特許第6603742号(P6603742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603742
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】流体送達装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20191028BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20191028BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   A61M5/28 500
   A61M5/28 510
   A61M5/28 520
   A61M5/28 530
   A61M5/32 530
   A61M5/20 570
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-35544(P2018-35544)
(22)【出願日】2018年2月28日
(62)【分割の表示】特願2015-541255(P2015-541255)の分割
【原出願日】2013年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-114301(P2018-114301A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】61/830,895
(32)【優先日】2013年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/724,392
(32)【優先日】2012年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515123122
【氏名又は名称】イインジェック テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライゼンバーグ モルソン、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】モルソン、アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ガネム、ジェイク
【審査官】 杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05971964(US,A)
【文献】 特開2008−073237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 3/00− 9/00
A61M 31/00
A61M 39/00−39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジを備える格納式針アセンブリであって、
前記シリンジが、
針を通過させるための開口をもつ端壁を有する剛性円筒状のバレルと、
前記バレル内部を軸線方向に移動して前記針が前記端壁の前記開口を通過するようになっているプランジャ・針ユニットと、
前記針を、前記針が前記端壁を越えて突出する位置から、前記針が前記端壁から抜けて前記バレル内部に後退する位置まで後退させる手段と
を含む、格納式針アセンブリにおいて、
前記端壁と組み合わせられた針ブロッキング装置を備え、
前記針ブロッキング装置が、前記針を後退させて前記開口から抜くと前記端壁の前記開口を横断するようになっている少なくとも1つの摺動部材を含み、
前記ブロッキング装置が、
前記バレルの前記端壁上で移動するように取り付けられた剛性キャップであって、前記剛性キャップの内側面及び前記バレルの外側面の一方に画成されたカムトラック、並びに、前記内側面及び前記外側面の他方に設けられたカムフォロアを含む剛性キャップと、
前記剛性キャップ及び前記バレルの端壁の内部に設けられたエネルギー貯蔵装置と、
前記剛性キャップ内に画成され、前記格納式針アセンブリがその初期位置にあるときに前記針と軸線方向に配列される開口と
を含み、
圧力が加えられると、前記エネルギー貯蔵装置が圧縮されて、前記針を前記剛性キャップの前記開口から突出させ、
圧力が解放されると、前記エネルギー貯蔵装置が膨張して、前記針が後退した後、前記カムフォロア及び前記カムトラックの相互作用によって、前記剛性キャップの前記開口を前記針との配列から外させるようになっている、格納式針アセンブリ。
【請求項2】
前記ブロッキング装置が、
前記端壁内に画成され、前記針の軸線と交差する横断ボアと、
前記横断ボアに沿って摺動移動し、前記針が前記バレルから突出する前の前記バレル内部の位置にある時に前記針の通路となるシャトルボアを有するシャトルと、
前記横断ボア内部に設けられたばねと
を含み、前記ばねが、前記針が後退すると、前記シャトルボアが前記針との配列から外れる位置まで前記シャトルを付勢する、請求項1に記載の格納式針アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載の主題は、概して流体送達装置に関し、より詳細には医療用経皮的流体送達インジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
皮下シリンジ及び他の種類のシリンジを含む従来のシリンジは一般に、シリンジバレルの端部から前方に突出した固定針を有する。皮下シリンジにおいて、バレルは、注射に使用される薬剤を含んでいる。シリンジの搬送時や実際に使用される前の保管時には、シリンジの針は、一般に、その針の周囲に嵌合する長尺のプラスチックキャップによって等、何らかの形態で保護される。更に、シリンジ全体が、紙又はプラスチックの容器に包装される場合もある。これらの包装技術は、シリンジの滅菌状態を確保するだけではなく、臨床医又はシリンジの他の使用者をシリンジの針で傷ついたり針が刺さったりしないように保護する働きもする。そのような事態は、一般に「針刺し」と称される。
【0003】
シリンジは通常、訓練を受けた専門家により病院や診療所内で取り扱われるため「針刺し」は起こりにくい。しかしながら、屋外では、特に緊急事態において、医薬品の送達が訓練を受けた専門家によって行われない場合がある。
【0004】
肝炎やAIDSウイルス等の感染のリスク、特にその影響の深刻度、及び、ウイルスが針によって伝搬されうるという知識によって、針刺しの可能性に対して重大な懸念が生じている。
【0005】
格納式の針も存在するが、それらは一般に血液サンプルを採取する種類のものである。使用前後において針が格納されるようになっているシリンジの多くは、機械的構造が複雑で高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、簡素で廉価且つ安全な流体送達装置を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、シリンジを備える流体送達インジェクタであって、シリンジが、長手方向軸線及び遠位端壁を有する周壁をもつバレルと、端壁に対して接近・離間するように長手方向軸線と平行にバレル内部で移動可能なプランジャと、その近位端においてプランジャに固着され、端壁に向かって軸線と平行に延在する少なくとも1つの中空針であって、バレル内部に含まれる針と、少なくともバレル内に画成された流体保持リザーバとを有する、流体送達インジェクタである。中空針は、リザーバの上流側に近位端に隣接した流入ポートと、その遠位端に排出ポートとを有する。流体保持リザーバは、容量封圧が流体に加えられると、針と流体連通し、針は、圧力がプランジャに対して遠位端壁の方向に加えられると同時に、バレルの端壁を越えて突出するようになっている、流体送達インジェクタである。
【0008】
より具体的な実施例において、少なくとも1つの中空針バレルが内部に含まれた状態でプランジャを端壁から離間した初期位置に保持し、圧力がプランジャから解放されると針をその初期位置に戻すエネルギー貯蔵装置が、シリンジ内部に設けられる。
【0009】
更により具体的な実施例において、主題は、経皮的流体インジェクタに関する。この具体的な実施例において、インジェクタは、1回又は複数回の投与量のワクチン等の薬を同時に投与するのに特に適しており、一時的な圧力が加えられて針を患者へと突出させるときのみ針がシリンジから突出するため、針刺しを回避できる。
【0010】
本発明の他の態様において、流体送達インジェクタは、シリンジを備え、そのシリンジが、長手方向軸線を有するバレルを画成する周壁と、バレル内部に設けられ、長手方向軸線と平行に直線運動するようになっているプランジャと、その近位端においてプランジャに固着され、軸線と平行に延在する少なくとも1つの中空針と、バレル及びプランジャの少なくとも一方内に画成され、容量封圧が流体に加えられると針と流体連通する流体保持リザーバとを有し、リザーバが、容量封圧を流体に与える少なくとも1つのエネルギー貯蔵部を含む。
【0011】
本発明の更に他の態様において、格納式針アセンブリは、シリンジを備え、そのシリンジが、針を通過させるための開口をもつ端壁を有する剛性円筒状のバレルと、バレル内部を軸方向に移動して針に端壁の開口を通過させるようになっているプランジャ・針ユニットと、針を、針が端壁を越えて突出する位置から、針が端壁から抜けてバレル内部に後退する位置まで後退させる手段とを含み、端壁と組み合わせられた針ブロッキング装置を備え、その針ブロッキング装置が、針を後退させて開口から抜くと端壁の開口を横断するようになっている少なくとも1つの摺動部材を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、バレルと、中空針が取り付けられたプランジャと、シリンジ内部に設けられた流体保持リザーバとを含むシリンジを使用して、少なくとも1回の投与量の流体薬剤を経皮的に身体内に注入する方法であって、バレル内部に含まれた針を維持する工程と、バレルの遠位端を患者の皮膚に対して押し付ける工程と、プランジャ及び流体保持リザーバに対して圧力を加えて、針をバレルを越えて突出させて患者の皮膚に穿刺する工程と、流体をリザーバから中空針を介して患者内に同時に移送する工程とを含む方法が提供される。
【0013】
本発明の一態様によれば、シリンジを備える流体送達インジェクタであって、そのシリンジが、長手方向軸線及び遠位端壁を有する周壁をもつバレルと、端壁に対して接近・離間するように長手方向軸線と平行にバレルと共に移動可能なプランジャと、その近位端においてプランジャに固着され、端壁に向かって軸線と平行に延在する少なくとも1つの中空針であって、バレル内部に含まれる針と、少なくともバレル内に画成された流体保持リザーバとを有し、流体保持リザーバが、容量封圧が流体に加えられると、針の流入ポートと流体連通し、針が、圧力がプランジャに対して遠位端壁の方向に加えられたときのみ、バレルの端壁を越えて突出するようになっている、流体送達インジェクタが提供される。
【0014】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの一態様によれば、少なくとも1つの中空針がバレル内部に含まれた状態でプランジャを端壁から離間した初期位置に保持し、圧力がプランジャから解放されると針を初期位置に戻すエネルギー貯蔵装置が、シリンジ内部に設けられる。
【0015】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの他の態様によれば、バレルの周壁が、潰すことが可能なエネルギー貯蔵材料である。
【0016】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、端壁に、針と密閉係合する穿刺可能なセプタムが設けられる。
【0017】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、シリンジに、プランジャと組み合わせられた硬質材料のプレス部材が、バレルの近位端において設けられる。
【0018】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、流体保持リザーバがバレル内に画成され、針に少なくとも1つの流入ポートがその針の近位端において設けられ、少なくとも1つの流入ポートが針の中空ボアをリザーバ内の流体と連通させる。
【0019】
本発明に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、バレルの周壁がエラストマー材料であり、エラストマーの壁がエネルギーを貯蔵することにより、流体に加えられる容量封圧をプランジャ及びバレルのエラストマーの壁を介して手動で与えられるようになっている。
【0020】
本発明に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、端壁が、穿刺可能なセプタムに適した材料であり、針が、端壁と密閉係合する。
【0021】
本発明に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、プランジャが、硬質材料で作られ、流入ポートが位置する針の基部における部分を囲繞する窪みを画成している。
【0022】
本発明に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、エラストマーの周壁が、アコーディオンの形状を有して横方向に拡張可能であり、非使用時には剛性キャップがバレルと係合して被覆する。
【0023】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの一実施例によれば、バレルの周壁が、剛性のシリンダであり、プランジャが、周壁と密閉接触しながら軸線に沿って摺動する。
【0024】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの他の実施例によれば、プランジャが、中空針と連通した拡張可能なチャンバを形成するエラストマーメンブレンを有する閉じたキャビティを含み、流体保持リザーバが、プランジャと端壁との間におけるバレル内部に形成され、プランジャ内に画成された導管を通じて拡張可能なチャンバと連通している。
【0025】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、プランジャが、針の軸線と同心の窪みを含み、エラストマーメンブレンが窪み内に設けられている一方、流体保持リザーバが端壁と窪み内のメンブレンとの間におけるバレル内部に形成されており、少なくとも1つの流入ポートが、リザーバ及び針の中空ボアと連通して針の近位端近傍に設けられ、圧力がプランジャに加えられると、針が端壁を越えて突出し、流体がメンブレンに押されて針内に流入するようになっている。
【0026】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、エラストマーメンブレンが、バレルの近位端に固定され、針の軸線と同心状に延在し、剛性のスリーブが、バレルの近位端に固定され、メンブレン内部においてそれと同心状に軸方向に延在し、プランジャが、スリーブ内部を摺動すると共にスリーブに対して封止され、流体保持リザーバが、プランジャに閉じ込められたメンブレン内部にある。
【0027】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、プランジャが、エラストマーから作られ、バレル内部に、流体保持リザーバを形成し中空針と流体連通した閉じたキャビティを画成している。
【0028】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、エネルギー貯蔵装置が、圧力がプレス部材から解放されるとプランジャをその初期位置に戻して針をバレル内へ後退させるためのコイルばねを、端壁とプランジャとの間におけるバレル内に含む。
【0029】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、第2の流体保持リザーバが、プランジャと端壁との間におけるバレル内部に形成され、少なくとも1つの二次針が、端壁を通って延在して、第2リザーバと連通し、エラストマー蛇腹が、端壁の遠位端部から延在して、閉じたキャビティと、少なくとも二次針が含まれる第2端壁とを画成し、別々の服用液体が第1及び第2リザーバにそれぞれ保持され、圧力がプレス部材に加えられると、針及び少なくとも二次針が端壁及び蛇腹を越えて突出して、別々の液体を患者に投与するようになっている。
【0030】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、プランジャが、遠位端壁を有するエラストマースリーブであり、プレス部材が剛性のブロックであり、スリーブに挿入されるがプランジャの遠位端壁からは離間して、中空針と連通する拡張チャンバとしてのキャビティを形成し、流体保持リザーバが、バレルの端壁とプランジャの遠位端壁との間におけるバレル内部に形成され、少なくとも1つのボアが、リザーバ及び拡張チャンバと連通するようにプランジャの遠位端壁を通って延在して、圧力がプレス部材に加えられると、針がバレルの端壁を通って患者内へ突出しながら、流体がリザーバから拡張チャンバを通って針に流入するようになっている、
【0031】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、エネルギー貯蔵装置が、エラストマースリーブであり、バレルの近位端とプランジャとの間に接続され延在して、圧力がプランジャから解放されたときに、針がバレルの範囲内に収まるようにプランジャ及び針を後退させるようになっている。
【0032】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの他の態様によれば、プランジャが、遠位端壁を有するエラストマースリーブであり、プレス部材が剛性のブロックであり、スリーブに挿入されるがプランジャの遠位端壁からは離間して、中空針と連通する拡張チャンバとしてのキャビティを形成し、円錐状の蛇腹がバレル内部に設けられ、針の軸線と同心状に端壁から延在して、バレル及びプランジャの遠位端壁内部にリザーバを画成してリザーバ内の流体に対して容量封圧を与えるようになっている。
【0033】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、プランジャ及び針を後退させるエネルギー貯蔵装置が、円錐状の蛇腹を囲繞するエラストマーの環状アコーディオン部材を含む。
【0034】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、プランジャが、プレス部材と一体化され、バレルと摺動接触して移動可能な剛性のシリンダであり、針と同心状のエラストマー蛇腹が、その基部において端壁と密閉係合するとともにその頂点においてプランジャの遠位端部と密閉係合して流体保持リザーバを画成し、針が、その針の近位端の近傍に、リザーバを中空針と連通させる流入ポートを有して、圧力がプレス部材に加えられたときに、針がバレルの端壁から突出して、流体がリザーバから針を通って流れるようになっている。
【0035】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、プランジャが、遠位端壁を有するエラストマースリーブの形状を有し、穿刺可能な遠位端壁を有する第2スリーブが、エラストマースリーブ内部を軸方向に摺動移動可能に設けられ、エラストマースリーブと第2スリーブとの間に第1キャビティを画成し、プレス部材が、第2スリーブと係合して、密閉された第2キャビティを共に形成し、針が、その針の近位端において、エラストマースリーブの遠位端壁内に固着され、針の近位端の部分が第1キャビティ内に突出すると共に、針の遠位端がバレルの端壁に向かって突出し、バレルと連通する少なくとも1つの二次針が、エラストマーの遠位端壁内に固着されて第1キャビティ内へと延在し、第1流体保持リザーバが、バレルの端壁と前記エラストマーの遠位端壁との間におけるバレル内に形成され、二次針と連通しており、混合チャンバが、別の成分を含むようになっている第2キャビティ内に形成され、少なくとも二次針が、第1リザーバと連通しており、圧力がプレス部材に加えられると、第2スリーブが、エラストマースリーブ内部を軸方向に移動して針及び二次針が第2スリーブの穿刺可能な端壁に穿刺され、プランジャがその軸方向移動を継続している間、第1リザーバからの流体が混合チャンバに入って第2成分と共に溶液を形成し、中空針がバレルの端壁から突出しながら、溶液が中空針に流入するようになっている。
【0036】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つが液体である少なくとも2つの成分を混合して得られる溶液を注入するための流体送達インジェクタであって、シリンジを備え、そのシリンジが、閉じた端壁を有するバレルと、バレル内部を軸方向に摺動可能なプランジャ及び近位端においてそのプランジャに固着された第1針とを含み、プランジャが、遠位端壁を有するエラストマースリーブの形状を有し、穿刺可能な遠位端壁を有する第2スリーブが、エラストマースリーブ内部を軸方向に摺動移動可能に設けられ、エラストマースリーブと第2スリーブとの間に第1キャビティを画成し、プレス部材が、第2スリーブと係合して、封止された第2キャビティを共に形成し、第1針が、第1キャビティ内に突出する部分を有し、少なくとも1つの二次針が、エラストマーの遠位端壁内に固着され、第1キャビティ内へと延在し、第1流体保持リザーバが、バレルの端壁とエラストマーの遠位端壁との間におけるバレル内に形成され、混合チャンバが、別の成分を含むようになっている第2キャビティ内に形成され、少なくとも二次針が、第1リザーバと連通して、圧力が、プレス部材、ひいてはプランジャに加えられると、第2スリーブがエラストマースリーブ内部を軸方向に移動して、第1針及び二次針を第2スリーブの穿刺可能な端壁に穿刺し、プランジャがその軸方向移動を継続している間、第1リザーバからの流体が混合チャンバに入って第2成分と共に溶液を形成し、第1針がバレルの端壁から突出する際に、溶液が第1針に流入するようになっている、インジェクタが提供される。
【0037】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、端壁が、針が後退した後、その針の移動をブロックする装置を含み、装置が、針の軸線と交差する横断ボアと、ボアに沿って摺動移動するようになっているシャトルと、針が液体の送達前にバレル内部の位置にある時に針の通路となるシャトルボアと、ボア内に設けられたばねとを含み、ばねが、針が液体の送達後に後退すると、シャトルボアが針との配列から外れる位置までシャトルを付勢する。
【0038】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、端壁が、針が後退した後、針の移動をブロックする装置を含み、装置が、バレルの遠位端上で移動するように取り付けられた剛性キャップであって、キャップの内側面及びバレルの外側面の一方に画成されたカムトラック、並びに、内側面及び外側面の他方に設けられたカムフォロアを含む剛性キャップと、キャップ及びバレルの端壁の内部に設けられたエネルギー貯蔵装置と、キャップ内に画成され、インジェクタがその初期位置にあるときに針と軸方向に配列される開口とを含み、圧力が加えられると、エネルギー貯蔵装置が圧縮されて、針をキャップの開口から突出させ、圧力が解放されると、エネルギー貯蔵装置が膨張して、針が後退した後、カムフォロア及びカムトラックの相互作用によって、キャップの開口を針との配列から外させるようになっている。
【0039】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる態様によれば、プレス部材が、バレルの軸線と同様に延在する軸線を有する窪みを画成し、プランジャの近位端が、軸線と平行なスナップフィンガを有し、圧力がプレス部材に加えられると、スナップフィンガが窪み内へ移動して係合して、プレス部材、プランジャ及び針の全体長さが短くなって、針を後退させたときに針を横断ボアから抜ける程度に、針を後退させるようになっている。
【0040】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、流体が液体である。
【0041】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの他の実施例によれば、液体が薬液である。
【0042】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、薬液がワクチンである。
【0043】
本発明の更に他の態様によれば、シリンジを備える流体送達インジェクタであって、そのシリンジが、長手方向軸線を有するバレルを画成する周壁と、バレル内部に設けられ、長手方向軸線と平行に直線運動するようになっているプランジャと、その近位端においてプランジャに固着され、軸線と平行に延在する少なくとも1つの中空針と、少なくともバレル内に画成され、容量封圧が流体に加えられると針と流体連通する流体保持リザーバとを有し、リザーバが、容量封圧を流体に与える少なくとも1つのエネルギー貯蔵部を含む、流体送達インジェクタが提供される。
【0044】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、中空針が、その近位端に隣接して流入ポートを有し、リザーバと中空針とが、流入ポートを介して流体連通している。
【0045】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、バレルの周壁が、エネルギーを貯蔵するようになっているエラストマー材料であり、流体に加えられる容量封圧が、プランジャ及びバレルのエラストマー壁を介して手動で与えられる。
【0046】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、バレルが、剛性の円筒状周壁と端壁とを含み、プランジャが、周壁と密閉接触しながら軸線に沿って摺動し、プランジャが、エラストマーメンブレンを有して中空針と連通する拡張可能なチャンバを形成する閉じられたキャビティを含み、流体保持リザーバが、プランジャと端壁との間におけるバレル内部に形成され、プランジャ内に画成された導管を介して拡張可能なチャンバと連通している。
【0047】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、バレルが、剛性の円筒状周壁と端壁とを有し、プランジャが、針の軸線と同心の窪みを含み、エラストマーメンブレンが窪み内に設けられている一方、流体保持リザーバが端壁と窪み内のメンブレンとの間におけるバレル内部に形成されている。
【0048】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、バレルが、剛性の円筒状周壁を有し、エラストマーメンブレンが、バレルの近位端に固定され、針の軸線と同心状に延在し、剛性のスリーブが、バレルの近位端に固定され、メンブレン内部をそれと同心状に軸方向に延在する一方、プランジャが、スリーブ内部を摺動するとともにスリーブに密閉され、流体保持リザーバが、プランジャに閉じ込められたメンブレン内部にある。
【0049】
本発明の更に他の態様によれば、シリンジを備える格納式針アセンブリであって、シリンジが、針を通過させるための開口をもつ端壁を有する剛性円筒状のバレルと、バレル内部を軸方向に移動して針が端壁の開口を通過するようになっているプランジャ・針ユニットと、針を、針が端壁を越えて突出する位置から、針が端壁から抜けてバレル内部に後退する位置まで後退させる手段とを含む、格納式針アセンブリにおいて、端壁と組み合わせられた針ブロッキング装置を備え、針ブロッキング装置が、針を後退させて開口から抜くと端壁の開口を横断するようになっている少なくとも1つの摺動部材を含むことを特徴とする格納式針アセンブリが提供される。
【0050】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更なる実施例によれば、ブロッキング装置が、端壁内に画成され、針の軸線と交差する横断ボアと、ボアに沿って摺動移動するようになっているシャトルと、針がバレルから突出する前のバレル内部の位置にある時に針の通路となるシャトルボアと、ボア内部に設けられたばねとを含み、ばねが、針が後退すると、シャトルボアが針との配列から外れる位置までシャトルを付勢する。
【0051】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の実施例によれば、ブロッキング装置が、バレルの遠位端上で移動するように取り付けられた剛性キャップであって、キャップの内側面及びバレルの外側面の一方に画成されたカムトラック、並びに、内側面及び外側面の他方に設けられたカムフォロアを含むキャップと、キャップ及びバレルの端壁の内部に設けられたエネルギー貯蔵装置と、キャップ内に画成され、インジェクタがその初期位置にあるときに針と軸方向に配列される開口とを含み、圧力が加えられると、エネルギー貯蔵装置が圧縮されて、針をキャップの開口から突出させ、圧力が解放されると、エネルギー貯蔵装置が膨張して、針が後退した後、カムフォロア及びカムトラックの相互作用によって、キャップの開口を針との配列から外させるようになっている。
【0052】
本発明の更に他の態様によれば、バレルと、中空針が取り付けられたプランジャであって中空針がプランジャに隣接した近位端流入ポートを有するプランジャと、バレル内部に設けられた流体保持リザーバとを含むシリンジを使用して、少なくとも1回の投与量の流体薬剤を経皮的に身体内に注入する方法であって、バレル内部に含まれた針を維持する工程と、バレルの遠位端を患者の皮膚に対して押し付ける工程と、プランジャ及び流体保持リザーバに圧力を加えて、針をバレルを越えて突出させて患者の皮膚に穿刺する工程と、流体をリザーバから中空針の流入ポートを介して患者内に移送する工程とを含む方法が提供される。
【0053】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、圧力を保持リザーバに加えると、流体が、プランジャが流体に流入ポートを通過させる方向とは反対の方向に移動する。
【0054】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、プランジャに対する圧力を解放することによって、プランジャを後退させて針をバレル内部に含まれた状態に戻す更なる工程を含む。
【0055】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、使用前に医薬流体を流体保持リザーバに予め装填することを含む。
【0056】
本明細書に記載の流体送達インジェクタの更に他の態様によれば、プランジャが、中空の圧縮可能なエラストマー流体保持リザーバであり、使用前に医薬流体がリザーバに予め装填されている。
【0057】
明確化のために、以下の表現をより詳細に説明する。
【0058】
「容量封圧(volume confining pressure)」とは、リザーバの一部を形成するエラストマーエネルギー貯蔵壁のように、リザーバ内の流体に任意の圧力を加えられる任意の装置をいう。エラストマーエネルギー貯蔵壁とは、圧力下で移動してリザーバの容積を低下させるリザーバの壁の一部であり、例えばプランジャである。記載では、例えば、プランジャにより圧力が加えられたときに伸長しうるメンブレンを説明している。メンブレンはエネルギーを貯蔵し、そのエネルギーが解放されると流体に圧力を加えて、その流体を針の中を移動させる。
【0059】
「プレス部材(press member)」とは、親指によって手動で、あるいは、機械装置を介することによって係合して、プランジャ、又はリザーバと組み合わせられた拡張チャンバに対して圧力を加えることが可能な装置をいう。
【0060】
「針と密閉係合する(sealingly engaging the needle)」とは、針が使用前にはその中に埋設され、針が配置されるときには針が通過するセプタム等の装置をいう。
【0061】
「セプタム(septum)」は、シリンジバレルの端部の任意の開口を閉じているが、中空針がバレルを越えて突出すると穿刺可能な穿刺可能な材料のバリアを指すのに用いられる。
【0062】
「固着された(anchored)」とは、針が常にプランジャと共に移動するように、その針が近位端において又はその近傍に固定されていることを意味する。
【0063】
以下、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】インジェクタの実施例の斜視図である。
図2図1に示すインジェクタの立面図である。
図3図2の線3−3に沿った長手方向断面である。
図3a図3に示す細部の拡大断片断面図である。
図4図3に実施例に基づく概略長手方向断面であり、追加的特徴を示す。
図4a図4に基づく概略図であり、動作時のインジェクタにおける液体の流れを示す。
図5】インジェクタの他の実施例の斜視図である。
図6図5の線6−6に沿った長手方向断面である。
図6a図6に示す細部の拡大断片断面図である。
図6b図6に示す更なる細部の拡大断片断面図である。
図6c図6aに基づく概略図であり、動作時のインジェクタにおける液体の流れを示す。
図7】インジェクタの更に他の実施例の斜視図である。
図8図7の線8−8に沿った長手方向断面である。
図9】インジェクタの更に他の斜視図のである。
図10図9の線10−10に沿った長手方向断面である。
図11】インジェクタの更なる実施例の斜視図である。
図12図11の線12−12に沿った長手方向断面である。
図13】インジェクタの更なる実施例の斜視図である。
図14図13の線14−14に沿った長手方向断面である。
図15】インジェクタの更なる実施例の斜視図である。
図16図15の線16−16に沿った長手方向断面である。
図17】インジェクタの代替の実施例の斜視図である。
図18図17の線18−18に沿った長手方向断面である。
図19図18に類似した長手方向断面であるがそれに対する構造的変形を示す。
図20】インジェクタの更なる代替の実施例の斜視図である。
図21図20の線21−21に沿った長手方向断面である。
図22】インジェクタの更なる代替の実施例の斜視図である。
図23図22の線23−23に沿った長手方向断面である。
図24】インジェクタの一部に沿った長手方向断面であり、その細部の実施例を示す。
図25図24の実施例を示す断片斜視図である。
図25a図25に示す細部の動作を示す概略立面図である。
図26】インジェクタの一部に沿った長手方向断面であり、その細部の他の実施例を示す。
図27図26の実施例を示す断片斜視図である。
図28】インジェクタの一部に沿った長手方向断面であり、その細部の更に他の実施例を示す。
図29図28の実施例を示す断片斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
経皮インジェクタ40の実施例を図1〜3に例示する。インジェクタ40は、円筒状のキャップ43に被覆されたシリンジ42を含む。シリンジ42は、端壁45を有するバレル44を含む。プレスブロック48が、バレル44の他端に固定されている。バレル44内部に完全に収容された中空の針50が、その基部54においてプレスブロック48に固着されている。
【0066】
プレスブロック48は、ポリカーボネート又は他の類似の材料から作ることができる。プレスブロックの近位端は、注射を投与する人物の親指を受容するようになっている浅い凹状面を有する。図3及び3aに示すように、プレスブロック48の遠位端は、プランジャ46を形成している。プランジャは、針50を囲繞する拡張チャンバ52を形成する窪みを含む。針50は、27ゲージ針又はそれよりも少し大きな針とすることができ、拡張チャンバ52の領域内において針50の壁に画成されたポート56と連通するボア60を画成している。針50の遠位端は、先鋭化された先端58となっている。
【0067】
バレル44は、保持カラー47によってプランジャ46に保持された近位フランジ44aを有する折り畳み可能なアコーディオンの形状を有する。一例において、バレル44を形成する材料は、ショアA硬度が80のシリコーンKE−2000である。バレル44の遠位端は、端壁45に接続されている。端壁45は、本実施例の目的のために、針50で穿刺可能なセプタムと称する。典型的に、端壁45の材料は、ショアA硬度が60のシリコーンKE2000とすることができる。記載のようなバレル44は、送達される流体用のリザーバを形成する。任意の類似の医療用エラストマー(medical grade elastomer)を、バレル及び端壁に使用してもよい。
【0068】
図4に示すように、端壁45には、それに貼り付けられたアルコール消毒綿パッド(alcohol swab pad)62が設けられてもよい。ピールカバーストリップ(peel−cover strip)64を追加して、キャップ43の代わりにアルコール消毒綿パッドを被覆してもよい。また、他の殺菌材を端壁45に設けてもよい。
【0069】
インジェクタ40は、必要な投与量が1mLの任意の注入可能な薬液用に設計されている。薬液は、予め封入されたワクチンであってもよい。ワクチンを患者に投与するには、まずキャップ43を取り外し、そして端壁45を患者の皮膚に当てるようにしてインジェクタ40を載置する。そして、プレスブロック48に僅かに圧力を加えると、バレル44のアコーディオン状の壁が横方向に拡張してエネルギーを貯蔵するとともに、流体に対して圧力を作り出し且つ針50を前方に移動させてセプタム又は端壁45に、そして最終的に患者の皮膚に穿刺する。圧力がプレスブロック48から解放される、バレル44のアコーディオン状の壁が、それが拡張したときに蓄積された貯蔵エネルギーによってその元の形状に戻ることによって、針50がバレル44内部に格納される。プレスブロック48が移動してバレル44を拡張している間、圧力がバレル44の壁内の貯蔵エネルギーからリザーバ内のワクチン液に加えられ、その液を針50のポート56から、ボア60を介して患者内へと押し出す。図4cは、プランジャ46の移動方向に対してやや反対側に、ポート56に向かって上流側に移動するリザーバ内のワクチン液の流れを例示する。
【0070】
図5〜6cは、経皮インジェクタとして使用するためのインジェクタの他の実施例を例示する。この実施例において、インジェクタ140は、剛性円筒状の壁をもつバレル144を有するシリンジ142を含む。バレル144の近位端は、中央開口143aを画成するキャップ143を含む。バレル144の遠位端は、ボア162を画成する端部ブロック145を備える。セプタム164が、ボア162の拡大端部を埋めている。セプタム164は、端部ブロック145の側壁に固着されたキャップの形状を有する。
【0071】
プランジャ146は、円筒状のバレル144内において軸方向に移動するようになっており、バレル144の壁とプランジャ146との間のシールとして機能する一対のOリング147を含む。プランジャ146には、メンブレン166により封じられた拡張チャンバ152を含むキャビティ168が設けられている。メンブレン166は、キャビティ168内において拡張するようになっているシリコーン材料のものとすることができるが、任意の類似のエラストマー材料を使用してもよい。リザーバが、薬又は他の液体薬物を受容するために、プランジャ146とバレル144の端部ブロック145との間に形成されている。ボア156により画成された導管がバレル144の軸線と平行にプランジャ146を横断している。導管156は、バレル144のリザーバ部と拡張チャンバ152との間を連通している。針150が、その針の基部154においてプランジャ146に固着されている。針150は、プランジャ146から軸方向にリザーバ部を通って端部ブロック145のボア162内へと延在している。針の先端158は、セプタム164内部に位置している。針150は、そのボア160を介して拡張チャンバ152と連通している。バレル144の剛性の壁内を移動するプランジャ146が、確実に針150を中央に位置付けている。
【0072】
押圧ハンドル148は、ヘッドと、ステム148aと、拡大基部148bとを含む。バレル144の近位端が拡大基部148を受容している。キャビティ172が基部148b内に画成されており、キャビティ172の口部を画成するカラー174を含む。プランジャ146の近位端はキャップ149を備えている。そのキャップ149は、互いに離間して軸方向に延在するフィンガ171により囲繞された通気ボア170を含む。各フィンガ171は、押圧ハンドル148により軸方向に圧力が加えられたときにカラー174と係合するようになっている横方向に拡大された先端を有する。
【0073】
コイルばね182が、バレル144内において、プランジャ146と端部ブロック145との間に延在している。
【0074】
端部ブロック145は、ボア162と交差した横断ボア176を画成している。シャトル178が、ボア176内部を摺動するようになっている、シャトル178は、横断ボア178aを含み、その内部には針150がその初期(デフォルト)位置において延在している。ばね180が、キャップ182によって、シャトル178に対して圧縮された状態でボア内に保持されている。
【0075】
操作時、薬又は他の医薬流体を患者の身体に経皮的に注入する必要がある場合には、インジェクタ140のセプタム部164を患者の皮膚に対して押し付ける。そして、圧力を押圧ハンドル148に加えて、プランジャ146をバレル144内部で端部ブロック145に向けて摺動させることによって、針150を前進させる。リザーバ内部の液体が、導管156を通って拡張チャンバ152内へと移動してメンブレン166を拡張させ、それにより液体を針150のボア160内へと流入させる。短い移動で、針150の先端158がセプタム164に、そして患者の皮膚に穿刺されて、液体を患者の身体内に送達する。プランジャ146が、圧縮されたばね182に対するその移動の終点に達するまで圧力が押圧ハンドル148に対して加わり続け、プランジャ146の近位端149にあるフィンガ171がキャビティ172内にスナップ式に嵌め込まれてカラー174によって捕捉される。スナップ音が、注射を投与している人物に対して、全ての投与量が投与されたことを警告する。更に、ここでは、後でより詳細に説明するように、押圧ハンドル148、プランジャ144及び針150の全体長さが短くなっている。
【0076】
圧力が押圧ハンドル148から解放されると、圧縮されたコイルばね182が、プランジャ146に針150をバレル144内へ後退させる。針の先端158がシャトル178を通過すると、ばね180が、シャトルをボア176内において横方向に移動させ、それにより、針150の通路を更なる使用のためにブロックする。押圧ハンドル148、プランジャ144及び針の組み合わせの長さが短いため、針150は、後退しながらその先端158をボア176から抜くのに十分なだけ移動する。
【0077】
操作をより良く理解できるように、図6cに示すように、液体の流れが、プランジャ146の方向に抗してバレル内のリザーバから導管156を通って拡張チャンバ152へと移動し、最終的に針150の開口近位端へと移動することに注意されたい。針を有するチャンバ内に液体のリザーバを有するこのような配置構成の目的は、インジェクタの大きさを低減することである。ほとんどの先行技術のインジェクタは、針、リザーバ及びプランジャを直列に配列させて有しているため、出来るだけコンパクトな設計を実現できなかった。
【0078】
以下の実施例は概念的なものでありその例示は概略的なものであることに注意されたい。その寸法比率は、常に正確というわけではなく単に当業者に対して示唆的なものである。図1〜6bに例示した実施例と同様、これらのインジェクタは、約1mLと少ない投与量を含むことを意図している。従って、シリンジの全体寸法は1又は2cm程度となる。
【0079】
図7及び8に示す実施例において、インジェクタ240は、剛性円筒状のバレル244を有するシリンジ242を含む。バレル244は、中央開口262を画成する端壁245を含み、中央開口262内にはセプタム264が位置している。プランジャ246は、バレル244内部を摺動する。バレル244は、端壁245とプランジャ246の遠位端との間にリザーバを画成している。
【0080】
プランジャ246は、その近位端に、アコーディオン形状のスリーブ272を含み、スリーブ272は、バレル244の遠位端に嵌合されたカラー266で終端している。近位端のスリーブ272及びカラー268を含むプランジャは、後で更に説明するようにエネルギー貯蔵装置として働くエラストマー材料から作ることができる。スリーブ272内部には、プレスプレート248が含まれる。プレスプレート248は、円筒状のスカート249と中心軸方向突起248aとを有して環状のキャビティ264を画成する。剛性のプレスプレート248は、そのスカート249と共にプランジャ246に対して構造を追加する。針250は、その基部254において中央突起248aに固着されている。環状のキャビティ264内部には、メンブレン266が位置しており、プランジャ246内部に拡張チャンバ252を形成している。プレスプレート248内には、通気開口270が画成されている。針250は、薬をリザーバから針250のボア260へと流通させるためのポート256を拡張チャンバ252の範囲内に含む。
【0081】
操作時、ワクチン又は薬を患者に注入する必要がある場合には、シリンジ242の端壁245を患者の皮膚に対して押し当て、圧力をプレスプレート248に加えることによって、針250を、セプタム264を介して患者の皮膚へと前進させる。プランジャ246が前進するにつれて、スリーブ272が引き延ばされて、リザーバ内部の薬液が環状のキャビティ264内部のメンブレン266を拡張させる。メンブレン266により液体に加えられる圧力によって、薬がポート256を通り、そして針250のボア260を通って患者内へと押し出される。
【0082】
図9及び10は、シリンジ342を有するインジェクタ340の更に他の実施例を示し、シリンジ342が、剛性円筒チューブ状の壁及び端壁345から作られるバレル344を含む。カラー370を含む袋状のメンブレン366が、バレル344の近位開口端からバレル344内部に延在している。カラー368を有する剛性のスリーブ372が、メンブレンカラー370を、バレル344のリムに対して、その近位端において保持している。プランジャ346が、スリーブ372内部において、その内側面と密閉接続した状態で摺動する。プランジャ346は、プレスプレートとしても働く。薬は、メンブレン366、プランジャ346及びスリーブ372により画成されたリザーバ内部に貯蔵される。針350が、その基部354においてプランジャ346内に固着されている。針350内には、リザーバ及び針350の中空ボア360内部の薬液と連通したポート356が設けられている。針350は鋭い先端358を有する。
【0083】
操作時、圧力がエンドプレート/プランジャ346に加えられると、針350が前進して端壁345に対してメンブレン366に穿刺されて、針358の先端が開口362内のセプタム364を通過して患者の皮膚内へ通過することが可能になる。伸長されたメンブレン366の圧力下で、薬液が針350のポート356及びボア360を通過する。
【0084】
図11及び12は、ワクチン又は他の医薬流体を経皮的に注入するのに適したインジェクタ440の他の実施例を示す。インジェクタ440は、端壁445を有する剛性円筒状のバレル444を有するシリンジ442含む。端壁は、セプタム464が設けられた開口462を含む。プランジャ446は、バレル444内部を摺動するが、図示のようにコイルばね474によって初期位置に保持される。プランジャ446は、薬液又はワクチンのためのリザーバ452を表す閉じられたキャビティを画成している。プランジャ446は、エラストマー材料から作られたアコーディオンの形状を有する。エンドプレート448が、プランジャ446の近位端に設けられる。針450が、その基部454において、プランジャ446の遠位端に固着されている。針450の中空ボア460は、リザーバ452と連通している。プランジャ446と端壁445との間に形成された空間はコイルばね474を含む。通気口470が設けられて、バレル444の空間内部の空気の移動を許容している。摺動スリーブ472が設けられて、通気口470を遮断又は解放するようになっている。
【0085】
操作時、エンドプレート445を患者の皮膚に当てるようにしてシリンジ442を載置する。そして圧力をプレスプレート448に加えることによって、針450を、セプタム464を通して患者の皮膚内に前進させる。プレスプレート448に対する更なる圧力によって、プランジャ446の近位端部にあるアコーディオン状の壁が潰れて、リザーバ452内部の薬が、針450のボア460を通過して患者内へと押し出される。圧力がプレスプレート448から解放されると、コイルばね474がプランジャ446をその初期位置に後退させて、針450をバレル444の範囲内に引き戻す。
【0086】
図13及び14に示す実施例は、2種類の異なる薬を別個の投与量で同時に注入できるインジェクタを例示する。インジェクタ540は、シリンジ542の一部を構成する剛性円筒状のバレル544を含む。バレル544は、中央開口562及びセプタム564を有する剛性の端壁545を含む。エネルギーを貯蔵する蛇腹状のバレル572が、端壁545の向こう側に、バレル544の軸線に沿って延在し、端壁574を含む。蛇腹状のバレル572はチャンバを画成しており、二次針568及び570が端壁545からチャンバ内へと延在している。針568及び570は、バレル544内のプランジャ546と端壁545との間に画成されたリザーバ566と連通している。プランジャ546は、図12において規定された種類のものであり、第1リザーバ552を画成するキャビティを含む。プレスプレート548が、リザーバ552を密閉している。針550が、プランジャ546の遠位端から延在し、その基部554においてその遠位端に固着されている。針550の遠位端558は、セプタム564内に位置している。針550の中空ボア560は、第1薬を含む第1リザーバ552と連通している。第2リザーバ566が、二次針568及び570に流通する第2薬を含む。図14はまた、図12の場合のように、プランジャ546を戻すためのコイルばねを含む。
【0087】
操作時、2種類の薬を別々に患者に注入する必要がある場合、蛇腹状のバレル572の端壁574を患者の皮膚に接触させ、圧力をシリンジ542に加えて蛇腹状のバレル572を潰し、針568及び570が患者の皮膚を貫通することができるようにする。圧力はプレスプレート548にも加えられることによって、プランジャ546が、リザーバ566内の薬を針568及び570を通過させる。同時に、プレスプレート548に加えられた圧力下で、針550が、セプタムを、そして最終的に端壁574を通って、患者内へ前進して薬をリザーバ552から注入する。図12に示すようなコイルばねを、本実施例に含めて、プランジャ546を後退させるようにしてもよい。しかしながら、シリンジ及びプレスプレートに対する圧力が解放されると、蛇腹状のバレル572が、針568及び570を後退させ、コイルばねが、プランジャ546及び針550を後退させる。
【0088】
図15及び16は、インジェクタ640が、バレル644を形成する剛性円筒状のチューブを有するシリンジ642を含む他の実施例を示す。プランジャ646は、バレル644の近位端においてカラー668に終端するエネルギー貯蔵スリーブ666を含む。バレル644は、端壁645をその遠位端に含み、端壁645は、開口662及びその開口662に埋められたセプタム664を有する。針650が、その基部654においてプランジャ646に固着されている。針650は、ボア660と鋭い先端658とを含む。先端658は、セプタム664内に埋設されている。
【0089】
プレスブロック648が、プランジャ646の一部を形成するスリーブ666内部に設けられて、プレスブロック648とプランジャ646との間に拡張チャンバ652を画成している。プランジャ646の端壁は、スリーブ666と同じ材料から作られて同じ様に弾性を有し、これにより拡張チャンバ652を作り出している。ボア670が、プランジャ646の端壁内に延在して、拡張チャンバ652と連通している。薬液剤は、プランジャ646と端壁645との間にバレル644により形成されたリザーバに貯蔵できる。
【0090】
操作時、シリンジ642を、壁645を接触させるようにして、患者の皮膚に対して押し付ける。圧力をプレスブロック648に加えると、プランジャ646が端壁645に向かって移動して、先端658が患者の皮膚に穿刺されるように針650を前進させる。リザーバ内の薬剤が押されてボア670を通って拡張チャンバ652へと流れ、そして針650のボア660を通って下方に流れる。圧力がプレスブロック648から解放されると、スリーブ666が、プランジャ646及び針650を後退させて、針650をバレル644内へと戻す。
【0091】
図17及び18に示すインジェクタ740は、シリンジ742を形成する剛性円筒状のチューブ状バレル744を含む。また、バレル744は、中央開口762を有する端壁745を含む。エラストマープランジャ746が、バレル744内部を摺動移動するように設けられる。プランジャ746は、プランジャ746内部に拡張チャンバ752を画成するプレスブロック748を収容している。ボア756を通じて、拡張チャンバ752がリザーバ757と連通しており、バレル744内部に薬を液体の形態で含む。針750が、その基部754においてプランジャ746内に固着されている。針は、ボア760と先端758とを含む。円錐状の蛇腹772が、端壁745に対して封止されて、プランジャ746及びバレル744の壁と共にリザーバ757を画成している。
【0092】
操作時、端壁745を接触させてシリンジ742を患者の皮膚に対して押し当てる。圧力をプレスブロック748に加えると、プランジャ746がバレル744内部を軸方向に移動して、そこで蛇腹772が圧力をリザーバ757内部の液体に加えて、針の先端758が患者の皮膚に穿刺されるときに液体が押されてボア756を通って拡張チャンバ752及び針750内へと流れる、蛇腹772も、その移動中、針750によって穿刺される。
【0093】
図19に示す実施例は、図17及び18に示したものと類似しているが、部分を示す符号は100ずつ増加させている。追加のアコーディオンスリーブ870が、エネルギーを貯蔵する蛇腹872と一体化されている。スリーブ870の材料は、蛇腹872のものと同じであり、エネルギーを貯蔵することが可能なエラストマー材料である。これにより、薬を患者の身体に注入した後、圧力がプレスブロック848から解放されると、アコーディオンスリーブ870が効果的に、プランジャ846を、ひいては針850をその初期位置に戻し、針850がバレル844内に完全に後退する。
【0094】
ここで、図20及び21に示す実施例を参照し、剛性円筒状のバレル1044を有するシリンジ1042を含むインジェクタ1040が提供される。プランジャは、バレル1044の近位端に挿入されたプレスブロック1048の形状を有する。バレルは、中央開口1062を画成する端壁1045を含み、中央開口1062内には、セプタム1064が嵌合されている。針1050が、その基部1054において、プランジャ/プレスブロック1048に固着されている。針は、その近位端にボア1060及びポート1056と、その遠位端に先鋭化された先端1058とを有する。
【0095】
円錐状の中空蛇腹1070が、バレル1044内部に設けられている。蛇腹1070は、その基部が端壁1045に封止され、その頂点が針1050の基部1054及びプランジャ/プレスブロック1048の遠位端面の周囲に封止されている。薬液が、蛇腹1070内部に含まれるリザーバ1052の内部に保持される。
【0096】
操作時、端壁1045が身体の皮膚に係合して圧力がプレスブロック1048に加えられると、蛇腹1070が、リザーバ1052内部の薬を圧縮して、ポート1056及び針1050を通過させる。針の先端1058が患者の皮膚に穿刺され、薬が針1050から患者内へ流れる。圧力がプレスブロック1048から解放されると、蛇腹1070がプレスブロック1048及び針1052をバレル1044内部のそれらの初期位置へと後退させる。
【0097】
図22及び23に示す次の実施例は、現場で混合される薬を考慮したものである。つまり、溶液を作る2つの成分を混合する。一方の成分を、粉末とし、他方を、注射を投与する際に混合される液体としてもよい。
【0098】
インジェクタ1140は、剛性円筒状のバレル1144及び遠位端壁1145を有するシリンジ1142を含む。開口1162が、端壁1145内に画成されて、セプタム1164で埋められている。プランジャ1146は、キャビティ1174を画成するエラストマースリーブ1166を含む。第2プランジャ1176が、スリーブ1166の近位端において装入され、第2リザーバ1153を画成している。第1リザーバ1152が、プランジャ1146と端壁1145との間に画成されている。針1150が、その基部1154においてプランジャ1146内に固着されており、先鋭化された先端を有する近位端延出部1159を含む。針1150は、軸方向ボア1160と、セプタム1164に埋設された先鋭化された先端1158とを含む。二次針1168及び1170もプランジャ1146内に設けられており、先鋭化された先端を有して二次プランジャ1176に向かって延在している。針1168及び1170は、リザーバ1152と連通している。最後に、プレスプレート1148が、第2プランジャ1176の近位端においてリザーバ1153を封止している。
【0099】
液体をリザーバ1152内に設けてもよく、塩等の粉末を第2リザーバ1153内に設けてもよい。
【0100】
操作時、シリンジ1142が患者の皮膚に対して押し付けられると、圧力がプレスプレート1148に加えられて、第2プランジャ1176をスリーブ1166内部において軸方向に移動させ、針1168,1170及び1159を第2プランジャ1176の薄い壁に穿刺させる。プレスプレート1148に対して更に圧力をかけることにより、プランジャ1146を、端壁1145に向かって軸方向に移動させて、これにより針1152を患者の皮膚に穿刺することができる。プランジャの移動が、リザーバ1152を加圧して、液体溶液を、針1168及び1170を介して第2リザーバ1153内へ通過させる。第2リザーバ1153において、この液体溶液は塩等の他の成分と混合されて溶液を形成する。そして、混合溶液は、針1150を通って患者の身体へと流入する。
【0101】
本実施例は、薬に反応性を持たせるために加えられる塩等の溶解性粉末が、混合物の化学的不安定性が理由で注射する前に混合させることができない場合に有用である。
【0102】
以下の例は、図6及び6bで説明した針ブロッキング装置の代替例である。以下の実施例では、シリンジのその部分のみを例示する。
【0103】
図24〜25aに示す実施例は、剛性円筒状のバレル1344と、端壁1345と、その端壁に設けられバレル1344の軸線に対して偏心した開口1362とを有するシリンジ1342を示す。円筒状の剛性キャップ1374が、その遠位端において、バレル1344に嵌合しており、キャップ1374と端壁1345との間に形成された空間内にばね1372を含む。開口1376がキャップ1374の端壁に画成され、初期位置にあるときに、端壁1345の開口1362に対して配列される。バレル1344の外側面には、壁に切り欠かれた差込式カムトラック(bayonet cam track)1378が存在する。カムフォロア1380が、キャップ1374のスリーブの内側面に設けられ、カムトラック1378と係合している。カムトラック1378は、軸方向部品1378aと、その軸方向部品1378aに対して鋭角の傾斜部品1378bとを有する。
【0104】
操作時、圧力を加えて針1350を移動させる際、カムフォロア1380は、カムトラック部品1378aの遠位端における図25及び25aに示す位置にある。針1350が、開口1362及びそれに対して配列された開口1376内のセプタム1364を通って患者内へ移動する。一方、キャップ1374は、バレル1344バレル1344上を軸方向に摺動して、ばね1372を圧縮している。同時に、カムフォロア1380は、鉛直方向部材1378aに沿って上昇している。圧力が解放されると、針1350が、バレル1344内へと後退し、ばね1372の影響下にあったキャップ1374が、その伸長された初期位置に戻る。そうする際、軸方向部品1378aの上部にあるスイッチ1381が、カムフォロア1380を、カムトラック1378の傾斜部品1378b内へと移動させて、キャップ1374を90°回転させることにより、開口1376を、偏心させて開口362に対して配列された状態から外す。これにより、針1350がその後シリンジ1342から外に出ることができなくなる。
【0105】
図26及び27は、この針機能停止の細部の他の実施例を示す。シリンジは、針1450を有するバレル1444を含み、針1450は、バレル1444の端壁1445に設けられた開口1462に対して軸方向に配列されている。エラストマーブラダー1476が、バレル1444から端壁1445を越えて延在している。端壁1445と平行なエンドプレート1466が、ブラダー1476と共にキャビティを画成している。エンドプレート1466は、円錐台形状の軸方向突起1470を有し、その中を、ボア1468が軸方向に通っている。複数のパイ形状のブロック1472a〜1472nが、キャビティ内に位置している。各ブロックは互いに同一であり、円錐台形状の突起1470に対応する面取り面1477を有する。
【0106】
操作時、圧力をバレル1444に対して加えると、エンドプレート1466が患者の皮膚に対して押し付けられて、ブラダー1476を拡張させる。円錐台形状の突起1470は、エンドプレート1445に向かって移動して、ブロック1472a〜1472nをブラダー1476に対して径方向外方に移動させ、これにより、ボア1468及び開口1462に対して配列された中央開口が設けられる。同時に、針1450は、配列された開口を通過する。圧力が解放されると、針1450がバレル1444内部に後退し、ブラダー1476が、ブロック1472a〜1472nをそれらの初期位置に戻して、針1450の通路をブロックする。
【0107】
類似の実施例を図28及び29に示すが、符号は100ずつ増加させている。本実施例において、端壁1545は、傾斜部1570と軸方向ボア1562とを有する。エラストマーブラダー1576が、ボア1574を有する第2ブロック1572をその初期位置に保持して、ボア1562及び1574の配列が互いにずれた状態になっている。しかしながら、軸方向圧力をバレル1544に与えると、ブラダー1576が潰れて、ボア1562及び1574が互いに対して配列されるまで、ブロック1572が傾斜1570上を軸方向且つ横方向に移動することが可能となっている。その後、針(不図示)は、配列されたボア1562及び1574を通過できる。圧力がバレル1544から解放されると、ブラダー1576が、ブロック1572を、その初期位置に向けて斜面1570に対して移動させて、ボア1562及び1574をその配列から外す。
図1
図2
図3
図3a
図4
図4a
図5
図6
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図25a
図26
図27
図28
図29