特許第6603448号(P6603448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603448
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】遠心インペラ及び遠心ブロワ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/30 20060101AFI20191028BHJP
   F04D 29/44 20060101ALI20191028BHJP
   F04D 29/28 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   F04D29/30 C
   F04D29/44 R
   F04D29/44 X
   F04D29/28 P
   F04D29/28 C
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-198846(P2014-198846)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2015-68347(P2015-68347A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2017年7月28日
(31)【優先権主張番号】201310452740.4
(32)【優先日】2013年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チュアン ジアン グオ
(72)【発明者】
【氏名】チュアン フイ ファン
(72)【発明者】
【氏名】フォン シュエ
(72)【発明者】
【氏名】フォン リウ
(72)【発明者】
【氏名】ジー チェン パン
(72)【発明者】
【氏名】ガン パン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン キアン ソン
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−019869(JP,A)
【文献】 米国特許第03140042(US,A)
【文献】 特開平10−068397(JP,A)
【文献】 実開平04−079995(JP,U)
【文献】 特開昭59−093998(JP,A)
【文献】 実開昭59−181298(JP,U)
【文献】 米国特許第07163372(US,B2)
【文献】 特開平11−206630(JP,A)
【文献】 特開2001−289196(JP,A)
【文献】 特開昭61−157795(JP,A)
【文献】 特開昭51−99309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/28
F04D 29/30
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータと、該モータにより駆動される遠心インペラと、ディフューザと、該ディフューザに取り付けられたケーシングとを備えた遠心ブロワであって、前記遠心インペラは、カバーと、該カバーに対向する基部と、複数のブレードとを備え、前記カバーは入口を有し、前記複数のブレードは、前記入口を取り囲むとともに、前記カバーと前記基部の間に配置されて該カバーと該基部を接続し、前記インペラの中心に隣接する前記ブレードの終端の入口端部は、前記入口と連通するキャビティを定め、前記キャビティの寸法は、前記カバーから前記基部に向かう方向に徐々に減少し、前記ディフューザは、前記モータに取り付けられて該モータと前記インペラの間に配置され、該インペラは、前記ディフューザ及び前記ケーシングによって定められるチャンバ内に受け入れられ、前記ケーシングは、前記インペラの入口に面した開口部を有し、前記ディフューザは、各々が外端から内端に延び滑らかに湾曲する拡散路を形成する複数の通路壁を有し、前記拡散路の外端は、対応するガイドホールと連通し、前記拡散路の内端は互いに連通し合い、前記ディフューザの中心に隣接する前記通路壁のうちの少なくとも1つの一端は、隣接する拡散路内の空気流を、前記ディフューザを前記モータに接続する取り付け部分の両側に導くためのガイド部分であって、前記ディフューザを前記モータに固定するための締結具を受け入れるための取り付け穴を定める取り付け凹部を有するガイド部分を有する、
ことを特徴とするブロワ。
【請求項2】
各入口端部は、前記基部との間に55°〜75°の角度γを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のブロワ。
【請求項3】
各入口端部は、前記基部との間に62°〜70°の角度γを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のブロワ。
【請求項4】
各入口端部は、前記基部との間に65°〜68°の角度γを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のブロワ。
【請求項5】
各ブレードは、異なる半径を有する第1及び第2の円弧状セグメントを含み、該第1の円弧状セグメントは、前記ブレードの半径方向内側部分に配置され、該第2の円弧状セグメントは、前記ブレードの半径方向外側部分に配置される、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のブロワ。
【請求項6】
前記第2の円弧状セグメントの前記半径は、前記第1の円弧状セグメントの前記半径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項5に記載のブロワ。
【請求項7】
前記ディフューザは、複数のガイドホールを有し、前記インペラによって発生した空気流は、前記ディフューザの前記インペラに隣接する側から前記ガイドホールを介して前記ディフューザの前記モータに隣接する側に流れる、
ことを特徴とする請求項1に記載のブロワ。
【請求項8】
前記モータの半径方向断面における前記ガイド部分の像は液滴形状である、
ことを特徴とする請求項7のいずれか1項に記載のブロワ。
【請求項9】
前記ディフューザの中心に隣接する前記ディフューザの前記通路壁の2つの終端は、互いに対角線上で向かい合う2つの流線形のガイド部分を有する、
ことを特徴とする請求項7又は8のいずれか1項に記載のブロワ。
【請求項10】
前記モータは、ステータコアと、該ステータコアの歯の周囲に巻かれたステータ巻線とを備えたステータを含み、前記2つのガイド部分は、前記拡散路内の前記空気流を前記ステータ巻線に導くように、前記ステータ巻線間の間隙にそれぞれ配置される、
ことを特徴とする請求項9に記載のブロワ。
【請求項11】
前記ディフューザは、端壁と、該端壁から前記モータに向かって延びる側壁とを有し、前記通路壁及び前記拡散路は、前記端壁及び前記側壁によって定められる空間の内部に形成され、前記ステータ巻線の軸端が空洞内に延びて前記ガイド部分の両側に位置する、
ことを特徴とする請求項10に記載のブロワ。
【請求項12】
前記側壁は、複数の傾斜したガイドスロープを有し、前記ガイドホールは、前記ガイドスロープの終端に配置される、
ことを特徴とする請求項11に記載のブロワ。
【請求項13】
ディフューザであって、
複数のガイドホールと、各々が外端から内端に延び滑らかに湾曲する拡散路を形成する複数の通路壁とを有し、前記拡散路の外端は、対応するガイドホールと連通し、前記拡散路の内端は互いに連通し合い、
前記ディフューザの中心に隣接する前記通路壁のうちの少なくとも1つの一端は、隣接する拡散路内の空気流を、前記ディフューザをモータに接続する取り付け部分の両側に導くためのガイド部分であって、前記ディフューザを前記モータに固定するための締結具を受け入れるための取り付け穴を定める取り付け凹部を有するガイド部分を有する、
ことを特徴とするディフューザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブロワに関し、具体的には、遠心ブロワ、及びこの遠心ブロワに特に適した遠心インペラに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ブロワは、モータ及び遠心インペラを含む。遠心インペラは、カバーと、基部と、カバーと基部の間に配置されてこれらを接続する複数のブレードとを含む。カバーは、空気流が入るための入口を有する。インペラの中心に隣接するブレードの終端は、カバーの入口に面したキャビティを定める。
【0003】
遠心インペラは、モータによって駆動される。インペラの中心には、低圧域が形成される。ブロワ外部の空気は、インペラの入口を介してキャビティ内に入り込んだ後、ブレードによって形成された流路に流入し、最終的にインペラから排出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現行設計の不利点の1つは、ブロワの効率が低いことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、その1つの態様において、電気モータと、モータにより駆動される遠心インペラとを備えた遠心ブロワであって、遠心インペラは、カバーと、カバーに対向する基部と、複数のブレードとを備え、カバーは入口を有し、複数のブレードは、入口を取り囲むとともに、カバーと基部の間に配置されてこれらを接続し、インペラの中心に隣接するブレードの終端の入口端部は、入口と連通するキャビティを定め、キャビティの寸法は、カバーから基部に向かう方向に徐々に減少するブロワを提供する。
【0006】
各入口端部は、基部との間に55°〜75°の角度γを形成することが好ましい。角度γは、62°〜70°であることが理想的である。角度γは、65°〜68°であることが最も好ましい。
【0007】
各ブレードは、異なる半径を有する第1及び第2の円弧状セグメントを含み、第1の円弧状セグメントは、ブレードの半径方向内側部分に配置され、第2の円弧状セグメントは、ブレードの半径方向外側部分に配置されることが好ましい。
【0008】
第2の円弧状セグメントの半径は、第1の円弧状セグメントの半径よりも大きいことが好ましい。
【0009】
このブロワは、ディフューザと、ディフューザに取り付けられたケーシングとをさらに備え、ディフューザは、モータに取り付けられてモータとインペラの間に配置され、インペラは、ディフューザ及びケーシングによって定められるチャンバ内に受け入れられ、ケーシングは、インペラの入口に面した開口部を有することが好ましい。
【0010】
ディフューザは、複数のガイドホールと、各々が外端から内端に延びる複数の滑らかに湾曲する拡散路とを有し、インペラによって発生した空気流は、ディフューザのインペラに隣接する側からガイドホールを介してディフューザのモータに隣接する側に流れ、拡散路の外端は、対応するガイドホールと連通し、拡散路の内端は互いに連通し合うことが好ましい。
【0011】
ディフューザは、拡散路を形成する複数の通路壁を有し、ディフューザの中心に隣接する通路壁の少なくとも1つの一端は、隣接する拡散路内の空気流を、ディフューザをモータに接続する取り付け部分の両側に導くためのガイド部分を有することが好ましい。
【0012】
モータの半径方向断面におけるガイド部分の像は液滴形状であることが好ましい。
【0013】
ディフューザの中心に隣接するディフューザの通路壁の2つの終端は、互いに対角線上で向かい合う2つの流線形のガイド部分を有することが好ましい。
【0014】
モータは、ステータコアと、ステータコアの歯の周囲に巻かれたステータ巻線とを備えたステータを含み、2つのガイド部分は、拡散路内の空気流をステータ巻線に導くように、ステータ巻線間の間隙にそれぞれ配置されることが好ましい。
【0015】
ディフューザは、端壁と、端壁からモータに向かって延びる側壁とを有し、通路壁及び拡散路は、これらの端壁及び側壁によって定められる空間の内部に形成され、ステータ巻線の軸端が空洞内に延びて、ガイド部分の両側に位置することが好ましい。
【0016】
側壁は、複数の傾斜したガイドスロープを有し、ガイドホールは、ガイドスロープの終端に配置されることが好ましい。
【0017】
ガイド部分の各々は、ディフューザをモータに固定するための締結具を受け入れるための取り付け穴を有することが好ましい。
【0018】
以下、添付図面の図を参照しながら、本発明の好ましい実施形態をほんの一例として説明する。図では、1つよりも多くの図に現れる同じ構造、要素又は部品については、これらが現れる全ての図において一般に同じ参照番号で表記する。一般に、図に示す構成要素及び特徴の寸法は、図を明確にするために便宜的に選択したものであり、必ずしも縮尺通りではない。これらの図は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の好ましい実施形態によるブロワを示す図である。
図2】ケーシングを取り外した図1のブロワを示す図である。
図3図1のブロワの一部である遠心インペラを示す図である。
図4図3のインペラの一部の部分的表現である。
図5】カバーを取り外した図3のインペラを示す図である。
図6】カバーを取り外した図3のインペラの平面図である。
図7図1のブロワの一部であるディフューザのインペラ側を示す図である。
図8図7のディフューザのモータ側を示す図である。
図9図7のディフューザのモータ側の平面図である。
図10】ディフューザ部分とモータ部分を重ねた平面図である。
図11】別の角度から見た図1のブロワを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態による遠心ブロワ20が、電気モータと、モータのロータシャフトに取り付けられた遠心インペラ23と、モータに取り付けられてモータとインペラ23の間に配置されたディフューザ31と、ディフューザ31に取り付けられたケーシング21とを備える。インペラ23は、ディフューザ31及びケーシング21によって定められるチャンバ22内に受け入れられる。ケーシング21は、インペラ23の入口に面した開口部19を有する。
【0021】
この実施形態では、モータがユニバーサルモータである。モータのステータは、ステータコア41と、ステータコア41の歯の周囲に巻かれたステータ巻線44と、ステータコア41に取り付けられたエンドキャップ43と、エンドキャップ43に取り付けられたブラシアセンブリ45とを含む。この実施形態では、ディフューザ31が、モータのもう一方のエンドキャップとして機能する。ディフューザ31及びエンドキャップ43は、ステータコア41の軸端に取り付けられる。ディフューザ31は、ステータコア41に載る2つの突出する取り付け部分38を有する。モータのロータは、シャフトと、シャフトに固定されたコミュテータ51と、ロータコアと、ロータ巻線(図示せず)とを含む。シャフトは、ロータがステータに対して回転できるように、ベアリングを介してエンドキャップ43及びディフューザ31に取り付けられる。
【0022】
ディフューザ31の直径は、インペラ23の直径よりもわずかに大きい。ディフューザ31の外周には、インペラ23の出口に隣接する複数のガイドホール34aが形成される。インペラ23の出口から流出した空気は、ディフューザ31のインペラ側からガイドホール34aを通じてディフューザ31のモータ側に流れる。
【0023】
図3及び図4を参照して分かるように、インペラ23は、カバー25と、カバー25の反対側の基部24と、複数のブレード26とを含む。カバー25は、カバーの中心に形成されてケーシング21の開口部19に面した入口27を有する。カバー25と基部24の間には、入口を取り囲む複数のブレード26が配置されてカバー25と基部24を接続する。インペラ23の中心に隣接するブレード26の終端は、インペラ23の入口と連通するキャビティ28を形成する。インペラの中心に隣接する各ブレード26の内端の入口端部26eは、インペラ23の基部24に対して傾斜する。従って、キャビティの寸法は、カバー25から基部24に向かう方向に沿って徐々に減少する。この構成により、インペラ23が回転すると、キャビティ内に空気が流入し、ブレード26によって形成される流路へと進む。キャビティ内の空気の量は、基部24に向かう方向に沿って徐々に減少する。キャビティ内の空気の量の変化はキャビティの寸法の変化に一致するので、空気流はより安定して均一になる。
【0024】
各ブレード26の入口端部26eは、基部24の法線L1との間に角度θを形成し、基部24の端面との間に角度γを形成する。図の線L2は、基部24上における入口端部26eの結像方向を示す。基部の法線L1は線L2に垂直であるため、角度θと角度γの合計は90°に等しい。実験では、角度γが55°〜75°の時に、従って角度θが35°〜15°の時にインペラ23が良好な性能及び高い効率をもたらすことが示された。
【0025】
角度γは62°〜70°であり、従って角度θは28°〜20°であることが好ましい。
【0026】
角度γは65°〜68°であり、従って角度θは25°〜22°であることがさらに好ましい。
【0027】
図5及び図6を参照して分かるように、各ブレード26は、半径が異なる第1の円弧状セグメント26a及び第2の円弧状セグメント26bを含む。第1の円弧状セグメント26aは、インペラ23の中心に隣接するブレード26の半径方向内端に位置し、第2の円弧状セグメント26bは、インペラ23の中心から離れたブレード26の半径方向外端に位置する。単一の円弧状セグメントを備えた従来のブレードと比較すると、本発明のブレード26は、より良好な性能及びより高い効率をもたらす。
【0028】
この実施形態では、第2の円弧状セグメント26bの半径R2の方が、第1の円弧状セグメント26aの半径R1よりも大きい。
【0029】
図7及び図8を参照して分かるように、ディフューザ16は、端壁32と、この端壁32からモータに向かって延びる環状側壁29とを有する。端壁32及び側壁29は、モータに面した空洞30を形成する。端壁32の中心の凹部には、モータのロータシャフトを支持するためのベアリングが取り付けられる。側壁29は、モータに面した圧着凹部35を有する。組み立て中、凹部35内には、ケーシング21の一部が圧着される(図1を参照)。側壁は、端壁32の端面からモータに向かって傾斜した複数のガイドスロープ33、及びガイドスロープ33の終端の複数のガイドホール34をさらに有する。再び図1及び図2を参照すると分かるように、ディフューザ31の端壁32は、インペラ23の基部24に隣接する。ガイドスロープ33及びガイドホール34aは、インペラ23の出口に隣接する。インペラ23の出口から流出した空気は、ガイドスロープ33に導かれてガイドホール34aに流入する。
【0030】
図8及び図9を参照して分かるように、ディフューザ31の空洞内には、外端及び内端を有する複数の滑らかに湾曲した拡散路34が形成される。拡散路34の外端は、対応するガイドホール34aと連通し、拡散路34の内端は互いに連通し合う。従って、インペラ23からの空気流は、ディフューザ31のインペラ側からガイドホール34aを介してディフューザ31のモータ側に流れることができ、その後、拡散路34を介してディフューザ31の中心に流入し、モータ内を軸方向に通過してモータを冷却する。
【0031】
ディフューザ31は、モータに隣接する側に、拡散路34を形成するための複数の通路壁36を有する。インペラの中心に隣接する通路壁36の終端は、互いに距離を置いてディフューザ31の中心に空間を定める。通路壁36のうちの少なくとも1つの終端は、隣接する拡散路34内の空気流をガイド部分38aの両側に導くように流線形のガイド部分38aを有する。モータの半径方向断面におけるガイド部分38aの像は、液滴形状であることが好ましい。
【0032】
図8図11を参照して分かるように、この実施形態では、2つのガイド部分38aが、ディフューザ31の2つの取り付け部分38に配置される。2つの取り付け部分38は、ディフューザ31の中心に隣接する2つの通路壁36の終端にそれぞれ配置される。2つのガイド部分38は、ディフューザ31の中心を挟んで互いに向かい合う。ガイド部分38aの軸端面には、モータのステータコア41に固定されるための取り付け凹部39が存在する。モータのステータは、ステータコア41、及びステータコア41の歯の周囲に巻かれた2つのステータ巻線を含む。2つのステータ巻線の軸端は、ディフューザ31のキャビティ内に延び、ガイド部分38aの両側において周方向に配置される。2つのガイド部分38aは、拡散路34内の空気流をステータ巻線44に導くように、2つのステータ巻線44間に周方向に配置される。従って、空気流は、2つのガイド部分38aを結ぶ仮想線の両側に集中して、ステータ巻線44をより良好に冷却するようになる。ガイド部分38aは液滴形状であるため、空気流の抵抗を抑えることができる。
【0033】
さらに、2つのガイド部分38aは、ディフューザをモータに取り付けるための取り付け穴37を有する。この実施形態では、取り付け穴37が、取り付け凹部39内に位置する。組み立て時には、取り付け凹部39の取り付け穴及びステータコア41にボルト又はネジを貫通させてエンドキャップ43に接続し、ディフューザ31、ステータコア41及びエンドキャップ43を一体に固定する。
【0034】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、「備える、含む、有する(comprise、include、contain、have)」という各動詞及びこれらの変化形を、記載する項目の存在を特定するものの、さらなる項目の存在も除外しないように包括的な意味で使用している。
【0035】
1又はそれ以上の好ましい実施形態を参照しながら本発明について説明したが、当業者であれば、様々な修正が可能であると理解すべきである。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲を参照して決定すべきである。
【符号の説明】
【0036】
19 開口部
20 遠心ブロワ
21 ケーシング
31 ディフューザ
38 取り付け部分
41 ステータコア
43 エンドキャップ
44 ステータ巻線
51 コミュテータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11