(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、通風路を流れる冷却用の流体が減少することを抑えることができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蓄電装置は、
蓄電素子と、
蓄電素子と第一方向で隣り合って配置されるスペーサと、
前記蓄電素子及び該スペーサを保持する保持部材と、
前記スペーサと前記保持部材との間に配置されるインシュレータと、を備え、
前記スペーサは、
前記第一方向で隣り合う蓄電素子との間に前記第一方向と直交する第二方向に通風路を形成するベースと、
該ベースから前記第一方向に延出する延出部と、を有し、
前記インシュレータは、
前記保持部材に当接した状態で該保持部材と前記スペーサの延出部との間に配置される第一の絶縁部と、
前記第一の絶縁部から延び且つ前記延出部に当接する第一のシール部と、を有する。
【0009】
かかる構成によれば、インシュレータの第一の絶縁部が保持部材に当接し、第一の絶縁部と連続する第一のシール部がスペーサの延出部に当接する。そのため、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体をインシュレータの第一の絶縁部とインシュレータの第一のシール部とによって遮ることができる。
【0010】
従って、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体を各通風路に流通させることができる。このようにして、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0011】
この場合、
前記延出部は、前記第一のシール部と当接する被当接面を含み、
前記第一のシール部は、前記第一の絶縁部から該被当接面に対して傾斜する方向に延出する、
ようにしてもよい。
【0012】
このようにしても、インシュレータの第一の絶縁部が保持部材に当接し、第一の絶縁部と連続する第一のシール部がスペーサの延出部に当接する。そのため、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体をインシュレータの第一の絶縁部とインシュレータの第一のシール部とによって遮ることができる。
【0013】
従って、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体を各通風路に流通させることができる。このようにして、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0014】
この場合、
前記第一のシール部は、弾性を有するとともに、前記被当接面よりも剛性が低い、
ようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、第一のシール部は、延出部の被当接面に当接することで弾性変形する。これにより、第一のシール部に弾性力が生じて、第一のシール部が被当接面から離れ難くなる。その結果、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体がより確実に遮られる。
【0016】
本発明において、
前記インシュレータの第一のシール部は、
前記第二方向に延出して前記被当接面に当接し、
前記被当接面は、前記第一のシール部が延出する方向に対して傾斜する、
ようにしてもよい。
【0017】
このようにすれば、第二方向に延出する第一のシール部が被当接面に対して傾斜した状態で当接するため、該第一のシール部が弾性変形する。このように、蓄電装置では、第一のシール部に弾性力を生じさせて、該第一のシール部を被当接面から離れ難くすることができる。従って、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体がより確実に遮られる。
【0018】
本発明において、
前記延出部は、前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれに直交する第三方向におけるベースの両端のそれぞれから延出し、
前記インシュレータは、一対の前記第一のシール部を有し、
一方の第一のシール部は、前記第三方向における前記ベースの一端に形成される延出部に当接し、
他方の第一のシール部は、前記第三方向における前記ベースの他端に形成される延出部に当接する、
ようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、蓄電装置では、前記第三方向における前記ベースの両端の延出部と保持部材との間に流れ込もうとする流体を第一の絶縁部と第一のシール部とによって遮ることができる。すなわち、蓄電装置では、前記第三方向の両端において、保持部材とスペーサとの間に流れ込もうとする流体を第一の絶縁部と第一のシール部とによって遮ることができる。
【0020】
従って、蓄電装置では、前記第三方向における前記ベースの両端の延出部のそれぞれと保持部材との間に流れ込もうとする流体を各通風路に流通させることができる。このようにして、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0021】
本発明において、
前記インシュレータの第一のシール部は、前記第二方向に対して傾斜する方向に延出して前記被当接面に当接し、
前記被当接面は、前記第一方向と、前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれに直交する第三方向とに広がる、
ようにしてもよい。
【0022】
このようにしても、第二方向に対して傾斜する方向に延出する第一のシール部を該被当接面に対して傾斜した状態で当接させ、該第一のシール部を弾性変形させることができる。そのため、蓄電装置では、第一のシール部に弾性力を生じさせることによって、該第一のシール部を被当接面から離れ難くすることができる。従って、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体がより確実に遮られる。
【0023】
本発明において、
前記第一方向に整列した複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子と隣り合うように配置される複数のスペーサと、を備え、
前記複数のスペーサのそれぞれは、
前記第一方向で隣り合う蓄電素子との間に通風路を形成するベースと、
該ベースから前記第一方向に延出する延出部と、を有し、
前記第一のシール部は、前記延出部のそれぞれと接触する突条である、
ようにしてもよい。
【0024】
このようにすれば、蓄電装置において、保持部材と複数のスペーサのそれぞれの延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体が複数のスペーサのそれぞれの延出部と第一のシール部とによって遮られる。
【0025】
そのため、蓄電装置では、保持部材と複数のスペーサのそれぞれの延出部との間に流れ込もうとする流体を各通風路に流通させることができる。従って、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0026】
この場合、
前記複数のスペーサのうち、前記第一方向における端部に配置されるスペーサは、前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれに直交する第三方向におけるベースの両端から延出する一対の延出部を繋ぐ接続辺を有し、
前記インシュレータは、
前記保持部材に当接した状態で該保持部材と前記端部に配置されるスペーサの接続辺との間に配置される第二の絶縁部と、
該第二の絶縁部から延びる第二のシール部であって、前記端部に配置されるスペーサの接続辺に当接する第二のシール部と、を有し、
該第二のシール部は、前記第一のシール部と連続する、
ようにしてもよい。
【0027】
このようにすれば、蓄電装置では、前記第一方向における端部に配置されるスペーサの接続辺と保持部材との間に流れ込もうとする流体が第二の絶縁部と第二のシール部とによって遮られる。すなわち、蓄電装置では、前記第一方向の両端においても、保持部材とスペーサとの間に流れ込もうとする流体が第二の絶縁部と第二のシール部とによって遮られる。
【0028】
従って、蓄電装置は、保持部材と前記複数のスペーサの延出部のそれぞれとの間に流れ込もうとする流体に加えて、前記両端に配置されるスペーサの接続辺と保持部材との間に流れ込もうとする流体も、各通風路に流通させることができる。これにより、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少がより確実に抑えられる。
【0029】
この場合、
前記保持部材は、前記第一方向に長手をなすフレームを有し、
該フレームは、前記インシュレータの第一のシール部を介在させて前記複数のスペーサの延出部のそれぞれと隣り合うように配置される接続部を有し、
該フレームの接続部は、前記第一方向における中央部が前記インシュレータに向けて凸となるように湾曲する、
ようにしてもよい。
【0030】
このようにすれば、前記第一方向におけるインシュレータの中央部は、前記第一方向における前記接続部の中央部と前記スペーサの延出部とにより強固に挟み込まれる。
【0031】
すなわち、前記第一方向におけるインシュレータの第一の絶縁部の中央部がフレームの接続部に対してより強く押し付けられるとともに、前記第一方向における第一のシール部の中央部がスペーサの延出部により強く押し付けられる。
【0032】
このように、蓄電装置では、フレームの接続部が撓むことによって、第一の絶縁部がフレームの接続部から離れたり、第一のシール部が延出部の被当接面から離れたりしてしまうことをより確実に防止することができる。
【0033】
これにより、蓄電装置では、保持部材と前記複数のスペーサの延出部のそれぞれとの間に流れ込もうとする流体がインシュレータの第一の絶縁部とインシュレータの第一のシール部とによってより確実に遮られる。従って、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少がより確実に抑えられる。
【0034】
本発明において、
前記延出部の被当接面は、
第一の被当接面と、
該第一の被当接面と前記第三方向で並ぶ第二の被当接面とを含み、
前記第一のシール部は、
前記第一の被当接面に接触するシール部と、
前記第二の被当接面に接触するシール部と、を有する、
ようにしてもよい。
【0035】
このようにすれば、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体を第一の被当接面とシール部とが接触する部分と、第二の被当接面とシール部とが接触する部分とによって遮ることができる。そのため、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体がより確実に遮られる。従って、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少がより確実に抑えられる。
【0036】
この場合、
前記第一の被当接面は、前記第二の被当接面よりも前記通風路に近い位置に配置され、 前記第一の被当接面に接触するシール部の突出長は、前記第二の被当接面に接触するシール部の突出長よりも大きくなる、
ようにしてもよい。
【0037】
このようにすれば、第二の被当接面よりも通風路に近い位置に配置される第一の被当接面にシール部が密着し易くなる。そのため、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体をより確実に遮ることができるようになり、通風路を流れる冷却用の流体の減少がより確実に抑えられる。
【0038】
本発明に係る別の蓄電装置は、
蓄電素子と、
前記蓄電素子と第一方向で隣り合うように配置されるスペーサと、
前記蓄電素子及び前記スペーサを保持する保持部材と、
前記スペーサと前記保持部材との間に配置されるインシュレータと、を備え、
前記スペーサは、
前記第一方向で隣り合う蓄電素子との間に前記第一方向と直交する第二方向に通風路を形成するベースと、
該ベースから前記第一方向に延出する延出部であって、前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向の両端のそれぞれから延出する一対の延出部と、
前記一対の延出部を繋ぐ接続辺と、を有し、
前記インシュレータは、
前記保持部材に当接した状態で該保持部材と前記スペーサの接続辺との間に配置される絶縁部と、
前記絶縁部から延び且つ前記接続辺に当接するシール部と、を有する。
【0039】
かかる構成によれば、インシュレータの絶縁部が保持部材に当接し、絶縁部と連続するシール部が前記スペーサの接続片に当接する。そのため、蓄電装置では、保持部材とスペーサの接続辺との間に流れ込もうとする冷却用の流体をインシュレータの絶縁部とインシュレータのシール部とによって遮ることができる。
【0040】
従って、蓄電装置では、保持部材とスペーサの接続辺との間に流れ込もうとする流体を各通風路に流通させることができる。このようにして、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0041】
また、本発明に係る別の蓄電装置は、
蓄電素子と、
前記蓄電素子と第一方向で隣り合うように配置されるスペーサと、
前記蓄電素子及び前記スペーサを保持する保持部材と、
前記スペーサと前記保持部材との間に配置されるインシュレータと、を備え、
前記スペーサは、
前記第一方向で隣り合う蓄電素子との間に前記第一方向と直交する第二方向に通風路を形成するベースと、
該ベースから前記第一方向に延出する延出部と、を有し、
前記インシュレータは、前記保持部材に当接した状態で該保持部材と前記延出部との間に配置される絶縁部を有し、
前記延出部は、前記絶縁部材に当接するシール部を有する。
【0042】
かかる構成によれば、インシュレータの絶縁部が保持部材に当接すると共に、スペーサの延出部のシール部に当接する。そのため、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体をインシュレータの絶縁部によって遮ることができる。
【0043】
従って、蓄電装置では、保持部材とスペーサの延出部との間に流れ込もうとする流体を各通風路に流通させることができる。このようにして、蓄電装置では、通風路を流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0044】
また、本発明に係る別の蓄電装置は、
蓄電素子と、
前記蓄電素子と第一方向で隣り合うように配置されるスペーサと、
前記蓄電素子及び前記スペーサを保持する保持部材と、
前記スペーサと前記保持部材との間に配置されるインシュレータと、
前記スペーサと前記インシュレータとの間に配置されるシール部材と、を備え、
前記スペーサは、
前記第一方向で隣り合う蓄電素子との間に前記第一方向と直交する第二方向に通風路を形成するベースと、
該ベースから前記第一方向に延出する延出部と、を有し、
前記インシュレータは、前記保持部材に当接した状態で該保持部材と前記延出部との間に配置される絶縁部を有し、
前記シール部材は、前記延出部と前記絶縁部との間に挟み込まれている。
【0045】
かかる構成によれば、シール部材がインシュレータの絶縁部に当接すると共に、スペーサの延出部にも当接する。そのため、蓄電装置では、スペーサの延出部とインシュレータとの間に流れ込もうとする冷却用の流体をシール部材によって遮ることができる。
【発明の効果】
【0046】
以上より、本発明によれば、通風路を流れる冷却用の流体が減少することを抑えることができる蓄電装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の蓄電装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材の名称と異なる場合がある。
【0049】
蓄電装置は、
図1に示すように、蓄電素子1と、該蓄電素子1に隣り合うスペーサ2と、蓄電素子1及びスペーサ2をひとまとめに保持する保持部材3とを備える。保持部材3は、導電材料により成形される。これに伴い、蓄電装置は、蓄電素子1と保持部材3との間に配置されるインシュレータ4を備える。
【0050】
蓄電素子1は、
図3及び
図4に示すように、正極及び負極を含む電極体と、電極体を収容するケース10と、ケース10の外面上に配置された一対の外部端子11とを備える。
【0051】
ケース10は、開口を有するケース本体100と、ケース本体100の開口を閉じる蓋板101であって、外面上に一対の外部端子11が配置される蓋板101とを有する。
【0052】
ケース本体100は、閉塞部100aと(
図4参照)、該閉塞部100aを取り囲むように、該閉塞部100aの周縁に接続された筒状の胴部100bとを備える。
【0053】
胴部100bは、間隔をあけて互いに対向する一対の第一壁100cと、一対の第一壁100cを挟んで互いに対向する一対の第二壁100dとを備える。
【0054】
第一壁100c及び第二壁100dのそれぞれは、矩形状に形成される。すなわち、第一壁100c及び第二壁100dのそれぞれの表面は、平坦面であり、四角形状の領域とされている。第一壁100c及び第二壁100dは、互いの端縁を突き合わせた状態で隣り合って配置される。これに伴い、隣り合う第一壁100cの端縁及び第二壁100dの端縁同士は、全長に亘って接続される。これにより、胴部100bは、角筒状に形成されている。胴部100bの一端は、閉塞部100aによって閉塞されている。これに対し、胴部100bの他端は、開口し、蓋板101によって閉塞される。
【0055】
本実施形態において、第一壁100cの表面積は、第二壁100dの表面積よりも広くなっている。これに伴い、胴部100bは、扁平角筒状に形成される。
【0056】
本実施形態に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子1を備える。複数の蓄電素子1のそれぞれは、一方向に整列する。本実施形態において、複数の蓄電素子1のそれぞれは、ケース10の第一壁100cを一方向に向けて整列している。蓄電装置は、隣り合う二つの蓄電素子1の外部端子11同士を電気的に接続するバスバーを備える。
【0057】
なお、以下の説明において、便宜上、蓄電素子1の整列する方向(第一方向)をX軸方向という。また、蓄電素子1の整列する方向(X軸方向)と直交する二軸方向のうちの一つの方向(第二方向)をY軸方向といい、残りの一つの方向(第三方向)をZ軸方向ということとする。これに伴い、各図面には、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれに対応する直交三軸(座標軸)が補助的に図示されている。
【0058】
スペーサ2は、絶縁性を有する。スペーサ2は、蓄電素子1のケース10(胴部100bの第一壁100c)と隣り合うベースと、該ベースに隣り合う蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部とを有する。また、スペーサ2は、ベースからX軸方向に延出する延出部を有する。
【0059】
なお、スペーサ2は、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、又はポリブチレンテレフタレート等の材料で構成することができる。これらの材料は、ガラス繊維又はアラミド繊維等の繊維を含有することで、剛性が高められていることが好ましい。本実施形態に係るスペーサ2は、ガラス繊維を含有するポリプロピレンによって構成される。
【0060】
スペーサ2について、より具体的に説明する。蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1を備える。これに伴い、蓄電装置は、それぞれがX軸方向で蓄電素子1と隣り合うように配置される複数のスペーサ2を備える。また、蓄電装置は、
図5に示すように、2種類のスペーサ2(2A,2B)を備える。すなわち、蓄電装置は、スペーサ2として、二つの蓄電素子1間に配置されるスペーサ(以下、内部スペーサという)2Aと、複数の蓄電素子1のうちの最も端にある蓄電素子1に隣り合うスペーサ(以下、外部スペーサという)2Bとを備える。
【0061】
まず、内部スペーサ2Aについて説明する。内部スペーサ2Aは、
図6に示すように、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に隣り合うベース20Aと、該ベース20Aに隣り合う二つの蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部21Aとを有する。さらに、内部スペーサ2Aは、ベース20AからX軸方向に延出する延出部22Aを有する(
図6参照)。
【0062】
内部スペーサ2Aのベース20Aは、二つの蓄電素子1に挟み込まれる。そのため、内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1と対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面であって、二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1と対向する第二面とを有する。
【0063】
内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の蓋板101に対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子1の閉塞部100aに対応する位置に配置される第二端とを有する。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の一方の第二壁100dに対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子1の他方の第二壁100dに対応する位置に配置される第四端とを有する。
【0064】
内部スペーサ2Aのベース20Aは、該ベース20Aの第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
【0065】
なお、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一端及び第二端は、Y軸方向に延びる。そして、内部スペーサ2Aのベース20Aの第三端及び第四端は、Z軸方向に延びる。そのため、内部スペーサ2Aのベース20Aは、略矩形状に形成される。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさで形成される。
【0066】
本実施形態に係る蓄電装置において、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面と蓄電素子1との間及び内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面と蓄電素子1との間の少なくとも何れか一方には、流体(冷却用の流体)を通過させるための通風路23Aが形成される。すなわち、内部スペーサ2Aのベース20Aは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1との間(本実施形態では、X軸方向で隣り合う蓄電素子1のそれぞれとの間)に通風路23Aを形成する。
【0067】
より具体的に説明する。本実施形態に係る蓄電素子1において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、矩形波形状に形成される。内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1のみに当接する第一当接部200Aと、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1のみに当接する第二当接部201Aとを有する。これに伴い、内部スペーサ2Aのベース20Aは、第一当接部200Aと第二当接部201Aとに繋がる連設部202Aを有する。
【0068】
第一当接部200Aは、Y軸方向に長手をなしている。第二当接部201Aは、Y軸方向に長手をなしている。
【0069】
内部スペーサ2Aのベース20Aは、複数の第一当接部200Aと、複数の第二当接部201Aとを有する。そして、各第一当接部200Aと各第二当接部201Aとは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一端と第二端とが並ぶ方向で交互に配置される。
【0070】
これにより、蓄電装置では、第一当接部200Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面と、第一当接部200Aに繋がる一対の連設部202Aとによって、通風路23Aが形成される。また、蓄電装置では、第二当接部201Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面と、第二当接部201Aに繋がる一対の連設部202Aとによって、通風路23Aが形成される。従って、蓄電装置では、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面と蓄電素子1との間、及び内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面と蓄電素子1との間のそれぞれに通風路23Aが形成される。
【0071】
従って、蓄電装置において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、Y軸方向における両端を連通させる通風路23Aを形成する。そのため、蓄電装置は、周囲に送り込まれた冷却用の流体が通風路23A(内部スペーサ2Aのベース20Aによって形成される通風路23A)を通ってY軸方向における一端から他端に流れる。
【0072】
なお、本実施形態に係る蓄電装置は、
図9に示すように、Y軸方向における複数の蓄電素子1の一方側と、Y軸方向における複数の蓄電素子1の他方側とのそれぞれに配置されるダクト5をさらに備える。
【0073】
そのため、一方のダクト5は、複数の通風路23AのそれぞれのY軸方向における一端と隣り合う位置に配置される。他方のダクト5は、複数の通風路23AのそれぞれのY軸方向における他端と隣り合う位置に配置される。
【0074】
さらに、一方のダクト5には、吸気ファン(図示しない)が連結されている。そのため、蓄電装置では、吸気ファンによって一方のダクト5内に吸い込まれた冷却用の流体がY軸方向における通風路23Aの一端から他端に流通し、他方のダクト5から排出されるようになっている。
【0075】
上述のように、内部スペーサ2Aは、隣り合う二つの蓄電素子1の間に配置される。そのため、規制部21Aは、
図6に示すように、内部スペーサ2Aに隣り合う二つの蓄電素子1の相対移動を規制すべく、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1と、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって延びる。
【0076】
より具体的に説明する。規制部21Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの各角部に形成される。内部スペーサ2Aは、規制部21Aとして、第一角部に形成される第一規制部210Aと、第二角部に形成される第二規制部211Aと、第三角部に形成される第三規制部212A、第四角部に形成される第四規制部213Aとを有する。
【0077】
第一規制部210A及び第二規制部211Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1と、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって延びる。
【0078】
第一規制部210Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1のそれぞれの蓋板101と胴部100bの一方の第二壁100dとに当接する。そして、第二規制部211Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1のそれぞれの蓋板101と胴部100bの他方の第二壁100dとに当接する。
【0079】
第三規制部212A及び第四規制部213Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1と内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって延びる。
【0080】
第三規制部212Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1のそれぞれの閉塞部100aと、胴部100bの一方の第二壁100dとに当接する。そして、他方の第四規制部213Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1の閉塞部100aと、胴部100bの他方の第二壁100dとに当接する。
【0081】
本実施形態に係る内部スペーサ2Aにおいて、延出部22Aは、規制部21Aと一体的に形成される。すなわち、内部スペーサ2Aは、規制部21Aとしての延出部22Aを備える(換言すると、本実施形態の内部スペーサ2Aでは、規制部21Aと延出部22Aとは、共通の部位である)。
【0082】
より具体的に説明する。
図7、
図8に示すように、延出部22Aは、屈曲している。延出部22Aの外角面には、インシュレータ4が当接している。
【0083】
延出部22Aの外角面は、X軸方向とZ軸方向とにおいて広がる基準面220Aを含む。また、延出部22Aの外角面は、Z軸方向における基準面220Aの両端から延出する一対の被当接面221A,222Aを含む。なお、本実施形態に係る蓄電装置の説明において、一方の被当接面221Aを第一の被当接面221Aとし、他方の被当接面222Aを第二の被当接面222Aとして説明を行うことがある。
【0084】
第一の被当接面221Aと第二の被当接面222Aとは、基準面220Aから延出するにつれて、Y軸方向における一方に向けて変位する。すなわち、第一の被当接面221Aと第二の被当接面222Aとは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。第一の被当接面221Aは、第二の被当接面222Aよりも通風路23Aに近い位置に配置される。
【0085】
上述のように、規制部21Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの各角部に形成される。すなわち、内部スペーサ2Aのベース20Aは、各角部に形成される複数(4つ)の延出部22Aを有する。そして、複数の延出部22Aのうち、Z軸方向で並ぶ一対の延出部22Aのそれぞれは、互いの第一の被当接面221AがZ軸方向で隣り合うようにして配置される。
【0086】
本実施形態に係る蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1を備えるため、内部スペーサ2Aは、隣り合う蓄電素子1の間のそれぞれに配置されている。すなわち、蓄電装置は、複数の内部スペーサ2Aを備える。
【0087】
そして、複数の内部スペーサ2Aのそれぞれの延出部22Aは、X軸方向で隣り合う内部スペーサ2Aの延出部22Aと隣接する。そのため、X軸方向で隣り合う各延出部22Aの基準面220Aのそれぞれは、同一面上又は略同一面上に位置する。また、X軸方向で隣り合う各延出部22Aの第一の被当接面221Aのそれぞれは、同一面上又は略同一面上に位置する。さらに、X軸方向で隣り合う各延出部22Aの第二の被当接面222Aのそれぞれは、同一面上又は略同一面上に位置する。
【0088】
次に、外部スペーサ2Bについて説明する。外部スペーサ2Bは、複数のスペーサ2のうち、X軸方向における端部に配置されるスペーサ2(X軸方向における最も外側に配置されるスペーサ2)である。
【0089】
外部スペーサ2Bは、
図6に示すように、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に対向する第一面及び該第一面とは反対側の第二面を有するベース(以下、ベースという)20Bと、該ベース20Bに隣り合う蓄電素子1の位置を決定する規制部(以下、規制部という)21Bとを有する。
【0090】
また、本実施形態に係る外部スペーサ2Bのベース20Bは、保持部材3の後述する終端部材30と対向する。すなわち、外部スペーサ2Bは、蓄電素子1と終端部材30との間に配置される。これに伴い、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの終端部材30と対向する位置に、終端部材30と嵌合する嵌合部22Bを有する。すなわち、外部スペーサ2Bは、ベース20Bに対する終端部材30の位置を決定するための嵌合部22Bであって、ベース20Bの第二面に形成される嵌合部22Bを有する。
【0091】
さらに、外部スペーサ2Bは、ベース20AからX軸方向に延出する延出部23Bを有する。
【0092】
本実施形態において、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの第一面から蓄電素子1に向けて突出する内部接触部200Bであって、該蓄電素子1に当接する内部接触部200Bを有する。
【0093】
外部スペーサ2Bのベース20Bは、X軸方向と直交するY軸方向及びZ軸方向に広がっている。すなわち、ベース20Bは、プレート状に形成される。外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の蓋板101に対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子1の閉塞部100aに対応する位置に配置される第二端とを有する。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の一方の第二壁100dに対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子1の他方の第二壁100dに対応する位置に配置される第四端とを有する。
【0094】
外部スペーサ2Bのベース20Bは、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
【0095】
なお、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一端及び第二端は、Y軸方向に延びる。そして、外部スペーサ2Bのベース20Bの第三端及び第四端は、前記Z軸方向に方向に延びる。そのため、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状である。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。
【0096】
外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面には、該ベース20Bの第一面と蓄電素子1との間に流体を通過させるための通風路24Bが形成される。すなわち、外部スペーサ2Bのベース20Bは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1との間に通風路24Bを形成する(
図1参照)。
【0097】
より具体的に説明する。外部スペーサ2Bのベース20Bは、当該ベース20Bの第一面から蓄電素子1のケース10(ケース本体100の第一壁100c)に向かって延びる内部接触部200Bを有する。
【0098】
内部接触部200Bは、Y軸方向に長手をなしている。本実施形態に係る外部スペーサ2Bのベース20Bは、複数の内部接触部200Bを有する。そして、複数の内部接触部200Bのそれぞれは、長手方向と直交する方向で互いに間隔をあけて配置される。これにより、外部スペーサ2Bのベース20Bと蓄電素子1との間には、複数の通風路24Bが形成される。
【0099】
従って、蓄電装置において、外部スペーサ2Bのベース20Bは、Y軸方向における両端を連通させる通風路24Bを形成する。そのため、蓄電装置は、周囲に送り込まれた冷却用の流体が通風路24Bを通ってY軸方向における一端から他端に流れる。
【0100】
なお、上述のように、本実施形態に係る蓄電装置は、Y軸方向における複数の蓄電素子1の一方側と、Y軸方向における複数の蓄電素子1の他方側とのそれぞれに配置されるダクト5をさらに備える(
図9参照)。
【0101】
そのため、一方のダクト5は、複数の通風路24BのそれぞれのY軸方向における一端に隣り合う位置に配置される。他方のダクト5は、複数の通風路24BのそれぞれのY軸方向における他端に隣り合う位置に配置される。
【0102】
そのため、蓄電装置では、吸気ファンによって一方のダクト5内に吸い込まれた冷却用の流体がY軸方向における通風路24Bの一端から他端に流通し、他方のダクト5から排出されるようになっている。
【0103】
上述のように、外部スペーサ2Bの第一面は、蓄電素子1と隣り合う。規制部21Bは、外部スペーサ2Bの第一面に隣り合う蓄電素子1の相対移動を規制すべく、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。
【0104】
より具体的に説明する。外部スペーサ2Bは、規制部21Bとして、ベース20Bの第一端に形成される規制部21Bと、ベース20Bの第二端に形成される規制部21Bとを有する。
【0105】
外部スペーサ2Bは、規制部21Bとして、第一角部に形成される第一規制部210Bと、第二角部に形成される第二規制部211Bと、第三角部に形成される第三規制部212B、第四角部に形成される第四規制部213Bとを有する。
【0106】
上述のように、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面は、蓄電素子1と対向する。そのため、第一規制部210B及び第二規制部211Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。
【0107】
第一規制部210Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の蓋板101の第一端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。そして、第二規制部211Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の蓋板101の第二端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。
【0108】
上述のように、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面は、蓄電素子1と対向する。そのため、第三規制部212B及び第四規制部213Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。
【0109】
第三規制部212Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の閉塞部100aの第一端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。そして、第四規制部213Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の閉塞部100aの第二端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。
【0110】
規制部21Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第二面から保持部材3(後述する終端部材30)に向かって延びる延出部23Bを有する。
【0111】
本実施形態に係る外部スペーサ2Bにおいて、延出部23Bは、規制部21Bと一体的に形成される。すなわち、外部スペーサ2Bは、規制部21Bとしての延出部23Bを備える(換言すると、本実施形態の外部スペーサ2Bでは、規制部21Bと延出部23Bとは、共通の部位である)。
【0112】
より具体的に説明する。延出部23Bは、屈曲している。延出部23Bの外角面には、インシュレータ4が当接する。
【0113】
図7、
図8に示すように、延出部23Bの外角面は、X軸方向とZ軸方向とにおいて広がる基準面230Bを含む。また、延出部23Bの外角面は、Z軸方向における基準面230Bの両端から延出する一対の被当接面231B,232Bを含む。なお、本実施形態に係る蓄電装置の説明において、一方の被当接面231Bを第一の被当接面231Bとし、他方の被当接面232Bを第二の被当接面232Bとして説明を行うことがある。
【0114】
第一の被当接面231Bと第二の被当接面232Bとは、基準面230Bから延出するにつれて、Y軸方向における一方側に変位する。すなわち、第一の被当接面231Bと第二の被当接面232Bとは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。第一の被当接面231Bは、第二の被当接面232Bよりも通風路23Aに近い位置に配置される。
【0115】
上述のように、規制部21Aは、外部スペーサ2Bのベース20Bの各角部に形成される。すなわち、外部スペーサ2Bのベース20Bは、各角部に形成される複数(4つ)の延出部23Bを有する。そして、複数の延出部23Bのうち、Z軸方向で並ぶ一対の延出部23Bのそれぞれは、互いの第一の被当接面231BがZ軸方向で隣り合うようにして配置される。これに伴い、外部スペーサ2Bは、Z軸方向におけるベース20Bの一端に形成される延出部23Bと、Z軸方向におけるベース20Bの他端に形成される延出部23Bとに亘って連続する接続辺25Bを有する。
【0116】
接続辺25Bは、X軸方向及びZ軸方向に広がる基準面250Bと、X軸方向における基準面250Bの両端に形成される一対の被押圧面251B,252Bとを有する。なお、本実施形態に係る蓄電装置の説明において、一方の被押圧面251Bを第一の被押圧面251Bとし、他方の被押圧面252Bを第二の被押圧面252Bとして説明を行うことがある。
【0117】
接続辺25Bの基準面250Bは、一方の延出部23Bの基準面230Bと、他方の延出部23Bの基準面230Bとに連続する。
【0118】
接続辺25Bの第一の被押圧面251Bと第二の被押圧面252Bとは、基準面250Bから延出するにつれて、Y軸方向における一方に向けて変位する。すなわち、第一の被押圧面251Bと第二の被押圧面252Bとは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。
【0119】
第一の被押圧面251Bは、第二の被押圧面252Bよりも通風路24Bに近い位置に配置される。
【0120】
外部スペーサ2Bにおいて、接続辺25Bの第一の被押圧面251Bは、一方の延出部23Bの第一の被当接面231Bと、他方の延出部23Bの被当接面231Bとに連続する。外部スペーサ2Bにおいて、接続辺25Bの第二の被押圧面252Bは、一方の延出部23Bの第二の被当接面232Bと、他方の延出部23Bの第二の被当接面232Bとに連続する。
【0121】
本実施形態に係る外部スペーサ2Bは、上述のように、蓄電素子1を介して該内部スペーサ2Aと隣り合うように配置される。すなわち、蓄電装置は、一対の外部スペーサ2Bを備える。外部スペーサ2Bは、複数の蓄電素子1のうちの最も端にある蓄電素子1に隣り合う。すなわち、外部スペーサ2Bは、整列する複数の蓄電素子1を挟み込むように一対設けられる。
【0122】
また、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、上述のように、第一面が蓄電素子1のケース本体100と対向する。そのため、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、互いの外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面同士が向かい合うようにして配置されている。従って、蓄電装置において、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、複数の蓄電素子1が整列する方向(以下、X軸方向とする)において互いに対称となるように配置されている。
【0123】
そして、複数の外部スペーサ2Bのそれぞれの延出部23Bは、X軸方向で隣り合う内部スペーサ2Aの延出部22Aと隣接する。そのため、X軸方向で隣り合う外部スペーサ2Bの各延出部23Bの基準面230Bのそれぞれと、内部スペーサ2Aの各延出部22Aの基準面220Aのそれぞれとは、同一面上又は略同一面上に位置する。また、X軸方向で隣り合う外部スペーサ2Bの各延出部23Bの第一の被当接面231Bのそれぞれと、内部スペーサ2Aの各延出部22Aの第一の被当接面221Aのそれぞれとは、同一面上又は略同一面上に位置する。さらに、X軸方向で隣り合う外部スペーサ2Bの各延出部23Bの第二の被当接面232Bのそれぞれと、内部スペーサ2Aの各延出部22Aの第二の被当接面222Aのそれぞれとは、同一面上又は略同一面上に位置する。
【0124】
従って、
図2に示すように、Y軸方向における蓄電装置の両端において、各内部スペーサ2Aの延出部22Aの第一の被当接面221A、各外部スペーサ2Bの延出部23Bの第一の被当接面231B、及び各外部スペーサ2Bの接続辺25Bの第一の被押圧面251Bのそれぞれは、各内部スペーサ2Aのベース20Aによって形成される通風路23Aと、各外部スペーサ2Bのベース20Bによって形成される通風路24Bとを包囲するようにして並べて配置されている。
【0125】
そのため、Y軸方向における蓄電装置の両端において、各内部スペーサ2Aの延出部22Aの第二の被当接面222A、各外部スペーサ2Bの延出部23Bの第二の被当接面232B、及び各外部スペーサ2Bの接続辺25Bの第二の被押圧面252Bのそれぞれは、各内部スペーサ2Aの延出部22Aの第一の被当接面221A、各外部スペーサ2Bの延出部23Bの第一の被当接面231B、及び各外部スペーサ2Bの接続辺25Bの第一の被押圧面251Bのそれぞれを包囲するようにして並べて配置されている。
【0126】
本実施形態において、保持部材3は、金属製である。また、保持部材3は、複数の蓄電素子1及び複数のスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)を保持する。より具体的に説明する。保持部材3は、
図5に示すように、各外部スペーサ2Bと隣り合う位置のそれぞれに配置される一対の終端部材30と、該一対の終端部材30のそれぞれを接続するフレーム31とを備える。
【0127】
一対の終端部材30のそれぞれは、外部スペーサ2Bと対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。
【0128】
終端部材30は、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端(蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置される第二端)とを有する。また、終端部材30は、蓄電素子1の一方の第二壁100dと対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端(蓄電素子1の他方の第二壁100dと対応する位置に配置される第四端)とを有する。
【0129】
これに伴い、終端部材30は、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、終端部材30は、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
【0130】
フレーム31は、一対の終端部材30に亘って延びる接続部を有する。本実施形態では、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される第一接続部310と、蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置される第二接続部311とを有する。すなわち、フレーム31は、Z軸方向で間隔を空けて並ぶ一対の接続部310,311を有する。
【0131】
本実施形態に係るフレーム31は、第一接続部310と第二接続部311とに支持部312が繋がることによって枠体状に形成される。これに伴い、本実施形態における蓄電装置では、X軸方向と直交する方向(以下、Y軸方向とする)における蓄電素子1の一方に配置される第一接続部310、第二接続部311、支持部312を有する部材を第一連結部材31Aとし、Y軸方向における蓄電素子の他方側に配置される第一接続部310、第二接続部311、支持部312を有する部材を第二連結部材31Bとして以下の説明を行う場合がある。
【0132】
そして、フレーム31は、終端部材30と連結される固定部313を有する。
【0133】
第一接続部310は、長手をなす方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する。
【0134】
また、第一接続部310は、長手をなす方向と直交する方向に屈曲している。第一接続部310において、屈曲する部分を境とする一方の部分は、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される。第一接続部310において、屈曲する部分を境とする他方は、蓄電素子1の第二壁100dと対応する位置に配置される。
【0135】
第二接続部311は、長手をなす方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する。
【0136】
第二接続部311は、長手と直交する方向に屈曲している。そして、第二接続部311は、屈曲する部分を境とする一方の部分が蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置され、屈曲する部分を境とする他方の部分が蓄電素子1の第二壁100dと対応する位置に配置される。
【0137】
なお、接続部(第一接続部310、及び第二接続部311)は、X軸方向における中央部がインシュレータ4に向けて凸となるように湾曲していることが好ましい。このようにすれば、インシュレータ4(第一の絶縁部40、及び第一のシール部41)は、X軸方向における接続部の中央部とスペーサ2(スペーサ2A)の延出部22Aとにより強固に挟み込まれる。
【0138】
支持部312は、第一接続部310の第一端と第二接続部311の第一端とに繋がる第一支持部312aと、第一接続部310の第二端と第二接続部311の第二端とに繋がる第二支持部312bとを有する。
【0139】
固定部313は、第一接続部310の第一端と第二端とに形成される一対の第一固定部313aと、第二接続部311の第一端と第二端とに形成される一対の第二固定部313bとを有する。
【0140】
一方の第一固定部313aは、一方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。他方の第一固定部313aは、他方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。そして、一対の第一固定部313aのそれぞれは、貫通穴300bと対応する位置に第一穴部313cが形成されている。
【0141】
そのため、第一接続部310は、終端部材30の貫通穴300bと、第一固定部313aの第一穴部313cとに挿通したボルトにナットを螺合させることによって該終端部材30に連結される。
【0142】
一方の第二固定部313bは、一方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。他方の第二固定部313bは、他方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。そして、一対の第二固定部313bのそれぞれは、貫通穴300bと対応する位置に第二穴部313dが形成されている。
【0143】
そのため、第二接続部311は、終端部材30の貫通穴300bと、第二固定部313bの第二穴部313dとに挿通したボルトにナットを螺合させることによって該終端部材30に連結される。
【0144】
インシュレータ4は、絶縁性を有する材料で構成されている。インシュレータ4は、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリスチレン等の材料で構成することができる。これらの材料は、ガラス繊維又はアラミド繊維等の繊維を含有していないことが好ましい。本実施形態に係るインシュレータ4は、ポリプロピレンで構成される。また、インシュレータ4は、複数のスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)のそれぞれと保持部材3との間に配置される。
【0145】
そのため、インシュレータ4は、複数のスペーサ2の延出部のそれぞれと保持部材3との間に配置される第一の絶縁部40であって、前記保持部材3に当接する第一の絶縁部40と、該第一の絶縁部40と連続する第一のシール部41であって、前記複数のスペーサ2の延出部のそれぞれに当接する第一のシール部41と(
図2参照)、を有する。
【0146】
また、インシュレータ4は、外部スペーサ2B(X軸方向における両端に配置されるスペーサ2)の接続辺25Bと保持部材3との間に配置される第二の絶縁部42と、該第二の絶縁部42と連続する第二のシール部43であって、外部スペーサ2Bの接続辺25Bに当接する第二のシール部43と(
図2参照)、を有する。
【0147】
第一の絶縁部40は、第一接続部310とスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)との間、第二接続部311とスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)との間のそれぞれに配置される。すなわち、インシュレータ4は、一対の第一の絶縁部40を有する。
【0148】
各第一の絶縁部40は、X軸方向に長手をなす。また、一方の第一の絶縁部40は、第一接続部310とスペーサ2とに挟まれている。そのため、一方の第一の絶縁部40は、第一接続部310と当接する。他方の第一の絶縁部40は、第二接続部311とスペーサ2とに挟まれている。そのため、他方の第一の絶縁部40は、第二接続部311に当接する。
【0149】
第一のシール部41は、弾性を有する。上述のように、スペーサ2は、ガラス繊維を含有するポリプロピレンで構成され、インシュレータ4は、ポリプロピレンで構成されている。そのため、第一のシール部41は、内部スペーサ2Aの被当接面221A,222A、及び外部スペーサ2Bの被当接面231B,232Bよりも剛性が低い。
【0150】
図10及び
図11に示すように、第一のシール部41は、内部スペーサ2Aの延出部22Aの第一の被当接面221Aと、外部スペーサ2Bの延出部23Bの第一の被当接面231Bとに当接するシール部410と、内部スペーサ2Aの延出部22Aの第二の被当接面222Aと、外部スペーサ2Bの延出部23Bの第二の被当接面232Bとに当接するシール部411とを有する。
【0151】
なお、
図10は、
図9における領域R1に対応する位置の断面図であり、
図11は、
図9における領域R2に対応する位置の断面図である。
【0152】
一方のシール部410は、突条に形成される(本実施形態では、X軸方向に長手をなす突条に形成される)。一方のシール部410は、各内部スペーサ2Aの第一の被当接面221Aと、各外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bとに対して傾斜する方向に延出する。
【0153】
上述のように、各内部スペーサ2Aの第一の被当接面221Aと、各外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bとは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。これに伴い、一方のシール部410は、Y軸方向に真直ぐに延出する。
【0154】
他方のシール部411は、突条に形成される(本実施形態では、X軸方向に長手をなす突条に形成される)。他方のシール部411は、各内部スペーサ2Aの第二の被当接面222Aと、各外部スペーサ2Bの第二の被当接面232Bとに対して傾斜する方向に延出する。
【0155】
上述のように、各内部スペーサ2Aの第二の被当接面222Aと、各外部スペーサ2Bの第二の被当接面232Bとは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。これに伴い、本実施形態に係る他方のシール部411は、Y軸方向に真直ぐに延出する。
【0156】
このように、第一のシール部41では、一方のシール部410が内部スペーサ2Aの延出部22Aの第一の被当接面221Aと、外部スペーサ2Bの延出部23Bの第一の被当接面231Bとに当接し、他方のシール部411が内部スペーサ2Aの延出部22Aの第二の被当接面222Aと、外部スペーサ2Bの延出部23Bの第二の被当接面232Bとに当接する。そのため、一方のシール部410は、他方のシール部411よりも通風路23A,24Bに近い位置に配置されている。
【0157】
なお、本実施形態に係る第一のシール部41において、一方のシール部410の突出長(第一の絶縁部40からの延出量)は、他方のシール部411の突出長と同一又は略同一にしたり、他方のシール部411の突出長よりも大きくしたり、他方のシール部411の突出長よりも小さくしたりしてもよいが、他方のシール部411の突出長よりも大きくなっていることが好ましい。
【0158】
第二の絶縁部42は、
図5に示すように、第一支持部312aと一対の外部スペーサ2Bとの間、第二支持部312bと一対の外部スペーサ2Bとの間のそれぞれに配置される。すなわち、インシュレータ4は、一対の第二の絶縁部42を有する。
【0159】
各第二の絶縁部42は、Z軸方向に長手をなす。一方の第二の絶縁部42は、第一支持部312aと当接する。他方の第二の絶縁部42は、第二支持部312bと当接する。
【0160】
第二のシール部43は、弾性を有する。上述のように、スペーサ2は、ガラス繊維を含有するポリプロピレンで構成され、インシュレータ4は、ポリプロピレンで構成されている。そのため、第二のシール部43は、外部スペーサ2Bの被押圧面251B,252Bよりも剛性が低い。
【0161】
図12に示すように、第二のシール部43は、外部スペーサ2Bの接続辺25Bの第一の被押圧面251Bに当接するシール部430と、外部スペーサ2Bの接続辺25Bの第二の被押圧面252Bに当接するシール部431とを有する。
【0162】
一方のシール部430は、突条に形成される(本実施形態では、Z軸方向に長手をなす突条に形成される)。一方のシール部430は、第一の被押圧面251Bに対して傾斜する方向に延出する。
【0163】
上述のように、第一の被押圧面251Bは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。これに伴い、一方のシール部430は、Y軸方向に真直ぐに延出する。
【0164】
他方のシール部431は、突条に形成される(本実施形態では、Z軸方向に長手をなす突条に形成される)。他方のシール部431は、第二の被押圧面252Bに対して傾斜する方向に延出する。
【0165】
上述のように、各外部スペーサ2Bの第二の被押圧面252Bは、X軸方向及びZ軸方向に広がる平面に対して傾斜している。これに伴い、他方のシール部431は、Y軸方向に真直ぐに延出する。
【0166】
上述のように、外部スペーサ2Bにおいて、第一の被押圧面251Bは、第二の被押圧面252Bよりも通風路24Bに近い位置に配置される。そのため、一方のシール部430は、他方のシール部431よりも通風路24Bに近い位置に配置されている。
【0167】
なお、本実施形態に係る第二のシール部43において、一方のシール部431の突出長(第二の絶縁部42からの延出量)は、他方のシール部431の突出長と同一又は略同一にしたり、他方のシール部431の突出長よりも大きくしたり、他方のシール部431の突出長よりも小さくしたりしてもよいが、他方のシール部431の突出長よりも大きくなっていることが好ましい。
【0168】
なお、インシュレータ4では、第一のシール部41の各シール部410と、第二のシール部43の各シール部430とのそれぞれがひとつながりに形成されている。また、インシュレータ4では、第一のシール部41の各シール部411と、第二のシール部43の各シール部431とのそれぞれがひとつながりに形成されている。
【0169】
そのため、インシュレータ4では、第一のシール部41の各シール部410と、第二のシール部43の各シール部430とが第一のシール部41の各シール部411と、第二のシール部43の各シール部431とによって包囲されている。
【0170】
以上のように、本実施形態に係る蓄電装置は、インシュレータ4の第一の絶縁部40が保持部材3に当接し、第一の絶縁部40と連続する第一のシール部41がスペーサ2の延出部(本実施形態では、内部スペーサ2Aの延出部22A、外部スペーサ2Bの延出部23B)に当接する。
【0171】
そのため、蓄電装置では、保持部材3とスペーサ2の延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体をインシュレータ4の第一の絶縁部40とインシュレータ4の第一のシール部41とによって遮ることができる。
【0172】
より具体的に説明する。上述のように、蓄電装置では、通風路23A,24Bの一端に隣り合う位置と、通風路23A,24Bの他端に隣り合う位置とのそれぞれにダクト5が配置されている。
【0173】
そのため、蓄電装置では、インシュレータ4とスペーサ2との間(本実施形態では、内部スペーサ2Aの延出部22Aの外角面とインシュレータ4の第一の絶縁部40との間、及び外部スペーサ2Bの延出部23Bの外角面とインシュレータ4の第一の絶縁部40との間)に冷却用の流体が流れ込もうとする。
【0174】
しかしながら、本実施形態に係る蓄電装置では、第一の絶縁部40と連続する第一のシール部41が内部スペーサ2Aの延出部22A、外部スペーサ2Bの延出部23Bに当接するため、内部スペーサ2Aの延出部22Aの外角面とインシュレータ4の第一の絶縁部40との間、及び外部スペーサ2Bの延出部23Bの外角面とインシュレータ4の第一の絶縁部40との間に流れ込もうとする冷却用の流体の流れを遮ることができる。
【0175】
従って、蓄電装置では、保持部材3とスペーサ2の延出部との間に流れ込もうとする流体を各通風路23A,24Bに流通させることができる。このようにして、蓄電装置では、通風路23A,24Bを流れる冷却用の流体の減少が抑えられる。
【0176】
また、第一のシール部41は、弾性を有するとともに、内部スペーサ2Aの第一の被当接面221A、及び外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bのそれぞれよりも剛性が低くなっている。
【0177】
そのため、第一のシール部41は、内部スペーサ2Aの第一の被当接面221A、及び外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bに当接するに伴って弾性変形する。これにより、第一のシール部41には、弾性力が作用する。
【0178】
なお、本実施形態において、蓄電装置における第一のシール部41は、内部スペーサ2Aの第一の被当接面221A、及び外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bに対して傾斜する方向に延出している。
【0179】
そのため、蓄電装置では、第一のシール部41を内部スペーサ2Aの第一の被当接面221A、及び外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bに当接させることによって、該第一のシール部41を弾性変形させている。
【0180】
これにより、第一のシール部41が内部スペーサ2Aの第一の被当接面221A、及び外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bから離れ難くなる。従って、蓄電装置では、保持部材3とスペーサ2の延出部との間に流れ込もうとする流体がより確実に遮られる。
【0181】
また、蓄電装置において、第一のシール部41は、内部スペーサ2AのZ軸方向で並ぶ延出部22Aのそれぞれと、外部スペーサ2BのZ軸方向で並ぶ延出部23Bのそれぞれとに当接する。そのため、蓄電装置では、内部スペーサ2AのZ軸方向で並ぶ延出部22Aのそれぞれと保持部材3との間、外部スペーサ2BのZ軸方向で並ぶ延出部23Bのそれぞれと保持部材3との間のそれぞれに流れ込もうとする流体が第一のシール部41によって遮られる。すなわち、蓄電装置では、Z軸方向の両端において、保持部材3とスペーサ2の延出部との間に流れ込もうとする流体が第一のシール部41によって遮られる。
【0182】
そして、蓄電装置において、第一のシール部41は、内部スペーサ2Aの延出部22A、及び外部スペーサ2Bの延出部23Bのそれぞれと接触する突条に形成されている。そのため、蓄電装置では、保持部材3と複数のスペーサ2のそれぞれの延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体の流れが第一のシール部41によって遮られる。
【0183】
そのため、蓄電装置では、保持部材3と複数のスペーサ2のそれぞれの延出部との間に流れ込もうとする流体を各通風路23A,24Bに流通させることができる。
【0184】
さらに、蓄電装置は、一対の第二のシール部43のそれぞれの一方のシール部430が外部スペーサ2Bの接続辺25Bに当接している。そのため、蓄電装置では、外部スペーサ2Bの接続辺25Bと保持部材3との間に流れ込もうとする流体が第二のシール部43によって遮られる。
【0185】
このように、蓄電装置では、内部スペーサ2Aの延出部22Aのそれぞれと保持部材3との間に流れ込もうとする流体に加えて、外部スペーサ2Bの接続辺25Bと保持部材3との間に流れ込もうとする流体も、各通風路23A,24Bに流通させることができる。
【0186】
また、第一のシール部41は、内部スペーサ2Aの第一の被当接面221A及び外部スペーサ2Bの第一の被当接面231Bのそれぞれに当接するシール部410と、内部スペーサ2Aの第二の被当接面222A及び外部スペーサ2Bの第二の被当接面232Bのそれぞれに当接するシール部411とを有する。
【0187】
そのため、保持部材3とスペーサ2の延出部との間に流れ込もうとする冷却用の流体を第一のシール部41の一対のシール部410,411によって遮ることができる。そのため、蓄電装置では、保持部材3とスペーサ2の延出部との間に流れ込もうとする流体がより確実に遮られる。
【0188】
なお、本発明に係る蓄電装置は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0189】
上記実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、略矩形状であり、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさになっている。しかしながら、内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のそれぞれの姿勢を対応させることができれば、略矩形状であるものに限定されず、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさであるものにも限定されない。
【0190】
上記実施形態において、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状であり、且つ蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。しかしながら、ベース20Bは、隣り合う蓄電素子1の姿勢と終端部材30の姿勢とを対応させることができれば、ベース20Bは、略矩形状に形成されているものに限定されず、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさで形成されているものにも限定されない。
【0191】
上記実施形態において、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの角部のそれぞれに規制部21Bが形成されている。しかしながら、規制部21Bは、ベース20Bに対して蓄電素子1を配置する位置を決定することができれば、ベース20Bに形成される位置が限定されるものではない。
【0192】
上記実施形態において、インシュレータ4の第一のシール部41は、Y軸方向で真直ぐに延出し、前記複数の延出部22Aのそれぞれにおける、延出部22Aの被当接面221A,222Aは、前記インシュレータ4の第一のシール部41が延びる方向に対して傾斜する方向に広がるように形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記インシュレータ4の第一のシール部41は、前記第一方向(X軸方向)と直交する第二方向(Y軸方向)に対して傾斜する方向に延出し、前記複数のスペーサ2のそれぞれにおける、延出部22Aの被当接面221A,222Aは、X軸方向及びZ軸方向に広がるように形成されていてもよい。
【0193】
上記実施形態において、インシュレータ4は、第一のシール部41と第二のシール部43とを備えていたが、これに限定されるものではなく、例えば、インシュレータ4は、第一のシール部41のみを備えるようにしたり、第二のシール部43のみを備えるようにしたりしてもよい。
【0194】
上記実施形態において、インシュレータ4は、一対の第一のシール部41のそれぞれの一方のシール部410と一対の第二のシール部43のそれぞれの一方のシール部430とが、一対の第一のシール部41のそれぞれの他方のシール部411と一対の第二のシール部43のそれぞれの他方のシール部431とによって包囲されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、インシュレータ4は、一対の第一のシール部41のそれぞれが一方のシール部410のみを備え、一対の第二のシール部43のそれぞれが一方のシール部430のみを備えるようにしたり、一対の第一のシール部41のそれぞれが他方のシール部411のみを備え、一対の第二のシール部43のそれぞれが他方のシール部431のみを備えるようにしたりしてもよい。
【0195】
上記実施形態において、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、接続辺25Bを有するようになっていたが、これに限定されるものではない。例えば、一対の外部スペーサ2Bのうちの一方の外部スペーサ2Bが接続辺25Bを有するようにしてもよい。この場合、インシュレータ4は、一つの第二の絶縁部42と、一つの第二のシール部43とを有するようにしてもよい。
【0196】
また、上記実施形態において、インシュレータ4は、第一の絶縁部40、第一のシール部41、第二の絶縁部42、第二のシール部43を有するようになっていたが、これに限定されるものではない。例えば、インシュレータ4は、第二の絶縁部42、第二のシール部43を有するようにしてもよい。尚、第一のシール部41は、スペーサ2の延出部22A、23Bにあってもよく、或いは、スペーサ2の延出部22A、23Bとインシュレータ4の第一の絶縁部40の間に、独立してシール部材があってもよい。また、インシュレータ4と保持部材3が一体型であってもよい。
【0197】
上記実施形態において、吸気ファンを用いて冷却用の流体を通風路23A,24Bへ流し込む構成としていたが、これに限定されない。例えば、吸気ファンの代わりに排気ファンを用い、流体を吐き出す力を用いて冷却用の流体を通風路23A,24Bへ流す構成としてもよい。
【0198】
排気ファンを用いた場合、蓄電素子1の冷却に寄与しない流体(通風路23A,24Bを通過しない流体)が、保持部材3とスペーサ2との間の隙間を通じて発生し得る。しかし、インシュレータ4の第一のシール部41、第二のシール部43によって、保持部材3とスペーサ2との間の隙間を通過する流体を抑制できる。そのため、通風路23A,24Bを流れる冷却用の流体が減少することを抑えることができる。