(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建物の開口部を開閉するドアの開閉制御、及び前記開口部に対する見込方向のいずれか一方側に設けられた連動動作手段における前記ドアとの連動制御を行う制御システムであって、
前記開口部に対する見込方向のいずれか一方側の近傍に第1物体が存在するか否かを検知する第1物体検知手段と、
前記開口部に対する見込方向のいずれか他方側の近傍のみに存在する第2物体が有する送信手段から、前記開口部を通過する権限を特定する通過権限情報を含む信号を当該送信手段と接触することなく受信する受信手段と、
前記受信手段の受信結果及び前記第1物体検知手段の検知結果に基づいて、前記ドアの開閉制御及び前記連動動作手段の連動制御を行う連動制御手段と、を備え、
前記連動制御手段は、
前記受信手段によって前記通過権限情報を含む信号が受信されたことを条件の1つとして、前記開口部を開放させるように前記ドアを開閉制御すると共に、前記連動動作手段を当該ドアの動作と連動して動作させるように連動制御し、
前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知された場合には、当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、前記連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行う、
制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉するドアの開閉制御、及びこの開口部に対する見込方向のいずれか一方側に設けられた連動動作手段におけるドアとの連動制御を行う制御システムに関するものである。
【0026】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁等)において出入り口を設置するために形成された開口部である。また、「ドア」は、建物の開口部の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味し、例えば、自動ドア用のドア等を含む概念である。また、ドアの開閉方向は任意であり、例えば左右方向等を含む概念である。また、ドアの取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関ドア」、あるいは建物内部に設置される「室内ドア」等を含む。また、ドアの開閉構造は任意であり、例えば、引分式の戸、片引式の戸、二重引分式の戸、二重片引式の戸として構成することができる。また、「ドアの開閉制御」とは、ドアを開閉移動させるための制御を意味する。また、「ドアの開閉状態」とは、例えば、ドアによって開口部を全閉した「全閉状態」と、ドアによって開口部を全開した「全開状態」と、全閉状態と全開状態との間の状態である「非全開閉状態」とを含む概念である。また、「連動動作手段」とは、ドアの動作と連動して動作するものであり、例えば、エレベータ、照明装置、施錠装置、又はこれらを組み合わせたもの等を含む概念である。また、「連動動作手段におけるドアとの連動制御」とは、連動動作手段をドアの動作と連動して動作させるための制御を意味する。以下、実施の形態1では、後述する第1自動ドアの第1ドアが集合住宅の如き建物の玄関に設けられた左右開閉式且つ引分式の戸であると共に、連動動作手段が当該建物に設けられたエレベータである場合について説明する。
【0027】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0028】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る制御システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する認証リーダの受信結果、後述する屋外側検知部の検知結果、及び後述する屋内側検知部の検知結果に基づいて、第1ドアを開閉制御すると共に、エレベータの連動制御を行う形態である。
【0029】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る制御システムが適用される入退館管理システムの構成について説明する。以下の説明では、
図2のX方向を入退館管理システムの左右方向(−X方向を入退館管理システムの左方向、+X方向を入退館管理システムの右方向)、
図1のY方向を入退館管理システムの前後方向(+Y方向を入退館管理システムの前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向を入退館管理システムの後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向を入退館管理システムの上下方向(+Z方向を入退館管理システムの上方向、−Z方向を入退館管理システムの下方向)と称する。
【0030】
図1に示すように、入退館管理システム1は、建物の開口部2(
図1、
図2では、風除室6よりも建物の屋内側に位置する開口部2。以下、「第1開口部2」と称する)を通行する物体の入退館を管理するシステムであり、概略的に、第1自動ドア10、及び第2自動ドア110を備えて構成されている。ここで、「物体」とは、実施の形態1では人を「物体」として説明するが、これに限られず、例えば動物、物等であってもよい。また、建物の屋内側には、エレベータ(図示省略)が設けられている。
【0031】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア)
まず、第1自動ドア10の構成について説明する。
図1、
図2に示すように、この第1自動ドア10は、風除室6よりも建物の屋内側に設けられた自動ドアであり、概略的に、枠部20、嵌殺戸30、第1ドア41、42、開閉駆動部50、電気錠(図示省略)、及び第1制御装置60を備えて構成されている。この第1自動ドア10は、
図1、
図2に示すように、建物の躯体4に形成された第1開口部2には枠部20が設けられており、枠部20の後述する左縦枠21及び後述する右縦枠22にそれぞれ設けられた嵌殺戸30における建物の屋内側には第1ドア41、42が設けられている。このため、第1ドア41、42は、第1開口部2を、当該第1開口部2の開口面内ではなく当該第1開口部2の開口面よりも建物の屋内側において開閉することになるが、このような開閉であっても、第1開口部2を介した物体の出入りを制限するための開閉を行う点において同様であるため、「第1開口部2を開閉する」ものとして説明する(なお、「後述する第2開口部3を開閉する」についても同様とする)。なお、第1自動ドア10に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0032】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−枠部)
枠部20は、嵌殺戸30及び第1ドア41、42の剛性を主として担うものである。この枠部20は、複数の枠材を相互に組み合わせることによって構成されている。具体的には、複数の枠材は、左縦枠21、右縦枠22、及び無目23から構成されており、これら左縦枠21、右縦枠22、及び無目23は、それぞれ第1開口部2の周縁における建物の躯体4に対して公知の方法で直接的に固定されている。
【0033】
ここで、無目23は、第1自動ドア10の各部を収納するためのものである。この無目23は、左右方向に略沿って長尺な中空体であり、建物の躯体4に取り付けられている。また、この無目23の内部には、開閉駆動部50、電気錠、後述する第1制御装置60の操作部、及び後述する第1制御装置60の制御ユニット70が収納されている。なお、この無目23は、任意の方法で製造することができ、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成することができる(なお、後述する第2自動ドア110の無目123の構成についても同様とする)。また、この無目23と建物の床面の各々には、ガイドレール(図示省略)が設けられている。ガイドレールは、第1ドア41、42を第1開口部2の開閉方向(実施の形態1においては、左右方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレールは、左右方向に直交する断面の形状が略凸状(又は略U字状)となるように形成された長尺体であり、無目23の下面又は建物の床面において、当該ガイドレールの長手方向が左右方向に略沿うように配置され、無目23又は建物の床面に対して固定具等によって固定されている(なお、後述する第2自動ドア110のガイドレールの構成についても同様とする)。
【0034】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−嵌殺戸)
嵌殺戸30は、開閉移動しない固定された戸であり、第1開口部2の左右両側に設けられている。これら嵌殺戸30は、例えば、公知の自動ドア用の嵌殺戸等を用いて構成されており、具体的には、
図1、
図2に示すように、ガラス部材31と、ガラス部材31の周囲の少なくとも一部を覆う框部32と、ガラス部材31の左右方向の内側に設けられた方立33とを備えて構成されている(なお、後述する第2自動ドア110の嵌殺戸130の構成についても同様とする)。また、この嵌殺戸30の固定方法については任意であるが、例えば、ガラス部材31又は框部32を、無目23、枠部20の左縦枠21(又は右縦枠22)、建物の床面、及び、方立33に対して固定具等によって固定する(なお、後述する第2自動ドア110の嵌殺戸130の固定方法についても同様とする)。
【0035】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1ドア)
第1ドア41、42は、開閉駆動部50によって開閉方向(左右方向)に略沿って移動させることで、第1開口部2の開閉状態を全開状態、全閉状態、あるいは非全開閉状態とするものである。これら第1ドア41、42は、例えば公知の自動ドア用のドアであって、引分式のドア等を用いて構成されており、具体的には、
図1、
図2に示すように、ガラス部材43と、ガラス部材43の周囲の少なくとも一部を覆う框部44とを備えて構成されている。また、第1ドア41、42の固定方法については任意であるが、例えば、まず、框部44の上側部分に図示しない被ガイド部材(例えば、ガイドローラ等)を取り付け、この被ガイド部材を無目23側に設けられた略凸状のガイドレール上に摺動可能に設けることで、第1ドア41、42を当該ガイドレールに対して吊らせる。次に、上記框部44の下側部分に図示しない被ガイド部材(例えば、スライダ等)を取り付け、この被ガイド部材を建物の床面側に設けられたガイドレールのU字状の開放端部を介して当該ガイドレールの内部に挿入することで、無目23側及び建物の床面側に設けられたガイドレールに嵌め込む(なお、後述する第2自動ドア110の第2ドア141、142の固定方法についても同様とする)。これにより、第1ドア41、42を、左右方向においてはガイドレールの内部をスライド移動させることができ、かつ、前後方向においてはガイドレールの外部に脱落しないように規制することができる。なお、これら第1ドア41、42を特に区別する必要のないときは、単に「第1ドア40」と総称する。
【0036】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−開閉駆動部)
開閉駆動部50は、電動で第1ドア41、42を開閉移動させるための開閉駆動手段であり、例えば、公知の自動ドア用の開閉駆動部を用いて構成されている。
【0037】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−電気錠)
電気錠は、電動で第1ドア41、42を施錠するためのものであり、例えば公知の自動ドア用の電気錠等を用いて構成され、開閉駆動部50の近傍に設けられている。
【0038】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置)
第1制御装置60は、第1ドア41、42の開閉制御を行う装置であり、
図1、
図2に示すように、操作部(図示省略)、屋内側検知部61、屋外側検知部62、開口部検知部63、認証リーダ64、及び制御ユニット70を備えている。
【0039】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−操作部)
操作部は、第1制御装置60に対する操作入力を受け付けるものであり、第1制御装置60又は開閉駆動部50の電源のON又はOFFを切り替える電源スイッチ(図示省略)を備えている。
【0040】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−屋内側検知部)
屋内側検知部61は、第1開口部2に対する見込方向(前後方向)のいずれか一方側(建物の屋内側)の近傍に第1物体が存在するか否かを検知する第1物体検知手段である。ここで、「近傍」とは、第1開口部2から離れた位置の範囲E1であって、当該位置の範囲に第1物体が存在した場合には、第1物体が第1開口部2を通過する確率が高くなると推定される位置の範囲E1(以下、「第1範囲E1」と称する)であり、実施の形態1では、
図1、
図2に示すように、第1開口部2から建物の屋内側に向けて所定距離(例えば、1m等)離れた位置までの第1範囲E1を「近傍」として説明する。また、「第1物体」とは、第1開口部2を通過しようとするもの、又は第1開口部2を通過中のものを意味する。この屋内側検知部61は、例えば量子型の赤外線センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1、
図2に示すように、無目23における建物の屋内側の側部のうち左右方向の中央部分に設けられており、無目23に対して固定具等によって固定されている。
【0041】
また、この屋内側検知部61が量子型の赤外線センサである場合の検知動作については、例えば、屋内側検知部61から送信された赤外線が第1物体によって反射され、当該反射された赤外線が屋内側検知部61によって受信された場合には、第1物体が存在する旨を示す情報を含む信号(以下、「第1物体検知信号」と称する)を出力する。一方、屋内側検知部61から送信された赤外線が建物の床面によって反射され、当該反射された赤外線が屋内側検知部61によって受信された場合には、第1物体検知信号を出力しない。なお、第1物体検知信号の出力については、第1物体によって反射された赤外線が屋内側検知部61によって受信されている状態が所定時間経過するまで継続されるものの、所定時間経過すると初期状態(すなわち、第1物体検知信号を出力していない状態)に切り替わる(なお、屋外側検知部62の検知動作、後述する室内側検知部161の検知動作、後述する室外側検知部162の検知動作についても同様とする)。
【0042】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−屋外側検知部)
屋外側検知部62は、第1開口部2に対する見込方向(前後方向)のいずれか他方側(建物の屋外側)の近傍に第2物体が存在するか否かを検知する第2物体検知手段である。ここで、「近傍」とは、第1開口部2から離れた位置の範囲E2であって、当該位置の範囲に第2物体が存在した場合には、第2物体が第1開口部2を通過する確率が高くなると推定される位置の範囲E2(以下、「第2範囲E2」と称する)であり、実施の形態1では、
図1、
図2に示すように、第1開口部2から建物の屋外側に向けて所定距離(例えば、1m等)離れた位置までの第2範囲E2を「近傍」として説明する。また、「第2物体」とは、第1開口部2を通過しようとするもの、又は第1開口部2を通過中のものを意味する。この屋外側検知部62は、例えば量子型の赤外線センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1、
図2に示すように、無目23における建物の屋外側の側部のうち左右方向の中央部分に設けられており、無目23に対して固定具等によって固定されている。
【0043】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−開口部検知部)
開口部検知部63は、第1ドア41、42によって第1物体又は第2物体が挟まれることを回避するために、第1開口部2(例えば、
図2に示す第1開口部2に対応する範囲(以下、「開口部範囲EO1」と称する))に第1物体又は第2物体が存在するか否かを検知する検知手段である。この開口部検知部63は、例えば、透過型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、具体的には、検知光を照射する送光部63aと、送光部63aから照射された検知光を受光する受光部63bとを備え、送光部63aは左側の方立33における左右方向の内側の端部に固定されていると共に(又は、当該方立33内に埋め込まれてもよい)、受光部63bは、右側の方立33における左右方向の内側の端部に固定されている(又は、当該方立33内に埋め込まれてもよい)。
【0044】
また、この開口部検知部63が透過型の光電センサである場合の検知動作については任意であるが、例えば、送光部63aから照射された検知光が第1物体又は第2物体に遮られることにより、この検知光が受光部63bによって受光されなかった場合には、受光部63bは第1物体又は第2物体が存在する旨を示す情報を含む信号(以下、「第1第2物体検知信号」と称する)を出力する。一方、送光部63aから照射された検知光が受光部63bによって受光された場合には、受光部63bは第1第2物体検知信号を出力しない。なお、第1第2物体検知信号の出力については、第1物体又は第2物体の安全性を確保できるように、受光部63bによって検知光が受光されていない状態では受光部63bによって検知光が受光されるまで継続される(なお、後述する開口部検知部163の検知動作についても同様とする)。
【0045】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−認証リーダ)
認証リーダ64は、第2物体が有する
図1に示す認証タグ65(送信手段)から、通過権限情報を含む信号(以下、「通過権限信号」と称する)を当該認証タグ65と接触することなく受信する受信手段である。ここで、「通過権限情報」とは、第1開口部2を通過する権限を特定する情報である。この「通過権限情報」は、実施の形態1では、建物内の部屋を一意に識別する部屋IDとして説明するが、これに限られず、例えば、第1開口部2を通過する権限を有する者を一意に識別する通過権限IDであってもよい。この認証リーダ64は、例えばRFIDリーダ等の公知の非接触式(電波方式)の通信手段を用いて構成されており、
図1、
図2に示すように、無目23における建物の屋外側の側部のうち左右方向の中央部分(又は方立33の上下方向の中央部分)に設けられており建物の屋外側の側部の、無目23(又は方立33)に対して固定具等によって固定されている。なお、このように認証リーダ64が構成された場合には、例えば、上記認証タグ65がRFIDタグ等の公知の非接触式(電波方式)の通信手段等を用いて構成される。
【0046】
また、この認証リーダ64の通過権限信号の受信動作については、例えば、認証リーダ64のアンテナと認証タグ65のアンテナ(図示省略)との相互間で電波をやりとりすることにより、認証タグ65に対して電力を供給しながら、認証タグ65から送信される通過権限信号を受信する。なお、認証リーダ64が認証タグ65から送信される通過権限信号を受信できる範囲ER(以下、「受信範囲ER」と称する)の設定については任意であるが、実施の形態1では、
図1、
図2に示すように、第2範囲E2よりも広い範囲に設定されており、具体的には、第1開口部2から建物の屋外側に向けて所定距離(例えば、2〜3m等)離れた位置までの位置の範囲に設定されている。
【0047】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−制御ユニット)
制御ユニット70は、第1制御装置60を制御するためのユニットであり、
図3に示すように、通信部71、電源部72、制御部73、及びデータ記録部74を備えて構成されている。
【0048】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−制御ユニット−通信部)
通信部71は、開閉駆動部50、屋内側検知部61、屋外側検知部62、開口部検知部63、認証リーダ64、後述する室内側検知部161、及び後述するエレベータ側制御装置200との間で配線5を介して通信を行うための通信手段である。
【0049】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−制御ユニット−電源部)
電源部72は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、配線5を介して第1制御装置60の各部に供給すると共に、配線5を介して開閉駆動部50にも供給する電源手段である。
【0050】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−制御ユニット−制御部)
制御部73は、第1制御装置60の各部を制御する制御手段である。この制御部73は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する第2制御装置160の制御部の構成、後述するエレベータ側制御装置200の制御部の構成についても同様とする)。
【0051】
また、この制御部73は、機能概念的に、連動制御部73aを備えている。ここで、連動制御部73aは、認証リーダ64の受信結果及び屋内側検知部61の検知結果に基づいて、第1ドア41、42の開閉制御及びエレベータの連動制御を行う連動制御手段である。なお、この制御部73によって実行される処理の詳細については後述する。
【0052】
(構成−入退館管理システム−第1自動ドア−第1制御装置−制御ユニット−データ記録部)
データ記録部74は、第1制御装置60の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述する第2制御装置160のデータ記録部の構成、後述するエレベータ側制御装置200のデータ記録部の構成についても同様とする)。
【0053】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア)
次に、第2自動ドア110の構成について説明する。
図1、
図2に示すように、この第2自動ドア110は、風除室6よりも建物の屋外側に設けられた自動ドアであり、概略的に、枠部120、嵌殺戸130、第2ドア141、142、開閉駆動部150、及び第2制御装置160を備えて構成されている。なお、第2自動ドア110に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0054】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−枠部)
枠部120は、嵌殺戸130及び第2ドア141、142の剛性を主として担うものである。この枠部120は、複数の枠材を相互に組み合わせることによって構成されている。具体的には、複数の枠材は、左縦枠121、右縦枠122、及び無目123から構成されており、これら左縦枠121、右縦枠122、及び無目123は、それぞれ風除室6よりも建物の屋外側に設けられた開口部3(以下、「第2開口部3」と称する)の周縁における風除室6の側部に対して公知の方法で直接的に固定されている。また、この無目123の内部には、開閉駆動部150、後述する第2制御装置160の操作部、及び後述する第2制御装置160の制御ユニット170が収納されている。また、この無目123と建物の床面の各々には、ガイドレール(図示省略)が設けられている。
【0055】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−嵌殺戸)
嵌殺戸130は、具体的には、
図1、
図2に示すように、第1自動ドア10の嵌殺戸30と同様に、ガラス部材131と、框部132と、方立133とを備えて構成されており、第2開口部3の左右両側に設けられている。
【0056】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2ドア)
第2ドア141、142は、開閉駆動部150によって開閉方向(左右方向)に略沿って移動させることで、第2開口部3の開閉状態を全開状態、全閉状態、あるいは非全開閉状態とするものである。これら第2ドア141、142は、具体的には、
図1、
図2に示すように、第1ドア40と同様に、ガラス部材143と、ガラス部材143の周囲の少なくとも一部を覆う框部144とを備えて構成されている。なお、これら第2ドア141、142を特に区別する必要のないときは、単に「第2ドア140」と総称する。
【0057】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−開閉駆動部)
開閉駆動部150は、電動で第2ドア141、142を開閉移動させるための開閉駆動手段であり、例えば、公知の自動ドア用の開閉駆動部を用いて構成されている。
【0058】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2制御装置)
第2制御装置160は、第2ドア141、142の開閉制御を行う装置であり、
図1、
図2に示すように、操作部(図示省略)、室内側検知部161、室外側検知部162、開口部検知部163、及び制御ユニット170を備えている。
【0059】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2制御装置−操作部)
操作部は、第2制御装置160に対する操作入力を受け付けるものであり、第2制御装置160又は開閉駆動部150の電源のON又はOFFを切り替える電源スイッチ(図示省略)を備えている。
【0060】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2制御装置−室内側検知部)
室内側検知部161は、第1開口部2に対する見込方向(前後方向)のいずれか他方側(建物の屋外側)の位置であって、当該第1開口部2に対する見込方向(前後方向)のいずれか他方側(建物の屋外側)の近傍よりも当該第1開口部2から離れた位置に第3物体が存在するか否かを検知する第3物体検知手段である。ここで、「第1開口部2に対する見込方向のいずれか他方側の近傍よりも当該第1開口部2から離れた位置」とは、当該位置に第3物体が存在した場合には、第3物体が第1開口部2又は第2開口部3を通過する確率が高くなると推定される位置である。実施の形態1では、
図1、
図2に示すように、第1開口部2から建物の屋外側に向けて所定距離以上(例えば、3m以上等)離れた位置であり、且つ、第2開口部3から建物の屋内側に向けて所定距離(例えば、1m等)離れた位置を、「第1開口部2に対する見込方向のいずれか他方側の近傍よりも当該第1開口部2から離れた位置」として説明する。なお、「第1開口部2に対する見込方向のいずれか他方側の近傍よりも当該第1開口部2から離れた位置」に対応する位置の範囲を、「第3範囲E3」と称して説明する。また、「第3物体」とは、第1開口部2又は第2開口部3を通過しようとするもの、又は第2開口部3を通過中のものを意味する。この室内側検知部161は、例えば量子型の赤外線センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1、
図2に示すように、無目123における建物の屋内側の側部のうち左右方向の中央部分に設けられており、無目123に対して固定具等によって固定されている。
【0061】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2制御装置−室外側検知部)
室外側検知部162は、第2開口部3に対する見込方向(前後方向)のいずれか他方側(建物の屋外側)の近傍に第4物体が存在するか否かを検知する第4物体検知手段である。ここで、「近傍」とは、第2開口部3から離れた位置の範囲E4であって、当該位置の範囲に第4物体が存在した場合には、第4物体が第2開口部3を通過する確率が高くなると推定される位置の範囲E4(以下、「第4範囲E4」と称する)であり、実施の形態1では、第2開口部3から建物の屋外側に向けて所定距離(例えば、1m等)離れた位置までの第4範囲E4を「近傍」として説明する。また、「第4物体」とは、第2開口部3を通過しようとするもの、又は第2開口部3を通過中のものを意味する。この室外側検知部162は、例えば量子型の赤外線センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、
図1、
図2に示すように、無目123における建物の屋外側の側部のうち左右方向の中央部分に設けられており、無目123に対して固定具等によって固定されている。
【0062】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2制御装置−開口部検知部)
開口部検知部163は、第2ドア141、142によって第3物体又は第4物体が挟まれることを回避するために、第2開口部3(例えば、
図2に示す第2開口部3に対応する範囲(以下、「開口部範囲EO2」と称する))に第3物体又は第4物体が存在するか否かを検知する検知手段である。この開口部検知部163は、例えば、透過型の光電センサ等の公知の検知センサを用いて構成されており、具体的には、送光部163a及び受光部163bを備え、送光部163aは左側の方立133における左右方向の内側の端部に固定されていると共に(又は、当該方立133内に埋め込まれてもよい)、受光部163bは、右側の方立133における左右方向の内側の端部に固定されている(又は、当該方立133内に埋め込まれてもよい)。
【0063】
(構成−入退館管理システム−第2自動ドア−第2制御装置−制御ユニット)
制御ユニット170は、第2制御装置160を制御するためのユニットであり、通信部、電源部、制御部、及びデータ記録部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。ここで、通信部は、開閉駆動部150、室内側検知部161、室外側検知部162、及び開口部検知部163との間で配線5を介して通信を行うための通信手段である。電源部は、図示しない商用電源又は電池から供給された電力を、配線5を介して第2制御装置160の各部に供給すると共に、配線5を介して開閉駆動部150にも供給する電源手段である。制御部は、第2制御装置160の各部を制御する制御手段であると共に、室内側検知部161、室外側検知部162、及び開口部検知部163の検知結果に基づいて第2ドア141、142の開閉制御を行う制御手段である。データ記録部は、第2制御装置160の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
【0064】
(構成−エレベータ)
続いて、エレベータの構成について説明する。エレベータは、物体を上下方向に向けて運搬するためのものである。このエレベータは、第1開口部2に対する見込方向のいずれか一方側(建物の屋内側)に設けられており、概略的に、かご(図示省略)、ガイドレール(図示省略)、釣合錘(図示省略)、巻上機(図示省略)、及びエレベータ側制御装置200を備えて構成されている。なお、これらの構成要素のうち、かご、ガイドレール、釣合錘、及び巻上部は、建物内に設けられた昇降路(図示省略)の内部に収容されているものとする。また、エレベータに関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0065】
ガイドレールは、かご及び釣合錘を昇降路の長手方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものであり、かごの左右の各端部(又は釣合錘の前後の各端部)において上下方向に略沿う方向で設けられており、建物の壁等に固定されている。かごは、物体を乗せるためのものであり、かごの左右の各端部がガイドレールに取り付けられていることにより、かごを上下方向に沿ってスライド移動させることができる。釣合錘は、かごの重さと略同一の重さを有する錘であり、釣合錘の前後の各端部がガイドレールに取り付けられていることにより、釣合錘を上下方向に沿ってスライド移動させることができる。ここで、これら釣合錘及びかごの接続方法については任意であるが、例えば、昇降路の上端側に位置するシーブ(図示省略)に懸架された複数のトラクションロープ(図示省略)を介して釣合錘及びかごを連結すると共に、昇降路の下端側に位置するプーリ(図示省略)に懸架されたコンペンロープ(図示省略)を介して釣合錘及びかごを連結する。巻上機は、シーブを回転させることにより、かごを昇降移動させるためのものであり、シーブの近傍に設けられている。
【0066】
エレベータ側制御装置200は、かごの昇降制御を行う装置であり、操作部、通信部、電源部、制御部、及びデータ記録部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、これらの構成要素は、特記しない限り、建物内のエレベータホール(図示省略)の近傍に設けられているものとする。ここで、操作部は、エレベータ側制御装置200に対する操作入力を受け付けるものである。この操作部は、建物内のエレベータホール(図示省略)の壁面に取り付けられており、かごを呼び寄せるための呼び操作ボタン(図示省略)と、巻上機又はエレベータ側制御装置200の電源のON又はOFFを切り替える電源スイッチ(図示省略)とを備えている。通信部は、巻上機及び第1制御装置60との間で配線5を介して通信を行うための通信手段である。電源部は、図示しない商用電源又は電池から供給された電力を、配線5を介してエレベータ側制御装置200の各部に供給すると共に、配線5を介して巻上機にも供給する電源手段である。制御部は、エレベータ側制御装置200の各部を制御する制御手段であると共に、後述するエレベータ昇降要求信号に基づいて、エレベータのかごの昇降制御を行う制御手段である。データ記録部は、エレベータ側制御装置200の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
【0067】
(連動制御処理)
次に、このように構成された第1制御装置60によって実行される連動制御処理について説明する。以下の説明では、
図4に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。連動制御処理は、第1自動ドア10における第1ドア41、42の開閉制御及びエレベータの連動制御を行うための処理である。この連動制御処理においては、概略的には、第1ドア41、42を開閉移動させるために、開閉駆動部50を電動駆動させると共に、エレベータのかごを昇降移動させるために、後述するエレベータ昇降要求信号を送信する処理が行われる。また、この連動制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、開閉駆動部50及び第1制御装置60の電源が操作部の電源スイッチを介して投入されると共に、巻上機及びエレベータ側制御装置200の電源が操作部の電源スイッチを介して投入された後に起動されるものとして説明する。また、この連動制御処理の前提としては、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態であること、第1ドア41、42が電気錠によって施錠されていること、エレベータのかごが建物の階のうち第1自動ドア10が設置されている設置階以外の他の階に位置すること、及び、物体が第1開口部2の他方側(建物の屋外側)から一方側(建物の屋内側)に向けて通行する場合に、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されていると共に、屋外側検知部62によって物体が検知されていることを条件として、第1開口部2を開放し、物体が第1開口部2の一方側(建物の屋内側)から他方側(建物の屋外側)に向けて通行する場合に、屋内側検知部61によって物体が検知されていることを条件として、第1開口部2を開放すること、として説明する。
【0068】
連動制御処理が起動されると、
図4に示すように、まず、SA1において連動制御部73aは、屋外側検知部62から送信される第2物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。ここで、「第2物体検知信号」とは、第2物体が存在する旨を示す情報を含む信号である。そして、連動制御部73aは、第2物体検知信号が受信された場合(SA1、Yes)にはSA2に移行し、第2物体検知信号が受信されていない場合(SA1、No)にはSA5に移行する。
【0069】
SA2において連動制御部73aは、認証タグ65から送信される通過権限信号を認証リーダ64、配線5、及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。この通過権限信号の判定については任意であるが、例えば、認証タグ65から送信された通過権限信号に含まれる通過権限情報が、第1制御装置60のデータ記録部74に記録されている通過権限テーブル(図示省略)に格納された通過権限情報のいずれか1つと合致するか否かに基づいて判定する。ここで、上記通過権限信号の通過権限情報が通過権限テーブルの通過権限情報のいずれか1つと合致する場合には、通過権限信号を認証リーダ64及び通信部71を介して受信したと判定し、上記通過権限信号の通過権限情報が通過権限テーブルの通過権限情報のいずれか1つと合致しない場合には、通過権限信号を認証リーダ64及び通信部71を介して受信していないと判定する。そして、連動制御部73aは、通過権限信号が受信された場合(SA2、Yes)にはSA3に移行し、通過権限信号が受信されていない場合(SA2、No)にはSA1に移行する。
【0070】
ここで、SA1、SA2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法については任意であるが、実施の形態1においては、認証リーダ64の消費電力量を低減できるように制御することが好ましい。具体的には、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されていない場合(すなわち、屋外側検知部62によって第2物体が存在していると検知されていない場合)には、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせないように制御する(より具体的には、認証リーダ64のアンテナを介して電波を送信させないように制御する)。一方、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されている場合(すなわち、屋外側検知部62によって第2物体が存在していると検知されている場合)には、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせるように制御する(より具体的には、認証リーダ64のアンテナを介して電波を送信させるように制御する)。このような制御により、認証リーダ64の受信及び屋外側検知部62の検知を常時行う場合に比べて、認証リーダ64の消費電力量を低減できる。
【0071】
SA3において連動制御部73aは、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御する。この第1ドア41、42の開閉制御については、具体的には、まず、電気錠によって第1ドア41、42の開錠を行わせた後、第1開口部2の開閉状態が全開状態となるように第1ドア41、42を開放移動させる。次いで、第1開口部2の開閉状態が全開状態になってから所定時間経過後、第1開口部2の開閉状態が全閉状態となるように第1ドア41、42を閉鎖移動させる。ただし、屋外側検知部62から第2物体検知信号が受信されている場合には屋外側検知部62が初期状態になるまで、又は、開口部検知部63から第1第2物体検知信号が受信されている場合には第1第2物体検知信号が受信されなくなるまで、第1開口部2の開閉状態が全開状態又は非全開閉状態が維持されるように、第1ドア41、42の開閉移動を停止させる。そして、第1開口部2の開閉状態が全閉状態になると、電気錠によって第1ドア41、42の施錠を行わせる(なお、後述するSA6における第1ドア41、42の開閉制御についても同様とする)。このような制御により、第1ドア41、42の防犯性を向上させることが可能となる。
【0072】
SA4において連動制御部73aは、エレベータ昇降要求信号を通信部71、配線5、及びエレベータ側制御装置200に送信する。ここで、「エレベータ昇降要求信号」とは、エレベータが設置階以外の他の階に位置する場合に、エレベータを設置階の位置まで昇降させることを要求する信号を意味する。このエレベータ昇降要求信号の送信については任意であるが、実施の形態1では、第2物体が設置階以外の他の階の部屋の居住人である場合のみ、かごを昇降移動させることができるように送信する。具体的には、SA2にて受信された通過権限信号に含まれる通過権限情報が、上記通過権限テーブルの通過権限情報のうち上記他の階の部屋に対応する通過権限情報のいずれか1つと合致するか否か判定する。ここで、上記通過権限信号の通過権限情報が上記他の階の部屋に対応する通過権限情報のいずれか1つと合致する場合には、エレベータ昇降要求信号を送信した後、SA5の処理に移行する。一方で、上記通過権限信号の通過権限情報が上記他の階の部屋に対応する通過権限情報のいずれか1つと合致しない場合には、エレベータ昇降要求信号を送信することなく、SA5の処理に移行する。このような制御により、第2物体が設置階の居住人である場合に、第2物体がエレベータを利用しないにも関わらず、設置階までエレベータのかごが無駄に呼び寄せられることを抑制することができ、エレベータの運転効率が低下することを抑制できる。
【0073】
SA5において制御部73は、屋内側検知部61から送信される第1物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、制御部73は、第1物体検知信号が受信された場合(SA5、Yes)にはSA6に移行し、第1物体検知信号が受信されていない場合(SA5、No)にはSA1に移行する。
【0074】
SA6において連動制御部73aは、SA3と同様に、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御する。
【0075】
SA7において連動制御部73aは、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせないように当該認証リーダ64を制御(所定制御)する。具体的には、連動制御部73aは、第2物体が有する認証タグ65による通過権限信号の送信を行わせないように、認証リーダ64のアンテナによる電波の送信を行わせないようにする。このような制御により、物体が第1開口部2における建物の屋内側から建物の屋外側に向けて通行する場合において、SA6の処理後、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定された場合でも、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行うことができない状態(以下、「非受信状態」と称する)となるので、当該物体がエレベータを利用しないにも関わらず、設置階までエレベータのかごが無駄に呼び寄せられることを抑制できる。
【0076】
SA8において連動制御部73aは、SA5の第1物体検知信号の受信状態におけるいずれかのタイミング(すなわち、屋内側検知部61の検知状態におけるいずれかのタイミング)、又はSA5の第1物体検知信号が受信されなくなった時点のタイミング(すなわち、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミング)から所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、「屋内側検知部61の検知状態におけるいずれかのタイミング」とは、屋内側検知部61によって第1物体が検知された直後の状態から第1物体が検知されなくなる直前の状態に至るまでのいずれかのタイミングを意味する。また、「屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミング」とは、屋内側検知部61によって第1物体が検知されなくなった直後の状態のタイミングを意味する。なお、実施の形態1では、SA5の第1物体検知信号が受信されなくなった時点のタイミング(すなわち、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミング)から所定時間が経過したか否かのみを判定するものとして説明する。また、上記所定時間の設定については、実施の形態1では、SA5における屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから人が第1開口部2を通過し終えるまでに要すると一般的に想定される時間以上に設定されており、例えば、10sec等に設定されている。そして、連動制御部73aは、上記所定時間が経過したと判定されるまで待機し(SA8、No)、上記所定時間が経過したと判定されると(SA8、Yes)、SA9に移行する。ここで、「上記所定時間が経過したと判定されるまで待機」の具体的な制御内容については、実施の形態1では、上記所定時間が経過するまでの間、SA8の処理を継続しながら、SA1、SA2の処理を実行する。ただし、SA1にて第2物体検知信号が受信されたとしても(SA1、Yes)、上述したように、SA7にて通過権限信号が受信されないので、SA2にて通過権限信号が受信されたと判定されることなく(SA2、No)、SA1に移行する(なお、後述する実施の形態4に係る連動制御処理のSD8の処理についても同様とする)。
【0077】
SA9において連動制御部73aは、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行えるように(すなわち、認証リーダ64の非受信状態を解除するように)当該認証リーダ64を制御する。具体的には、連動制御部73aは、第2物体が有する認証タグ65による通過権限信号の送信を行えるように、認証リーダ64のアンテナによる電波送信を行わせないことを解除する。このような制御により、物体が第1開口部2の一方側(建物の屋内側)から他方側(建物の屋外側)に向けて通行する場合において、特殊な手段を設けることなく、第1ドア41、42の開閉制御及びエレベータの連動制御を効果的に行うことができ、制御システムの設置コストを低減することが可能となる。その後、制御部73は、SA1に移行し、以降同様に、SA1からSA9の処理を行う。
【0078】
例えば、
図5に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物に入館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。ここで、
図5では、屋内側検知部61によって第1物体が検知されている状態(以下、「検知状態」と称する)を、第1範囲E1にハッチングを入れることで表示するものとする(なお、屋外側検知部62の検知状態の表示、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されている状態(以下、「受信状態」と称する)の表示、後述する室内側検知部161の検知状態の表示についても同様とする)。また、屋内側検知部61によって第1物体が検知されていない状態(以下、「非検知状態」と称する)を、第1範囲E1にハッチングを入れないで表示するものとする(なお、屋外側検知部62の非検知状態の表示、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されていない状態(以下、「非受信状態」と称する)の表示、及び後述する室内側検知部161の非検知状態の表示についても同様とする)。
【0079】
具体的には、まず、
図5(a)に示すように、上記居住人が第2範囲E2及び受信範囲ERに進入することで、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定される。次いで、
図5(b)に示すように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が開始されることで、SA2にて通過権限信号が受信されたと判定されると、SA3にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SA4にてエレベータ昇降要求信号が送信される。これにより、上記居住人はハンズフリーで建物に入館できると共に、エレベータ側制御装置200の呼び操作ボタンを操作することなく、エレベータのかごを設置階まで呼び寄せることができる。その後、
図5(c)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SA5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SA6にて第1開口部2の開閉状態が全開状態に維持されると共に、SA7にて認証リーダ64が非受信状態となる。さらに、上記居住人が第1範囲E1よりも建物の屋内側に移動して、SA8にて所定時間が経過したと判定されると、SA9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。
【0080】
また、例えば、
図6に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物から退館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図6(a)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SA5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SA6にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SA7にて認証リーダ64が非受信状態となる。次いで、
図6(b)に示すように、SA8にて所定時間が経過したと判定されるまでに、上記居住人が第2範囲E2及び受信範囲ERに進入すると、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されるが、上述したように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が行われないので、SA2にて通過権限信号を受信されたと判定されない。これにより、上記居住人が退館中において、SA4にてエレベータ昇降要求信号が送信されることを抑制できるので、エレベータのかごを設置階まで無駄に呼び寄せることを抑制することができる。その後、上記居住人が第2範囲E2から退出すると、第1ドア41、42が閉鎖移動すると共に、SA8にて所定時間が経過したと判定されると、SA9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。この場合において、
図6(c)に示すように、上記居住人が受信範囲ERよりも建物の屋外側に存在する場合には、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されないので、認証リーダ64による通過権限信号の受信は開始されない。
【0081】
以上のような連動制御処理により、通過権限信号を認証タグ65と接触することで受信する接触式の認証リーダが用いられた場合に比べて、当該受信に関する操作の手間を省くことができ、物体の通行性を向上させることが可能となる。また、非接触式の認証リーダ64が用いられた場合でも、エレベータに対する無駄な連動制御を抑制することができ、エレベータの運転効率が低下することを抑制することが可能となる。
【0082】
(効果)
このように実施の形態1によれば、連動制御部73aが、通過権限信号を認証タグ65と接触することなく受信する認証リーダ64によって通過権限信号が受信されたことを条件の1つとして、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御すると共に、エレベータを当該第1ドア41、42の動作と連動して動作させるように連動制御し、屋内側検知部61によって第1物体が存在すると検知された場合には、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御すると共に、所定条件が満たされるまでエレベータの連動制御を行わないように所定制御を行うので、通過権限信号を認証タグ65と接触することで受信する接触式の認証リーダが用いられた場合に比べて、当該受信に関する操作の手間を省くことができ、物体の通行性を向上させることが可能となる。また、非接触式の認証リーダ64が用いられた場合でも、エレベータに対する無駄な連動制御を抑制することができ、エレベータの運転効率が低下することを抑制することが可能となる。
【0083】
また、連動制御部73aが、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知された場合には、当該検知状態におけるいずれかのタイミング又は当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、エレベータの連動制御を行わないように所定制御を行うので、物体が第1開口部2の一方側(建物の屋内側)から他方側(建物の屋外側)に向けて通行する場合において、特殊な手段を設けることなく、第1ドア41、42の開閉制御及びエレベータの連動制御を効果的に行うことができ、制御システムの設置コストを低減することが可能となる。
【0084】
また、連動制御部73aが、所定制御として、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせないように当該認証リーダ64を制御するので、認証リーダ64による通過権限情報を含む信号の受信を常時行う場合に比べて、認証リーダ64の消費電力量を低減できる。
【0085】
また、連動制御部73aが、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されると共に、屋外側検知部62によって第2物体が存在すると検知された場合には、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御すると共に、エレベータを当該第1ドア41、42の動作と連動して動作させるように連動制御するので、認証リーダ64の受信結果のみに基づいて、第1ドア41、42の開閉制御及びエレベータの連動制御を行う場合に比べて、第1開口部2を通過する可能性が低い物体が有する認証タグ65から通過権限信号が受信された場合には、第1ドア41、42を開閉移動させたり、エレベータの連動動作させることを抑制でき、第1ドア41、42の防犯性を向上させると共に、連エレベータの運転効率が低下することを一層抑制することが可能となる。
【0086】
また、連動制御部73aが、屋外側検知部62によって第2物体が存在していると検知されていない場合には、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせず、屋外側検知部62によって第2物体が存在していると検知されている場合には、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせるので、認証リーダ64の受信及び屋外側検知部62の検知を常時行う場合に比べて、認証リーダ64の消費電力量を低減できる。
【0087】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る制御システムについて説明する。この実施の形態2は、実施の形態1とは異なる方法で、認証リーダの受信結果、屋外側検知部の検知結果、及び屋内側検知部の検知結果に基づいて、第1ドアを開閉制御すると共に、エレベータの連動制御を行う形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0088】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る制御システムが適用される入退館管理システムの構成について説明する。実施の形態2に係る入退館管理システム1は、実施の形態1に係る入退館管理システム1とほぼ同様に構成されている。
【0089】
(連動制御処理)
次に、このように構成される入退館管理システム1の第1制御装置60によって実行される連動制御処理について説明する。実施の形態2に係る連動制御処理については、
図7のSB3からSB7、SB9は、
図4のSA3からSA7、SA9とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。また、この連動制御処理の前提については、実施の形態1に係る連動制御処理の前提と同様とする。
【0090】
図7に示すように、SB1において連動制御部73aは、認証タグ65から送信される通過権限信号を認証リーダ64、配線5、及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、通過権限信号が受信された場合(SB1、Yes)にはSB2に移行し、通過権限信号が受信されていない場合(SB1、No)にはSB5に移行する。
【0091】
SB2において連動制御部73aは、屋外側検知部62から送信される第2物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、第2物体検知信号が受信された場合(SB2、Yes)にはSB3に移行し、第2物体検知信号が受信されていない場合(SB2、No)にはSB1に移行する。
【0092】
ここで、SB1、SB2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法については任意であるが、実施の形態2においては、屋外側検知部62の消費電力量を低減できるように制御することが好ましい。具体的には、SB1にて通過権限信号が受信されたと判定されていない場合には、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせないように制御する。一方、SB1にて通過権限信号が受信されたと判定されている場合には、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせるように制御する。このような制御により、認証リーダ64の受信及び屋外側検知部62の検知を常時行う場合に比べて、屋外側検知部62の消費電力量を低減できる。
【0093】
SB8において連動制御部73aは、SB5の第1物体検知信号の受信状態におけるいずれかのタイミング、又はSB5の第1物体検知信号が受信されなくなった時点のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、上記所定時間が経過したと判定されるまで待機し(SB8、No)、上記所定時間が経過したと判定されると(SB8、Yes)、SB9に移行する。ここで、「上記所定時間が経過したと判定されるまで待機」の具体的な制御内容については、実施の形態2では、上記所定時間が経過するまでの間、SB8の処理を継続しながら、SB1の処理を実行する。ただし、上述したように、SB7にて通過権限信号の受信が行われないので、SB1にて通過権限信号が受信されたと判定されることなく(SB1、No)、SB5に移行する(なお、後述する実施の形態3に係る連動制御処理のSC7の処理、後述する実施の形態5に係る連動制御処理のSE8の処理、及び、後述する実施の形態6に係る連動制御処理のSF7の処理についても同様とする)。
【0094】
例えば、
図8に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物に入館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図8(a)に示すように、上記居住人が受信範囲ERに進入すると、SB1にて通過権限信号が受信されたと判定される。次いで、
図8(b)に示すように、屋外側検知部62による第2物体の検知が開始された後に、上記居住人が受信範囲ER及び第2範囲E2に進入することで、SB2にて第2物体検知信号が受信されたと判定されると、SB3にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SB4にてエレベータ昇降要求信号が送信される。その後、
図8(c)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SB5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SB6にて第1開口部2の開閉状態が全開状態に維持されると共に、SB7にて認証リーダ64が非受信状態となる。さらに、上記居住人が第1範囲E1よりも建物の屋内側に移動して、SB8にて所定時間が経過したと判定されると、SB9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。
【0095】
また、例えば、
図9に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物から退館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図9(a)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SB5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SB6にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SB7にて認証リーダ64が非受信状態となる。次いで、
図9(b)に示すように、SB8にて所定時間が経過したと判定されるまでに、上記居住人が第2範囲E2及び受信範囲ERに進入すると、上述したように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が行われないので、SB1にて通過権限信号を受信されたと判定されない。その後、上記居住人が第2範囲E2から退出すると、第1ドア41、42が閉鎖移動すると共に、SB8にて所定時間が経過したと判定されると、SB9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。この場合において、
図9(c)に示すように、上記居住人が受信範囲ERよりも建物の屋外側に存在する場合には、SB1にて通過権限信号が受信されたと判定されないので、屋外側検知部62による第2物体の検知は開始されない。
【0096】
以上のような連動制御処理により、実施の形態1に係る連動制御処理と同様に、物体の通行性を向上させることができると共に、エレベータの運転効率が低下することを抑制できる。
【0097】
(効果)
このように実施の形態2によれば、連動制御部73aが、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されていない場合には、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせず、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されている場合には、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせるので、認証リーダ64の受信及び屋外側検知部62の検知を常時行う場合に比べて、屋外側検知部62の消費電力量を低減できる。
【0098】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る制御システムについて説明する。この実施の形態3は、認証リーダの受信結果及び屋内側検知部の検知結果に基づいて、第1ドアを開閉制御すると共に、エレベータの連動制御を行う形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0099】
(構成)
最初に、実施の形態3に係る制御システムが適用される入退館管理システムの構成について説明する。実施の形態3に係る入退館管理システム1は、実施の形態1に係る入退館管理システム1の構成要素に対して、第1自動ドア10の屋外側検知部62を省略して構成されている。
【0100】
(連動制御処理)
次に、このように構成される入退館管理システム1の第1制御装置60によって実行される連動制御処理について説明する。実施の形態3に係る連動制御処理については、
図10のSC2からSC8は、
図4のSA3からSA9とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。また、この連動制御処理の前提としては、実施の形態1に係る連動制御処理の前提に対して、物体が第1開口部2の他方側(建物の屋外側)から一方側(建物の屋内側)に向けて通行する場合に、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されていることを条件として、第1開口部2を開放する点で異なる。
【0101】
図10に示すように、SC1において連動制御部73aは、屋外側検知部62から送信される第2物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、第2物体検知信号が受信された場合(SC1、Yes)にはSC2に移行し、第2物体検知信号が受信されていない場合(SC1、No)にはSC4に移行する。
【0102】
例えば、
図11に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物に入館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図11(a)に示すように、上記居住人が受信範囲ERに進入することで、SC1にて通過権限信号が受信されたと判定されると、SC2にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SC3にてエレベータ昇降要求信号が送信される。その後、
図11(b)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SC4にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SC5にて第1開口部2の開閉状態が全開状態に維持されると共に、SC6にて認証リーダ64が非受信状態となる。さらに、上記居住人が第1範囲E1よりも建物の屋内側に移動して、SC7にて所定時間が経過したと判定されると、SC8にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。
【0103】
また、例えば、
図12に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物から退館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図12(a)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SC4にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SC5にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SC6にて認証リーダ64が非受信状態となる。次いで、
図12(b)に示すように、SC7にて所定時間が経過したと判定されるまでに、上記居住人が受信範囲ERに進入すると、上述したように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が行われないので、SC1にて通過権限信号を受信されたと判定されない。その後、上記居住人が受信範囲ERから退出すると、第1ドア41、42が閉鎖移動すると共に、SC7にて所定時間が経過したと判定されると、SC8にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。この場合には、
図12(c)に示すように、上記居住人が受信範囲ERよりも建物の屋外側に存在するので、SC1にて通過権限信号が受信されたと判定されない。
【0104】
(効果)
このように実施の形態3によれば、連動制御部73aが、通過権限信号を認証タグ65と接触することなく受信する認証リーダ64によって通過権限信号が受信された場合に、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御すると共に、エレベータを当該第1ドア41、42の動作と連動して動作させるように連動制御し、屋内側検知部61によって第1物体が存在すると検知された場合には、第1開口部2を開放させるように第1ドア41、42を開閉制御すると共に、所定条件が満たされるまでエレベータの連動制御を行わないように所定制御を行うので、実施の形態1の制御システムに比べて、第1自動ドア10の屋外側検知部62を省略することができ、設置コストを低減することが可能となる。
【0105】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4に係る制御システムについて説明する。この実施の形態4は、実施の形態1、2とは異なる方法で、認証リーダの受信結果、屋外側検知部の検知結果、及び屋内側検知部の検知結果に基づいて、第1ドアを開閉制御すると共に、エレベータの連動制御を行う形態である。ただし、この実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0106】
(構成)
最初に、実施の形態4に係る制御システムが適用される入退館管理システムの構成について説明する。実施の形態4に係る入退館管理システム1は、実施の形態1に係る入退館管理システム1とほぼ同様に構成されている。
【0107】
(連動制御処理)
次に、このように構成される入退館管理システム1の第1制御装置60によって実行される連動制御処理について説明する。実施の形態4に係る連動制御処理については、
図13のSD1からSD7、SD9は、
図4のSA1からSA7、SA9とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
【0108】
図13に示すように、SD8において連動制御部73aは、第2自動ドア110の室内側検知部161から送信される第3物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか、又は、SD5の第1物体検知信号の受信状態におけるいずれかのタイミング若しくはSD5の第1物体検知信号が受信されなくなった時点のタイミングから所定時間が経過したかを判定する。そして、連動制御部73aは、第3物体検知信号が受信されたと判定されるまで、又は、上記所定時間が経過したと判定されるまで待機し(SD8、No)、第3物体検知信号が受信されたと判定され、又は、上記所定時間が経過したと判定されると(SD8、Yes)、SD9に移行する。
【0109】
例えば、
図14に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物に入館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図14(a)に示すように、上記居住人が第2範囲E2に進入すると、SD1にて第2物体検知信号が受信されたと判定される。次いで、
図14(b)に示すように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が開始されることで、SD2にて通過権限信号が受信されたと判定されると、SD3にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SD4にてエレベータ昇降要求信号が送信される。その後、
図14(c)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SD5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SD6にて第1開口部2の開閉状態が全開状態に維持されると共に、SD7にて認証リーダ64が非受信状態となる。この場合において、
図14(d)に示すように、SD8にて所定時間が経過したと判定される前に、上記居住人以外の他の居住人が第3範囲E3に進入することで、SD8にて第3物体検知信号が受信されたと判定されると、SD9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。これにより、SD8にて所定時間が経過したと判定される前であっても、上記他の居住人が第2範囲E2に進入した場合には、SD1にて第2物体検知信号が受信されたと判定された後、認証リーダ64による通過権限信号の受信を開始できるので、実施の形態1に係る連動制御処理に比べて、SD3の処理が行われないことで第1開口部2の通行が妨げられることを抑制できる。
【0110】
また、例えば、
図15に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物から退館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図15(a)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SD5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SD6にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SD7にて認証リーダ64が非受信状態となる。次いで、
図15(b)に示すように、SD8にて所定時間が経過したと判定されるまでに、上記居住人が第2範囲E2及び受信範囲ERに進入すると、SD1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されるが、上述したように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が行われないので、SD2にて通過権限信号を受信されたと判定されない。その後、SD8にて所定時間が経過したと判定されるまでに、
図15(c)に示すように、上記居住人が第2範囲E2から退出すると、第1ドア41、42が閉鎖移動すると共に、
図15(d)に示すように、上記居住人が第3範囲E3に進入すると、SD9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。この場合には、上記居住人が受信範囲ERよりも建物の屋外側に存在するので、SD1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されないことから、認証リーダ64による通過権限信号の受信は開始されない。なお、上記居住人が第2範囲E2又は受信範囲ERに進入した後に、第1範囲E1に引き返した場合には、SD5にて第1物体検知信号が再度受信されたと判定されることでSD8における所定時間のカウントが無効となり、この所定時間のカウントをやり直すことになるものの、その後SD8にて所定時間が経過したと判定された場合には、SD9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される(なお、後述する実施の形態5に係る連動制御処理、及び後述する実施の形態6に係る連動制御処理についても同様とする)。これにより、上記居住人が途中で第1開口部2の一方側(建物の屋内側)に引き返した場合でも、認証リーダ64による通過権限信号の受信を開始できるので、例えば、単に室内側検知部161から第3物体検知信号が受信されるまで(つまり、室内側検知部161にて第3物体が存在していると検知されるまで)、認証リーダ64の非受信状態が解除されない場合に比べて、SD3の処理が行われないことで第1開口部2の通行が妨げられることを抑制できる。
【0111】
以上のような連動制御処理により、実施の形態1に係る連動制御処理と比べて、物体の通行性を向上させることができる。
【0112】
(効果)
このように実施の形態4によれば、連動制御部73aが、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知された場合には、室内側検知部161にて第3物体が存在していると検知されるまで、又は、当該検知状態におけるいずれかのタイミング若しくは当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、エレベータの連動制御を行わないように所定制御を行うので、上記所定時間が経過する前でもエレベータの連動制御を行うことができ、例えば、単に上記所定時間が経過するまで、エレベータの連動制御を行わないように所定制御を行う場合に比べて、物体が第1開口部2の一方側(建物の屋内側)から他方側(建物の屋外側)に向けて通行する場合に当該通行が妨げられることを抑制できる。
【0113】
〔実施の形態5〕
次に、実施の形態5に係る制御システムについて説明する。この実施の形態5は、実施の形態4とは異なる方法で、認証リーダの受信結果、屋外側検知部の検知結果、及び屋内側検知部の検知結果に基づいて、第1ドアを開閉制御すると共に、エレベータの連動制御を行う形態である。ただし、この実施の形態5の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態4の構成と略同一であり、実施の形態4の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態4で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0114】
(構成)
最初に、実施の形態5に係る制御システムが適用される入退館管理システムの構成について説明する。実施の形態5に係る入退館管理システム1は、実施の形態4に係る入退館管理システム1とほぼ同様に構成されている。
【0115】
(連動制御処理)
次に、このように構成される入退館管理システム1の第1制御装置60によって実行される連動制御処理について説明する。実施の形態5に係る連動制御処理については、
図16のSE3からSE7、SE9は、
図13のSD3からSD7、SD9とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。また、この連動制御処理の前提については、実施の形態4に係る連動制御処理の前提と同様とする。
【0116】
図16に示すように、SE1において連動制御部73aは、認証タグ65から送信される通過権限信号を認証リーダ64、配線5、及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、通過権限信号が受信された場合(SE1、Yes)にはSE2に移行し、通過権限信号が受信されていない場合(SE1、No)にはSE5に移行する。
【0117】
SE2において連動制御部73aは、屋外側検知部62から送信される第2物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、第2物体検知信号が受信された場合(SE2、Yes)にはSE3に移行し、第2物体検知信号が受信されていない場合(SE2、No)にはSE1に移行する。ここで、SE1、SE2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法については、実施の形態5においては、実施の形態2と同様に、SE1にて通過権限信号が受信されたと判定されていない場合には、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせないように制御し、SE1にて通過権限信号が受信されたと判定されている場合には、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせるように制御する。
【0118】
SE8において連動制御部73aは、第2自動ドア110の室内側検知部161から送信される第3物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか、又は、SE5の第1物体検知信号の受信状態におけるいずれかのタイミング若しくはSE5の第1物体検知信号が受信されなくなった時点のタイミングから所定時間が経過したかを判定する。そして、連動制御部73aは、第3物体検知信号が受信されたと判定されるまで、又は、上記所定時間が経過したと判定されるまで待機し(SE8、No)、第3物体検知信号が受信されたと判定され、又は、上記所定時間が経過したと判定されると(SE8、Yes)、SE9に移行する。
【0119】
例えば、
図17に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物に入館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図17(a)に示すように、上記居住人が受信範囲ERに進入すると、SE1にて通過権限信号が受信されたと判定される。次いで、
図17(b)に示すように、屋外側検知部62による第2物体の検知が開始された後に、上記居住人が受信範囲ER及び第2範囲E2に進入することで、SE2にて第2物体検知信号が受信されたと判定されると、SE3にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SE4にてエレベータ昇降要求信号が送信される。その後、
図17(c)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SE5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SE6にて第1開口部2の開閉状態が全開状態に維持されると共に、SE7にて認証リーダ64が非受信状態となる。この場合において、
図17(d)に示すように、SE8にて所定時間が経過したと判定される前に、上記居住人以外の他の居住人が第3範囲E3に進入することで、SE8にて第3物体検知信号が受信されたと判定されると、SE9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。これにより、SE8にて所定時間が経過したと判定される前であっても、上記他の居住人が受信範囲ERに進入した場合には、SE1にて通過権限信号が受信されたと判定されると、屋外側検知部62による第2物体の検知を開始できる。
【0120】
また、例えば、
図18に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物から退館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図18(a)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SE5にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SE6にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SE7にて認証リーダ64が非受信状態となる。次いで、
図18(b)に示すように、SE8にて所定時間が経過したと判定されるまでに、上記居住人が第2範囲E2及び受信範囲ERに進入すると、上述したように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が行われないので、SE1にて通過権限信号を受信されたと判定されない。その後、SE8にて所定時間が経過したと判定されるまでに、
図18(c)に示すように、上記居住人が第2範囲E2から退出すると、第1ドア41、42が閉鎖移動すると共に、
図18(d)に示すように、上記居住人が第3範囲E3に進入すると、SE9にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。この場合には、上記居住人が受信範囲ERよりも建物の屋外側に存在するので、SE1にて通過権限信号が受信されたと判定されないことから、屋外側検知部62による第2物体の検知が開始されない。
【0121】
以上のような連動制御処理により、実施の形態4に係る連動制御処理と同様に、物体の通行性を向上させることができると共に、エレベータの運転効率が低下することを抑制できる。
【0122】
(効果)
このように実施の形態5によれば、連動制御部73aが、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知された場合には、室内側検知部161にて第3物体が存在していると検知されるまで、当該検知状態におけるいずれかのタイミング又は当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、エレベータの連動制御を行わないように所定制御を行うので、実施の形態4の制御システムと同様に、第1開口部2の通行が妨げられることを抑制でき、物体の通行性を向上させることが可能となる。
【0123】
〔実施の形態6〕
次に、実施の形態6に係る制御システムについて説明する。この実施の形態6は、実施の形態3とは異なる方法で、認証リーダの受信結果及び屋内側検知部の検知結果に基づいて、第1ドアを開閉制御すると共に、エレベータの連動制御を行う形態である。ただし、この実施の形態6の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態4の構成と略同一であり、実施の形態4の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態4で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0124】
(構成)
最初に、実施の形態6に係る制御システムが適用される入退館管理システムの構成について説明する。実施の形態6に係る入退館管理システム1は、実施の形態4に係る入退館管理システム1の構成要素に対して、第1自動ドア10の屋外側検知部62を省略して構成されている。
【0125】
(連動制御処理)
次に、このように構成される入退館管理システム1の第1制御装置60によって実行される連動制御処理について説明する。実施の形態6に係る連動制御処理については、
図19のSF2からSF8は、
図13のSD3からSD9とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。また、この連動制御処理の前提としては、実施の形態4に係る連動制御処理の前提に対して、物体が第1開口部2の他方側(建物の屋外側)から一方側(建物の屋内側)に向けて通行する場合に、認証リーダ64によって通過権限信号が受信されていることを条件として、第1開口部2を開放する点で異なる。
【0126】
図19に示すように、SF1において連動制御部73aは、屋外側検知部62から送信される第2物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かを判定する。そして、連動制御部73aは、第2物体検知信号が受信された場合(SF1、Yes)にはSF2に移行し、第2物体検知信号が受信されていない場合(SF1、No)にはSF4に移行する。
【0127】
例えば、
図20に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物に入館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図20(a)に示すように、上記居住人が受信範囲ERに進入することで、SF1にて通過権限信号が受信されたと判定されると、SF2にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SF3にてエレベータ昇降要求信号が送信される。その後、
図20(b)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SF4にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SF5にて第1開口部2の開閉状態が全開状態に維持されると共に、SF6にて認証リーダ64が非受信状態となる。この場合において、
図20(c)に示すように、SF7にて所定時間が経過したと判定される前に、上記居住人以外の他の居住人が第3範囲E3に進入することで、SF7にて第3物体検知信号が受信されたと判定されると、SF8にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。これにより、SF7にて所定時間が経過したと判定される前であっても、上記他の居住人が受信範囲ERに進入することにより、SF1にて通過権限信号が受信されたと判定されると、SF2にて第1ドア41、42を開放移動させることができると共に、SF3にてエレベータ昇降要求信号を送信することができる。
【0128】
また、例えば、
図21に示すように、第1ドア41、42の開閉状態が全閉状態において、認証タグ65を有する居住人であって設置階以外の他の階における部屋の居住人が建物から退館する場合には、以下に示す連動制御処理が行われる。具体的には、まず、
図21(a)に示すように、上記居住人が第1範囲E1に進入することで、SF4にて第1物体検知信号が受信されたと判定されると、SF5にて第1ドア41、42が開放移動されると共に、SF6にて認証リーダ64が非受信状態となる。次いで、
図21(b)に示すように、SF7にて所定時間が経過したと判定されるまでに、上記居住人が受信範囲ERに進入すると、上述したように、認証リーダ64による通過権限信号の受信が行われないので、SF1にて通過権限信号を受信されたと判定されない。その後、SF7にて所定時間が経過したと判定されるまでに、
図20(c)に示すように、上記居住人が受信範囲ERから退出すると、第1ドア41、42が閉鎖移動すると共に、上記居住人が第3範囲E3に進入すると、SF8にて認証リーダ64の非受信状態が解除される。この場合には、上記居住人が受信範囲ERよりも建物の屋外側に存在するので、SF1にて通過権限信号が受信されたと判定されない。
【0129】
(効果)
このように実施の形態6によれば、連動制御部73aが、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知された場合には、室内側検知部161にて第3物体が存在していると検知されるまで、又は、当該検知状態におけるいずれかのタイミング若しくは当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、エレベータの連動制御を行わないように所定制御を行うので、実施の形態4の制御システムと同様に、第1開口部2の通行が妨げられることを抑制でき、物体の通行性を向上させることが可能となる。
【0130】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0131】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る物体の通行性及び連動動作手段の運転効率が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の物体の通行性及び連動動作手段の運動効率を有している場合には、本願の課題は解決している。
【0132】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、第1制御装置60の制御ユニット70を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部73を設けると共に、これら複数の装置の他の一部にデータ記録部74を設けてもよい。
【0133】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0134】
(入退館管理システムについて)
上記実施の形態1から3では、入退館管理システム1が、第2自動ドア110を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、入退館管理システム1の設置コストを低減するために、第2自動ドア110を省略してもよい。
【0135】
また、上記実施の形態3、6では、入退館管理システム1が、第1自動ドア10の屋外側検知部62を省略すると説明したが、これに限られず、例えば、屋外側検知部62を備えてもよい。この場合には、連動制御処理では、屋外側検知部62の検知結果に基づいて処理が行われないものの、第1開口部2の開閉状態が全開状態である場合において、屋外側検知部62から第2物体検知信号が受信されている場合には、制御部73が、全開状態が維持されるように第1ドア41、42の開閉移動を停止させてもよい。あるいは、第1開口部2の開閉状態が非全開閉状態である場合(第1ドア41、42の閉鎖移動中)において、屋外側検知部62から第2物体検知信号が受信されている場合には、制御部73が、第1ドア41、42の閉鎖移動を一旦停止させた後、全開状態になるように第1ドア41、42を開放移動させてもよい。
【0136】
(屋内側検知部、屋外側検知部、室内側検知部、室外側検知部について)
上記実施の形態1から6では、屋内側検知部61は、量子型の赤外線センサであると説明したが、これに限られない。例えば、第1範囲E1に第1物体が進入したか否かを検知できるセンサ(具体的には、熱型の赤外線センサ、超音波センサ、あるいは、建物の床面のうち第1範囲E1に対応する部分に設けられたマットスイッチ等)であってもよい(なお、屋外側検知部62、室内側検知部161、及び室外側検知部162についても同様とする)。
【0137】
(連動制御処理について)
上記実施の形態1では、SA1、SA2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法について、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されるまで、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせないように制御すると説明したが、これに限られない。例えば、連動制御処理の開始と同時に、認証リーダ64による通過権限信号の受信を常時行わせて、通過権限信号が受信された場合に当該通過権限信号が受信されていないものとみなすように制御したり、又は、通過権限信号が受信された場合にエレベータ昇降要求信号を送信しないように制御してもよい(なお、実施の形態4のSD1、SD2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法についても同様とする)。あるいは、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定されるまで、認証リーダ64の電源をOFFし、SA1にて第2物体検知信号が受信されたと判定された場合には、認証リーダ64の電源をONするように制御してもよい。
【0138】
また、上記実施の形態1では、SA5にて第1物体検知信号が受信されたことをトリガとして、SA7の処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、物体が第1開口部2を確実に通行してからSA7の処理が行われるように、SA5にて第1物体検知信号に加えて、開口部検知部63から送信される第1第2物体検知信号が受信されたこと(又は、屋外側検知部62から送信される第2物体検知信号が受信されたこと)をトリガとして、SA7の処理が行われてもよい(なお、実施の形態2の連動制御処理のSB7、実施の形態3の連動制御処理のSC6、実施の形態4の連動制御処理のSD7、実施の形態5の連動制御処理のSE7、実施の形態6の連動制御処理のSF6についても同様とする)。
【0139】
また、上記実施の形態1では、SA5にて第1物体検知信号が受信された場合に、SA7、SA8において、所定時間が経過するまで、認証リーダ64による通過権限信号の受信を行わせないように当該認証リーダ64を制御すると説明したが、これに限られない。例えば、エレベータのかごを設置階まで呼び寄せることを抑制できるように制御することが望ましく、具体的には、SA5にて第1物体検知信号が受信された場合でも認証リーダ64による通過権限信号の受信を継続させて、SA8にて所定時間が経過したと判定されるまでの間、通過権限信号が受信された場合に当該通過権限信号が受信されていないものとみなすように制御したり、又は、通過権限信号が受信された場合にエレベータ昇降要求信号を送信しないように制御してもよい(なお、実施の形態2の連動制御処理のSB5、SB7、SB8、実施の形態3の連動制御処理のSC4、SC6、SC7、実施の形態4の連動制御処理のSD5、SD7、SD8、実施の形態5の連動制御処理のSE5、SE7、SE8、実施の形態6の連動制御処理のSF4、SF6、SF7についても同様とする)。
【0140】
また、上記実施の形態1では、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定すると説明したが、これに限られない。屋内側検知部61の検知状態におけるいずれかのタイミングをトリガとして所定時間が経過したか否かを判定してもよいので、例えば、屋内側検知部61によって第1物体が検知された直後の状態のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定してもよい。あるいは、屋内側検知部61によって第1物体が存在していると検知されなくなってから一定時間経過した時点のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定してもよい(なお、実施の形態2の連動制御処理のSB8、実施の形態3の連動制御処理のSC7、実施の形態4の連動制御処理のSD8、実施の形態5の連動制御処理のSE8、実施の形態6の連動制御処理のSF7についても同様とする)。
【0141】
また、上記実施の形態2では、SB1、SB2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法について、SB1にて通過権限信号が受信されたと判定されるまで、屋外側検知部62による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせないように制御すると説明したが、これに限られない。例えば、連動制御処理の開始と同時に、屋外側検知部62による第2物体の検知を常時行わせて、屋外側検知部62から第2物体検知信号が受信された場合に当該第2物体検知信号が受信されていないものとみなすように制御したり、又は、屋外側検知部62から第2物体検知信号が受信された場合にエレベータ昇降要求信号を送信しないように制御してもよい(なお、実施の形態5のSE1、SE2における認証リーダ64及び屋外側検知部62の制御方法についても同様とする)。
【0142】
また、上記実施の形態4では、SD8にて第2自動ドア110の室内側検知部161から送信される第3物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか、又は、SD5の第1物体検知信号の受信状態におけるいずれかのタイミング若しくはSD5の第1物体検知信号が受信されなくなった時点のタイミングから所定時間が経過したかを判定すると説明したが、これに限られない。例えば、当該処理を簡素化するために、上記第3物体検知信号を配線5及び通信部71を介して受信したか否かのみを判定してもよい。これにより、第1物体が存在していると検知されてから所定時間が経過するまで、連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行う場合に比べて、物体が開口部の他方側から一方側に向けて通行する場合に当該通行が妨げられることを抑制できる(なお、実施の形態5の連動制御処理のSE8、実施の形態6の連動制御処理のSF7についても同様とする)。
【0143】
(付記)
付記1の制御システムは、建物の開口部を開閉するドアの開閉制御、及び前記開口部に対する見込方向のいずれか一方側に設けられた連動動作手段における前記ドアとの連動制御を行う制御システムであって、前記開口部に対する見込方向のいずれか一方側の近傍に第1物体が存在するか否かを検知する第1物体検知手段と、前記開口部に対する見込方向のいずれか他方側の近傍に存在する第2物体が有する送信手段から、前記開口部を通過する権限を特定する通過権限情報を含む信号を当該送信手段と接触することなく受信する受信手段と、前記受信手段の受信結果及び前記第1物体検知手段の検知結果に基づいて、前記ドアの開閉制御及び前記連動動作手段の連動制御を行う連動制御手段と、を備え、前記連動制御手段は、前記受信手段によって前記通過権限情報を含む信号が受信されたことを条件の1つとして、前記開口部を開放させるように前記ドアを開閉制御すると共に、前記連動動作手段を当該ドアの動作と連動して動作させるように連動制御し、前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在すると検知された場合には、前記開口部を開放させるように前記ドアを開閉制御すると共に、所定条件が満たされるまで前記連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行う。
【0144】
付記2の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記所定条件は、前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知されている検知状態におけるいずれかのタイミング又は前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過することであり、前記連動制御手段は、前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知された場合には、当該検知状態におけるいずれかのタイミング又は当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、前記連動動作手段の連動制御を行わないように前記所定制御を行う。
【0145】
付記3の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記開口部に対する見込方向のいずれか他方側の位置であって、当該開口部に対する見込方向のいずれか他方側の近傍よりも当該開口部から離れた位置に第3物体が存在するか否かを検知する第3物体検知手段を備え、前記所定条件は、前記第3物体検知手段にて前記第3物体が存在していると検知されることであり、前記連動制御手段は、前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知された場合には、前記第3物体検知手段にて前記第3物体が存在していると検知されるまで、前記連動動作手段の連動制御を行わないように前記所定制御を行う。
【0146】
付記4の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記開口部に対する見込方向のいずれか他方側の位置であって、当該開口部に対する見込方向のいずれか他方側の近傍よりも当該開口部から離れた位置に第3物体が存在するか否かを検知する第3物体検知手段を備え、前記所定条件は、前記第3物体検知手段にて前記第3物体が存在していると検知されること、又は、前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知されている検知状態におけるいずれかのタイミング若しくは前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過することであり、前記連動制御手段は、前記第1物体検知手段によって前記第1物体が存在していると検知された場合には、前記第3物体検知手段にて前記第3物体が存在していると検知されるまで、又は、当該検知状態におけるいずれかのタイミング若しくは当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、前記連動動作手段の連動制御を行わないように前記所定制御を行う。
【0147】
付記5の制御システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記連動制御手段は、前記所定制御として、前記受信手段による前記通過権限情報を含む信号の受信を行わせないように当該受信手段を制御する。
【0148】
付記6の制御システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記第2物体が前記開口部に対する見込方向のいずれか他方側の近傍に存在するか否かを検知する第2物体検知手段を備え、前記連動制御手段は、前記受信手段によって前記通過権限情報を含む信号が受信されると共に、前記第2物体検知手段によって前記第2物体が存在すると検知された場合には、前記開口部を開放させるように前記ドアを開閉制御すると共に、前記連動動作手段を当該ドアの動作と連動して動作させるように連動制御する。
【0149】
付記7の制御システムは、付記6に記載の制御システムにおいて、前記連動制御手段は、前記第2物体検知手段によって前記第2物体が存在していると検知されていない場合には、前記受信手段による前記通過権限情報を含む信号の受信を行わせず、前記第2物体検知手段によって前記第2物体が存在していると検知されている場合には、前記受信手段による前記通過権限情報を含む信号の受信を行わせる。
【0150】
付記8の制御システムは、付記6に記載の制御システムにおいて、前記連動制御手段は、前記受信手段によって前記通過権限情報を含む信号が受信されていない場合には、前記第2物体検知手段による前記第2物体が存在しているか否かの検知を行わせず、前記受信手段によって前記通過権限情報を含む信号が受信されている場合には、前記第2物体検知手段による前記第2物体が存在しているか否かの検知を行わせる。
【0151】
(付記の効果)
付記1に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、通過権限情報を含む信号を送信手段と接触することなく受信する受信手段によって通過権限情報を含む信号が受信されたことを条件の1つとして、開口部を開放させるようにドアを開閉制御すると共に、連動動作手段を当該ドアの動作と連動して動作させるように連動制御し、第1物体検知手段によって第1物体が存在すると検知された場合には、開口部を開放させるようにドアを開閉制御すると共に、所定条件が満たされるまで連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行うので、通過権限情報を含む信号を送信手段と接触することで受信する接触式の受信手段が用いられた場合に比べて、当該受信に関する操作の手間を省くことができ、物体の通行性を向上させることが可能となる。また、非接触式の受信手段が用いられた場合でも、連動動作手段に対する無駄な連動制御を抑制することができ、連動動作手段の運転効率が低下することを抑制することが可能となる。
【0152】
付記2に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、第1物体検知手段によって第1物体が存在していると検知された場合には、当該検知状態におけるいずれかのタイミング又は当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行うので、物体が開口部の一方側から他方側に向けて通行する場合において、特殊な手段を設けることなく、ドアの開閉制御及び連動動作手段の連動制御を効果的に行うことができ、制御システムの設置コストを低減することが可能となる。
【0153】
付記3に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、第1物体検知手段によって第1物体が存在していると検知された場合には、第3物体検知手段にて第3物体が存在していると検知されるまで、連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行うので、例えば、第1物体が存在していると検知されてから所定時間が経過するまで、連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行う場合に比べて、物体が開口部の他方側から一方側に向けて通行する場合に当該通行が妨げられることを抑制できる。
【0154】
付記4に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、第1物体検知手段によって第1物体が存在していると検知された場合には、第3物体検知手段にて第3物体が存在していると検知されるまで、又は、当該検知状態におけるいずれかのタイミング若しくは当該第1物体が存在していると検知されなくなった時点のタイミングから所定時間経過するまで、連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行うので、上記所定時間が経過する前でも連動動作手段の連動制御を行うように制御することができ、例えば、単に上記所定時間が経過するまで、連動動作手段の連動制御を行わないように所定制御を行う場合に比べて、物体が開口部の他方側から一方側に向けて通行する場合に当該通行が妨げられることを抑制できる。
【0155】
付記5に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、所定制御として、受信手段による通過権限情報を含む信号の受信を行わせないように当該受信手段を制御するので、受信手段による通過権限情報を含む信号の受信を常時行う場合に比べて、受信手段の消費電力量を低減できる。
【0156】
付記6に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、受信手段によって通過権限情報を含む信号が受信されると共に、第2物体検知手段によって第2物体が存在すると検知された場合には、開口部を開放させるようにドアを開閉制御すると共に、連動動作手段を当該ドアの動作と連動して動作させるように連動制御するので、受信手段の受信結果のみに基づいて、ドアの開閉制御及び連動動作手段の連動制御を行う場合に比べて、開口部を通過する可能性が低い物体が有する送信手段から通過権限情報を含む信号が受信された場合には、ドアを開閉移動させたり、連動動作手段の連動動作させることを抑制でき、ドアの防犯性を向上させると共に、連動動作手段の運転効率が低下することを一層抑制することが可能となる。
【0157】
付記7に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、第2物体検知手段によって第2物体が存在していると検知されていない場合には、受信手段による通過権限情報を含む信号の受信を行わせず、第2物体検知手段によって第2物体が存在していると検知されている場合には、受信手段による通過権限情報を含む信号の受信を行わせるので、受信手段の受信及び第2物体検知手段の検知を常時行う場合に比べて、受信手段の消費電力量を低減できる。
【0158】
付記8に記載の制御システムによれば、連動制御手段が、受信手段によって通過権限情報を含む信号が受信されていない場合には、第2物体検知手段による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせず、受信手段によって通過権限情報を含む信号が受信されている場合には、第2物体検知手段による第2物体が存在しているか否かの検知を行わせるので、受信手段の受信及び第2物体検知手段の検知を常時行う場合に比べて、第2物体検知手段の消費電力量を低減できる。