特許第6603312号(P6603312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6603312タイプに基づくデータストリームへのネットワーク接続の容量の割り振り
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603312
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】タイプに基づくデータストリームへのネットワーク接続の容量の割り振り
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/851 20130101AFI20191028BHJP
   H04L 12/725 20130101ALI20191028BHJP
【FI】
   H04L12/851
   H04L12/725
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-517014(P2017-517014)
(86)(22)【出願日】2015年9月22日
(65)【公表番号】特表2017-530643(P2017-530643A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】US2015051528
(87)【国際公開番号】WO2016053692
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年9月10日
(31)【優先権主張番号】14/678,671
(32)【優先日】2015年4月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/057,763
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508140877
【氏名又は名称】レベル スリー コミュニケーションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】セラ、ウィリアム、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】カプト、ピート、ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】セラ、ジェームス、マイケル
【審査官】 玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−166569(JP,A)
【文献】 特開2001−024706(JP,A)
【文献】 特開2006−050371(JP,A)
【文献】 米国特許第08589524(US,B1)
【文献】 佐藤 裕昭 他,複数のQoSをサポートするVC/VPインタフェースの検討,電子通信学会技術研究報告(信学技報),1994年 5月26日,第94巻、第66号,pp.49-54(SSE94-47)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の相互接続された転送デバイスを通して送信元から送信先へデータを送信するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)転送デバイスにおいて、前記送信元から前記転送デバイスへの、共用の容量を有する共用チャネル上で、第1データストリーム内の第1パケットを受信する段階と、
(b)前記共用チャネル上で、前記転送デバイスから前記送信先へ前記第1パケットを転送する段階と、
(c監視デバイスへ、前記第1パケットの一部のコピーを転送する段階であって、前記一部は、前記第1パケットについての情報を含む、段階と、
(c2)前記監視デバイスによって、前記第1パケット内の前記第1パケットについての情報に基づき、前記第1データストリームがクリティカルデータストリームであるか判断する段階と、
(d)(c)において前記第1データストリームがクリティカルではないと判断された場合に、他の非クリティカルデータストリームと共有される前記共用チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と、
(e)(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、第1容量を有し、前記第1データストリーム専用であり、前記共用チャネルとは異なる第1チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
(f)前記第1データストリームの第3パケットを転送するのに前記第1チャネル上で容量が利用可能であるかを判断する段階と、
(g)(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断され、(f)において容量が利用可能であると判断された場合に、前記第1チャネル上で、前記第1データストリームの前記第3パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(h)(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断され、(f)において空き容量が利用不可能であると判断された場合に、前記共用チャネル上で、前記第1データストリームの前記第3パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(e)における構成する段階は、(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断され、(f)において容量が利用不可能であると判断された場合に、前記第3パケットをドロップするよう前記転送デバイスを構成する段階をさらに有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
)における前記監視デバイスによって判断する段階は、前記第1データストリームを生成するユーザにより定義されたポリシーを用い、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリシーは、前記第1パケットの送信元または送信先アドレスを用いることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(f)前記転送デバイスにおいて、前記送信元から前記転送デバイスへの前記共用チャネル上で、第2データストリーム内の第1パケットを受信する段階と、
(g)前記共用チャネル上で、前記転送デバイスから前記送信先へ前記第1パケットを転送する段階と、
(h)前記第1パケットの一部のコピーを前記監視デバイスへ転送する段階であって、前記一部は、前記第1パケットについての情報を含む、段階と、
(i)前記第1パケットの前記一部内の前記情報に基づき、前記第2データストリームが他のクリティカルデータストリームであるかを前記監視デバイスにより判断する段階と、
(j)(i)において前記第2データストリームがクリティカルであると判断された場合に、第2容量を有し、前記第2データストリーム専用であり、前記共用チャネルとは異なる第2チャネル上で、前記第2データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と
をさらに備える、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザに属する全てのクリティカルデータストリームを扱うためのバンドルチャネルを割り当てる段階であって、前記バンドルチャネルはバンドル容量を有し、
(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、前記バンドルチャネル内の第1専用チャネルが前記第1データストリームに割り当てられ、(i)において前記第2データストリームがクリティカルであると判断された場合に、前記バンドルチャネル内の第2専用チャネルが前記第2データストリームに割り当てられる、段階をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(e)における構成する段階は、(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、および前記第1データストリームの第3パケットを送信するのに前記バンドルチャネル内の前記第1専用チャネルに利用可能な空き容量がない場合に、
(k)前記第1専用チャネル以外の前記バンドルチャネル内の空き容量上で、前記第1データストリームの前記第3パケットを送信するよう前記転送デバイスを構成する段階と、
(l)他のクリティカルデータストリームの専用チャネルを用いる任意の他のクリティカルデータストリームの任意のパケットの優先度よりも、低い優先度を、前記第1データストリームの前記第3パケットに割り当てる段階と
をさらに有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記転送デバイスが前記第1データストリームの終わりを示す完了メッセージを受信した場合に、(e)における、前記第1チャネル上で前記第1データストリームの任意の他のパケットを転送するようにする前記転送デバイスの前記構成を終了させる段階をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記転送デバイスが、一の期間の間、前記第1データストリームに属するパケットを何ら受信しなかった場合に、(e)における、前記第1チャネル上で前記第1データストリームの任意の他のパケットを転送するようにする前記転送デバイスの前記構成を終了させる段階をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1容量と、前記第1チャネルがユーザにより用いられる時間量とに基づき、前記第1データストリームを生成する前記ユーザに関して価格の見積もりを判断する段階をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
通信ネットワークを通して送信元から送信先へデータを送信するためのシステムであって、
前記システムは転送デバイスを備え、
前記転送デバイスは、
プロセッサと、
メモリと、
前記送信元から前記転送デバイスへの、共用の容量を有する共用チャネル上で、第1データストリーム内の第1パケットを受信する、および、前記共用チャネル上で、前記転送デバイスから前記送信先へ前記第1パケットを転送し、監視デバイスへ、前記第1パケットの一部のコピーを転送し、前記一部は、前記第1パケットについての情報を含む、転送モジュールと
を有し、
前記システムは前記監視デバイスを備え、
前記監視デバイスは監視モジュールを有し、
前記監視モジュールは、
前記第1データストリームがクリティカルデータストリームかを、前記第1パケット内の前記第1パケットについての情報に基づき判断し、
前記第1データストリームがクリティカルではないと判断された場合に、他の非クリティカルデータストリームと共有される前記共用チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスの制御モジュールを構成し、
前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、第1容量を有し、前記第1データストリーム専用であり、前記共用チャネルとは異なる第1チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスの前記制御モジュールを構成する、システム。
【請求項14】
前記転送モジュールはさらに、前記第1データストリームの第3パケットを転送するのに前記第1チャネル上で容量が利用可能であるかを判断し、
前記監視デバイスはさらに、前記第1データストリームがクリティカルであると判断され、容量が前記転送モジュールにより利用可能であると判断された場合に、前記第1チャネル上で、前記第1データストリームの前記第3パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスの前記制御モジュールを構成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記監視デバイスはさらに、前記第1データストリームがクリティカルであると判断され、容量が利用不可能であると判断された場合に、前記共用チャネル上で、前記第1データストリームの前記第3パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスの前記制御モジュールを構成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記監視デバイスはさらに、前記第1データストリームがクリティカルであると判断され、前記第1データストリームの第3パケットを送信するのに前記第1チャネル上で容量が利用不可能と判断された場合に、前記第1データストリームの前記第3パケットをドロップするよう前記転送デバイス上の前記制御モジュールを構成する、請求項13から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記監視デバイスは、前記第1データストリームがクリティカルであるかを判断するための、前記第1データストリームを生成するユーザにより定義された第1ポリシーを格納するためのポリシーテーブルをさらに有し、
前記監視モジュールはさらに、前記第1パケットの一部のコピーを受信し、
前記一部は前記第1パケットについての情報を含み、
前記監視モジュールはさらに、前記ポリシーテーブル内の前記ポリシーを用い前記第1データストリームの前記第2パケットを転送するよう前記転送デバイスの前記制御モジュールを構成する、請求項13から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記転送モジュールはさらに、
前記送信元から前記転送デバイスへの前記共用チャネル上で、前記ユーザにより生成された第2データストリーム内の第1パケットを受信し、
前記共用チャネル上で、前記転送デバイスから前記送信先へ前記第1パケットを転送し、
記ポリシーテーブルはさらに、前記第2データストリームをどのように転送するかについての、前記ユーザにより定義された第2ポリシーを格納し、
前記監視モジュールはさらに、
前記第2データストリームが他のクリティカルデータストリームであるかを、前記第1パケットの前記一部内の情報と前記第2ポリシーとに基づき判断し、
前記第2データストリームがクリティカルであると判断された場合に、第2容量を有し、前記第2データストリーム専用であり、前記共用チャネルとは異なる第2チャネル上で、前記第2データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスの前記制御モジュールを構成する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御モジュールはさらに、前記ユーザに属する全てのクリティカルデータストリームにバンドルチャネルを割り当て、前記バンドルチャネルはバンドル容量を有し、前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、前記バンドル容量が前記第1チャネルの前記第1容量を含み、前記第2データストリームがクリティカルであると判断された場合に、前記バンドル容量が前記第2チャネルの前記第2容量を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記監視モジュールはさらに、前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、および前記第1データストリームの第3パケットを送信するのに前記第1チャネルに利用可能な空き容量がない場合、前記バンドルチャネル内の空き容量上で、前記第1データストリームの前記第3パケットを送信するよう前記転送デバイスを構成し、
前記制御モジュールはさらに、前記第2データストリームがクリティカルであると判断され、前記バンドルチャネル内の前記空き容量が前記第2容量と重なる場合に、前記第2データストリームのパケットより低い優先度を、前記第1データストリームの前記第3パケットに割り当てる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも1つのマシンにより実行可能であって、複数の相互接続されたスイッチングデバイスを含むネットワーク内の複数の相互接続された転送デバイスを通して送信元から送信先へデータを送信するための方法を実行する命令のプログラムであって、前記方法は、
(a)転送デバイスにおいて、前記送信元から前記転送デバイスへの、共用の帯域幅を有する共用チャネル上で、第1データストリーム内の第1パケットを受信する段階と、
(b)前記共用チャネル上で、前記転送デバイスから前記送信先へ前記第1パケットを転送する段階と、
(c)前記第1パケットの一部のコピーを監視デバイスへ転送する段階であって、前記一部は、前記第1パケットについての情報を含む、段階と、
(d)前記第1パケット内の前記第1パケットについての前記情報と、前記第1データストリームを生成するユーザにより定義されたポリシーとに基づき、前記第1データストリームがクリティカルデータストリームであるか判断する段階と、
(e)(d)において前記第1データストリームがクリティカルではないと判断された場合に、他の非クリティカルデータストリームと共有される前記共用チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と、
(f)(c)において前記第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、第1帯域幅を有し、前記第1データストリーム専用であり、前記共用チャネルとは異なる第1チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と
を備える、プログラム。
【請求項22】
複数の相互接続された転送デバイスを通して送信元から送信先へデータを送信するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)転送デバイスにおいて、前記送信元から前記転送デバイスへの、共用の容量を有する共用チャネル上で、第1データストリーム内の第1パケットを受信する段階と、
(b)前記共用チャネル上で、前記転送デバイスから前記送信先へ前記第1パケットを転送する段階と、
(c1)監視デバイスへ、前記第1パケットの一部のコピーを転送する段階であって、前記一部は、前記第1パケットについての情報を含む、段階と、
(c前記監視デバイスによって、前記第1パケット内の前記第1パケットについての情報に基づき、前記第1データストリームが特定のタイプを有するか判断する段階と、
(d)(c)において前記第1データストリームが前記特定のタイプを有さないと判断された場合に、前記特定のタイプを有さない他のデータストリームと共有される前記共用チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と、
(e)(c)において前記第1データストリームが特定のタイプを有すると判断された場合に、第1容量を有し、前記第1データストリーム専用であり、前記共用チャネルとは異なる第1チャネル上で、前記第1データストリームの第2パケットを前記転送デバイスから前記送信先へ転送するよう前記転送デバイスを構成する段階と
を備える、コンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この分野は概して、通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークは、例えば、2つの地理的に離れたロケーション間でデータを伝達することを可能とするネットワーク接続を提供し得る。ネットワーク接続は、種々のタイプのデータストリームがそれらのそれぞれの送信先に到達することを可能とし得る。
【0003】
ネットワーク接続は、特定のユーザのために予約された特定の帯域幅を有し得る。言い換えると、ネットワークの他のユーザは、専用の接続上で特定のユーザのために予約されたその帯域幅にアクセス出来ない。予約は、特定の帯域幅をユーザと関連付けることを伴い得る。帯域幅をまだ予約している間に、ネットワークに過剰の申し込みがあり得、このことが意味するのは、全てのユーザが全ての、彼らの関連付けられた帯域幅を用いていた場合、そのネットワークは不十分な容量を有することになるであろうということである。接続に割り当てられた帯域幅は、その接続を用いる、種々のタイプのアプリケーションおよびデータストリーム間で共有され得る。
【0004】
種々のタイプのデータストリームが、種々の容量を必要とし得る。あるユーザが、種々のデータストリームを生成し、各タイプのデータストリームの送信に関して種々の要求を有し得る。例えば、あるデータストリームが、ある容量またはレイテンシ要求を有し得る。そのデータストリームに関するユーザの要求も時間に応じて変わり得る。変化する要求に経時的に対処すべく、一部の通信ネットワークは、ユーザが、将来の特定された期間の間に接続の容量を変更出来るようにする。
【0005】
接続容量の調整はいくらかのフレキシビリティを考慮に入れるが、共有のチャネルを有することによって、種々のトラフィックストリーム間で不要な競合が結果として生じることになり得る。
【発明の概要】
【0006】
実施形態において、コンピュータ実装方法は、複数の相互接続された転送デバイスを通して送信元から送信先へデータを送信する。同方法は、転送デバイスにおいて、送信元から転送デバイスへの共用チャネル上で、第1データストリーム内の第1パケットを受信することを含む。共用チャネルは、共用の容量を有し得る。第1パケットを受信したことに応答して、第1パケットは、共用チャネル上で、転送デバイスから送信先へ転送される。また、第1データストリーム内の第1パケットについての情報に基づき、第1データストリームがクリティカルデータストリームであるかが判断される。第1ストリームがクリティカルではないと判断された場合に、転送デバイスは、共用チャネル上で、第1データストリームの第2パケットを転送デバイスから送信先へ転送するよう構成される。第1データストリームがクリティカルであると判断された場合に、転送デバイスは、第1チャネル上で、第1データストリームの第2パケットを転送デバイスから送信先へ転送するよう構成される。第1チャネルは、第1容量を有し、第1チャネルは、共用チャネルとは異なる。
【0007】
システムおよびコンピュータプログラムプロダクトの実施形態も開示される。
【0008】
様々な実施形態の構造およびオペレーションはもちろん、本願発明の更なる実施形態、特徴、および利点が以下に詳細に、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示を例示しており、説明と共にさらに、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作成し用いられるようにするのに役立つ。
【0010】
図1A】ユーザのためのネットワーク接続を提供するためのシステムを例示する図である。
【0011】
図1B】ユーザのためのネットワーク接続を提供するためのシステムを例示する図である。
【0012】
図2】転送デバイスおよび監視デバイスのモジュールを例示する図である。
【0013】
図3】ユーザデータストリームに割り当てられ得る種々のチャネルを例示する図である。
【0014】
図4】チャネルをユーザデータストリームに割り当てるための方法を例示するフローチャートである。
【0015】
図5】データストリームがクリティカルであるかを判断し、チャネルをそのデータストリームに割り当てるための方法を例示するフローチャートである。
【0016】
図6】専用チャネルをクリティカルデータストリームに割り当てるための方法を例示するフローチャートである。
【0017】
図7】専用チャネルをクリティカルデータストリームに割り当てるための方法を例示するフローチャートである。
【0018】
図8】専用チャネルをクリティカルデータストリームに割り当てるための方法を例示するフローチャートである。
【0019】
図9】専用チャネルを終了させるための方法を例示するフローチャートである。
【0020】
ある要素が最初に登場する図面は典型的には、対応する参照数字の最も左の桁または数桁により示されている。図面において、同様の参照数字は、同一の、または機能的に同様の要素を示しているかもしれない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上で述べたように、種々のデータストリーム間でチャネルが共有されるということは、クリティカルデータが非クリティカルデータによりボトルネックが生じて妨げられ得るというリスクを呈する。このことに対処すべく、ここで開示される実施形態は、専用チャネル上でユーザのクリティカルデータストリームを送信する。一例において、ウェブコンテンツプロバイダなどのネットワークユーザが、ネットワークを通じてウェブコンテンツをその顧客に送信し得る。ウェブコンテンツは、種々のデータストリームで送信され得る。データストリームのうち一部はクリティカルであり得、コンテンツプロバイダは、特定の容量の専用チャネルがこのクリティカルデータに割り当てられることを要求し得る。
【0022】
ネットワークユーザは、どのデータがクリティカルでありどのデータがクリティカルではないかを定義するポリシーを確立可能であり得る。ユーザポリシーに応じて、種々のタイプのユーザトラフィックが、特定の容量の、ネットワーク内の種々のチャネルに割り当てられ得る。第1容量と第1チャネルがユーザにより用いられる時間量とに基づき、第1データストリームを生成するユーザに関して価格の見積もりを判断し得る。ポリシーは、種々の基準を用い、どのデータがクリティカルであるかを特定し得る。例えば、ユーザは、所与のアドレス、例えば「salesforce.com」に行く任意のデータストリームが専用チャネルを割り当てられるとのポリシーを有し得る。本明細書における説明は、種々のチャネル上で送信される種々のデータストリームを説明するのに「クリティカル」および「非クリティカル」という用語を用いるが、当業者は、それらが種々のタイプを有する何らかのデータストリームに当てはまることを認識するであろう。
【0023】
一実施形態において、ユーザポリシーは、非クリティカルトラフィックのための他の共用チャネルを確保しつつ、本明細書においてバンドルチャネルと呼ばれることもある単一のチャネルを、全てのクリティカルトラフィックを扱うべく割り振り得る。本実施形態において、クリティカルデータストリームは、それらの単一の専用チャネル内の容量に関して互いに競合し得る。他の実施形態において、クリティカルデータはそれぞれ、バンドルチャネルの一部を個別に割り当てられ得る。例えば、バンドルチャネルが50Mbps帯域幅を有する場合、そのクリティカルデータストリームのうちそれぞれは、5Mbpsの容量を割り振られ得る。このように、クリティカルデータストリームに専用の容量を割り振ることにより、実施形態はユーザに対し、専用チャネルとは別個の共用チャネルを用いるそれの他の非クリティカルアプリケーションに関わらず、それのクリティカルアプリケーションにとって利用可能な最小限の容量を提供する。
【0024】
以下に続く詳細な説明は、5つのセクションに分けられている。第1のセクションは、図1A〜1Bおよび2に関連して、ネットワーク上でユーザのために接続を確立するためのネットワークを説明する。第2のセクションは、図3に関連して、ユーザトラフィックへのチャネルの割り振りを説明する。第3のセクションは、図4〜5に関連して、ユーザのクリティカルデータストリームおよび共用データストリームへのチャネルの割り振りを説明する。第4のセクションは、図6〜8に関連して、ユーザのクリティカルデータストリーム間の容量の割り振りを説明する。第5のセクションは、図9に関連して、ユーザに割り当てられた専用チャネルの終了について説明する。 ユーザ接続を確立するためのネットワーク
【0025】
図1Aは、通信ネットワーク108を含むシステム100を例示している。通信ネットワーク108は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)であり得る。それは、何らかのポイントツーポイントまたはマルチポイントツーマルチポイントネットワーキングプロトコルを利用し得る。用いられるネットワークアクセスプロトコルは、例えば、Multi Label Protocol Switching(MPLS)、Ethernet(登録商標)、Asynchronous Transfer Mode(ATM)、High−Level Data Link Control(HDLC)、またはFrame Relayであり得る。
【0026】
通信ネットワーク108は、ネットワークユーザ102に接続された転送デバイス104などの複数のルータを含む。ここで、「転送デバイス」という用語は、データリンク層(OSI層2)およびネットワーク層(OSI層3)におけるデバイスを含む、パケットのスイッチングまたはルーティングを行うデバイスを指す。転送デバイス104は、直接リンクを介し、またはローカルネットワーク上で間接的にユーザ102に接続され得る。ユーザ102は、ある個人のネットワーク、または、ある組織の内部ネットワークなどの企業ネットワークであり得る。ユーザ102は、通信ネットワーク108上の種々の送信先のためのデータトラフィックを生成する。実施形態において、ユーザ102は、ネットワーク108に接続されたクライアントにコンテンツを提供するウェブサービスプロバイダであり得る。
【0027】
転送デバイス104は、ユーザ102をネットワーク108に接続する。転送デバイス102は、監視デバイス106に接続される。実施形態において、監視デバイス106は、チャネルをクリティカルトラフィックにどのように割り当てるかに関するユーザポリシーについての情報を保持する。ユーザにより作成されたポリシーを用い、監視デバイス106は、構成信号を転送デバイス104へ送信する。構成信号に基づき、転送デバイス104は、ユーザ102のデータストリームへのチャネル割り当てを制御する。言い換えると、監視モジュール106による決定に基づき、転送モジュール104は、専用チャネルをユーザのクリティカルデータストリームへ割り当てる、または、共用チャネルをユーザの非クリティカルデータストリームに割り当てる。
【0028】
ユーザ102により生成されたデータストリーム、およびユーザ102が送信先であるデータストリームを管理するポリシーは、同じであり得る、または異なり得る。例示的な実施形態において、ユーザ102は、ユーザ102より生成されたデータストリームのみがクリティカルとなり得るというポリシーを作成し得る。他の例示的な実施形態において、ユーザ102への、またはユーザ102からの特定のデータストリームがクリティカルとなり得、両方向において異なるチャネル容量割り当てが行われ得る。
【0029】
例えば、ユーザ102は、ユーザ1の端末のあるサブセットにより生成された全てのデータストリームがクリティカルとなるようポリシーを作成し得る。ユーザ102はさらにそのポリシーにおいて、各端末により生成された各クリティカルデータストリームが専用チャネル容量を割り当てられるべきであるということを特定し得る。全てのクリティカルストリームに関するチャネル容量が、同じであり得る、または異なり得る。他の例において、ユーザ102は、そのデータストリームのあるサブセットがクリティカルであり、そのデータストリームの残りがクリティカルではないというポリシーを作成し得る。ユーザはそのポリシーにおいて、非クリティカルトラフィックが共用のチャネル容量を共有することを特定し得る。
【0030】
図1Bは、ネットワーク108上で接続をユーザ102bに提供するシステム100bを例示している。実施形態によると、ユーザ102bは、スイッチ107のポート103に接続している、端末102b1、...、102bNなどの種々の端末からデータトラフィックを生成し得る。スイッチ107は、Ethernet(登録商標)またはTokenリングなどの技術を用いるローカルエリアネットワーク(LAN)109に接続され得る。スイッチ110を介するローカルエリアネットワーク109は、ルータ112を介するネットワーク108に接続される。本図に示されている例示的な実施形態において、ルータ112は、ユーザ102bにより生成された種々のデータストリームに割り当てられるチャネル容量を制御し得る。本実施形態において、監視デバイス106は、ルータ112に接続されている。
【0031】
他の実施形態において、スイッチ107またはスイッチ110は、ユーザ102bにより生成された種々のデータストリームに割り当てられるチャネル容量を制御し得る。そのような実施形態において、監視デバイス106は、それぞれの制御スイッチに接続され得る。
【0032】
監視デバイス106は、専用チャネルが、ユーザ202からのトラフィックの各ストリームに割り当てられるべきであるかを判断し得る。監視デバイス106は、ユーザにより作成されたポリシーに基づき、そのような判断を行う。実施形態において、監視デバイス106は、チャネル容量が、ユーザのポリシーに従ってユーザ102bのクリティカルトラフィックストリームに割り当てられるようルータ112を構成すべく信号をそのルータへ送信する。
【0033】
図2は、転送デバイス104および監視デバイス106をより詳細に示すシステム200を例示する図である。転送デバイス104は、転送モジュール210と制御モジュール212とを含み得る。転送モジュール210は、転送デバイスへの入力部上でデータストリーム内のパケットを受信する。転送モジュール210はさらに、パケットの送信先アドレスに従って出力部へパケットを送信する。
【0034】
制御モジュール112は、データストリームに割り当てるチャネルの容量を制御する。例えば、制御器114が、ユーザ102により作成されたポリシーで特定されているクリティカルストリームに関する容量に従って、そのようなストリームを送信するための容量をプロビジョニングする。
【0035】
実施形態において、監視デバイス106は、ポリシーテーブル214と監視モジュール216とを含む。ポリシーテーブル214は、そのデータストリームに関してユーザ102が作成したポリシー情報を保持する。例えば、ポリシーテーブル114は、どのタイプのデータストリームをユーザ102がクリティカルと見なすかを示す情報を有する。例えば、ユーザ102は、特定の送信先を送信先とする全てのデータストリームをクリティカルと見なし得る。ユーザ102が複数の端末を含む他の例において、ユーザ102は、ある端末により生成された全てのトラフィックをクリティカルと見なし得る。クリティカルデータストリームの他の例には、ある送信先アドレスを有する、ある期間の間に生成されたトラフィックが含まれる。ユーザ102はそのポリシーにおいて、どれだけの量の容量が、各クリティカルストリーム専用とされるか定義する。
【0036】
実施形態において、ユーザ102にとって利用可能な帯域幅全体が、図3に示されるように分割され得る。 ユーザチャネル割り振り
【0037】
図3は、ユーザのデータストリームへのチャネル容量割り当て300の例を例示する図である。帯域幅の一部を特定のチャネルに割り当てるべく、周波数分割多重化、符号分割多重化、時分割多重化、または任意の他の多重化スキームを含む様々な技術が利用可能である。例示として、周波数分割多重化が図3に示されている。
【0038】
図3において、帯域幅301が、ユーザ102の全てのデータストリームにとって利用可能である。共用チャネル302が、ユーザの全ての非クリティカルトラフィックにとって利用可能である。言い換えると、ユーザ102の全ての非クリティカルトラフィックが、チャネル302を共有する。バンドルチャネル304が、ユーザ102の全てのクリティカルトラフィックストリームに割り当てられる。一実施形態において、全てのクリティカルトラフィックストリームが、バンドルチャネル304を共有する。多重アクセス/衝突回避方式(MACA)、搬送波感知多重アクセス(CSMA)、分散コーディネーション機能(DCF)などの容量共有およびチャネルアクセスアルゴリズムが、共用チャネル上でデータを搬送するのに用いられ得る。
【0039】
他の実施形態において、クリティカルデータストリームに、バンドルチャネル304全体を共有させる代わりに、バンドルチャネル304内の専用チャネルが、データストリームのうちそれぞれのために割り当てられ得る。特に、バンドルチャネル304の一部である第1および第2専用チャネル304aおよび304bが、ユーザ102のそれぞれの第1および第2クリティカルデータストリームに割り当てられる。
【0040】
例において、100Mbps帯域幅が、ユーザ102の全てのデータストリームにとって利用可能であり得る。10Mbps帯域幅のチャネルが、ユーザの全ての非クリティカルトラフィックにとって利用可能であり得、90Mbpsのバンドルチャネルが、ユーザの全てのクリティカルトラフィックストリームにとって利用可能であり得る。ユーザは、10Mbps帯域幅をそれぞれが有する9つの専用チャネルを、9つのクリティカルデータストリームのために有し得る。代替的に、ユーザは、第1のクリティカルデータストリームに割り当てられた40Mbps帯域幅の第1専用チャネルと、第2のクリティカルデータストリームに割り当てられた60Mbps帯域幅の第2専用チャネルとを有し得る。 クリティカルデータストリームおよび共用データストリームへのチャネル割り振り
【0041】
図4は、データストリームのためのチャネルを判断するための方法400を例示するフローチャートである。方法400は、図1A〜1B、2および3における例示的な実施形態に関して説明される。
【0042】
図4を参照すると、方法400は、新たなデータストリームを受信することにより、段階402において始まる。実施形態において、その新たなデータストリームは、ユーザ102により生成され得る。他の実施形態において、その新たなデータは、ユーザ102に入ってきてユーザ102が送信先であるものであり得る。実施形態において、図2に例示されている転送デバイスの転送モジュール210が、新たなデータストリームを受信する。
【0043】
各データストリームは、共用の、(1)プロトコル、(2)送信元/送信先インターネットプロトコル(IP)アドレス、および(3)送信元/送信先Transport Control Protocol(TCP)またはUser Datagram Protocol(UDP)ポートを有する、互いに時間的に近接した1または複数のパケットであり得る。これらの特性を有するパケットの受信の後、ある時間量が過ぎた場合に、転送デバイスはフローが終わったと判断し、これらの特性を有する何らかの追加のパケットを転送デバイスが受信した場合、転送デバイスはそれらパケットを、新たなデータストリームに属するもの見なす。
【0044】
一旦新たなデータストリームが受信され識別されると、転送デバイスは、新たなデータストリームがユーザにとってクリティカルかを段階404において判断する。実施形態において、図2における転送デバイスの監視モジュール216は、ポリシーテーブル214に格納された、ユーザにより作成されたポリシーを用い、データストリームがクリティカルかを判断する。
【0045】
データストリームがクリティカルである場合に、段階408において方法400は、バンドルチャネル304からの専用チャネルをデータストリームに割り当てる。例えば、方法400は、第1専用チャネル304aを、ユーザ102の第1のクリティカルデータストリームに割り当て得る。一部の実施形態において、制御器モジュール112は、監視モジュール210から受信した構成信号に基づき、専用チャネルをデータストリームに割り当てる。
【0046】
データストリームがクリティカルではない場合に、方法400は、段階406において、共用チャネル302をデータストリームに割り当て得る。実施形態において、制御モジュール212は、共用チャネルをデータストリームに割り当てる。
【0047】
図5は、データストリームがクリティカルであるかを判断し、そのデータストリームのためのチャネルを判断するための方法500を例示するフローチャートである。方法500は、図1A〜1B、2および3における例示的な実施形態に関して説明される。
【0048】
図5を参照すると、方法500は、ユーザ102から転送デバイス104への共用チャネル302上で新たなデータストリームの第1パケットを受信することにより始まる。一部の実施形態において、転送デバイス104内の転送モジュール210が、第1パケットを受信する。
【0049】
方法500は、段階504において、共用チャネル302上で、データストリームの第1パケットを送信先へ転送する。実施形態において、転送モジュール210は、新たなデータストリームの第1パケットを受信した後、ユーザ102に属する共用チャネル302上で、第1パケットを送信先へ転送する。
【0050】
段階506において、データストリームの第1パケットの少なくとも一部のコピーが、図2におけるポリシーデバイス106、および具体的には、監視デバイス106の監視モジュール216などのポリシーデバイスに転送される。パケットのその一部は、パケットについての情報を含む一部、例えば、パケットのヘッダーであり得る。一例において、パケットの最初のX個のビットが、監視モジュール上へと転送され得る。
【0051】
段階508において、監視モジュールは、第1ストリームがクリティカルデータを含むかを判断する。実施形態において、監視モジュールは、パケットの一部のコピー内の情報を用いてデータストリームを識別する。監視モジュールは、そのポリシーテーブル内に格納された、データストリームに関するユーザポリシーを用いて、データストリームが、ユーザのポリシーによるとクリティカルであるかを判断する。
【0052】
段階508を完了すべく、監視モジュールは、パケットの送信元または送信先アドレスを用いて、データストリームに関してユーザ102が作成した対応するポリシーを識別し得る。例えば、あるアドレスを送信先とする全てのデータストリームがクリティカルであるというポリシーをユーザが作成した場合であって、データストリームが、その特定された送信先を送信先とすることを第1パケットのヘッダー情報が示す場合、ストリームはクリティカルであると識別される。
【0053】
段階512においてデータストリームがクリティカルであると判断された場合に、データストリームのパケットが、送信先への専用チャネル上で転送される。パケットを転送すべく、監視モジュール216は、転送デバイス104内の制御モジュール212へ、ユーザ102の特定されたポリシーに従って専用チャネルをストリームへ割り当てるよう制御モジュール212に命令する信号を送信し得る。
【0054】
データストリームがクリティカル情報を含まないと判断された場合に、段階510において、データストリームの後続のパケットが、送信先への共用チャネル302上で転送され続ける。例えば、ユーザが送信先アドレスに基づきクリティカルデータストリームを定義した場合、ユーザ102がクリティカルとして定義した送信先の何れもデータストリーム内の第1パケットの送信先アドレスが有さないとポリシーモジュール216が判断した場合に、ポリシーモジュール216は、そのデータストリームがクリティカルではないと判断する。続いて、ポリシーモジュール216は、転送デバイス104の制御モジュール212へ信号を送信して、送信先への共用チャネル302上でデータストリームの残りのパケットを送信し得る。共用チャネル302は、ユーザの非クリティカルデータ間で共有され得る。 クリティカルデータストリーム間の容量の割り振り
【0055】
図5を参照して論じたように、データストリームがクリティカルデータを含むと判断された場合に、専用チャネルがそれに割り当てられる。専用チャネル内で容量が利用可能である場合に、クリティカルデータストリームの後続のパケットが、その専用チャネル上で送信される。実施形態においては、専用チャネル上で容量が利用不可能である場合に、クリティカルデータストリームのパケットを送信する方法が説明される。
【0056】
図6は、パケットを専用チャネルに割り当てるための方法600を例示するフローチャートである。ここでも、方法600は、図1A〜1B、2および3における例示的な実施形態に関して説明される。
【0057】
図6を参照すると、方法600は、段階602において開始して、ユーザ102の全てのクリティカルデータストリームを送信するためにバンドルチャネル304を割り当てる。実施形態において、監視モジュール216はユーザのポリシーを検討して、ユーザ102の全てのクリティカルデータストリームに割り当てられるべきバンドルチャネルの容量を判断する。監視モジュール216は、ユーザ102の全てのクリティカルデータストリームにバンドルチャネル304を割り当てるよう制御器モジュール212を構成するための信号を送信し得る。
【0058】
方法600は、段階604において、ユーザ102のデータストリームがクリティカルであるかを判断する。データストリームがクリティカルであるかを判断するのに、図5に関連して上に説明された実施形態が用いられ得る。データストリームがクリティカルではないと方法600が判断した場合に、方法600は、段階616で終わる。
【0059】
データストリームがクリティカルであると監視モジュールが判断した場合に、それは、段階606において、バンドルチャネル304内の専用チャネルをデータストリームに割り当てるよう転送デバイス内の制御モジュールに命令する信号を制御モジュールに送信する。
【0060】
段階608において、制御モジュール212は、データストリームの専用チャネルにおいて、データストリームの後続のパケットを送信するのに利用可能な容量があるかを判断する。例えば、第1専用チャネル304aがデータストリームに割り当てられている場合、段階608において、制御モジュール212は、チャネル304b上に、後続のパケットを転送するために利用可能である空き容量があるかを判断する。実施形態において、制御器モジュール212は、専用チャネルを用いるデータストリームのパケットにとって利用可能である空き容量があるかを判断する。専用チャネル上に空き容量が利用可能である場合に、制御器モジュール212は、その専用チャネル上で後続のパケットを送信する。実施形態において、利用可能な容量がある場合に、制御器モジュール212は、データストリームに割り当てられた専用チャネル上でのクリティカルデータストリームの後続のパケットの送信を制御する。
【0061】
必要とされる容量が、データストリームの後続のパケットのために専用チャネル上で利用不可能であると制御器モジュール212が判断した場合に、方法600は、バンドルチャネル内の何らかの空き容量上でパケットを送信する。例えば、クリティカルデータストリームに割り当てられた専用チャネル上に空き容量がない場合に、クリティカルデータストリームの何らかの後続のパケットが、何らかの利用可能なバンドルチャネル内の帯域幅、タイムスロット、または符号語を用い送信される。実施形態において、制御器モジュール212は、専用チャネル上でパケットを送信するための、および、データストリームに割り当てられた専用チャネル上で利用可能な空き容量がない場合に、バンドルチャネル上でパケットを送信するための、空き容量の利用可能性を判断する。
【0062】
段階612において、方法600は、そのパケットに、他のデータストリームの専用チャネルを用いる任意の他のクリティカルデータストリームの任意の他のパケットより低い優先度を割り当てる。実施形態において、制御器モジュール112は、より低い優先度をパケットに割り当てる。
【0063】
図7は、パケットを専用チャネルに割り当てるための方法700を例示するフローチャートである。方法700は、図1A〜1B、2および3における例示的な実施形態に関して説明される。
【0064】
図7を参照すると、方法700は、クリティカルデータストリームのパケットを受信することにより、段階702において開始する。段階704において、方法700は、パケットをデータストリーム専用のチャネル上で送信するのに利用可能な空き容量があるかを判断する。
【0065】
パケットにとって利用可能である容量がある場合に、方法700は、段階708において、専用チャネル上でパケットを転送する。空き容量が利用可能でない場合に、方法700は、段階706において、ユーザ102に割り当てられた共用チャネル302上でパケットを転送する。図2示されている実施形態において、制御モジュール212は、専用チャネル上でパケットにとって利用可能な空き容量があるかを判断する。専用チャネル上で利用可能な帯域幅がある場合に、制御モジュール212は、専用チャネル上でパケットを転送するよう転送モジュール210に命令し得る。パケットにとって利用可能な空き容量が専用チャネル上にない場合に、制御器モジュール212は、ユーザ102の共用チャネル304上でパケットを転送するよう転送モジュール210に命令し得る。実施形態において、共用チャネル304上で転送される全てのトラフィックが、共用チャネルの容量を共有する。
【0066】
図8は、パケットを専用チャネルに割り当てるための方法800を例示するフローチャートである。方法800は、図1A〜1B、2および3における例示的な実施形態に関して説明される。
【0067】
図8を参照すると、方法800は、クリティカルデータストリームのパケットを受信することにより、段階802において開始する。段階804において、方法800は、パケットをデータストリーム専用のチャネル上で送信するのに利用可能な空き容量があるかを判断する。
【0068】
パケットにとって利用可能である容量がある場合に、方法800は、段階806において、専用チャネル上でパケットを転送する。容量がパケットにとっては不十分である場合に、方法800は、段階806において、パケットをドロップする。実施形態において、制御モジュール212は、専用チャネル上でパケットにとって利用可能な空き容量があるかを判断する。専用チャネル上で利用可能な帯域幅がある場合に、制御モジュール212はさらに、専用チャネル上でパケットを転送するよう転送モジュール210に命令し得る。パケットにとって利用可能な空き容量が専用チャネル上にない場合に、制御器モジュール112は、パケットをドロップするよう転送モジュール110に命令し得る。 専用チャネル割り当ての終了
【0069】
図9は、専用チャネル割り当てを終了させるための方法900を例示するフローチャートである。方法900は、図1A〜1B、2および3における例示的な実施形態に関して説明される。
【0070】
図9を参照すると、方法900は、データストリームがクリティカルであるかを判断することにより、段階902において開始する。図4に関連して上で論じられたものと同じ手法が、そのような判断に用いられ得る。段階904において、方法900は、データストリームの終わりを示す「完了」信号を受信したかを判断する。実施形態において、制御器モジュール212は、「完了」信号を受信したかを判断する。段階906において、方法900は、データストリーム内で受信した新たなパケットが任意の期間の間にあったかを判断する。実施形態において、制御器モジュール212がそのような判断を行う。
【0071】
そのデータストリームに関して「完了」信号を受信した、または、データストリーム内で受信した新たなパケットが任意の期間の間になかった場合に、段階908において、方法900は、データストリームへの専用チャネル割り当てを終了させる。実施形態において、制御モジュール212は、そのようなこの終了に関して転送モジュール104に命令する。 他の例示的な実施形態
【0072】
例示的な実施形態において、ネットワークコンテンツプロバイダが、そのユーザへのネットワーク上での送信のためのクリティカルトラフィックを生成し得る。例えば、ビデオコンテンツプロバイダが、そのビュアーのためにビデオトラフィックを生成し、そのトラフィックをクリティカルであると見なし得る。コンテンツプロバイダは、本例において、それが生成するトラフィックストリームのうち全てに専用チャネルが割り当てられるとのポリシーを作成し得る。このように、コンテンツプロバイダは、そのデータトラフィックがネットワーク上でトラフィックのうち残りと同じチャネルを共有しないよう、サービスを、例えば、そのクライアントへのビデオストリーミングサービスを提供することが可能であるとされる。結論
【0073】
本明細書で用いられる用語「ユーザ」は、ネットワーク接続性サービスを利用する企業の従業者などのネットワーク接続性サービスの顧客と、サービスプロバイダ自体のネットワーク管理者との両方を包含し得る。ユーザは、種々の会社または組織に存在してもよい。
【0074】
ポリシーテーブル214は、不揮発性メモリを含む、任意の格納されるタイプの構造化されたメモリであり得る。例において、各データベースは、リレーショナルデータベースまたはファイルシステムとして実装され得る。
【0075】
図2のサーバおよびモジュールのうちそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。
【0076】
図2のサーバおよびモジュールのうちそれぞれが、同じ、または種々のコンピューティングデバイス上に実装され得る。そのようなコンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのモバイルデバイス、ワークステーション、組み込みシステム、ゲームコンソール、テレビ、セットトップボックス、または任意の他のコンピューティングデバイスを含み得るが、それらに限定されない。さらに、コンピューティングデバイスは、命令を実行および格納するためのプロセッサと非一時的メモリを含むメモリとを有するデバイスを含み得るが、それに限定されない。メモリはデータおよびプログラム命令を有形で具現化し得る。ソフトウェアは1または複数のアプリケーションとオペレーティングシステムとを含み得る。ハードウェアは、プロセッサ、メモリ、およびグラフィカルユーザインタフェースディスプレイを含み得るが、それらに限定されない。コンピューティングデバイスは、複数のプロセッサおよび複数の共有される、または別個のメモリ構成要素も有し得る。例えば、コンピューティングデバイスはクラスタ化されたまたは分散された、コンピューティング環境またはサーバファームの一部または全体であり得る。
【0077】
(a)、(b)、(i)、(ii)などの識別子が種々の要素または段階に関して用いられることがある。これらの識別子は明確性をもたらすために用いられ、必ずしもそれら要素または段階の順序を示すものではない。
【0078】
本願発明は、特定されている機能およびそれらの関係の実装を例示する機能的構成ブロックを用いて上で説明された。これらの機能的構成ブロックの境界は,説明の利便性のために本明細書で任意に画定されている。特定されている機能およびそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界が画定され得る。
【0079】
特定の実施形態についての前述の説明は、本願発明の一般的な性質を十分に完全に明らかにしているであろうため、他の人々が、当技術分野の技術内の知識の適用によって、過度な実験を行うことなく、本願発明の一般的概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に関して容易に変形および/または適合させ得る。したがって、そのような適合例および変形例は、本明細書に提供されている教示および指導に基づいて、開示されている実施形態の同等物の趣旨および範囲内にあることが意図されている。本明細書の表現法または用語は説明を目的とするものであり限定を目的とするものではなく、よって、本明細書の用語または表現法は教示および指導を考慮して当業者によって解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【0080】
本願発明の広さおよび範囲は、上で説明された例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその同等物のみに従って定義されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9