(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンにおいては、所定ライン上に特別図柄が停止されるときには、入賞ライン上に特定図柄(たとえばベル−ベル−リプ)を停止させる一方で、所定ライン上に特別図柄が停止されないときには入賞ライン上に特定図柄と異なる図柄を停止させる。つまり、所定ライン上に特別図柄が停止されるときと停止されないときとで、入賞ライン上に停止される図柄が異なる。このため、仮に所定タイミングで停止操作しなかったときなどにおいて、入賞ライン上に特定図柄が停止されてしまうと、所定ライン上に特別図柄が停止されていなくても、有利な状況にあるのではないかといった誤解を遊技者に与えてしまう虞があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、表示結果により遊技者に対して誤解を与えてしまうことを防止できるスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
導出を許容する表示結果組合せを決定する事前決定手段と、
表示結果組合せを導出させるために操作される複数の導出操作手段と、
表示結果組合せを導出させる制御を行う導出制御手段と、
表示結果組合せが導出されたときに入賞が発生したか否かの入賞判定を行う入賞判定手段とを備え、
遊技者が表示結果組合せを視認可能な領域には、入賞判定が行われる入賞判定位置に対応する判定領域と、前記入賞判定位置ではない非入賞判定位置に対応する非判定領域とが定められており、
前記事前決定手段の決定結果には、遊技者にとって有利な有利状態へ移行可能とする第1決定結果と、前記有利状態へ移行可能としない第2決定結果とを含み、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果および前記第2決定結果のいずれであるときにおいても、前記複数の導出操作手段のうちの最後の操作が行われる特定導出操作手段以外の導出操作手段が所定のタイミングで操作されたときに、当該特定導出操作手段以外の導出操作手段に対応する可変表示部において前記判定領域の識別情報が共通の識別情報となり前記非判定領域の識別情報が特定の識別情報となる表示結果を導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果であるときにおいて、前記特定導出操作手段が第1タイミングで操作されたときに、当該特定導出操作手段に対応する特定可変表示部において前記判定領域の識別情報が所定の識別情報となり前記非判定領域の識別情報が前記特定の識別情報となり所定入賞が発生する表示結果組合せを導出させ、前記特定導出操作手段が第2タイミングで操作されたときに、前記特定可変表示部において前記判定領域の識別情報が前記所定の識別情報となり前記非判定領域の識別情報が前記特定の識別情報とは異なる識別情報となり前記所定入賞が発生する表示結果組合せを導出させる制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果であるときにおいて、前記特定導出操作手段が前記第1タイミングおよび前記第2タイミングのいずれで操作されたときにおいても、前記特定可変表示部において前記判定領域の識別情報が前記所定の識別情報となり前記非判定領域の識別情報が前記特定の識別情報とは異なる識別情報となり前記所定入賞が発生する表示結果組合せを導出させる制御を行う。
なお、スロットマシンは、以下の構成であってもよい。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(たとえば、内部抽選処理)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L〜8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、リール回転処理)と、
表示結果が導出されたときに入賞が発生したか否かの入賞判定を行う入賞判定手段(たとえば、入賞判定処理)とを備え、
遊技者が表示結果を視認可能な領域(たとえば、透過領域51b)には、入賞判定が行われる入賞判定位置(たとえば、入賞ラインLN上の位置)に対応する判定領域と、前記入賞判定位置ではない非入賞判定位置(たとえば、無効ラインLM1〜4上であって入賞ラインLN上と重複していない位置)に対応する非判定領域とが定められており、
入賞のうち所定入賞(たとえば、右下ベル)の発生を許容する旨の所定決定には、特典が付与される第1所定決定(たとえば、右下ベル+BB1当選、右下ベル+BB2当選など)と、特典が付与されない第2所定決定(たとえば、右下ベル単独当選など)とを含み、
前記導出制御手段は、
前記第1所定決定されているときにおいて、前記導出操作手段が第1タイミング(たとえば、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミング)で操作されたときに前記判定領域の識別情報が所定の識別情報(たとえば、チェリー)となり前記非判定領域の識別情報が特定の識別情報(たとえば、赤7)となる表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2タイミング(たとえば、リール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミング)で操作されたときに前記判定領域の識別情報が前記所定の識別情報となり前記非判定領域の識別情報が前記特定の識別情報とは異なる識別情報(たとえば、ベル)となる表示結果を導出する第1導出制御を行い(たとえば、
図6(c)および(d))、
前記第2所定決定されているときにおいて、前記導出操作手段が前記第1タイミングで操作されたときおよび前記第2タイミングで操作されたときのいずれにおいても、前記判定領域の識別情報が前記所定の識別情報となり前記非判定領域の識別情報が前記特定の識別情報とは異なる識別情報となる表示結果を導出する第2導出制御を行う(たとえば、
図6(b)および(d))。
【0009】
このような構成によれば、第1所定決定されているときにおいて第1タイミングで操作されたときに導出される判定領域の所定の識別情報は、第2所定決定されており特典が付与されないときにおいて操作タイミングが第1タイミングでも第2タイミングでも判定領域に導出される識別情報と同じであるから、所定の識別情報が判定領域に導出されることに基づいて特典が付与されているのではないかといった誤解を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
【0010】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記第1所定決定されているときおよび前記第2所定決定されているときにおいて、前記導出操作手段が前記第2タイミングで操作されたときに導出される表示結果のうち前記非判定領域の識別情報は、特別の識別情報(たとえば、ベル)を含む。
【0011】
このような構成によれば、非判定領域の識別情報が特別の識別情報となることにより、第1所定決定されている可能性があることを遊技者に対してわかりやすく報知できる。
【0012】
特別の識別情報となる非判定領域は、第1所定決定されているときにおいて第1タイミングで操作されたときに特定の識別情報となる非判定領域と同じ領域であってもよく、異なる領域であってもよい(たとえば、変形例における[特別の識別情報に関して]欄参照)。
【0013】
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記可変表示部は、前記複数種類の識別情報を予め定められた順序で変動表示可能であり(たとえば、
図2の図柄配列参照)、
前記所定の識別情報(たとえば、リール2Rのチェリー)は、第1位置(図柄番号8)と第2位置(図柄番号12)とを含む複数の位置に配列されており、
前記導出制御手段は、前記導出操作手段が操作された時点から予め定められた最大変動量の範囲内(5図柄の範囲内)で前記可変表示部の変動表示を停止することで導出可能な複数の表示結果のうちのいずれかを導出可能であり、
前記導出操作手段が前記第1タイミングで操作されたときに前記導出制御手段が導出可能な複数の表示結果は、前記判定領域の識別情報が前記第1位置の所定の識別情報となる表示結果と前記判定領域の識別情報が前記第2位置の所定の識別情報となる表示結果とを含み(たとえば、
図6(b)および(c))、
前記導出操作手段が前記第2タイミングで操作されたときに前記導出制御手段が導出可能な複数の表示結果は、前記判定領域の識別情報が前記第1位置の所定の識別情報となる表示結果を含まず、前記判定領域の識別情報が前記第2位置の所定の識別情報となる表示結果を含む(たとえば、
図6(d))。
【0014】
このような構成によれば、第2タイミングで操作されたときには、第1所定決定されているか否かを特定できないようにすることができる。
【0015】
(4) 上記(2)のスロットマシンにおいて、
前記可変表示部を複数(たとえば、リール2L〜2R)備え、
前記判定領域は、複数の可変表示部に跨る所定ライン上の領域(たとえば、入賞ラインLN上の領域)であり、
前記複数の可変表示部各々について非判定領域の識別情報が前記特別の識別情報となる表示結果が導出されたときには、前記所定ラインとは異なるライン上の識別情報の組合せが同一または類似の識別情報のみから構成される特定組合せとなり(たとえば、
図6(b)および(d))、
前記複数の可変表示部各々について判定領域の識別情報が前記所定の識別情報となる表示結果が導出されたときには、前記所定ライン上の識別情報の組合せが前記特定組合せとは異なる非特定組合せとなる(たとえば、
図6(b)〜(d))。
【0016】
このような構成によれば、非判定領域の識別情報が特別の識別情報となるときに所定ラインとは異なるライン上の識別情報の組合せが、同一または類似の識別情報のみから構成される特定組合せとなるため、第1所定決定されている可能性があることを遊技者に対してわかりやすく報知できる。
【0017】
所定ラインとは、一のラインであってもよく、複数のラインであってもよい。また、ラインとは、複数の可変表示部に跨るラインであれば、直線ラインに限らず、たとえば、左上段、中下段、および右上段を結ぶV字型のラインや、逆V字型のラインなど、どのような形状となるラインであってもよい。
【0018】
同一または類似の識別情報のみから構成される特定組合せとは、一の識別情報のみから構成される組合せ、一の識別情報と外形が当該一の識別情報と類似する識別情報とから構成される組合せなどであってもよい。なお、同一の識別情報とは、一の識別情報と外形(たとえば、図柄の外縁の形)が同じ識別情報のことをいう。また、外形が類似の識別情報とは、一の識別情報と外形(たとえば、図柄の外縁の形)が類似するために需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する識別情報をいい、その結果、観念的に同じ識別情報であると認識できる(異なる識別情報であると認識し難い)識別情報をいう。
【0019】
(5) 上記(1)〜(4)のうちのいずれかのスロットマシンにおいて、
入賞は、遊技者にとって有利な特別状態のうちの第1特別状態への移行を伴う第1特別入賞(たとえば、BB1、BB2)と、第2特別状態への移行を伴う第2特別入賞(たとえば、BB3、BB4)とを含み、
前記特典の付与は、前記第1特別入賞の発生を許容する旨が前記事前決定手段により決定されることであり、
前記導出制御手段は、
前記所定入賞の発生を許容するとともに前記特典の付与として前記第1特別入賞の発生を許容する旨が決定されることにより前記第1所定決定されているときにおいて、前記第1導出制御を行い(たとえば、
図6(b)および(c))、
前記所定入賞の発生を許容するとともに前記第2特別入賞の発生を許容する旨が前記事前決定手段により決定されているときにおいて、前記第2導出制御を行う(たとえば、
図6(b)および(d))。
【0020】
このような構成によれば、第1特別入賞の発生が許容されている可能性があることを遊技者に対してわかりやすく報知できる。また、第1所定決定されていないときであっても、第2特別入賞の発生が許容されている可能性があるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0021】
前記所定入賞の発生を許容するとともに前記第2特別入賞の発生を許容する旨が前記事前決定手段により決定されているときとは、前記第2所定決定されているときであってもよく、第2所定決定とは異なる第3所定決定されているときであってもよい。
【0022】
(6) 上記(5)のスロットマシンにおいて、
前記特別状態において付与される遊技用価値の量は、前記第2特別状態よりも前記第1特別状態の方が多くなるように定められている(たとえば、
図5参照)。
【0023】
このような構成によれば、多くの遊技用価値が付与されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0024】
(7) 上記(5)のスロットマシンにおいて、
前記特別状態とは異なる遊技者にとって有利な特定状態(たとえば、AT、RT)に制御可能な権利の付与に関する前記特別状態における有利度は、前記第2特別状態よりも前記第1特別状態の方が高くなるように定められている。
【0025】
このような構成によれば、第1特別状態に制御されさらに特定状態に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
【0028】
図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L、2C、2Rの外周部には、
図2に示すように、それぞれ「赤7」(たとえば、左リール2Lの図柄番号8の図柄)、「白7」(たとえば、左リール2Lの図柄番号17の図柄)、「黒BAR」(たとえば、左リール2Lの図柄番号3の図柄)、「白BAR」(たとえば、左リール2Lの図柄番号13の図柄)、「ベル」(たとえば、左リール2Lの図柄番号5の図柄)、「スイカ」(たとえば、左リール2Lの図柄番号6の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの図柄番号2の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの図柄番号14の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの図柄番号4の図柄)、「リプc」(たとえば、左リール2Lの図柄番号19の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ20個ずつ描かれている。なお、1リールに配列されている図柄数は、20に限るものではなく、たとえば、21などであってもよい。
【0029】
「リプb」は、「リプc」の図柄をベースとする点で共通しており、文字の上下に横方向に線が追加されている点で異なっている。また、「リプa」は、「リプc」の図柄をベースとする点で共通しており、文字下に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、リプa〜リプcは、異なる図柄であるが、これらをまとめてリプともいう。
【0030】
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(
図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0031】
本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、160ステップ(0〜159)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを160ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した20の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜20の図柄番号が割り当てられている。
【0032】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0033】
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
【0034】
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0035】
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0036】
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0037】
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0038】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。
【0039】
スロットマシン1は、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0040】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×20(1リール当たりの図柄コマ数)=1600コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4図柄(4コマの図柄)を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分(最大引き込み範囲内)の図柄である。
【0041】
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0042】
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
【0043】
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。
図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。
図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板91、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
【0044】
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(
図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(
図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
【0045】
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(
図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
【0046】
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(
図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(
図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(
図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
【0047】
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)などを示している。なお、
図5は入賞役の一例を示すものに過ぎず、入賞役としては、
図5に示す入賞役以外にも定められているものであってもよく、たとえば、当選していても入賞せず(あるいは極めて低い確率でしか入賞せず)異なるリール制御を行うためのリール制御用の入賞役や、リプレイに当選する確率が通常状態であるときよりも高確率となるRTへの移行を伴う昇格リプレイ、RTから通常状態への転落を伴う転落リプレイなどが定められているものであってもよい。
【0048】
入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜4(以下、ボーナス、あるいはBBとも称する)が含まれる。BB1は、入賞ラインに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインに「白7−白7−赤7」の組合せが停止したときに入賞となる。BB4は、入賞ラインに「赤7−赤7−白BAR」の組合せが停止したときに入賞となる。
【0049】
BB1〜BB4のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。ビッグボーナスに制御されている間は、内部抽選における小役(たとえば中段ベル)の当選確率が向上するRBに毎ゲーム制御される。BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、300枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、150枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB4の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、48枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。このため、BB1およびBB2は、各々、BB3またはBB4のいずれよりも遊技者にとって有利な状態に制御させる入賞役であるといえる。また、後述するようにAT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値についても、BB3およびBB4中であるときよりも、BB1およびBB2中であるときの方が高くなるように設定されている。
【0050】
BB1〜BB4のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常状態であるときよりも高確率となる。内部抽選においてBB1〜BB4のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB4を構成する図柄(「白7」、「赤7」、「白BAR」)は、各々、リール2L〜2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB4のうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが次ゲーム以降に持ち越される。
【0051】
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、少なくともリプレイが含まれる。リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0052】
リプレイは、入賞ラインに「リプa/リプb/リプc−リプa−リプa/リプb/リプc」の組合せが停止したときに入賞となる。なお、「/」は、“または”という意味を示すものとする。たとえば、リプb−リプa−リプcなどの組合せが入賞ライン上に停止することにより、リプレイ入賞発生となる。
【0053】
リプレイを構成する図柄(リール2Lおよびリール2Rにおける「リプa」「リプb」「リプc」のいずれか、リール2Cにおける「リプa」)は、リール2L〜2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
【0054】
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下ベル、スイカ、チェリーが含まれる。小役のうち中段ベルは、入賞ラインに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。中段ベルが入賞するとメダルが9枚払い出される。中段ベルを構成する図柄は、リール2L〜2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、中段ベルについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
【0055】
小役のうち右下ベルは、入賞ラインに「リプa/リプb/リプc−ベル−チェリー」の組合せが停止したときに入賞となる。また、右下ベル入賞が発生したときには、無効ラインLM3上に「ベル−ベル−ベル/白7/赤7」が停止される。右下ベルが入賞するとメダルが3枚払い出される。右下ベルは、内部抽選において当選していても、ストップスイッチ8Rを適正なタイミングで操作しなければ、入賞することはない。右下ベルを構成するリール2Rの図柄(「チェリー」)は、5コマ以内に配置されていないためである。
【0056】
小役のうちスイカは、入賞ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止したときに入賞となる。スイカが入賞するとメダルが15枚払い出される。スイカは、内部抽選において当選していても、ストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、入賞することはない。スイカを構成するリール2Cの図柄(「スイカ」)は、5コマ以内に配置されていないためである。
【0057】
小役のうちチェリーは、入賞ラインに「チェリー−any−any」の組合せが停止したときに入賞となる。チェリーが入賞するとメダルが2枚払い出される。チェリーは、内部抽選において当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、入賞することはない。チェリーを構成するリール2Lの図柄(「チェリー」)は、5コマ以内に配置されていないためである。
【0058】
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
【0059】
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。
【0060】
内部抽選処理では、
図5で示した入賞役の一例について当選させるか否かが決定される。内部抽選処理では、抽選対象役として予め定められた入賞役を順に読み出して、抽出した乱数値に基づいて当該抽選対象役に当選させるか否かを決定する。抽選対象役としては、一の入賞役から構成される抽選対象役と、複数の入賞役から構成される抽選対象役とが定められている。複数の入賞役から構成される抽選対象役を読み出して当選させると決定されたときには、当該抽選対象役に含まれる複数の入賞役各々に当選することになり、当該複数の入賞役各々に対応する当選フラグが設定される。
【0061】
複数の入賞役から構成される抽選対象役としては、BBに関して、たとえば、BB1+右下ベル(“+”は同時に読み出されることを示す)、BB2+右下ベル、BB3+右下ベル、BB4+右下ベルが定められており、小役に関して、たとえば、中段ベルと右下ベルとを含む抽選対象役であって入賞役の組合せが異なる複数種類の抽選対象役が定められている。スイカやチェリーについても、各々、内部抽選の際に単独で抽選対象役として読み出される場合と、BB1〜BB4各々と同時に抽選対象役として読み出される場合とが生じるように構成されている。
【0062】
また、リプレイについても、たとえば、通常のリプレイと昇格リプレイとを含む抽選対象役であって入賞役の組合せが異なる複数種類の抽選対象役や、通常のリプレイと転落リプレイとを含む抽選対象役であって入賞役の組合せが異なる複数種類の抽選対象役が定められている。
【0063】
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、内部抽選結果および停止操作に応じてリールの回転を停止させる。なお、リール回転処理では、リール2L〜2Rの回転を開始させる条件の一つとして、前回ゲームのリール回転開始から所定時間経過していることを例示したが、これに限らず、前回ゲームを開始するためのスタートスイッチ7操作時から所定時間経過していることであってもよい。
【0064】
リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
【0065】
リール回転処理では、内部抽選の当選状況と、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作手順(操作タイミングおよび操作順序)とに応じたリール制御が行われる。リール回転処理では、はずれであるときには、入賞ラインLN上の図柄組合せがいずれの入賞役をも発生させない、はずれ図柄組合せとなるようにリール制御を行い、いずれかの入賞役に当選しているときには、最大引き込み範囲内で当該入賞役を構成する図柄を入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。
【0066】
また、リール回転処理では、複数の入賞役から構成される抽選対象役に当選しているときには、予め定められた入賞役を構成する図柄を他の入賞役よりも優先して入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。たとえば、右下ベルがBB1と同時当選しているときには、BB1を構成する図柄よりも右下ベルを構成する図柄を優先して、最大引き込み範囲内で入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。なお、右下ベルとBBとが同時当選しているときのリール制御の一例については、
図6を用いて後述する。
【0067】
また、中段ベルと右下ベルとを含む複数種類の抽選対象役のうちのいずれかに当選しているときには、当選している抽選対象役に応じた操作手順(正解手順ともいう)で操作されたときに中段ベルを入賞させるリール制御を行い、正解手順以外の操作手順で操作されたときには最大引き込み範囲内で可能な限り右下ベルを構成する図柄を入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。正解手順は、抽選対象役の種類に応じて異なるように定められている。
【0068】
中段ベルと右下ベルとを含む複数種類の抽選対象役のうちのいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で停止操作できずかつ右下ベルを取りこぼすときには、中段ベルと右下ベルとを含む複数種類の抽選対象役に当選しているときにしか入賞ラインLN上に停止されることがない特定のはずれ図柄組合せを停止させるリール制御を行う。たとえば、RT中(内部中RTを除く)において特定のはずれ図柄組合せが入賞ラインLN上に停止されたときには、通常状態に制御される。
【0069】
このため、中段ベルと右下ベルとを含む複数種類の抽選対象役のうちのいずれに当選しているかを特定できないときには、意図的に正解手順で操作して中段ベルを入賞させることができず、かつ右下ベルを取りこぼして特定のはずれ図柄組合せを停止させる可能性が高まるのに対し、後述するAT中においてナビ演出から正解手順を特定できるときには、意図的に正解手順で操作して中段ベルを入賞させることができる。これにより、たとえば、AT中においては、中段ベルを入賞させることができるとともに、RTに制御しかつ当該RTを維持させることが可能となる。
【0070】
また、通常のリプレイと昇格リプレイとを含む抽選対象役であって入賞役の組合せが異なる複数種類の抽選対象役のうちのいずれかに当選しているときには、当選している抽選対象役に応じた正解手順で操作されたときに昇格リプレイを入賞させるリール制御を行い、正解手順以外の操作手順で操作されたときには通常のリプレイを構成する図柄を入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。また、通常のリプレイと転落リプレイとを含む抽選対象役であって入賞役の組合せが異なる複数種類の抽選対象役のうちのいずれかに当選しているときには、当選している抽選対象役に応じた正解手順で操作されたときに通常のリプレイを入賞させるリール制御を行い、正解手順以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを構成する図柄を入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。正解手順は、抽選対象役の種類に応じて異なるように定められている。このため、いずれに当選しているかを特定できないときには、意図的に正解手順で操作して遊技者にとって有利な入賞役(昇格リプレイ、通常のリプレイ)を入賞させることができないのに対し、後述するAT中においてナビ演出から正解手順を特定できるときには、意図的に正解手順で操作して遊技者にとって有利な入賞役を入賞させることができる。これにより、たとえば、AT中においては、RTに制御しかつ当該RTを維持させることが可能となる。
【0071】
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せが遊技状態の移行を伴う図柄組合せであるときには、当該図柄組合せに応じて、ボーナスやRTなどの遊技者にとって有利な状態あるいは通常状態に制御される。
【0072】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、ボーナスに入賞したと判定されたときには、入賞したボーナスの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0073】
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRTなどの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せ(たとえば、中段ベル、昇格リプレイ、転落リプレイ回避時の通常のリプレイなど)を入賞ラインLN上に停止させるための操作順序(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
【0074】
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、
図5に示すスイカ、チェリー、右下ベル、中段ベルなど)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。また、AT抽選処理は、BB中においても特定の抽選対象役が当選した場合に実行される。
【0075】
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。
【0076】
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、チェリーが最も高く、続いて、スイカ、中段ベルの順となり、右下ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。
【0077】
また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、制御されている遊技状態の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、BB1中およびBB2中が最も高く、続いて、BB3中、BB4中、RTの順となり、通常状態が最も低くなるようにAT抽選が行われる。BB中におけるAT抽選で当選したときには、当該ボーナスが終了した後にATへの制御が開始される。このため、たとえば、BB1およびBB2中におけるAT抽選では他の状態であるときよりも当選しやすく、その結果、BB1やBB2に制御されたときには、ボーナス終了後においてさらにATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0078】
メイン制御部41は、内部抽選において特定の抽選対象役に当選してAT抽選が行われたときやボーナス当選したときなどにおいて、AT当選したか否かやボーナス当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出や、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出などが設けられている。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せ(たとえば、赤7の3つ揃い、あるいは、はずれ出目)を仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、フリーズ用演出などが含まれる。
【0079】
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてボーナス当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりボーナス当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。フリーズ用演出とは、メイン制御部41において実行されるフリーズ演出に応じた画像を表示させる演出である。
【0080】
メイン制御部41は、ボーナス当選あるいはAT当選しているかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
【0081】
当選示唆演出抽選処理では、少なくともボーナス当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、ボーナス当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばボーナス当選あるいはAT当選の信頼度が高い当選状況であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、ボーナス当選あるいはAT当選している場合だけでなく、ボーナス当選もAT当選もしていないときでも実行される。
【0082】
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、ボーナス当選あるいはAT当選しているかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにボーナス当選あるいはAT当選している信頼度が、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
【0083】
当選示唆演出を実行する所定タイミングは、当選示唆演出抽選処理が実行された後の次のゲームが開始されるとき(スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられたときなど)に定められている。なお、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行する。
【0084】
メイン制御部41は、AT当選しているときには当選示唆演出による結果報知後にATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、ボーナス当選とともにAT当選しているときには、ボーナス入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。このため、メイン制御部41は、当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを(予め)決定することによって、ATを開始するタイミングをも決定しているといえる。たとえば、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するようにし、当該ゲームまでに当選示唆演出を開始して結果報知するようにしてもよい。
【0085】
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される。
【0086】
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、
図5に示すスイカ、チェリーなど)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
【0087】
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
【0088】
メイン制御部41は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、たとえば、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出や、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出(たとえば、バトル演出)など、どのようなものであってもよい。
【0089】
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
【0090】
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、リール回転開始コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンド、当選示唆演出抽選時コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0091】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、ナビ演出を実行するとともに、所定の入賞役に当選しているときに当該入賞役を特定可能な情報(ナビ演出とは異なる情報)を報知可能である。たとえば、特定の抽選対象役当選を示す内部当選フラグを受信したときには、特定の抽選対象役のいずれに当選しているかを報知可能である。これにより、特定の抽選対象役のうちいずれに当選しているかを遊技者に報知可能となり、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0092】
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやチャレンジボーナスに制御されたときに送信される。
【0093】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、前回ゲーム開始後から所定時間(例えば、4.1秒)経過しているときにはスタートスイッチ7操作時(内部当選コマンド送信時)に送信され、所定時間経過していないときには当該所定時間経過したときに送信される。なお、本実施形態では、ゲーム開始を、リール回転開始時とするが、たとえば、スタートスイッチ7の操作時であってもよく、また、リール2L、2C、2Rの回転開始後としたり、リール2L、2C、2Rが定速回転してストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された後(後述する原点通過時)としたりしてもよい。
【0094】
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT抽選の結果報知タイミング(あるいはAT開始タイミング)が何ゲーム目であるかなどを特定可能なコマンドである。
【0095】
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
【0096】
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
【0097】
当選示唆演出抽選時コマンドは、当選示唆演出抽選が行われたときに送信され、当選示唆演出抽選に当選して当選示唆演出を実行するか否か、当選した同時当選役の種別がいずれであるかなどを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、当選示唆演出抽選時コマンドに基づき、当選示唆演出を実行する旨およびその種別を特定したときには、その種別およびボーナス抽選およびAT抽選の結果などに応じた当選示唆演出を次ゲーム開始時に実行した後に、ボーナス抽選およびAT抽選の結果を報知する。
【0098】
ボーナス抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、ボーナス当選であったときには「ボーナス確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、ボーナス当選かつAT当選であったときには「ボーナス・AT確定!」といったメッセージとともに「ボーナス終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、ボーナス当選したゲームにおいてボーナス入賞した場合には、サブ制御部91は、ボーナス当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
【0099】
また、サブ制御部91は、AT中コマンドに基づきAT中であるか否かを判別して、状態に応じた背景画像による演出を液晶表示器51において実行させるとともに、AT中であるときには内部当選コマンドに基づきナビ演出を実行する。また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
【0100】
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、
図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、
図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、
図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
【0101】
[右下ベル当選時におけるリール制御の一例]
図6は、右下ベル当選時のリール制御の一例を説明するための図である。リール回転処理では、右下ベル当選時において右下ベルを引き込むリール制御が行われるときには、最大引き込み範囲内で、右下ベルを構成する図柄を入賞ラインLN上に引き込むリール制御を行う。また、内部抽選処理で説明したとおり、右下ベルは、単独で当選する場合のみならず、中段ベルと同時に抽選対象役として読み出されて当選する場合や、BB1〜BB4各々と同時に抽選対象役として読み出されて当選する場合が生じ得る。
【0102】
また、右下ベルは、「リプa/リプb/リプc−ベル−チェリー」が入賞ラインLN上に停止することにより入賞が発生する。この入賞図柄組合せのうち、たとえば、リール2Lの図柄番号9の「リプb」、リール2Cの図柄番号8の「ベル」、リール2Rの図柄番号8の「チェリー」が入賞ラインLN上に停止して右下ベル入賞が発生した場合には、下段ラインである無効ラインLM2において赤7揃いとなる。この点を利用して、右下ベル当選時においては、BB1あるいはBB2が同時に当選しているか否かに応じて、赤7を狙って停止操作したときのリール制御を異ならせて、BB1あるいはBB2が当選しているときに赤7揃いとなるリール制御を行うことで、BB1あるいはBB2が当選していることを報知する。
【0103】
また、サブ制御部91は、右下ベル単独当選時および右下ベル+BB当選時において、遊技者に対し意図的に赤7を狙わせて停止操作させるために、「赤7を下段に狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する示唆演出を実行する。示唆演出は、右下ベル+BB1またはBB2当選時に必ず実行され、右下ベル+BB3またはBB4当選時には所定確率で実行され、右下ベル単独当選時には所定確率よりも低い確率で実行される。
【0104】
図6(a)は、示唆演出が実行されて、リール2Lおよび2Cの「赤7」が下段に停止されており、リール2Rが回転中である状況を示す図である。この状況において、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときのリール制御について、
図6(b)または
図6(c)を用いて説明する。また、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングではなく、たとえばリール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときのリール制御について、
図6(d)を用いて説明する。
【0105】
図6(b)は、右下ベルがBB1またはBB2と同時に当選していなかったときであって、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときの状況を示す図である。右下ベルがBB1またはBB2と同時に当選していなかったときとは、右下ベルが単独当選しているとき、および、右下ベルがBB3またはBB4と同時に当選しているときなどを含む。
図6(b)では、リール2Rにおける図柄番号7から4図柄先の図柄番号11の「ベル」が下段に停止されるが、入賞ラインLN上には「リプb−ベル−チェリー」が停止され、無効ラインLM3上には「ベル−ベル−ベル」が停止されて右下ベル入賞であることが報知される。
【0106】
図6(c)は、右下ベルがBB1またはBB2と同時に当選しているときであって、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときの状況を示す図である。
図6(c)に示すように、リール2Rにおける図柄番号7の「赤7」が下段に停止され、無効ラインLM2において赤7揃いとなっている。無効ライン上に赤7揃いを停止させるリール制御は、BB1またはBB2などに当選している有利な状況であるときにしか行われない。これにより、無効ライン上に赤7揃いが停止されることにより、BB1またはBB2に同時当選していることを報知することができる。また、入賞ラインLN上には、「リプb−ベル−チェリー」が停止されて右下ベル入賞であることが報知される。
【0107】
図6(d)は、右下ベルが単独当選しているか、あるいは、BB1またはBB2と同時に当選しているかにかかわらず、リール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときの状況を示す図である。
図6(d)に示すように、リール2Rにおける図柄番号11の「ベル」が下段に停止されるが、入賞ラインLN上には「リプb−ベル−チェリー」が停止され、無効ラインLM3上には「ベル−ベル−ベル」が停止されて右下ベル入賞であることが報知される。つまり、
図6(b)と同じ状況となる。
【0108】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態において右下ベルがBB1あるいはBB2と同時に当選しているときには、
図6(c)で示したように、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときに、中段が「チェリー」となり下段が「赤7」となる表示結果を導出するのに対し、
図6(d)で示したように、リール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときに、中段が「チェリー」となり下段が「ベル」となる表示結果を導出するリール制御を行う。これに対し、右下ベルがBB1あるいはBB2と同時に当選していないときには、
図6(b)および(d)で示したように、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときおよびリール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときのいずれであっても、中段が「チェリー」となり下段が「ベル」となる表示結果を導出するリール制御を行う。これにより、
図6(c)で示す入賞ラインLN上の右下ベル入賞を発生させる図柄組合せは、
図6(b)および(d)で示す入賞ラインLN上の図柄組合せと同じであるから、右下ベル入賞を発生させる図柄組合せが停止されることに基づいて特典としてBB1あるいはBB2に当選しているのではないかといった誤解を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
【0109】
(2)
図6(d)で示すように、BB1あるいはBB2に当選しているか否かにかかわらず、リール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときには、中段が「チェリー」となり下段が「ベル」となる表示結果を導出するリール制御を行う。これにより、BB1あるいはBB2に同時当選している可能性があることを遊技者に対してわかりやすく報知できる。
【0110】
(3)
図2のリール2Rに示されるように、右下ベルの右図柄を構成する「チェリー」は、図柄番号8と図柄番号12とを含む複数個所に配列されている。また、BB1またはBB2が同時に当選しているときに下段に「赤7」を停止させ得るタイミング、つまり、リール2Rの図柄番号7の「赤7」が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときには、図柄番号8の「チェリー」と図柄番号12の「チェリー」のいずれをも入賞ラインLN上に引き込むことができる。一方、BB1またはBB2が同時に当選しているときであっても下段に「赤7」を停止させ得ないタイミング、つまり、リール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときには、図柄番号12の「チェリー」のみを入賞ラインLN上に引き込む。つまり、特典が付与されているか否かにかかわらず入賞ライン上に同じ図柄を停止するが、特典が付与されているか否かに応じて異なる位置に配列されている図柄を停止するリール制御を行う。これにより、リール2Rの図柄番号8〜11の図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときには、BB1またはBB2が同時に当選しているか否かを特定できないようにすることができる。
【0111】
(4) 右下ベル入賞が発生するときには入賞ラインLN上にばらけ目が停止するものの、
図6(b)および(d)で示すように、リール2Rの「ベル」が下段に停止されるときには、無効ラインLM3上にベル揃いを停止させることができる。このため、BB1あるいはBB2に当選している可能性があることを遊技者に対してわかりやすく報知できる。
【0112】
このように特典が付与されているときには赤7揃いを停止させ、特典が付与されていないときにおいてもベル揃いを停止させるリール制御を行うことができるため、たとえば特典が付与されているときにのみ所定図柄揃いを停止させるものなどと比較して、遊技者にとってわかりやすい態様で報知できる。
【0113】
(5) 前述したとおり、右下ベルがBB1〜4のうちBB1またはBB2と同時に当選したときに、
図6(c)に示すリール制御が行われる。このため、BB1またはBB2に当選している可能性があることを遊技者に対してわかりやすく報知できる。また、BB1またはBB2に当選していないときであっても、BB3やBB4に当選している可能性があるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0114】
(6) BB1およびBB2は、終了となる払出枚数がBB3またはBB4よりも多くなるように設定されている。このため、右下ベル入賞となることにより、多くのメダルを獲得するBB1あるいはBB2に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0115】
(7) BB1およびBB2は、AT抽選の有利度がBB3またはBB4よりも高くなるように設定されている。このため、右下ベル入賞となることにより、多くのメダルを獲得するBB1あるいはBB2に制御され、さらにATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0116】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0117】
[所定、特定、および特別の識別情報について]
前述した実施の形態では、所定の識別情報として、所定入賞としての右下ベルを構成する「チェリー」を例示したが、これに限らず、所定の識別情報としては他の図柄(たとえば、スイカ)であってもよく、複数の図柄が定められているものであってもよい。また、入賞ラインが複数設けられているものにおいては所定入賞を構成する図柄を入賞ライン上に停止させたときに他の入賞ライン上に停止される図柄(所定入賞を構成する図柄とは異なる図柄)であってもよい。
【0118】
前述した実施の形態では、特定の識別情報として、「赤7」を例示したが、これに限らず、特定の識別情報としては他の図柄(たとえば、白7)であってもよく、複数の図柄が定められているものであってもよい。また、無効ライン上に赤7揃いを停止させるリール制御は、BB1またはBB2などに当選している有利な状況であるときにしか行われない例について説明したが、これに限らず、有利な状況でないときよりも有利な状況であるときの方が高い割合で行われるようにしてもよい。たとえば、有利な状況でないときにおいても、極めて低い確率(たとえば、1%。あるいは、リール2L〜2Rのうち第1停止させるリールの赤7が下段を通過しているタイミング(特定タイミング)で停止操作されたときなど。)で無効ライン上に赤7揃いを停止させるリール制御を行うようにしてもよい。
【0119】
また、前述した実施の形態では、特別の識別情報として「ベル」を例示して、無効ライン上にベル揃いが停止される例について説明したが、これに限らず、特別の識別情報としてはたとえば「リプレイ」など他の図柄であってもよく、当該図柄揃いが無効ライン上に停止されるものであってもよい。また、
図6(c)に示すようにリール2Rの「赤7」を停止させる位置と、
図6(b)および(d)に示すようにリール2Rの「ベル」を停止させる位置とが同じ位置(下段)である例について説明したが、同じ位置に限らず、異なる位置に停止させるようにしてもよく、たとえば、
図6(b)および(d)に示す場合にリール2Rの「ベル」を上段に停止させるようにしてもよい。この場合においても、入賞ラインLN上には右下ベルの入賞図柄組合せを停止させつつ、無効ラインLM1においてベル揃いとなるように図柄配列およびリール制御を調整するようにしてもよい。また、
図6(b)および(d)に示す場合にリール2Rの「ベル」を操作タイミングに応じて上段あるいは下段のいずれかに停止させるようにリール制御を行うようにしてもよい。
【0120】
[所定入賞について]
前述した実施の形態では、所定入賞として右下ベルを例示したが、所定入賞としてはこれに限らず、他の入賞役(たとえば、スイカ(入賞図柄組合せは、ばらけ目で構成されているが、当該ばらけ目が入賞ライン上に停止したときにはスイカ揃いまたは赤7揃いを無効ラインLM上に停止可能な入賞役))であってもよい。
【0121】
また、所定入賞として例示した右下ベルを構成する入賞図柄組合せとしては、「リプa/リプb/リプc−ベル−チェリー」に加えて、「リプa/リプb/リプc−ベル−白7/赤7」を定めて、これらの図柄組合せのいずれかが入賞ライン上に停止したときに所定入賞が発生するようにしてもよい。このように構成した場合、たとえば、
図6で示したリール制御に加えて、リール2Rの図柄番号3〜6のいずれかの図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときに、
図6(a)の状態において以下のリール制御を行うようにしてもよい。
【0122】
たとえば、所定入賞に当選しているが特典としてBB1またはBB2当選していないときにおいて、リール2Rの図柄番号3〜6のいずれかの図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときには、図柄番号6の「ベル」を下段に、図柄番号7の「赤7」を中段に停止させるリール制御を行うようにしてもよい。これに対して、所定入賞が特典としてのBB1またはBB2と同時当選しているときにおいて、リール2Rの図柄番号3〜6のいずれかの図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときには、図柄番号7の「赤7」を下段に、図柄番号8の「チェリー」を中段に停止させるリール制御を行うようにしてもよい。この場合には、リール2Rの図柄番号3〜6のいずれかの図柄が下段を通過しているタイミングでストップスイッチ8Rが操作されたときにおいても、所定入賞を発生させる図柄組合せが入賞ライン上に停止されることに基づいて特典としてBB1あるいはBB2に当選しているのではないかといった誤解を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
【0123】
さらに、所定入賞に当選しているが特典としてBB1またはBB2当選していないときにおいては、リール2Rの「赤7」のみならず「白7」、「白BAR」、「黒BAR」など特別役を構成し得る図柄を下段に停止させず、所定入賞が特典としてのBB1またはBB2と同時当選しているときにおいては、リール2Rの「赤7」のみならず「白7」、「白BAR」、「黒BAR」など特別役を構成し得る図柄を下段に停止させるようにリール制御を行うようにしてもよい。つまり、「赤7」など特別役を構成し得る図柄(特定の識別情報)のみから構成される図柄組合せが無効ライン上に停止するリール制御は、所定入賞に当選するとともに特典が付与されるときにのみ実行可能であって、所定入賞に当選しているが特典が付与されていないときには実行不能となるようにしてもよい。これにより、特典が付与されていないときに特別役を構成し得る図柄組合せが無効ライン上に停止されてしまうことを防止できる。
【0124】
また、特典が同時に付与されているか否かにかかわらず、最終停止までは、「赤7」など特別役を構成し得る図柄(特定の識別情報)を1の無効ライン上に引き込み可能なタイミングで操作されたときには、当該図柄を1の無効ライン上に引き込むリール制御を行い、最終停止において、特典が同時に付与されているときにのみ「赤7」など特別役を構成し得る図柄(特定の識別情報)を1の無効ライン上に引き込み可能なリール制御を行い、特典が同時に付与されているときには「赤7」など特別役を構成し得る図柄(特定の識別情報)を1の無効ライン上に引き込み可能なタイミングで操作されたときであっても当該図柄を無効ライン上に引き込まないリール制御を行うようにしてもよい。これにより、特典が付与されていることに対する期待感を持続させることができる。
【0125】
[特別状態および特定状態について]
前述した実施の形態では、特別状態として「ボーナス」を例示し、特定状態として「AT」を例示したが、特別状態および特定状態は、互いに異なる状態であって、遊技者にとって有利な有利状態であればこれに限るものではない。有利状態としては、たとえば、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(ボーナス)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
【0126】
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
【0127】
[特典について]
前述した例では、特典として、ボーナス当選など、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
【0128】
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行なう場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
【0129】
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
【0130】
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
【0131】
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
【0132】
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
【0133】
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
【0134】
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
【0135】
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
【0136】
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
【0137】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。