(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記解錠要求受付手段は、前記サービスの提供者が使用する情報処理端末から前記第1解錠要求を受け付ける、ことを特徴とする請求項1に記載のオートロック式ドア解錠システム。
前記解錠許可情報は、前記利用者によって指定されたサービス業者によって提供される前記サービスについて、前記利用者によって前記ドアの解錠が許可されているか否かを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のオートロック式ドア解錠システム。
前記解錠許可情報は、前記利用者によって指定された期間内に提供される前記サービスについて、前記利用者によって前記ドアの解錠が許可されているか否かを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のオートロック式ドア解錠システム。
前記解錠要求装置は前記ドアの解錠ボタンを有し、前記作動手段は前記解錠ボタンを押下するロボットである、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のオートロック式ドア解錠システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態の詳細について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は一例にすぎず、本開示に係るオートロック式ドア解錠システムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。また、実施にあたっては、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用され、種々の改良や変形が行われてよい。
【0017】
一実施形態における自動ドア解錠システム1について説明する。自動ドア解錠システム1が、本件開示の技術の一側面に係るオートロック式ドア解錠システムの一例である。なお、以下の説明では、サービスの一例として荷物の配送サービスを想定する。そして、サービスの利用者である荷物の受取人に荷物が配送される場合に、サービスの提供者である荷物の配達員が、自動ドア解錠システム1が導入された施設を訪問し、施設の自動ドアを解錠する場合を想定する。
図1Aに示すように、自動ドア解錠システム1は、情報処理端末10、管理サーバ30、応答ロボット60を有する。
【0018】
図1Bに、自動ドア解錠システム1の使用例を模式的に示す。管理サーバ30は、ECサイトにおける注文に関する注文情報を管理する注文情報サーバ40と、注文に係る商品の発送から配達完了までの配送状況に関する配送情報を管理する配送情報サーバ50とそ
れぞれ接続されている。管理サーバ30は、注文情報サーバ40および配送情報サーバ50と、API(Application Program Interface)による連携によって、以下に説明する
情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されている。
【0019】
ここで、注文情報サーバ40によって管理される注文情報には、注文内容、荷物IDなどの荷物を特定する情報、荷物の配達における配達日時の指定、荷物の置き配の指定の有無、置き配における荷物の配置場所などの置き配の条件、荷物の発送状況など、注文や発送に関する種々の情報が含まれてよい。また、配送情報サーバ50によって管理される配送情報には、荷物IDなどの荷物を特定する情報、荷物の置き配の指定の有無、置き配における荷物の置き場所などの条件、荷物の発送から配達完了にいたるまでの配送状況など、荷物の配送に関する種々の情報が含まれてよい。
【0020】
管理サーバ30は、注文情報サーバ40から、発送された荷物を特定する情報や注文時に受取人によって指定される置き配の条件に関連する情報を取得する。また、管理サーバ30は、配送情報サーバ50から、荷物の配送状況を示す情報や荷物の配送中に受取人によって指定される置き配の条件に関連する情報を取得する。ここで、管理サーバ30が配送情報サーバ50からも荷物の置き配に関連する情報を取得することで、例えば、荷物の受取人が、注文時には置き配を指定せず、荷物が発送された後で当該荷物の配達形態を置き配に変更した場合でも、後述する自動ドアを解錠するための処理を実行することができる。
【0021】
また、管理サーバ30および注文情報サーバ40は、それぞれ荷物の受取人が所有する情報処理端末120と通信を行う。なお、管理サーバ30と情報処理端末120との間の情報の送受信や注文情報サーバ40と情報処理端末120との間の情報の送受信の詳細については後述する。
【0022】
図1Bに示すように、本実施形態では、荷物80の配達員100が、施錠状態にある自動ドア110の近くまで荷物80を運搬する。配達員100は、配達員100に割り当てられた情報処理端末10を携行している。情報処理端末10は、配達を行う荷物80を含む複数の荷物の配達状況に応じた業務を行うために配達員100が使用するいわゆる業務端末であってもよく、配達員100が携行する業務端末以外の端末であってもよい。
【0023】
自動ドア110の解錠や施錠、開閉などの種々の動作は、自動ドア制御装置90によって行われる。また、自動ドア制御装置90は、自動ドア110の解錠および施錠や開閉動作など、自動ドア110の駆動を行う図示しない駆動部を有する。自動ドア制御装置90は、施設内に設置されているインターホン70と接続されている。本実施形態では、自動ドア110が設置された施設内に複数の居室が設けられ、各居室にインターホンが設置されているものとする。
図1Bには、それらのインターホンを1つのインターホン70に代表させて示す。なお、インターホンが、自動ドア110の解錠を許可する、サービスの利用者の居室に設けられたドアの解錠要求装置の一例である。
【0024】
また、本実施形態では、応答ロボット60と管理サーバ30との間の通信接続があらかじめ構成されており、応答ロボット60は管理サーバ30からの指示に従って動作する。応答ロボット60は、管理サーバ30からの動作指示を受信すると、可動部を駆動する。応答ロボット60は、可動部が駆動したときにインターホン70が備える自動ドア110の解錠ボタン701を押下するように、居室内に設置されている。
【0025】
本実施形態では、荷物80の受取人が、配達員100が荷物80の配達のために施設に到着する前に、荷物80の配達形態として置き配を指定している。また、管理サーバ30は、荷物80の受取人を識別するユーザIDと応答ロボット60との対応関係に関する情
報を記憶部に記憶している。ここで、荷物の受取人のユーザIDとは、受取人と配達先の住所との組み合わせを一意に識別する識別情報を意味し、受取人を示す情報と配達先の住所を示す情報とが組み合わされた情報であってもよいし、別途に設定される番号等であってもよい。例えば、荷物80の受取人が情報処理端末120でプログラムを実行することで、荷物80の置き配の指定や、荷物80の受取人のユーザIDと応答ロボット60との対応関係に関する情報の管理サーバ30への送信を行うことができる。なお、ユーザIDと応答ロボット60との対応関係を示す情報が、作動手段情報の一例である。また、管理サーバ30の制御部が、作動手段情報を取得する作動手段情報取得手段の一例である。
【0026】
本実施形態では、受取人は、情報処理端末120を操作して、ECサイトにおける商品の注文時に、当該注文に係る荷物の置き配を指定し、自動ドア110の解錠を許可する(図の丸数字1)。そして、注文された商品が荷物80として発送され、注文情報サーバ40から、受取人のユーザIDと荷物80に固有の識別番号である荷物ID80aとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信される(図の丸数字2)。管理サーバ30は、受信した荷物ID80aを基に、配送情報サーバ50に荷物80の配送状況を随時問い合わせる(図の丸数字3)。
【0027】
配達員100は、荷物80とともに施設に到着すると、自動ドア110の近くで情報処理端末10を操作して、荷物80に貼付されている配達伝票に記載された荷物ID80aを情報処理端末10で取得する(図の丸数字4)。例えば、配達員100は、情報処理端末10に搭載されているカメラで荷物80の荷物ID80aを撮像し、情報処理端末10に撮像した画像から荷物80の荷物ID80aを認識する処理を実行させることで、情報処理端末10に荷物80の荷物ID80aを取得させる。そして、配達員100は、情報処理端末10を操作して、取得した荷物ID80aを用いた自動ドア110の解錠要求を情報処理端末10から管理サーバ30に送信する(図の丸数字5)。
【0028】
管理サーバ30は、情報処理端末10から受信した荷物ID80aを用いて、荷物80の配送状況や荷物80の配達に対する自動ドア110の解錠の許可の有無を確認する。管理サーバ30は、荷物80が現在配送中であり、荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合に、情報処理端末10に、情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示を送信する(図の丸数字6)。
【0029】
情報処理端末10は、管理サーバ30から送信された上記の指示を受信すると、表示部に、自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する。配達員100は、情報処理端末10の表示部に解錠ボタンが表示されていることを確認した後、施設に設置されている居室呼び出し用のインターホン20を操作して、荷物80の配達先である居室を呼び出す(図の丸数字7)。これにより、呼び出し先の居室のインターホン70が作動し、インターホン70の自動ドア110の解錠ボタン701は、解錠ボタン701の押下によって自動ドア110の解錠が可能な状態になる。
【0030】
続いて、配達員100は、情報処理端末10の表示部に表示されている実行ボタンを押して自動ドア110の解錠を指示する。情報処理端末10は、実行ボタンが押されて自動ドア110の解錠が指示されたことの通知を管理サーバ30に送信する(図の丸数字8)。管理サーバ30は、情報処理端末10から当該通知を受信すると、応答ロボット60に動作指示を送信する(図の丸数字9)。
【0031】
応答ロボット60は、管理サーバ30から動作指示を受信すると、可動部を駆動する。この結果、応答ロボット60の可動部によってインターホン70の解錠ボタンが押下される(図の丸数字10)。そして、インターホン70から自動ドア制御装置90に自動ドア
110の解錠要求が送信される(図の丸数字11)。自動ドア制御装置90は、解錠要求を受信すると、自動ドア110を解錠して開く。そして、配達員100は、荷物80とともに自動ドア110を通って施設内に入り、置き配による荷物80の配達を完了する。
【0032】
自動ドア解錠システム1では、荷物80の荷物ID80aを基に自動ドア110が解錠されるため、荷物80の配達員100が別の配達員100’に変更された場合でも、変更後の配達員は、自身が携行する、情報処理端末10とは別の情報処理端末10’を使用して自動ドア110を解錠することができる。また、情報処理端末10が盗難などにより配達員100以外の第三者によって使用される場合でも、第三者には荷物80の荷物ID80aは不明である以上、第三者は情報処理端末10を用いて自動ドア110を解錠することはできない。また、荷物80の配送に対して自動ドア110が解錠されるのは、受取人によってあらかじめ荷物80の配送に対して自動ドア110の解錠が許可されていること、応答ロボット60が設置された居室を配達先とする荷物80が配送中に、配達員がインターホン20によって居室に対する呼び出しをすること、さらに呼び出しによって居室内のインターホン70が作動中に応答ロボット60も作動することが必要となり、これら以外の場合は自動ドア110の解錠は行われないため、従来の自動ドア解錠システムよりも堅牢性が高まることが期待できる。以上が、自動ドア解錠システム1の使用例についての説明である。なお、自動ドア解錠システム1において実行される処理の詳細については後述する。
【0033】
次に、
図2を参照しながら、自動ドア解錠システム1による自動ドア110の解錠に関わる構成要素の概略構成について説明する。
図2は、情報処理端末10、管理サーバ30、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50、応答ロボット60、インターホン70、荷物80のそれぞれの概略構成を示す図である。情報処理端末10は、制御部101、記憶部102、表示部103、入力部104、通信部105を有する。例えば、情報処理端末10は、Personal Computer(PC)やタブレットPC、スマートフォンなど、配達員1
00が使用する装置である。ここでは、情報処理端末10はスマートフォンであると想定する。
【0034】
まず、情報処理端末10の構成について説明する。制御部101は、情報処理端末10内の各部の動作を制御する。また、制御部101は、情報処理端末10で実行される処理を制御する。制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現
される。記憶部102は、情報処理端末10で実行される処理に使用されるプログラムや情報を記憶する。記憶部102は、例えばフラッシュメモリによって実現される。
【0035】
表示部103は、情報処理端末10で実行される処理に関する情報を表示する。表示部103は、例えば液晶ディスプレイによって実現される。入力部104は、配達員100による情報処理端末10の操作に関する入力を受け付ける。また、入力部104は、荷物80に付されている荷物80を一意に識別する荷物ID80aの入力を受け付ける。入力部104は、例えばタッチパネルやカメラ、マイクなどによって実現され、画像入力、ユーザの手入力、音声入力などを入力情報として受け付ける。なお、入力部104に入力された情報は、制御部101によって表示部103に表示されてもよい。通信部105は、自動ドア制御装置90との通信を行う。通信部105は、例えばアンテナによって実現される。
【0036】
ここで、管理サーバ30の構成について説明する。管理サーバ30は、注文情報401を記憶する注文情報サーバ40、配送情報501を記憶する配送情報サーバ50とそれぞれ通信する。管理サーバ30は、制御部301、記憶部302、通信部303を有する。
【0037】
制御部301は、管理サーバ30内の各部の動作を制御する。また、制御部301は、
管理サーバ30で実行される処理を制御する。制御部301は、例えばCPUによって実現される。記憶部302は、荷物の受取人のユーザIDと荷物IDとの対応関係を示すリスト302aを記憶する。また、記憶部302は、荷物の受取人のユーザIDと応答ロボット60との対応関係を示す情報を記憶する。また、記憶部302は、管理サーバ30で実行される処理に使用されるプログラムや注文情報サーバ40や配送情報サーバ50から受信する情報を記憶する。記憶部302は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)によって実現される。通信部303は、情報処理端末10、120、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50、応答ロボット60との通信を行う。通信部303は、例えば通信インターフェイスによって実現される。なお、注文情報サーバ40と配送情報サーバ50は、管理サーバ30と同様の構成を有し、管理サーバ30から受信する要求に応じた処理を実行する。また、情報処理端末120も、情報処理端末10と同様の構成を有する。情報処理端末120は、管理サーバ30および注文情報サーバ40と通信する。
【0038】
応答ロボット60は、制御部601、通信部602、可動部603、記憶部604を有する。制御部601は、記憶部604に記憶されているプログラムを実行して応答ロボット60内の各部の動作を制御する。制御部601は、例えばCPUによって実現される。通信部602は、管理サーバ30との通信を行う。可動部603は、制御部601の図示しないモータに対する駆動制御によって、解錠ボタンを押下する位置まで移動する。なお、応答ロボット60が、ドアの解錠要求装置を作動させる作動手段の一例である。
【0039】
インターホン70は、自動ドア110の解錠要求を自動ドア制御装置90に送信する解錠ボタン701を有する。本実施形態では、応答ロボット60の可動部603によってインターホン70の解錠ボタン701が押下される。インターホン70は、その作動中に解錠ボタン701が押下されると、自動ドア110の解錠要求を自動ドア制御装置90に送信する。
【0040】
次に、
図3および
図4を参照しながら、自動ドア解錠システム1において、自動ドア110の解錠を行うために実行される処理について説明する。本実施形態では、情報処理端末10、120、管理サーバ30、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50は稼働状態にある。
図3は、荷物の受取人が自動ドアの解錠許可を設定するために実行される処理のフローチャートである。また、
図4は、配達員が荷物の置き配を行う際に自動ドアを解錠するために実行される処理のフローチャートである。
【0041】
図3は、情報処理端末120、管理サーバ30、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50によって実行される処理のフローチャートを示す。なお、情報処理端末120の制御部、管理サーバ30の制御部301、注文情報サーバ40の制御部、配送情報サーバ50の制御部が、
図3に示すフローチャートの処理を実行する。
【0042】
S11において、受取人は情報処理端末120を使用してECサイトで商品を注文する際に、注文に係る荷物の置き配を指定し、かつ、当該荷物の配送に対して自動ドア110の解錠を許可する。なお、注文時にチェックボックスへのチェックを受け付けるなど、周知の技術を用いることで、受取人は、ECサイトにおいて商品の注文時に自動ドア110の解錠許可を行うことができる。情報処理端末120は、自動ドア110の解錠許可を示す情報を注文情報サーバ40に送信する。
【0043】
次に、注文情報サーバ40は、注文された商品の荷物80の発送が完了すると、荷物ID80aと荷物80の受取人のユーザIDを、荷物80の発送完了の通知とともに管理サーバ30に送信する。S31において、管理サーバ30の制御部301は、荷物ID80aと荷物80の受取人のユーザIDとの対応関係を示すリストを作成する。なお、荷物の
識別情報である荷物ID80aが、サービスに係る識別情報の一例である。また、当該通知に含まれる情報が、サービスの利用者によってサービスの提供先のドアの解錠が許可されているか否かを示す解錠許可情報の一例である。また、S31の処理を実行する制御部301が、解錠許可情報取得手段の一例である。また、既にリストが作成されている場合は、制御部301は、荷物IDと荷物の受取人のユーザIDとの対応関係をリストに追加してリストを更新する。制御部301は、S31の処理を完了すると、処理をS32に進める。
【0044】
S32において、管理サーバ30の制御部301は、S41において受信した荷物ID80aとともに荷物80の現在の配送状況を確認する要求を配送情報サーバ50に送信する。S51において、配送情報サーバ50の制御部は、S32において管理サーバ30から受信した荷物ID80aを基に、配送情報501内の荷物80の現在の配送状況を確認する。配送情報サーバ50の制御部は、S51の処理を完了すると、処理をS52に進める。
【0045】
S52において、配送情報サーバ50の制御部は、S51における荷物80の配送状況の確認結果として、荷物ID80aと荷物80の現在の配送状況とを示す配送情報を管理サーバ30に送信する。そして、S33において、管理サーバ30の制御部301は、S52において受信した配送情報に含まれる荷物80の配送状況を用いてS31において作成したリストを更新する。具体的には、荷物IDと荷物の配送状況との対応関係をリストに追加する。これによって、リストには、荷物IDと、荷物の受取人のユーザIDと、荷物IDが示す荷物の配送状況とが互いに対応付けられて格納される。なお、荷物80の配送状況を示す配送情報が、サービスの提供状況を示すサービス情報の一例である。また、配送情報サーバ50から配送情報を取得する制御部301が、サービス情報取得手段の一例である。
【0046】
管理サーバ30の制御部301は、S33の処理が完了すると、所定の待機時間の経過後に処理をS32に戻す。これにより、上記の荷物80の配送状況の確認とリストの更新が実行されるため、リストでは、荷物80の配送状況が随時更新される。なお、制御部301が処理をS33からS32に戻す際の所定の待機時間は適宜設定されてよい。これにより、定期的にリスト内の荷物の配送状況が更新される。また、制御部301は、S32の処理を再度実行する場合は、S41において受信した荷物ID80aだけでなく、リストに既に格納されている他の荷物IDも用いて、各荷物IDに対応する荷物の現在の配送状況の確認とリストの更新を行ってもよい。
【0047】
次に、
図4のフローチャートを参照しながら、配達員100が自動ドア110の解錠を行って荷物80の置き配を完了する際に情報処理端末10、管理サーバ30、応答ロボット60によって実行される処理について説明する。なお、
図4のフローチャートの処理が実行される前に、
図3のフローチャートの処理が実行されているものとする。また、
図3に示すフローチャートの処理と
図4に示すフローチャートの処理とが並行して実行されてもよい。
【0048】
S101において、情報処理端末10の制御部101は、配達員100による情報処理端末10の操作を基に、荷物80の荷物ID80aを取得する。具体的には、配達員100は、情報処理端末10を操作して荷物80に貼付されている配達伝票をカメラで撮像し、情報処理端末10の制御部101は、画像内の文字情報を取得するプログラムを実行して、撮像された配達伝票の画像から荷物ID80aを取得する。なお、配達員100は、情報処理端末10を操作してマイクを使用した音声入力やタッチパネルを使用した文字入力によって、情報処理端末10の制御部101に荷物ID80aを取得させてもよい。制御部101は、S101の処理を完了すると、処理をS102に進める。
【0049】
S102において、制御部101は、配達員100による情報処理端末10の操作を基に、自動ドア110の解錠要求を管理サーバ30に送信する。具体的には、配達員100が、情報処理端末10を操作して自動ドア110の解錠を要求するためのプログラムを実行し、情報処理端末10の制御部101は、自動ドア110の解錠要求とともに、S101において取得した荷物80の荷物ID80aを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30の制御部301は、解錠要求受付手段として、情報処理端末10から荷物ID80aとともに自動ドア110の解錠要求を受信する。なお、情報処理端末10の制御部101が管理サーバ30に送信する解錠要求が、第1解錠要求の一例である。
【0050】
次に、S301において、管理サーバ30の制御部301は、リスト302aを参照し、荷物ID80aとユーザIDとの対応関係を基に、荷物80の配送に対して自動ドア110の解錠が許可されているか否かを判定する。そして、制御部301は、荷物80の配送に対して自動ドア110の解錠が許可されていると判定した場合は(S301:YES)、処理をS302に進める。一方、制御部301は、荷物80の配送に対して自動ドア110の解錠が許可されていないと判定した場合は(S301:NO)、本フローチャートの処理を終了する。なお、S301の判定処理を実行する制御部301が、サービスの利用者によってドアの解錠が許可されているか否かを判定する判定手段の一例である。
【0051】
S302において、制御部301は、記憶部302に記憶されているリスト302aを参照し、荷物ID80aを基に、荷物80の配送状況を確認する。そして、制御部301は、荷物80が配送中であると判定した場合は(S302:YES)、処理をS303に進める。一方、制御部301は、荷物80が配送中でないと判定した場合は(S302:NO)、本フローチャートの処理を終了する。なお、荷物80が配送中であることは、サービスが提供中であることの一例である。
【0052】
なお、管理サーバ30は、S301、S302の判定の結果、本フローチャートの処理を終了する場合は、本フローチャートの処理を終了する前に自動ドア110の解錠が許可されないことの通知を情報処理端末10に送信してもよい。これにより、配達員100は、情報処理端末10によって、自動ドア110の解錠が許可されなかったことを認識することができる。
【0053】
S303において、管理サーバ30の制御部301は、情報処理端末10の表示部103に自動ドア110の解錠を実行する実行ボタンを表示する指示を情報処理端末10に送信する。なお、S303の処理を実行する制御部301が、情報処理端末にドアの解錠が可能であることを通知する通知手段の一例である。そして、S103において、情報処理端末10の制御部101は、管理サーバ30から受信した上記の実行ボタンの表示指示に従って、自動ドア110の解錠を実行する実行ボタンを表示部103に表示する。
【0054】
次に、S104において、配達員100は、情報処理端末10の表示部103に表示された自動ドア110の解錠を実行する実行ボタンが表示されていることを確認したら、自動ドア110が設置されている施設のインターホン20を操作して、荷物80の配達先の居室を呼び出す。これにより、配達先の居室内のインターホン70が作動し、解錠ボタン701は、押下されることで自動ドア110の解錠が可能な状態になる。そして、配達員100は、情報処理端末10の表示部103に表示されている実行ボタンを押す。情報処理端末10は、実行ボタンが押されたことの通知を管理サーバ30に送信する。なお、実行ボタンが押されたことの通知が、ドアの解錠指示の一例である。そして、管理サーバ30の制御部301は、解錠指示受付手段として、情報処理端末10から実行ボタンが押されたことの通知を受信する。
【0055】
次に、S304において、管理サーバ30の制御部301は、記憶部302に記憶されている、荷物ID80aとユーザIDと応答ロボット60との対応関係に基づいて、荷物ID80aに対応付けられている応答ロボット60を特定する。そして、制御部301は、特定した応答ロボット60に動作指示を送信する。そして、S601において、応答ロボット60は、管理サーバ30から受信した動作指示に従って、可動部603を移動させる。この結果、可動部603によってインターホン70の解錠ボタン701が押下される。上記の通り、応答ロボット60の可動部603の移動時にインターホン70が作動中であるため、インターホン70は、可動部603によって解錠ボタン701が押下されたときに、自動ドア110の解錠要求を自動ドア制御装置90に送信する。なお、インターホン70が自動ドア制御装置90に送信する解錠要求が、第2解錠要求の一例である。また、S304の処理を実行する制御部301が、解錠要求装置がドアの解錠を要求する第2解錠要求を送信するように作動手段に指示する作動指示手段の一例である。
【0056】
自動ドア制御装置90は、インターホン70から解錠要求を受信すると自動ドア110を解錠して開く。これにより、配達員100は自動ドア110から施設内に移動し、荷物80の置き配を完了することができる。配達員100は、荷物80の置き配を完了すると、情報処理端末10あるいは他の業務用端末を操作して荷物80の配達完了の作業を行う。これにより、荷物80の配送状況が配送中から配達完了に変更され、配送情報サーバ50や管理サーバ30においても荷物80の配送状況が更新される。これらの処理は周知の技術を用いて実現されるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、荷物の受取人によってあらかじめ自動ドアの解錠が許可されており、荷物の配達員によって居室のインターホンが呼び出され、さらに応答ロボットが作動することで自動ドアの解錠が達成されることから、受取人によって指定された荷物が、応答ロボットが設置された居室を配達先として配送中である場合に限って自動ドアが解錠されるため、従来よりも堅牢性の高い自動ドアの解錠が実現されることが期待できる。
【0058】
また、本実施形態では、インターホン70や自動ドア制御装置90や自動ドア110など、施設に既設の装置の構成を変更することなく、応答ロボット60を新たに配置することで、荷物の置き配における自動ドアの解錠を実現することができる。したがって、従来のように施設に自動ドアを解錠するシステムを導入する工事などが発生する懸念がない。このため、簡易な構成で堅牢性の高い自動ドアの解錠を実現することができる。また、システム導入にあたっての施設内の居室所有者との合意形成もより容易に行うことができる。
【0059】
以上が本実施形態に関する説明であるが、上記の自動ドア解錠システム1の各構成要素の構成や処理は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と同一性を失わない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上記の管理サーバ30が、上記の注文情報サーバ40および/または配送情報サーバ50の機能も担い、注文情報401および/または配送情報501を記憶部302に記憶して管理してもよい。したがって、管理サーバ30が上記のS41、S51、S52の処理の一部またはすべてを実行してもよい。
【0060】
また、管理サーバ30、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50の処理は上記の説明に限られない。例えば、S52において、配送情報サーバ50は、荷物の配送状況を示す情報を管理サーバ30に送信する代わりに、当該荷物が現在配送中であるか否かを示す情報を管理サーバ30に送信してもよい。また、S32、S51、S52の処理をS102とS301の間に実行してもよい。これにより、より最新の荷物の配送状況に基づいて荷物が現在配送中であるか否かの判定を行うことができる。このように、管理サーバ30、
注文情報サーバ40、配送情報サーバ50の間で送信される情報および各サーバの処理を適宜組み合わせることができる。
【0061】
また、管理サーバ30において、荷物IDとユーザIDとの対応関係を示す情報と、荷物の配送状況とがリストに格納されるが、荷物IDとユーザIDとの対応関係と、荷物の配送状況とがそれぞれ個別に記憶部302に記憶されてもよい。また、上記のリストに、ユーザIDと応答ロボットとの対応関係を示す情報も格納されてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、荷物IDとユーザIDと応答ロボットとの対応関係を基に、動作させる応答ロボットが特定されるが、ユーザIDの代わりに配達先である受取人の住所が用いられてもよい。この場合は、配達員100が荷物80の配達のために施設に到着する前に、管理サーバ30は、荷物の配達先の住所と応答ロボット60との対応関係を記憶部302に記憶している。そして、管理サーバ30は、荷物IDに対応付けられている配達先の住所から、当該住所に対応付けられている応答ロボット60を特定して、上記の処理によって応答ロボット60に動作指示を送信する。
【0063】
また、上記の実施形態において、ECサイトにおいて荷物に係る商品の注文時に自動ドアの解錠許可が行われるが、荷物の発送後に自動ドアの解錠許可を受け付けるように構成されていてもよい。
図5に、上記の実施形態の一変形例として、
図3の処理の代わりに実行される処理のフローチャートを示す。
【0064】
S42において、注文情報サーバ40の制御部は、荷物80に対応する荷物ID80aの情報とともに荷物80の発送が完了したことの通知を、荷物80の受取人が所有する情報処置端末120に送信する。そして、情報処理端末120の制御部は、注文情報サーバ40から荷物80の発送通知を受信し、荷物ID80aを取得する。
【0065】
次に、S12において、情報処理端末120の制御部は、荷物80の受取人による情報処理端末120の操作を基に、管理サーバ30に自動ドア110の解錠を許可する。具体例としては、S12において、情報処理端末120が、荷物80の発送通知を受信したときに、情報処理端末120の表示部に管理サーバ30による自動ドア110の解錠を許可するか否かの決定を求めるメッセージを表示し、荷物80の受取人が、情報処理端末120を操作して管理サーバ30による自動ドア110の解錠を許可する決定を行う。情報処理端末120の制御部は、S12の処理を完了すると、処理をS13に進める。
【0066】
S13において、情報処理端末120の制御部は、荷物80の荷物ID80aおよび荷物80の受取人のユーザIDの情報とともに自動ドア110の解錠が許可されたことの通知を、管理サーバ30に送信する。S31において、管理サーバ30の制御部301は、S13において情報処理端末120から受信した通知を基に、荷物ID80aとユーザIDとの対応関係を示すリストを作成する。なお、S31以降の処理と
図4に示す処理は上記の実施形態と同じであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0067】
また、上記の実施形態では、荷物ごとに自動ドアの解錠が許可されることを想定しているが、ECサイトにおける注文ごとに自動ドアの解錠が許可されてもよい。この場合、荷物の受取人が情報処理端末120のプログラムを実行して自動ドアの解錠を許可する注文を指定し、指定された注文とユーザIDとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信される。管理サーバ30は、受信した情報を基に、注文情報サーバ40から当該注文に係る荷物IDを受信する。そして、管理サーバ30は、荷物IDとユーザIDとの対応関係を基に、自動ドアの解錠を行う。これにより、1つの注文に対して複数の荷物による配送が行われる場合に、荷物の受取人は、指定した注文において発生する複数の荷物に対してまとめて自動ドアの解錠を許可することができる。
【0068】
あるいは/加えて、荷物の配送業者ごとに自動ドアの解錠が許可されてもよい。この場合、荷物の受取人が情報処理端末120のプログラムを実行して自動ドアの解錠を許可する配送業者を指定し、指定された配送業者とユーザIDとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信される。そして、管理サーバ30は、受信した情報を基に、ユーザIDに対応付けられている荷物IDが示す荷物の配送業者が指定された配送業者である場合に、上記の自動ドアの解錠を行う。これにより、荷物の受取人は、指定した配送業者によって配送される複数の荷物に対して自動ドアの解錠を許可することができる。ここでは、荷物の受取人によって指定された配送業者が、利用者によって指定されたサービス業者の一例である。
【0069】
あるいは/加えて、荷物の受取人によって指定された期間内の荷物の配達に対して自動ドアの解錠が許可されてもよい。この場合、荷物の受取人が情報処理端末120のプログラムを実行して自動ドアの解錠を許可する期間を指定し、指定された期間とユーザIDとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信される。管理サーバ30は、受信した情報を基に、ユーザIDに対応付けられている荷物IDが示す荷物が指定された期間内に配送される場合に、上記の自動ドアの解錠を行う。これにより、荷物の受取人は、不在となる期間があらかじめわかっている場合に、その期間に配送される荷物に対して自動ドアの解錠を許可することができる。ここでは、荷物の受取人によって指定された期間が、利用者によって指定された期間の一例である。
【0070】
あるいは/加えて、荷物の受取人によって指定された発送者によって発送される荷物の配達に対して自動ドアの解錠が許可されてもよい。この場合、荷物の受取人が情報処理端末120のプログラムを実行して自動ドアの解錠を許可する発送者を指定し、指定された発送者とユーザIDとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信される。管理サーバ30は、受信した情報を基に、ユーザIDに対応付けられている荷物IDが示す荷物が指定された発送者によって発送された場合に、上記の自動ドアの解錠を行う。これにより、荷物の受取人は、指定した発送者によって発送される複数の荷物に対して自動ドアの解錠を許可することができる。ここで、荷物の発送者の一例として、ECサイトを運営する事業者、受取人があらかじめ荷物が発送されることを知りうる個人(実家の親など)が挙げられる。
【0071】
また、上記の実施形態では、荷物80の配達伝票に記載されている荷物ID80aが取得されるが、代わりに荷物80のRFID(Radio Frequency Identifier)などの電子タグやQR(Quick Response)コードやバーコードなどの記号を読み取ることで荷物ID80aが取得されてもよい。
【0072】
また、上記の実施形態において、自動ドア110の代わりに、ドアの施錠および解錠は自動で行われてドアの開閉は手動で行われるドアが設置されていてもよい。このようなドアが設置されている場合でも、上記の自動ドア解錠システム1によるドアの解錠が実現される。
【0073】
また、上記の実施形態において、荷物の配送中に受取人によって指定される置き配の条件に関連する情報は、管理サーバ30の制御部301が配送情報サーバ50から取得する代わりに、受取人が使用する情報処理端末120から管理サーバ30に直接送信されてもよい。
【0074】
また、上記の実施形態において、応答ロボット60の可動部603の構成は、解錠ボタン701を押すことができれば任意の構成が採用されてよい。また、上記の実施形態において、応答ロボット60の代わりに、管理サーバ30との通信機能と解錠ボタン701の
動作機能とを備える回路がインターホン70に組み込まれていてもよい。これらの構成により、インターホン70を解錠要求装置として作動させ、自動ドア制御装置90に解錠要求を送信させることができる。
【0075】
また、上記の実施形態のS32において、管理サーバ30の制御部301は、配送情報サーバから配送に係るすべての荷物の配送状況を示す情報を取得し、取得した情報を基に、リスト内に含まれる荷物の配送状況を特定し、リスト内の荷物の配送状況を更新してもよい。
【0076】
また、上記の実施形態では、サービスの一例として荷物の配送サービスが想定されているが、商品を定期的に配送する宅配サービス、荷物が通い箱(通函)を用いて配送される場合の箱の回収サービス、レンタル用品の返却サービス、出前の空き容器の回収サービス、いわゆるスマートロックが導入されている施設内の不動産物件に対する立ち合い不要の内覧サービス、住宅宿泊(民泊)サービスにおいて、それぞれのサービス業者によって提供されるサービスにも上記のシステムを採用することができる。これらのサービスにおいても、上記の荷物IDの代わりに、各サービスで利用される伝票番号などを識別情報として用いることで、サービスの提供者は、サービスの提供先の施設に設置されている自動ドアの解錠を行うことができる。また、これらのサービスにおいても、サービスが利用者に提供中であるか否かを示す情報を基に、自動ドアの解錠を行うか否かが判定されてよい。
【課題】より簡易な構成で既存の施設にも導入可能であり、第三者による解錠の防止も可能なオートロック式ドア解錠システムオートロック式ドア解錠方法、およびオートロック式ドア解錠プログラムを提供する。
【解決手段】施錠されたオートロック式ドアの解錠を行うオートロック式ドア解錠システムは、サービスの利用者によってサービスの提供先のドアの解錠が許可されているか否かを示す解錠許可情報を取得する解錠許可情報取得手段と、利用者の居室に設けられたドアの解錠要求装置の作動手段と利用者との対応関係を示す作動手段情報を取得する作動手段情報取得手段と、サービスに係る識別情報とドアの第1解錠要求とを受け付ける解錠要求受付手段と、解錠要求受付手段によって第1解錠要求が受け付けられた場合に、解錠許可情報に基づいて識別情報が示すサービスについて利用者によってドアの解錠が許可されているか否かを判定する判定手段と、判定手段によって、ドアの解錠が許可されていると判定された場合に、作動手段情報に基づいて、解錠要求装置がドアの解錠を要求する第2解錠要求を送信するように作動手段に指示する作動指示手段とを有する。