(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603313
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】γ線ラジオグラフィー用の保護装置
(51)【国際特許分類】
G21F 1/08 20060101AFI20191028BHJP
G21F 3/00 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
G21F1/08
G21F3/00 L
G21F3/00 S
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-517028(P2017-517028)
(86)(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公表番号】特表2017-534857(P2017-534857A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015049886
(87)【国際公開番号】WO2016053601
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年7月12日
(31)【優先権主張番号】62/058,287
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517304543
【氏名又は名称】キューエスエー グローバル インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ポール エフ.ベンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジャック クロスビー
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0334443(US,A1)
【文献】
特開2012−093264(JP,A)
【文献】
特開平07−239520(JP,A)
【文献】
国際公開第02/031834(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 1/08
G21F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を有した第1の半部分と、
第2の面を有した第2の半部分を具備し、
前記第2の面は第1の位置において前記第1の面に係合し、第2の位置において前記第1の面から分離し、
前記第1の半部分は第1の突起および第1のアンダーカット凹部を有し、前記第2の半部分は第2の突起および第2のアンダーカット凹部を有しており、前記第1の位置において、前記第1の突起が前記第2のアンダーカット凹部内に係合し、前記第2の突起が前記第1のアンダーカット凹部内に係合し、
前記第1と第2の面の間に通路が形成されており、該通路は第1の端部開口および第2の端部開口を有し、該通路は迂回要素を含み、前記第1の端部開口と前記第2の端部開口との間には見通し線が存在しないようになっており、
前記通路から離れるγ線の散乱を減少させる放射線シャッター機構が、前記通路内に突出し、同通路外に退出するように形成されているラジオグラフィー用シールド。
【請求項2】
前記第1の半部分および前記第2の半部分はタングステンから成る請求項1に記載のラジオグラフィー用シールド。
【請求項3】
前記第1の半部分および前記第2の半部分は、放電加工を用いて単一の材料ブロックから製造される請求項1に記載のラジオグラフィー用シールド。
【請求項4】
前記迂回要素は、前記第1の端部開口と前記第2の端部開口との間の見通し線を妨げる上方に隆起する前記通路の中央部を含む請求項1に記載のシールド。
【請求項5】
前記迂回要素は少なくとも部分的にS字形の要素を含む請求項1に記載のシールド。
【請求項6】
前記放射線シャッター機構はタングステン製である請求項1に記載のシールド。
【請求項7】
前記放射線シャッター機構は手動操作される請求項1に記載のシールド。
【請求項8】
線源通路を通って延び前記放射線シャッター機構を手動操作するボタンを更に備える請求項7に記載のシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年10月1日に提出された米国仮特許出願第62/058287号の、米国特許法第119条(e)項の下の優先権を主張する。この仮特許出願の内容は、引用することによりその全体があらゆる目的で本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、S字形通路を有するラジオグラフィー用シールドであって、ラジオグラフィー用シャッター機構が更に組み込まれているラジオグラフィー用シールドと、ラジオグラフィー装置用の保護ジャケットとに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、γ線ラジオグラフィーの現場における保護の必要性は確立され自明である。ラジオグラフィーの安全性を維持する一方で、より経済的かつより使用が簡単であるとともに効率的な作業手順をもたらすような改良が模索され続けている。
【0004】
例えば、従来のタングステンシールドは、機械加工された直管設計またはS字管設計のいずれかとする必要がある。直管設計では、従来の機械加工法を用いて加工することができるが、この設計は、線源または線源アセンブリの前部に取り付けられるシールドを必要とする。この設計は、実施することができるラジオグラフィーの種類を制限する。S字管設計は通常は鋳造プロセスを必要とするが、鋳造プロセスは、高価であり得るとともに、遮蔽効率を下げる場合がある空隙を材料内に生む可能性がある。
【0005】
同様に、従来のタングステンシールドは、機械加工された「直管」設計または「S字」管設計のいずれかとする必要がある。直管設計は、従来の機械加工法を用いて加工することができるが、この設計は、線源の前部に取り付けられるシールドを必要とする。このことは、実施することができるラジオグラフィーの種類を制限し得る。
【0006】
最後に、従来技術は、金属ハンドルを用いるラジオグラフィー装置用の保護ジャケットを含む。しかしながら、これは望ましいほど人間工学的でなく、通常は装着機構を備えない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、γ線ラジオグラフィーでの保護の分野における種々の装置に関する。本開示は、γ線ラジオグラフィー用シールド内の相互係合シールドおよび線源通路と、γ線ラジオグラフィー装置用の保護ジャケットとに関する。
【0008】
本開示の更なる目的および利点は、以下の説明および添付図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示の相互係合シールドの第1の実施形態の2つの部分を分離構成で示す正面斜視図である。
【
図1B】本開示の相互係合シールドの第1の実施形態の2つの部分を組付け構成で示す正面斜視図である。
【
図2A】本開示の相互係合シールドの第2の実施形態の2つの部分を分離構成で示す正面斜視図である。
【
図2B】本開示の相互係合シールドの第2の実施形態の2つの部分を組付け構成で示す正面斜視図である。
【
図3】本開示の線源通路の一実施形態の側面断面図である。
【
図4】
図3の線源通路と組み合わせて用いられるシャッター機構の一実施形態を含む放射線装置の図である。
【
図5】成形ポリマー保護ジャケットの一実施形態の斜視図である。
【
図6】
図5の成形ポリマージャケットを備えるγ線ラジオグラフィー装置の一実施形態の斜視図である。
【
図7】小領域包含ラジオグラフィー(SCAR:small contained area radiography)装着機構を用いているのを示す、
図5、6の成形ポリマー保護ジャケットを備えるγ線照射装置の一実施形態の斜視図である。
【
図8】ラチェットストラップ用の装着穴を示す、成形ポリマー保護ジャケットの一実施形態の詳細側面図である。
【
図9】SCAR機構用の装着穴を示す、成形ポリマー保護ジャケットの一実施形態の詳細底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで
図1A、1Bを参照すると、γ線ラジオグラフィー用の相互係合シールド10の第1の実施形態が示されている。この実施形態では通常、単一のタングステン片は、ワイヤEDM(放電加工)を用いて第1の半部分12および第2の半部分14に加工される。第1の半部分12は縦向き凹部15を有し、この縦向き凹部15は、第2の半部分14の縦向き凸部13を受ける。線源通路30(
図3、4に関してより詳細に記載)の端部40は、第1の半部分12に開口している。
【0011】
代替的な一実施形態が
図2A、2Bに示されている。この実施形態は、第1の半部分12および第2の半部分14の外形の対向部分にジグソーパズルタイプの特徴を有し、ここでは、第1の半部分12が第1の突起16を有し、この第1の突起16は、第2の半部分14の第2のアンダーカット凹部18に密に相互係合する。同様に、第2の半部分14は第2の突起20を有し、第2の突起20は、第1の半部分12の第1のアンダーカット凹部22に密に相互係合する。このパターンは、通常は第1の半部分12および第2の半部分14を互いにボルト止めする必要なく、極めて頑丈な組立体とするように組立体を単一の自由度に制限する相互係合機構をもたらす。このパターンは、γ線の直接的な通路を低減するオフセットされた重ね接合部の使用を可能にすることにより、放射線遮蔽を改善する。別個の第1の半部分12および第2の半部分14の使用により、線源通路30を各半部分に加工することができる。これは、通常はタングステンを鋳造する必要なく、固有の線源通路形状を形成することを可能にする。シールドを取外し可能および分解可能であることで、保守点検が可能になる。
【0012】
それにより、この設計は、最大接合部設計、確実な相互係合を可能にしながら加工タングステンの放射線遮蔽性を利用し、またシールド10内への固有の線源通路の加工を可能にする。
【0013】
図3、4は、放射線シャッター機構42を備えるシールド10に関する。
図3は、通常はタングステン製であり、線源通路30を形成するS字通路を有するシールド10(
図1A、1B等に示す)を示している。S字通路または線源通路30には上方隆起部36があるので、線源通路30の第1の端部38と第2の端部40との間では直接的なまたは直線的な開放路(すなわち見通し線)が存在せず、それにより、特にシールド10の好ましいタングステン組成に鑑みて第1の端部38と第2の端部40との間に放射線遮蔽がもたらされることに留意されたい。
図4は、線源通路28に形成されているシャフト43を通って(図示の向きにおいて)鉛直方向に移動する放射線シャッター機構42(通常はタングステン製)と組み合わされている、変更されたS字管線源通路30を有する放射線装置100(
図6〜
図9に示すように保護ジャケット200が係合している)を示している。シャッター機構42は通常、シールド10の底面を通って通路41に貫通するねじ44によって手動操作される。「緩やかなS字」線源通路30は、プロジェクターフロントプレートまたはコリメーターアセンブリが取り付けられる場合に十分な遮蔽をもたらす。シャッター機構42は通常、γ線ラジオグラフィー装置100のモード変更時に(例えば、プロジェクターフロントプレートからコリメーターアセンブリへの変更時に)放射線源400の遮蔽をもたらすように操作される。通常、放射線シャッター機構42の主要な目的は、放射線技師が装置をSCAR(小領域包含ラジオグラフィー)モードからプロジェクターモードに変更しているときに線源通路30から離れるγ線の散乱を減少させることである。
【0014】
通路30に上方隆起部36を含むS字形設計は、
図4に示すように、放射線源400等から線源通路30の第2の端部40を通って線源通路30から離れる放射線の直接的な通路を妨げるように十分な遮蔽をもたらすことが意図されている。これは、(モード変更時の)シャッター機構42と組み合わせて、シールド設計の一アプローチを提供する。シャッター機構42は通常、モード変更時にのみ遮蔽をもたらすことに使用される。
【0015】
この実施形態は、SCARアセンブリおよびプロジェクターフロントプレートアセンブリの遮蔽の利益を享受する。
【0016】
図5〜
図9は、γ線ラジオグラフィー装置100用の保護ジャケット200の一実施形態に関する(保護ジャケット200は
図4にも同様に示されている)。
図6、7は、保護カバーおよびラジオグラフィー装置100の運搬用具として使用されるポリマー成形ジャケット200に関する。保護ジャケット200は、内向きの指用成形窪み204を有するハンドル202を備える。第1の環状部206および第2の環状部208が、放射線装置200に係合するための円筒形空間210を形成する。下底部212(部分的に円筒形であり得る)が、第1の環状部206と第2の環状部208とを接合し、放射線装置100の制御部へのアクセスを提供するために、第1の環状部206の上部と第2の環状部208の上部との間に開放空間214が形成されている。さらに、第1の環状部206の端部は開口216を有し、放射線装置100は、この開口216に通して保護ジャケット200によって係合されるかまたは保護ジャケット200から係脱される。第2の環状部208は、放射線装置100を固定するための閉鎖端部壁218を有する。
図7〜
図9に示すように、図示の保護ジャケット200は、放射線装置100がSCARユニットとして動作するときの装着機構を更に可能にする。業界標準の単純な金属ハンドルではなく成形ポリマーを基にした保護ジャケット200を使用することにより、保護ジャケット200の図示の実施形態は、ラチェットスナップ構造300または他の固定キット用の下底部212の側部にある装着穴220(
図8を参照)等の一体型SCAR装着機構を可能にする。
図7は、保護ジャケット200の底にある装着穴220(
図9を参照)を介して保護ジャケット200の下底部212の底に取り付けられる第1の側部を有するSCAR装着具400を更に示している。SCAR装着具400は、ポール500(建築設備としてもよい)の曲面または同様の構造に係合する第2の側部を更に有する。この保護ジャケット200は、従来技術の保護ジャケットに比較してより人間工学的な製品を更に提供する。
【0017】
このように、いくつかの上述の目的および利点が最も効果的に達成される。本発明の好ましい実施形態を本明細書において詳細に開示および記載したが、本発明はそれによっていかなる意味でも制限されないことが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0018】
10 シールド
12 第1の半部分
13 凸部
14 第2の半部分
15 凹部
16 第1の突起
18 第2のアンダーカット凹部
20 第2の突起
22 第1のアンダーカット凹部
28 線源通路
30 通路
36 上方隆起部
38 第1の端部
40 第2の端部
41 通路
42 シャッター機構
43 シャフト
100 γ線ラジオグラフィー装置
200 保護ジャケット
202 ハンドル
206 第1の環状部
208 第2の環状部
210 円筒形空間
212 下底部
214 開放空間
216 開口
218 閉鎖端部壁
220 装着穴
300 ラチェットスナップ構造
400 放射線源
500 ポール