(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)前記ポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で混合することによって、エチレンコポリマーエラストマーゴム中に前記ポリアミドを分散し、ブレンドを提供するステップと、
(ii)任意選択的に相溶化剤を添加するステップと、
(iii)前記ブレンドが200未満のMooney粘度(ML 1+4、125℃)を有するように、前記ポリアミドの結晶化ピーク温度未満まで前記ブレンドを冷却するステップと、
(iv)任意選択的に、前記(iii)からのブレンドに同一または異なるエチレンコポリマーエラストマーゴムを混合して、5phrまたはそれ未満のポリアミドを含んでなる、ポリアミドとエチレンコポリマーとのブレンドを製造するステップと、
(v)前記ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で、5phrまたはそれ未満のポリアミドを含んでなる前記ブレンドに硬化剤を添加するステップと
を含んでなる、請求項1に記載の硬化性組成物の製造方法。
【背景技術】
【0002】
エチレンコポリマーエラストマーは、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのアルファ−オレフィンとから重合される。コモノマーは室温でエチレン結晶化度を崩壊させ、あるいは硬質の非エラストマー性ポリマーを生じさせる。典型的に、熱硬化用途において低モジュラスおよび良好な弾性回収を達成するために、エチレンコポリマーエラストマーは約75重量%未満のエチレンを含んでなる。
【0003】
約70℃を超える温度に対する耐性を必要とするエラストマー用途に関して、エチレンコポリマーエラストマーは架橋されなければならない。エラストマーをペルオキシドと混ぜ合わせることによって、または物品を電子ビームなどの高エネルギー放射線に暴露することによって、フリーラジカル架橋が達成されてもよい。フリーラジカル硬化に対する改善された反応性は、不飽和硬化部位モノマーをエチレンおよびアルファ−オレフィンと共重合することによって達成することができる。また不飽和硬化部位モノマーは、硫黄、フェノール樹脂またはヒドロシリル化によるエチレンコポリマーエラストマーの硬化を可能にする。
【0004】
エチレンコポリマーエラストマーは、不共役ジエン硬化部位モノマーの有無にかかわらず、エチレンおよびアルファ−オレフィンを含んでなる。エチレン、プロピレン、およびエチリデンノルボルネンなどの不共役ジエンモノマーを含んでなるエチレンコポリマーエラストマーは、広範囲に利用可能であり、かつEPDMゴムとして既知である。未架橋の状態で、これらのポリマーは、エチレンコポリマーエラストマーゴムまたはエチレンコポリマーエラストマーゴムと一般に呼ばれる。商業的に入手可能な架橋性エチレンコポリマーエラストマーゴムの例には、The Dow Chemical Company,Midland Michigan,USAからのEngage(登録商標)およびNordel(登録商標)、ならびにExxon−Mobil Corp,Irving,TX,USAからのVistalon(登録商標)およびExact(登録商標)が含まれる。得られる架橋された物品は、良好な耐熱性および耐水性ならびに望ましい電気特性を有し、このことから、それらは、ワイヤーおよびケーブルジャケット、ならびにホース、イグニッションケーブルジャケットおよびブート、防振部材、目詰め材およびシールを含む広範囲の自動車用途に適切となる。
【0005】
熱老化に対する耐性は、ある種のワイヤーおよびケーブルジャケット用途、ならびにフード自動車用途、例えば、ホース、ガスケットおよびシールで使用されるゴム部分で特に望ましい特性である。そのような部分は、定期的に数時間までを含む時間で150℃を超える温度に暴露され得るため、酸化脆化による物理的特性の悪化が生じる可能性がある。エチレンコポリマーエラストマーにおいては、架橋された物品の強度および伸張性の低下が起こることが多い。そのような影響は、例えば、the ACS Rubber Division technical meeting,October 2011においてM.Welkerによって発表された「A New Grade of EPDM with Improved Processing Characteristics for Automotive Hose」の公開された発表において開示される。架橋されたエチレンコポリマーエラストマーコンパウンドの熱老化耐性を向上させる方法には、一定の硬度を維持するために、コンパウンド中のエチレン含有量を増加させること、そしてカーボンブラック含有量を減少させることが関与するが、高エチレン濃度はポリマー結晶化度を増加させ、弾性特性を低下させる。より有効な酸化防止剤も求められた。しかしながら、エチレンコポリマーエラストマーコンパウンドからの架橋された物品の高温耐性を改善することがなお必要とされている。
【0006】
エチレンコポリマーエラストマーコンパウンドは、一般に、強化充填剤および可塑剤を含んでなる。強化充填剤は、硬化されたコンパウンドの硬度および強度を増加させ、それに対して、可塑剤は、コンパウンドの粘度、ならびに硬化された物品の硬度および強度を低下させる。硬化性エチレンエラストマーコンパウンド中の充填剤および可塑剤濃度を操作することによって、硬化物品が様々な用途必要条件を満たすことが可能となるが、温風老化は、これらの技術によってわずかにのみ変更可能である。
【0007】
今や、組成物中の他の成分と比較して少量の、エチレンコポリマーエラストマーゴム中に分散されたポリアミドを用いることにより、優れた温風熱老化耐性を有する硬化されたエチレンエラストマー組成物を製造することが可能であることが見出された。ポリアミド含有量は、コンパウンドの硬度、強度、弾性および加工性などの他の特性が、ポリアミドの含有の結果として本質的に不変であるように十分に低い。
【0008】
米国特許第3,965,055号明細書は、ゴムと2%〜10%の結晶質繊維形成熱可塑性物質とのブレンドから調製される加硫物であって、熱可塑性物質が、断面が0.5ミクロン以下で長さ対直径比が2より高い粒子としてゴム成分中に分散している加硫物を開示する。繊維熱可塑性物質はコンパウンドのグリーン強度を増加させ、それによって、低圧硬化の間の吸収する傾向を低下させる。ゴムはEPDMであってもよく、かつ熱可塑性物質はポリアミドであってもよい。
【0009】
米国特許第4,966,940号明細書は、エチレンアルファ−オレフィンコポリマーゴム、不飽和カルボン酸またはそれらの誘導体および5〜100phrのポリアミド樹脂を含有するエチレンアルファ−オレフィンコポリマーゴムを含んでなる加硫ゴム組成物を開示する。
【0010】
米国特許第6,133,375号明細書は、熱可塑性成分がゴム相に分散されている、官能化ゴムと熱可塑性物質とのブレンドを開示する。ゴムのための硬化剤の添加に続いて、組成物は架橋し、加硫された物品が製造される。開示される官能化ゴムの例には、アクリルゴム、例えば、ニトリル−ブタジエンゴム、水素化ニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、および反応基がグラフト化されたゴム、例えば、カルボキシル化ニトリルブタジエンゴムが含まれる。不官能化ゴムにはEPDMが含まれ、かつ官能化ゴムが存在するのであれば、これらが使用されてもよい。開示される熱可塑性物質には、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエーテルまたはエステルブロックコポリマー、およびポリアミドとポリオレフィンとの混合物が含まれる。熱可塑性成分は、熱可塑性成分がないコンパウンドと比較して、小さい伸長におけるモジュラスを増加させ、そして加硫された物品において10%以下まで応力を低下させるために十分な量で存在する。
【0011】
米国特許第8,142,316号明細書は、ベルトの遮断部分のためのエラストマー/熱可塑性材料を含んでなる伝動ベルトを開示する。熱可塑性物質はポリアミドであってもよく、かつエラストマーはEPDMゴムであってもよい。熱可塑性物質は10〜50phrの量で存在し、かつゴムは50〜90phrの量で存在する。エラストマー/熱可塑性材料は、15〜75phrのカーボンブラックをさらに含有する。
【0012】
米国特許第7,608,216号明細書および米国特許出願公開第2006/0100368号明細書は、未硬化エラストマーを熱可塑性ポリマーまたはもう1種の未硬化(ゴム)エラストマーと混合することによって調製される組成物を開示する。部分的硬化、部分的動的加硫または高性能強化充填剤の使用などの技術は、未硬化または部分的に硬化されたコンパウンドのグリーン強度を増加させるために開示される。混合された組成物は、エラストマー成分のための硬化剤でその後架橋されてもよい。
【0013】
ポリアミドとエチレンコポリマーとを含んでなる熱可塑性エラストマーも既知である。そのような組成物は、しばしば熱可塑性加硫物またはTPVとして知られているが、溶融された熱可塑性物質と混合しながら、エラストマーを架橋することによって製造される。このプロセスは、動的加硫として知られているが、熱可塑性物質をブレンドの連続相にさせる。欧州特許第922732号明細書は、ポリアミド、カルボン酸、エポキシ、ヒドロキシル、無水物またはアミン官能化ゴムエチレン、ならびにパラ−アルキルスチレンおよび4〜7個の炭素原子のモノイソオレフィンのハロゲン化ゴムであってもよい熱可塑性物質を含んでなるTPVを開示する。
【0014】
Polymer 43(2002)937−945は、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレートグラフト化EPDM、または塩素化ポリエチレン(CPE)によって相溶化されたEPDMとポリアミドとのブレンドを開示する。ポリアミドは、150℃以下の溶融ピーク温度を有する。硬化された組成物は、46〜50phrのN220カーボンブラックを含んでなる。ポリアミドはフィブリルの形態で高濃度(少なくとも10重量%)で存在する。
【0015】
Polymers&Polymer Composites 11(2003)179−188は、EPDMと、少なくとも10phrまたはそれ以上の低溶融ピーク温度ポリアミド(150℃)の相溶化されたブレンドを開示する。このブレンドは、ポリアミドの溶融ピーク温度より高い160℃で硬化され、そして弱い硬化応答(2dN−m以下のMDRトルク増加)を示す。著者は、PA6または6/6などの高溶融ピーク温度ポリアミドとEPDMをブレンドすることは困難であることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、5phr未満の少量のポリアミド粒子が分散される、エチレンコポリマーエラストマーゴムを含んでなる硬化性組成物に関する。低濃度のポリアミド粒子を含んでなるエチレンコポリマーエラストマーゴムが、硬化性エチレンエラストマー組成物を製造するための成分と混合される場合、硬化された組成物が物理的特性の驚くべき改善を示すことが見出された。すなわち、架橋または加硫と一般に呼ばれる硬化プロセスは、分散されたポリアミド粒子を含んでなるエチレンコポリマーエラストマーゴムを、ポリアミド粒子を含まないエチレンエラストマー組成物と比較して向上した熱老化耐性を示すエチレンエラストマー組成物に変換する。「ゴム」という用語は、実質的に未架橋の状態のエチレンコポリマーエラストマー、すなわち、200以下のMooney粘度(ML 1+4、125℃)を有するエチレンコポリマーエラストマーを指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「コポリマー」という用語は、2種以上のコモノマーの共重合から生じる共重合単位を含んでなるポリマーを指す。これに関連して、コポリマーは、本明細書中、その成分コモノマーまたはその成分コモノマーの量に関して記載されてもよく、例えば、「エチレン、プロピレン、および3重量%のエチリデンノルボルネンを含んでなるコポリマー」または同様の記載である。それが共重合単位としてコモノマーを指さないという点で、それがコポリマーの従来の命名法、例えば、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)命名法を含まないという点で、それはプロダクト−バイ−プロセス用語を使用しないという点で、または他の理由のため、そのような記載は非公式であると考えられてもよい。しかしながら、本明細書で使用される場合、その成分コモノマーまたは、その成分コモノマーの量に関するコポリマーの記載は、コポリマーが、明示されたコモノマーの共重合単位を(示される場合は特定の量で)含有することを意味する。当然の結果として、そのようなものであるという限定された状況で明示されない限り、コポリマーは、コモノマー単位の具体的な量を含有する反応混合物の生成物でない。
【0021】
「phr」という略語は、本明細書で使用される場合、「パートパーハンドレッドラバー(parts per hundred rubber)」の従来の意味を保持する。エチレンコポリマーエラストマーゴム中のポリアミドの分散および硬化されたコンパウンドの物理的特性を改善するために、本明細書に開示される硬化性組成物に相溶化剤が任意に存在してもよいが、必須ではない。相溶化剤がコンパウンドに存在する場合、ポリアミドのパートパーハンドレッド(phr)は、相溶化剤とエチレンコポリマーエラストマーゴムとの合計に基づいて算出される。
【0022】
本発明のエチレンエラストマー組成物を調製するために使用されるエチレンコポリマーエラストマーゴムは硬化性ゴムであり、すなわち、それらは実質的に未硬化ゴムであり、そして一般に硫黄をベースとする硬化剤、フェノール硬化剤、またはフリーラジカル発生剤、例えば、ペルオキシド、あるいはポリアミドによるブレンド後の電子ビーム曝露による架橋に対して反応性を保持する。実質的に未硬化であるとは、ブレンドされていないゴムが、成形または押出成形によって仕上げ物品に成形されるために十分に低い粘度を有することを意味する。好ましくは、エチレンコポリマーエラストマーゴムのMooney粘度(ASTM D1646、125℃においてML 1+4)は、200未満、より好ましくは150未満、そして最も好ましくは100未満である。
【0023】
架橋する方向への反応性を保持することとは、成形または押出成形された物品の製造が意図される硫黄、フェノール樹脂またはペルオキシド硬化性組成物(すなわち、エチレンコポリマーエラストマーゴム、ポリアミド、硬化剤および任意に従来の充填剤を含む組成物)が、移動ダイレオメーター(180℃で10分間、0.5°アークで操作される、Alpha TechnologiesからのMDR 2000または相当物)で試験される場合に、少なくとも2.5dN−m、より好ましくは少なくとも4dN−m、そして最も好ましくは5.5dN−mより高いトルク(MH−ML、MLは測定された最少トルク値を指し、MHは、MLの測定後に得られる最大トルク値を指す)の増加を示すことを意味する。電子ビーム硬化性組成物に関する架橋に対して反応性を保持することは、架橋が電子ビーム曝露の結果として形成されることを意味する。エチレンエラストマーの電子ビーム硬化および架橋間の分子量の分析については、Proceedings of the 55th International Wire and Cable Symposium,2005において、M La Rossa、C.WranaおよびD.Achtenによる「Electron Beam Curing of EMV and HNBR for Cable Compounds」に記載されている。
【0024】
より詳しくは、本明細書に開示される組成物において有用なエチレンコポリマーエラストマーゴムは、エチレンと、プロペン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどのアルファ−オレフィンとの共重合単位を含んでなる。これらのモノマーの混合物が使用されてもよい。エチレン含有量がコポリマーの約75重量%以下であることを条件として、これらのコモノマーの濃度は特に限定されない。エチレン含有量が約75重量%より高い場合、エチレンコポリマーは室温で十分に結晶質となり、硬化後に所望のエラストマー特性を損失する。したがって、「エチレンコポリマーエラストマー」という用語は、本明細書で使用される場合、約75重量%未満のエチレンを含んでなるエチレンコポリマーを示す。任意に、不共役ジエン硬化部位モノマーは、アルファ−オレフィンに加えてエチレンと共重合し、例えば、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2−メチル−5−ノルボルネンまたは2−ブテン−2−イルノルボルネン−5などのノルボルネン誘導体;1,4−ヘキサジエンまたは2−メチルペンタ−1,4−ジエンなどの直鎖非共役ジエン;1,4−シクロヘプタジエンまたは1,5−シクロオクタジエンなどの単環式ジオレフィン;4,7,8,9−テトラヒドロインデンまたはビシクロ[3,2,0]−2,6−ヘプタジエンなどの二環式ジオレフィン;1,2−ジビニルシクロブタンなどのポリアルケニルシクロアルカンである。好ましい硬化部位モノマーは、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエンおよびジシクロペンタジエンである。本明細書に開示される組成物の実施に関して、硬化部位モノマーの濃度は特に限定されない。
【0025】
本発明の実施において有用なエチレンコポリマーエラストマーゴムは、硬化性、すなわち、架橋性である。硬化部位モノマーの非存在下で、エラストマーは、フリーラジカルプロセスによって、例えば、ペルオキシドの分解、または電子ビームなどの高エネルギー放射線への曝露によって硬化性である。
【0026】
この種類のエチレンコポリマーエラストマーゴムは、例えば、米国特許第2,933,480号明細書に記載される手順によって調製されてもよい。
【0027】
本明細書に記載される硬化性組成物を調製するために使用されるブレンド組成物は、少量のポリアミドが分散されたエチレンコポリマーエラストマーゴムを含んでなる。ポリアミドは、ASTM D3418に従って測定される場合、160℃より高い溶融ピーク温度を有する。好ましくは、ポリアミドはエチレンコポリマーエラストマーの硬化温度で固体であり、このことは、硬化温度がポリアミドの溶融ピーク温度より低いことを意味する。理論によって拘束されることを望まないが、ポリアミドが硬化温度で固体ではない場合、硬化剤は容易にポリアミドに拡散し、ブレンドが硬化することが困難となる。好ましくは、ポリアミドの溶融ピーク温度は、180℃より高く、最も好ましくは200℃より高い。
【0028】
ポリアミド樹脂は当該技術分野において周知であり、そして少なくとも5,000の重量平均分子量を有するそれらの半結晶質樹脂を包含し、そして一般にナイロンと呼ばれるそれらのポリアミド組成物を含む。したがって、本発明の実施において有用なポリアミド成分には、ポリアミドおよびポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン6/6、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12、芳香族モノマーを含んでなるポリアミド、およびポリ(アミド6−b−エチレンオキシド)が含まれる。樹脂は、ナノ粒子を含むいずれかの形状または径のペレットおよび粒子などのいずれかの物理的形態で供給されてもよく、かつ使用されてもよい。
【0029】
ポリアミド樹脂の粘度は、固有粘度によって特徴づけることができ、そして本発明の目的を満たしながら、広範囲に異なることができる。高い固有粘度を有するポリアミドは、温風老化に対するエチレンコポリマーエラストマーの安定価に関してより有効であり、したがって好ましい。好ましくは、ポリアミドは、ASTM D2857−95に従って、25℃の試験温度で溶媒として96重量%の硫酸を使用することによって測定される場合、0.88dL/gより高い、より好ましくは1.0dL/gより高い、そして最も好ましくは1.2dL/gより高い固有粘度を有する。
【0030】
ポリアミド樹脂は、等モルの量の4〜12個の炭素原子を含有する飽和ジカルボン酸と、4〜14個の炭素原子を含有するジアミンと縮合重合によって製造することができる。ポリアミドの例には、ポリヘキサメチレンアジパミド(66ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラアミド(69ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(610ナイロン)およびポリヘキサメチレンドデカノアミド(612ナイロン)、ラクタムの開環によって製造されるポリアミド、すなわち、ポリカプロラクタム、ポリラウリンラクタム、ポリ−11−アミノウンデカン酸およびビス(パラアミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミドが含まれる。上記のポリマーの2種の共重合、または上記のポリマーまたはそれらの成分の三元共重合によって調製されるポリアミドを使用することも可能であり、例えば、アジピン酸、イソフタル酸ヘキサメチレンジアミンコポリマーである。
【0031】
典型的に、ポリアミドは、1種またはそれ以上のジカルボン酸および1種またはそれ以上のジアミン、ならびに/あるいは1種またはそれ以上のアミノカルボン酸の縮合生成物、ならびに/あるいは1種またはそれ以上の環式ラクタムの開環重合生成物である。ポリアミドは、完全脂肪族であっても、半芳香族であってもよい。
【0032】
本発明の実施において有用な完全脂肪族ポリアミドは、脂肪族および脂環式モノマー、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸およびそれらの反応性相当物から形成される。適切なアミノカルボン酸は、11−アミノドデカン酸である。適切なラクタムは、カプロラクタムおよびラウロラクタムである。本発明の文脈において、用語「完全脂肪族ポリアミド」は、2種以上のそのようなモノマーから誘導されるコポリマーおよび2種以上の完全脂肪族ポリアミドのブレンドも指す。直鎖、分枝鎖および環式モノマーが使用されてもよい。
【0033】
完全脂肪族ポリアミドに含まれるカルボン酸モノマーには、限定されないが、脂肪族カルボン酸、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、デカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸およびペンタデカンジオン酸が含まれる。ジアミンは、限定されないが、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンおよび/またはそれらの混合物を含む4個以上の炭素原子を有するジアミンから選択することができる。
【0034】
半芳香族ポリアミドも本発明のために適切である。そのようなポリアミドは、芳香族基を含有するモノマーから形成されるホモポリマー、ジポリマー、ターポリマーまたはより高次のポリマーである。1種またはそれ以上の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸、あるいはイソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸およびナフタル酸などの1種またはそれ以上の他のカルボン酸とのテレフタル酸の混合物であってもよい。加えて、1種またはそれ以上の芳香族カルボン酸は、1種またはそれ以上の脂肪族ジカルボン酸と混合されてもよい。あるいは、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを含んでなるホモポリマーが一例である半芳香族ポリアミドを提供するために、メタキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンを使用することができる。
【0035】
好ましいポリアミドは、ホモポリマーまたはコポリマーである。ここでコポリマーという用語は、2種以上のアミドおよび/またはジアミド分子の繰り返し単位を有するポリアミドを指す。
【0036】
ポリアミド成分は、160℃より高いが、210℃未満の溶融ピーク温度を有し、かつ脂肪族または半芳香族ポリアミド、例えば、ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)およびポリ(ドデカメチレンドデカンジアミン)を含んでなるグループIポリアミド;少なくとも210℃の溶融ピーク温度を有し、かつポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ε−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)およびポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含んでなるグループ(II)ポリアミド;少なくとも210℃の溶融ピーク温度を有し、かつ(i)8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種またはそれ以上から選択されるモノマーから誘導される、約20〜約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位、ならびに6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種またはそれ以上から選択されるモノマーから誘導される、約65〜約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位、ならびにラクタムおよび/または4〜20個の炭素原子を有するアミノカルボン酸を含んでなるグループ(III)ポリアミド;8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種またはそれ以上から選択されるモノマーから誘導される、約50〜約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位、ならびに6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種またはそれ以上から選択されるモノマーから誘導される、約5〜約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位、ならびにラクタムおよび/または4〜20個の炭素原子を有するアミノカルボン酸を含んでなるグループ(IV)ポリアミド;少なくとも260℃の溶融ピーク温度を有し、かつ(i)8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種またはそれ以上から選択されるモノマーから誘導される、約95モルパーセントより多い半芳香族繰り返し単位、ならびに6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1種またはそれ以上から選択されるモノマーから誘導される、約5モルパーセント未満の脂肪族繰り返し単位、ラクタムおよび/または4〜20個の炭素原子を有するアミノカルボン酸を含んでなるグループ(V)ポリアミドから選択される1種またはそれ以上のポリアミドを含んでなってもよい。ポリアミドは、2種以上のポリアミドのブレンドでもよい。
【0037】
好ましいポリアミドには、ナイロン6、6/6および約270℃未満の溶融ピーク温度を有するグループIVポリアミドが含まれる。これらのポリアミドは、本発明の材料のための用途の範囲を限定しないように十分に高い溶融ピーク温度を有するが、ブレンドの製造によって、エチレンコポリマーエラストマーゴムの有意な悪化が生じるほど高くない。
【0038】
本明細書に開示される硬化性組成物のために適切なポリアミドは、広範囲に商業的に入手可能であり、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware,USAから入手可能なZytel(登録商標)樹脂、Lanxess,Germanyから入手可能なDurethan(登録商標)樹脂、およびBASF,USAから入手可能なUltramid(登録商標)樹脂である。
【0039】
エチレンコポリマーエラストマーゴムおよびポリアミドの分散体を含んでなる本発明のブレンドはまた、エチレンコポリマーエラストマーゴムおよびポリアミドのための相溶化剤として機能するポリマーを含んでなってもよい。相溶化ポリマーは、エチレンおよびアミンまたは酸反応性部分、例えば、無水物、無水物の半エステル、カルボン酸、ハロゲン化アシルまたはエポキシ基を含んでなる。ポリアミドが効果的に機能するために溶融された場合、相溶化ポリマーは混合物に存在しなければならない。場合によっては、相溶化剤およびエチレンエラストマーは、同エチレンエラストマー、例えば、無水マレイン酸グラフト化EPDMから誘導されてもよい。適切な相溶化剤は、両方ともE.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DE,USAから入手可能なFusabond(登録商標)樹脂およびElvaloy(登録商標)樹脂を含んでなる。相溶化剤は、ポリアミド−エチレンコポリマーマスターバッチ、すなわち、追加的なエチレンコポリマーエラストマーゴムで、その後希釈されるエチレンコポリマーエラストマーゴムと高含有量(5〜100phr以上)のポリアミドとのブレンドの製造を促進することができる。5phr未満のポリアミドまでのエチレンコポリマーエラストマーゴムによる希釈は、ポリアミドが溶融状態であっても、または固体状態であっても、いずれかの都合のよい温度で生じてもよい。
【0040】
本明細書に開示されるエチレンエラストマー硬化性組成物は、100phrのエチレンコポリマーエラストマーゴムおよび任意選択の相溶化剤、ならびに約5phr以下の、少なくとも温風老化を改善するために有効な量のポリアミドを含んでなる。好ましくは、硬化性組成物は、0.1phr〜5phrのポリアミド、より好ましくは0.5phr〜4phrのポリアミド、そして最も好ましくは1phr〜3phrのポリアミドを含んでなる。相対的に少ない量で、ポリアミドの存在は、引張強さなどの他の特性を損なうことなく、または完成した物品のShore A硬度を有意に変更することなく、硬化されたエチレンエラストマーコンパウンドの温風老化を改善する。
【0041】
エチレンコポリマーエラストマーゴム中にポリアミドの分散体を含んでなるブレンドは、エチレンコポリマーエラストマーゴムの動的硬化を生じない条件で、ポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度でエチレンコポリマーエラストマーゴムおよび任意の相溶化剤にポリアミド成分を混合し、続いて、ブレンドを冷却することによって形成されてもよい。一般には、そのようなブレンド組成物は、エチレンコポリマーゴムマトリックス内で分散された離散ポリアミド粒子から、高アスペクト比ポリアミド「スレッド」に、共連続構造に、ポリアミドの連続相内の離散エチレンコポリマードメインに及ぶ広範囲にわたるブレンド形態学を含んでなってもよい。5phr以下のポリアミドがエチレンコポリマーエラストマーゴムと溶融混合される場合、ポリアミドは、ポリアミドがブレンドの分散相になり、そしてエチレンコポリマーエラストマーゴムが連続相になる低体積フラクションを含んでなる。好ましくは、ポリアミドは、エチレンコポリマーエラストマーゴムの連続相でほぼ球状の液滴として分散する。ポリアミドが、温風老化前に物理的特性に及ぼす影響がほとんどないような低い濃度で最終的な硬化された組成物に存在するため、粒径は比較的重要ではない。ポリマーブレンドの当業者は、ブレンド中のポリアミドの固有粘度および濃度、相溶化剤の存在および量、ならびに混合および冷却条件を操作することによって、ほぼ球状のポリアミド液滴の分散体を容易に達成することができる。
【0042】
エチレンコポリマーエラストマーゴムとポリアミドとのブレンドは、5phrポリアミドより高いポリアミド濃度で製造されてもよいが、本明細書に開示される硬化性組成物が約5phr以下のポリアミドを含んでなるように、同一または異なるエチレンエラストマーコポリマーゴムの追加的な混合によってブレンドが希釈されることを条件とする。そのような希釈がポリアミドの溶融ピーク温度より低い温度で生じる場合、高濃度ポリアミドブレンドが約200未満のMooney粘度(ML 1+4、125℃)を示すことが好ましい。ブレンドをMooney試験片に形成することができないか、またはMooney試験の間に試験片が破砕するか、またはMooney粘度が約200を越えるため、Mooney粘度を測定することができない場合、高濃度ブレンドを約5phr以下のポリアミドまで均一に希釈することが困難である。ポリアミドとエチレンコポリマーエラストマーゴムとの高濃度ブレンドが約200未満のMooney粘度を示す場合、ポリアミドの溶融ピーク温度より低い温度で、エチレンコポリマーエラストマーゴムによって容易にさらに希釈して、エチレンコポリマーエラストマーゴム中の5phr以下ポリアミドの分散体を形成することができる。
【0043】
ポリアミドおよび化エチレンコポリマーエラストマーのブレンドを形成するために、混合ステップは、加熱された2本ロールラバーミルで実施されてもよいが、好ましくは、使用される高温のため、熱可塑性コンパウンドまたは調製物を加工するために使用される密閉式混合装置において実施される。そのような装置には、Banbury(登録商標)密閉式混合機、Haake Rheocord(登録商標)混合機、Brabender Plastographs(登録商標)、一軸および二軸押出機、ならびにBuss(登録商標)Kneadersが含まれる。この混合ステップによって、冷却時に、連続相としてエチレンコポリマーエラストマーゴムおよびポリアミド離散相を有する、肉眼的に均一な混合物を含んでなるポリマーブレンド組成物が提供される。ポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で、エチレンコポリマーエラストマーゴムの連続相に溶融したポリアミドを分散させるために十分な時間で、エチレンコポリマーエラストマーゴム、ポリアミドおよび任意の相溶化剤を混合した後、混合物を、ポリアミドの結晶化ピーク温度以下の温度まで冷却する。ブレンドおよび相溶化プロセスによって、典型的に、純粋なポリアミドの結晶化ピーク温度よりも低い温度まで、ポリアミドの結晶化ピーク温度が低下する。純粋なポリアミドは単一の結晶化を示すが、いくつかの場合には、ポリアミドおよびエチレンコポリマーエラストマーゴムのブレンドは、複数のポリアミド結晶化ピーク温度を示す。これらの例において、ブレンドは最も低い結晶化ピーク温度以下の温度に、または結晶化ピーク温度が既知でない場合は40℃まで冷却されなければならない。ポリアミドおよびエチレンコポリマーエラストマーゴムのブレンドは、Mooney粘度(ML 1+4、125℃)が約200以下であると決定され得ることを条件として、いずれの濃度のポリアミドを含んでなってもよい。
【0044】
エチレンエラストマーコポリマーゴムおよびポリアミドに加えて、エチレンコポリマーエラストマー中にポリアミドを分散させるために使用されるブレンドステップは、混合温度、すなわち160℃より高い温度において化学的安定性がある加工助剤および配合成分を組み込んでもよい。一般に、これには、架橋剤もしくは硬化剤、促進剤または黒付き防止剤は含まれない。そのような成分は、一般に、160℃以上の温度において、ある程度は反応するか、または分解する。最も一般に、従来の強化充填剤、着色剤、酸化防止剤、加工助剤、可塑剤などの成分は、低温混合プロセスの間、例えば、硬化剤が添加されるステップの間に添加される。これらの添加剤は、ナノ粒子の形態を含むいずれかの物理的形態であってもよい。
【0045】
冷却後、ポリアミドおよびエチレンコポリマーエラストマーゴムのブレンドを、従来のゴム処理装置で、硬化剤、促進剤、助剤、充填剤、追加的なエチレンコポリマーエラストマー、酸化防止剤、プロセス助剤、可塑剤、ワックス、離型助剤、酸性捕捉剤、着色剤などと混合することができるが、ただし、ブレンドのMooney粘度(ML 1+4、125℃)が約200以下であり、それによって本発明の硬化性組成物が提供されることを条件とする。
【0046】
次いで、硬化性組成物を、1つまたはそれ以上のその後のプロセスステップにおいて架橋反応を誘導することによって、物品に形成しても、または硬化してもよい。
【0047】
本発明の組成物は、いずれかの種類または量の充填剤を含んでなってもよいが、コンパウンド中の充填剤の全表面積が最小化される場合に最適な温風老化耐性が得られる。本発明の組成物に含まれてもよい充填剤の例は、カーボンブラック、水和アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、シリカおよびケイ酸塩鉱物、例えば、ケイ酸マグネシウム、カオリンおよびモンモリロナイトである。充填剤は、粒子の寸法の少なくとも1つが100nm未満である、いわゆるナノ材料の形態を含む当該技術分野において周知の形態で存在してもよい。
【0048】
好ましくは、本発明の硬化性エチレンエラストマーコンパウンドは、ペルオキシドの添加によって、または高エネルギー放射線の存在下、例えば、電子ビーム硬化によって加硫される。ペルオキシド硬化系としても既知である適切なペルオキシド硬化剤は、ペルオキシドおよび任意に助剤を含んでなる。ペルオキシド硬化系は、従来のゴム混合技術によってポリアミドおよびエチレンコポリマーエラストマーゴムのブレンドに添加されてもよい。ペルオキシドおよび助剤の例には、加硫の間、利用される温度で有効な本明細書に記載のものを含む当該技術分野において一般に既知である硬化系が含まれる。例えば、有用な有機ペルオキシドは、150℃〜250℃の温度範囲で迅速に分解するものである。これらには、例えば、ジクミルペルオキシド、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンおよびα’,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼン(Arkema Inc.からVul−cup(登録商標)として入手可能)が含まれる。典型的な加硫組成物において、ペルオキシドは約0.5〜5部phrの量で存在する。ペルオキシドは、炭酸カルシウム、カーボンブラックまたはキーザルガーなどの不活性キャリア上で吸着されてもよいが、キャリアの重量は上記の範囲に含まれない。一般に、任意の助剤は、仕上げ部分の硬化状態を増加させるために存在する。助剤は、例えば、N,N’−(m−フェニレン)ジマレアミド、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、テトラメチレンジアクリレート、またはポリエチレンオキシドグリコールジメタクリレートであることが可能である。好ましい助剤は、Sartomer Corp.からSR507Aとして入手可能なトリアリルシアヌレートである。使用される助剤の量は、一般に、100部のエチレンコポリマーエラストマー(phr)につき約0〜5重量部、好ましくは約1〜5部phrである。助剤は、通常、複数のアリルまたはアクリル酸エステルなどの不飽和基を含有する。それらの作用モードは確定的に既知ではないが、それらはポリマー骨格鎖上で形成された初期のラジカルと反応して、より安定性のあるラジカルを形成し、これがカップリング反応して、鎖切断反応よりもより容易に架橋を形成すると考えられる。
【0049】
電子ビーム硬化に関しては、助剤の添加は、架橋効率を改善するために非常に好ましい。電子ビーム硬化のための好ましい助剤は、トリメチロールプロパントリメタクリレートである。
【0050】
エチレンコポリマーエラストマーゴムおよびポリアミドのブレンドへの硬化剤の添加は、望ましくは、硬化剤の分解温度より低く、かつポリアミドの溶融ピーク温度よりも低い温度で行われる。一般に、添加は140℃未満の温度、好ましくは120℃以下の温度で行われる。硬化剤の添加は、任意の加工成分、例えば、着色剤、カーボンブラックまたは無機強化剤、酸化防止剤、加工助剤および可塑剤の添加と同時に行われてもよく、またはそれは他の成分の添加とは別の作業でもよい。添加は、2本ロールラバーミルで、あるいはBanbury(登録商標)密閉式混合機、Haake Rheocord(登録商標)混合機、Brabender Plastographs(登録商標)混合機、Farrel Continuous混合機、または一軸および二軸押出機を含むゴム組成物の混合に適切な密閉式混合機を使用することによって実施されてもよい。
【0051】
ポリアミド分散体を含んでなる硬化性エチレンエラストマー組成物の硬化または架橋は、加硫とも記載されるが、エチレンコポリマーエラストマーを硬化するために既知の手段によって達成することができ、そして典型的に、コポリマーを架橋させるために十分な時間、硬化性組成物を高温および高圧に暴露するステップを含む。そのような作業は、一般に、プレスで加熱されるモールドに硬化性組成物を配置することによって実行される(しばしばプレス硬化と呼ばれる)。押出成形された部分は、加圧オートクレーブでしばしば硬化される。プレス硬化またはオートクレーブサイクルが完了した後、この初期の硬化に続いて、エチレンコポリマーエラストマーをさらに硬化させるために、周囲圧力で任意の後硬化加熱サイクルが行われてもよい。例えば、従来のプレス硬化手順を使用して、約2〜60分間、約160℃〜約200℃で、加硫物が形成または硬化されてもよい。後硬化加熱は、1時間〜数時間、約160℃〜約200℃で実行されてもよい。一旦架橋されたら、本明細書に記載される組成物は熱可塑性ではなく、熱硬化性となる。適切な硬化条件は、特定の調製物次第であり、また当業者に既知である。
【0052】
最適な熱老化耐性を達成するために、望ましくは酸化防止剤を硬化前にコンパウンドに添加する。有用な酸化防止剤には、限定されないが、アリールアミン、フェノール樹脂、イミダゾールおよびホスファイトが含まれる。したがって、いくつかの実施形態において、酸化防止剤は、リンエステル酸化防止剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、アミン酸化防止剤、またはこれらの化合物のうちの2種以上の混合物である。組成物中の酸化防止剤化合物の割合は、典型的に0.1〜5phr、好ましくは約0.5〜2.5phrである。混合物中のリン化合物に対するフェノールまたはアミン酸化防止剤の重量比は約0.5〜3であり、そして好ましくは比率は約1である。
【0053】
有用な酸化防止剤であり得るアリールアミンの例には、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ジフェニルアミンおよびアルキル化ジフェニルアミン、ならびにN−フェニル−N’−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジアミンが含まれる。フェノール酸化防止剤の例には、4,4’−ブチレンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよび4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が含まれる。ホスファイト酸化防止剤の例には、トリフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイトが含まれる。イミダゾール酸化防止剤の例には、2−メルカプトメチルベンズイミダゾールおよび2−メルカプトベンゾイミダゾールが含まれる。酸化防止剤の組み合わせは、一般にコンパウンド中のエチレンコポリマーエラストマーゴム100部に基づき、0.5〜5phrの間の濃度で、使用されてもよい。
【0054】
適切なヒンダードフェノール酸化防止剤は、例えば、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−t−ブチル−a−ジメチルアミノ−p−クレゾールおよび4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)であることが可能である。
【0055】
好ましい酸化防止剤組成物は、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)または4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンと混合されたトリ(混合モノ−およびジノニルフェニル)ホスフェートを含有する。好ましい酸化防止剤組成物は、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(Chemtura Corp.からNaugard(登録商標)445として市販品として入手可能)を含有する。エチレンコポリマーエラストマーゴムがポリアミドと溶融混合されている間、またはブレンドが冷却された後、酸化剤防止剤が添加されてもよい。
【0056】
ポリアミドの分散体を含んでなる硬化性エチレンエラストマー組成物から調製された加硫物は、通常とは異なって、熱老化の間の脆化に対する良好な耐性を示す。これは、1週間、175℃での温風老化後の破断時の引張伸びの減少量の低下によって明示される。例えば、硬化されたエチレンコポリマーエラストマーは、175℃で1週間の温風老化後、それらの伸張性の80%以上を失う傾向がある。コンパウンド中に分散された3phr未満のポリアミドを含むことによって、損失は50%以下まで低下する。この改善の程度は並外れている。
【0057】
本明細書に教示によって調製されるポリアミドの分散体を含んでなるエチレンエラストマー組成物の加硫物は、ワイヤーおよびケーブルジャケット、点火プラグブーツ、成形または押出成形チュービングまたはホース、または成形ブート、ホース、ベルト、グロメット、シールおよびガスケットを含む物品の製造のために、広範囲の種々の工業用途で使用することができる。ホース用途は、ラジエーターホース、空気調節ホース、エアダクト、燃料ラインカバーおよびベントホースを含む。
【0058】
シールの例には、冷却システムおよびブレーキ系のOリングおよびガスケットならびにベルトカバーシールが含まれる。
【0059】
自動車チュービング用途には、車軸ベントチュービング、PCVチュービングおよび他のエミッションコントロール部品が含まれる。加硫物は、広い温度範囲での高いダンピングが高い圧縮およびせん断歪みの下で必要であるクランクシャフトトーショナルダンパーの製造にも有用である。加硫物は、グロメットなどのノイズ管理部品を調製するために使用することもできる。
【0060】
本発明は以下の実施例によってさらに例示される。全ての部は、特に明記されない限り重量による。
【実施例】
【0061】
材料
ECP1 Nordel(登録商標)3720P、69重量%のエチレン、30.5%のプロピレンおよび0.5%のエチリデンノルボルネンの組成であり、20のMooney粘度(ML1+4、125℃)のThe Dow Chemical Companyから入手可能なエチレンコポリマーエラストマー。
【0062】
ECP2 Nordel(登録商標)4520、50重量%のエチレン、45重量%のプロピレンおよび5重量%のエチリデンノルボルネンの組成であり、20のMooney粘度(ML1+4、125℃)のThe Dow Chemical Companyから入手可能なエチレンコポリマーエラストマー。
【0063】
PA1 ポリアミド6、1.450dL/gの固有粘度、220℃の溶融ピーク温度、BASF Corp.からUltramid(登録商標)B40として入手可能。
【0064】
PA2 ポリアミド6/6、260℃の溶融ピーク温度および1.002dL/gの固有粘度を有する。
【0065】
PA3 ポリアミド6/10、約225℃の溶融ピーク温度および1.167dL/gの固有粘度を有する。
【0066】
PA4 ポリアミド11、180℃の溶融ピーク温度を有し、Arkema Chemicals Inc.からRilsan(登録商標)BESNOとして入手可能。
【0067】
C1 DuPontからFusabond(登録商標)N493として入手可能な無水物変性エチレンコポリマー。
【0068】
ペルオキシド:α’,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼンのパラおよびメタ異性体の混合物、カオリン粘土キャリア上40%ペルオキシド活性成分、Vul−cup(登録商標)40KE、Arkema Inc.から入手可能。
【0069】
助剤:Sartomer Corp.からSR507Aとして入手可能なトリアリルシアヌレート。
【0070】
カーボンブラック:N550グレード、Sterling(登録商標)SOカーボンブラック、Cabot Corp.から入手可能。
【0071】
酸化防止剤(AO):Chemtura Corp.から入手可能なNaugard(登録商標)445。
【0072】
酸化亜鉛:Kadox(登録商標)911としてHallstar Corp.から入手可能。
【0073】
試験方法
Mooney粘度:ASTM D1646、ML 1+4、125℃
硬化応答:ASTM D5289−07aに従って、0.5°アークで操作される、Alpha TechnologiesからのMDR 2000を使用して測定する。180℃の試験条件を10分間。MLは、試験の間に測定される最小トルク値を指し、MHは、MLの後に達成される最大トルク値を指す。
【0074】
ISO圧縮永久ひずみ:ISO 815−1:2008、25%圧縮、70時間/175℃試験、15分間175℃のプレス硬化条件を使用して調製されたタイプB成形ボタンを使用する。報告されるデータは、3つの試験片の中央値である。
【0075】
引張特性:ASTM D412−06、ダイC。175℃で15分間プレス硬化された厚さ2.0mmのプラークから切断された試料。報告されるデータは、3つの試験片の中央値である。50%、100%および200%の伸びにおけるモジュラスは、それぞれ、M50、M100およびM200として記載される。引張強さおよび伸びの破断特性は、TbおよびEbとして示される(それぞれ、破断点引張および破断点伸び)。
【0076】
Shore A硬度:ASTM D2240−05、1秒の読み取り。
【0077】
熱老化:上記の通り調製された引張試験片を175℃で1週間、温風オーブン中に掛ける。引張特性を測定する前に、試験片を少なくとも24時間、23℃および50%RHの周囲条件でさらに調整する。
【0078】
ポリアミドの固有粘度:D2857−95に従って、25℃の試験温度で溶媒として96重量%の硫酸を使用して測定する。試験前に試料を80℃の真空オーブン中で12時間乾燥した。
【0079】
温度遷移:ASTM D3418−08に従って、1分あたり10℃の加熱および冷却速度で操作される示差走査熱量計を使用して測定される。
【0080】
実施例1
ポリアミドPA1およびエチレンコポリマーエラストマーECP1の2種のブレンドは、表1の調製に従って製造した。ブレンドB1は相溶化剤C1を含んでなるが、ブレンドB2は含まない。ブレンドは、(ポリアミドPA1の溶融ピーク温度より20℃高い)240℃の設定温度および約30rpmのローター速度で操作されるローラーブレードを備えたHaake(登録商標)Rheocordミキシングボウルにポリマーを充填することによって製造した。ミキシングボウルが完全に充填されたら、ローター速度を100rpmに増加した。ポリマーブレンド溶融温度を監視し、そしてポリマーブレンド温度が220℃(ポリアミドの溶融ピーク温度)に達した時にタイマーを始動した。同時に、ボウル温度の設定点をポリアミドの溶融ピーク温度に適合させるために低下させ、そしてボウルの空冷を開始した。3分の混合後、ローターを停止し、この時点でポリマーブレンドの温度は、ポリアミドの溶融ピーク温度より10℃〜25℃高い範囲にあった。ブレンドをボウルから取り出し、そしてさらなる加工の前に、室温(約25℃)まで冷却した。
【0081】
ブレンドB1およびB2のMooney粘度を測定したところ、200未満であることが見出された。
【0082】
【表1】
【0083】
ブレンドB1、B2および未変性エチレンコポリマーエラストマーゴムECP1を使用して、硬化性組成物E1〜E8、ならびにCE1、CE2およびCE3を製造した。硬化性組成物は、0〜5.5phrのPA1を含んでなり、表2に示される成分をブレンドするために約60℃での従来のロールミル混合によって製造された。
【0084】
【表2】
【0085】
表2の試験結果は、全ての硬化性組成物が約35dN−m以上のより強い硬化応答(MH−ML)を示すことを示す。プレス硬化の後の物理的特性は、ポリアミドを含まないCE1が81のShore A硬度を有することを示す。本発明の組成物E1〜E8は81以下のShore A硬度を有し、0.5〜4.5PHRポリアミドへの存在は、硬化されたコンパウンドの硬度を増加させないことを示す。しかしながら、CE2およびCE3は5.5phrポリアミドを含んでなり、そしてコンパウンドはCE1に匹敵するShore A硬度の増大を示す。
【0086】
175℃で1週間の温風老化後、コンパウンドCE1は、それぞれ、3MPaおよび10%の非常に低い引張強さおよび破断伸びを示すが、ポリアミドを含んでなる比較および本発明の組成物は、少なくとも2倍の引張強さおよび8倍の破断伸びを示す。
【0087】
実施例2
ブレンドB3〜B5は、表3の調製物に従って、ECP2およびPA2、PA3またはPA4を使用して製造された。ブレンドは、ブレンド中のポリアミドの溶融ピーク温度より20℃高い設定温度および約30rpmのローター速度で操作されるローラーブレードを備えたHaake(登録商標)Rheocordミキシングボウルにポリマーを充填することによって製造した。ミキシングボウルが完全に充填されたら、ローター速度を100rpmに増加した。ポリマーブレンド溶融温度を監視し、そしてポリマーブレンド温度がポリアミドの溶融ピーク温度に達した時にタイマーを始動した。同時に、ボウル温度の設定点をポリアミドの溶融ピーク温度に適合させるために低下させ、そしてボウルの空冷を開始した。3分の混合後、ローターを停止し、この時点でポリマーブレンドの温度は、ポリアミドの溶融ピーク温度より10℃〜25℃高い範囲にあった。ブレンドをボウルから取り出し、そしてさらなる加工の前に、室温(約25℃)まで冷却した。
【0088】
【表3】
【0089】
ECP2およびブレンドB3〜B4を使用して、表4の調製物に従って、約40℃での従来のロールミル混合によって、硬化性組成物CE4およびE9〜E11を製造した。
【0090】
【表4】
【0091】
表4の試験結果は、全てのコンパウンドが、強い硬化応答、ならびにプレス硬化後の同様のShore A硬度および引張特性を示すことを示す。しかしながら、175℃での1週間の温風老化後、2.04phrのポリアミドを含んでなる本発明のコンパウンドE9〜E11は、比較コンパウンドCE4よりも少なくとも5倍高い破断伸び、ならびに70〜90%高い引張強さを示す。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
1. (a)エチレンコポリマーエラストマーと、
(b)ASTM D3418−08に従って測定する場合に約160℃またはそれより高い溶融ピーク温度を有し、温風老化を改善するために少なくとも有効な量で存在するが、5phrより多くないポリアミドと、
(c)硬化剤と、
(d)任意選択的に相溶化剤と
を含んでなる硬化性エラストマー組成物。
2. 前記エチレンコポリマーエラストマーが、(i)エチレン含有量が約75重量%またはそれ未満である、エチレンとアルファ−オレフィンとの共重合単位を含んでなる、前記1に記載の組成物。
3. 前記ポリアミドが0.1phr〜5phrの濃度(level)で存在する、前記1に記載の組成物。
4. 前記ポリアミドが0.5phr〜4phrのポリアミドの濃度で存在する、前記1に記載の組成物。
5. 前記ポリアミドが1phr〜3phrのポリアミドの濃度で存在する、前記1に記載の組成物。
6. 前記ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン6/6および約270℃未満の溶融ピーク温度を有するグループIVポリアミドからなる群から選択される、前記1に記載の組成物。
7. 前記ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン6/6からなる群から選択される、前記6に記載の組成物。
8. 相溶化剤が存在する、前記1に記載の組成物。
9. 前記相溶化剤(i)が、エチレンおよびアミンまたは酸反応性部分を含んでなるポリマーである、前記8に記載の組成物。
10. 前記相溶化剤が、無水マレイン酸グラフト化エチレンアルファ−オレフィンである、前記8に記載の組成物。
11. 前記硬化剤がペルオキシド硬化剤である、前記1に記載の組成物。
12. 前記組成物が、10分間、0.5°アークおよび180℃の試験条件を使用して、ASTM D5289−07aに従って測定する場合、少なくとも2.5dN−mの硬化応答MH−MLを有する、前記1に記載の組成物。
13. (i)前記ポリアミドの溶融ピーク温度より高い温度で混合することによって、エチレンコポリマーエラストマーゴム中に前記ポリアミドを分散し、ブレンドを提供するステップと、
(ii)任意選択的に相溶化剤を添加するステップと、
(iii)前記ブレンドが約200未満のMooney粘度(ML 1+4、125℃)を有するように、前記ポリアミドの結晶化ピーク温度未満まで前記ブレンドを冷却するステップと、
(iv)必要に応じて前記(iii)からのブレンドに同一または異なるエチレンコポリマーエラストマーゴムを任意選択的に混合して、約5phrまたはそれ未満のポリアミドを含んでなる、ポリアミドとエチレンコポリマーとのブレンドを製造するステップと、
(v)前記ポリアミドの溶融ピーク温度未満の温度で、約5phrまたはそれ未満のポリアミドを含んでなる前記ブレンドに硬化剤を添加するステップと
を含んでなる、前記1に記載の硬化性組成物の製造方法。
14. 前記ポリアミドのピーク溶融温度未満の温度で、前記ブレンドを、追加の充填剤、酸化防止剤、加工助剤、可塑剤、ワックス、剥離助剤、酸捕捉剤、着色剤および特性向上剤(property enhancer)からなる群から選択される添加剤と混合する工程をさらに含んでなる、前記13に記載の方法。
15. 前記硬化剤がペルオキシド硬化剤である、前記13に記載の方法。
16. 前記硬化性組成物を所望の物品に成形し、前記組成物を硬化する工程をさらに含んでなる、前記13に記載の方法。
17. 前記成形物品が、ワイヤージャケット、ケーブルジャケット、成形もしくは押出成形チュービングまたはホース、あるいは成形ブート、ベルト、グロメット、シールおよびガスケットからなる群から選択される、前記16に記載の方法。