(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603732
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】イメージングカートリッジ及びイメージングカートリッジに使用される記憶チップ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20191028BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20191028BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20191028BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
B41J2/175 175
G03G21/18 185
G03G21/18 189
G03G21/00 500
G03G21/00 396
G03G21/00 510
B41J2/01 451
B41J2/175 303
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-562995(P2017-562995)
(86)(22)【出願日】2016年4月26日
(65)【公表番号】特表2018-520907(P2018-520907A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】CN2016080214
(87)【国際公開番号】WO2016192486
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】201510304233.5
(32)【優先日】2015年6月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512246042
【氏名又は名称】珠海納思達企業管理有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】▲ウェイ▼ ▲シェン▼雨
【審査官】
村石 桂一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−246372(JP,A)
【文献】
特開2015−079188(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103332015(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0270814(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3175714(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
G03G21/00
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能に取り付けられるイメージングカートリッジに着脱可能に取り付けられる、イメージングカートリッジに使用される記憶チップであって、
前記記憶チップを前記画像形成装置に電気的に接続するとともに、前記画像形成装置から送信された命令を受信するためのインターフェイスユニットと、
前記イメージングカートリッジに関連する情報を記憶するための記憶ユニットと、
前記記憶ユニットに記憶されている前記イメージングカートリッジに関連する情報に基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定するための使用寿命判定ユニットと、
前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に不正確に応答することにより異常化処理を行って、前記画像形成装置が前記記憶チップに異常があると認めて該画像形成装置に画像形成動作を停止させるようにするための異常化処理ユニットと
を備える
ことを特徴とする記憶チップ。
【請求項2】
前記使用寿命判定ユニットは、印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定し、
前記イメージングカートリッジに関連する情報は、前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶チップ。
【請求項3】
前記使用寿命判定ユニットは、印刷材料残量情報が予め設定された閾値に達したか否か、印刷材料使用量情報が予め設定された閾値に達したか否か、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットが変化したか否かに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定し、
前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータは、前記印刷材料残量情報、印刷材料使用量情報、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の記憶チップ。
【請求項4】
前記異常化処理ユニットは、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、前記記憶チップの電気特性を変化させることにより前記画像形成装置の命令に不正確に応答する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶チップ。
【請求項5】
前記異常化処理ユニットから送信された不正確応答命令に応じて、前記画像形成装置に前記記憶チップに異常があると認めさせるための不正確な応答を前記画像形成装置へ送信する制御ユニットを備え、
前記異常化処理ユニットは、前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、前記制御ユニットへ前記不正確応答命令を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶チップ。
【請求項6】
前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の記憶チップが着脱可能に取り付けられていることを特徴とするイメージングカートリッジ。
【請求項7】
画像形成装置に画像形成動作を停止させる方法であって、
前記画像形成装置には、イメージングカートリッジが着脱可能に取り付けられており、前記イメージングカートリッジには、記憶チップが着脱可能に取り付けられており、前記画像形成装置は前記記憶チップに電気的に接続されており、
前記記憶チップは、
前記画像形成装置から送信された命令を受信するステップと、
前記イメージングカートリッジに関連する情報に基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定するステップと、
前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定した場合に、前記画像形成装置から送信された命令に不正確に応答することにより異常化処理を行って、前記画像形成装置が前記記憶チップに異常があると認めて該画像形成装置に画像形成動作を停止させるようにするステップと
を実行することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記イメージングカートリッジに関連する情報に基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定するステップは、
印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定すること
を含み、
前記イメージングカートリッジに関連する情報は、前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータを含む
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することは、
印刷材料残量情報が予め設定された閾値に達したか否か、印刷材料使用量情報が予め設定された閾値に達したか否か、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットが変化したか否かに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定すること
を含み、
前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータは、前記印刷材料残量情報、印刷材料使用量情報又は印刷材料残量状態を示す標識ビットを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記画像形成装置の命令に不正確に応答することは、
前記画像形成装置に前記記憶チップに異常があると認めさせるための不正確な応答を前記画像形成装置へ送信すること、又は
前記記憶チップの電気特性を変化させること
を含む
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に画像形成技術に関し、特にイメージングカートリッジ及びイメージングカートリッジに使用される記憶チップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イメージングカートリッジの使用状態をリアルタイムに監視するために、一般的に、関連情報を記憶する記憶チップをイメージングカートリッジに設けてある。通常、該記憶チップには、記憶モジュール、インターフェイスユニット等が設けられている。該記憶チップはインターフェイスユニットを介して画像形成装置(例えば、インクジェットプリンター、レーザープリンター等)と電気的に接続してデータ伝送用の通路を形成する。記憶モジュールは、例えば、画像形成材料の残量、印刷ページ数、製造日等のデータ等のような、イメージングカートリッジに関連する情報を記憶する。また、印刷画像形成動作に伴い、画像形成装置は、例えば、上記印刷ページ数、画像形成材料の残量等情報のような、上記記憶チップにおける可変データを次第に更新する。
【0003】
通常、画像形成装置では、記憶チップにおける一部の可変データが予め設定された閾値に達したか否かを判定することで、該イメージングカートリッジの使用寿命が尽きるか否かを判定する。例えば、画像形成材料の残量が予め設定された閾値に達したか否かを判定する。画像形成装置では、主に液滴噴射数量や液滴重量等のデータに基づいて画像形成材料の残量を推算するため、ある程度の計算誤差が存在する。計算誤差が存在するため、画像形成装置によりイメージングカートリッジ内の画像形成材料が切れると提示された場合には、イメージングカートリッジ内の画像形成材料が既に使い切られた可能性もあるし、少量の画像形成材料が存在する可能性もある。
【0004】
通常、画像形成装置では、上記画像形成材料の残量が予め設定された閾値に達した場合に、画像形成装置のディスプレイ又はクライアントのパソコンにて「画像形成材料が切れ、印刷続行しますか」とユーザに提示する。この場合、実際的には、イメージングカートリッジ内の画像形成材料が既に使い切られた可能性もあるし、イメージングカートリッジ内の画像形成材料が少し残っている可能性もある。この場合にユーザが印刷操作の続行を選択したら、画像形成材料が既に使い切られたとき、画像形成装置が画像形成材料の不足で空印刷を実行するため、画像形成装置の故障が起きやすくなり、画像形成装置の使用寿命が短くなる虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術課題は、従来の画像形成装置において画像形成材料の残量が予め設定された閾値に達した場合でも画像形成動作が続行されるため装置の故障が起きやすいという不具合を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、イメージングカートリッジに使用される記憶チップを提供する。記憶チップは、画像形成装置に着脱可能に取り付けられるイメージングカートリッジに着脱可能に取り付けられ、イメージングカートリッジに使用される記憶チップであって、前記記憶チップを前記画像形成装置に電気的に接続するとともに、前記画像形成装置から送信された命令を受信するためのインターフェイスユニットと、前記イメージングカートリッジに関連する情報を記憶するための記憶ユニットと、前記記憶ユニットに記憶されている前記イメージングカートリッジに関連する情報に基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定するための使用寿命判定ユニットと、前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて異常化処理を行うための異常化処理ユニットとを備える。
【0007】
好ましくは、前記使用寿命判定ユニットは、印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定し、前記イメージングカートリッジに関連する情報は、前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータを含む。
【0008】
好ましくは、前記使用寿命判定ユニットは、印刷材料残量情報が予め設定された閾値に達したか否か、印刷材料使用量情報が予め設定された閾値に達したか否か、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットが変化したか否かに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定し、前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータは、前記印刷材料残量情報、印刷材料使用量情報、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットを含む。
【0009】
好ましくは、前記異常化処理ユニットは、前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置の命令に応答しないか、又は前記画像形成装置の命令に正確に応答しないことにより、前記異常化処理を行う。
【0010】
好ましくは、前記異常化処理ユニットは、前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、前記記憶ユニットに記憶されている一部又は全部のデータを消去することにより前記画像形成装置の命令に応答しないか、又は、前記記憶チップの電気特性を変化させることにより前記画像形成装置の命令に正確に応答しない。
【0011】
好ましくは、該記憶チップは、前記異常化処理ユニットから送信された応答禁止命令に応じて前記画像形成装置の命令に対する応答を停止するための制御ユニットを備え、前記異常化処理ユニットは、前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、前記制御ユニットへ前記応答禁止命令を送信する。
【0012】
好ましくは、前記異常化処理ユニットから送信された不正確応答命令に応じて、前記画像形成装置に前記記憶チップに異常があると認めさせるための不正確な応答を前記画像形成装置へ送信するための制御ユニットを備え、前記異常化処理ユニットは、前記使用寿命判定ユニットにより前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、前記制御ユニットへ前記不正確応答命令を送信する。
【0013】
また、本発明は前記記憶チップが着脱可能に取り付けられているイメージングカートリッジを提供する。
【0014】
さらに、本発明は画像形成装置に画像形成動作を停止させる方法を提供する。前記画像形成装置には、イメージングカートリッジが着脱可能に取り付けられており、前記イメージングカートリッジには、記憶チップが着脱可能に取り付けられており、前記画像形成装置は前記記憶チップに電気的に接続されており、前記記憶チップは、前記画像形成装置から送信された命令を受信するステップと、前記イメージングカートリッジに関連する情報に基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定するステップと、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定した場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて異常化処理を行うステップとを実行する。
【0015】
好ましくは、前記イメージングカートリッジに関連する情報に基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定するステップは、印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することを含み、前記イメージングカートリッジに関連する情報は、前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータを含む。
【0016】
好ましくは、印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することは、印刷材料残量情報が予め設定された閾値に達したか否か、印刷材料使用量情報が予め設定された閾値に達したか否か、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットが変化したか否かに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することを含み、前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータは、前記印刷材料残量情報、印刷材料使用量情報又は印刷材料残量状態を示す標識ビットを含む。
【0017】
好ましくは、前記画像形成装置から送信された命令に応じて異常化処理を行うことは、前記画像形成装置の命令に応答しないか、又は前記画像形成装置の命令に正確に応答しないことにより、前記異常化処理を行うことを含む。
【0018】
好ましくは、前記画像形成装置の命令に応答しないことは、前記記憶ユニットに記憶されている一部又は全部のデータを消去すること、又は前記画像形成装置の命令に対する応答を停止することを含む。
【0019】
好ましくは、前記画像形成装置の命令に正確に応答しないことは、前記画像形成装置に前記記憶チップに異常があると認めさせるための不正確な応答を前記画像形成装置へ送信すること、又は前記記憶チップの電気特性を変化させることを含む。
【発明の効果】
【0020】
従来技術に比べると、本発明は、画像形成装置においてイメージングカートリッジ内の画像形成材料が使い切られた可能性がある場合に空印刷で故障が起きるという不具合を効果的に避けることができる。
【0021】
本発明の他の特徴及び利点については、以降の明細書に説明し、一部が明細書から自明なものであり、又は本願に係る発明を実施することにより理解できるものである。本発明の目的及び他の利点は明細書、特許請求の範囲及び図面に特定された構造及び/又は手順によって実現され得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は本願に係る発明又は従来技術への更なる理解に用いられ、明細書の一部を構成している。ここで、本発明に係る実施例を示す図面は、本発明に係る実施例とともに本願に係る発明の解釈に用いられるが、本願に係る発明を制限するものではない。
【
図1】本発明に係る実施例の記憶チップの構造模式図である。
【
図2】本発明に係る実施例の記憶チップの他の構造模式図である。
【
図3】本発明に係る実施例の画像形成装置に画像形成動作を停止させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳しく説明することにより、本発明が技術手段を利用して技術課題を解決してその技術効果を奏するメカリズムは十分に理解され、実施される。本発明に係る実施例及び実施例における各特徴は、互いに矛盾しない前提で互いに組み合わせることができ、得られた全ての発明は本願の技術的範囲に属する。
【0024】
また、フローチャートに示すステップは、例えばコンピュータが実行可能な命令を実行するコンピュータシステムシステムにより実行される。さらに、フローチャートに論理的順序が示されているが、図示又は説明されたステップをこの順序と異なる順序で実行してもよい。
【0025】
画像形成材料が不足した可能性がある場合に画像形成装置が空印刷(イメージングカートリッジ内の画像形成材料が不足した場合でも画像形成動作が続行されること)を実行して故障が起きるリスクを回避するために、本発明では、画像形成材料が不足した場合に画像形成装置による画像形成動作を早めに強制的に停止させ、イメージングカートリッジの交換をユーザに促して、画像形成装置に空印刷で故障が起きることを回避することが好ましい。
【0026】
通常の画像形成装置はインクジェット記録装置及びレーザー記録装置を含む。これに対して、通常のイメージングカートリッジは主にインクが収容されているインクカートリッジと、トナーが収容されているトナーカートリッジとを含む。以下、インクジェットプリンター及びインクカートリッジのみを例として、図面に基づいて各実施例の発明を詳しく説明する。当業者であれば、後述する実施例に係る発明が他のタイプの印刷材料収容用容器及びそれに対応する記録装置にも同様に適用されると理解すべきである。同様に、印刷材料の容器は例えばトナーカートリッジ等、印刷用の材料を収容可能な容器であってもよい。
【0027】
本発明に係る実施例では、イメージングカートリッジに着脱可能に取り付けられる記憶チップの構造は
図1に示されており、該イメージングカートリッジ(図示しない)は画像形成装置に着脱可能に取り付けられる。
【0028】
図1において、該記憶チップは、インターフェイスユニット110、記憶ユニット120、制御ユニット130、使用寿命判定ユニット140及び異常化処理ユニット150を備える。
【0029】
ここで、インターフェイスユニット110は、該記憶チップ100を上記画像形成装置200に電気的に接続するとともに、上記画像形成装置200から送信された命令を受信することに用いられる。インターフェイスユニット110と画像形成装置200との接続は、例えば、リード線又は触点で接触して接続する有線式であってもよいし、例えばブルートゥース(登録商標)、赤外線、WIFI等を介して非接触で接続する無線式であってもよい。
【0030】
記憶ユニット120はイメージングカートリッジに関連する情報を記憶することに用いられる。イメージングカートリッジに収容されている印刷材料がインクである場合に、イメージングカートリッジに関連する情報は、例えば、インクカートリッジ識別情報、メーカー、製造日、インク量フラグビット、インク使用量及びインク残量等であってもよい。インクカートリッジ識別情報は、インク色情報であってもよく、記憶ユニット120のデバイスアドレスであってもよく、又はインクカートリッジのタイプを区別可能な他の情報であってもよい。インク量フラグビットは、一般的にインク量の充足及び不足という2つの状態を標記するためのものである。該記憶ユニット120としては、例えばEPROM、EEPROM、FLASH、強誘電体メモリ、相変化メモリ等、通常の不揮発性メモリを使用しているが、例えばSRAM及び電池又はコンデンサ、DRAM及び電池又はコンデンサのような揮発性メモリ及び給電用電源を使用してもよい。
【0031】
制御ユニット130は、インターフェイスユニット110及び記憶ユニット120に接続されており、上記画像形成装置200から送信された命令に応じて該記憶ユニット120に対する読み書き動作を行うことに用いられる。
【0032】
本実施例の記憶チップ100は、使用寿命判定ユニット140及び異常化処理ユニット150をさらに備える。
【0033】
使用寿命判定ユニット140は記憶ユニット120に接続されており、前記記憶ユニット120に記憶されている情報に基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することに用いられる。
【0034】
異常化処理ユニット150は、インターフェイスユニット110及び使用寿命判定ユニット140に接続されており、前記使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置200から送信された命令に応じて前記記憶チップ100に対して異常化処理を行う。記憶チップ100に対して異常化処理を行うことは、正常状態にある記憶チップ100を異常化させて異常状態にさせることである。異常状態にある記憶チップは、画像形成装置と正常に通信できない。画像形成装置は、記憶チップと正常に通信できないため、正常に作業できない。従って、正常状態にある記憶チップに対して異常化処理を行うことにより、画像形成装置に画像形成動作を停止させることができる。
【0035】
前記使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きていないと判定された場合に、上記制御ユニット130は、前記画像形成装置200から送信された命令に応じて前記記憶ユニット120に対する読み書き動作を行う。一方で、前記使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、上記制御ユニット130は画像形成装置200から送信された命令に応答しなければよい。
【0036】
使用寿命判定ユニット140が、前記記憶ユニット120に記憶されている情報に基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することは、具体的に以下の方法を含むことができる。
【0037】
1つの方法では、記憶ユニット120に印刷材料の残量情報が記憶されており、使用寿命判定ユニット140が、該印刷材料残量情報が予め設定された閾値に達したか否かに基づいて、イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定する。例えば、閾値を印刷材料のインク満タン量の1%に設定したとき、該印刷材料残量情報に示される印刷材料残量が印刷材料のインク満タン量の1%以下である場合に、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定する。一方で、該印刷材料残量情報に示される印刷材料残量が印刷材料のインク満タン量の1%よりも大きい場合に、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きていないと判定する。
【0038】
もう1つの方法では、記憶ユニット120に印刷材料の使用量情報が記憶されており、使用寿命判定ユニット140が、該印刷材料使用量情報が予め設定された閾値に達したか否かに基づいて、イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定する。例えば、閾値を印刷材料のインク満タン量の99%に設定したとき、該印刷材料使用量情報に示される印刷材料使用量が既に印刷材料のインク満タン量の99%以上に達した場合に、イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定する。一方で、該印刷材料使用量情報に示される印刷材料使用量が印刷材料のインク満タン量の99%よりも小さい場合に、イメージングカートリッジの使用寿命が尽きていないと判定する。
【0039】
他のもう1つの形態では、記憶ユニット120に印刷材料残量状態を示す標識ビットが設定されており、初期即ち標識ビットが変化していない場合に、印刷材料残量が充足する(尽きていない)ことを示すが、標識ビットが変化した場合に、印刷材料がまもなく使い果たし、印刷材料残量がまもなく0になることを示す。これにより、使用寿命判定ユニット140は、設定された該標識ビットが変化したか否かに基づいて、前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することができる。
【0040】
本発明の実施例では、前述した印刷材料の残量情報で示すイメージングカートリッジに残った印刷材料の量、及び標識ビットで示すイメージングカートリッジに残った印刷材料の量は、印刷材料の残量を直接に示すパラメータとされる。イメージングカートリッジにおける印刷材料のインク満タン量及び使用された量に基づいても、イメージングカートリッジに残った印刷材料の量を得ることができる。従って、印刷材料の使用量情報は、印刷材料の残量を間接に示すパラメータとすることができる。
【0041】
記憶チップには、印刷材料の残量を直接又は間接に示す他のパラメータが記憶されてもよい。前述した印刷材料残量、印刷材料使用量又は印刷材料残り状態標識ビットのような、印刷材料残量を直接又は間接に示すパラメータであれば、イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かについての判定において判定対象とすることができる。パラメータは例示された上記印刷材料残量、印刷材料使用量又は印刷材料残り状態標識ビットに限らない。
【0042】
前記記憶チップに対する異常化処理は、画像形成装置の特徴によって異なってもよい。例えば、一部の画像形成装置では、記憶チップの応答を受信したか否かを、チップが異常であるか否かを判定するための基準とする場合に、記憶チップが画像形成装置の命令に応答しなければ、異常化処理が実現される。一部の画像形成装置では、受信された記憶チップの応答が正確であるか否かを、チップが異常であるか否かを判定するための基準とする場合に、記憶チップから不正確な信号(予期に合致しない信号)を画像形成装置に返答すれば、異常化処理を実現することができる。従って、上記異常化処理ユニット150は、「画像形成装置の命令に応答しない」又は「画像形成装置の命令に応答するが、間違ったデータを画像形成装置に送信する」という方法等により、記憶チップに対する異常化処理を行うことができる。ここで、画像形成装置の命令に合致しないデータであれば、本発明に係る実施例における間違ったデータとすることができる。
【0043】
記憶チップに対して異常化処理を行うことにより、画像形成装置が記憶チップに異常があると認めて画像形成装置による画像形成動作をタイムリーに停止するようにし、印刷材料量不足で画像形成装置が空印刷を実行して損傷されることは回避される。
【0044】
本発明の実施例では、画像形成装置から送信された命令に応答しないことにより記憶チップ100の異常化処理を実現する場合がある。使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、異常化処理ユニット150は、記憶チップ100に対して異常化処理を行い、即ち、記憶ユニット120における一部のデータ又は全部のデータを消去する。記憶ユニット120に記憶されているデータは一般的に2種類あり、一種はアプリケーションプログラムデータであり、これらは画像形成装置により読み取られず、書き直されないデータであり、これらのアプリケーションプログラムデータは記憶チップの制御フローを構成している。他の一種はプリンタにより読み取られるか又は書き直されるイメージングカートリッジデータであり、例えば、前述したイメージングカートリッジに関連する情報であり、インクカートリッジ識別情報、メーカー、製造日、インク量フラグビット等を含む。
【0045】
従って、異常化処理ユニット150によりアプリケーションプログラムデータが消去された場合に、記憶チップ100は既定の制御フローを一切実行できないため、画像形成装置の命令に応答することができない。一方で、異常化処理ユニット150によりイメージングカートリッジデータが消去された場合に、記憶チップ100は、既定の制御フローを実行することができ、画像形成装置の命令に応答することができるが、有効的なデータは読み取られない。
【0046】
記憶チップにASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を使用している場合には、記憶チップの制御機能は既に回路に設定されているため、このタイプの記憶チップにおいて、記憶ユニット120に記憶されているデータの大部分又は全部はイメージングカートリッジデータである。一方で、記憶チップにMCU(Micro Controller Unit:マイクロコントローラ)を使用している場合に、記憶チップの制御機能は、アプリケーションプログラムデータを書き込まなければ実現できないため、このタイプの記憶チップにおいて、記憶ユニット120に記憶されているデータは、上記アプリケーションプログラムデータ及びイメージングカートリッジデータという2種類を含むのが必然である。MCUは汎用コントローラーであるため、何かの機能を実現しようとする場合に、適当なプログラムを書き込む必要がある。
【0047】
画像形成装置から送信された命令に応答しないことにより記憶チップ100の異常化処理を実現する場合には、異常化処理ユニット150は、記憶チップ100が画像形成装置の命令に応答することを禁止してもよい。記憶チップ100が制御ユニット130を介して画像形成装置の命令に応答するため、この場合に異常化処理ユニット150を制御ユニット130に接続する必要がある。
図2に示すように、使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、異常化処理ユニット150は、制御ユニット130へ応答禁止命令を送信することにより、記憶チップ100における制御ユニット130が画像形成装置から送信された命令に応答することを禁止する。制御ユニット130は、異常化処理ユニット150から送信された応答禁止命令を受信した場合に、画像形成装置の命令に対する応答を停止する。これにより、画像形成装置は、記憶チップ100の応答を受信することができないため、記憶チップ100に異常があると認めて、画像形成装置による画像形成動作をタイムリーに停止させる。このように、印刷材料量不足で画像形成装置が空印刷を実行して損傷されることは効果的に回避される。
【0048】
画像形成装置の命令に対する応答を禁止することについて、例えば、画像形成装置が記憶チップ100の印刷材料残量情報を読み取ろうとする場合に、異常化処理ユニット150は、制御ユニット130が印刷材料残量に関するデータを画像形成装置に返答することを禁止する。
【0049】
なお、標準IIC(inter−integrated circuit bus)プロトコルでは、画像形成装置から記憶チップ100へ1バイトのデータを送信した場合、記憶チップ100はデータを受信したことを示すために1つのローレベル信号を返答すべきである(パリティチェックやCRC巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)に合致する場合)。この場合、記憶チップ100は、このような返答すべきローレベル信号を返答しなくてもよい。これにより、画像形成装置は、記憶チップ100に異常があると認めて、タイムリーに画像形成動作を停止することができる。この場合に、画像形成装置から記憶チップ100へ送信する1バイトのデータは、前述した記憶チップ100へ送信する命令である。記憶チップ100では、該1バイトのデータを受信した場合、異常化処理ユニット150からローレベル信号の返答を禁止する命令を制御ユニット130へ送信し、これにより、記憶チップ100は該1バイトのデータに対応するローレベル信号を返答せず、画像形成装置は、ローレベル信号を受信することができないため、記憶チップ100に異常があると認めて画像形成動作を停止する。
【0050】
本発明に係る実施例では、画像形成装置から送信された命令に応答するが予期に合致しない信号を返答することで記憶チップ100の異常化処理を実現する場合がある。画像形成装置の命令に応答する際に、不正確な信号を画像形成装置に返答するために、記憶チップ100の異常化処理ユニット150は、使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、記憶チップ100に対して異常化処理を行う。即ち、画像形成装置へ不正確な応答を1つ送信し、該不正確な応答が画像形成装置から送信された命令のフィードバック予期を超えたため、画像形成装置は、記憶チップ100に異常があると認めて、タイムリーに画像形成動作を停止することができ、印刷材料量不足で画像形成装置が空印刷を実行して損傷されることは回避される。
【0051】
記憶チップ100は制御ユニット130を介して画像形成装置の命令に応答する。このため、この場合に、異常化処理ユニット150は制御ユニット130に接続する必要がある。使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、異常化処理ユニット150は制御ユニット130へ不正確応答命令を送信することにより、画像形成装置から送信された命令に正確に応答しないことを記憶チップ100における制御ユニット130に指示する。制御ユニット130の作用により、記憶チップ100は、画像形成装置へ1つの不正確な応答を送信することで、画像形成装置が記憶チップ100に異常があると認めて画像形成装置による画像形成動作をタイムリーに停止するようにし、印刷材料量不足で画像形成装置が空印刷を実行して損傷されることは回避される。
【0052】
前述した不正確な応答とは、記憶チップから画像形成装置の予期に合致しないデータを画像形成装置へ返答することを示す。このようなデータは、画像形成装置から送信された命令に整合しておらず、記憶チップの正常の応答標準又は内容に合致していない。例えば、画像形成装置が記憶チップのメーカー情報を読み取る際に、1つの不正確なメーカーのデータ、又はメーカーを表すことができないデータを画像形成装置へ折角返答する。画像形成装置が記憶チップの識別情報を読み取る際に、1つの存在しない(即ち不正確な)識別情報、又は、存在するが識別情報を表すことができないデータを画像形成装置へ折角返答する。また、記憶チップ及び画像形成装置の間には、データの暗号化及び検証の処理がよく行われる。例えば、画像形成装置は、命令を送信することにより、ある暗号演算を行うことを記憶チップに指示する(一般的には、記憶チップは暗号アルゴリズムが設定されているが、画像形成装置は具体的な暗号アルゴリズムを把握している。記憶チップが演算を行った後に画像形成装置へフィードバックしたデータが正確であれば、記憶チップが正常であると認められる)。本実施例の異常化処理ユニット150は、制御ユニット130に、間違った暗号アルゴリズムで暗号演算を行わせ、又は、間違った入力パラメータで暗号演算を行わせて、1つの不正確な応答を画像形成装置へ返答させる。
【0053】
なお、急変データも不正確な応答の一種である。例えば、印刷材料の残量が切れた場合に、100%ひいては110%又は−10%等、正常の残量範囲を超えた急変データを画像形成装置へ1つ返答することも、画像形成装置の予期に合致していない。
【0054】
本発明の他の実施例では、画像形成装置の命令に応答する際に、不正確な信号を画像形成装置へ返答するために、記憶チップ100の異常化処理ユニット150は、使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、記憶チップ100に対して異常化処理を行って記憶チップ100の電気特性を変化させる。
【0055】
一般的に、記憶チップと画像形成装置とは、一定の電気特性によって通信を行い、例えば、一定のクロック周波数で通信を行い、記憶チップの作動電圧、作動電流等は全て相対的に安定する範囲内に変化するものである。
【0056】
本発明の実施例では、使用寿命判定ユニット140により前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定された場合に、前記画像形成装置から送信された命令に応じて、異常化処理ユニット150は、記憶チップ100の電気特性を変化させ、例えば、クロック信号を強制的に引き下げて、クロック信号を異常にさせる。これにより、画像形成装置はクロック信号に基づいて記憶チップに異常状況があると認めて画像形成動作を停止する。又は、記憶チップの消費電力を増加させ、例えばある回路を短絡させて電流を大きくさせることで、画像形成装置が記憶チップに異常があると認めて画像形成動作を停止するようにする。又は、画像形成装置が記憶チップに異常があると認めて画像形成動作を停止するように、記憶チップの作動電圧を引き下げる。例示したこれらの電気特性以外、記憶チップの他の電気特性を変化させてもよい。記憶チップに異常があることを画像形成装置に知らせて画像形成動作を停止させることができればよい。
【0057】
本発明の実施例では、記憶チップが画像形成装置に記憶チップに問題が発生して異常状態になっていると誤認させるための方法について、代表的な方法を2つ挙げている。1つは画像形成装置の命令に応答しない方法であり、合理的な時間以内に記憶チップの応答を受信できなければ、画像形成装置は、記憶チップに異常状況があって異常状態となっていると認める。もう1つは画像形成装置の命令、特にある肝要な命令に対して不正確なデータを返答する方法である。勿論、全ての命令に対して間違ったデータを返答してもよい。画像形成装置は、合理的な時間以内に記憶チップからの正確な応答を受信できなければ、記憶チップに異常状況があって異常状態になっていると認める。このように、画像形成装置は、応答の受信に期待しているが応答を受信しなかった場合、又は予期の応答の受信に期待しているが予期しない応答を受信した場合に、記憶チップに問題が発生したと認めて、画像形成動作を停止する。これにより、印刷材料量不足で画像形成装置が空印刷を実行して損傷されることは効果的に回避される。
【0058】
本発明に係る実施例は、上記記憶チップを有するイメージングカートリッジを含み、該イメージングカートリッジは1つの画像形成装置に着脱可能に取り付けられている。本発明に係る実施例におけるイメージングカートリッジについては、前述した本発明に係る実施例の記憶チップを参考することができる。
【0059】
上記記憶チップによれば、画像形成装置に画像形成動作を停止させる本発明に係る実施例の方法において、画像形成装置に少なくとも1つのイメージングカートリッジが着脱可能に取り付けられており、前述した実施例における記憶チップがイメージングカートリッジに着脱可能に取り付けられており、画像形成装置と記憶チップとが電気に接続されている。
【0060】
図3に示すように、記憶チップは該方法において以下のステップを実行する。
【0061】
ステップS310:画像形成装置から送信された命令を受信する。
【0062】
ステップS320:イメージングカートリッジに関連する情報に基づいてイメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定する。
【0063】
例えば、印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定することができる。ここで、前記イメージングカートリッジに関連する情報は前記印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータを含む。
【0064】
印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定する場合には、印刷材料残量情報が予め設定された閾値に達したか否かに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定してもよく、印刷材料使用量情報が予め設定された閾値に達したか否かに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定してもよく、印刷材料残量状態を示す標識ビットが変化したか否かに基づいて前記イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたか否かを判定してもよい。該印刷材料の残量を直接又は間接に示すパラメータは、前述した印刷材料残量情報、印刷材料使用量情報、又は印刷材料残量状態を示す標識ビットを含む。
【0065】
ステップS330:イメージングカートリッジの使用寿命が尽きたと判定した場合に、画像形成装置から送信された命令に応じて異常化処理を行う。
【0066】
本発明の実施例では、前記画像形成装置から送信された命令に応じて異常化処理を行うことは、前記画像形成装置の命令に応答しないこと、又は前記画像形成装置の命令に正確に応答しないことを含む。この2つの方法は全て前述した異常化処理を行うことができる。
【0067】
具体的に、前記画像形成装置の命令に応答しないことは、前記記憶ユニットに記憶されている一部又は全部のデータを消去することであってもよく、又は、前記画像形成装置の命令に対する応答を停止することであってもよい。
【0068】
前記画像形成装置の命令に正確に応答しないことは、前記画像形成装置に前記記憶チップに異常があると認めさせるための不正確な応答を前記画像形成装置へ送信することであってもよく、又は、前記記憶チップの電気特性を変化させることであってもよい。
【0069】
本発明に係る実施例の画像形成装置に画像形成動作を停止させる方法については、前述した本発明に係る実施例の記憶チップ及び前述した記憶チップを含むイメージングカートリッジに基づいて理解することができるため、ここで説明を省略する。
【0070】
当業者であれば以下のことが理解できる。上記本発明に係る実施例に示した装置の各組成部分、及び方法の各ステップが、単一の計算装置に集められてもよく、又は複数の計算装置からなるネットワークに分布されてもよい。選択的に、それらは計算装置が実行可能なプログラムコードによって実現される。これにより、それらを記憶装置に記憶して計算装置によって実行し、又は、それらをそれぞれ各集積回路モジュールにし、又は、そのうち複数のモジュール若しくはステップを単一の集積回路モジュールにすることにより実現される。このように、本発明は如何なる特定のハードウエア及びソフトウエアの組み合わせに限定されない。
【0071】
また、当業者であれば以下のことが分かる。上記方法を実現する実施例の全部又は一部のステップはプログラム命令又は関連するハードウエアによって実現することができる。前述したプログラムは1つのコンピュータが読取可能な記憶媒体に記憶することができる。該プログラムは実行時に上記各方法実施例のステップを含む。前述した記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等、プログラムコードを記憶することが可能な様々な媒体を含む。
【0072】
本発明に開示された実施の形態は以上通りであるが、前記内容は本発明を容易に理解するために採用された実施の形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明が属する分野の技術者であれば、本発明に開示された趣旨及び範囲から離脱しない前提で、可以在実施の形式及び細部に対して如何なる修正及び変更を行うことができる。しかし、本発明の特許請求範囲は添付の特許請求の範囲に準ずる。