特許第6603444号(P6603444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603444
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20191028BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20191028BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20191028BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20191028BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/34
   A61K8/41
   A61Q5/00
   A61Q5/12
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-93291(P2014-93291)
(22)【出願日】2014年4月30日
(65)【公開番号】特開2015-209415(P2015-209415A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年4月17日
【審判番号】不服2018-17366(P2018-17366/J1)
【審判請求日】2018年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 貴成
(72)【発明者】
【氏名】馬場 淳史
(72)【発明者】
【氏名】水野 紗耶香
【合議体】
【審判長】 岡崎 美穂
【審判官】 冨永 みどり
【審判官】 關 政立
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−169183(JP,A)
【文献】 特開昭59−207976(JP,A)
【文献】 特開平9−118866(JP,A)
【文献】 特開平3−281640(JP,A)
【文献】 特表2007−522080(JP,A)
【文献】 特開2004−339108(JP,A)
【文献】 特開2005−336126(JP,A)
【文献】 特開2006−69952(JP,A)
【文献】 マツモト交商,Structure XL,2007年10月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はその塩、炭素数16以上22以下の直鎖状飽和アルコールから選ばれる高級アルコール、カチオン界面活性剤及び粉体が配合され、
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸及びその塩の配合量が3.0質量%以上、
pHが3.5以下であることを特徴とする浴室内で毛髪に塗布して洗い流す態様で使用される組成物。
【請求項2】
pHが2.0以上3.5以下である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
粘度が2.0Pa・s以上6.0Pa・s以下である請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
炭素数16以上22以下の直鎖状飽和アルコールから選ばれる高級アルコールの配合量が1質量%以上5質量%以下であり、カチオン界面活性剤の配合量が0.4質量%以上6質量%以下であり、粉体の配合量が0.05質量%以上0.5質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
pHが3.3以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を収容した蓋付き容器を有する乳化物収容製品であって、
前記蓋付き容器が、開口部を有する容器と、当該容器の開口部を開閉するための蓋体とを備える乳化物収容製品。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を収容した吐出容器を有する乳化物収容製品であって、
前記吐出容器が、開口部を有する容器と、当該容器の開口部に装着されたポンプディスペンサとを備える乳化物収容製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪に塗布して用いるものとして好適な組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸は、ヘアトリートメント、ヘアクリームなどに使用するO/W型乳化物の原料として用いられている。その具体例として、特許文献1の実施例には、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸と共に、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルアルコール、及びセタノールが配合されたヘアトリートメントが開示され、特許文献2の実施例1には、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸(ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート)と共に、セテアリルアルコール、ベヘントリモニウムクロライド、及びセトリモニウムクロライドが配合されたヘアクリームが開示されている。
【0003】
上記の高級アルコールやカチオン界面活性剤の配合により、O/W型乳化物の粘度調整や毛髪感触の改善が可能になる。また、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸を配合すれば、水中で構築されたヒドロキシプロピルデンプンリン酸のネットワーク中に油滴を分散させた乳化物を実現可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−169183号公報
【特許文献2】特表2013−501000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、高級アルコール、及びカチオン界面活性剤を配合した組成物は、常に生じることではないが、粘度が経時的に低下するものがあった。この粘度低下が生じる場合には、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸の配合量が多い程に、認められやすかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸が高配合量であるときに認められ易い粘度低下を抑えられる組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等が鋭意検討を行った結果、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はその塩を配合した組成物の製造過程又は使用環境においてその組成物にアミラーゼが混入した場合に粘度低下が生じる現象の知見と、その粘度低下をpHを低く設定すれば抑制できるとの知見を得ることにより、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る組成物は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はその塩、高級アルコール、及びカチオン界面活性剤が配合され、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸及びその塩の配合量が3.0質量%以上、pHが4.0未満であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る組成物のpHは、例えば2.0以上3.5以下であると良い。pHが3.5以下であると、粘度低下の抑制に好適である。
【0010】
本発明に係る組成物の粘度は、2.0Pa・s以上6.0Pa・s以下であると良い。粘度が2.0Pa・s以上であっても、pHの設定により粘度低下が抑えられるから、その低下前後の粘度差が与える使用者の品質不安も抑えられる。また、粘度が6.0Pa・s以下であることで、ハンドリング性に優れる組成物となる。
【0011】
本発明に係る組成物は、例えば浴室内で使用されるものや、毛髪に塗布して洗い流す態様で使用されるものである。アミラーゼは唾液に多く含まれており、浴室内や洗い流す態様で使用する場合には、その使用の際の温水などが媒体となって、組成物への唾液混入の可能性が高まるが、本発明に係る組成物は、pHが4.0未満であるから、粘度低下が抑制されるものとなる。
【0012】
本発明に係る乳化物収容製品は、本発明に係る組成物を収容した蓋付き容器を有するものであって、前記蓋付き容器が、開口部を有する容器と、当該容器の開口部を開閉するための蓋体とを備えるものである。また、本発明に係る乳化物収容製品は、本発明に係る組成物を収容した吐出容器を有するものあって、前記吐出容器が、開口部を有する容器と、当該容器の開口部に装着されたポンプディスペンサとを備えるものであっても良い。以上の乳化物収容製品は、エアゾール製品と異なり、製造後に容器の開口部などから唾液の混入の虞があるが、pHが4.0未満であるその組成物の粘度低下が抑えられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はその塩が配合された組成物は、pHが4.0未満なので、アミラーゼ混入による粘度低下を抑制可能なものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態に係る組成物は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はその塩、高級アルコール、及びカチオン界面活性剤が配合され、pHを所定値以下に設定したO/W型乳化物である(水の配合量は、例えば70質量%以上95質量%以下。)。また、実用上許容されるのであれば、毛髪に塗布される乳化物に配合される公知の原料を任意原料として更に配合しても良い。
【0015】
(ヒドロキシプロピルデンプンリン酸又はその塩)
本実施形態の組成物にヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸の塩、又は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸及びその塩を配合することで、組成物における油滴の分散が安定となる。ヒドロキシプロピルデンプンリン酸及びその塩から選ばれた一種又は二種以上を、本実施形態の組成物に配合すると良い。
【0016】
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸としては、例えば、日澱化学株式会社製の「デリカE−7」、日本エヌエスシー株式会社製の「ストラクチャーXL」などの市販品を用いれば良い。また、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸の塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩;が挙げられる。
【0017】
本実施形態の組成物におけるヒドロキシプロピルデンプンリン酸及びその塩の配合量は、組成物の粘度を高めるために、3.0質量%以上であり、4.0質量%以上が良く、5.0質量%以上が好ましい。本実施形態の組成物は、pHが所定値以下に設定されるから、アミラーゼによる粘度低下の要因となるヒドロキシプロピルデンプンリン酸等を高配合量としても、その粘度低下が抑えられる。また、本実施形態の組成物におけるヒドロキシプロピルデンプンリン酸及びその塩の配合量は、当該組成物のハンドリング性を向上させるために、9.0質量%以下が良く、8.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましい。
【0018】
(高級アルコール)
本実施形態の組成物に高級アルコールを配合することで、組成物の粘度調整や毛髪の感触改善を行える。高級アルコールから選ばれた一種又は二種以上を、本実施形態の組成物に配合すると良い。
【0019】
本実施形態の組成物に配合する高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状飽和アルコール;オレイルアルコールなどの直鎖状不飽和アルコール;ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコールなどの分岐状飽和アルコール;が挙げられる。これらの高級アルコールの中でも、良好なハンドリング性及び組成物における油滴の分散安定性のバランスの観点から、炭素数16以上22以下の直鎖状飽和アルコールが良く、セチルアルコール及びステアリルアルコールが好ましい。
【0020】
本実施形態の組成物は、高級アルコールの配合量を多くすると粘度が高いものとなる。また、この組成物の剤型をなめらかな感触にする場合には、高級アルコールの配合量は、例えば1質量%以上5質量%以下であり、2質量%以上4質量%以下が良い。
【0021】
(カチオン界面活性剤)
本実施形態の組成物にカチオン界面活性剤を配合することで、本実施形態の組成物の粘度調整や毛髪の感触改善を行える。カチオン界面活性剤から選ばれた一種又は二種以上を、本実施形態の組成物に配合すると良い。
【0022】
上記のカチオン界面活性剤としては、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジココイルジメチルアンモニウムクロリド等のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩;ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等のモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩;ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の長鎖アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩;が挙げられる。なお、ここでの「長鎖アルキル」とは、炭素数が8以上の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味し、その炭素数が16以上22以下であると皮膚への刺激の抑制や毛髪に付与する感触の観点から好ましい。
【0023】
本実施形態の組成物におけるカチオン界面活性剤の配合量を高級アルコールと共に多くすると、当該組成物の粘度が高まる。また、その配合量は、適宜設定されるべきものであるが、例えば0.4質量%以上6質量%以下であり、1質量%以上5質量%以下が良く、2質量%以上4質量%以下が好ましい。0.4質量%以上にすることで、毛髪の感触改善に好ましく、6質量%以下にすることで、皮膚刺激の抑制に好ましい。
【0024】
(任意原料)
上記の通り、本実施形態の組成物には任意原料が配合される。当該任意原料は、油剤、体、多価アルコール、低級アルコール、糖類、シリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、ビタミン、無機化合物、香料、防腐剤などである。
【0025】
本実施形態の組成物を毛髪に塗布して洗い流す態様で使用する場合、油剤を配合すれば、毛髪の感触調整に適する。その油剤は、エステル油、油脂、炭化水素、ロウなどの公知のものを意味する。油剤から選ばれた一種又は二種以上を、本実施形態の組成物に配合すると良い。本実施形態の組成物における油剤の配合量は、特に限定されないが、例えば0.2質量%以上5質量%以下であると良い。
【0026】
本実施形態の組成物に公知の体を配合することで、当該組成物の弾力性が向上する。ここで、本実施形態における「体」とは、非水溶性の体である。本実施形態の組成物には有機体及び/又は無機体を配合すると良く、有機体としては、例えば、Nε−ラウロイルリジン、Nε−パルミトイルリジン、Nε−カプロイルリジン等のN−アシルリジン;ナイロンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂粉末;が挙げられ、無機体としては、例えば、マイカ、タルク、カオリンなどの粘土鉱物;窒化ホウ素などの合成無機体;が挙げられる。体から選ばれた一種又は二種以上を、本実施形態の組成物に配合すると良い。本実施形態の組成物における体の配合量は、特に限定されないが、0.05質量%以上0.5質量%以下であると良い。
【0027】
(pH)
本実施形態の組成物のpHは、4.0未満であり、3.5以下が良く、3.3以下が好ましい。pHが4.0未満であると、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸およびその塩の配合とアミラーゼ混入とによる組成物の粘度低下が抑えられる。また、本実施形態の組成物のpHは、2.0以上が良く、2.5以上が好ましい。pHが2.0以上であると、しっとりした毛髪感触の向上に適する。
【0028】
(粘度)
本実施形態の組成物の粘度は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸等の配合量を多くすることで高まり、例えば2.0Pa・s以上であり、2.5Pa・s以上としても良い。また、本実施形態の組成物の粘度は、毛髪に塗布して洗い流す態様などとして使用する際のハンドリング性の観点から、6.0Pa・s以下が良く、5.0Pa・s以下が好ましく、4.0Pa・s以下がより好ましい。ここで、上記粘度は、応力制御型レオメーター(例えば、HAAKE社製「Rheo Stress 6000」)を使用し、測定温度25℃、コーンプレートセンサーの直径35mm及び傾斜角2°、定常フローカーブモード、待ち時間1分、せん断速度36s−1の条件で測定される。
【0029】
(用途)
本実施形態に係る組成物は、例えば浴室内で使用するものや、毛髪に塗布して洗い流す態様で使用するものが良い。また、本実施形態の組成物は、毛髪の感触を改善する高級アルコールとカチオン界面活性剤が配合されたものであるから、毛髪に塗布して用いられるものとして好適である。このような毛髪に塗布する用途の具体例としては、リンス、コンディショナー、トリートメント(例えば、洗い流さない態様で使用するトリートメント、洗い流す態様で使用するトリートメント、整髪兼用トリートメント、多剤式トリートメントの一構成剤、パーマの前処理のためのトリートメント、パーマの後処理のためのトリートメント、カラーリングの前処理のためのトリートメント、カラーリングの後処理のためのトリートメント、ブリーチの前処理のためのトリートメント、ブリーチの後処理のためのトリートメント)が挙げられる。
【0030】
(乳化物収容製品)
本実施形態の組成物を容器に収容し、乳化物収容製品とするのが典型的である。このときの容器は、公知の容器であると良く、例えば、開口部を有する容器と、当該容器の開口部を開閉するための蓋体とを備える蓋付き容器;開口部を有する容器と、当該容器の開口部に装着されたポンプディスペンサとを備える吐出容器;が挙げられる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0032】
水と、下記表1の配合濃度でヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ステアリルアルコール、クオタニウム−91、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、イソプロパノール、グリセリン、カオリン、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール及びイソドデカン含有市販品(Inolex Chemical社製「LexFeel D4」)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸PPG−3ベンジルエーテル、キャンデリラロウ、セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク、香料を配合し、O/W型乳化物を製造した。そして、pHを、乳酸を用いて、4.6、3.6、3.1、又は2.1に調整した。
【0033】
【表1】
【0034】
(粘度安定性)
製造したpH4.6、3.6、3.1、及び2.1の夫々のO/W型乳化物に、室温において、唾液を0.5質量%含ませ、撹拌した。そして、唾液を含ませていない乳化物を基準として、乳化物の粘度低下の有無を目視確認した。この確認後の乳化物を40℃、10日間の条件で保存してから、再度、粘度低下の有無を目視確認した。
【0035】
上記粘度低下の確認は、次の通り行った。
○ 基準(唾液を含まない乳化物)と同等の粘度であり、クリーム状
△ 基準よりもやや低い粘度
× 基準よりも明らかに低い粘度であり、非クリーム状の流動性の高い剤型
【0036】
粘度安定性の確認結果を、下記表2に示す。表2において、pHを低くするにつれて、粘度の低下が抑えられたことを確認できる。
【表2】