【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、ロボットと、該ロボットを制御する制御装置とを備え、前記制御装置が、前記ロボットおよび該ロボットに取り付けられた付属部材を包含し
前記ロボットと共に動作する前記ロボットの立体モデルからなり前記ロボットの速度が高いほど大きくなるロボット包含領域、前記ロボットの周辺に配置される進入禁止領域および該進入禁止領域の前記ロボット側を覆う位置に配置される速度制限領域を生成する領域生成部と、該領域生成部により生成された前記ロボット包含領域が、前記進入禁止領域または前記速度制限領域に進入したか否かを検出する進入検出部と、該進入検出部により前記ロボット包含領域が前記速度制限領域に進入したことが検出された場合に、前記ロボットの動作速度を低下させる速度制限部と、前記進入検出部により前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入したことが検出された場合に、前記ロボットを直ちに停止させる動力遮断部とを備えるロボットシステムを提供する。
【0007】
本態様によれば、制御装置に備えられた領域生成部により、ロボットおよび付属部材を包含するロボット包含領域と、ロボットの周辺に配置される進入禁止領域と、該進入禁止領域のロボット側を覆う速度制限領域が生成される。そして、制御装置によるロボットの動作中に、進入検出部によりロボット包含領域が進入禁止領域または速度制限領域に進入したか否かが監視される。
【0008】
進入検出部によりロボット包含領域が進入禁止領域に進入したことが検出された場合には動力遮断部の作動によりロボットが直ちに停止させられる。ロボットの動作速度が高いほど、ロボット包含領域が大きく生成されるので、早い段階で進入禁止領域への進入を検出することができる。また、進入検出部によりロボット包含領域が速度制限領域に進入したことが検出された場合には速度制限部によってロボットの動作速度が低下させられる。これにより、領域生成部により生成されるロボット包含領域が縮小されるので、進入禁止領域への進入が回避される。そして、これにより、プログラムを複雑にすることなく、ロボットの動作範囲を広く確保しながら、ロボットを停止させる頻度を低減して効率よく動作させることができる。
【0009】
上記態様においては、前記領域生成部が、ロボット停止指令が入力された場合の推定停止位置を前記ロボットの位置および速度に基づいて推定する停止位置推定部と、該停止位置推定部により推定された前記推定停止位置を含むように前記ロボット包含領域の大きさを調整する包含領域調整部とを備えていてもよい。
このようにすることで、ロボットの速度が高くなると現在位置から推定停止位置までの距離が長くなるので、包含領域調整部により推定停止位置を含むように調整されるロボット包含領域の大きさを、ロボットの速度が高くなるほど拡大することができ、ロボット停止指令に基づくロボットの停止位置が進入禁止領域に進入しないようにすることができる。
【0010】
また、本発明の他の態様は、ロボットと、該ロボットを制御する制御装置とを備え、前記制御装置が、
前記ロボットの現在位置および現在速度に基づいて、所定時間後の推定未来速度および推定未来位置を推定する未来位置速度推定部と、前記ロボットおよび該ロボットに取り付けられた付属部材を包含
し前記ロボットと共に動作する前記ロボットの立体モデルからなる
前記現在位置および前記推定未来位置の各々におけるロボット包含領域
と、前記ロボットの周辺に配置される進入禁止領域
とを生成する領域生成部と
、前記領域生成部により生成された
前記現在位置および前記推定未来位置の各々における前記ロボット包含領域が、前記進入禁止領域に進入したか否かを検出する進入検出部と、該進入検出部により
前記現在位置における前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入したことが検出された場合に、前記ロボットを直ちに停止させる動力遮断部と、前記進入検出部により前記推定未来位置における前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入することが検出された場合に前記ロボットの動作速度を低下させる速度制限部とを備え、前記領域生成部が、ロボット停止指令が入力された場合の
現在および前記所定時間後の各々における推定停止位置を前記ロボットの
現在位置および
現在速度に基づいて
、または前記推定未来位置および前記推定未来速度に基づいて、推定する停止位置推定部と、該停止位置推定部により推定された前記推定停止位置を含むように
、前記現在位置および前記推定未来位置の各々における前記ロボット包含領域の大きさを調整する包含領域調整部とを備えるロボットシステムを提供する。
【0011】
本態様によれば、制御装置に備えられた領域生成部により、ロボットおよび付属部材を包含するロボット包含領域と、ロボットの周辺に配置される進入禁止領域とが生成される。そして、制御装置によるロボットの動作中に、進入検出部によりロボット包含領域が進入禁止領域に進入したか否かが監視される。
【0012】
進入検出部により現在位置のロボット包含領域が進入禁止領域に進入したことが検出された場合には動力遮断部の作動によりロボットが直ちに停止させられる。ロボットの速度が高くなると現在位置から推定停止位置までの距離が長くなるので、包含領域調整部により推定停止位置を含むように調整されるロボット包含領域の大きさを、ロボットの速度が高くなるほど拡大することができ、ロボット停止指令に基づくロボットの停止位置が進入禁止領域に進入しないようにすることができる。
【0013】
また、未来位置速度推定部により推定された推定未来速度および推定未来位置に基づいて、停止位置推定部により推定された推定未来位置における推定停止位置を含むロボット包含領域が進入禁止領域に進入したことが進入検出部により検出された場合には、速度制限部によってロボットの動作速度が低下させられる。これにより、ロボット包含領域が縮小されるので、進入禁止領域への進入の確率を低減することができ、プログラムを複雑にすることなく、ロボットの動作範囲を広く確保しながら、ロボットを停止させる頻度を低減して効率よく動作させることができる。
【0014】
上記態様においては、前記制御装置が動作プログラムに従って前記ロボットを動作させ、前記未来位置速度推定部が、前記動作プログラムから前記推定未来速度および前記推定未来位置を算出してもよい。
このようにすることで、ロボットの推定速度および推定位置を動作プログラムから精度よく推定することができる。
【0015】
また、上記態様においては、前記速度制限部が、所定の割合で前記ロボットの動作速度を低下させてもよい。
このようにすることで、簡易に動作速度を低下させて、プログラムを複雑にすることなく、ロボットの動作範囲を広く確保しながら、ロボットを停止させる頻度を低減して効率よく動作させることができる。
【0016】
また、上記態様においては、前記速度制限部は、前記進入検出部により、前記推定未来位置に基づいて前記停止位置推定部により推定された前記推定停止位置を含む前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入したことが検出された場合に、前記推定未来位置における前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入しない上限速度以下の速度に前記ロボットの動作速度を低下させてもよい。
【0017】
このようにすることで、速度制限部による減速後のロボットの動作速度を上限速度に近接させることにより、ロボットの動作速度を必要以上に低下させずに、プログラムを複雑にすることなく、ロボットの動作範囲を最大限に広く確保しながら、ロボットを停止させる頻度を低減して効率よく動作させることができる。
【0018】
また、本発明の他の態様は、ロボットおよび該ロボットに取り付けられた付属部材を包含し
前記ロボットと共に動作する前記ロボットの立体モデルからなり前記ロボットの速度が高いほど大きくなるロボット包含領域、前記ロボットの周辺に配置される進入禁止領域および該進入禁止領域の前記ロボット側を覆う位置に配置される速度制限領域を生成する領域生成ステップと、該領域生成ステップにより生成された前記ロボット包含領域が、前記進入禁止領域または前記速度制限領域に進入したか否かを検出する進入検出ステップと、該進入検出ステップにより前記ロボット包含領域が前記速度制限領域に進入したことが検出された場合に、前記ロボットの動作速度を低下させる速度制限ステップと、前記進入検出ステップにより前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入したことが検出された場合に、前記ロボットを直ちに停止させる動力遮断ステップとを含むロボット制御方法を提供する。
【0019】
また、本発明の他の態様は、
ロボットの現在位置および現在速度に基づいて、所定時間後の推定未来速度および推定未来位置を推定する未来位置速度推定ステップと、前記ロボットおよび該ロボットに取り付けられた付属部材を包含
し前記ロボットと共に動作する前記ロボットの立体モデルからなる
前記現在位置および前記推定未来位置の各々におけるロボット包含領域
と、前記ロボットの周辺に配置される進入禁止領域
とを生成する領域生成ステップと
、前記領域生成ステップにより生成された
前記現在位置および前記推定未来位置の各々における前記ロボット包含領域が、前記進入禁止領域に進入したか否かを検出する進入検出ステップと、該進入検出ステップにより
前記現在位置における前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入したことが検出された場合に、前記ロボットを直ちに停止させる動力遮断ステップと、前記進入検出ステップにより前記推定未来位置における前記ロボット包含領域が前記進入禁止領域に進入することが検出された場合に前記ロボットの動作速度を低下させる速度制限ステップとを含み、前記領域生成ステップが、ロボット停止指令が入力された場合の
現在および前記所定時間後の各々における推定停止位置を前記ロボットの
現在位置および
現在速度に基づいて
、または前記推定未来位置および前記推定未来速度に基づいて、推定する停止位置推定ステップと、該停止位置推定ステップにより推定された前記推定停止位置を含むように
、前記現在位置および前記推定未来位置の各々における前記ロボット包含領域の大きさを調整する包含領域調整ステップとを含むロボット制御方法を提供する。