述したような渦形室インサート224が形成された空気入口と任意の適切な
出口とを備えている。同様に、図16aに示されていないが、いくつかの実施形態では、
追加的なコイルがインペラの下方に設けられてもよく、この場合、基部のコイルおよび磁
気インペラは、組み合わされた径方向制御配置および積層制御配置が得られるように、配
置されることになる。
【0096】
図17aおよび図17bに示されている他の径方向制御の実施形態では、インペラは、
空気を運動させるための垂直方向に延在する羽根1737を備えている。羽根1737は
、インペラのディスク部1736Dから下方に延在しているとよい。2つの羽根が図17
aおよび図17bに示されているが、追加的な羽根が、ディスクの周りに組み入れられて
もよい。これらの羽根は、磁気部または磁石部1796を備えているとよい。インペラは
、基部1770の構造およびチャンバ1750に対する回転を可能にするために、軸受1
790上に配置されるかまたは軸受1790を備えているとよい。基部は、中心に延出(
例えば、隆起)する台座部1770PPを備えているとよい。台座部1770PPは、円
筒形状であるとよい。延出している台座部は、インペラのディスク部および/またはその
軸受の回転に対して中心支持体として機能するようになっているとよい。これに関して、
インペラ1736は、インペラの羽根が円筒状の台座部1770PPの周囲を回転する一
方、ディスクが台座部の上面において旋回するように構成されているとよい。基部に対す
るインペラの回転を制御するために、基部の台座部1770PPは、1つまたは複数のコ
イル1779に対するハウジングとして機能することになる。従って、作動するために組
み合わされたとき、インペラの磁石は、コイルの半径方向外方に位置することになる。図
17aおよび図17bに詳細に示されていないが、この実施形態は、前述したような任意
の渦形室インサート224が形成された空気入口と任意の適切な出口とを備えている。
【0097】
図17aの実施形態では、チャンバ1750は、(例えば、底壁のない)円筒体として
形成されているので、加湿用の流体は、基部1770のハウジングと直接接触することに
なる。これに関連して、チャンバが基部と交わる側壁接触部にシールが施されているとよ
い。基部に対するチャンバ1750のシールによって、チャンバと基部との組合せは、水
容器として機能することができる。しかし、図17bの実施形態では、このようなシール
は、必要ではない。図17bでは、図16aの実施形態と同様、チャンバ1750は、瓶
形状または容器形状に形成されている。従って、チャンバは、加湿用の水を保持すること
を可能にする底BOTを備えている。チャンバは、典型的には、チャンバ内へのインペラ
1736の挿入を可能にするため、(例えば、チャンバの上部の近くに)開口を備えてい
る。従って、チャンバが基部1770内に配置されるとき、インペラは、送風機を作動さ
せるためのコイルに対応することになる。
【0098】
一般的に、前述の呼吸装置の径方向配置の実施形態の特徴は、ステーターおよびロータ
ーの相対的な構造的配置において、呼吸装置の積層配置の実施形態と異なっている。しか
し、これらの実施形態の他の特徴は、置き換え可能である。すなわち、積層配置の実施形
態の特徴のいずれもが、径方向配置の実施形態に組み入れられてもよい。同様に、径方向
配置の実施形態の特徴のいずれもが、積層配置の実施形態に組み入れられてもよい。単な
る例示にすぎないが、径方向配置は、前述したようなテーパ構造、テーパ付きチャンバ、
送風機仕切り、センサ、(例えば、磁性材料から形成された)インペラ材料に関する特徴
を備えていてもよい。
【0099】
[螺旋流路]
いくつかの実施形態では、チャンバは、インペラからチャンバ内に向かう空気流に対し
て、例えば、螺旋状流れ形態にある螺旋流路を有するように構成されている。このような
1つの螺旋流路1851HPの例が、図18a,18bのチャンバ1850に示されてい
る。例えば、加圧された空気流をチャンバ内においてその内周に沿って上向きにチャンバ
の上部の出口158に螺旋状に導くために、内部螺旋壁1851HWが、チャンバの円筒
状側壁の内周に沿って(およびインペラ領域に沿って)螺旋を描くように、配置されてい
るとよい。チャンバの内周に沿ったこの経路は、空気流が加湿チャンバ内を移動する距離
を延ばすように機能する。この移動距離の延長によって、加湿チャンバの水に対する空気
流の表面接触が大きくなり、加圧された空気の加湿をより効率的に行うことができる。図
18aは、加圧された空気流を生成するための送風機仕切り、インペラ、または渦形室要
素を示していないことに留意されたい。しかし、チャンバは、空気流経路がチャンバ内の
送風機要素を螺旋状に囲むために、前記の送風機実施形態および加湿器実施形態のいずれ
を組み入れることもできる。このような態様では、送風機仕切りまたは渦形室は、空気流
を送風機またはインペラからチャンバの底に近接する螺旋経路内に排出するようになって
いるとよい。従って、螺旋状流路は、加圧された空気をチャンバの上部に近接する空気出
口に送達するように構成されているとよい。任意選択的に、いくつかの実施形態では、1
つまたは複数の螺旋壁は、螺旋経路の水および空気を加熱するために、螺旋壁によって形
成された経路に沿って延在する螺旋状の加熱要素を備えていてもよい。
【0100】
螺旋流路を有するこのような装置の実施形態について、図19図21においてさらに
検討する。この実施形態は、図2の実施形態と同様であり、図2を参照して述べた構成要
素と同様の構成要素を用いている。しかし、この実施形態では、送風機からの流れに対し
て螺旋経路を形成するために、螺旋壁を有するように構成された流路インサートが組み入
れられている。図19c、図19b、図21a、図21bおよび図21cに示されている
ように、加湿流れインサート1999が、チャンバ150内に組み込まれているとよい。
螺旋状の加湿流れインサート1999は、螺旋壁1851HWを備えている。螺旋壁18
51HWは、この実施形態では、インペラからの空気流に対する螺旋経路を形成している
。任意選択的に、螺旋壁は、流体または空気を1つの経路から他の経路に垂直方向に移送
することを可能にするために、1つまたは複数の壁開口2101を備えていてもよい。
【0101】
また、図19図21の実施形態は、送風機のインペラから(図では矢印Fが付されて
いる)上昇する空気流を導くために、任意選択的に挿入可能な螺旋状渦形室1997も用
いている。流れインサート1999と同様、螺旋渦形室は、螺旋状渦形室の外側に螺旋形
状の螺旋経路を備えているが、螺旋状渦形室の内側にもこのような螺旋形状を備えていて
もよい。従って、螺旋状渦形室は、(インペラから螺旋状に上昇する)渦形室の内側の上
昇空気流を、渦形室の外側において、(図19bに最もよく示されているように)、螺旋
状加湿インサート1999の底に向かって下向きの螺旋方向に導くように、構成されてい
るとよい。螺旋状渦形室1997の流路の外側の底を出ると、流れは、螺旋状加湿流れイ
ンサート1999に入り、出口158に向かって螺旋状に上昇することになる。
【0102】
[騒音低減要素]
ここで検討されている本技術の実施形態のいずれも、送風機の作動騒音をさらに低減さ
せるために、追加的な任意選択的構成要素を備えているとよい。例えば、前述したように
、フィルターが送風機の入口に組み入れられてもよい。いくつかの態様では、発泡フィル
ターが、インペラまたはその羽根の周りに組み入れられてもよい。例えば、フィルターが
渦形室128内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、インペラの振動を安定さ
せるかまたは最小限に抑え、可能であれば、騒音をさらに低減させるために、バネのよう
な付勢要素が送風機仕切り内に設けられてもよい。例えば、図4の実施形態では、軸受1
90に下向きの弾性力を加えるために、中心バネが入口流路138内に設けられてもよい
。いくつかの実施形態では、コイルがPCBから取り外され、ワイヤリード線によって取
り付けられてもよく、これによって、コイルは、コイル振動を低減するように取り付けら
れることになる。
【0103】
例示的な一実施形態では、入口経路および出口経路を有するチャンバが、使い捨てユニ
ットとして組み入れられてもよい。一例が、図22に示されている。図示されているよう
に、入口156は、送風機仕切りに通じるマフラー領域において、騒音を低減するように
構成された入口マフラー2296または他の構造に繋がっているとよい。チャンバ150
は、本明細書に記載されている他の実施形態の特徴部、例えば、前述した渦形室組立体ま
たは渦形室インサートのいずれかを有する送風機仕切りを備えているとよい。使い捨てチ
ャンバは、さらに磁気インペラのようなインペラ136を備えているとよい。チャンバ1
50は、分離した容器内の出口マフラー2298にも連結されているとよく、この出口マ
フラーは、接続流路CFPによってインペラの流路に接続されている。出口マフラー22
98または騒音を低減するように構成された他の構造が、出口マフラー容器の出口158
に繋がっているとよい。作動に際して、使い捨てユニットは、前述したような基部に配置
されるとよく、必要に応じて、使用される水によって補充されるようになっているとよい
。ユニットの構成要素は、特定の寿命、例えば、インペラまたはチャンバの損耗寿命を有
しており、それらの有効寿命が尽きたときに取り換えられるとよい。このような場合、新
しく取換えられたチャンバユニットは、元の基部と共に用いられることになる。
【0104】
使い捨てユニットとして組み入れられるようになっている図23の実施形態では、他の
実施形態と同様、チャンバの互いに同心の入口流路および出口流路は、入口マフラーを備
えるように構成されているとよい。このような場合、入口マフラーの喉部THTが出口経
路の一部によって包囲されているとよい。この例では、図22のような別の出口マフラー
容器を組み入れる必要がない。何故なら、共通の容器が、例えば、図示されている同心形
態で入口マフラーおよび出口流路を収容しているからである。この実施形態では、コイル
は、基部170内に配置されているが、PCB176自体に一体化されずに、ワイヤリー
ド線WLによってPCB176に連結されている。
【0105】
図23に示されている実施形態では、インペラは、任意選択的に入口マフラーインサー
ト、チャンバ底、または底プレートに一体化された構成要素である軸を中心として回転す
るようになっている。磁石MAGを有するインペラ136(または着磁されたインペラ)
およびインペラシャフトは、1つまたは複数の軸受190−1,190−2、例えば、図
23に示されている2つの接触転動要素の軸を中心として回転するようになっているとよ
い。このような追加的な軸受は、インペラの回転の安定性および/または位置合せを促進
するのに役立ち、これによって、作動中の呼吸装置の騒音を低減させ、および/または寿
命を延ばすことができる。使い捨てチャンバの実施形態では、ローター位置合せに対して
厳密でない公差を有する1つの軸受が組み入れられてもよく、この場合、より短い寿命し
か必要とされないこのような装置に適するコスト低減が可能になる。使い捨てユニットと
して組み入れられるようになっている同様の例が、図24に示されている。しかし、図2
4では、入口マフラーインサート、チャンバ底、または底プレートは、軸受を位置付けす
る静止スリーブを有しており、インペラのシャフトは、このスリーブ内において回転する
ようになっている。
【0106】
図25において、基部は、例えば、コイル振動を低減させることによって、騒音低減を
助長する任意選択的な構成要素を有するものとして示されている。代替的に、振動絶縁シ
ステムによって、可聴周波数範囲内のコイルの振動を増大させ、モータまたは送風機シス
テム内の振動性エネルギーをそれらの質量の運動エネルギーとそれらの懸垂システムの変
形との間の振動の形態でコイルに導くこともできる。任意選択的に、コイルは、高周波数
で振動し、騒音を生じる可能性があるので、このような音を封じ込み、該音が基部の外に
、すなわち、患者に到達可能な流路に伝達するのを防ぐために、基部は、基部内に音響減
衰材料または遮音材を備えていてもよい。いくつかの例では、コイル178、PCB17
6、および制御回路(プロセッサ)は、1つまたは複数の振動吸収体2503を備えてい
るとよい。いくつかの実施形態では、各々が1つまたは複数の別々の振動吸収体を有して
いてもよい。例えば、バネおよび/または減衰機構が、各構成要素の振動を低減させるよ
うに構成されているとよい。いくつかの態様では、コイルは、インペラの磁石よりも軽く
なっているとよく、および/またはより柔らかいバネがコイルに取り付けられているとよ
い。より高い周波数では、磁石とコイルとの間に作用する大きさが等しく方向が反対の力
によって、磁石の変位と比較して、コイルの変位が大きくなり、これによって、磁石の振
動を低減させることができる。生じたコイル振動は、患者に到達可能な任意の流路に生じ
る振動と比較して、遮音材料によって、基部内により容易に封じ込めることができ、この
ような構成によっても、騒音を低減させることができる。実際、前述したようなコイルを
流路から離れるように基部内に隔離することによって、流路内に制御コイルおよび磁石を
含む他の送風機と比較して、騒音低減が可能になる。
【0107】
[損耗センサ]
いくつかの実施形態は、インペラ要素の作動状態を監視する損耗センサを備えていると
よい。例えば、作動中、インペラが所定状態、例えば、所定速度に設定されたときまたは
所定圧力を送達するように設定されたとき、インペラの振動を測定する加速度計が組み入
れられているとよい。呼吸装置の制御装置は、所定状態における振動の検出を周期的に制
御するようになっているとよい。先に特定された標準的な振動値または試験された振動値
からの振動の増加または先の振動値を所定量超えた増加が、インペラ振動の増加を表す指
標および/またはインペラの交換を表す指標と見なされるとよい。このような場合、装置
の制御装置またはそのプロセッサは、現在の振動値を先の標準的な振動値または他の閾値
と比較し、この閾値との比較に基づいて、インペラ構成要素の交換に対する警告メッセー
ジまたは表示光の生成を制御するようになっているとよい。いくつかの実施形態では、マ
イクロフォンが振動/騒音センサとして用いられてもよく、この場合、マイクロフォンか
らの騒音の大きさが振動値と見なされることになる。
【0108】
[多重呼吸装置]
いくつかの実施形態では、例えば、双レベル治療用のより高レベルの圧力支援をもたら
すために、2つ以上の呼吸装置112,212,313が互いに連結されてもよい、双レ
ベル治療では、より高い吸気気道陽圧IPAPが吸気中に送られ、より低い呼気気道陽圧
EPAPが呼気中に送られるようになっている。呼吸装置112,212,313は、両
方の呼吸装置から生じる圧力がIPAP中に患者に送られると共に1つのみの呼吸装置か
らの圧力がEPAP中に患者に送られることを可能にする弁を介して、互いに連結される
とよい。
【0109】
本技術をいくつかの実施例と関連して説明してきたが、本技術は、開示されている実施
例に制限されず、それどころか、本技術の精神および範囲内に含まれる種々の修正および
等価の構成を包含することが意図されていることを理解されたい。また、前述の種々の実
施例は、他の実施例と関連して実施されてもよく、例えば、1つの実施例の1つまたは複
数の態様が他の実施例の態様と組み合わされ、さらに他の実施例をもたらすことも可能で
ある。さらに、任意のアセンブリの各独立した特徴または構成要素が、付加的な実施例を
構成する場合もある。加えて、本技術は、呼吸疾患および/またはOSAを患う患者に対
して特定の用途を有しているが、他の疾病(例えば、糖尿病、病的肥満、脳卒中、胃切除
手術、など)を患う患者も、上記の技術から恩恵を得ることが可能であることを理解され
たい。さらに、上記の技術は、患者および非医学用途におけるような非患者にも利用可能
性を有するものである。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a-13c】
図14a-14c】
図15a-15d】
図16a
図16b
図17a
図17b
図18a
図18b
図19a
図19b
図19c
図20a-20c】
図21a-21c】
図22
図23
図24
図25