(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高点支持部は、着用者の骨盤のうち相対的に上に上がった側の腸骨陵部位に対応する骨盤支持部を含み、前記水平ベルト部と身体の間に両側の股関節部位にそれぞれ対応するように配置された1対の股関節パッドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元身体矯正装置。
前記骨盤パッドの両側から延長され、着用者の身体の一部によって支持されて前記骨盤パッドを下方に引っ張る力を加える補助ベルトをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の3次元身体矯正装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたもので、脊椎の中心線が横に曲がる2次元的な変形だけでなく、脊椎の回転を伴う3次元的な変形を矯正することができる3次元身体矯正ベルトを提供することにその目的がある。
【0008】
また、腰と骨盤及び股関節部分の変形だけでなく、肩と肋骨を含む胸椎部分の変形まで効果的に矯正できる3次元身体矯正ベルトを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決すべく、本発明による3次元身体矯正装置は、身体の左右両側端のうち正常状態に比べて変位した高点部を支持する高点支持部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記高点支持から下方に斜めに延長され、上記高点支持部に対して、上記高点部の回転変位に反対する方向に張力が作用する傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記傾斜ベルト部の下端部と部分的に重なるように身体を水平方向に囲んで圧迫する水平ベルト部と、上記傾斜ベルト部の下端部と上記水平ベルト部が接する境界をなし、上記水平ベルト部の少なくとも一部によって身体の
一側に圧迫されて身体に対して滑らないように支持される重畳支持部と、を含み、上記高点支持部は、片方の肩の周りを環状に囲む
バンドを含み、上記
バンドは肩の
一方で上記傾斜ベルト部と連結される。
なお、本明細書において、ベルトは弾性ベルトであることができ、また、バンドは環状肩バンドであることができる。
【0010】
上記高点支持部は、
一方に突出した肩甲骨に対応する位置に配置され、上記肩バンドと上記傾斜ベルト部の張力によって身体の
一側に圧迫される肩甲骨パッドをさらに含んでもよい。
【0011】
また、上述した3次元身体
矯正装置は、上記水平ベルト部と重なるように配置されたもので、突出した肋骨部位に対応する位置に配置されて上記水平ベルト部の張力によって身体の
一側に圧迫される肋骨パッドをさらに含んでもよい。
【0012】
本発明の一側面による3次元身体矯正装置は、身体の左右両側端のうち正常状態に比べ
て変位した高点部を支持する高点支持部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記高点支持から下方に斜めに延長され、上記高点支持部に対して、上記高点部の回転変位に反対する方向に張力が作用する傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記傾斜ベルト部の下端部と部分的に重なるように身体を水平方向に囲んで圧迫する水平ベルト部と、上記傾斜ベルト部の下端部と上記水平ベルト部が接する境界をなし、上記水平ベルト部の少なくとも一部によって身体の
一側に圧迫されて身体に対して滑らないように支持される重畳支持部と、を含み、上記高点支持部は、着用者の骨盤のうち相対的に上に上がった側の腸骨陵部位に対応する骨盤支持部を含み、上記水平ベルト部と身体の間に両側の股関節部位にそれぞれ対応するように配置された1対の股関節パッドをさらに含む。
【0013】
本発明の一側面による3次元身体矯正装置は、身体の左右両側端のうち正常状態に比べて変位した高点部を支持する高点支持部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記高点支持から下方に斜めに延長され、上記高点支持部に対して、上記高点部の回転変位に反対する方向に張力が作用する傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、身体を水平方向に囲んで圧迫する水平ベルト部と、上記水平ベルト部の少なくとも一部によって身体の
一側に加圧されて身体の一部を圧迫する少なくとも1つのクッションパッドと、着用者の身体と接触するように上記傾斜ベルト部及び上記水平ベルト部の
一側に配置され、上記傾斜ベルト部、上記水平ベルト部及び上記少なくとも1つのクッションパッドの相対的な位置を定義する
スキンと、を含む。
なお、本明細書において、スキンは柔軟性スキンであることができる。
【0014】
ここで、上記少なくとも1つのクッションパッドは、上記
スキン内のある位置に固定され、上記傾斜ベルト部及び上記水平ベルト部の少なくとも一部分が上記
スキンによって支持されることにより、これらの相対的な位置が定義されることができる。
【0015】
上記
スキンは、上記水平ベルト部と重なる部分が着用者の変位した身体部分を囲んでその両端部が互いに付着されるように形成され、上記
スキンの
一側面の一部に上記傾斜ベルト部及び上記水平ベルト部が張力の印加された状態で付着されるように形成されてもよい。張力が印加された状態で付着されるとは、例えば、上記傾斜ベルト部及び上記水平ベルト部の少なくとも一部を構成する
ベルト部材が引張された状態で、その端部が上記
スキンの
一側面に付着されることを意味する。
【0016】
上記高点支持部は、身体の一部を加圧するように
一側に突出した高点加圧パッドを含んでもよい。
【0017】
この場合、上記高点加圧パッドは、着用者の骨盤のうち相対的に上に上がった側の腸骨陵部位に対応する骨盤パッドであり、上記少なくとも1つのクッションパッドは、着用者の両側の股関節部位にそれぞれ対応する位置に固定された1対の股関節パッドであり、上記傾斜ベルト部は、上記骨盤パッドから着用者の
他方側に延長された
他方の傾斜ベルトと、着用者の
一方側に延長された
一方の傾斜ベルトを含み、上記
他方の傾斜ベルトと上記
一方の傾斜ベルトは、それぞれ上記
スキンの
一側面に付着されるように形成されてもよい。このとき、上記骨盤パッドの両側から延長され、着用者の身体の一部によって支持されて上記骨盤パッドを下方に引っ張る力を加える補助ベルトをさらに含んでもよい。
なお、本明細書において、一方の傾斜ベルトは後方傾斜ベルトであることができ、また、他方の傾斜ベルトは前方傾斜ベルトであることができる。
【0018】
上記高点支持部は、
他方に歪んだ片方の肩の周りを環状に囲む
バンドを含み、上記
バンドは、肩の
一方で上記傾斜ベルト部と連結されてもよい。
【0019】
この場合、上記高点支持部は、
一方に突出した肩甲骨に対応する位置に配置され、上記
バンドと上記傾斜ベルト部の張力によって身体の
一側に圧迫される肩甲骨パッドをさらに含んでもよい。
【0020】
一方、上記水平ベルト部は、上記少なくとも1つのクッションパッドのうち上記高点支持部に相対的に近いクッションパッドから着用者の
他方側に延長された
他方の水平ベルトと、着用者の
一方側に延長された
一方の水平ベルトを含み、上記
他方の水平ベルトと上記
一方の水平ベルトは、それぞれ上記
スキンの
一側面に付着されるように形成されてもよい。
なお、本明細書において、一方の水平ベルトは後方水平ベルトであることができ、また、他方の水平ベルトは前方水平ベルトであることができる。
【0021】
一方、上記水平ベルト部は動滑車型ベルト引張構造を含んでもよい。
【0022】
本発明の一側面による全身の3次元身体矯正装置は、上半身型3次元身体矯正装置と、下半身型3次元身体矯正装置と、を含み、上記上半身型3次元身体矯正装置は、着用者の肩のうち正常状態に比べて変位した片方の肩の周りを環状に囲む
バンドと、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記
バンドの
一方から下方に斜めに延長され、上記片方の肩の変位に反対する方向に張力が作用する第1傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、着用者の身体を水平方向に囲んで圧迫し、上記第1傾斜ベルト部の下端部を直接または間接的に支持する第1水平ベルト部と、を含み、上記下半身型3次元身体矯正装置は、着用者の骨盤のうち正常状態に比べて変位した側の腸骨陵部位を支持する骨盤支持部と、上記骨盤支持部の両側から下方に斜めに延長され、その回転変位に反対する方向に張力が作用する第2傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、着用者の身体を水平方向に囲んで圧迫し、上記第2傾斜ベルト部の下端部を直接または間接的に支持する第2水平ベルト部と、を含む。
【0023】
ここで、第1水平ベルト部及び第2水平ベルト部が第1傾斜ベルト部及び第2傾斜ベルト部のそれぞれの下端部を直接または間接的に支持するとは、直接接触するか、互いに連結されて支持する構成だけでなく、他の部材を介して間接的に力を伝達して支持する構成を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明による3次元身体矯正装置は、脊椎の湾曲と回転を含む3次元的な変形を矯正することができながらも、比較的単純で直観的な形態を有し、身体変形の程度に応じた調整が容易である。
【0025】
また、本発明による3次元身体矯正装置は、腰と骨盤及び股関節部分はもちろん、肩と肋骨の変形を伴う胸椎部分の変形まで矯正することができる。これにより、上半身と下半身の中心がずれて歪むことで上半身の中心が崩れる現象を防止し、これを効果的に矯正することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明する。以下で説明する実施例は、様々な形態に変形でき、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当該分野で通常の知識を有する者に発明の技術的思想を明確に伝えるために提供される。
【0028】
本発明による3次元身体矯正装置は、身体の左右両側端のうち正常状態より上に上がっているとともに、前後側に回転変位した歪み部分がある場合、その矯正のために使用することができる。代表的に、肩と肋骨部位の傾きと歪みを含む胸椎部位の変形に対する矯正と、脊柱と連結された骨盤の傾きと歪み等を含む骨盤部位の変形に対する矯正などに適用することができる。以下では、便宜上、前者の場合により好適な実施例を上半身型3次元身体矯正装置とし、後者の場合により好適な実施例を下半身型3次元身体矯正装置とする。
【0029】
図3には、本発明の一実施例による上半身型3次元身体矯正装置の着用状態を着用者の後方からみた様子を示した。
図4には、上記
図3の実施例による上半身型3次元身体矯正装置の構成をより詳細に示した。
【0030】
本実施例による上半身型3次元身体矯正装置は、大きく傾斜ベルト部10と水平ベルト部20からなる。傾斜ベルト部10の上端部には、着用者の両側の肩のうち相対的に上に上がって
他方に歪んだ肩を囲む肩バンド11が備えられる。上記肩バンド11は、身体の左右両側のうち正常状態より上に上がっているとともに前後側に回転変位した、歪んだ高点部を支持する高点支持部の一例であって、肩の歪みと逆方向である後下方に斜めに延長された傾斜ベルト12と連結される。上記傾斜ベルト12は弾力のある
ベルト部材からなり、上記肩バンド11に張力が作用する。上記肩バンド11も
ベルト部材からなってもよいことは言うまでもない。一方、上記肩バンド11と上記傾斜ベルト12が接する部分には、
一方に突出した肩甲骨を
ベルト部材の張力で圧迫する肩甲骨パッド13が備えられてもよい。
【0031】
上記傾斜ベルト12の下端部は水平ベルト部20に繋がるが、これらが接する境界にはループ状で身体を囲んで
一側に圧迫する水平ベルト部20の一部分と重なり、その圧迫する力によって身体に対して滑らないように支持される重畳支持部が形成される。上記重畳支持部は、例えば、前方肋骨パッド15を含んで構成されてもよい。上記前方肋骨パッド15は、着用者の前方の一側に突出した肋骨部位に対応する位置に配置されるが、大体、上述した肩甲骨パッド13の対角線の反対側に位置する。上記前方肋骨パッド15の一側は上述した傾斜ベルト12と連結され、他側は水平ベルト21と連結される。
【0032】
上記傾斜ベルト12と上記前方肋骨パッド15は、長さ調節部を介して連結される。上記長さ調節部は、着用者の身体サイズに合わせて上記傾斜ベルト12の長さを調節する役割だけでなく、着用者の身体の変形程度に応じて上記傾斜ベルト12にかかる張力を調節する役割もする。上記前方肋骨パッド15として例示された重畳支持部は、着用者の身体に対して滑らないように支持されるため、上記傾斜ベルト12の長さが短くなるほど、上記肩バンド11に及ぼす張力が強くなる。
【0033】
上記前方肋骨パッド15から始まった水平ベルト21は、着用者の胸部をループ状に囲んで再び上記前方肋骨パッド15に戻ってその
一側面の少なくとも一部と重なり、固定部24によって上記水平ベルト21の
一側面の一部に固定されてもよい。上記固定部24は、例えば、ベルクロのように固定するとともに上記水平ベルト21のうち身体を囲む部分の長さを調節することができるように構成されてもよい。但し、これに限定されず、フックやバックルなど様々な固定方法で実現されてもよい。
【0034】
一方、上記水平ベルト21が通る区間のうち着用者の
一方に突出した肋骨部位に対応する位置には、上記水平ベルト21の張力によって身体の
一側に圧迫される後方肋骨パッド22が備えられてもよい。また、着用者の身体状態に応じて追加部位に対する圧力が必要な場合、該当位置に補助圧迫パッド23をさらに備えてもよい。これらは上記水平ベルト21の長さ方向に沿って位置が移動できるように設けられてもよい。
【0035】
上記水平ベルト部20は、このように
ベルト部材からなる水平ベルト21を利用して身体の両側端を連結する横軸に対して、歪んだ方向に突出した胸部を身体の
一側に圧迫して矯正する役割をするが、前方肋骨パッド15と後方肋骨パッド22などを含んで異常に突出した部分を集中的に圧迫し、変形によって相対的に陥入した部分に圧迫が加わらないようにする機能を行う。上記前方及び後方肋骨パッド15、22を含む部分についてより詳細に説明すると、以下の通りである。
【0036】
図5には上記
図4のV−V’断面を示し、
図6には上記
図4のVI−VI’断面を示した。
【0037】
まず、
図5を参照すると、傾斜ベルト12の下端部が長さ調節部152を介して上記前方肋骨パッド15に連結され、その反対側に水平ベルトの前端部21Aが連結される。上記前方肋骨パッド15と上記水平ベルトの前端部21Aも長さ調節部153を介して連結されてもよいが、上記水平ベルトの長さは上述した固定部などにより調節されてもよいため、その必要性が大きくない。上記前方肋骨パッド15における身体Bと接触する部分には、等しい圧迫と摩擦力の増加のためにクッション部材151が配置されてもよい。上記前方肋骨パッド15の両側に連結された上記傾斜ベルト12にかかる張力T1と水平ベルト21にかかる張力T2は、その大きさが異なってもよく、例えば、T1>T2の関係であってもよい。このような場合にも、上記前方肋骨パッド15のような重畳支持部は、身体Bに対して滑らないように支持され、
一側への圧迫力を伝達することができる。
【0038】
また、上記前方肋骨パッド15の胴体155の
一側には、例えば、リングのような形状の締結口154が形成され、胸部を一回巻いた水平ベルトの後端部21Bと締結されてもよい。本実施例によると、上記水平ベルトの後端部21Bは上記締結口154にかけてから反対に折り曲がり、その折り曲がった水平ベルトの固定端部21Cは、その
一側に設けられたベルクロ21Vにより上記水平ベルトの後端部21Bに固定されてもよい。このような締結構造は、長さ調節を容易にしながらも水平ベルト部20の圧迫力を強くすることができる点で有利であるが、これに限定されるものではない。
【0039】
次いで、
図6を参照すると、上述した後方肋骨パッド22が水平ベルト21の張力T2によって身体Bの一部を圧迫する様子を見ることができる。ここで、後方肋骨パッド22もクッション部材を含んで構成されてもよく、水平ベルト21が上記後方肋骨パッド22の
一側面に設けられたリングを通過する方式で設けられることにより、上記後方肋骨パッド22が上記水平ベルト21の長さ方向に沿って移動できるようにすることができる。
【0040】
図7には、本発明の一実施例による下半身型3次元身体矯正装置の着用状態を着用者の後方から見た様子を示し、
図8には、上記
図7の実施例による下半身型3次元身体矯正装置の構成をより詳細に示した。
図9には、上記
図8における重畳支持部の付近を部分拡大して示した。
【0041】
本実施例による下半身型3次元身体矯正装置は、1つのループ状をなす傾斜ベルト部30ともう1つのループ状をなす水平ベルト部40からなる。傾斜ベルト部30の上端部には、着用者の骨盤のうち相対的に上に上がって
他方に歪んだ側の腸骨陵部位を囲む骨盤支持部31が備えられる。上記骨盤支持部31は上述した高点支持部の一例であって、骨盤の歪みと反対方向ある後下方に斜めに延長された傾斜ベルト32と連結される。上記傾斜ベルト32は、弾力のある
ベルト部材からなり、上記骨盤支持部31の後下方に集中した張力が作用する。上記骨盤支持部31の
他方に
他方の傾斜ベルト32Aが連結され、その
一方に
一方の傾斜ベルト32Bが連結されるが、これらにかかる張力は互いに異なる。示されたように、
一方の傾斜ベルト32Bにかかる張力が相対的に大きい場合、上記骨盤支持部31には上に上がり
他方に歪んだ側の骨盤を下に引き下ろしながら、歪んだ反対方向に回転させる力が作用するようになる。
【0042】
上記傾斜ベルト32の下端部は水平ベルト部40に繋がるが、これらが接する境界には、ループ状で身体を囲んで
一側に圧迫する水平ベルト部40の一部分と重なりながら、その圧迫する力によって身体に対して滑らないように支持される重畳支持部35が形成される。上記重畳支持部35は、例えば、第1クッションパッド351を含んで構成されてもよい。上記第1クッションパッド351は、着用者の
他方の一側において、上述した
他方の傾斜ベルト32Aの前端部及び
一方の傾斜ベルト32Bの後端部と着用者の身体との間に配置されて圧力を分散させ、摩擦力を増加させることができる。上述した上半身型3次元身体矯正装置における
他方肋骨パッドもこのような第1クッションパッドの一種とみることができる。上記第1クッションパッド351は、
一方の傾斜ベルト32Bの後端部と連結された
他方の水平ベルト41Aの前端部により身体の
一側に加圧されて支持される。
【0043】
上記
一方の傾斜ベルト32Bの後端部と上記
他方の水平ベルト41Aの前端部は同じ
ベルト部材で連続的に形成されてもよいが、この場合、これらが重なった部分324Aに作用する摩擦力によって上記
他方の傾斜ベルト32Aの前端部が支持されるため、上記骨盤支持部31の両側に異なる張力T3、T4が印加されることができる。一方、上記
他方の水平ベルト41Aの前端部から着用者の股関節部位の周りを一回巻いた
一方の水平ベルト41Bの端部41Cは、上記
他方の傾斜ベルト32Aの前段に設けられたリング状の締結口354にかかって反対方向に折り曲がって、ベルクロ41Vのような固定部により固定されてもよい。このような構造は、股関節部位を囲んで圧迫する水平ベルト部40の長さと張力の強さが容易に調節できるようにする。
【0044】
一方、このような形態の重畳支持部35は、傾斜ベルト部30の長さを調節する機能も
兼ねることができる。これは、上記
一方の傾斜ベルト32Bが上述したリング状の締結口354の付近を通るとき、その
一側面324Bを上記
一方の水平ベルト41Bの後端部が圧迫することにより、上記骨盤支持部31から上記リング状の締結口354を通過する前までの上記
一方の傾斜ベルト32Bの長さが着用時に調節された状態に保持できるからである。
【0045】
一方、上記水平ベルト部40が通る区間のうち上記骨盤支持部31の下部の股関節に対応する位置には、上記水平ベルト41の張力によって身体の
一側に圧迫される股関節パッド42が備えられてもよい。上記股関節パッド42は、上記水平ベルト41の長さ方向に沿って位置が移動できるように設けられてもよく、上記股関節パッド42の位置は上述した
他方の水平ベルト41Aと
一方の水平ベルト41Bの境界に該当し、実際、これらは互いに連続的に連結されたものであってもよい。上記股関節パッド42は、重畳支持部の反対側に配置され水平ベルト部の張力によって身体の
一側に圧迫される第2クッションパッドの一例に該当するもので、上述した上半身型3次元身体矯正装置における後方肋骨パッドも第2クッションパッドに該当する。
【0046】
上記水平ベルト部40は、このように
ベルト部材からなる水平ベルト41及び股関節パッド42を利用して、骨盤の歪みにより緩く開いた股関節を身体の
一側に圧迫して矯正する役割をする。
【0047】
図10には、本発明の一実施例による上半身型3次元身体矯正装置の着用状態を示し、
図11には、上記
図10の実施例による上半身型3次元身体矯正装置の構成をより詳細に示した。
【0048】
本実施例による3次元身体矯正装置201は、上述した実施例と同様に、高点支持部、傾斜ベルト部、及び水平ベルト部を含む。そして、さらに
スキン205を含む。上記
スキン205は、上記水平ベルト部と重なる部分が着用者の胸部を囲み、その両端部2051、2052が互いに付着するように形成される。両端部の付着は、例えば、ベルクロ部材からなってもよく、他の例として、フックやバックルなど様々な形態に変形もできる。一方、上記
スキン205の
一側面の一部、特に、着用時に上記傾斜ベルト部を構成する傾斜ベルト212の下端部や水平ベルト部を構成する水平ベルト221の両側端部と重なる部分にも、ベルクロなどを利用して、上記傾斜ベルト212及び水平ベルト221が傾斜方向または水平方向に引っ張られて張力が印加された状態で付着されるように形成されてもよい。
【0049】
本実施例による3次元身体矯正装置201は、胸部に着用される上半身型であって、上
記高点支持部は、
他方に歪んだ片方の肩の周りを環状に囲む
バンド211を含み、上記
バンド211は、肩の
一方で上記傾斜ベルト212と連結されるように構成されてもよい。この時、高点加圧パッドの一例として、
一方に突出した肩甲骨に対応する位置に配置され、上記
バンド211と上記傾斜ベルト212の張力によって身体の内側に圧迫される肩甲骨パッド213を備えてもよい。上記肩甲骨パッド213は、上記
スキン205の上部、即ち、水平ベルト部と重なる部分から上側に拡張された部分に配置されてもよい。
【0050】
上記
スキン205は、柔軟性のある(flexible)繊維またはメッシュ(mesh)素材をベースにして形成されてもよく、伸縮性、通気性または着用感などを向上させるために、様々な複合材料で形成されてもよいことは言うまでもない。上記
スキン205は、上述した高点加圧パッドの一例としての肩甲骨パッド213、及び上述したクッションパッドの一例としての後方肋骨パッド222の相対的な位置を定義する。即ち、上記肩甲骨パッド213及び上記後方肋骨パッド222は、上記
スキン205の
一側の一部分にそれぞれ固定される。従って、3次元身体矯正装置201を着用する者がこれらのいずれか1つを身体の対応部位に位置させると、残りのパッドも簡単に定位置になる。このような点は、着用者の便宜性を向上させ、正確な着用を可能にして身体矯正の効果を向上させるのに役立つ。着用者の身体サイズと装置のサイズに応じて、それぞれの位置に若干のずれはあり得るが、これは上記
スキン205の素材の特性上、簡単に調整できる。
【0051】
上記
スキン205は、上で例示したように、複数のパッド213、222の相対的な位置を定義するだけでなく、上述した少なくとも1つのクッションパッドと傾斜ベルト部及び水平ベルト部の相対的な位置を定義する。上記傾斜ベルト部及び上記水平ベルト部は、その一部分が上記
スキン205上のある位置に固定されるか、上記
スキン205上に設けられた固定構造物、例えば、ベルトの進行方向をガイドするリングや穴などの構造物を介してこれらの少なくとも一部を支持することにより、その相対的な位置を定義することができる。
【0052】
一方、上記水平ベルト部は、上記肩甲骨パッド213に相対的に近いクッションパッド、例えば、後方肋骨パッド222から着用者の
他方側に延長された
他方の水平ベルト2212と、着用者の
一方側に延長された
一方の水平ベルト2211、2213を含んで構成されてもよい。上記
他方の水平ベルト2212と上記
一方の水平ベルト2211、2213のうち端部パート2211は、上述したように、それぞれ上記
スキン205の
一側面に付着されるように形成されてもよい。このように
他方の水平ベルトと
一方の水平ベルトが互いに分離された形態は、それぞれが上記
一方肋骨パッド222に作用する張力を異ならせて肋骨の回転変位を正すのに役立つことができる。
【0053】
また、上記水平ベルト221は、少なくとも一部に
ベルト部材を含むもので、示されたように、動滑車型ベルト引張構造224を含んでもよい。
図11に示された実施例では、動滑車の役割をする2つの滑車リング224A、224Bを含み、これらの間に上記水平ベルト221の中間パート2213が配置された2重動滑車構造が適用された。このような動滑車型ベルト引張構造224の機能及び作動原理については、以下で別途の図面を参照して説明する。
【0054】
図12には、上記
図11の実施例における動滑車型ベルト引張構造の作動原理を示した。
【0055】
本実施例は、2重動滑車構造が適用されたもので、上述したように水平ベルト221が
他方の水平ベルト2212と
一方の水平ベルトを含んで構成され、上記
一方の水平ベルトは末端パート2211及び中間パート2213を含んで構成される。上記
他方の水平ベルト2212の一端部と上記中間パート2213の中間部分の間には第1滑車リング224Aが配置され、上記中間パート2213の一端部と上記末端パート2211の中間部分の間には第2滑車リング224Bが配置される。一方、上記
一方の水平ベルトを構成する上記末端パート2211の
一側端部と上記中間パート2213の
一側端部は、上述した
スキンのある位置に固定される。
【0056】
このような構成により、着用者が上記末端パート2211をFの力で引っ張ると、上記第2滑車リング224Bはその力と同じ方向の2Fの力で引っ張られ、このような原理で上記第1滑車リング224Aは4Fの力で引っ張られるにようになる。その結果、上述した
図11の後方肋骨パッド222は、上記
一方の水平ベルトが延長された方向に4Fの力を受けるようになる。一方、本実施例は、2重動滑車構造が適用された場合であるが、上記のような原理で単一動滑車構造が適用された場合には、上述した後方肋骨パッド222に2Fの力がかかるようになる。
【0057】
以上で説明したように、動滑車型ベルト引張構造は着用者が小さな力でも、上記水平ベルトに大きな張力を印加することができるようして身体矯正効果を極大化させる。
【0058】
図13には、本発明の一実施例による下半身型3次元身体矯正装置の着用状態を示し、
図14には、上記
図13の実施例による下半身型3次元身体矯正装置の構成をより詳細に示した。
【0059】
本実施例による3次元身体矯正装置202は、上述した
図10〜
図12の実施例と同様に、高点支持部、傾斜ベルト部、水平ベルト部、及び
スキン206を含む。但し、高点支持部の上側に変位した骨盤部位を支持するという点などに差がある。より具体的には、本実施例では、上記高点支持部を構成する高点加圧パッドは、着用者の骨盤のうち相対的に上に上がった側の腸骨陵部位に対応する骨盤パッド231である。上述した傾斜ベルト部を構成するもので、少なくとも一部の
ベルト部材を含む傾斜ベルト232は、上記骨盤パッド231から着用者の
他方側に延長された
他方の傾斜ベルト232Aと、着用者の
一方側に延長された
一方の傾斜ベルト232Bと、からなってもよい。
【0060】
水平ベルト部と重なって配置される少なくとも1つのクッションパッドは、着用者の両側の股関節部位にそれぞれ対応する位置に固定された1対の股関節パッド242A、242Bであり、これらは上記骨盤パッド231とともに上記
スキン206上の所定位置に固定される。そのため、それらの相対的な位置が定義される。一方、上記
スキン206は、水平ベルト部と重なる部分が着用者の臀部を囲んだ状態でその両側端部2061、2062が互いに付着されるように形成される。
【0061】
また、上記
他方の傾斜ベルト232Aと上記
一方の傾斜ベルト232Bは、それぞれ上記
スキン206の
一側面に付着されるように形成されてもよい。付着はベルクロなどの部材により実現されてもよい。
【0062】
一方、本実施例による下半身型3次元身体矯正装置202における水平ベルト241は、
図14に示したように、1対の股関節パッド242A、242Bのうち上記骨盤パッド231に相対的に近い左側の股関節パッド242Aから着用者の
他方側に延長された
他方の水平ベルト241Aと、その反対側に延長された
一方の水平ベルト241Bとに分けられる。これらは、上述した
他方の傾斜ベルト232A及び
一方の傾斜ベルト232Bと同様に、
他方ベルトと
一方ベルトに異なる張力が印加されて一方向に回転変位した着用者の骨盤を復元させる方向に回転力が加えられるようにする。
【0063】
図15には、上記
図14の実施例における動滑車型ベルト引張構造の作動原理を示した。
【0064】
図13〜
図15をともに参照すると、上述した水平ベルト241を構成する
他方の水平ベルト241Aと
一方の水平ベルト241Bのうち少なくとも何れか1つには、動滑車型ベルト引張構造244が適用されてもよい。
図14及び
図15の実施例による3次元身体矯正装置206には、上記
他方の水平ベルト241Aと上記
一方の水平ベルト241Bのそれぞれに2重動滑車型ベルト引張構造が適用された。
【0065】
上記水平ベルト241のうち上記左側の股関節パッド242Aに重なる中心パート2411を基準として図面上の左側の
他方の水平ベルト241Aにも2つの滑車リング2441A、2442Aが配置され、これらを媒介に
他方の水平ベルト241Aの末端パート2413Aと中間パート2412A、そして中心パート2411Aが互いに連結される。また、上記中心パート2411を基準として図面上の右側の
一方の水平ベルト241Bにも、2つの滑車リングとともに
一方の水平ベルト241Bの末端パート2413B、中間パート2412B、そして上記中心パート2411Bが互いに連結されるように配置される。
【0066】
このような2重動滑車型ベルト引張構造において、着用者が
他方の水平ベルト241Aの末端パート2413Aと
一方の水平ベルト241Bの末端パート2413BをそれぞれF1とF2の強さの力で引っ張ると、上述した左側の股関節パッド242Aの部分に対して、
他方側には4F1の力が作用し、
一方側には4F2の力が作用して、その力の差分だけ着用者の骨盤に回転力を与えることができる。
【0067】
図16には、上記
図13の実施例に対する一変形例を示した。
【0068】
本変形例は、上述した
図13の実施例と比較して、上記骨盤パッド231の一側から着用者の股を通って上記骨盤パッド231の他側に連結され、上記骨盤パッド231を下方に引っ張る力を加える補助ベルト250をさらに備える点に差がある。残りの部分は同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
一方、本発明の一側面による全身の身体矯正装置は、上半身型3次元身体矯正装置と下半身型3次元身体矯正装置を含んでもよい。上記上半身型3次元身体矯正装置は、上述した
図3〜
図4の実施例によるもの、または上述した
図10〜
図11の実施例によるものであってもよい。また、上記下半身型3次元身体矯正装置も、上述した
図7〜
図8の実施例によるもの、または上述した
図13〜
図14または
図16の実施例によるものであってもよい。このように、上半身型と下半身型の装置の様々な組み合わせにより全身の身体矯正装置を構成することができる。
【0070】
ここで、上記上半身型3次元身体矯正装置は、着用者の肩のうち正常状態より
他方に回転変位した片方の肩の周りを環状に囲む
バンドと、少なくとも一部が
ベルトからなり、上記
バンドの
一方から下方に斜めに延長され、上記片方の肩の変位に反対する方向に張力が作用する第1傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、着用者の胸部を水平方向に囲んで圧迫し、上記第1傾斜ベルト部の下端部を直接または間接的に支持する第1水平ベルト部と、を含むことが好ましい。
【0071】
また、上記下半身型3次元身体矯正装置は、着用者の骨盤のうち正常状態より上に上がって回転変位した側の腸骨陵部位を支持する骨盤支持部と、上記骨盤支持部の両側から下方に斜めに延長され、その回転変位に反対する方向に張力が作用する第2傾斜ベルト部と、少なくとも一部が
ベルトからなり、着用者の臀部を水平方向に囲んで圧迫し、上記第2傾斜ベルト部の下端部を直接または間接的に支持する第2水平ベルト部と、を含むことが好ましい。
【0072】
以上において、
他方と
一方はそれぞれ着用者の身体の前側と後ろ側を指す意味で使用された。一方、上述した
ベルト部材は、いわゆるソファベルトまたは弾性ウェビングストラップと呼ばれる弾性的に伸びる帯状の部材のことであるが、例示された部材に限定されるものではない。パッド類を構成するクッション部材も圧縮スポンジやウレタンフォーム、シリコンラバーなどの様々な素材からなるものを採択することができる。