(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るモータ駆動装置および測定方法について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0011】
[実施の形態]
<モータ駆動装置10の全体構成>
図1は、実施の形態におけるモータ駆動装置10の構成を示す図である。モータ駆動装置10は、複数のモータMを駆動させる。モータ駆動装置10は、第1スイッチSW1、コンバータ部14、複数のインバータ部16、第2スイッチSW2、第1検出部18、第2検出部20、および、制御部22を備える。
【0012】
第1スイッチSW1は、交流電源12からの交流電圧の供給をオン/オフするためのスイッチである。
【0013】
コンバータ部14は、第1スイッチSW1を介して交流電源12から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。コンバータ部14は、第1スイッチSW1を介して供給される交流電源12の交流電圧を直流電圧に整流する整流回路Reと、整流回路Reで整流された直流電圧を平滑化するコンデンサCaとを有する。
【0014】
複数のインバータ部16は、コンバータ部14で変換された直流電圧(具体的には、コンデンサCaの電圧)Vcを交流電圧に変換して、複数のモータMを駆動させる。
【0015】
本実施の形態では、説明を簡単にするため、モータMの数を3つにし、モータ駆動装置10は、3つのモータMを駆動させる3つのインバータ部16を備えるものとする。3つのインバータ部16を互いに区別するため、3つのインバータ部16の各々を16a、16b、16cと呼ぶ場合がある。また、インバータ部16aで駆動されるモータMをM1、インバータ部16bで駆動されるモータMをM2、インバータ部16cで駆動されるモータMをM3と呼ぶ場合がある。
【0016】
なお、3つのモータM(M1〜M3)の各々の3相(UVW)のモータコイルCu、Cv、Cwと大地との間の抵抗を絶縁抵抗(寄生抵抗)Rmと呼ぶ。この3つの絶縁抵抗Rmを互いに区別するため、モータM1のモータコイルCu、Cv、Cwと大地との間の絶縁抵抗RmをRm1、モータM2のモータコイルCu、Cv、Cwと大地との間の絶縁抵抗RmをRm2、モータM3のモータコイルCu、Cv、Cwと大地との間の絶縁抵抗RmをRm3と呼ぶ場合がある。
【0017】
3つのインバータ部16(16a、16b、16c)は、同一の構成を有するので、インバータ部16aの構成についてのみ説明する。インバータ部16aは、複数の半導体スイッチング素子Sを有する。本実施の形態では、3相(UVW)のモータコイルCu、Cv、Cwを有するモータMを用いるので、複数の半導体スイッチング素子Sは、U相に応じた上アームの半導体スイッチング素子Suuおよび下アームの半導体スイッチング素子Sudと、V相に応じた上アームの半導体スイッチング素子Svuおよび下アームの半導体スイッチング素子Svdと、W相に応じた上アームの半導体スイッチング素子Swuおよび下アームの半導体スイッチング素子Swdとを有する。
【0018】
3相の上アームの半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuは、コンデンサCaの正極側の端子とモータM1の3相(U、V、W)のモータコイルCu、Cv、Cwとを接続する。3相の下アームの半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdは、コンデンサCaの負極型端子とモータM1の3相のモータコイルCu、Cv、Cwとを接続する。
【0019】
相毎に、上アームの半導体スイッチング素子Sと下アームの半導体スイッチング素子Sとは直列に接続されており、直列に接続された上アームの半導体スイッチング素子Sおよび下アームの半導体スイッチング素子Sは、コンデンサCaと並列に接続されている。具体的には、直列に接続されたU相の半導体スイッチング素子Suu、Sudは、コンデンサCaと並列に接続されている。同様に、直列に接続されたV相の半導体スイッチング素子Svu、Svdは、コンデンサCaと並列に接続され、直列に接続されたW相の半導体スイッチング素子Swu、Swdは、コンデンサCaと並列に接続されている。
【0020】
モータM1のU相のモータコイルCuは、上アームの半導体スイッチング素子Suuのエミッタおよび下アームの半導体スイッチング素子Sudのコレクタに接続されている。モータM1のV相のモータコイルCvは、上アームの半導体スイッチング素子Svuのエミッタおよび下アームの半導体スイッチング素子Svdのコレクタに接続されている。モータM1のW相のモータコイルCwは、上アームの半導体スイッチング素子Swuのエミッタおよび下アームの半導体スイッチング素子Swdのコレクタに接続されている。
【0021】
インバータ部16aは、3相の上アームの半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuおよび3相の下アームの半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdのスイッチング動作(オン/オフ動作)により、コンデンサCaの電圧(以下、コンデンサ電圧と呼ぶ。)Vcを交流電圧に変換してモータM1を駆動させる。
【0022】
第2スイッチSW2は、絶縁抵抗Rm(Rm1、Rm2、Rm3)を測定するために、コンデンサCaの一方の端子(本実施の形態では、コンデンサCaの負極側の端子)を大地に接続するためのスイッチである。
【0023】
第1検出部18は、第2スイッチSW2のオン時に、コンデンサCaの一方の端子と大地との間の電圧(以下、対地間電圧と呼ぶ。)Vmを検出するセンサである。コンデンサCaの一方の端子(負極側の端子)と大地との間で、第2スイッチSW2と直列に検出抵抗r1が接続されている。第1検出部18は、検出抵抗r1の電圧Vmを測定することで、対地間電圧Vmを検出する。なお、検出抵抗r1の抵抗値は既知なので、第1検出部18は、検出した対地間電圧Vmから、コンデンサCaの一方の端子と大地との間を流れる電流(以下、対地間電流と呼ぶ。)Imを検出してもよい。
【0024】
第2検出部20は、コンデンサCaの両端子間のコンデンサ電圧Vcを検出するセンサである。コンデンサCaと並列に検出抵抗r2が接続されている。第2検出部20は、検出抵抗r2の電圧を測定することで、コンデンサ電圧Vcを検出する。
【0025】
制御部22は、モータ駆動装置10の各部(第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、複数の半導体スイッチング素子S等)を制御してモータM(M1〜M3)等を駆動させるとともに、モータMの絶縁抵抗Rmの測定を行う。この制御部22は、CPU等のプロセッサおよびメモリ等によって構成される。
【0026】
制御部22は、3つのモータM(M1〜M3)のうち、いずれか1つのモータMを測定対象として選択し、選択した測定対象となる1つのモータMの絶縁抵抗Rmを測定する。したがって、測定対象として選択されるモータMを切り換えることで、全てのモータM(M1〜M3)の絶縁抵抗Rm(Rm1〜Rm3)を測定することができる。
【0027】
制御部22は、測定対象選択部30、スイッチ制御部32、収束判断部34、および、絶縁抵抗算出部36を有する。
【0028】
測定対象選択部30は、測定対象となるモータMを選択する。この測定対象となるモータMの選択は、ランダムであってもよいし、予め決められた順番に基づいてもよい。測定対象選択部30は、選択した測定対象となるモータMを示す情報を、スイッチ制御部32に出力する。
【0029】
スイッチ制御部32は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、および、複数の半導体スイッチング素子Sの各々のオン/オフを制御する。スイッチ制御部32は、絶縁抵抗Rmを測定する際には、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、および、複数の半導体スイッチング素子Sの各々を制御して、測定対象として選択されたモータMの絶縁抵抗Rmを測定できる測定状態にする。
【0030】
まず、スイッチ制御部32は、全ての(3つの)インバータ部16(16a〜16c)の各々の複数の半導体スイッチング素子S(Suu、Svu、Swu、Sud、Svd、Swd)を全てオフ状態にすることで、全てのモータM(M1〜M3)の運転を停止させる。
【0031】
そして、スイッチ制御部32は、第1スイッチSW1をオフ状態にし、第2スイッチSW2をオン状態にする。これにより、交流電源12からの交流電圧がモータ駆動装置10に供給されない状態になるとともに、コンデンサCaの一方の端子(本実施の形態では、コンデンサCaの負極側の端子)が大地と接続された状態になる。これにより、モータ駆動装置10は、測定準備状態になる。
【0032】
図2は、モータ駆動装置10が測定準備状態になったとき(つまり、全てのインバータ部16の複数の半導体スイッチング素子Sが全てオフ状態、第1スイッチSW1がオフ状態、第2スイッチSW2がオン状態のとき)における、モータM(M1〜M3)の絶縁抵抗Rm(Rm1〜Rm3)の接続を等価回路で表した等価回路図である。
【0033】
ここで、
図2に示すRU−IGBT1は、インバータ部16aのオフ状態時の上アームの3つの半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuの等価絶縁抵抗を示している。RU−IGBT2は、インバータ部16bのオフ状態時の上アームの3つの半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuの等価絶縁抵抗を示している。RU−IGBT3は、インバータ部16cのオフ状態時の上アームの3つの半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuの等価絶縁抵抗を示している。なお、等価絶縁抵抗RU−IGBT1、RU−IGBT2、RU−IGBT3は、インバータ部16a、16b、16cの上アームの3つの半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuのコレクタとエミッタとの間に印加されている電圧を、オフ状態でコレクタからエミッタに流れる漏れ電流で除算したものである。
【0034】
また、
図2に示すRD−IGBT1は、インバータ部16aのオフ状態時の下アームの3つの半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdの等価絶縁抵抗を示している。RD−IGBT2は、インバータ部16bのオフ状態時の下アームの3つの半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdの等価絶縁抵抗を示している。RD−IGBT3は、インバータ部16cのオフ状態時の下アームの3つの半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdの等価絶縁抵抗を示している。なお、等価絶縁抵抗RD−IGBT1、RD−IGBT2、RD−IGBT3は、インバータ部16a、16b、16cの下アームの3つの半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdのコレクタとエミッタとの間に印加されている電圧を、オフ状態でコレクタからエミッタに流れる漏れ電流で除算したものである。
【0035】
スイッチ制御部32は、モータ駆動装置10を測定準備状態にすると、測定対象選択部30が選択した測定対象となるモータMを示す情報に基づいて、少なくとも測定対象のモータMを駆動するインバータ部16の半導体スイッチング素子Sを制御する。この制御については、後で具体的に説明するが、簡単に説明すると、スイッチ制御部32は、3つのモータMの絶縁抵抗Rmのうち測定対象のモータMの絶縁抵抗Rmのみに、コンデンサ電圧Vcが印加されるように(コンデンサCaからの電流が流れるように)、少なくとも測定対象のモータMを駆動するインバータ部16の半導体スイッチング素子Sを制御する。
【0036】
これにより、モータ駆動装置10は、測定対象となるモータMの絶縁抵抗Rmを測定することができる測定状態となる。このときの、対地間電圧Vmが第1検出部18によって検出される。なお、第1検出部18は、対地間電流Imを検出してもよい。この対地間電流Imは、測定状態のときに、測定対象となるモータMの絶縁抵抗Rmを流れる電流である。
【0037】
収束判断部34は、測定状態で、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmまたは対地間電流Imに基づいて、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したか否かを判断する。この収束判断部34については後で詳しく説明する。
【0038】
絶縁抵抗算出部36は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmまたは対地間電流Imと、第2検出部20が検出したコンデンサ電圧Vcと、検出抵抗r1とに基づいて、絶縁抵抗Rmを算出する。絶縁抵抗算出部36は、収束判断部34によって対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したと判断された後に絶縁抵抗Rmを算出する。
【0039】
<スイッチ制御部32の具体的な制御について>
次に、スイッチ制御部32の制御について詳しく説明する。
【0040】
スイッチ制御部32は、モータ駆動装置10を測定準備状態にすると、測定対象選択部30が選択した測定対象となるモータMに接続されているインバータ部16に関しては、複数の半導体スイッチング素子Sのうち、コンデンサCaの他方の端子(第2スイッチSW2を介して大地に接続されているコンデンサCaの一方の端子と反対側の端子)に接続されている少なくとも1つの半導体スイッチング素子Sをオン状態にする。これにより、測定対象となるモータMのモータコイルCu、Cv、Cwは、コンデンサCaの他方の端子と同電位になる。
【0041】
本実施の形態では、コンデンサCaの一方の端子を負極側の端子とするので、スイッチ制御部32は、測定対象となるモータMに接続されたインバータ部16の上アームの複数の半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuのうち少なくとも1つをオン状態にさせればよい。したがって、測定対象となるモータMのモータコイルCu、Cv、Cwは、コンデンサCaの正極側の端子と同電位になる。このとき、上アームの複数の半導体スイッチング素子Suu、Svu、Swuのうち、オン状態にさせる半導体スイッチング素子Sは、U相、V相、W相のうちどの相の半導体スイッチング素子Sであってもよい。
【0042】
図3に示す例では、測定対象であるモータMがモータM1のときに、インバータ部16aのU相の上アームの半導体スイッチング素子Suuをオン状態にさせた状態を示している。このようにすることで、測定対象となるモータM1と接続されたインバータ部16aに関しては、コンデンサCa、オン状態にされた上アームの半導体スイッチング素子S(
図3に示す例では、半導体スイッチング素子Suu)、測定対象であるモータMのモータコイルCu、Cv、Cwと大地との間の絶縁抵抗Rm1、および、検出抵抗r1を経由する閉回路が形成される。
【0043】
また、スイッチ制御部32は、測定対象選択部30が選択した測定対象となるモータM以外のモータMに接続されているインバータ部16に関しては、複数の半導体スイッチング素子Sのうち、コンデンサCaの一方の端子(第2スイッチSW2を介して大地に接続されているコンデンサCaの一方の端子)に接続されている少なくとも1つの半導体スイッチング素子Sをオン状態にする。これにより、測定対象以外のモータMのモータコイルCu、Cv、Cwは、全てコンデンサCaの一方の端子と同電位になる。
【0044】
本実施の形態では、コンデンサCaの一方の端子を負極側の端子とするので、スイッチ制御部32は、測定対象以外のモータMに接続されたインバータ部16の下アームの複数の半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdのうち少なくとも1つをオン状態にさせればよい。したがって、測定対象以外のモータMのモータコイルCu、Cv、Cwは、コンデンサCaの負極側の端子と同電位になる。このとき、下アームの複数の半導体スイッチング素子Sud、Svd、Swdのうち、オン状態にさせる半導体スイッチング素子Sは、U相、V相、W相のうちどの相の半導体スイッチング素子Sであってもよい。
【0045】
図3に示す例では、インバータ部16bのV相の下アームの半導体スイッチング素子Svdをオン状態に、インバータ部16cのW相の下アームの半導体スイッチング素子Swdをオン状態させた状態を示している。このようにすることで、測定対象以外のモータM2、M3を経由して検出抵抗r1に流れる不要な電流を無くすことができる。
【0046】
図4は、
図2に示す等価回路図において、測定対象であるモータM1を駆動するインバータ部16aの上アームの半導体スイッチング素子Sをオン、測定対象以外のモータM2、M3を駆動するインバータ部16b、16cの下アームの半導体スイッチング素子Sをオンにさせたときの状態を示す等価回路図である。
【0047】
図4は、
図2のインバータ部16aの上アームの等価絶縁抵抗RU−IGBT1、インバータ部16bの下アームの等価絶縁抵抗RD−IGBT2、および、インバータ部16cの下アームの等価絶縁抵抗RD−IGBT3がショートした等価回路図となっている。
図4から明らかなように、インバータ部16aの下アームの等価絶縁抵抗RD−IGBT1、インバータ部16bの上アームの等価絶縁抵抗RU−IGBT2、および、インバータ部16cの上アームの等価絶縁抵抗RU−IGBT3は、いずれもコンデンサCaの正極側の端子と負極側の端子とに接続された状態となっている。したがって、これらの等価絶縁抵抗RD−IGBT1、RU−IGBT2、RU−IGBT3を経由して流れる漏れ電流は、コンデンサCaの正極側の端子から負極側の端子へ流れるだけであって、検出抵抗r1には流れない。そのため、測定対象であるモータM1の絶縁抵抗Rm1の測定には、一切影響がないことがわかる。つまり、絶縁抵抗Rm1の測定には、これらの等価絶縁抵抗RD−IGBT1、RU−IGBT2、RU−IGBT3は無いものと見做すことができる。
【0048】
また、測定対象以外のモータM2、M3の絶縁抵抗Rm2、Rm3は、第1検出部18と並列に接続された状態となる。しかしながら、検出抵抗r1の抵抗値が絶縁抵抗Rm2、Rm3に比べて十分に小さい値であれば、電圧検出、電流検出に与える影響を無視することができる。そのため、絶縁抵抗Rm1の測定には、測定対象以外のモータM2、M3の絶縁抵抗Rm2、Rm3は無いものと見做すことができる。なお、全ての下アームの半導体スイッチング素子Sをオフして測定を行い、全てのモータM(M1〜M3)の絶縁抵抗Rm(Rm1〜Rm3)が並列になった場合の抵抗値を用いてRm2、Rm3の影響を補正してもよい。
【0049】
したがって、絶縁抵抗算出部36による測定対象となるモータMの絶縁抵抗Rmの算出精度が向上する。
【0050】
<収束判断部34の具体的な判断処理について>
次に、収束判断部34について詳しく説明する。収束判断部34は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmまたは対地間電流Imの波形の変化量を算出し、変化量が閾値TH以下となったときに、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したと判断する。
【0051】
収束の判断に、対地間電圧Vmを用いる場合も、対地間電流Imを用いる場合も考え方は同様なので、対地間電圧Vmを用いて収束の判断を行う場合を例に挙げて、以下、説明する。
【0052】
図5は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmと時間との関係の一例を示す波形図である。測定対象のモータMの絶縁抵抗Rmを測定できる測定状態になると、対地間電圧Vmは、コンデンサCaの電圧が検出抵抗r1に印加されてから、時間の経過とともに減少していき、最後は、ある値にほぼ収束する。
【0053】
具体的には、収束判断部34は、以下に示すような複数の手法のうち、いずれか1つを用いて、対地間電圧Vmが収束したか否かを判断する。
【0054】
<第1の手法>
第1の手法においては、収束判断部34は、所定時間Δtの間に対地間電圧Vmが変化した量(電圧変化量)の絶対値ΔCを、対地間電圧Vmの波形の変化量として用いる。この場合は、収束判断部34は、所定時間Δt間隔で、第1検出部18によって検出された対地間電圧Vmから変化量ΔCを算出し、変化量ΔCが閾値TH以下になったか否かを判断する。
【0055】
図5に示す例では、タイミングt
1〜t
2、タイミングt
2〜t
3、タイミングt
3〜t
4の時間間隔を所定時間Δtとする。タイミングt
1〜t
2における変化量ΔCをΔC
1とする。また、タイミングt
2〜t
3における変化量ΔCをΔC
2とし、タイミングt
3〜t
4における変化量ΔCをΔC
3とする。
図5に示す例では、タイミングt
3〜t
4の間で対地間電圧Vmが変化した変化量ΔC
3が閾値TH以下になるので、収束判断部34は、タイミングt
4の時点で対地間電圧Vmが収束したと判断することができる。
【0056】
なお、
図5に示す例では、所定時間Δtを一定時間としたが、時間の経過とともに所定時間Δtの値を長くしてもよい。その理由としては、時間の経過とともに、対地間電圧Vmの波形の変化量ΔCは小さくなるので、所定時間Δtを一定時間とすると、SN比が高くなり、判断精度が低下してしまう可能性があるからである。また、所定時間Δtの長さに応じて閾値THを高くしてもよい。
【0057】
<第2の手法>
第2の手法においては、収束判断部34は、所定時間Δtの間に対地間電圧Vmが変化した量の絶対値をΔCとしたとき、ΔC/Δt、を対地間電圧Vmの波形の変化量として用いる。この場合は、収束判断部34は、所定時間Δt間隔で、第1検出部18によって検出された対地間電圧Vmから変化量ΔC/Δtを算出し、変化量ΔC/Δtが閾値TH以下であるか否かを判断する。第2の手法も同様に、タイミングt
3〜t
4の間で対地間電圧Vmが変化した変化量ΔC/Δtが閾値TH以下になるものとすると、収束判断部34は、タイミングt
4の時点で対地間電圧Vmが収束したと判断する。
【0058】
なお、第1の手法のときと同様に、時間の経過とともに所定時間Δtの値を長くしてもよい。
【0059】
<第3の手法>
第3の手法においては、収束判断部34は、対地間電圧Vmの波形の微分値(波形の接線の傾き)Dvを求め、微分値Dvの絶対値(傾きの絶対値)ΔCを変化量として用いる。この場合は、収束判断部34は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmから微分値Dvを求め、微分値Dvの絶対値ΔCが閾値TH以下になったか否かを判断する。
【0060】
図6は、対地間電圧Vmの各検出タイミングt
1〜t
4における微分値(傾き)Dv
1〜Dv
4を示す図である。検出タイミングt
1における微分値(傾き)DvをDv
1、検出タイミングt
2における微分値DvをDv
2、検出タイミングt
3における微分値DvをDv
3、検出タイミングt
4における微分値DvをDv
4とする。
図6に示すように、時間の経過とともに(つまり、収束するにつれて)、微分値(傾き)Dvの大きさ(絶対値ΔC)は、徐々に小さくなる。
図6に示す例では、検出タイミングt
4において微分値Dv
4の絶対値ΔCが閾値TH以下となるので、収束判断部34は、検出タイミングt
4の時点で対地間電圧Vmが収束したと判断することができる。
【0061】
<第4の手法>
第4の手法においては、収束判断部34は、所定時間T経過しても対地間電圧Vmが基準変化量ΔCsだけ変化しなかった場合は、対地間電圧Vmの波形の変化量が閾値TH以下となったと見做し、対地間電圧Vmが収束したと判断する。
図5に示すように時間の経過とともに対地間電圧Vmが徐々に減少していくので、
図7に示すように、対地間電圧Vmが基準変化量ΔCsだけ変化するのにかかる時間は、時間の経過とともに長くなる。
【0062】
図7に示す例では、タイミングt
1〜t
2、タイミングt
2〜t
3、タイミングt
3〜t
4は、対地間電圧Vmが基準変化量ΔCsだけ変化したときの時間を示す。例えば、タイミングt
2は、タイミングt
1のときの対地間電圧Vmから基準変化量ΔCsだけ対地間電圧Vmが変化したタイミングであり、タイミングt
3は、タイミングt
2のときの対地間電圧Vmから基準変化量ΔCsだけ対地間電圧Vmが変化したタイミングである。
図7に示す例では、タイミングt
4のときの対地間電圧Vmから所定時間T経過しても対地間電圧Vmが基準変化量ΔCs以上変化していないので、収束判断部34は、タイミングt
4から所定時間T経過後のタイミングt
5の時点で、対地間電圧Vmが収束したと判断する。
【0063】
このように、本実施の形態では、対地間電圧Vmが収束したか否かを判断し、対地間電圧Vmが収束したと判断すると、絶縁抵抗Rmを測定するので、測定状態になってから絶縁抵抗Rmを測定するまでの待ち時間を短縮することができる。したがって、モータMの絶縁抵抗Rmの測定にかかる時間を短縮することができる。
【0064】
なお、対地間電流Imは、対地間電圧Vmを検出抵抗r1で除算したものであり、検出抵抗r1は、予め決められた既知の一定の抵抗値である。したがって、上述した対地間電圧Vmを、検出抵抗r1×対地間電流Im、に置き換えれば、対地間電流Imを用いた収束の判断を行うことができる。
【0065】
<モータ駆動装置10の動作>
次に、モータ駆動装置10による絶縁抵抗Rmの測定動作を
図8に示すフローチャートにしたがって説明する。ステップS1で、スイッチ制御部32は、全てのインバータ部16(16a、16b、16c)の複数の半導体スイッチング素子S(Suu、Svu、Swu、Sud、Svd、Swd)を全てオフ状態にする。これにより、全てのモータM(M1〜M3)の運転が停止する。
【0066】
次いで、ステップS2で、スイッチ制御部32は、第1スイッチSW1をオフにする。これにより、交流電源12からモータ駆動装置10への交流電圧の供給が遮断される。
【0067】
次いで、ステップS3で、スイッチ制御部32は、第2スイッチSW2をオンにする。これにより、コンデンサCaの負極側の端子(一方の端子)が大地と接続された状態になる。これにより、モータ駆動装置10は、測定準備状態になり、このときの等価回路は、
図2に示した状態になる。
【0068】
次いで、ステップS4で、測定対象選択部30は、複数のモータM(M1〜M3)のうち、いずれか1つのモータMを測定対象として選択する。このとき、測定対象選択部30は、測定対象として未だ選択されていないモータMを測定対象として選択する。
【0069】
次いで、ステップS5で、スイッチ制御部32は、複数のインバータ部16(16a、16b、16c)の半導体スイッチング素子Sを制御することで、ステップS4で選択された測定対象のモータMの絶縁抵抗Rmを測定できる測定状態にする。
【0070】
具体的には、スイッチ制御部32は、測定対象のモータMに接続されたインバータ部16に関しては、コンデンサCaの正極側の端子(他方の端子)と接続された上アームの半導体スイッチング素子Sをオンにする。また、スイッチ制御部32は、測定対象以外のモータMに接続されたインバータ部16に関しては、コンデンサCaの負極側の端子(一方の端子)と接続された下アームの半導体スイッチング素子Sをオンにする。これにより、例えば、測定対象のモータMがモータM1の場合は、
図2に示す等価回路は、
図4に示すような状態となる。したがって、コンデンサCaからの電流は、測定対象のモータM1の絶縁抵抗Rm1および検出抵抗r1を流れてコンデンサCaに戻る。
【0071】
次いで、ステップS6で、収束判断部34は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したか否かを判断する。具体的には、収束判断部34は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmまたは対地間電流Imの波形の変化量が閾値TH以下になると、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したと判断する。収束判断部34は、第1の手法〜第4の手法のうちいずれか1つの手法を用いて、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したか否かを判断する。
【0072】
ステップS6で、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束していないと判断されると、収束したと判断されるまでステップS6に留まり、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imが収束したと判断されると、ステップS7に進む。
【0073】
ステップS7に進むと、絶縁抵抗算出部36は、第1検出部18が検出した対地間電圧Vmまたは対地間電流Imと、第2検出部20が検出したコンデンサ電圧Vcとに基づいて、測定対象のモータM1の絶縁抵抗Rmを算出する。絶縁抵抗算出部36は、収束したと判断されたときの、または、収束したと判断された後の、対地間電圧Vmまたは対地間電流Imとコンデンサ電圧Vcとに基づいて、絶縁抵抗Rmを算出する。
【0074】
次いで、ステップS8で、測定対象選択部30は、全てのモータMを測定対象として選択したか否かを判断する。つまり、測定対象選択部30は、測定対象として選択していないモータMがあるか否かを判断する。ステップS8で、全てのモータMを測定対象として選択していない、つまり、測定対象として選択していないモータMがあると判断された場合は、ステップS4に戻る。
【0075】
ステップS8で、全てのモータMを測定対象として選択したと判断されると、ステップS9に進み、スイッチ制御部32は、第2スイッチSW2をオフにするとともに、全てのインバータ部16(16a〜16c)の複数の半導体スイッチング素子Sを全てオフ状態にする。これにより、測定動作が終了する。
【0076】
[変形例]
上記実施の形態では、コンデンサCaの一方の端子を負極側の端子として説明したが、コンデンサCaの一方の端子を正極側の端子としてもよい。この場合は、コンデンサCaの正極側の端子は、第2スイッチSW2を介して大地に接続され、検出抵抗r1は、コンデンサCaの正極側の端子(一方の端子)と大地との間で、第2スイッチSW2と直列に接続される。この場合であっても、モータMの絶縁抵抗Rmを測定することができる。
【0077】
[実施の形態から得られる技術的思想]
上記実施の形態および変形例から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0078】
<第1の技術的思想>
複数のモータ(M)を駆動するモータ駆動装置(10)は、第1スイッチ(SW1)を介して交流電源(12)から供給される交流電圧を直流電圧に整流する整流回路(Re)と、整流回路(Re)で整流された直流電圧を平滑化するコンデンサ(Ca)と、コンデンサ(Ca)の正極側の端子とモータ(M)のモータコイル(Cu、Cv、Cw)とを接続する上アームの半導体スイッチング素子(S)と、コンデンサ(Ca)の負極側の端子とモータコイル(Cu、Cv、Cw)とを接続する下アームの半導体スイッチング素子(S)とを有し、上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)のスイッチング動作により、コンデンサ(Ca)のコンデンサ電圧(Vc)を交流電圧に変換して複数のモータ(M)を駆動する複数のインバータ部(16)と、コンデンサ(Ca)の正極側の端子および負極側の端子のうち一方の端子を大地に接続する第2スイッチ(SW2)と、コンデンサ(Ca)の一方の端子と大地との間の対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)を検出する第1検出部(18)と、コンデンサ(Ca)のコンデンサ電圧(Vc)を検出する第2検出部(20)と、複数のインバータ部(16)の各々の上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)をオフにして複数のモータ(M)の運転を停止し、第1スイッチ(SW1)をオフ、第2スイッチ(SW2)をオンにした後に、測定対象となるモータ(M)のモータコイル(Cu、Cv、Cw)が接続された上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)のうち、コンデンサ(Ca)の他方の端子に接続されている方をオンにし、且つ、測定対象以外のモータ(M)のモータコイル(Cu、Cv、Cw)が接続された上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)のうち、コンデンサ(Ca)の一方の端子に接続されている方をオンにさせて、測定対象となるモータ(M)の絶縁抵抗(Rm)を測定できる測定状態にするスイッチ制御部(32)と、測定状態で、第1検出部(18)が検出した対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)の波形の変化量を算出し、変化量が閾値(TH)以下となったときに対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したと判断する収束判断部(34)と、収束判断部(34)により収束したと判断された場合に、第1検出部(18)が検出した対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)と第2検出部(20)が検出したコンデンサ電圧(Vc)とに基づいて、測定対象のモータ(M)の絶縁抵抗(Rm)を算出する絶縁抵抗算出部(36)と、を備える。
【0079】
これにより、モータ(M)の絶縁抵抗(Rm)の測定にかかる時間を短縮することができ、絶縁抵抗(Rm)の測定にかかる時間が必要以上に長くなってしまうことを防止することができる。
【0080】
収束判断部(34)は、所定時間Δtの間に対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が変化した量の絶対値ΔCを、変化量として用いてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0081】
収束判断部(34)は、所定時間Δtの間に対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が変化した量の絶対値をΔCとしたとき、ΔC/Δt、を変化量として用いてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0082】
収束判断部(34)は、時間の経過とともに所定時間Δtを徐々に長くしてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0083】
収束判断部(34)は、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)の波形の微分値(Dv)の絶対値(ΔC)を、変化量として用いてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0084】
収束判断部(34)は、所定時間(T)経過しても対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が、基準変化量(ΔCs)だけ変化しなかった場合は、収束したと判断してもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0085】
<第2の技術的思想>
複数のモータ(M)を駆動するモータ駆動装置(10)がモータ(M)の絶縁抵抗(Rm)を測定する測定方法である。モータ駆動装置(10)は、第1スイッチ(SW1)を介して交流電源(12)から供給される交流電圧を直流電圧に整流する整流回路(Re)と、整流回路(Re)で整流された直流電圧を平滑化するコンデンサ(Ca)と、コンデンサ(Ca)の正極側の端子とモータ(M)のモータコイル(Cu、Cv、Cw)とを接続する上アームの半導体スイッチング素子(S)と、コンデンサ(Ca)の負極側の端子とモータコイル(Cu、Cv、Cw)とを接続する下アームの半導体スイッチング素子(S)とを有し、上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)のスイッチング動作により、コンデンサ(Ca)のコンデンサ電圧(Vc)を交流電圧に変換して複数のモータ(M)を駆動する複数のインバータ部(16)と、コンデンサ(Ca)の正極側の端子および負極側の端子のうち一方の端子を大地に接続する第2スイッチ(SW2)と、コンデンサ(Ca)の一方の端子と大地との間の対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)を検出する第1検出部(18)と、コンデンサ(Ca)のコンデンサ電圧(Vc)を検出する第2検出部(20)と、を備える。測定方法は、複数のインバータ部(16)の各々の上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)をオフにして複数のモータ(M)の運転を停止し、第1スイッチ(SW1)をオフ、第2スイッチ(SW2)をオンにした後に、測定対象となるモータ(M)のモータコイル(Cu、Cv、Cw)が接続された上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)のうち、コンデンサ(Ca)の他方の端子に接続されている方をオンにし、且つ、測定対象以外のモータ(M)のモータコイル(Cu、Cv、Cw)が接続された上アームの半導体スイッチング素子(S)および下アームの半導体スイッチング素子(S)のうち、コンデンサ(Ca)の一方の端子に接続されている方をオンにさせて、測定対象となるモータ(M)の絶縁抵抗(Rm)を測定できる測定状態にするスイッチ制御ステップと、測定状態で、第1検出部(18)が検出した対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)の波形の変化量を算出し、変化量が閾値(TH)以下となったときに対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したと判断する収束判断ステップと、収束判断ステップにより収束したと判断された場合に、第1検出部(18)が検出した対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)と第2検出部(20)が検出したコンデンサ電圧(Vc)とに基づいて、測定対象のモータ(M)の絶縁抵抗(Rm)を算出する絶縁抵抗算出ステップと、を含む。
【0086】
これにより、モータ(M)の絶縁抵抗(Rm)の測定にかかる時間を短縮することができ、絶縁抵抗(Rm)の測定にかかる時間が必要以上に長くなってしまうことを防止することができる。
【0087】
収束判断ステップは、所定時間Δtの間に対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が変化した量の絶対値ΔCを、変化量として用いてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0088】
収束判断ステップは、所定時間Δtの間に対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が変化した量の絶対値をΔCとしたとき、ΔC/Δt、を変化量として用いてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0089】
収束判断ステップは、時間の経過とともに所定時間Δtを徐々に長くしてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0090】
収束判断ステップは、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)の波形の微分値(Dv)の絶対値(ΔC)を、変化量として用いてもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。
【0091】
収束判断ステップは、所定時間(T)経過しても対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が、基準変化量(ΔCs)だけ変化しなかった場合は、収束したと判断してもよい。これにより、対地間電流(Im)または対地間電圧(Vm)が収束したか否かを精度よく判断することができる。