特許第6603357号(P6603357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6603357-低密度の被覆された動物用敷材組成物 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603357
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】低密度の被覆された動物用敷材組成物
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/015 20060101AFI20191028BHJP
   C01B 33/26 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   A01K1/015 B
   C01B33/26
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-87079(P2018-87079)
(22)【出願日】2018年4月27日
(62)【分割の表示】特願2015-550715(P2015-550715)の分割
【原出願日】2013年12月23日
(65)【公開番号】特開2018-138046(P2018-138046A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年5月10日
(31)【優先権主張番号】61/746,017
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ハック, ネイサン, フォスター
(72)【発明者】
【氏名】グリーン, フィリップ, ビー.
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第04312279(DE,A1)
【文献】 米国特許第05638770(US,A)
【文献】 特表2005−516597(JP,A)
【文献】 特開平11−032607(JP,A)
【文献】 特開平04−287626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用敷材顆粒であって、
6%〜7%の水分百分率及び600〜1125kg/mのバルク密度を有するベントナイトにより被覆された、U.S.篩−8番〜U.S.篩30番の粒度、0.5%〜3%の水分含有量、及び25〜200kg/mのバルク密度を有する集塊化していない膨張パーライト粒子を含み、
5%〜15%の水分含有量及び200〜600kg/mの密度を有する、顆粒。
【請求項2】
動物用敷材顆粒であって、
ベントナイトにより被覆された、集塊化していない膨張パーライト粒子を含み、
5%〜15%の水分含有量及び200〜600kg/mの密度を有する、顆粒。
【請求項3】
(i)25〜200kg/mの範囲のバルク密度を有する膨張パーライト粒子をコーティング機中に供給するステップと、
(ii)第一の水を前記コーティング機に添加して、膨張パーライト粒子を湿潤させ、コーティングされたパーライト粒子を形成するステップと、
(iii)コーティングされた前記パーライト粒子をコーター中に供給するステップと、
(iv)第二の水を前記コーターに添加するステップと、
)約100メッシュ〜約300メッシュのサイズ範囲を有するベントナイトを前記コーター中に供給して、ベントナイト被覆を有する膨張パーライト粒子を生成するステップと、
vi)前記ベントナイト被覆を有する膨張パーライト粒子を5%〜15%の範囲の水分含有量になるまで乾燥させるステップと、
を含む、
200〜600kg/mの密度を有する動物用敷材顆粒を製造する方法。
【請求項4】
前記乾燥させるステップの前に、前記ベントナイト被覆を有する膨張パーライト粒子を第三の水と接触させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ベントナイトがナトリウムベントナイトを含む、請求項1又は2に記載の顆粒。
【請求項6】
前記ベントナイトがナトリウムベントナイトである、請求項3又は4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[開示の分野]
[0001]本発明は概して、動物用敷材組成物及び動物用敷材組成物を作製する方法に関する。
【0002】
[関連出願]
[0002]本出願は、2012年12月26日に出願された米国特許仮出願第61/746,017号の利益を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[背景]
[0003]業界において公知の凝集性動物用敷材は、粒子が尿などの液体と接触すると凝集する敷材製品である。凝集性敷材は、尿が染み込んだ敷材顆粒を消費者が分離して取り除くことを可能にし、敷材全体を交換することがないために消費者にコスト削減をもたらすので、望ましい。
【0004】
[0004]多くの場合、凝集性敷材を含めた従来の敷材は、相対的に嵩高く高密度な材料であり、このため、包装された製品は重く、消費者にとって扱いづらいものとなり得る。
【0005】
[開示の概要]
[0005]本開示の様々な態様の一つは、数ある有益な特性の中でもとりわけ、相対的に低い密度(よって軽量)を有する動物用敷材組成物提供を提供することである。
【0006】
[0006]したがって、簡潔に述べると、本開示は、(i)パーライトを含む集塊化していない粒子と、(ii)前記粒子の外表面上の、凝集剤を含む被覆とを含む、動物用敷材組成物を対象とする。特定の実施形態では、前記凝集剤は、ベントナイトを含む。
【0007】
[0007]本開示の別の態様は、(i)膨張パーライトから本質的になる粒子と、(ii)前記粒子の外表面上の、凝集剤を含む被覆とを含む、動物用敷材組成物を対象とする。特定の実施形態では、前記凝集剤は、ベントナイトを含む。
【0008】
[0008]本開示の別の態様は、動物用敷材を製造する方法を対象とする。1つの方法は、(i)25〜200kg/mの範囲のバルク密度を有するパーライト粒子をコーター中に供給するステップと、(ii)液体を前記コーターに添加して、湿潤パーライト粒子を生成するステップと、(iii)約100メッシュ〜約300メッシュのサイズ範囲を有するベントナイトを前記コーター中に供給して、前記湿潤パーライト粒子を被覆するステップとを伴う。
【0009】
[0009]他の目的及び特徴は、以降において、一部が明白となり、一部が指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の被覆された敷材を製造する方法を示す。
【0011】
[詳細な説明]
[0011]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈により明確に別段の指定がない限り、複数の指示物を含むという点に留意しなければならない。
【0012】
[0012]別段の規定がない限り、本明細書において使用されるすべての科学技術用語は、本開示が関係する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと類似又は均等な多くの方法及び材料を本開示の実施において使用することができるが、好ましい材料及び方法について本明細書において記載する。
【0013】
[0013]本明細書及び特許請求の範囲において使用される原材料、構成要素、反応条件などの量を表現するすべての数字は、あらゆる場合において、「約」という用語によって修飾されていると理解されるものとする。本明細書において提示される主題の広い範囲を述べる数値範囲及びパラメータはおおよそであるが、具体的な例で述べられる数値は、可能な限り精確に報告されている。しかし、すべての数値は、それらの各試験測定において見出される標準偏差に必然的に起因する、ある種の誤差を本質的に含んでいる。
【0014】
[0014]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「メッシュ」、「U.S.篩」又は「メッシュU.S.篩系列」という用語は、ASTM E−11 U.S.A.標準試験用篩によって定義される。
【0015】
[0015]低密度の被覆された動物用敷材及び低密度の被覆された動物用敷材を作製する方法について記載する。説明を目的とする以下の記載では、様々な例示的な実施形態の完全な理解を可能にするために、数多くの具体的な詳細が述べられる。しかし、本発明の実施形態をこれらの具体的な詳細によらずに実施してもよいことは、当業者には明らかである。
【0016】
敷材組成物
[0016]本開示の敷材組成物は、凝集剤で被覆されたパーライト粒子を含む。特定の一実施形態では、粒子は、パーライトを含む集塊化していない粒子である。別の特定の実施形態では、粒子は、膨張パーライトから本質的になる。さらに別の特定の実施形態では、敷材の顆粒は、ナトリウムベントナイト粉末とグアーガムとの混合物で被覆された膨張パーライト核を含む。
【0017】
[0017]パーライトは、ある天然ケイ質岩に対する一般名称である。パーライトを他の火山ガラスと区別する1つの特徴は、その軟化範囲における好適な点まで加熱したとき、その元の体積の4〜20倍に膨張する点である。この膨張は、少なくとも一部は、未加工のパーライト岩中に存在する2〜6%の結合水に起因する。焼成、すなわち、1600°F(871℃)超への急速な加熱により、未加工の岩石はポップコーンのように弾け、膨張パーライトと称される、非常に開放的で高度に多孔質の構造がもたらされる。
【0018】
[0018]膨張パーライトが敷材組成物に用いられる場合、膨張パーライトのバルク密度は、典型的には、25〜200kg/mの範囲である。一実施形態では、例えば、本発明の被覆された敷材の膨張パーライトのバルク密度は、55〜80kg/mの範囲(例えば、55kg/m、56kg/m、58kg/m、60kg/m、62kg/m、64kg/m、66kg/m、68kg/m、70kg/m、72kg/m、74kg/m、76kg/m、78kg/m、又は80kg/m)である。別の実施形態では、例えば、膨張パーライトのバルク密度は、55〜96kg/mの範囲(例えば、55kg/m、56kg/m、58kg/m、60kg/m、62kg/m、64kg/m、66kg/m、68kg/m、70kg/m、72kg/m、74kg/m、76kg/m、78kg/m、80kg/m、82kg/m、84kg/m、86kg/m、88kg/m、又は90kg/mである。特定の一実施形態では、例えば、膨張パーライトのバルク密度は、約72kg/mである。他の特定の実施形態では、例えば、膨張パーライトのバルク密度は、約84kg/m又は約88kg/mである。
【0019】
[0019]パーライトは、その粒度によってさらに定義することができる。ある範囲の粒度が、本明細書において記載される低密度の被覆された敷材にとって好ましい。一実施形態では、膨張パーライトの粒度は、U.S.篩−8番〜U.S.篩30番の範囲である。別の実施形態では、膨張パーライトの粒度は、U.S.篩6番〜U.S.篩40番の範囲である。膨張パーライト粒子がサイズ範囲内で均等に分布していないことが好ましい。
【0020】
[0020]典型的には、被覆工程を容易にするために、少なくとも幾分かの水分が存在するが、本明細書において記載される敷材材料の水分含有量は、相対的に低い。一実施形態では、例えば、低密度の被覆された敷材の膨張パーライトの水分含有量(重量百分率として表現される)は、約0%〜3%である。別の実施形態では、例えば、水分含有量(重量百分率として表現される)は、約2%〜3%である。さらに別の実施形態では、水分含有量(重量百分率として表現される)は、約0.5%である。
【0021】
[0021]一部の実施形態では、wt/wtで測定される膨張パーライト粒子の吸収率は、約100%〜約800%であり、体積で測定すると少なくとも20%である。一実施形態では、wt/wtで測定される膨張パーライト粒子の吸収率は約600%であり、体積で測定すると約45%である。
【0022】
[0022]核パーライト材料は、凝集剤、すなわち、湿潤時に隣接する粒子の結合を引き起こす薬剤で被覆される。代表的な凝集剤には、例えば、ベントナイト(ナトリウムベントナイトなど)、グアーガム、デンプン、キサンタンガム、アラビアゴム、アカシアゴム、シリカゲル、及び他の鉱物、並びにこれらの混合物が含まれる。一実施形態では、凝集剤は、ベントナイトを含む。
【0023】
[0023]好ましい一実施形態では、凝集剤は、ナトリウムベントナイトを含む。ナトリウムベントナイトは、ナトリウムベントナイトの粒子が水分を吸収すると大きさ及び体積が増加するため、業界では「膨潤」粘土と言われている。加えて、ナトリウムベントナイト粒子は、湿潤時にゲル様の性質を示し、このゲル様の性質が、液体(尿など)が加えられたときにナトリウムベントナイト粒子の凝集を促進する。別の実施形態では、凝集剤は、ナトリウムベントナイトとグアーガムとの混合物を含む。
【0024】
[0024]ナトリウムベントナイトを凝集剤として、又は凝集剤中に用いる場合、ベントナイトのバルク密度は、典型的には、600〜1125kg/mの範囲(例えば、600kg/m、700kg/m、800kg/m、900kg/m、1000kg/m、又は1100kg/m)である。特定の一実施形態では、例えば、ナトリウムベントナイトのバルク密度は、約1125kg/m(約70lb/ft)である。
【0025】
[0025]一実施形態では、低密度の敷材のナトリウムベントナイトの水分百分率は、約6%〜7%(例えば、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%、6.6%、6.7%、6.8%、又は6.9%)である。特定の実施形態では、ナトリウムベントナイトの水分百分率は、約6.24%である。
【0026】
[0026]低密度の被覆された敷材のベントナイトは、好ましくは、粉末又は100〜300メッシュのサイズ範囲を有する「微粉」として供給される。例示的な実施形態では、約200メッシュにおけるナトリウムベントナイト粒子が用いられる。
【0027】
敷材組成物を調製する方法
[0027]一般に、本開示による敷材組成物を調製する方法は、パーライト(及び/又は膨張パーライト)を凝集剤で被覆するステップを伴う。図1に図示される実施形態では、例えば、低密度の凝集性敷材を、以下のステップのうちの1つ又は複数を用いる方法100によって作製する。
【0028】
[0028]ステップ101では、パーライトをスクリーニングして、敷材の特定の実施形態に関して選択される粒度の範囲よりも小さい粒子を排除する。例えば、膨張パーライトをスクリーニングして、50U.S.篩よりも小さい、より好ましくは約40U.S.篩よりも小さい、さらにより好ましくは約30U.S.篩よりも小さい粒子を排除してもよい。市販のシェーカースクリーンを利用してもよい。
【0029】
[0029]任意選択のステップ102で、パーライト粒子をコーティング機に入れて、粒子をかき混ぜる。これは微粉の減少に役立ち、粉塵除去にも役立つ。例示的な実施形態では、膨張パーライト粒子がコーティング機に入る前又は同時に、ステップ104で膨張パーライト粒子を秤量し、粒子に水を吹き付ける(106)。添加する水の量は、一般に、コーティング機に入れられる膨張パーライト粒子の重量に依存する。一実施形態では、例えば、添加する水の重量は、膨張パーライト粒子の重量の約5〜35パーセント(例えば、5%、10%、15%、20%、25%、30、又は35%)である。別の実施形態では、例えば、添加する水の重量は、膨張パーライト粒子の重量の約10パーセント〜20パーセント(例えば、10%、12%、14%、16%、18%、又は20%)である。特定の一実施形態では、例えば、添加する水の重量は、膨張パーライト粒子の重量の約14パーセントである。コーティングはまた、以下でさらに記載するように、ベントナイト被覆材料のゲル化を促進し得る。
【0030】
[0030]代替的な実施形態では、コーティングに続き、ステップ106で、特定の目標水分含有量を達成するのに適当な量で水を添加してもよい。一実施形態では、約5%〜30%(例えば、5%、10%、15%、20%、25%、30、又は35%)の目標水分含有量を達成するのに適当な量で水を加える。別の実施形態では、約12%〜16%(例えば、13%、14%、又は15%)の目標水分含有量を達成するのに適当な量で水を加える。
【0031】
[0031]ステップ108で、パーライト粒子をコーター中で凝集剤(例えば、ナトリウムベントナイト)で被覆する。例を挙げると、遠心被覆法を用いることができる。例えば、パーライト粒子のバッチを体積で計量してフィードベルトに置き(110)、回転運動するコーターに供給する(112)。パーライト粒子は、コーターのチャンバー内で回転運動の方向に転がる。任意選択の前処理ステップ114において、パーライト粒子を、被覆前に、ある一定の時間(例えば、30〜60秒)、コーター内で回転させる。
【0032】
[0032]ステップ116で、コーターを回転させながら水をコーターに添加する。ステップ116で添加する水は、コーターに添加する凝集剤の重量を基準にして添加してもよい。添加する水の重量は、典型的には、凝集剤の重量の約10〜100パーセント(例えば、10%、15%、20%、25%、30% 35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%)である。一実施形態では、例えば、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約25〜75パーセント(例えば、25%、30%、35%、40%、45%、50% 55%、60%、65%、70%、又は75%)である。別の実施形態では、例えば、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約30〜60パーセント(例えば、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%)である。代替的には、水の添加を、コーティング機、又はコーティング機とコーターの両方で行ってもよい。
【0033】
[0033]ステップ118で、凝集剤(例えば、ナトリウムベントナイト)を計量してコーターに入れる。一般に、コーター中に添加する凝集剤の量は、パーライト粒子の体積に基づく。一実施形態では、例えば、膨張パーライト1立方フィート当たり、5〜25ポンド(例えば、5ポンド、10ポンド、12ポンド、14ポンド、16ポンド、18ポンド、20ポンド、22ポンド、又は24ポンド)のナトリウムベントナイトを添加する。別の実施形態では、例えば、膨張パーライト1立方フィート当たり、13〜22ポンド(例えば、14ポンド、16ポンド、18ポンド、20ポンド、又は22ポンド)のナトリウムベントナイトを添加する。さらに別の実施形態では、膨張パーライト1立方フィート当たり、14〜16ポンド(例えば、14.25ポンド、14.5ポンド、14.75ポンド、15ポンド、15.25ポンド、15.5ポンド、15.75ポンド、又は16ポンドのナトリウムベントナイトを添加する。特定の一実施形態では、膨張パーライト1立方フィート当たり、約15.75ポンドのナトリウムベントナイトを添加する。
【0034】
[0034]ベントナイト系凝集剤に加えて、又はその代わりに、グアーガムなどの他の被覆材料をコーターに入れてもよい。このような材料を、ベントナイトと共に混合物として添加してもよく、別のステップで添加してもよい。
【0035】
[0035]ベントナイト(又は他の被覆材料)を計量してコーターのチャンバーに入れるとき、湿潤した回転している膨張パーライトと組み合わされて、膨張パーライト上に被覆を形成する。
【0036】
[0036]任意選択のステップ120で、被覆されたパーライト(例えば、膨張パーライト)粒子を水と接触させる(例えば、噴霧又は吹き付け)。一般に、ステップ120で添加する水は、コーター内の凝集剤の重量に基づいて添加する。例示的な実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約5〜15パーセント(例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、又は15%)である。別の例示的な実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約5〜10パーセント(例えば、5%、6%、7%、8%、9%、又は10%)である。さらなる例示的な実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約6〜10パーセント(例えば、6%、7%、8%、9%、又は10%)である。特定の一実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約7パーセントである。別の特定の実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約8パーセントである。別の特定の実施形態では、添加する水の重量は、凝集剤の重量の約9パーセントである。
【0037】
[0037]代替的な実施形態では、被覆に続き、ステップ116及び120で、特定の目標水分含有量を達成するのに適当な量で水を添加してもよい。一実施形態では、例えば、約20〜40パーセント(例えば、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、又は40%)の目標水分含有量を達成するのに適当な量で水を加える。別の実施形態では、例えば、約25〜30パーセントの目標水分含有量を達成するのに適当な量で水を加える。
【0038】
[0038]一実施形態では、膨張パーライト粒子、ベントナイト及び水をドラム中でタンブル混合する、ロータリーシステムを利用する。
【0039】
[0039]ステップ122で、被覆された粒子を乾燥機に移す。乾燥により、実質的に被覆を除去することも実質的に完成品に損傷を与えることもなく、被覆された粒子から水分を除去する。ある実施形態では、流動床乾燥機を利用する。典型的には、被覆された粒子を、約1.5%〜約20%にわたる水分含有量を有するように乾燥させる。一実施形態では、例えば、被覆された粒子を、約5%〜約15%(例えば、約5%、約7%、約9%、約11%、約13%、又は約15%)にわたる水分含有量を有するように乾燥させる。別の実施形態では、例えば、被覆された粒子を、約7%〜約10%(例えば、約7%、約8%、約9%、又は約10%)にわたる水分含有量を有するように乾燥させる。一実施形態では、例えば、被覆された敷材製品の最終水分含有量は、約10%である。別の特定の実施形態では、被覆された粒子を、比較的一様な外観の被覆された粒子を実現するのに十分な水分レベルになるまで乾燥させる。
【0040】
[0040]ステップ124で、別のスクリーニング工程を行う。振動スクリーナーを使用して、約8のメッシュサイズよりも大きく約40のメッシュサイズよりも小さい被覆された膨張パーライト粒子を除去しても良い。スクリーニング工程で分別された、任意の過剰な被覆された膨張パーライトを、例えば、粉砕して他の敷材製品に添加してもよく、他の臭気又は水分制御製品に使用してもよい。
【0041】
[0041]様々な添加剤を、被覆された敷材製品に任意選択で適用してもよい。添加剤は、例えば、臭気制御剤(複数可)、芳香剤(複数可)、抗微生物剤(複数可)、抗粘着剤(複数可)、pH制御用の薬剤(複数可)、着色用の粉末剤(複数可)、染料、着色剤(複数可)及び/若しくは着色した粒子、脱塵剤(複数可)、消毒剤(複数可)、又はこれらの組合せを含んでいてもよい。一実施形態では、例えば、被覆された粒子の少なくとも一部を、着色剤でさらに被覆する。
【0042】
[0042]本発明の被覆された敷材製品の様々な特性は、既存の敷材製品に対して著しい改善を示す。
【0043】
[0043]例を挙げると、本開示の被覆された敷材組成物の密度は、他の敷材製品と比較して、相対的に小さい。例えば、被覆された敷材製品の密度が、200〜600kg/mであることが典型的である。一実施形態では、被覆された敷材製品の密度は、300〜500kg/m(例えば、300kg/m、350kg/m、400kg/m、450kg/m、又は500kg/m)である。別の実施形態では、被覆された敷材製品の密度は、350〜450kg/m(例えば、350kg/m、400kg/m、450kg/m)である。特定の一実施形態では、被覆された敷材製品の密度は、約350kg/mである。別の特定の一実施形態では、被覆された敷材製品の密度は、約400kg/mである。別の特定の一実施形態では、被覆された敷材製品の密度は、約450kg/mである。例えば、集塊化も、圧壊も、押出も、これら以外の密度を上昇させるような変化も受けていない、本来軽量である膨張パーライトの使用は、本発明の被覆された敷材製品の望ましい低密度に寄与し、先行技術の敷材に対して著しい改善をもたらす。好ましい一実施形態では、パーライト材料は、集塊化していない材料であり、すなわち、パーライト材料は、集塊化しておらず、そうでなければ寄せ集まってひと塊になってもおらず、いずれかの他の材料とクラスター形成してもいない。
【0044】
[0044]一般に、パーライト粒子は、凝集剤で実質的に被覆される。一実施形態では、例えば、粒子は75%超が被覆されている。他の実施形態では、例えば、粒子は85%超、95%超、又は99%超が被覆されている。被覆材料が、粒子全体を取り囲む又はコーティングすることが好ましい。
【0045】
[0045]主に小さく微細な粒子からなる凝集性敷材は、動物の尿などの液体に曝されたときに、薄い大きな凝集塊を生成する。一方、主に大きな粒子からなる凝集性敷材は、凝集した敷材の柱状物を生成する。広範囲にわたる様々な粒度が、尿(又は他の液体)に対し、幾分曲がりくねった経路を生成する。本開示の凝集性敷材材料は、様々な実施形態において、本明細書において論じられるような粒度分布を有する、パーライト及び/又は膨張パーライト粒子を含む。したがって、本発明の被覆された敷材製品を作製するために使用されるパーライト粒子は、集塊化も、圧壊も、押出も、これら以外の実質的な変化も受けていないので(被覆を受けることは除く)、最終製品は、サイズ分布の利益を保持する。
【実施例】
【0046】
[0046]以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに説明するために提供される。以下の実施例に開示される技法が、本発明の実施に際して良好に機能すると本発明者らが見出し、よって、その実施のための形態の例を構成すると考えられるアプローチを表していると、当業者は理解するはずである。しかしながら、当業者は、本開示に照らし合わせて、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示される具体的な実施形態に変更を加えることができ、それでもなお同様又は類似の結果を得ることができると理解するべきである。
【0047】
実施例1〜7:敷材の形成#1
[0047]1.膨張パーライト(1.0lb)を回転式(275RPM)バッチ型農業用シードコーター(Cimbria Heid、セントリコーターCC10(Centri Coater CC10))に添加した。
【0048】
[0048]2.水(0.3lb)をコーターの液体添加口に添加した。中央の回転する円盤により、液体をパーライト凝集物全体にわたって均等に分配した。おおよその添加時間は10秒であった。
【0049】
[0049]3.水の添加後、ナトリウムベントナイト(3.0lb)を、30秒の時間をかけてコーターに添加した。
【0050】
[0050]4.次に、材料を継続して10秒間回転させた。
【0051】
[0051]5.コーターの排出口を開き、排出された材料を集めた。
【0052】
[0052]6.最後に、実験室スケールの流動床乾燥機(キャリアー(Carrier))を使用して材料を乾燥させ、最終水分を記録した。実施例2〜7について、列挙された分量の原材料を使用してステップ1〜6を繰り返した。実施例2、4及び5については、ベントナイトと共にグアーを配合した。
【0053】
実施例8:敷材の形成#2
[0053]1.膨張パーライト(1.0lb)を回転式(275RPM)バッチ型農業用シードコーター(Cimbria Heid、セントリコーターCC10)に添加した。
【0054】
[0054]2.コーターの内部に設置されたスプレーノズルを使用して、水(1.0lb)を添加した。おおよその添加時間は10秒であった。
【0055】
[0055]3.水の添加後、ナトリウムベントナイト(3.0lb)を、30秒の時間をかけてコーターに添加した。
【0056】
[0056]4.ベントナイトを添加した直後、0.11lbの空気霧化された水(霧)を加えた。おおよその添加時間は5秒であった。
【0057】
[0057]5.次に、材料を継続して5秒間回転させた。
【0058】
[0058]6.コーターの排出口を開き、排出された材料を集めた。
【0059】
[0059]7.最後に、実験室スケールの流動床乾燥機(キャリアー)を使用して材料を乾燥させ、最終水分を記録した。
【0060】
実施例9〜12:敷材の形成#3
[0060]1.連続式コーティング機中に膨張パーライトを通過させ、十分な水を加えてその水分含有量を最大で8質量%にした。
【0061】
[0061]2.次いで、湿潤しコーティングされた膨張パーライトをスクリーニングし、−8/+30画分を保持した。
【0062】
[0062]3.次に、1ftの保持した−8/+30画分を回転式バッチ型農業用シードコーター(Cimbria Heid)に添加した。
【0063】
[0063]4.コーターの内部に設置されたスプレーノズルを使用して、水(3.82lb)を添加した。おおよその添加時間は10秒であった。
【0064】
[0064]5.水の添加後、ナトリウムベントナイト(11.95lb)を、30秒の時間をかけてコーターに添加した。
【0065】
[0065]6.ベントナイトを添加した直後、0.42lbの空気霧化された水(霧)を加えた。おおよその添加時間は5秒であった。
【0066】
[0066]7.次に、材料を継続して5秒間回転させた。
【0067】
[0067]8.コーターの排出口を開き、排出された材料を集めた。
【0068】
[0068]9.最後に、流動床乾燥機(キャリアー)を使用して材料を乾燥させ、最終水分を記録した。
【0069】
[0069]10.実施例10〜12について、列挙された分量の原材料を使用してステップ1〜9を繰り返した。膨張パーライトを、列挙された水分になるまでコーティングした。
【0070】
実施例13:敷材の形成#4
[0070]1.膨張パーライトをバルクサックからバッチコーターに搬送しながら、膨張パーライトに水を噴霧した。バッチコーターに達したとき、膨張パーライトの水分含有量は、約14質量%であった。
【0071】
[0071]2.約4ft又は23.62lbのステップ1で得られた膨張パーライトを、回転式バッチ型農業用シードコーター(Cimbria Heid)に添加した。
【0072】
[0072]3.コーターの内部に設置されたスプレーノズルを使用して、水(22.34lb)を添加した。おおよその添加時間は12秒であった。
【0073】
[0073]4.水の添加後、ナトリウムベントナイト(64lb)を、30秒の時間をかけてコーターに添加した。
【0074】
[0074]5.ベントナイトを添加した直後、2.08lbの空気霧化された水(霧)を加えた。おおよその添加時間は6.5秒であった。
【0075】
[0075]6.次に、材料を継続して5秒間回転させた。
【0076】
[0076]7.コーターの排出口を開き、排出された材料を集めた。
【0077】
[0077]8.最後に、流動床乾燥機(キャリアー)を使用して材料を乾燥させ、最終水分を記録した。
【0078】
実施例14:バルク密度の測定
[0078]実施例1〜13のバルク密度を、シードビュロ(Seedburo)(登録商標)充填ホッパー(直径1 1/4の開口)、スタンド、及びパイント(乾燥体積550.06cm)試料カップを使用して、以下の手順に従って測定した:
【0079】
[0079]1.敷材を、満杯になるまで充填ホッパーに注ぎ入れた。
【0080】
[0080]2.次に、空の小型カップを秤の上に置き、秤の目盛りをゼロに設定した。
【0081】
[0081]3.次いで、カップを充填ホッパーの下に置いた。充填ホッパー排出とカップの上端との間の距離を、2インチとした。
【0082】
[0082]4.次いで、充填ホッパー排出スライドを開いて、生成物を空の試料カップ内に落とした。カップが満杯になるまで敷材を流出させ、次いで、さらに1〜2秒間溢れさせた。
【0083】
[0083]5.次いで、直定規を使用してカップの頂部から過剰な生成物を除去し、カップ内容物の高さをカップの縁に合わせた。
【0084】
[0084]6.次いで、敷材の入ったカップを秤に戻し、敷材の重量を記録した。
【0085】
[0085]7.ステップ1〜6を3回繰り返した。
【0086】
[0086]8.1グラム毎立方センチメートル(gm/cm)=62.4269lb/ftという換算係数を使用して、質量値をポンド毎立方フィート(lb/ft)に変換した(1グラム毎乾量パイント(g/乾燥−pt)=0.113358lb/ft)。
【0087】
[0087]9.平均バルク密度を計算した。これを表1に示す。この表を参照すると、本発明の実施例が従来の粘土製すくい取り式敷材(CCSL)よりも顕著に低密度であったことは明らかである。
【0088】
[0088]
【表1】
【0089】
実施例15:凝集塊の評価
[0089]実施例1〜13の凝集塊形成及び%凝集塊凝集度を、以下の手順に従って調べた:
【0090】
[0090]1.3/4”メッシュを有する直径8”の篩を篩用受け皿の頂部に重ね、支持スタンドの底部に置いた。
【0091】
[0100]2.落とし戸構造を支持スタンドに取り付け、3/4”篩の10インチ上に配置した。
【0092】
[0101]3.実施例1に記載された材料の代表的な試料を敷材試験皿に添加した。材料の深さは3インチであった。
【0093】
[0102]4.自動調整25mlビュレットを、支持スタンドの、敷材表面から3インチ上に配置した。この構成を使用して、25mlの液体のアリコートを敷材表面に分注し、敷材に凝集塊を形成させた。この工程を、所望の数の凝集塊が生成するまで、敷材皿の様々な位置で繰り返した。
【0094】
[0103]5.所望の時間間隔(15min又は24hr)の終了時に、凝集塊を敷材から取り出し、その質量をW1として記録した。
【0095】
[0104]6.次いで、凝集塊を、ステップ2で組み立てた落とし戸機構の中心に置いた。
【0096】
[0105]7.次に、レバーを作動させて落とし戸を開放し、凝集塊を3/4”試験篩上に落下させた。
【0097】
[0106]8.未凝集の材料が凝集塊から免れて落下するように、しかし凝集塊にさらなる損傷を与えないように、スクリーンから凝集塊を注意深く取り出した(凝集塊が壊れて小片になった場合、3/4”スクリーン上に保持された最大の小片を選択した。スクリーン上に何も保持されない場合、結果はゼロ(0)重量である)。
【0098】
[0107]9.凝集塊又は最大の小片を秤量し、質量をW2として記録した。
【0099】
[0108]10.凝集度百分率値を、以下の式を使用して計算した:
【0100】
[0109]凝集度百分率=
【0101】
[0110][W2(最終重量)/W1(初期重量)]×100
【0102】
[0111]11.すべての凝集塊についての凝集度百分率値を平均化した。結果を表2に示す。この表を参照すると、実施例は加えた液体と接触したときに凝集塊を形成したこと、及び、本発明の実施例の多くについて、凝集度百分率値は従来の粘土製すくい取り式敷材(CCSL)と同等であったことは、明らかである。
【0103】
[0112]
【表2】
【0104】
実施例16:粒子の形成
[0113]1.膨張パーライト(1.0lb)を回転式(275RPM)バッチ型農業用シードコーター(Cimbria Heid、Centri Coater CC10)に添加した。
【0105】
[0114]2.水(0.30lb)をコーターの液体添加口に添加し、中央の回転する円盤により、液体をパーライト凝集物全体にわたって均等に分配した。
【0106】
[0115]3.水:パーライト混合物を、約5秒間回転させた。
【0107】
[0116]4.次に、ナトリウムベントナイト(0.18lb)をコーターに添加した。
【0108】
[0117]5.ナトリウムベントナイトの添加後、材料を継続してさらに5秒間回転させた。
【0109】
[0118]6.次いで、コーターの排出口を開き、排出された材料を集めた。
【0110】
[0119]7.次いで、被覆された材料を、実験室スケールの流動床乾燥機(キャリアー)を使用して約1%の水分になるまで乾燥させた。
【0111】
実施例17:凝集塊の評価
[0120]1.1パイントの体積の実施例1で作製された敷材材料を、透明プラスチック製パイントジャーに移した。
【0112】
[0121]2.25ml自己調整ビュレットを使用して、2%食塩水25mlを敷材試料の表面に与えた。
【0113】
[0122]3.15分後、ジャーをゆっくりと反転し、凝集塊が存在していたら、凝集塊を取り出した。
【0114】
[0123]本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者は、本発明を様々な使用及び条件に適合させるために、本発明に対して様々な変更及び修正を行うことができる。したがって、このような変更及び修正が以下の特許請求の範囲と均等なあらゆる範囲内にあることは、適性であり、公正であり、且つ、そのように意図されている。
【0115】
[0124]本明細書に記載されている本発明の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正は当業者には明白であると、理解するべきである。このような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく且つ本発明の意図する利点を損なうことなく行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されるものと意図されている。
図1