特許第6603304号(P6603304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6603304種々のタイプの構成メモリを有するプログラマブル集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603304
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】種々のタイプの構成メモリを有するプログラマブル集積回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/177 20060101AFI20191028BHJP
   H03K 19/003 20060101ALI20191028BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20191028BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20191028BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   H03K19/177 104
   H03K19/003 130
   H01L27/04 H
   H01L21/82 A
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-502122(P2017-502122)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公表番号】特表2017-524295(P2017-524295A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(86)【国際出願番号】US2015039673
(87)【国際公開番号】WO2016010808
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2018年7月9日
(31)【優先権主張番号】14/330,922
(32)【優先日】2014年7月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カープ, ジェームズ
【審査官】 渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08065644(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0104946(US,A1)
【文献】 David J. Rennie et al.,Design Challenges in Nanometric Embedded Memories,The 3rd International Conference on Signals, Circuits & Systems (SCS),米国,IEEE,2009年11月 6日,P.1-8
【文献】 Jing Guo et al.,Novel Low-Power and Highly Reliable Radiation Hardened Memory Cell for 65 nm CMOS Technology,IEEE Transaction on Circuit and Systems I: Regular Papers,米国,IEEE,2014年 7月 1日,Vol.61, No.7,P.1994-2001
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/177
H03K 19/003
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブル集積回路(IC)上に、クリティカル部分および非クリティカル部分を有する回路設計の実装形態を生成する方法であって、前記プログラマブルICは、
第1のタイプの複数の構成メモリセルおよび第2のタイプの複数の構成メモリセルを含む構成メモリと、
前記構成メモリに結合されるプログラマブル相互接続リソースであって、前記プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットは、前記第1のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、前記プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットは、前記第2のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能である、プログラマブル相互接続リソースと、
前記構成メモリに結合されるプログラマブル論理リソースであって、前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットは前記第1のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、前記プログラマブル論理リソースの第2のサブセットは前記第2のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能である、プログラマブル論理リソースと、を含み、
前記第1のタイプの構成メモリセルは、前記第2のタイプの構成メモリセルよりも、シングルイベントアップセット(SEU)へのイミュニティが大きく、
前記方法は、プログラムされたプロセッサ上で、
前記回路設計を入力する動作と、
前記回路設計を合成することによって前記回路設計を実装するための初期データを生成する動作と、
前記回路設計の前記クリティカル部分および前記非クリティカル部分を決定する動作と、
前記回路設計をマッピングする、配置する、および経路設定することによって前記回路設計を実装するために前記プログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータを生成する動作であって、前記第2のデータの第1のサブセットは、前記プログラマブルICの前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよび前記プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して前記回路設計の前記クリティカル部分のための投票回路を実装するために、前記第1のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられ、前記第2のデータの第2のサブセットは、前記プログラマブルICの前記プログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよび前記プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して、前記回路設計の三重モジュール式冗長(TMR)回路としての前記クリティカル部分、および前記非クリティカル部分を実装するために、前記第2のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる、生成する動作と、
前記第2のデータを電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶する動作と、を行うことを含
前記三重モジュール式冗長(TMR)回路が、3つまたはそれ以上のインスタンスを含み、
前記投票回路が、前記3つまたはそれ以上のインスタンスからの出力信号を受信するために結合されている、
方法。
【請求項2】
前記第1のタイプの構成メモリセルは12Tメモリセルであり、前記第2のタイプの構成メモリセルは6Tメモリセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のデータの前記第1のサブセットは、前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットによって処理されるデータを記憶するために前記プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットを介して前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットを前記プログラマブルICのメモリリソースの第1のサブセットに接続する構成データを含み、前記メモリリソースの第1のサブセットは12Tメモリセルによって実装される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のデータの前記第2のサブセットは、前記プログラマブル論理リソースの第2のサブセットによって処理されるデータを記憶するために前記プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットを介して前記プログラマブル論理リソースの第2のサブセットを前記プログラマブルICのメモリリソースの第2のサブセットに接続する構成データを含み、前記メモリリソースの第2のサブセットは6Tメモリセルによって実装される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含み、前記第1のタイプの構成メモリセルは、前記第2のタイプの構成メモリセルよりも、シングルイベントアップセット(SEU)へのイミュニティが大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含み、前記第1のタイプの構成メモリセルは12Tメモリセルであり、前記第2のタイプの構成メモリセルは6Tメモリセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含み、前記第2のデータの前記第1のサブセットは、前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットによって処理されるデータを記憶するために前記プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットを介して前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットを前記プログラマブルICのメモリリソースの第1のサブセットに接続する構成データを含み、前記メモリリソースの第1のサブセットは12Tメモリセルによって実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
クリティカル部分および非クリティカル部分を有する回路設計を実装するプログラマブル集積回路(IC)であって、
第1のタイプの複数の構成メモリセルおよび第2のタイプの複数の構成メモリセルを含む構成メモリと、
前記構成メモリに結合されるプログラマブル相互接続リソースであって、前記プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットは前記第1のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、前記プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットは前記第2のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能である、プログラマブル相互接続リソースと、
前記構成メモリに結合されるプログラマブル論理リソースであって、前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットは前記第1のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、前記プログラマブル論理リソースの第2のサブセットは前記第2のタイプの前記構成メモリセルのサブセットによってプログラム可能である、プログラマブル論理リソースと、を含み、
前記第1のタイプの構成メモリセルは、前記第2のタイプの構成メモリセルよりも、シングルイベントアップセット(SEU)へのイミュニティが大きく、
前記構成メモリセルは、前記回路設計の前記クリティカル部分が、前記プログラマブル相互接続リソースの前記第2のサブセットおよび前記プログラマブル論理リソースの前記第2のサブセットにおいて実装され、3つまたはそれ以上のインスタンスを含む三重モジュール式冗長(TMR)回路、および、前記プログラマブル相互接続リソースの前記第1のサブセットおよび前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットにおいて実装され、前記3つまたはそれ以上のインスタンスからの出力信号を受信するために結合されている投票回路として実装されるように、請求項1に記載の方法に従ってプログラムされ、前記投票回路は前記プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットを介して前記三重モジュール式冗長(TMR回路に結合される、プログラマブル集積回路(IC)。
【請求項10】
前記プログラマブル論理リソースによって処理されるデータを記憶するためのメモリリソースをさらに含み、
前記メモリリソースは、前記プログラマブル相互接続リソースを介して前記プログラマブル論理リソースに接続可能であり、
前記メモリリソースの第1のサブセットは6Tメモリセルであり、
前記メモリリソースの第2のサブセットは12Tメモリセルである、請求項9に記載のプログラマブル集積回路(IC
【請求項11】
前記プログラマブルICの前記プログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよび前記プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセット上に実装される回路設計の第1の部分と、
前記プログラマブルICの前記プログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよび前記プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセット上に実装される前記回路設計の第2の部分と、をさらに含む、請求項10に記載のプログラマブル集積回路(IC
【請求項12】
複数の前記6Tメモリセルは複数の前記12Tメモリセルより数が多い、請求項10又は11に記載のプログラマブル集積回路(IC
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、プログラマブル集積回路の構成メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの従来のプログラマブル集積回路(IC)は、典型的には、実装された回路の機能をプログラムするために数百万のスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)構成メモリセルを使用する。構成メモリセルは、例えば、プログラマブルICの相互接続リソース、論理リソースまたはメモリリソースをプログラムするためのものとすることができる。
【0003】
チップ形状が小さくなりかつ供給電圧が低くなることで、プログラマブルICにおいて増えつつあるSRAM構成メモリセルの存在は、構成メモリセル記憶状態が大気圏外からの宇宙粒子またはICパッケージング材料からのアルファ粒子との衝突によって不調になり得る可能性を高める。メモリセルの状態の予期せぬ変化はシングルイベントアップセット(SEU)と呼ばれる。SEUが生じる可能性が高い場合、PLDに対する特定のプログラム構成の平均故障時間は減少することになり、単位時間当たりの故障(FIT)率は増加することになる。
【発明の概要】
【0004】
プログラマブル集積回路上に回路設計の実装形態を生成する1つの方法によれば、入力回路設計を実装するための第1のデータが生成される。方法は、回路設計のクリティカル部分および非クリティカル部分を決定する。回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータが生成される。第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分の3つまたはそれ以上のインスタンスを実装するために、プログラマブルICの6T構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して投票回路を実装するために、プログラマブルICの12T構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。投票回路は、回路設計の第1の部分の3つのインスタンスから出力信号を受信するように結合される。第2のデータは電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶される。
【0005】
プログラマブルIC上に回路設計の実装形態を生成する別の方法によれば、回路設計は入力され、回路設計を実装するための第1のデータが生成される。回路設計のクリティカル部分および非クリティカル部分が決定される。第2の方法は、回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータを生成する。第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分を実装するために、第1のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して回路設計の非クリティカル部分を実装するために、第2のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。第2のデータは電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶される。
【0006】
プログラマブルICは、複数の6Tメモリセルおよび複数の12Tメモリセルを有する構成メモリを含む。プログラマブル相互接続リソースは構成メモリに結合される。プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットは、6Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットは、12Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能である。プログラマブル論理リソースは構成メモリに結合される。プログラマブル論理リソースの第1のサブセットは、6Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、プログラマブル論理リソースの第2のサブセットは、12Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能である。プログラマブル入力/出力(I/O)リソースは構成メモリに結合される。
【0007】
他の特徴は、以下の発明を実施するための形態および特許請求の範囲を考察することによって認識されるであろう。
【0008】
開示された方法およびシステムのさまざまな態様および特徴は、以下の詳細な説明を検討し、図面を参照することによって明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】6T SRAM構成メモリによって構成可能なプログラマブルリソースの1部分、および12T SRAM構成メモリによって構成可能なプログラマブルリソースの別の部分を有するプログラマブル集積回路(IC)のブロック図である。
図2】プログラマブルICの他の構成メモリセルよりもSEUのアップセットの影響を受けることが少ないいくつかの構成メモリセルを有するプログラマブルIC上に回路設計の実装形態を生成するためのプロセスのフローチャートである。
図3】12T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソースに実装される投票回路と共に、6T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソースにおいて三重モジュール式冗長(TMR)として実装される回路設計の一部分のブロック図である。
図4】本明細書に記載されるプロセスおよびデータ構造を実装するように構成され得るコンピューティング構成の一例を示す図である。
図5】プログラマブルIC例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本明細書に提示される具体的な例を説明するための多数の具体的な細部が示される。しかしながら、1つもしくは複数の他の例および/またはこれらの例の変形が下で挙げられる具体的な細部全てがなくても実践できることは、当業者には当然明らかである。他の事例では、本明細書において例の説明を不明瞭にすることがないように、周知の特徴は詳細に説明されていない。説明を容易にするために、同じ参照符号は、同じ要素、または同じ要素の追加の事例に言及するための異なる図表において使用される場合がある。
【0011】
開示された方法および回路はプログラマブルICを包含し、このプログラマブルICにおいて、構成メモリセルの全てではないが一部は12T(12トランジスタ)SRAMセルであり、他の構成メモリセルは6T(6トランジスタ)SRAMセルである。12T SRAMによって実装された構成メモリセルの一部のみを有するプログラマブルICを実装することによって、設計のクリティカルな一部の相互接続リソースおよび論理リソースは、全てではないものの、SEUのFIT率を低減するために三重モジュール式冗長(TMR)にする必要がある。回路設計のクリティカルな一部は12Tセルによって構成されるリソース上に配置および経路設定することができ、回路設計の非クリティカルな一部は6Tセルによって構成されるリソース上に配置および経路設定することができる。代替的には、回路設計のクリティカルな一部は、6T構成メモリセルを使用してTMRにすることができ、投票回路は、投票回路にSEUに対する回復力を持たせるために12T構成メモリセルを使用して実装できる。構成メモリセルは、全てではないものの、12T SRAMによって実装されるため、プログラマブルICのフットプリントは、6T SRAMによって実装される構成メモリセル全てを有するプログラマブルICのフットプリントより著しく大きくはならない。
【0012】
プログラマブルIC上に回路設計の実装形態を生成する開示された方法の1つによれば、回路設計を実装するための第1のデータが生成される。例えば、回路設計は、コンパイルされても、やはり最初にマッピングされ、配置され、経路設定されてもよい。設計者は、回路設計の選択された部分を信頼性が高くSEUの影響を受けることが少ないようにすることを選ぶことができる。信頼性が高くSEUの影響を受けることが少ないようにすることが示された回路設計の一部分は、「クリティカル部分」と呼ばれる場合もある。設計者はクリティカル部分を指定してもよく、または、設計ツールが入力回路設計のクリティカル部分を自動的に決定してもよい。例えば、設計のクリティカル部分は、プログラマブルリソースの構成メモリセルの大部分を使用して、そのプログラマブルリソースの所望の機能を構成する一部分であってよい。例えば、回路設計において使用される大きいルックアップテーブル(LUT)は入力ピンの大半が設計によって使用される場合クリティカルであると考えられる場合があるが、これは、構成メモリセルの大部分が所望の機能を実装するために使用されることになるからである。対照的に、大きいLUTは数個の入力ピンのみが設計によって使用された場合クリティカルであると考えられないと思われるが、これは、構成メモリセルのごく一部分のみが所望の機能を実装するために使用されることになり、構成メモリセルの多くが未使用となるからである。未使用の構成メモリセルのアップセットは、回路の動作に影響を及ぼすことはない。方法によれば、回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータが生成される。第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分を実装するために、第1のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して回路設計の非クリティカル部分を実装するために、第2のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。実装例では、第1のタイプの構成メモリセルは、第2のタイプの構成メモリセルよりもSEUへのイミュニティが大きい。すなわち、第1のタイプの構成メモリセルは、第2のタイプの構成メモリセルよりもSEUの影響を受けることが少なく、FIT率が低い。第2のデータは、プログラマブルICを構成するために記憶され、後に使用可能である。
【0013】
プログラマブルIC上に回路設計の実装形態を生成する第2の方法によれば、プログラムされたプロセッサは、回路設計を実装するための第1のデータを生成し、回路設計のクリティカル部分は上記のように決定される。回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータが生成される。第2の方法の第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分の3つまたはそれ以上のインスタンスを実装するために、プログラマブルICの6T構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して投票回路を実装するために、プログラマブルICの12T構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる。投票回路は回路設計の第1の部分の3つのインスタンスから出力信号を受信するために結合される。第2のデータは、プログラマブルICを構成するために記憶され、後に使用可能である。
【0014】
12T構成メモリセルおよび6T構成メモリセル両方を有する構成メモリを有するプログラマブルICも開示される。プログラマブルICでは、プログラマブル相互接続リソースおよびプログラマブル論理リソースは構成メモリに結合される。プログラマブル相互接続リソースの種々のサブセットは、6T構成メモリセルおよび12T構成メモリセルによってプログラム可能である。同様に、プログラマブル論理リソースの種々のサブセットは、6T構成メモリセルおよび12T構成メモリセルによってプログラム可能である。プログラマブルICはまた、構成メモリに結合されるプログラマブル入力/出力(I/O)リソースを含む。
【0015】
図1は、6T SRAM構成メモリによって構成可能なプログラマブルリソースの1部分、および12T SRAM構成メモリによって構成可能なプログラマブルリソースの別の部分を有するプログラマブル集積回路(IC)100のブロック図を示す。図1はプログラマブルICの物理的レイアウトの回路を図示していないことを理解されたい。もっと正確に言えば、図1は、いくつかのプログラマブルリソースが12T構成メモリセルによって構成可能であり、他のプログラマブルリソースが6T構成メモリセルによって構成可能であることを示す。また、プログラマブルICは、示されているものに加えて数タイプのプログラマブルリソースを有することができる。
【0016】
プログラマブルIC100のプログラマブルリソースは、プログラマブル論理リソース102および104と、プログラマブル相互接続リソース106および108と、プログラマブル入力/出力(I/O)リソース110および112と、メモリリソース114および116とを含む。プログラマブルICは、構成メモリセル118および構成メモリセル120をさらに含む。構成メモリセル118は構成メモリセル120よりもSEUのアップセットの影響を受けることが少ない。実装例では、構成メモリセル118は12Tメモリセルであり、構成メモリセル120は6Tメモリセルである。
【0017】
プログラマブル論理リソース、プログラマブル相互接続リソース、およびプログラマブルI/Oリソースの種々のサブセットは、種々のタイプの構成メモリによってプログラム可能である。例えば、プログラマブル論理リソース102は、12T SRAMによって実装される構成メモリ118によってプログラム可能であり、プログラマブル論理リソース104は、6T SRAMによって実装される構成メモリ120によってプログラム可能である。同様に、プログラマブル相互接続リソース106およびプログラマブルI/Oリソース110は、構成メモリ118によってプログラム可能であり、プログラマブル相互接続リソース108およびプログラマブルI/Oリソース112は、構成メモリ120によってプログラム可能である。
【0018】
プログラマブルIC100は、プログラマブル論理リソース102および104、プログラマブル相互接続リソース106および108、ならびにプログラマブルI/Oリソース110および112上に実装される応用回路によって応用データを記憶するために使用可能であるメモリリソース114および116をさらに含む。メモリリソース114は12T SRAMによって実装されてよく、メモリリソース116は6T SRAMによって実装されてよい。プログラマブルIC100上に実装される応用回路に対してクリティカルであると見なされるデータは、メモリリソース114に記憶されて、SEUの影響の受けやすさを低減するようにすることができる。それほどクリティカルでないデータはメモリリソース116に記憶されてよい。
【0019】
プログラマブルICにおいて他の構成メモリよりもSEUのアップセットの影響を受けることが少ないある構成メモリを有するプログラマブルIC100は、プログラマブルIC上に実装される回路のFIT率を低減するための適応性をもたらす。例えば、回路設計のクリティカル部分は12Tメモリセルによって実装される構成メモリ118によって構成可能であるプログラマブルリソース上に実装されてよく、回路設計のそれほどクリティカルでない部分は6Tメモリセルによって実装される構成メモリ120によって構成可能であるプログラマブルリソース上に実装されてよい。代替的には、回路設計のクリティカル部分は、6Tメモリセルによって実装される構成メモリ120によって構成可能であるプログラマブルリソース上にTMR回路として実装されてよく、投票回路は、12Tメモリセルによって実装される構成メモリ118によって構成可能であるプログラマブルリソース上に実装されてよい。プログラマブルICが大きくなりすぎないようにするために、6T構成メモリセルより少ない12T構成メモリセルがある。例えば、構成メモリセルの5〜10%は12T構成メモリセルであってよく、残りの構成メモリセルは6Tセルであってよい。
【0020】
図2は、プログラマブルICの他の構成メモリセルよりもSEUの影響を受けることが少ないいくつかの構成メモリセルを有するプログラマブルIC上に回路設計の実装形態を生成するためのプロセスのフローチャートを示す。回路設計はブロック202において処理するために入力され、ブロック204では、初期実装データが生成される。初期実装データは、回路設計を合成するかさらにはマッピングする、および/または、回路設計を配置および経路設定する結果であってよい。設計者の入力に基づいて、回路設計の一部を、信頼性が高くSEUの影響を受けることを少なくすることができる。設計者は、信頼性の高い(「クリティカルな」)ものにされる回路設計の特定の部分を示すことができる、または、クリティカル部分は自動的に決定可能である。ブロック206では、プロセスは回路設計のクリティカル部分および非クリティカル部分を決定する。
【0021】
自動化手順において、回路設計の一部分は、その部分のFIT率が実装された回路設計の全体のFIT率における重要因子である場合クリティカルであると見なされる場合がある。例えば、回路設計において使用される大きいルックアップテーブル(LUT)は入力ピンの大半が設計によって使用される場合クリティカルであると考えられる場合があるが、これは、構成メモリセルの大部分が所望の機能を実装するために使用されることになるからである。対照的に、大きいLUT(大量の入力ピンを有するLUT)は、数個の入力ピンのみが設計によって使用された場合クリティカルであると考えられないと思われるが、これは、構成メモリセルのごく一部分のみが所望の機能を実装するために使用されることになり、構成メモリセルの多くが未使用となるからである。未使用の構成メモリセルのアップセットは、回路の動作に影響を及ぼすことはない。同様に、小さいLUTは、数個の構成メモリセルのみがそのLUT上での機能を実装するために使用されることになるため、クリティカルではないと見なされる場合がある。実装例では、回路設計の一部分は、その部分が閾値を超える数の入力ピンを有するLUT上に実装され、かつ、使用される入力ピン数が閾値を上回る場合、クリティカルであると決定される場合がある。例えば、回路設計の一部分は、その部分が少なくとも6つの入力ピンを有するLUT上に実装されることに応答してクリティカルであると決定される場合があり、入力ピンの少なくとも5つが使用される。回路設計のクリティカル部分および非クリティカル部分のさらなる態様は、全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2014年4月30日に出願され、代理人整理番号:X−4399USの「SELECTION OF LOGIC PATHS FOR REDUNDANCY」という名称のJainらによる同時係属特許出願第14/266,547号にさらに記載される。
【0022】
判断ブロック208では、プロセスは、回路設計のクリティカル部分を実装するためのアプローチを選択する。このアプローチは、所望のアプローチを指定する設計者の入力に応答して選択されてよい。第1のアプローチでは、クリティカル部分は、12T構成メモリセルによってプログラムされるプログラマブルリソースを使用して実装され、第2のアプローチでは、クリティカル部分は、投票回路を実装するために使用される12T構成メモリセルによってTMR回路として実装される。
【0023】
第1のアプローチでは、ブロック210では、回路設計は、クリティカル部分を実装するために12T構成メモリセルによってプログラムされるプログラマブルリソースを割り当てることによって、マッピングされ、配置され、および、経路設定される。回路設計が以前にマッピングされ、配置され、および経路設定されていた場合、プロセスは、それに応じて回路設計を再マッピングする、再配置する、および再経路設定することができる。
【0024】
ブロック212では、構成データは、回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするために生成される。構成データの第1のサブセットは、プログラマブルICの(ブロック210で決定されるような)プログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよび(ブロック210で決定されるような)プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分を実装するために、12T構成メモリセルをプログラムする。例えば、構成データは、プログラマブル論理リソース102およびプログラマブル相互接続リソース106上でクリティカル部分を実装するために、12Tメモリセルによって実装される構成メモリ118(図1)の一部をプログラムするためのものであってよい。回路設計の非クリティカル部分は、プログラマブルICの利用可能なプログラマブルリソースのいずれかにおいて実装されてよい。例えば、回路設計の非クリティカル部分はプログラマブルICの(ブロック210で決定されるような)プログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよび(ブロック210で決定されるような)プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセット上で実装されてよい。この場合、リソースの第2のサブセットは、6T構成メモリセルのみ、または6T構成メモリセルおよび12T構成メモリセルの組み合わせによってプログラムされる。非クリティカル部分を実装するための構成データは、プログラマブル論理リソース104およびプログラマブル相互接続リソース108上に非クリティカル部分を実装するために、6Tメモリセルによって実装される構成メモリ120(図1)の一部をプログラムするためのものであってよい。
【0025】
回路設計のクリティカル部分は、回路設計がアクセスするデータを記憶するメモリリソースをさらに含むことができる。生成された構成データは、プログラマブル論理リソース102および/またはプログラマブル論理リソース104を12Tメモリセルによって実装されるメモリリソース114に接続するために、プログラマブル相互接続リソース106および/またはプログラマブル相互接続リソース108をプログラムする構成データをさらに含むことができる。
【0026】
回路設計の非クリティカル部分は、回路設計によってアクセスされる非クリティカルデータを記憶するメモリリソースをさらに含むことができる。生成された構成データは、プログラマブル論理リソース102および/またはプログラマブル論理リソース104を6Tメモリセルによって実装されるメモリリソース116に接続するために、プログラマブル相互接続リソース106および/またはプログラマブル相互接続リソース108をプログラムする構成データをさらに含むことができる。
【0027】
ブロック214において、ブロック212で生成された構成データは、出力される、および/または電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶される。構成データは、出力可能であり、かつ、フラッシュメモリまたは磁気記憶デバイスなどのデータ記憶デバイスに記憶可能である。
【0028】
回路設計のクリティカル部分がTMR回路として実装されることになる場合、判断ブロック208はブロック222へそのプロセスを導く。アプローチ例において、回路設計のクリティカル部分は、6T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソースによってTMRとされ、投票回路は、12T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソースにおいて実装される。
【0029】
ブロック222では、回路設計は、回路設計のクリティカル部分の3つのインスタンスを実装するようにプログラマブルリソースを割り当てることによって、マッピングされ、配置され、および経路設定される。リソースは、6T構成メモリセルのみ、または、6T構成メモリセルおよび12T構成メモリセルの組み合わせによってプログラムされてよい。回路設計が以前にマッピングされ、配置され、および経路設定されていた場合、プロセスは、それに応じて回路設計を再マッピングする、再配置する、および再経路設定することができる。
【0030】
プログラマブルリソースはまた、投票回路を実装し、かつ、投票回路をTMR回路に接続するようにブロック222において割り当てられる。投票回路を実装し、かつ投票回路をTMR回路に接続するプログラマブルリソースは、12T構成メモリセルのみによってプログラムされ、このことは、SEUに対して投票回路を保護するのに役立つ。
【0031】
ブロック224では、構成データは、TMR回路および投票回路を実装するプログラマブルリソースをプログラムする構成メモリセルをプログラムするために生成される。構成データは、ブロック222で決定されるように、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースおよびプログラマブル相互接続リソースのサブセットの機能を構成する構成メモリセルをプログラムするために指定される。例えば、TMR回路について、構成データは、プログラマブル論理リソース104およびプログラマブル相互接続リソース108の一部分においてクリティカル部分を実装するために、6Tメモリセルによって実装される構成メモリ120(図1)の一部をプログラムするためのものであってよい。例えば、投票回路について、構成データは、プログラマブル論理リソース102およびプログラマブル相互接続リソース106の一部分において投票回路を実装するために、12Tメモリセルによって実装される構成メモリ118(図1)の一部をプログラムするためのものであってよい。構成データはまた、回路設計のクリティカル部分を実装するTMR回路から出力信号を受信するために投票回路を接続するようにプログラマブルリソースを構成する(例えば、図3のインスタンス302、304、306)。
【0032】
ブロック226では、ブロック224において生成された構成データは、出力される、および/または電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶される。構成データは、出力可能であり、かつ、フラッシュメモリまたは磁気記憶デバイスなどのデータ記憶デバイスに記憶可能である。
【0033】
図3は、12T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソースに実装される投票回路と共に、6T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソースにおいて三重モジュール式冗長(TMR)として実装される回路設計の一部分のブロック図を示す。12Tメモリセルを有する構成メモリによって構成されるプログラマブルリソース上で回路設計のクリティカル部分を実装する代わりに、クリティカル部分は、6Tメモリセルを有する構成メモリによって構成されるプログラマブルリソース上でTMR回路として実装されてよい。投票回路は、12Tメモリセルを有する構成メモリによって構成されるプログラマブルリソース上に実装可能であり、これによって、SEUに対する投票回路の影響の受けやすさを低減する。
【0034】
回路設計のクリティカル部分は、ブロック302、304、306、308、310、および312として実装されるように示される。ブロック302、304、および306は、それぞれのプログラマブル論理(PL)リソースおよびプログラマブル相互接続(INT)リソース上に実装される回路設計のクリティカル部分の3つのインスタンスを表す。ブロック308、310、および312は、クリティカル部分のそれぞれのインスタンスを投票回路314に接続する相互接続リソースを表す。回路設計のクリティカル部分および投票回路の接続のインスタンスは、回路構成が3部構成になっているため、6T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブルリソース上に実装可能である。投票回路は、12T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブル論理リソースおよびプログラマブル相互接続リソース上に実装可能であり、これによって、SEUに対する投票回路の影響の受けやすさを低減する。投票回路314は、複数のインスタンス302、304、306、ならびに相互接続回路308、310、および312がSEUを被っていない限り、予想通りの結果を出力することになる。
【0035】
回路設計の非クリティカル部分は、6T構成メモリセルによって構成可能であるプログラマブル論理リソースおよびプログラマブル相互接続リソース上に実装されてよい。例えば、非クリティカル部分316によってTMR回路(クリティカル部分)への入力が行われ、非クリティカル部分318は投票回路314を介してクリティカル部分から出力を受信する。プログラマブル相互接続リソース309は、非クリティカル部分316をクリティカル部分のTMRインスタンス302、304、および306に接続し、プログラマブル相互接続リソース308は、12T構成メモリセルによって構成可能である。
【0036】
図4は、本明細書に記載されるプロセスおよびデータ構造を実装するように構成され得るコンピューティング構成の一例を示す。プロセッサコンピューティング構成500は、実行可能コンピュータコードに従ってプログラムされる1つまたは複数のプロセッサ502と、クロック信号発生器504と、メモリ構成506と、記憶構成508と、入力/出力制御ユニット510とを含み、これら全てはホストバス512に結合される。構成500は、回路基板上で別個構成要素によって実装可能である、または、集積回路内で内部に実装可能である。集積回路内で内部に実装される時、プロセッサコンピューティング構成は、別段マイクロコントローラとして知られている。
【0037】
コンピューティング構成のアーキテクチャは、当業者には認識されると思われるが、実装要件に左右される。プロセッサ502は、1つもしくは複数の汎用プロセッサ、または、1つもしくは複数の汎用プロセッサおよび適したコプロセッサの組み合わせ、または、1つもしくは複数の専用プロセッサ(例えば、RISC、CISC、パイプライン型など)であってよい。
【0038】
メモリ構成506は、典型的には、複数のレベルのキャッシュメモリ、およびメインメモリを含む。記憶構成508は、磁気ディスク(図示せず)、フラッシュ、EPROM、または他の不揮発性データ記憶装置によって提供されるものといった、ローカル永続記憶装置および/またはリモート永続記憶装置を含むことができる。記憶ユニットは読み取る能力、または読み書きする能力を有することができる。さらに、メモリ構成506および記憶構成508は、単一の構成で組み合わせ可能である。
【0039】
プロセッサ502は、記憶構成508および/またはメモリ構成506においてソフトウェアを実行する、記憶構成508および/またはメモリ構成506からデータを読み取りかつそれにデータを記憶する、ならびに、入力/出力制御構成510を通して外部デバイスと通信する。これらの機能はクロック信号発生器504によって同期される。コンピューティング構成のリソースは、オペレーティングシステム(図示せず)またはハードウェア制御ユニット(図示せず)によって管理可能である。
【0040】
図5は、開示された回路が実装可能であるプログラマブル集積回路(IC)600を示す。プログラマブルICはまた、他のプログラマブルリソースと共に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)論理を含むシステムオンチップ(SOC)と呼ばれる場合がある。FPGA論理は、アレイ状のいくつかの種々のタイプのプログラマブル論理ブロックを含むことができる。例えば、図5は、マルチギガビットトランシーバ(MGT)601、構成可能論理ブロック(CLB)602、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)603、入力/出力ブロック(IOB)604、構成およびクロッキング論理(CONFIG/CLOCKS)605、デジタル信号処理ブロック(DSP)606、専用入力/出力ブロック(I/O)607(例えば、クロックポート)、ならびに、デジタルクロックマネージャ、アナログ−デジタル変換器、システム監視論理などのような他のプログラマブル論理608を含む、多数の種々のプログラマブルタイルを含むプログラマブルIC600を示す。FPGA論理を有する一部のプログラマブルICは、専用のプロセッサブロック(PROC)610、ならびに内部再構成ポートおよび外部再構成ポート(図示せず)も含む。
【0041】
あるFPGA論理では、それぞれのプログラマブルタイルは、それぞれの隣接したタイルにおいて対応する相互接続素子に対する標準化された接続を有するプログラマブル相互接続素子(INT)611を含む。従って、共に採用されるプログラマブル相互接続素子は、示されるFPGA論理についてのプログラマブル相互接続構造を実装する。プログラマブル相互接続素子INT611はまた、図5の最上部に含まれる例によって示されるように、同じタイル内のプログラマブル論理素子に対する接続を含む。
【0042】
例えば、CLB602は、ユーザ論理を実装するためにプログラム可能である構成可能論理素子CLE612に加えて、単一のプログラマブル相互接続素子INT611を含むことができる。BRAM603は、1つまたは複数のプログラマブル相互接続素子に加えて、BRAM論理素子(BRL)613を含むことができる。典型的には、1タイルに含まれる相互接続素子の数は、そのタイルの高さに左右される。叙述された実施形態において、BRAMタイルは5つのCLBと同じ高さを有するが、他の数(例えば4つ)も使用できる。DSPタイル606は、適切な数のプログラマブル相互接続素子に加えて、DSP論理素子(DSPL)614を含むことができる。IOB604は、例えば、プログラマブル相互接続素子INT611の1インスタンスに加えて、入力/出力論理素子(IOL)615の2つのインスタンスを含むことができる。当業者には明らかになるように、例えば、I/O論理素子615に接続される実際のI/O接着パッドは、さまざまな示される論理ブロックの上に積層される金属を使用して製造され、典型的には、入力/出力論理素子615の領域に制限されない。
【0043】
叙述された実施形態において、(図5において網掛けで示される)ダイの中央近くの円柱状領域は、構成、クロック、および他の制御論理のために使用される。この円柱形状から延在する水平領域609は、プログラマブルICの横幅にわたってクロックおよび構成信号を分布するために使用される。
【0044】
図5に示されるアーキテクチャを利用するいくつかのプログラマブルICは、プログラマブルICの大半を編成する規則的な円柱構造を分断する追加の論理ブロックを含む。追加の論理ブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用論理とすることができる。例えば、図5に示されるプロセッサブロック(PROC)610は、CLBおよびBRAMのいくつかの列に及ぶ。
【0045】
図5は、例示のプログラマブルICアーキテクチャのみを示すことを目的とすることに留意されたい。1列における論理ブロックの数、列の相対的な幅、列の数および順序、列に含まれる論理ブロックのタイプ、論理ブロックの相対的なサイズ、ならびに、図5の最上部に含まれる相互接続/論理実装形態は、単に例示されたものである。例えば、実際のプログラマブルICにおいて、CLBの2つ以上の隣接した列は、典型的には、ユーザ論理の効率的な実装を容易にするために、CLBが生じる場合は必ず含まれる。
【0046】
多数の例が提供される。
【0047】
1つの例では、プログラマブル集積回路上に回路設計の実装形態を生成する方法が提供される。かかる方法は、プログラムされたプロセッサ上で、回路設計を入力する動作と、回路設計を実装するための第1のデータを生成する動作と、回路設計のクリティカル部分および非クリティカル部分を決定する動作と、回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータを生成する動作であって、第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分を実装するために、第1のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられ、第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して回路設計の非クリティカル部分を実装するために、第2のタイプの構成メモリセルをプログラムするように割り当てられる、生成する動作と、第2のデータを電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶する動作と、を行うことを含むことができる。
【0048】
いくつかのかかる方法では、第1のタイプの構成メモリセルは、第2のタイプの構成メモリセルよりも、シングルイベントアップセット(SEU)へのイミュニティが大きい場合がある。
【0049】
いくつかのかかる方法では、第1のタイプの構成メモリセルは12Tメモリセルであり、第2のタイプの構成メモリセルは6Tメモリセルである。
【0050】
いくつかのかかる方法では、クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含む。
【0051】
いくつかのかかる方法では、第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブル論理リソースの第1のサブセットによって処理されるデータを記憶するためにプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットを介してプログラマブル論理リソースの第1のサブセットをプログラマブルICのメモリリソースの第1のサブセットに接続する構成データを含み、メモリリソースの第1のサブセットは12Tメモリセルによって実装される。
【0052】
いくつかのかかる方法では、第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブル論理リソースの第2のサブセットによって処理されるデータを記憶するためにプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットを介してプログラマブル論理リソースの第2のサブセットをプログラマブルICのメモリリソースの第2のサブセットに接続する構成データを含み、メモリリソースの第2のサブセットは6Tメモリセルによって実装される。
【0053】
いくつかのかかる方法では、クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含み、第1のタイプの構成メモリセルは、第2のタイプの構成メモリセルよりも、シングルイベントアップセット(SEU)へのイミュニティが大きい。
【0054】
いくつかのかかる方法では、クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含み、第1のタイプの構成メモリセルは12Tメモリセルであり、第2のタイプの構成メモリセルは6Tメモリセルである。
【0055】
いくつかのかかる方法では、クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含み、第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブル論理リソースの第1のサブセットによって処理されるデータを記憶するためにプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットを介してプログラマブル論理リソースの第1のサブセットをプログラマブルICのメモリリソースの第1のサブセットに接続する構成データを含み、メモリリソースの第1のサブセットは12Tメモリセルによって実装される。
【0056】
別の例において、プログラマブル集積回路上に回路設計の実装形態を生成する方法が提供される。かかる方法は、プログラムされたプロセッサ上で、回路設計を入力する動作と、回路設計を実装するための第1のデータを生成する動作と、回路設計のクリティカル部分および非クリティカル部分を決定する動作と、回路設計を実装するためにプログラマブルICの構成メモリセルをプログラムするための第2のデータを生成する動作であって、第2のデータの第1のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットに対して回路設計のクリティカル部分の3つまたはそれ以上のインスタンスを実装するために、プログラマブルICの6T構成メモリセルをプログラムするように割り当てられ、第2のデータの第2のサブセットは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに対して投票回路を実装するために、プログラマブルICの12T構成メモリセルをプログラムするように割り当てられ、投票回路は、回路設計のクリティカル部分の3つまたはそれ以上のインスタンスから出力信号を受信するように結合される、生成する動作と、第2のデータを電子的に読み取り可能な記憶媒体に記憶する動作と、を行うことを含むことができる。
【0057】
いくつかのかかる方法では、第2のデータは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第3のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第3のサブセットに対して回路設計の非クリティカル部分を実装するためにプログラマブルICの6T構成メモリセルをプログラムするための第2のデータの第3のサブセットを含む。
【0058】
かかる方法では、クリティカル部分を決定することは、使用される入力の数が閾値を上回るルックアップテーブル(LUT)を決定することを含む。
【0059】
プログラマブルICが提供可能である。かかるプログラマブルICは、複数の6Tメモリセルおよび複数の12Tメモリセルを含む構成メモリと、構成メモリに結合されるプログラマブル相互接続リソースであって、プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットは6Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットは12Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能である、プログラマブル相互接続リソースと、構成メモリに結合されるプログラマブル論理リソースであって、プログラマブル論理リソースの第1のサブセットは6Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能であり、プログラマブル論理リソースの第2のサブセットは12Tメモリセルのサブセットによってプログラム可能である、プログラマブル論理リソースと、構成メモリに結合されるプログラマブル入力/出力(I/O)リソースと、を含むことができる。
【0060】
いくつかのかかるICは、プログラマブル論理リソースによって処理されるデータを記憶するためのメモリリソースをさらに含むことができる。この場合、メモリリソースは、プログラマブル相互接続リソースを介してプログラマブル論理リソースに接続可能であり、メモリリソースの第1のサブセットは6Tメモリセルであり、メモリリソースの第2のサブセットは12Tメモリセルである。
【0061】
いくつかのかかるICは、プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル論理リソースの第1のサブセットに実装される三重モジュール式冗長(TMR)回路と、プログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセットに実装される投票回路であって、プログラマブル相互接続リソースの第1のサブセットを介してTMR回路に結合される投票回路と、をさらに含むことができる。
【0062】
いくつかのかかるICは、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第1のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第1のサブセット上に実装される回路設計の第1の部分と、プログラマブルICのプログラマブル論理リソースの第2のサブセットおよびプログラマブル相互接続リソースの第2のサブセット上に実装される回路設計の第2の部分と、をさらに含むことができる。
【0063】
いくつかのかかるICでは、複数の6Tメモリセルは複数の12Tメモリセルより数が多い。
【0064】
態様および特徴は、場合によって個々の図において説明される場合があるが、1つの図からの特徴と別の図の特徴との組み合わせは、組み合わせとして明示的に示されていないまたは明示的に説明されていない場合でも可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0065】
方法およびシステムは、SEUに対して保護するために回路設計を処理するためのさまざまなシステムに応用可能であると思われる。他の態様および特徴は明細書を考察することで当業者には明らかとなろう。明細書および図面は例としてのみ考慮されるものとし、本発明の真の範囲は以下の特許請求の範囲によって指示されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5