(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態1に係る遊技台(スロットマシン)について説明する。
【0011】
<全体構成>
まず、
図1及び
図2を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。
図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図であり、
図2は、スロットマシン100の入賞ラインの一例を示す図である。
【0012】
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0013】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110〜112の手前に設けられたリール窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。
【0014】
図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110〜112のそれぞれの図柄はリール窓113を通して各リール110〜112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。
【0015】
そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は、複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0016】
各々のリール110〜112の背面には、リール窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(本例では、白色のLED。図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、バックライトに加えて(または、替えて)、各々のリール110〜112を手前から照光する照光装置を備えてもよい。また、バックライトは白色のLEDに限定されるものではなく、他の発光手段を適用してもよい。また、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0017】
本実施形態では、左リール中段図柄(図柄位置2)、中リール中段図柄(図柄位置5)および右リール中段図柄(図柄位置8)で構成される中段入賞ラインL1と、左リール上段図柄(図柄位置1)、中リール中段図柄(図柄位置5)および右リール下段図柄(図柄位置9)で構成される右下がり入賞ラインL2と、左リール下段図柄(図柄位置3)、中リール中段図柄(図柄位置5)および右リール上段図柄(図柄位置7)で構成される右上がり入賞ラインL3の三つの入賞ラインが設けられている。
【0018】
ここで、入賞ラインとは、リール窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、後述する
図6で説明する入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否か(揃ったか否か)が判定されるラインのことである。
図2には、この入賞ラインL1〜L3が示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。本実施形態のスロットマシン100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満のときは、どの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに全入賞ラインL1〜L3が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。以下、リール窓113のうち、入賞ラインL1〜L3上の図柄位置1〜3、5及び7〜9を「入賞位置」、それ以外の図柄位置、つまり図柄位置4及び6を「非入賞位置」と称する場合がある。すなわち、入賞位置とは、入賞ライン上にあり、かつ入賞役に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止する位置をいう。
【0019】
なお、入賞ラインの数については3ラインに限定されるものではない。例えば、入賞ラインL1〜L3のほか、左リール上段図柄、中リール上段図柄および右リール上段図柄で構成される上段入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段入賞ラインの計5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、メダルのベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0020】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役1および特別役2)に内部当選していること、または、後述する特別遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
【0021】
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0022】
演出ボタン156は、遊技者が操作可能な操作部であり、本例では、遊技者による押下操作が可能なボタンで構成している。なお、本発明に係る「操作部」は、遊技者が操作可能なものであればよく、例えば、レバーやタッチパネル等で構成してもよい。また、操作部の数も一つに限定されず、操作部を複数備えていてもよい。
【0023】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
【0024】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。なお以下では、遊技者に払出される、と同様の意味で、遊技者に付与されると表現する場合がある。また、本実施形態の払出枚数表示器127は、後述する操作条件報知演出の表示装置としても用いられる。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0025】
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0026】
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。本実施形態では、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
【0027】
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためにストップボタン137〜139を停止操作する順序を、停止操作順序、操作順序、または押し順という。
【0028】
第1停止リールを左リール110とする停止操作の操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを中リール111とする停止操作の操作順序を「中押し操作順序」または単に「中押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作の操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。本実施形態では、各ストップボタン137〜139の内部に発光体が設けられており、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
【0029】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0030】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には、演出装置170が配設されており、この演出装置170の上部には、タイトルパネル160および音孔143が設けられている。
【0031】
演出装置170は、水平方向に移動可能な2つの右可動体163aと左可動体163bを有する演出可動体600(詳細は後述)と、この演出可動体600の奥側に配設された液晶表示装置157と、を備えており、演出可動体600の右可動体163aと左可動体163bが、液晶表示装置157の表示領域の少なくとも一部を遮蔽する(覆う)構造となっている。なお、本明細書においては、液晶表示装置157を、「メイン液晶157」という場合がある。
【0032】
メイン液晶157は、リール窓113の内側の領域と外側の領域に、画像を表示可能な装置である。このうち、リール窓113の内側の領域(リール窓113を覆う領域)には、バックライトを前面に反射させる部材(反射板や導光板等)が設けられておらず、リール窓113を介してリール110〜112が視認可能な所謂、透過型液晶表示装置になっている。
【0033】
また、演出可動体600の右可動体163aと左可動体163bの正面側には、それぞれ同一構造の液晶表示装置158a,158bが配設されている。これら2つの液晶表示装置158a,158bは、個別に異なる表示を行うことが可能であるとともに、両方の表示領域を用いて1つの表示を行うことも可能である。なお、本明細書においては、右可動体163aと液晶表示装置158aを、単に「右サブ液晶158a」という場合があり、左可動体163bと液晶表示装置158bを、単に「左サブ液晶158b」という場合があり、「右サブ液晶158a」と「左サブ液晶158b」を、「サブ液晶158」と総称する場合がある。
【0034】
また、左リール110と中リール111の間、および、中リール111と右リール112の間には、図示しない導光板等が配置されており、隣接するリールの間においても画像等を表示することが可能に構成されている。なお、メイン液晶157やサブ液晶158は、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0035】
<演出可動体>
次に、
図3と
図4を用いて、演出可動体600について説明する。
図3(a)は、演出可動体600の外観斜視図であり、
図3(b)は、演出可動体600の正面図である。
【0036】
演出可動体600は、前面扉102に固定される横長の本体部601と、この本体部601の下端に沿って水平方向に移動可能な右サブ液晶158aおよび左サブ液晶158bと、右サブ液晶158aを水平方向に移動させることが可能な右駆動装置602と、左サブ液晶158bを水平方向に移動させることが可能な左駆動装置604と、を有して構成されている。
【0037】
図3(b)に示すように、本体部601には、正面視右端近傍に右メカエンド601aが、正面視中央近傍に中央メカエンド601cが、正面視左端近傍に左メカエンド601bが、それぞれ設けられている。ここで、メカエンドとは、右サブ液晶158aおよび左サブ液晶158bの機械的なストッパーのことである。詳細は後述するが、右サブ液晶158aは、右メカエンド601aと中央メカエンド601cによって水平方向の可動範囲が規制され、左サブ液晶158bは、左メカエンド601bと中央メカエンド601cによって水平方向の可動範囲が規制される。
【0038】
右駆動装置602は、ステッピングモータからなる駆動モータ602aと、この駆動モータ602aの駆動軸に固定された駆動プーリ602bと、この駆動プーリ602bとは反対側の端部に回転可能に固定された回転プーリ602cと、駆動プーリ602bと回転プーリ602cに巻回された無端ベルト602dと、この無端ベルト602dに固定された可動体固定部602eと、右可動体163aの位置を検出するための右可動体用センサ602fと、を有して構成されている。
【0039】
右可動体用センサ602fは、投光部と受光部から成る光学式センサであり、この光学式センサの投光部と受光部の間を、右可動体163aに設けられた一定の長さの検知片163a1が通過するように構成されている。後述する第2副制御部500は、この右可動体用センサ602fの検出結果に基づいて右サブ液晶158aの水平方向における位置を検出することが可能である。
【0040】
駆動モータ602aによって駆動プーリ602bが回転駆動されると、この駆動プーリ602bに巻回された無端ベルト602dを介して可動体固定部602eが水平方向に移動し、この可動体固定部602eに固定された右可動体163aが水平方向に移動する。詳細は後述するが、本例では、右サブ液晶158aは、右メカエンド601aと中央メカエンド601cによって規定される可動範囲を、水平方向に移動可能に構成されている。
【0041】
左駆動装置604は、右駆動装置602と同一構造であるため、その構造については説明を省略するが、駆動モータ604aによって駆動プーリ604bが回転駆動されると、この駆動プーリ604bに巻回された無端ベルト604dを介して可動体固定部604eが水平方向に移動し、この可動体固定部604eに固定された左可動体163bが水平方向に移動する。詳細は後述するが、本例では、左サブ液晶158bは、左メカエンド601bと中央メカエンド601cによって規定される可動範囲を、水平方向に移動可能に構成されている。
【0042】
図4は、右サブ液晶158aおよび左サブ液晶158bの可動範囲を示した図である。本明細書では、右サブ液晶158aおよび左サブ液晶158bの移動量を、各々を駆動する駆動モータ(ステッピングモータ)602a、604aのステップ数で表現するが、実際には、右サブ液晶158aおよび左サブ液晶158bは、1ステップで0.8mm移動するようになっている。なお、1ステップ当りの移動量は、本例に限定されないことは言うまでもない。
【0043】
右サブ液晶158aの初期位置は、右メカエンド601aを基準として、右サブ液晶158aを正面視左方向に2ステップ移動させた位置である。右サブ液晶158aは、この初期位置から中央メカエンド601cまで、正面視左方向に132ステップ移動可能であるが、通常可動範囲(演出等で通常、可動させる範囲)は、初期位置から中央メカエンド606cの2ステップ手前までの130ステップとされている。また、右可動体用センサ602fは、右サブ液晶158aを初期位置から正面視左方向に4ステップ移動させた場合に、右可動体163aの検知片163a1を検知可能な位置に配置されている。
【0044】
左サブ液晶158bの初期位置は、左メカエンド601bを基準として、左サブ液晶158bを正面視右方向に2ステップ移動させた位置である。左サブ液晶158bは、この初期位置から中央メカエンド601cまで、正面視右方向に132ステップ移動可能であるが、通常可動範囲(演出等で通常、可動させる範囲)は、初期位置から中央メカエンド606cの2ステップ手前までの130ステップとされている。また、左可動体用センサ604fは、左サブ液晶158bを初期位置から正面視右方向に4ステップ移動させた場合に、左可動体163bの検知片163b1を検知可能な位置に配置されている。
【0045】
<制御部の回路構成>
次に、
図5を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
【0046】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0047】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0048】
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0049】
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、右リール112のインデックスセンサ、前面扉102の扉センサ等)の状態を監視している。
【0050】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0051】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0052】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。扉センサは、前面扉102の開閉を検出するためのセンサ(扉開閉検出手段)である。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0053】
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および、右リール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
【0054】
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0055】
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
【0056】
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0057】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0058】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
【0059】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0060】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、リールバックライト、ストップボタン137〜139ランプ等)が接続されている。
【0061】
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、このセンサ回路426には、入力インタフェースを介して、演出ボタン156の押下操作を検知可能な演出ボタンセンサ430を接続している。第1副制御部400のCPU404は、後述する第1副制御部タイマ割込み処理において、割込み時間ごとに演出ボタンセンサ430の状態を監視することで、演出ボタン156の押下操作の有無を検出可能である。なお、本例では、第1副制御部400が演出ボタン156の押下操作の有無を検出するように構成しているが、他の制御部(例えば、主制御部300や第2副制御部500)が演出ボタン156の押下操作の有無を検出するように構成してもよい。また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、メイン液晶157の表示制御を行う。
【0062】
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
【0063】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0064】
また、第2副制御部500には、演出可動体600の駆動モータ(
図3に示す駆動モータ602a、604a)を駆動する駆動回路526を設けている。この駆動回路526は、CPU504からの命令に応じて演出可動体600に設けた駆動モータに駆動信号を出力する。また、第2副制御部500には、センサ回路524を設けており、このセンサ回路524には入力インタフェースを介して、右可動体163aと左可動体163bの位置を検出可能な可動体用センサ(
図3や
図4に示す右可動体用センサ602f、左可動体用センサ604f)を接続している。第2副制御部500のCPU504は、後述する第2副制御部画像制御処理において、所定時間ごとに可動体用センサ602f,604fの状態を監視することで、右可動体163aと左可動体163bの位置を検出可能である。
【0065】
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、メイン液晶157やサブ液晶158に画像を表示する。
【0066】
<図柄配列>
次に、
図6を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
【0067】
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号19のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号20のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号18のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
【0068】
<入賞役の種類>
次に、
図7を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
【0069】
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役3、小役1〜小役3)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
【0070】
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役3は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役1〜再遊技役3への入賞が含まれる。
【0071】
特別役1および特別役2は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」であり、特別役2が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
【0072】
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT3)については後述する。
【0073】
主制御部300は、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT4と称することがある)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると再遊技低確率状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態(RT4)および再遊技低確率状態(RT1)については後述する。
【0074】
再遊技役1から再遊技役3は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−リプレイ−ベル(昇格リプレイ)」、再遊技役3は「ベル−リプレイ−リプレイ(転落リプレイ)」である。
【0075】
主制御部300は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態を再遊技高確率状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行させる。また、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)に移行させる。なお、再遊技高確率状態(RT2)については後述する。
【0076】
上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
【0077】
「小役(小役1〜小役3)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される(払出枚数がある)入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役2が「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」、小役3が「ベル−ベル−ベル(ベル)」である。また、各入賞役に対応する、一の有効ラインあたりの払出枚数は、同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0078】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。
図8は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
【0079】
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、及び特別遊技状態(RT4)を有する。本実施形態では、この四つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御しており、主制御部300が決定したAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は遊技状態を設定するようになっている。主制御部300のAT系の遊技状態は、
図8に示すように、通常状態及びAT状態、の二つの遊技状態を有する。第1副制御部400の遊技状態は、主制御部300のAT系の遊技状態と一致するように設定される。
【0080】
図9は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。以後に説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、再遊技低確率状態(RT1)においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536×100≒0.8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも一つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。なお、この図に示す内部当選確率は一例であって、この確率に限定されるものではない。
【0081】
以降、図面を適宜参照しながら、スロットマシン100のRT系の遊技状態について説明する。
【0082】
<再遊技低確率状態(RT1)>
再遊技低確率状態は、再遊技の内部当選確率が他の遊技状態(例えば特別遊技状態を除く遊技状態)のうち最も低い(遊技者にとって不利な)遊技状態であり、通常遊技状態と称することもある。再遊技低確率状態では、
図9に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0083】
再遊技低確率状態において内部当選する入賞役には、特別役1、特別役2、特別役1−小役1、特別役1−小役2、特別役2−小役1、特別役2−小役2、再遊技役1、再遊技役1−2、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
【0084】
ここで、「特別役1−小役1」とは、特別役1および小役1が同時に内部当選したことを指す。同様に、「特別役1−小役2」は、特別役1および小役2が同時に内部当選したことを指し、「特別役2−小役1」は、特別役2および小役1が同時に内部当選したことを指し、「特別役2−小役2」は、特別役2および小役2が同時に内部当選したことを指す。これらの場合、遊技者の操作に応じていずれかの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、入賞ラインのいずれかにおいて、内部当選しているいずれかの役の入賞が不可能でない限り、その入賞ラインに対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させる。
【0085】
また、「再遊技役1−2」とは、再遊技役1および再遊技役2が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(昇格リプレイ)が表示され(
図9備考欄中、操作順序正解時参照)、それ以外の場合には、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される(
図9備考欄中、操作順序不正解時参照)。
【0086】
本実施形態では、「再遊技役1−2」に内部当選した場合、複数種類(具体的には3種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データa−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序であり、(2)リール停止データa−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作をした場合が正解操作順序であり、(3)リール停止データa−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作をした場合が正解操作順序である。すなわち、選択されたリール停止データごとに第1停止操作に関する正解停止順序が決定される。
【0087】
この「再遊技役1−2」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが操作順序によって決定される再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。また、この「再遊技役1−2」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。
【0088】
ここまで、
図9における「再遊技役1−2」について説明したが、「小役3a」でも遊技者の操作順序に応じて遊技者の有利不利が異なるように設定されている。以下、具体的に説明する。
【0089】
「小役3a」に内部当選した場合には、遊技者の操作順序に応じて小役3に対応する図柄組み合わせが入賞ラインに表示されるか否かが決定される(
図9備考欄参照)。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示され、10枚のメダルが払い出される。これに対して、正解操作順序に従って停止操作がされなかった場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示されない。
【0090】
本実施形態では、「小役3a」に内部当選した場合、複数種類(具体的には3種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データc−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(2)リール停止データc−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(3)リール停止データc−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作をした場合が正解操作順序となっている。すなわち、選択されたリール停止データごとに第一停止操作に関する正解停止順序が決定される。
【0091】
この「小役3a」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが操作順序によって決定される小役を「押し順小役」と呼ぶ場合がある。また、この「小役3a」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。
【0092】
なお、本実施形態では、操作順序正解の場合には払出がある一方、不正解の場合には払出がない構成を採用したが、これに限定されない。例えば、操作順序に正解した場合と、不正解の場合とで、払い出し枚数が異なるものであってもよい。すなわち、操作順序に正解した場合の方が、操作順序に不正解の場合よりも有利になる構成であればよい。また、上記説明では、正解の操作条件を操作順序としたが、正解の操作条件は操作順序に限定されない。操作順序に限らず停止操作のタイミングや、操作順序と停止操作のタイミングとの組み合わせによって有利不利を生じさせる構成であってもよい。なお、ここで説明した「小役3a」については、以降説明する遊技状態でも同様である。
【0093】
また、「小役3a」に内部当選した場合、リール停止データが抽選により選択されるようになっていたが、複数種類の小役のそれぞれに正解操作順序の異なるリール停止データを対応させて、正解操作順序に従った操作が実行されなければ、全ての小役を入賞させることが困難なものとしてもよい。例えば、小役3a−1と小役3a−2と小役3a−3を設け、どの役が入賞した場合でも10枚のメダルが払い出されるものとする。そして、小役3a−1に内部当選した場合には、リール停止データc−1が選択され、小役3a−2に内部当選した場合には、リール停止データc−2が選択され、小役3a−3に内部当選した場合には、リール停止データc−3が選択されるものとする。
【0094】
なお、本実施形態では、単独で小役3aが当選した場合にリール停止データに正解操作順序を設定したが、複数の小役に当選した場合に、リール停止データに正解操作順序を設定してもよい。例えば、小役3aが入賞した場合に10枚のメダルが払い出されるものとし、さらに、小役3a−1と小役3a−2と小役3a−3を設け、どの役が入賞した場合でも1枚のメダルが払い出されるものとする。そして、小役3aと小役3a−1に内部当選した場合には、リール停止データc−1xが選択され、小役3aと小役3a−2に内部当選した場合には、リール停止データc−2xが選択され、小役3aと小役3a−3に内部当選した場合には、リール停止データc−3xが選択されるものとする。リール停止データc−1x、c−2x及びc−3xは、それぞれ、正解操作順序に従った操作が実行されれば10枚のメダルが払い出されるものとし、正解操作順序に従った操作が実行されなければ1枚のメダルが払い出されるか、メダルの払い出しが0になるものとする。正解操作順序に従った操作が実行されなくても払い出しがある場合があるので、興趣ある遊技性となる場合がある。
【0095】
図8には、再遊技低確率状態(RT1)において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)には、後述する再遊技高確率状態(RT2)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示されている。さらに、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役1または特別役2に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
【0096】
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT1)よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率状態(RT2)では、
図9に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。再遊技高確率状態(RT2)において内部当選する入賞役には、特別役1、特別役2、特別役1−小役1、特別役1−小役2、特別役2−小役1、特別役2−小役2、再遊技役1、再遊技役1−3、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0097】
ここで、「再遊技役1−3」とは、再遊技役1および再遊技役3が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示され(
図9備考欄中、操作順序正解時参照)、それ以外の場合には、再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(転落リプレイ)が表示される(
図9備考欄中、操作順序不正解時参照)。
【0098】
本実施形態では、「再遊技役1−3」に内部当選した場合、複数種類(具体的には3種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データb−1が選択された場合には、第1停止リールを左リール110又は中リール111とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(2)リール停止データb−2が選択された場合には、第1停止リールを左リール110又は右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序、(3)リール停止データb−3が選択された場合には、第1停止リールを中リール111又は右リール112とする第1停止操作をした場合が正解操作順序となっている。すなわち、選択されたリール停止データごとに第1停止操作に関する正解停止順序が決定される。
【0099】
この「再遊技役1−3」も、上記「再遊技役1−2」と同様に「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。また、この「再遊技役1−3」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。
【0100】
図8には、再遊技高確率状態(RT2)において、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役3に入賞した場合)又はATゲーム数を消化した場合には、上述した再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示され、さらに、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役1または特別役2に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
【0101】
<特別役内部当選状態(RT3)>
特別役内部当選状態(RT3)は、特別役1あるいは特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、
図9に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、再遊技役1、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0102】
また、
図8には、特別役内部当選状態(RT3)において、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
【0103】
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態(RT4)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。特別遊技状態では、
図9に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別遊技状態において内部当選する入賞役は、小役3bのみである。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0104】
「小役3b」に内部当選した場合には、操作順序に関わらず「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示され、10枚のメダルが払出される。(
図9備考欄参照)。
【0105】
図8には、特別遊技状態(RT4)において、規定枚数が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、360枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、96枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。
【0106】
なお、本実施形態では、特別遊技状態が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
【0107】
<AT系の遊技状態の遷移>
図8に示すように、AT系の遊技状態は、RT系の遊技状態に基づいて一意に決定される。すなわち、本実施形態では、再遊技低確率状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT3)、及び特別遊技状態(RT4)は、通常状態であり、再遊技高確率状態(RT2)は、AT状態である。
【0108】
ここで、AT状態とは、本実施形態の場合、入賞役内部抽選処理において操作順序役である再遊技役1−3又は小役3aに内部当選したときに、停止操作の操作順序に関する報知演出(以下、操作条件報知演出という)が行われる状態であり、通常状態は、操作条件報知演出が行われない状態である。
【0109】
より詳しくは、AT状態とは、遊技者に有利な結果がもたらされるように、操作タイミング又は停止操作の操作順序を含んだ操作条件報知演出が実行される遊技状態をいう。なお、AT状態における遊技をAT遊技とも称する。つまり、AT状態とは、遊技者が演出に従った操作を行うことにより、小役入賞を取りこぼさないようにしながら遊技できる遊技状態である。また、AT状態とは、遊技状態の昇格および降格がある遊技性においては、遊技者が演出に従った操作を行うことにより、有利な遊技状態を降格させず、有利な遊技状態を維持できたり、不利な遊技状態から有利な遊技状態に昇格できたりする遊技状態でもある。そして、操作順序を報知する演出とは、操作順序役を入賞させるための停止操作の正解となる操作順に関する情報が報知される演出である。また、操作タイミングを報知する演出とは、所謂とりこぼしが発生する操作順序役に関する情報が報知される演出である。例えば、小役1当選に関する情報としてスイカの画像をメイン液晶157に表示する演出である。勿論、操作タイミング及び停止操作の順序の双方を報知する操作条件報知演出であってもよい。このようにAT状態は、有利な遊技状態である。
【0110】
具体的には、AT状態においては、小役3aに内部当選した場合に正解操作順序を報知する演出を実行し、再遊技役1−3に内部当選した場合に正解操作順序を報知する演出を実行するので、遊技者は、演出に従った操作を行うことで、小役3aに内部当選した場合には、遊技者がメダルを獲得でき、再遊技役1−3に内部当選した場合にはRT1への降格を回避でき、有利な遊技状態を維持することができる。
【0111】
本実施形態では、RT1において再遊技役2に入賞した場合、つまりRT2に移行したときにAT状態となり、AT状態は、付与された所定ゲーム数(例えば、30ゲームなど)を消化した場合に終了して、通常状態(再遊技低確率状態)に移行する。勿論、AT状態は、RT系の遊技状態の移行を伴う場合(RT2から他の遊技状態に移行する場合)にも終了して、移行先のRT系の遊技状態に対応したAT系の遊技状態に移行する。
【0112】
なお、本実施形態では、操作順序役に内部当選した場合、第1停止操作が正解であれば、遊技者にとって有利な結果が得られるようになっていたが、これに限定されず、第1停止操作から第3停止操作までのすべてが正解の場合に遊技者にとって有利な結果が得られるようにしてもよい。そして、このような場合において操作順序を報知する操作条件報知演出を実行する場合には、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を報知するようにしてもよい。
【0113】
なお、以下の説明においては、例えば、主制御部300のRT系の遊技状態がRT1にあり、AT系の遊技状態が通常状態にある場合を、主制御部300の遊技状態はRT1(通常状態)にあると略記する場合がある。
【0114】
ここで、再遊技役1−3について再度説明すると、再遊技役1−3は、再遊技高確率状態(RT2)において内部当選する役である。この役に内部当選すると、再遊技役1(通常リプレイ)または再遊技役3(転落リプレイ)のいずれかの役に入賞する。これらの役は、再遊技が付与される点で共通するものの、再遊技役3が遊技者にとってより不利な遊技状態である再遊技低確率状態(RT1)に移行する役である点が異なる。すなわち、再遊技役3に入賞するよりも再遊技役1に入賞する方が遊技者にとって有利な結果になる。このため、AT状態において、「再遊技役1−3」に内部当選した場合には、再遊技役1に対応する図柄を揃えるための操作条件報知演出が実行される。
【0115】
また、「小役3a」は、特別遊技状態(RT4)を除く遊技状態において内部当選する役である。この役に内部当選した場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示されると10枚のメダルが払い出される。このため、再遊技高確率状態(RT2)において、「小役3a」に内部当選した場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ラインL1上に表示されるための操作条件報知演出が実行される。
【0116】
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、上述した入賞役の内部当選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
【0117】
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
【0118】
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。例えば、小役1(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
【0119】
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。
【0120】
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
【0121】
<主制御部の操作条件報知演出>
次に、
図10〜
図11を用いて、主制御部300の操作条件報知演出について説明する。
図10は、再遊技役1−2、再遊技役1−3及び小役3aに内部当選した場合のリール停止データの概要及び主制御部300の操作条件報知演出の演出データを示す図である。本実施形態の主制御部300の操作条件報知演出は、払出枚数表示器127を用いて行われる。したがって、主制御部300の操作条件報知演出の演出データとは、7セグメント(SEG)表示器の点灯パターンデータ(以下、7セグデータという)である。また、
図11は、7セグデータと払出枚数表示器127の表示態様(点灯態様)の対応を示す図である。
【0122】
まず、RT1(通常状態)において再遊技1−2に内部当選した場合について説明する。
【0123】
(1)再遊技1−2に内部当選し、停止データa−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が右であることを示唆する7セグデータa−1が選択される。また、(2)再遊技1−2に内部当選し、停止データa−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が中であることを示唆する7セグデータa−2が選択される。また、(3)再遊技1−2に内部当選し、停止データa−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左であることを示唆する7セグデータa−3が選択される。
【0124】
ここで、7セグデータa−1、a−2及びa−3の払出枚数表示器127における表示態様は、
図11(a)に示す通りである。遊技者は払出枚数表示器127の点灯態様から視覚的に正解の第1停止操作を把握することができる。
【0125】
次に、RT2(AT状態)において再遊技1−3に内部当選した場合について説明する。
【0126】
(1)再遊技1−3に内部当選し、停止データb−1が選択された場合には、第1停止リールを左リール110または中リール111とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左又は中であることを示唆する7セグデータb−2またはb−3が選択される。また、(2)再遊技1−3に内部当選し、停止データb−2が選択された場合には、第1停止リールを左リール110または右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左または右であることを示唆する7セグデータb−1またはb−3が選択される。また、(3)再遊技1−3に内部当選し、停止データb−3が選択された場合には、第1停止リールを中リール111または右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が中または右であることを示唆する7セグデータb−1またはb−2が選択される。
【0127】
ここで、7セグデータb−1、b−2及びb−3の払出枚数表示器127における表示態様は、
図11(b)に示す通りである。遊技者は払出枚数表示器127の点灯態様から視覚的に正解の第1停止操作を把握することができる。
【0128】
次に、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選した場合について説明する。
【0129】
(1)小役3aに内部当選し、停止データc−1が選択された場合には、第1停止リールを右リール112とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が右であることを示唆する7セグデータc−1が選択され、(2)小役3aに内部当選し、停止データc−2が選択された場合には、第1停止リールを中リール111とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が中であることを示唆する7セグデータc−2が選択され、(3)小役3aに内部当選し、停止データc−3が選択された場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作が正解操作順序であるので、第1停止操作が左であることを示唆する7セグデータc−3が選択される。
【0130】
ここで、7セグデータc−1、c−2及びc−3の払出枚数表示器127における表示態様は、
図11(c)に示す通りである。遊技者は払出枚数表示器127の点灯態様から視覚的に正解の第1停止操作を把握することができる。
【0131】
また、
図11に示すように、本実施形態の主制御部300の操作順序報知演出では、同一の操作順序(例えば、第1停止操作を左など)を示す場合であっても内部当選役に応じて7セグの点灯箇所を変更している。したがって、遊技者は、払出枚数表示器127の表示態様を見ることによって、操作順序のみならず内部当選役の種類を把握することができる。
【0132】
なお、本実施形態では、主制御部300は、選択された7セグデータに応じた正解操作順序を含むコマンド(以下、選択された7セグデータに応じた操作順序を含むコマンドを7セグデータコマンドという)を第1副制御部400に送信するようにしている。例えば、RT1(通常状態)において再遊技1−2に内部当選し、7セグデータとして7セグデータa−1が選択された場合には、7セグデータa−1選択を示す7セグデータコマンドを送信する。また、RT2(AT状態)において再遊技1−3に内部当選し、7セグデータとして7セグデータb−1が選択された場合には、7セグデータb−1選択を示す7セグデータコマンドを送信する。また、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、7セグデータとして7セグデータc−2が選択された場合には、7セグデータc−2選択を示す7セグデータコマンドを送信する。
【0133】
<副制御部の操作条件報知演出>
次に、
図12を用いて、副制御部の操作条件報知演出について説明する。
図12は、副制御部の操作条件報知演出の概要を示す図である。
【0134】
本実施形態の副制御部の操作条件報知演出では、主制御部300から受信した7セグデータコマンドに基づいて操作条件報知演出の内容を決定している。例えば、7セグデータb−1選択を示す7セグデータコマンドを受信した場合には、演出1が選択され、7セグデータb−2選択を示す7セグデータコマンドを受信した場合には、演出2が選択され、7セグデータb−3選択を示す7セグデータコマンドを受信した場合には、演出3が選択される。
【0135】
演出1は、メイン液晶157の表示領域に「−−1」の文字を表示するとともに、右サイドランプ144を点灯させ、スピーカ272及び277を介して「右から押して」の音声を出力して、第1停止操作が右であることを示唆する演出である。演出2は、メイン液晶157の表示領域に「−1−」の文字を表示するとともに、上部ランプ146を点灯させ、スピーカ272及び277を介して「中から押して」の音声を出力して、第1停止操作が中であることを示唆する演出である。演出3は、メイン液晶157の表示領域に「1−−」の文字を表示するとともに、左サイドランプ144を点灯させ、スピーカ272及び277を介して「左から押して」の音声を出力して、第1停止操作が左であることを示唆する演出である。
【0136】
なお、本実施形態では、第2停止操作と第3停止操作の押し順は、第1副制御部400において乱数値等を用いた抽選を行い、当該抽選の結果に応じて決定するように構成している。また、本実施形態では、内部当選役に係わらず、操作順序が同一の場合には、同一の演出データを用いるようになっている。例えば、再遊技役1−2に内部当選して7セグデータa−1選択を示す7セグデータコマンドを受信した場合、再遊技役1−3に内部当選して7セグデータb−1選択を示す7セグデータコマンドを受信した場合、及び小役3aに内部当選して7セグデータc−1選択を示す7セグデータコマンドを受信した場合には、いずれも演出1が選択されるので、第1副制御部400は同一の演出態様の操作順序報知演出を実行する。このように本実施形態では、内部当選役に係わらず、操作順序が同一の場合には、同一の演出データを用いた操作順序報知演出を実行するので、第1副制御部400の演出データを削減することができる。
【0137】
また、本実施形態では、「1−−」などの文字を表示して、三つのリール110〜112に対する指示を報知したが、操作条件報知演出の報知態様はこれに限定されない。例えば、三つのリール110〜112のうちのいずれか一つのリールに対する指示が特定される表示態様であればよい(例えば、「右」などの文字を表示するなど)。また、操作条件報知演出として操作タイミングを報知するような場合には、図柄が特定されるような報知態様であればいずれの態様でもよい(例えば、「!」を表示することにより、遊技者がBAR図柄と特定可能な遊技性があるならば、「!」でもよい)。つまり、操作条件報知演出の報知態様は、数字や図柄を表示する態様を一例としており、操作条件報知演出は、遊技者に特定な操作を行わせることが可能な演出である。
【0138】
<スロットマシンの動作>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
【0139】
<主制御部メイン処理>
まず、
図13を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0140】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って
図13に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0141】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0142】
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
【0143】
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。ステップS104では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
【0144】
ステップS105では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
【0145】
ステップS106では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。また、ステップS106では、選択されたリール停止データに関する情報を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。ここで、リール停止データコマンドには、操作順序に関する情報が含まれている。例えば、RT2において小役3aに内部当選し、停止データc−1を選択したことを示す情報(停止データc−1の正解操作順序を示す情報であり、停止データc−1選択と表記する)を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う(
図12参照)。
【0146】
ステップS107では、主制御部300の操作条件報知演出の設定を行う主制御部・操作条件報知演出設定処理を実行する。具体的には、RT1(通常状態)における入賞役内部抽選処理において小役3aに内部当選した場合には、操作順序報知演出の設定に関する処理、つまり小役3aに内部当選した場合に選択されたリール停止データに基づいた正解操作順序の7セグデータを操作条件報知演出として設定し、RT1における入賞役内部抽選処理において再遊技役1−2に内部当選した場合には、操作順序報知演出の設定に関する処理、つまり再遊技役1−2に内部当選した場合に選択されたリール停止データに基づいた正解操作順序の7セグデータを操作条件報知演出として設定する(
図10、
図11参照)。
【0147】
また、RT2(AT状態)における入賞役内部抽選処理において小役3aに内部当選した場合には、操作順序報知演出の設定に関する処理、つまり小役3aに内部当選した場合に選択されたリール停止データに基づいた正解操作順序の7セグデータを操作条件報知演出として設定し、RT2における入賞役内部抽選処理において再遊技役1−3に内部当選した場合には、操作順序報知演出の設定に関する処理、つまり再遊技役1−3に内部当選した場合に選択されたリール停止データに基づいた正解操作順序の7セグデータを操作条件報知演出として設定する(
図10、
図11参照)。ステップS108では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
【0148】
ステップS109では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
【0149】
ステップS110では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば小役3(ベル)に入賞したと判定される。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。ステップS111では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
【0150】
ステップS112では、遊技状態制御処理(詳しくは後述)を行う。遊技状態制御処理では、RT系及びAT系の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報(RT系及びAT系)を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
【0151】
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0152】
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(
図22のステップS1006)において送信される。
【0153】
<遊技状態制御処理>
次に、
図14を用いて、遊技状態制御処理について説明する。
図14は、
図13のステップS112の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0154】
ステップS201では、AT更新処理を行う。AT更新処理では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態である場合には、AT状態のゲーム数をカウントする処理を行う。具体的には、AT状態の現在の残りのゲーム数から1を減算する。そして、減算されたAT状態の現在の残りのゲーム数が0、つまりAT状態が終了した場合には、主制御部300のRT系の遊技状態をRT1に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。
【0155】
ステップS202では、特別役1又は特別役2に入賞したか否かを判定する。特別役1又は特別役2に入賞した場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS204に進む。ステップS203では、特別役1又は特別役2に入賞したので、RT系の遊技状態をRT4に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS203の処理終了後は、ステップS210に進む。
【0156】
ステップS204では、再遊技役3に入賞したか否かを判定する。再遊技役3に入賞した場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS206に進む。ステップS205では、RT2において再遊技役3に入賞したので、RT系の遊技状態をRT1に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS205の処理終了後は、ステップS210に進む。
【0157】
ステップS206では、再遊技役2に入賞したか否かを判定する。再遊技役2に入賞した場合には、ステップS707に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。ステップS207では、RT1において再遊技役2に入賞したので、RT系の遊技状態をRT2に設定し、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。ステップS207の処理終了後は、ステップS210に進む。
【0158】
ステップS208では、特別役1又は特別役2に内部当選したか否かを判定する。特別役1又は特別役2に内部当選した場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。ステップS209では、特別役1又は特別役2に内部当選したので、RT系の遊技状態をRT3に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS209の処理終了後は、ステップS210に進む。
【0159】
ステップS210では、その他の遊技状態制御処理を行う。例えば、遊技状態が特別役1に入賞してRT4(通常状態)に移行した場合には、360枚を超えるメダル払出によりRT4(通常状態)を終了し、RT1(通常状態)が設定される。また、遊技状態が特別役2に入賞してRT4(通常状態)に移行した場合には、96枚を超えるメダル払出によりRT4(通常状態)を終了し、RT1(通常状態)が設定される。また、主制御部300のRT系及びAT系の遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。
【0160】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、
図15を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0161】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0162】
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0163】
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0164】
ステップS1004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。詳細は後述するが、この各種遊技処理では、扉センサを含む各種センサ318(
図5参照)の状態を監視し、各種センサ318の情報を取得する処理等を行う。ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0165】
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0166】
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
【0167】
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、
図13に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、
図13に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0168】
<各種遊技処理>
次に、
図16を用いて、主制御部タイマ割込処理における各種遊技処理(ステップS1004)について説明する。
図16は、各種遊技処理の流れを示すフローチャートである。
【0169】
ステップS1101では、扉センサ入力ポートから情報を取得する。上述の通り、主制御部300のCPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318の状態を監視しており、ここでは、扉センサ入力ポートから扉センサの情報(前面扉102の扉開放を示す情報、または、前面扉102の扉閉鎖を示す情報)を取得する。ステップS1102では、今回、ステップS1101で取得した扉センサの情報が、前回、ステップS1101で取得した扉センサの情報から変化したか否かを判定し、変化が無い場合にはステップS1108に進み、変化があった場合にはステップS1103に進む。
【0170】
ステップS1103には、変化のあった扉センサの情報が、扉開放を示しているか、それとも、扉閉鎖を示しているかを判定し、扉開放を示している場合にはステップS1104に進み、扉閉鎖を示している場合にはステップS1106に進む。ステップS1104では、RAM308に記憶している扉開放フラグをオンに設定し、次のステップS1105では、第1副制御部400に対して扉開放コマンドを送信する準備を行った後にステップS1108に進む。一方、ステップS1106では、扉閉鎖フラグをオンに設定し、次のステップS1107では、第1副制御部400に対して扉閉鎖コマンドを送信する準備を行った後にステップS1108に進む。ステップS1108では、その他の遊技処理を行った後に処理を終了する。
【0171】
<第1副制御部の処理>
次に、
図17を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、
図17(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
図17(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図17(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0172】
まず、
図17(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
【0173】
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
【0174】
ステップS3005では、第1副制御部演出制御処理(詳しくは後述する)を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0175】
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0176】
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
【0177】
次に、
図17(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0178】
次に、
図17(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0179】
ステップS3201では、
図17(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS3202では、ステップS3008で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理や、演出ボタン156の押下操作の有無を検出する処理等を行う。
【0180】
<第1副制御部演出制御処理>
次に、
図18を用いて、第1副制御部メイン処理における第1副制御部演出制御処理(ステップS3005)について説明する。
図18は、第1副制御部演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0181】
ステップS3301では、位置補正要求処理を行う。詳細は後述するが、この位置補正要求処理では、主制御部300から扉閉鎖コマンドを受信した場合に、第2副制御部500に対して位置補正の指示等を行う。ステップS3302では、主制御部300からリール停止データコマンドを受信したか否かを判定する。リール停止データコマンドを受信した場合には、ステップS3303に進み、そうでない場合には、ステップS3305に進む。ステップS3303では、受信したリール停止データコマンドの内容に基づいて操作順序を決定する。
【0182】
例えば、RT2(AT状態)において再遊技役1−3に内部当選し、停止データb−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、第1停止リールを左リール110又は中リール111とする操作順序が正解なので、そのいずれかを操作順序として決定する。また、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データc−1選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、第1停止リールを右リール112とする操作順序が正解なので、第1停止リールを右リール112とする操作順序として決定する。また、ここでは、乱数値を用いた抽選を行い、当該抽選の結果に応じて第2停止操作と第3停止操作の押し順を決定するように構成している。
【0183】
ステップS3304では、ステップS3303の操作順序決定に基づいて、操作条件報知演出を設定する。例えば、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、停止データc−2選択を示すリール停止データコマンドを受信した場合には、第1停止リールを中リール111とする操作順序が正解なので、第1停止リールを中リール111とする操作順序を報知する演出2を設定する。この結果、副制御部・操作条件報知演出が実行される(
図12参照)。
【0184】
ステップS3305,S3306では、演出ボタン演出(例えば、
図45(a)に示す、演出ボタン156による操作を促す演出)の実行中に演出ボタン156の押下操作があったか否かを判定し、該当しない場合にはステップS3310に進み、該当する場合にはステップS3307に進む。ステップS3307では、RAM408に記憶している操作カウントの値を1つ加算するとともに、演出ボタン156の押下操作の時間が所定時間以上(例えば、3秒以上)であった場合には、RAM408に記憶している長押しフラグをオンに設定し、次のステップS3308では、移動条件が成立したか否かを判定し、成立していない場合にはステップS3310に進み、成立している場合にはステップS3309に進む。ステップS3309では、サブ液晶158の移動指示を設定した後にステップS3310に進む。
【0185】
本例では、ステップS3308において、ステップS3307で更新した操作カウントの値(演出ボタン156の操作回数)が5回以上10回未満になったと判定した場合には、ステップS3309においてサブ液晶158を1段階移動させる指示設定を行う。また、ステップS3308において、操作カウントの値が10回以上20回未満になったと判定した場合には、ステップS3309においてサブ液晶158を2段階移動させる指示設定を行う。また、ステップS3308において、操作カウントの値が20回以上になったと判定した場合には、ステップS3309においてサブ液晶158を3段階移動させる指示設定を行う。また、ステップS3308において、長押しフラグがオンに設定されていると判断した場合には、長押しフラグをオフに設定した後、おっかけ演出シーン2(詳細は
図45(a)を用いて後述)を行うための指示設定を行う。次のステップS3310では、その他の演出制御処理を実行した後に処理を終了する。
【0186】
<位置補正要求処理>
次に、
図19を用いて、第1副制御部演出制御処理における位置補正要求処理(ステップS3301)について説明する。
図19は、位置補正要求処理の流れを示すフローチャートである。
【0187】
ステップS3401では、主制御部300から扉閉鎖コマンドを受信したか否かを判定する。扉閉鎖コマンドを受信した場合にはステップS3402に進み、そうでない場合には処理を終了する。ステップS3402では、第2副制御部500に対して位置補正要求コマンドを送信する準備を行い、次のステップS3403では、扉閉鎖演出設定を行った後に処理を終了する。
【0188】
この扉閉鎖演出設定では、スピーカ272,277から、前面扉102が閉鎖されたことを報知する音声(例えば、「扉が閉まりました」という音声)を出力するための設定等を行う。なお、この音声は、通常の演出で用いる音声チャンネルとは別の音声チャンネルを用いて出力するように構成されている。このため、通常の演出が実行中であっても、当該演出用の音声データが、報知用の音声データに上書きされることがなく、後述する「動作スケジューラ」による音声の管理は不要である。
【0189】
<第2副制御部の処理>
次に、
図20を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、
図20(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。
図20(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図20(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0190】
まず、
図20(a)のステップS5001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS5001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行うとともに、後述する位置補正フラグをオンにセットする処理を行うことにより、位置補正駆動処理を開始する。すなわち、本実施形態では、第2副制御部500の電源投入時に、サブ液晶158の位置補正動作(サブ液晶158を初期位置に復帰させる動作。詳細は後述)を行うように構成している。
【0191】
ステップS5002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS5003の処理に移行する。ステップS5003では、タイマ変数に0を代入する。ステップS5004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0192】
ステップS5005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS5004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データ等をROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0193】
ステップS5006では、演出可動体制御処理を行う。詳細は後述するが、この演出可動体制御処理では、演出可動体600の駆動や、演出可動体600の動作データの更新等の処理を行う。ステップS5007では、ステップS5005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳細は後述)を行う。例えば、ステップS5005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。この画像制御処理が終了すると、ステップS5002へ戻る。
【0194】
次に、
図20(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS5101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0195】
次に、
図20(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0196】
ステップS5201では、
図20(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS5002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS5002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS5202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0197】
<インターバルタイマ割込処理>
次に、
図20(d)を用いて、インターバルタイマ割込処理について説明する。
図20(d)は、インターバルタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では0.5msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、インターバルタイマ割込処理を実行する。
【0198】
ステップS5301では、駆動停止処理を行う。詳細は後述するが、この駆動停止処理では、演出可動体600の駆動回路526に駆動停止情報をセットする処理等を行う。次のステップS5302では、駆動処理を行う。詳細は後述するが、この駆動処理では、演出可動体600の通常時の動作制御や位置補正時の動作制御等を行う。
【0199】
<演出可動体制御処理>
次に、
図21を用いて、第2副制御部メイン処理における演出可動体制御処理(ステップS5006)について説明する。
図21は、演出可動体制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0200】
ステップS5401では、第1副制御部400から位置補正要求コマンドを受信したか否か、すなわち、演出可動体600の位置補正要求があったか否かを判定し、該当する場合には、ステップS5402に進んで駆動停止1の要求を「あり」にセットした後にステップS5405に進む。また、該当しない場合には、ステップS5403に進んで、演出制御処理において新たな動作パターンが設定された否か、すなわち、演出可動体600の新たな動作パターンの設定があるか無いかを判定し、ある場合にはステップS5404に進んで駆動停止2の要求を「あり」にセットした後にステップS5405に進み、無い場合にはステップS5405に進む。
【0201】
本実施形態では、ステップS5401〜S5404の処理により、演出可動体600の位置補正動作を行う場合や、新たな演出を開始する場合に、演出可動体600の駆動モータ602a,604aを一旦、停止させる処理を行うように構成している。このような構成とすることで、駆動モータ602a,604aの脱調等を未然に防止することができ、演出可動体600による演出や位置補正動作を確実に行うことができる。
【0202】
ステップS5405では、動作データ1のセット許可があるか無いか(演出可動体600の新たな動作パターンの設定があるか無いか)を判定し、無い場合にはステップS5408に進み、ある場合にはステップS5406に進む。
【0203】
ここで、
図22を用いて、演出可動体600の動作制御に使用される各種データについて説明する。
図22は、演出可動体600の制御に使用される動作指示データ、動作パターンデータ、および動作データの一例を示した図である。
【0204】
図22の上段に示す動作指示データは、RAM508の所定記憶領域に一時的に記憶されるデータである。本例の動作指示データは、左サブ液晶158bの駆動モータ604a(左モータ)の動作を指示するための動作指示データと、右サブ液晶158aの駆動モータ602a(右モータ)の動作を指示するための動作指示データと、によって構成される。第2副制御部500は、演出可動体600に対する動作の指示を行う場合に、後述する動作パターンデータを、この動作指示データにセットする処理等を行う。
【0205】
図22の下段に示す動作パターンデータと動作データは、ROM506の所定記憶領域に予め記憶されるデータである。本例の動作指示データは、動作パターンNO、繰り返し回数、動作データ数(N)、動作データ1〜Nの項目によって構成される。ここで、Nは正の整数である。「繰り返し回数」の記憶領域には、0〜65535の範囲で動作の繰り返し回数が格納される(0の場合は無限ループとなる)。「動作データ数(N)」の記憶領域には、0〜65535の範囲でデータ1〜Nの総数が格納される(0の場合は無効(無視)となる)。「データ1〜N」の記憶領域には、動作データを参照するためのアドレス(各々の動作データが格納されているROM506上の先頭アドレス)がそれぞれ格納される。すなわち、動作パターンデータは、最小単位の制御情報である動作データ(一の動作に対応するデータ)を時系列的に複数、組み合わせることで、様々な連続動作の制御を実行可能に構成されている。
【0206】
動作データは、動作データID、目的位置、移動速度、所要時間によって構成される。「動作データID」の記憶領域には、0〜65535の範囲でID(識別番号)が格納される。「目的位置」の記憶領域には、絶対座標動作の場合、移動位置(移動先の位置)の座標に関する情報として、基準位置(原点)から移動先の位置までのモータのステップ数(絶対移動量)が格納され、相対座標移動の場合、移動位置の座標に関する情報として、移動元の位置(移動開始位置)から移動先の位置までのステップ数(相対移動量)が格納される。なお、本実施形態では、各駆動モータ602a,604aは、1ステップで0.8mm移動するようになっている。「移動速度」の記憶領域には、0〜65535PPSの範囲で移動速度が格納される(本例では、200PPS,250PPS,333PPS,400PPS,500PPSの5種類)。「所要時間」の記憶領域には、0〜65535msの範囲で移動に要する時間が格納される(0の場合は最速動作となる)。
【0207】
図21に戻って、演出可動体制御処理のステップS5406では、演出データに対応する動作パターンデータのうちの動作データ1(先頭の動作データ)を、動作指示データにセットし、次のステップS5407では、動作データ1のうちの所要時間を、動作指示データにセットする。ここで動作指示データにセットされた所要時間は、第2副制御部タイマ割込み処理において減算される。ステップS5408では、動作データの更新タイミングが到来したか否かを判定し、該当しない場合には処理を終了し、該当する場合にはステップS5409に進む。
【0208】
なお、ステップS5408における更新タイミングは、動作指示データにセットされた所要時間が0になった場合に、動作パターンデータの繰り返し回数と動作データ数(N)に基づいて判断する。具体的には、動作パターンデータの動作データ数(N)が2以上であり、次の動作データがN以下の場合には、次の動作データをセットするためにステップS5409の更新処理に進む。また、動作パターンデータの繰り返し回数に2以上の数値が設定されている場合には、最後の動作データNをセットした後に、再び先頭の動作データ1をセットするためにステップS5409の更新処理に進み、以降、繰り返し回数が経過するまで、動作データ1〜Nのセットを繰り返す。また、動作パターンデータの繰り返し回数に0が設定されている場合には、動作データ1〜Nのセットを動作停止の指示があるまで無限に繰り返す。
【0209】
ステップS5409では、動作パターンデータに次の動作データがある場合には、当該動作データを動作指示データにセットし、次のステップS5410では、ステップS5409でセットした動作データのうちの所要時間を、動作指示データにセットした後に処理を終了する。本明細書においては、ステップS5409〜S5410において動作指示データを更新する処理を、「動作スケジューラ」と呼ぶ場合がある。
【0210】
<駆動停止処理>
次に、
図23を用いて、インターバルタイマ割込処理における駆動停止処理(ステップS5301)について説明する。
図23は、駆動停止処理の流れを示すフローチャートである。
【0211】
ステップS5501では、駆動停止フラグがオンか否かを判定し、駆動停止フラグがオンの場合(すでに駆動停止している場合)には処理を終了し、そうでない場合にはステップS5502に進む。ステップS5502では、駆動停止1の要求があるか無いかを判定し、要求がある場合にはステップS5503に進んで位置補正フラグをオンにセットした後にステップS5506に進む。駆動停止1の要求が無い場合にはステップS5504に進み、駆動停止2の要求があるか無いかを判定し、駆動停止2の要求がある場合にはステップS5505に進んで動作データ1のセット許可を設定した後にステップS5506に進み、要求が無い場合に処理を終了する。
【0212】
なお、ステップS5503において位置補正フラグがオンにセットされると、後述する駆動処理において位置補正駆動処理が開始されることになり、ステップS5505において動作データ1のセット許可が設定されると、
図21を用いて説明した演出可動体制御処理において新たな演出動作が開始されることになる。
【0213】
ステップS5506では、演出可動体600の駆動回路526に駆動停止情報をセットする処理を行った後に処理を終了する。このステップS5506の処理により、サブ液晶158の駆動モータ602a,604aが一旦、停止される。
【0214】
<駆動処理>
次に、
図24を用いて、インターバルタイマ割込処理における駆動処理(ステップS5302)について説明する。
図24は、駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【0215】
ステップS5601では、位置補正フラグがオンか否かを判定し、オンの場合にはステップS5603に進み、オフの場合にはステップS5602に進む。ステップS5602では、通常駆動処理を行った後に処理を終了する。詳細は後述するが、この通常駆動処理では、動作指示データの更新があった場合に、サブ液晶158の駆動モータ602a,604aの駆動情報を更新する処理等を行う。
【0216】
ステップS5603では、ステータスを位置補正準備中にセットし、次のステップS5604では、位置補正駆動処理を行った後に処理を終了する。詳細は後述するが、この位置補正駆動処理では、位置補正の要求があった場合に、サブ液晶158の駆動モータ602a,604aの位置を補正する処理等を行う。
【0217】
本駆動処理では、位置補正フラグがオンの場合、すなわち、サブ液晶158の位置を補正している期間中は、ステップS5602の通常駆動処理を通過することがないため、通常の演出動作よりも位置補正動作が優先されるように構成されている。また、本実施形態では、インターバルタイマ割込処理によって位置補正動作の実行中であっても、第2副制御部メイン処理における演出可動体制御処理において動作スケジューラが実行される構成であるため、位置補正動作中も、サブ液晶158の駆動モータ602a,604aの動作指示データの更新が継続されるようになっている。
【0218】
<通常駆動処理>
次に、
図25を用いて、駆動処理における通常駆動処理(ステップS5602)について説明する。
図25は、通常駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【0219】
ステップS5701では、サブ液晶158の駆動モータ602a,604aの動作指示データの更新があるか無いかを判定し、無い場合には処理を終了し、ある場合にはステップS5702に進む。ステップS5702では、駆動回路526に記憶されている駆動モータ602a,604aの各々の現在位置情報を取得する。
【0220】
ステップS5703では、駆動モータ602a,604aを駆動するための駆動情報を生成する。具体的には、ステップS5702で取得した現在位置情報と、動作指示データに含まれる目的位置の情報に基づいて、移動ステップ数を算出するとともに、動作指示データに含まれる移動速度を取得し、移動ステップ数と移動速度を含む情報から、駆動情報を生成する。ステップS5704では、ステップS5703で生成した駆動情報を駆動回路526にセットする。これにより、サブ液晶158の駆動モータ602a,604aが駆動情報に従って駆動されるとともに、駆動回路526は、駆動モータ602a,604aの制御信号に基づいて右サブ液晶158aおよび左サブ液晶158bの現在位置情報を算出し、自身の記憶手段に最新の現在位置情報として記憶する。
【0221】
本通常駆動処理では、駆動回路526に記憶されている現在位置情報と、位置補正動作中であっても更新が継続される動作指示データに基づいて駆動情報を生成するため、通常動作の途中で位置補正動作を開始した場合であっても、位置補正動作の終了後に、動作スケジューラによって進行させている通常動作に復帰することができる。なお、ここでは、駆動モータ602a,604aの各々の現在位置情報を、駆動回路526が記憶する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、制御部がRAM等の記憶手段に記憶させてもよい。
【0222】
<位置補正駆動処理>
次に、
図26を用いて、駆動処理における位置補正駆動処理(ステップS5604)について説明する。
図26は、位置補正駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【0223】
ステップS5801では、現在のステータスを参照して位置補正準備中か否かを判定し、該当しない場合にはステップS5804に進み、該当する場合にはステップS5802に進んで退避動作の駆動情報をセットする。ここで、退避動作とは、右可動体163aを右可動体用センサ602fの検知位置から非検知位置まで移動させる動作や、左可動体163bを左可動体用センサ604fの検知位置から非検知位置に移動させる動作をいう。本例では、ステップS5802において、右可動体163aを正面視右方向に移動速度200PPSで20ステップ移動させる退避動作と、左可動体163bを正面視左方向に移動速度200PPSで20ステップ移動させる退避動作を同時に行うための駆動情報をセットする。ステップS5803では、ステータスを退避動作中にセットした後に処理を終了する。
【0224】
ステップS5804では、現在のステータスを参照して退避動作中か否かを判定し、該当しない場合にはステップS5808に進み、該当する場合にはステップS5805に進む。ステップS5805では、右可動体163aおよび左可動体163bの退避動作が終了したか否か、すなわち、本例では右可動体163aおよび左可動体163bの20ステップの移動が終了したか否かを判定し、20ステップの移動が終了していない場合には処理を終了し、終了した場合にはステップS5806に進む。
【0225】
ステップS5806では、センサ検出動作の駆動情報をセットする。ここで、センサ検出動作とは、右可動体163aを右可動体用センサ602fの非検知位置から検知位置まで移動させる動作や、左可動体163bを左可動体用センサ604fの非検知位置から検知位置に移動させる動作をいう。本例では、ステップS5806において、右可動体163aを初期位置方向に移動速度200PPSで148ステップ移動させるセンサ検出動作と、左可動体163bを初期位置方向に移動速度200PPSで148ステップ移動させるセンサ検出動作を同時に行うための駆動情報をセットする。ステップS5807では、ステータスをセンサ検出動作中にセットした後に処理を終了する。
【0226】
ステップS5808では、モータセンサを検出しているか否か、すなわち、右可動体163aおよび左可動体163bが検知位置にあるか無いかを判定し、いずれか一方が検知位置に無い場合には処理を終了し、いずれも検知位置にある場合にはステップS5809に進む。ステップS5809では、駆動回路526に記憶されている駆動モータ602a,604aの各々の現在位置情報の補正を行う。具体的には、駆動モータ602aの現在位置情報を、右可動体163aを右可動体用センサ602fの検出位置から右メカエンド601aの方向に4ステップ分移動した位置に補正し、駆動モータ604aの現在位置情報を、左可動体163bを左可動体用センサ604fの検出位置から左メカエンド601bの方向に4ステップ分移動した位置に補正する。
【0227】
次のステップS5810では、初期位置復帰動作の駆動情報をセットする。ここで、初期位置復帰動作とは、右可動体163aを右メカエンド601aの方向に所定距離だけ(本例では4ステップ)移動させる動作や、左可動体163bを左メカエンド601bの方向に所定距離だけ(本例では4ステップ)移動させる動作をいう。本例では、ステップS5810において、右可動体163aを右メカエンド601aの方向に移動速度200PPSで4ステップ移動させる初期位置復帰動作と、左可動体163bを左メカエンド601bの方向に移動速度200PPSで4ステップ移動させる初期位置復帰動作を同時に行うための駆動情報をセットする。ステップS5811では、位置補正フラグをオフにセットした後に処理を終了する。
【0228】
<第2副制御部画像制御処理>
次に、
図27を用いて、第2副制御部500のメイン処理における画像制御処理(ステップS5007)について説明する。
図27は、第2副制御部画像制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0229】
ステップS5901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518のメイン液晶用のフレームバッファ(以下、「メイン液晶用FB」という場合がある。)における表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていないメイン液晶用FBにおける表示領域に記憶された1フレームの画像が、メイン液晶157の表示領域に表示される。
【0230】
また同様に、CPU504は、VRAM518の右サブ液晶用のフレームバッファ(以下、「右サブ液晶用FB」という場合がある。)における表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない右サブ液晶用FBにおける表示領域に記憶された1フレームの画像が、右サブ液晶158aの表示領域に表示される。また同様に、CPU504は、VRAM518の左サブ液晶用のフレームバッファ(以下、「左サブ液晶用FB」という場合がある。)における表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない左サブ液晶用FBにおける表示領域に記憶された1フレームの画像が、左サブ液晶158bの表示領域に表示される。
【0231】
次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、メイン液晶用の画像データにおける位置情報等のテーブルに基づいて、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置を設定した後、ROM506からVRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域へのメイン液晶用の画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、メイン液晶用の画像データをROM506からVRAM518の描画領域に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0232】
また同様に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、右サブ液晶用の画像データにおける位置情報等のテーブルに基づいて、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518における右サブ液晶用FBの描画領域への右サブ液晶用の画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、右サブ液晶用の画像データをROM506からVRAM518の描画領域に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0233】
また同様に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、左サブ液晶用の画像データにおける位置情報等のテーブルに基づいて、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518における左サブ液晶用FBの描画領域へのサブ液晶用の画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、左サブ液晶用の画像データをROM506からVRAM518の描画領域に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0234】
ステップS5902では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS5903に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS5903では、アトリビュート処理を行う。詳細は後述するが、このアトリビュート処理では、ステップS5901でVRAM518のメイン液晶用FB、右サブ液晶用FB、および左サブ液晶用FBの描画領域に転送した画像データに基づいて、VRAM518のメイン液晶用FB、右サブ液晶用FB、および左サブ液晶用FBの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP516に指示する処理等を行う。
【0235】
ステップS5904では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってVRAM518のフレームバッファ(メイン液晶用FBの表示領域AまたはB、右サブ液晶用FBの表示領域AまたはB、左サブ液晶用FBの表示領域AまたはB)における画像描画を開始する。ステップS5905では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS5906に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS5906では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0236】
<アトリビュート処理>
次に、
図28を用いて、第2副制御部画像制御処理におけるアトリビュート処理(ステップS5903)について説明する。
図28は、アトリビュート処理の流れを示すフローチャートである。
【0237】
ステップS6001では、駆動回路526に記憶されている左サブ液晶158bの現在位置情報を取得し、RAM508の所定記憶領域に記憶し、次のステップS6002では、駆動回路526に記憶されている右サブ液晶158aの現在位置情報を取得し、RAM508の所定記憶領域に記憶し、ステップS6003に進む。ステップS6003では、座標決定処理を行う。詳細は後述するが、この座標決定処理では、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて、VRAM518における右サブ液晶用FBへの転送範囲を決定する処理、また、同様に、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて、VRAM518における左サブ液晶用FBへの転送範囲を決定する処理等を行う。
【0238】
ステップS6004では、
図30に示す液晶演出情報テーブルを参照し、今回の演出においてサブ液晶158を用いて再生する画像に対応する付加情報に、「メイン液晶対応範囲」を示す情報が記憶されているか否か、すなわち、メイン液晶157に表示させる表示の一部を、サブ液晶158に表示させる指示があるか無いかを判定し、指示がある場合にはステップS6006に進み、指示が無い場合にはステップS6005に進む。
【0239】
具体的には、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO1のデータを参照してデモ動画の表示を行う場合、左サブ液晶158bで再生する画像(デモ動画)に対応する付加情報に「メイン液晶対応範囲」を示す情報が記憶されていることから、左サブ液晶158bによってオーバーラップされるデモ動画の一部を、左サブ液晶158bの表示領域にも表示し、右サブ液晶158aで再生する画像(デモ動画)に対応する付加情報に「メイン液晶対応範囲」を示す情報が記憶されていることから、右サブ液晶158aによってオーバーラップされるデモ動画の一部を、右サブ液晶158aの表示領域にも表示する(詳細は後述)。
【0240】
ステップS6005では、ステップS6001,S6002で記憶した右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて、VDP516のアトリビュートレジスタに、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置を設定することで、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データのうち、右サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518における右サブ液晶用FBの描画領域に転送する処理を行う。
【0241】
また同様に、ステップS6001,S6002で記憶した左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて、VDP516のアトリビュートレジスタに、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置を設定することで、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データのうち、左サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518における左サブ液晶用FBの描画領域に転送する処理を行う。
【0242】
次のステップS6006では、VRAM518における右サブ液晶用FBの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過性など)をVDP516に指示する処理と、VRAM518における左サブ液晶用FBの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過性など)をVDP516に指示する処理等を行った後に処理を終了する。
【0243】
<座標決定処理>
次に、
図29を用いて、アトリビュート処理における座標決定処理(ステップS6003)について説明する。
図29は、座標決定処理の流れを示すフローチャートである。
※
図29は、
【0244】
ステップS6101では、前回の座標決定処理において記憶した位置情報(前回の位置情報)と、直近のアトリビュート処理におけるステップS6001,6002で取得した位置情報(今回の位置情報)を比較し、サブ液晶158の現在位置情報の更新があったか否かを判定し、更新が無かった場合にはステップS6103に進み、更新があった場合にはステップS6102に進む。ステップS6102では、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aの更新後の現在位置情報(今回の位置情報)を示すステップ数を、後述するピクセル換算式(0.8mm×ステップ数/0.3mm)に基づいてピクセル数に換算し、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aの現在の座標位置(現在座標位置)として記憶する。
【0245】
ここで、
図30を用いて、メイン液晶157とサブ液晶158の描画制御に利用される液晶演出情報テーブルについて説明する。
図30は、液晶演出情報テーブルの一部を抜粋して示した図である。
【0246】
この液晶演出情報テーブルは、第2副制御部500のROM506の所定記憶領域に予め記憶されるデータである。本例の液晶演出情報テーブルは、液晶、描画順序、再生動画、付加情報、オフセット情報、透過性等の情報を有して構成される。第2副制御部500は、メイン液晶157とサブ液晶158の描画制御を行う場合に、この液晶演出情報テーブルを参照し、再生対象の動画や静止画像を描画する座標位置を決定する処理等を行う。
【0247】
「液晶」は、描画制御の対象となる液晶の種別を示す情報であり、本例では、メイン(メイン液晶157)、右サブ(右サブ液晶158a)、左サブ(左サブ液晶158b)のいずれか一つの液晶が指定される。「描画順序」は、再生対象の動画や静止画像が複数ある場合に、その描画の順番を示す情報である。「再生動画」は、再生対象の動画や静止画像を識別するための名称を示す情報である。「付加情報」は、後述する「左サブ液晶追従」、「右サブ液晶追従」、「中間座標位置」、「初期座標位置」等の再生動画に関連する情報である。「オフセット情報」は、右サブ液晶158aや左サブ液晶158bの基準座標からの距離(本例では、ピクセル数)を表す情報である(詳細は後述)。「透過性(%)」は、再生対象の動画や静止画像の透過率を示す情報であり、0〜100の数値が指定される。
【0248】
図29に戻って、座標決定処理のステップS6103では、液晶演出情報テーブルにおける再生対象の動画や静止画像に対応する付加情報を参照し、当該付加情報に「サブ液晶追従(左サブ液晶追従、または右サブ液晶追従)」を示す情報があるか無いかを判定し、該当しない場合にはステップS6105に進み、該当する場合にはステップS6104に進む。ステップS6104では、追従画像座標決定処理(詳細は後述)を行った後にステップS6105に進む。詳細は後述するが、この追従画像座標決定処理では、サブ液晶158に追従させる動画や静止画像を描画する座標位置を決定する処理等を行う。
【0249】
ステップS6105では、液晶演出情報テーブルにおける再生対象の動画や静止画像に対応する付加情報を参照し、当該付加情報に「中間座標位置」の指示があるか無いかを判定し、該当しない場合にはステップS6108に進み、該当する場合にはステップS6106に進む。ステップS6106では、右サブ液晶158aに追従させる動画や静止画像の座標と左サブ液晶158bに追従させる動画や静止画像の座標に基づいて、中間座標位置を算出する。次のステップS6107では、ステップS6106で算出した中間座標位置を、再生対象の動画や静止画像を描画する座標位置として更新し、更新後の座標位置を、再生対象の動画や静止画像に関連付けして記憶する。
【0250】
ステップS6108では、液晶演出情報テーブルにおける再生対象の動画や静止画像に対応する付加情報を参照し、当該付加情報に「初期座標設定」の指示があるか無いかを判定し、該当しない場合にはステップS6112に進み、該当する場合にはステップS6109に進む。ステップS6109では、初期座標設定済みか否かを判定し、該当する場合にはステップS6111に進み、該当しない場合にはステップS6110に進む。ステップS6110では、前回の座標位置を初期座標に設定した後にステップS6111に進む。
【0251】
ステップS6111では、設定された初期座標を、再生対象の動画や静止画像を描画する座標位置として更新し、更新後の座標位置を、再生対象の動画や静止画像に関連付けして記憶する。ステップS6112では、再生対象の動画が複数ある場合には、複数の動画毎に座標位置を更新・記憶する処理等を行った後に処理を終了する。
【0252】
<追従画像座標決定処理>
次に、
図31を用いて、座標決定処理における追従画像座標決定処理(ステップS6104)について説明する。
図31は、追従画像座標決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0253】
ステップS6201では、オフセット値の設定があるか無いかを判定し、該当する場合にはステップS6205に進み、該当しない場合にはステップS6202に進む。ステップS6202では、液晶演出情報テーブルにおける再生対象の動画や静止画像に対応するオフセット情報を参照し、当該オフセット情報に値が記憶されているか否かを判定し、該当する場合にはステップS6203に進み、該当しない場合にはステップS6204に進む。
【0254】
ステップS6203では、オフセット情報に記憶された値をオフセット値として設定した後にステップS6205に進み、ステップS6204では、対象のサブ液晶158の現在座標位置と前回の座標位置に基づいてオフセット値を算出して設定した後にステップS6205に進む。
【0255】
ステップS6205では、対象のサブ液晶158の現在座標位置と、ステップS6203で設定、または、ステップS6204で算出したオフセット値に基づいて座標位置を算出し、次のステップS6206では、ステップS6205で算出した座標位置を更新して記憶した後に処理を終了する。
【0256】
<メイン液晶とサブ液晶の相対位置>
次に、
図32と
図33を用いて、メイン液晶157とサブ液晶158の相対位置について説明する。
図32は、初期位置にあるサブ液晶158と、メイン液晶157の相対位置を示した図であり、
図33は、初期位置にあるサブ液晶158の表示領域と、メイン液晶157の表示領域の相対位置を示した図である。
【0257】
図32に示すように、本例のメイン液晶157の表示領域の大きさをmm(ミリメートル)で表した場合、水平方向(X方向)の幅は384mmであり、表示領域の左右両端から192mmの位置が中心位置である。また、本例の右サブ液晶158aと左サブ液晶158bは、
図4を用いて説明したように、各々の初期位置と、メイン液晶157の中心位置との間を、132ステップ分(本例では、駆動モータの1ステップの移動量は0.8mmであるため、105.6mm)の移動が可能であり、その最大間隔は、264ステップ分(本例では、211.2mm)である。
【0258】
また、
図33に示すように、メイン液晶157の表示領域の大きさをピクセル(画素)の数で表した場合、水平方向(X方向)の幅は1280ピクセルであり、垂直方向(Y方向)の高さは1024ピクセルである。よって、メイン液晶157の正面視左上隅の座標を(0、0)と定義した場合、メイン液晶157の正面視右上隅の座標は(1280、0)である。なお、メイン液晶157のピクセルピッチ(画素ピッチ)は0.3×0.3である。
【0259】
図33に示すように、右サブ液晶158a,左サブ液晶158bの表示領域の大きさを画素数(ピクセル数)で表した場合、水平方向(X方向)の幅は256ピクセルであり、垂直方向(Y方向)の高さは320ピクセルである。なお、右サブ液晶158aと左サブ液晶158bのピクセルピッチ(画素ピッチ)は、いずれも0.3×0.3である。
【0260】
左サブ液晶158bが、
図32に示す初期位置に位置している場合、その表示領域の正面視左上隅は、メイン液晶157の正面視左上隅と一致するように構成されている。このため、初期位置の左サブ液晶158bの表示領域の正面視左上隅の座標は(0、0)であり、正面視右上隅の座標は(256、0)であり、正面視左下隅の座標は(0、320)であり、正面視右下隅の座標は(256、320)である。
【0261】
また、右サブ液晶158aが、
図32に示す初期位置に位置している場合、その表示領域の正面視右上隅は、メイン液晶157の正面視右上隅と一致するように構成されている。このため、初期位置の右サブ液晶158aの表示領域の正面視右上隅の座標は(1280、0)であり、正面視左上隅の座標は(1024、0)であり、正面視右下隅の座標は(1280、320)であり、正面視左下隅の座標は(1024、320)である。
【0262】
図32に示すように、左サブ液晶158bの基準座標Bは、初期位置の左サブ液晶158bの表示領域の中心位置に設定しており、その座標は(128(=0+256/2)、160(=0+320/2))である。また、右サブ液晶158aの基準座標Aは、初期位置の右サブ液晶158aの表示領域の中心位置に設定しており、その座標は(1152(=1024+256/2)、160(=0+320/2))である。
【0263】
<VRAMのFB(フレームバッファ)>
次に、
図34〜
図36を用いて、VRAM518のメイン液晶用FB、右サブ液晶用FB、および左サブ液晶用FBについて説明する。
【0264】
図34は、通常中デフォルト動画、ART中デフォルト動画(ナビ無し)等の表示制御を行う場合における、VRAM518のメイン液晶用FB、右サブ液晶用FB、および左サブ液晶用FBの関係を模式的に示した図である。また、
図35は、デモ動画、ART中デフォルト動画(ナビあり)、おっかけ演出等の表示制御を行う場合における、VRAM518のメイン液晶用FB、右サブ液晶用FB、左サブ液晶用FBの表示領域Aの関係を模式的に示した図である。また、
図36は、デモ動画、ART中デフォルト動画(ナビあり)、おっかけ演出等の表示制御を行う場合における、VRAM518のメイン液晶用FB、右サブ液晶用FB、左サブ液晶用FBの表示領域Bの関係を模式的に示した図である。
【0265】
本例では、VRAM518のFBに、メイン液晶157に描画する動画や静止画像の画像データを格納するためのメイン液晶用FB(表示領域A(Ma)および表示領域B(Mb))と、右サブ液晶158aに描画する動画や静止画像の画像データを格納するための右サブ液晶用FB(表示領域A(SRa)および表示領域B(SRb))と、左サブ液晶158bに描画する動画や静止画像の画像データを格納するための左サブ液晶用FB(表示領域A(SLa)および表示領域B(SLb))をそれぞれ設けている。
【0266】
なお、本例では、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の各々のサイズを、メイン液晶157の表示に最低限必要な容量に設定し、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の各々のサイズを、右サブ液晶158aの表示に最低限必要な容量に設定し、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の各々のサイズを、左サブ液晶158bの表示に最低限必要な容量に設定している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の各々のサイズを、さらに大きな容量に設定してもよいし、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)や左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の各々のサイズを、さらに大きな容量に設定してもよい。
【0267】
図27を用いて説明したように、第2副制御部500のCPU504は、メイン液晶用の画像データにおける位置情報等のテーブルに基づいて、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置をVDP516のアトリビュートレジスタに設定した後、ROM506からVRAM518の描画領域へのメイン液晶用の画像データの転送開始を指示する命令を設定する。これにより、VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、メイン液晶用の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送する。
【0268】
また同様に、第2副制御部500のCPU504は、サブ液晶用の画像データにおける位置情報等のテーブルに基づいて、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置をVDP516のアトリビュートレジスタに設定した後、ROM506からVRAM518の描画領域へのサブ液晶用の画像データの転送開始を指示する命令を設定する。これにより、VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて、サブ液晶用の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(右サブ液晶158aについては、表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域、また、左サブ液晶158bについては、表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送する。
【0269】
また、第2副制御部500のCPU504は、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップすることで、表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定された領域に記憶された1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。また同様に、第2副制御部500のCPU504は、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の描画領域の指定をスワップすることで、表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定された領域に記憶された1フレームの画像を、右サブ液晶158aの表示領域に表示させ、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の描画領域の指定をスワップすることで、表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定された領域に記憶された1フレームの画像を、左サブ液晶158bの表示領域に表示させる。
【0270】
通常中デフォルト動画、ART中デフォルト動画(ナビ無し)等の表示制御を行う場合には、以上の表示制御を繰り返し実行するが、デモ動画、ART中デフォルト動画(ナビあり)、おっかけ演出等の表示制御を行う場合には、さらに次に説明する表示制御を行う。すなわち、第2副制御部500のCPU504は、
図28を用いて説明したアトリビュート処理において、
図30に示す液晶演出情報テーブルを参照し、今回の演出においてサブ液晶158を用いて再生する画像に対応する付加情報に、「メイン液晶対応範囲」を示す情報が記憶されているか否か、すなわち、メイン液晶157に表示させる表示の一部を、サブ液晶158に表示させる指示があるか無いかを判定する。
【0271】
判定の結果、右サブ液晶158aに表示させる指示がある場合には、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて、VDP516のアトリビュートレジスタに、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置を設定することで、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データのうち、右サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の右サブ液晶用FBの描画領域(
図35や
図36に示す表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送する処理を行う。
【0272】
また同様に、左サブ液晶158bに表示させる指示がある場合には、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて、VDP516のアトリビュートレジスタに、ROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などの座標位置を設定することで、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データのうち、左サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の左サブ液晶用FBの描画領域(
図35や
図36に示す表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送する処理を行う。
【0273】
より具体的には、第2副制御部500は、アトリビュート処理において、メイン液晶157に表示する表示の一部(左サブ液晶158bによってオーバーラップされる動画や静止画像)を左サブ液晶158bに表示すると判定した場合に、
図35や
図36に示す例では、左サブ液晶158bが初期位置に位置していることから、初期位置の基準座標B(128、160)に基づいて、左サブ液晶158bによってオーバーラップされる表示領域(VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データのうち、左サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲。
図35に示す例では、メイン液晶用FBの表示領域Aのうち、
図32に示す座標(0、0),(256、0),(0、320),(256、320)で規定される表示領域、
図36に示す例では、メイン液晶用FBの表示領域Bのうち、
図32に示す座標(0、0),(256、0),(0、320),(256、320)で規定される表示領域)を転送範囲に設定し、当該転送範囲の画像データを、左サブ液晶用FBの描画領域(表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送する処理を行う。
【0274】
また、第2副制御部500は、アトリビュート処理において、メイン液晶157に表示する表示の一部(右サブ液晶158aによってオーバーラップされる動画や静止画像)を右サブ液晶158aに表示すると判定した場合に、
図35や
図36に示す例では、右サブ液晶158aが初期位置に位置していることから、初期位置の基準座標A(1152、160)に基づいて、右サブ液晶158aによってオーバーラップされる表示領域(VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データのうち、右サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲。
図35に示す例では、メイン液晶用FBの表示領域Aのうち、
図32に示す座標(1024、0),(1280、0),(1024、320),(1280、320)で規定される表示領域、
図36に示す例では、メイン液晶用FBの表示領域Bのうち、
図32に示す座標(1024、0),(1280、0),(1024、320),(1280、320)で規定される表示領域)を転送範囲に設定し、当該転送範囲の画像データを、右サブ液晶用FBの描画領域(表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送する処理を行う。
【0275】
また、第2副制御部500のCPU504は、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の描画領域の指定をスワップすることで、表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定された領域に記憶された1フレームの画像を、右サブ液晶158aの表示領域に表示させ、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の描画領域の指定をスワップすることで、表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定された領域に記憶された1フレームの画像を、左サブ液晶158bの表示領域に表示させる。
【0276】
<各種表示例>
次に、スロットマシン100による各種表示例について説明する。
【0277】
<各種表示例/デモ動画の表示>
図37(a)は、デモ動画の表示の一例を示した図である。本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO1のデータを参照し、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序0の再生動画に指定されたデモ動画の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域においてデモ動画の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶されたデモ動画の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0278】
続いて、左サブ液晶158bによる表示を行うが、付加情報でメイン液晶対応範囲が指定されていることから、
図27を用いて説明したアトリビュート処理において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データ(デモ動画の画像データ)のうち、左サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の左サブ液晶用FBの描画領域(
図35に示す左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域においてデモ動画の描画を行う。また、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶されたデモ動画の1フレームの画像を、左サブ液晶158bの表示領域に表示させる。
【0279】
続いて、右サブ液晶158aによる表示を行うが、付加情報でメイン液晶対応範囲が指定されていることから、
図27を用いて説明したアトリビュート処理において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データ(デモ動画の画像データ)のうち、右サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の右サブ液晶用FBの描画領域(
図35に示す右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域においてデモ動画の描画を行う。また、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶されたデモ動画の1フレームの画像を、右サブ液晶158aの表示領域に表示させる。
【0280】
また、リール窓113の内側の領域では、リール110〜112からの光等がバックライトの役割を果たし、この領域においてメイン液晶157に表示されるデモ動画が視認可能な状態となる。一方、メイン液晶157はリール110〜112の光を遮るシャッタの役割を果たすため、リール110〜112の視認性は低下する(見えにくくなる)ことになる。
【0281】
<各種表示例/通常演出の表示>
図37(b)は、通常演出の表示の一例を示した図である。本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO2−1のデータを参照し、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序0の再生動画に指定された背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0282】
続いて、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序1の再生動画に指定された通常中デフォルト動画の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において通常中デフォルト動画の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された通常中デフォルト動画の画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0283】
続いて、左サブ液晶158bに対応する再生動画として、描画順序0の再生動画に指定された障子画像(障子の外観を模した画像)の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示す左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像(障子の外観を模した画像)の描画を行う。また、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像(障子の外観を模した画像)の画像を、左サブ液晶158bの表示領域に表示させる。
【0284】
続いて、右サブ液晶158aに対応する再生動画として、描画順序0の再生動画に指定された障子画像(障子の外観を模した画像)の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示す右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像(障子の外観を模した画像)の描画を行う。また、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像(障子の外観を模した画像)の画像を、右サブ液晶158aの表示領域に表示させる。
【0285】
また、通常演出ではリール窓113の内側の領域において画像を表示しないことにより、リール110〜112の視認性を確保した状態にしており、リール110〜112の図柄を正面から視認可能である。なお、本例では、リール110〜112を停止した後に、リール110〜112の図柄を視認可能な程度で、リール窓113の内側の領域において画像を表示する場合がある。
【0286】
<各種表示例/操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)>
次に、
図38と
図39を用いて、操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)の流れについて説明する。
【0287】
ここでは、リール110〜112の正解停止順が「右リール112→左リール110→中リール111」である場合に選択される操作条件報知演出の一例として、右リール112の操作順序を示唆する右リール用ナビRN(本例では、第1停止操作を示唆する数字の1を含む白丸の静止画像)と、左リール110の操作順序を示唆する左リール用ナビLN(本例では、第2停止操作を示唆する数字の2を含む白丸の静止画像)と、中リール111の操作順序を示唆する中リール用ナビCN(本例では、第3停止操作を示唆する数字の3を含む白丸の静止画像)と、を表示する例について説明する。
【0288】
本例では、第1停止操作を受け付けた場合に、
図38(b)に示すように、右サブ液晶158aを第一の距離だけ中央側に移動させる演出を行う。また、表示中のART中デフォルト動画を、特別な動画(本例では、殿のキャラクタと侍のキャラクタが決闘を行うシーンを含む決闘演出動画)に発展させる場合には、第2停止操作を受け付けたときに、
図39に示すように、右サブ液晶158aを第二の距離だけ中央側に移動させ、第3停止操作を受け付けたときに、(図示はしないが)右サブ液晶158aを中央位置まで第三の距離だけ移動させる演出を行う。
【0289】
また、決闘演出動画に発展させた場合には、殿のキャラクタが、遊技者にとって有利な特典(例えば、ゲーム数上乗せ、セット上乗せ、上乗せしやすい高確ゾーンへの移行等)を付与することを示唆する表示態様(例えば、決闘に勝利をした表示態様)に変化させることで、遊技者の期待感を高める場合がある。一方、決闘演出動画に発展させない場合には、第2停止操作または第3停止操作を受け付けたときに右サブ液晶158aを初期位置まで戻す動作を行う。
【0290】
<各種表示例/操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)/全リール回転中>
図40(a)は、操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)の開始時におけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図40(b)は、
図40(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0291】
本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO11−1のデータを参照し、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序0の再生動画に指定された背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0292】
続いて、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序1の再生動画に指定されたART中デフォルト動画の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域においてART中デフォルト動画の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶されたART中デフォルト動画の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0293】
続いて、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序2の再生動画に指定された左リール用ナビLNの表示を行うが、付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(+256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある左サブ液晶158bの基準座標B(128、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(+256、0)に基づいて座標位置(384(=128+256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、左リール用ナビLNの中心点aとして設定する。
【0294】
また、左リール用ナビLNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点aを基準座標として転送することで、当該描画領域において左リール用ナビLNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された左リール用ナビLNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点aを基準座標として左リール用ナビLNが表示される。
【0295】
続いて、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序3の再生動画に指定された右リール用ナビRNの表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−256、0)に基づいて座標位置(896(=1152−256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、右リール用ナビRNの中心点bとして設定する。
【0296】
また、右リール用ナビRNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点bを基準座標として転送することで、当該描画領域において右リール用ナビRNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された右リール用ナビRNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点bを基準座標として右リール用ナビRNが表示される。
【0297】
続いて、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序4の再生動画に指定された中リール用ナビCNの表示を行うが、付加情報で中間座標位置が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6106において、左サブ液晶158bに追従させる左リール用ナビLNの座標位置(本例では、384、160)と、右サブ液晶158aに追従させる右リール用ナビRNの座標位置(本例では、896、160)に基づいて、中間座標位置(本例では、640(=384+(896−384)/2、160)を算出し、座標決定処理のステップS6107において、この座標位置を、中リール用ナビCNの中心点cとして設定する。
【0298】
また、中リール用ナビCNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点cを基準座標として転送することで、当該描画領域において中リール用ナビCNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された中リール用ナビCNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点cを基準座標として中リール用ナビCNが表示される。
【0299】
続いて、メイン液晶157の表示領域を用いて、描画順序5の再生動画に指定された障子画像の表示を行うが、付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(0、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、基準座標B(128、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(0、0)に基づいて座標位置(128(=128+0)、160(=160+0))を算出し、この座標位置、すなわち、左サブ液晶158bの現在座標位置を、障子画像の中心点として設定する。
【0300】
また、障子画像の画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157において左サブ液晶158bがオーバーラップする表示領域に、障子画像が表示される。
【0301】
続いて、メイン液晶157の表示領域を用いて、描画順序6の再生動画に指定された障子画像の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(0、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて座標位置(本例では、基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(0、0)に基づいて座標位置(1152(=1152+0)、160(=160+0))を算出し、この座標位置、すなわち、右サブ液晶158aの現在位置を、障子画像の中心点として設定する。
【0302】
また、障子画像の画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157において右サブ液晶158aがオーバーラップする表示領域に、障子画像が表示される。
【0303】
続いて、左サブ液晶158bによる表示を行うが、付加情報でメイン液晶対応範囲が指定されていることから、
図27を用いて説明したアトリビュート処理において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データ(障子画像の画像データ)のうち、左サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の左サブ液晶用FBの描画領域(
図35に示す左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、左サブ液晶158bの表示領域に表示させる。これにより、左サブ液晶158bによってオーバーラップされる障子画像の一部が、左サブ液晶158bの表示領域にも表示される。
【0304】
続いて、右サブ液晶158aによる表示を行うが、付加情報でメイン液晶対応範囲が指定されていることから、
図27を用いて説明したアトリビュート処理において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データ(障子画像の画像データ)のうち、右サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の右サブ液晶用FBの描画領域(
図35に示す右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、右サブ液晶158aの表示領域に表示させる。右サブ液晶158aによってオーバーラップされる障子画像の一部を、右サブ液晶158aの表示領域にも表示する。
【0305】
<各種表示例/操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)/第1停止操作後>
図41(a)は、操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)の第1停止操作後におけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図41(b)は、
図41(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0306】
本例では、第1停止操作を受け付けた場合に、右サブ液晶158aを第一の距離だけ中央側に移動させる演出を行うが、ここでは、リール110〜112の正解停止順「右リール112→左リール110→中リール111」に従って右リール112の第1停止操作が行われ、右サブ液晶158aを第一の距離(本例では、36ステップ分)だけ中央側に移動させている。
【0307】
続いて、本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO11−2のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定された左リール用ナビLNの表示を行うが、付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(+256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、左サブ液晶158bの現在位置情報(本例では、初期位置にある左サブ液晶158bの基準座標B(128、160))に基づいて現在座標位置(384(=128+256)、160(=160+0))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(+256、0)に基づいて座標位置を算出し、この座標位置を、左リール用ナビLNの中心点aとして設定する。
【0308】
また、左リール用ナビLNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点aを基準座標として転送することで、当該描画領域において左リール用ナビLNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された左リール用ナビLNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点aを基準座標として左リール用ナビLNが表示される。
【0309】
続いて、描画順序3の再生動画に指定された右リール用ナビRNの表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、移動後の右サブ液晶158aの基準座標A(1056、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−256、0)に基づいて座標位置(800(=1056−256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、右リール用ナビRNの中心点bとして設定する。
【0310】
また、右リール用ナビRNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点bを基準座標として転送することで、当該描画領域において右リール用ナビRNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された右リール用ナビRNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点bを基準座標として右リール用ナビRNが表示される。ただし、付加情報で透過性が100%に指定されていることから、メイン液晶157の表示領域において右リール用ナビRNは透明な画像として表示され、遊技者は右リール用ナビRNを視認することはできない。
【0311】
なお、移動後の右サブ液晶158aの基準座標Aは、右サブ液晶158aの移動に要したステップ数をピクセル換算式によってピクセルに換算することで算出することができる。具体的には、1ステップは0.8mm、1ピクセルは0.3mmに、それぞれ相当することから、ピクセル換算式は「0.8mm×ステップ数/0.3mm」となる。本例では、右サブ液晶158aの移動に要したステップ数は36ステップであるため、36ステップに対応するピクセル数は、0.8mm×36ステップ/0.3mm=96ピクセルとなる。よって、移動後の右サブ液晶158aの基準座標Aは、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160)から中央側に96ピクセルだけ水平方向に移動した位置である(1056(=1152−96)、160)となる。
【0312】
続いて、描画順序4の再生動画に指定された中リール用ナビCNの表示を行うが、付加情報で中間座標位置が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6106において、左サブ液晶158bに追従させる左リール用ナビLNの座標位置(本例では、384、160)と、右サブ液晶158aに追従させる右リール用ナビRNの座標位置(本例では、800、160)に基づいて、中間座標位置(本例では、592(=384+(800−384)/2、160)を算出し、座標決定処理のステップS6107において、この座標位置を、中リール用ナビCNの中心点cとして設定する。
【0313】
また、中リール用ナビCNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点cを基準座標として転送することで、当該描画領域において中リール用ナビCNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された中リール用ナビCNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点cを基準座標として中リール用ナビCNが表示される。
【0314】
<各種表示例/操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)/第2停止操作後>
図42(a)は、操作条件報知演出(サブ液晶の移動有り)の第2停止操作後におけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図42(b)は、
図42(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0315】
本例では、第2停止操作を受け付けた場合に、右サブ液晶158aを第二の距離だけ中央側に移動させる演出を行うが、ここでは、リール110〜112の正解停止順「右リール112→左リール110→中リール111」に従って左リール110の第2停止操作が行われ、右サブ液晶158aを第二の距離(本例では、36ステップ分)だけ中央側に移動させている。
【0316】
続いて、本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO11−3のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定された左リール用ナビLNの表示を行うが、付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(+256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある左サブ液晶158bの基準座標B(128、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(+256、0)に基づいて座標位置(384(=128+256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、左リール用ナビLNの中心点aとして設定する。
【0317】
また、左リール用ナビLNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点aを基準座標として転送することで、当該描画領域において左リール用ナビLNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された左リール用ナビLNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点aを基準座標として左リール用ナビLNが表示される。ただし、付加情報で透過性が100%に指定されていることから、メイン液晶157の表示領域において左リール用ナビLNは透明な画像として表示され、遊技者は左リール用ナビLNを視認することはできない。
【0318】
続いて、描画順序3の再生動画に指定された右リール用ナビRNの表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、移動後の右サブ液晶158aの基準座標A(960、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−256、0)に基づいて座標位置(704(=960−256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、右リール用ナビRNの中心点bとして設定する。
【0319】
また、右リール用ナビRNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点bを基準座標として転送することで、当該描画領域において右リール用ナビRNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された右リール用ナビRNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点bを基準座標として右リール用ナビRNが表示される。ただし、付加情報で透過性が100%に指定されていることから、メイン液晶157の表示領域において右リール用ナビRNは透明な画像として表示され、遊技者は右リール用ナビRNを視認することはできない。
【0320】
なお、移動後の右サブ液晶158aの基準座標Aは、右サブ液晶158aの移動に要したステップ数をピクセル換算式によってピクセルに換算することで算出することができ、移動後の右サブ液晶158aの基準座標Aは、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1056、160)から中央側に96ピクセルだけ水平方向に移動した位置である(960(=1056−96)、160)となる。
【0321】
続いて、描画順序4の再生動画に指定された中リール用ナビCNの表示を行うが、付加情報で中間座標位置が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6106において、左サブ液晶158bに追従させる左リール用ナビLNの座標位置(本例では、384、160)と、右サブ液晶158aに追従させる右リール用ナビRNの座標位置(本例では、704、160)に基づいて、中間座標位置(本例では、544(=384+(704−384)/2、160)を算出し、座標決定処理のステップS6107において、この座標位置を、中リール用ナビCNの中心点cとして設定する。
【0322】
また、中リール用ナビCNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点cを基準座標として転送することで、当該描画領域において中リール用ナビCNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された中リール用ナビCNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点cを基準座標として中リール用ナビCNが表示される。
【0323】
なお、本実施形態では、付加情報において透過性を100%に指定することで、左リール用ナビLNや右リール用ナビRNを透明な画像として表示する例を示したが、本発明はこれに限定されず、左リール用ナビLNと右リール用ナビRNの座標に基づいて中リール用ナビCNの中心点(中間座標位置)を算出できればよく、左リール用ナビLNや右リール用ナビRNを表示しなくてもよい。
【0324】
また、本実施形態では、第1停止操作後にサブ液晶158を移動させる演出(サブ液晶の移動有り)について説明したが、本発明はこれに限定されず、第1停止操作後にサブ液晶158を移動させない演出(サブ液晶の移動無し)を行ってもよい。このような演出を行う場合には、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO11−2のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定された左リール用ナビLNの表示を行うが、付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(+256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある左サブ液晶158bの基準座標B(128、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(+256、0)に基づいて座標位置(384(=128+256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、左リール用ナビLNの中心点aとして設定する。
【0325】
また、左リール用ナビLNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点aを基準座標として転送することで、当該描画領域において左リール用ナビLNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された左リール用ナビLNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点aを基準座標として左リール用ナビLNが表示される。
【0326】
続いて、描画順序3の再生動画に指定された右リール用ナビRNの表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−256、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−256、0)に基づいて座標位置(896(=1152−256)、160(=160+0))を算出し、この座標位置を、右リール用ナビRNの中心点bとして設定する。
【0327】
また、右リール用ナビRNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点bを基準座標として転送することで、当該描画領域において右リール用ナビRNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された右リール用ナビRNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域におい、中心点bを基準座標として右リール用ナビRNが表示される。ただし、付加情報で透過性が100%に指定されていることから、メイン液晶157の表示領域において右リール用ナビRNは透明な画像として表示され、遊技者は右リール用ナビRNの画像を視認することはできない。
【0328】
続いて、描画順序4の再生動画に指定された中リール用ナビCNの表示を行うが、付加情報で中間座標位置が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6106において、左サブ液晶158bに追従させる左リール用ナビLNの座標位置(本例では、384、160)と、右サブ液晶158aに追従させる右リール用ナビRNの座標位置(本例では、896、160)に基づいて、中間座標位置(本例では、640(=384+(896−384)/2、160)を算出し、座標決定処理のステップS6107において、この座標位置を、中リール用ナビCNの中心点cとして設定する。
【0329】
また、中リール用ナビCNの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図34に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点cを基準座標として転送することで、当該描画領域において中リール用ナビCNの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された中リール用ナビCNの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点cを基準座標として中リール用ナビCNが表示される。
【0330】
<各種表示例/おっかけ演出1>
次に、
図43〜
図49に加えて上記
図30を用いて、おっかけ演出1を行う場合の画像制御について説明する。
【0331】
本例に係るおっかけ演出1は、爺のキャラクタからなる画像JC(以下、単に「爺キャラJC」と称する場合がある)を含む動画と、殿のキャラクタからなる画像TC(以下、単に「殿キャラTC」と称する場合がある)を含む動画と、サブ液晶158を用いる演出であり、おっかけ演出シーン1〜4の4つのシーンで構成される。本例では、これらのおっかけ演出シーン1〜4を、おっかけ演出シーン1→おっかけ演出シーン2→おっかけ演出シーン3→おっかけ演出シーン4の順番で行うように構成しているが、本発明は、これに限定されず、おっかけ演出シーン1〜4を本例とは異なる順番で行うように構成してもよい。
【0332】
図43と
図44(a)は、おっかけ演出シーン1の一例を示した図である。本例のおっかけ演出シーン1は、爺キャラJCを初期位置に停止表示して右サブ液晶158aの動きに追従させず、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが非追従(初期位置停止)、殿キャラTCが追従の演出)である。
【0333】
図45(b)は、おっかけ演出シーン2の一例を示した図である。本例のおっかけ演出シーン2は、爺キャラJCを右サブ液晶158aの動きに追従させ、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)である。本例では、おっかけ演出シーン1の連打演出中に、演出ボタン156の長押し操作を受け付けたことから、右サブ液晶158aを1段階(48ステップ分)、水平方向右側に移動させるとともに、おっかけ演出シーン2を開始している。
【0334】
図45(a)は、おっかけ演出シーン3の一例を示した図である。本例のおっかけ演出シーン3は、爺キャラJCを直前の演出終了時の位置に停止表示して右サブ液晶158aの動きに追従させず、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが非追従(前回位置停止)、殿キャラTCが追従の演出)である。本例では、おっかけ演出シーン2の連打演出中に、演出ボタン156の操作回数が所定回数(例えば、7回)に到達したことから、右サブ液晶158aを1段階(48ステップ分)、水平方向左側に移動させるとともに、おっかけ演出シーン3を開始している。
【0335】
図45(b)は、おっかけ演出シーン4の一例を示した図である。本例のおっかけ演出シーン4は、爺キャラJCを右サブ液晶158aの動きに追従させず、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させない演出(爺キャラJCが非追従、殿キャラTCが非追従の演出)である。本例では、おっかけ演出シーン3が終了したことから、おっかけ演出シーン4を開始している。
【0336】
また、上述の通り、第1副制御部400は、第1副制御部演出制御処理において、演出ボタン156の操作回数が5回以上10回未満になった場合には、サブ液晶158を1段階移動させる指示を行い、操作カウントの値が10回以上20回未満になった場合には、サブ液晶158を2段階移動させる指示を行い、操作カウントの値が20回以上になった場合には、サブ液晶158を3段階移動させる指示を行う。
【0337】
本例に係るおっかけ演出では、連打演出(演出ボタン156の連打を示唆する報知を含む演出)を行うとともに、当該連打演出中に、演出ボタン156の操作回数が5回以上10回未満になった場合には、右サブ液晶158aを1段階移動させ、操作カウントの値が10回以上20回未満になった場合には、右サブ液晶158aを2段階移動させ、操作カウントの値が20回以上になった場合には、右サブ液晶158aを3段階移動させるように構成している。
【0338】
<各種表示例/おっかけ演出1/シーン1>
図46(a)は、おっかけ演出シーン1の開始時におけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図46(b)は、
図46(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0339】
上述の通り、おっかけ演出シーン1は、爺キャラJCを初期位置に停止表示して右サブ液晶158aの動きに追従させず、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが非追従(初期位置停止)、殿キャラTCが追従の演出)である。本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−1のデータを参照し、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序0の再生動画に指定された背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された背景A動画(リール窓113の白色描画を含む)の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0340】
続いて、メイン液晶157に対応する再生動画として、描画順序1の再生動画に指定されたおっかけ演出背景動画の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域においておっかけ演出背景動画の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶されたおっかけ演出背景動画の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0341】
続いて、描画順序2の再生動画に指定されたキャラクタA動画1(本例では、爺キャラJCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で座標位置(460、227)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理において、この座標位置を、爺キャラJCの中心点dとして設定する。また、爺キャラJCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点dを基準座標として転送することで、当該描画領域において爺キャラJCの描画を行う。
【0342】
また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された爺キャラJCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点dを基準座標として爺キャラJCが表示される。なお、爺キャラJCの中心点dは、左サブ液晶158bの基準座標B(128、160)から、水平方向(X方向)右側に332(=460−128)ピクセル、垂直方向(Y方向)下側に67(=227−160)ピクセル離れた位置である。
【0343】
続いて、描画順序3の再生動画に指定されたキャラクタB動画1(本例では、殿キャラTCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−320、+28)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−320、+28)に基づいて座標位置(832(=1152−320)、188(=160+28))を算出し、この座標位置を、殿キャラTCの中心点eとして設定する。
【0344】
また、殿キャラTCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において殿キャラTCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された殿キャラTCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点eを基準座標として殿キャラTCが表示される。
【0345】
なお、殿キャラTCの中心点eは、右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160)から、水平方向(X方向)左側に320ピクセル離れた位置であって、爺キャラJCの中心点dから、水平方向(X方向)右側に372(=832−460)ピクセル離れた位置である。すなわち、
図43(b)において符号Bで示す、殿キャラTCと右サブ液晶158aとの距離は、320ピクセルであり、
図43(b)において符号Aで示す、爺キャラJCと殿キャラTCとの距離は372ピクセルである。
【0346】
続いて、メイン液晶157の表示領域を用いて、描画順序4の再生動画に指定された障子画像の表示を行うが、付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(0、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、基準座標B(128、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(0、0)に基づいて座標位置(128(=128+0)、160(=160+0))を算出し、この座標位置、すなわち、左サブ液晶158bの現在座標位置を、障子画像の中心点として設定する。
【0347】
また、障子画像の画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157において左サブ液晶158bがオーバーラップする表示領域に、障子画像が表示される。
【0348】
続いて、メイン液晶157の表示領域を用いて、描画順序5の再生動画に指定された障子画像の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(0、0)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて座標位置(本例では、基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(0、0)に基づいて座標位置(1152(=1152+0)、160(=160+0))を算出し、この座標位置、すなわち、右サブ液晶158aの現在位置を、障子画像の中心点として設定する。
【0349】
また、障子画像の画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157において右サブ液晶158aがオーバーラップする表示領域に、障子画像が表示される。
【0350】
続いて、メイン液晶157の表示領域を用いて、描画順序6の再生動画に指定された連打演出画像の表示を行う。ここでは、連打演出画像の画像データをROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において連打演出画像の描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された連打演出画像の1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。なお、本例では、連打演出画像として、演出ボタン156の操作受付期間の残り時間に合わせてメーター表示のゲージを減らしていく操作受付期間表示MTと、演出ボタン156による連打操作を遊技者に促す操作促進表示BT(本例では、連打!の文字列を含む画像)を行う。
【0351】
続いて、左サブ液晶158bによる表示を行うが、付加情報でメイン液晶対応範囲が指定されていることから、
図27を用いて説明したアトリビュート処理において、左サブ液晶158bの現在位置情報に基づいて、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データ(障子画像の画像データ)のうち、左サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の左サブ液晶用FBの描画領域(
図35に示す左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)または表示領域B(SLb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、左サブ液晶用FBの表示領域A(SLa)と表示領域B(SLb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、左サブ液晶158bの表示領域に表示させる。これにより、左サブ液晶158bによってオーバーラップされる障子画像の一部が、左サブ液晶158bの表示領域にも表示される。
【0352】
続いて、右サブ液晶158aによる表示を行うが、付加情報でメイン液晶対応範囲が指定されていることから、
図27を用いて説明したアトリビュート処理において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて、VRAM518におけるメイン液晶用FBの描画領域に描画されたメイン液晶用の画像データ(障子画像の画像データ)のうち、右サブ液晶用FBの描画領域に転送する画像データの転送範囲を決定し、当該画像データをVRAM518の右サブ液晶用FBの描画領域(
図35に示す右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)または表示領域B(SRb)のうち、表示領域に指定されていない領域)に転送することで、当該描画領域において障子画像の描画を行う。また、右サブ液晶用FBの表示領域A(SRa)と表示領域B(SRb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された障子画像の1フレームの画像を、右サブ液晶158aの表示領域に表示させる。右サブ液晶158aによってオーバーラップされる障子画像の一部を、右サブ液晶158aの表示領域にも表示する。
【0353】
また、
図47(a)は、おっかけ演出シーン1の続きにおけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図47(b)は、
図47(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0354】
本例では、おっかけ演出シーン1の連打演出中に、演出ボタン156の操作回数が所定回数(例えば、7回)に到達したことから、右サブ液晶158aを1段階(48ステップ分)、水平方向左側に移動させている。なお、重複した説明を回避するために、ここでは、
図46を用いて説明したおっかけ演出シーン1と異なる構成についてのみ説明する。
【0355】
本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−1のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定されたキャラクタA動画1(本例では、爺キャラJCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で座標位置(460、227)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理において、この座標位置を、爺キャラJCの中心点dとして設定する。
【0356】
また、爺キャラJCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点dを基準座標として転送することで、当該描画領域において爺キャラJCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された爺キャラJCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点dを基準座標として爺キャラJCが表示される。なお、爺キャラJCの中心点dは、左サブ液晶158bの基準座標B(128、160)から、水平方向(X方向)右側に332(=460−128)ピクセル、垂直方向(Y方向)下側に67(=227−160)ピクセル離れた位置である。
【0357】
続いて、描画順序3の再生動画に指定されたキャラクタB動画1(本例では、殿キャラTCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−320、+28)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、移動後の右サブ液晶158aの基準座標A(1024、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−320、+28)に基づいて座標位置(704(=1024−320)、188(=160+28))を算出し、この座標位置を、殿キャラTCの中心点eとして設定する。
【0358】
また、殿キャラTCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において殿キャラTCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された殿キャラTCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点eを基準座標として殿キャラTCが表示される。
【0359】
なお、移動後の右サブ液晶158aの基準座標Aは、右サブ液晶158aの移動に要したステップ数をピクセル換算式によってピクセルに換算することで算出することができる。具体的には、1ステップは0.8mm、1ピクセルは0.3mmに、それぞれ相当することから、ピクセル換算式は「0.8mm×ステップ数/0.3mm」となる。本例では、右サブ液晶158aの移動に要したステップ数は48ステップであるため、48ステップに対応するピクセル数は、0.8mm×48ステップ/0.3mm=128ピクセルとなる。よって、移動後の右サブ液晶158aの基準座標Aは、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160)から中央側に128ピクセルだけ水平方向に移動した位置である(1024(=1152−128)、160)となる。
【0360】
ここで、
図44(a)において符号Bで示す、殿キャラTCと右サブ液晶158aとの距離は、320ピクセルであり、
図43(b)に示すおっかけ演出シーン1の距離と同じである。一方、
図44(b)において符号A´で示す、爺キャラJCと殿キャラTCとの距離は244(=704−460)であり、
図43(b)に示すおっかけ演出シーン1の距離である372ピクセルよりも短くなっている(すなわち、
図44(a)に示すおっかけ演出シーン1では、
図43(b)に示すおっかけ演出シーン1に比べて、爺キャラJCと殿キャラTCとの距離が近づいている)。
【0361】
<各種表示例/おっかけ演出1/シーン2>
図48(a)は、おっかけ演出シーン2の開始時におけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図48(b)は、
図48(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0362】
本例では、おっかけ演出シーン1の連打演出中に、演出ボタン156の長押し操作を受け付けたことから、右サブ液晶158aを1段階(48ステップ分)、水平方向右側に移動させるとともに、おっかけ演出シーン2を開始している。上述の通り、おっかけ演出シーン2は、爺キャラJCを右サブ液晶158aの動きに追従させ、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)である。なお、重複した説明を回避するために、ここでは、
図46と
図47を用いて説明した、おっかけ演出シーン1と異なる構成についてのみ説明する。
【0363】
本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−2のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定されたキャラクタA動画1(本例では、爺キャラJCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置と爺キャラJCの現在位置情報(x、y)に基づいて座標位置(本例では、(1152−x)の絶対値、(160−y)の絶対値)を算出し、この座標位置を、爺キャラJCの中心点eとして設定する。
【0364】
また、爺キャラJCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において爺キャラJCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された爺キャラJCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点dを基準座標として爺キャラJCが表示される。なお、爺キャラJCの中心点dは、右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160)から、水平方向(X方向)左側に、(1152−x)の絶対値に相当するピクセル、垂直方向(Y方向)下側に、(160−y)の絶対値に相当するピクセル離れた位置である。すなわち、
図48(a)において符号Cで示す、爺キャラJCと右サブ液晶158aとの距離は、(1152−x)の絶対値に相当するピクセルである。
【0365】
続いて、描画順序3の再生動画に指定されたキャラクタB動画1(本例では、殿キャラTCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−320、+28)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、初期位置にある右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160))を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−320、+28)に基づいて座標位置(832(=1152−320)、188(=160+28))を算出し、この座標位置を、殿キャラTCの中心点eとして設定する。
【0366】
また、殿キャラTCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において殿キャラTCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された殿キャラTCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点eを基準座標として殿キャラTCが表示される。
【0367】
なお、殿キャラTCの中心点eは、右サブ液晶158aの基準座標A(1152、160)から、水平方向(X方向)左側に320ピクセル離れた位置であって、爺キャラJCの中心点dから、水平方向(X方向)右側に372(=832−460)ピクセル離れた位置である。すなわち、
図48(a)において符号Bで示す、殿キャラTCと右サブ液晶158aとの距離は、320ピクセルである。
【0368】
<各種表示例/おっかけ演出1/シーン3>
図49(a)は、おっかけ演出シーン3の開始時におけるメイン液晶用FBを模式的に示した図であり、
図49(b)は、
図49(a)に示すメイン液晶用FBに展開された画像データに対応する画像のイメージを示した図である。
【0369】
本例では、おっかけ演出シーン2の連打演出中に、演出ボタン156の操作回数が所定回数(例えば、7回)に到達したことから、右サブ液晶158aを1段階(48ステップ分)、水平方向左側に移動させるとともに、おっかけ演出シーン3を開始している。上述の通り、おっかけ演出シーン3は、爺キャラJCを直前の演出終了時の位置に停止表示して右サブ液晶158aの動きに追従させず、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが非追従(前回位置停止)、殿キャラTCが追従の演出)である。なお、重複した説明を回避するために、ここでは、
図46〜
図48を用いて説明したおっかけ演出シーン1、2と異なる構成についてのみ説明する。
【0370】
本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−3のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定されたキャラクタA動画1(本例では、爺キャラJCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で初期座標設定が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6109において初期座標が設定済みか否かを判定し、設定済みでなければ、前回の座標位置(本例では、爺キャラJCの前回の座標位置(x1、y1))を、爺キャラJCの中心点dとして設定する。
【0371】
また、爺キャラJCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において爺キャラJCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された爺キャラJCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点ad基準座標として爺キャラJCが表示される。
【0372】
続いて、描画順序3の再生動画に指定されたキャラクタB動画1(本例では、殿キャラTCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値(−320、+28)が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6102において、右サブ液晶158aの現在位置情報に基づいて現在座標位置(本例では、x2、y2)を算出し、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、この現在座標位置とオフセット値(−320、+28)に基づいて座標位置を算出し、この座標位置を、殿キャラTCの中心点eとして設定する。
【0373】
また、殿キャラTCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において殿キャラTCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された殿キャラTCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、中心点eを基準座標として殿キャラTCが表示される。
【0374】
<各種表示例/おっかけ演出1/シーン4>
図48(b)は、おっかけ演出シーン4の一例を示した図である。本例では、おっかけ演出シーン3が終了したことから、おっかけ演出シーン4を開始している。上述の通り、おっかけ演出シーン4は、爺キャラJCを右サブ液晶158aの動きに追従させず、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させない演出(爺キャラJCが非追従、殿キャラTCが非追従の演出)である。なお、重複した説明を回避するために、ここでは、
図43〜
図49を用いて説明したおっかけ演出シーン1〜3と異なる構成についてのみ説明する。
【0375】
本例では、例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−4のデータを参照し、描画順序2の再生動画に指定されたキャラクタA動画1(本例では、爺キャラJCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で初期座標設定が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6109において初期座標が設定済みか否かを判定し、設定済みでなければ、前回の座標位置(本例では、爺キャラJCの前回の座標位置(x1、y1))を、爺キャラJCの中心点dとして設定する。
【0376】
また、爺キャラJCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において爺キャラJCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された爺キャラJCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0377】
続いて、描画順序3の再生動画に指定されたキャラクタB動画1(本例では、殿キャラTCを含む動画)の表示を行うが、付加情報で初期座標設定が指定されていることから、
図29を用いて説明した座標決定処理のステップS6109において初期座標が設定済みか否かを判定し、設定済みでなければ、前回の座標位置(本例では、殿キャラTCの前回の座標位置(x4、y4))を、殿キャラTCの中心点eとして設定する。
【0378】
また、殿キャラTCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点eを基準座標として転送することで、当該描画領域において殿キャラTCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された殿キャラTCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。
【0379】
また、おっかけ演出シーン4では、
図45(b)において符号A´´で示す、殿キャラTCと爺キャラJCとの距離を維持しながら、殿キャラTCと爺キャラJCを水平方向左側に移動させる表示を行うことで、おっかけ演出を終了する。
【0380】
<各種表示例/おっかけ演出2>
次に、
図50〜
図52を用いて、おっかけ演出2を行う場合の画像制御について説明する。
【0381】
本例に係るおっかけ演出2は、爺キャラJCを含む動画と、殿キャラTCを含む動画と、サブ液晶158を用いる演出であり、
図50(a)に示す動作1と、同図(b)に示す動作2の2つの動作で構成される。本例では、
図52に示すように、スタートレバー135による操作を受け付けた場合に動作1を開始し、以降、第3停止操作を受け付けるまで動作1と動作2を繰り返すように構成しているが、本発明は、これに限定されず、例えば、第3停止操作を受け付けるまで動作1と動作2をランダムに行ってもよいし、おっかけ演出2の終了契機は、第3停止操作に限定されない。また、スタートレバー135による操作を受け付け、リール110〜112の回転を開始してから所定の時間(例えば、40秒)が経過した場合には、おっかけ演出2の動作に伴う発熱を防止するため、リール110〜112の回転を継続しつつ、おっかけ演出2の動作を中止するように構成してもよい。
【0382】
動作1は、遊技者による操作によらず左サブ液晶158bと右サブ液晶158aを水平方向右側に移動させるとともに、爺キャラJCを左サブ液晶158bの動きに追従させ、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)である。動作2は、遊技者による操作によらず左サブ液晶158bと右サブ液晶158aを水平方向左側に移動させるとともに、爺キャラJCを左サブ液晶158bの動きに追従させ、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)である。なお、動作1(または動作2)においては、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aの移動方向と移動量が同じであることから、爺キャラJCと殿キャラTCは、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aのいずれかの動きに追従させればよく、本例に限定されない。
【0383】
<各種表示例/おっかけ演出2/動作1、動作2>
図50(a)は、おっかけ演出2の一例を示した図であり、
図50(b)は、おっかけ演出2の動作1の一例を示した図であり、
図50(c)は、おっかけ演出2の動作2の一例を示した図である。なお、おっかけ演出シーン2の動作1や動作2の開始時におけるメイン液晶用FBの図示や、動作1や動作2の画像制御に用いる液晶演出情報テーブルの図示は省略するが、基本的な技術思想は、おっかけ演出1のシーン2(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)と同じである。
【0384】
すなわち、爺キャラJCを含む動画の表示については、液晶演出情報テーブルの付加情報で左サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値が指定されており、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、このオフセット値と、左サブ液晶158bの現在位置情報と、に基づいて座標位置を算出し、この座標位置を、爺キャラJCの中心点として設定する。また、爺キャラJCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点を基準座標として転送することで、当該描画領域において爺キャラJCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された爺キャラJCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、左サブ液晶158bの水平方向左右の動きに追従する爺キャラJCが表示される。
【0385】
また、殿キャラTCを含む動画の表示については、液晶演出情報テーブルの付加情報で右サブ液晶追従が指定され、オフセット情報でオフセット値が指定されており、
図31を用いて説明した追従画像座標決定処理において、このオフセット値と、右サブ液晶158aの現在位置情報と、に基づいて座標位置を算出し、この座標位置を、殿キャラTCの中心点として設定する。また、殿キャラTCの画像データを、ROM506からVRAM518の描画領域(
図35に示すメイン液晶用FBの表示領域A(Ma)または表示領域B(Mb)のうち、表示領域に指定されていない領域)の中心点を基準座標として転送することで、当該描画領域において殿キャラTCの描画を行う。また、メイン液晶用FBの表示領域A(Ma)と表示領域B(Mb)の描画領域の指定をスワップし、表示領域に指定された領域に記憶された殿キャラTCの1フレームの画像を、メイン液晶157の表示領域に表示させる。これにより、メイン液晶157の表示領域において、右サブ液晶158aの水平方向左右の動きに追従する殿キャラTCが表示される。
【0386】
<各種表示例/おっかけ演出2/位置補正動作>
図51は、おっかけ演出2の動作1の実行中に位置補正動作を行った場合における、おっかけ演出2の態様の変化を時系列で示した図である。また、
図52は、おっかけ演出2の動作1の実行中に位置補正動作を行った場合における、演出可動体の動作や動作指示データの更新内容を示したタイムチャートである。
【0387】
上述の通り、第1副制御部400は、主制御部300から、前面扉102の扉閉鎖を示す扉閉鎖コマンドを受信した場合に、スピーカ272,277から、前面扉102が閉鎖されたことを報知する音声(例えば、「扉が閉まりました」という音声)を出力するとともに、第2副制御部500に対して位置補正要求コマンドを送信する。この位置補正要求コマンドを受信した第2副制御部500は、
図26を用いて説明した位置補正駆動処理(退避動作→センサ検動作→初期位置復帰動作)を行う。
【0388】
図52において符号T1で示すタイミングは、前面扉102の扉閉鎖に基づいて位置補正駆動処理を開始したタイミングを示しており、
図51(a)は、位置補正駆動処理を開始する直前の動作1の一例を示している。また、
図52において符号T2で示すタイミングは、位置補正駆動処理を終了したタイミングを示しており、
図51(b)は、位置補正駆動処理が終了し、右可動体163aと左可動体163bが初期位置に復帰した状態を示している。なお、
図52に示すように、位置補正駆動処理中においても、動作スケジューラによって動作指示データの更新(本例では、動作1と動作2を繰り返すための動作指示データの更新)は継続される。
【0389】
また、メイン液晶157の表示領域においては、左サブ液晶158bの水平方向左側への動きに追従する爺キャラJCと、右サブ液晶158aの水平方向右側への動きに追従する殿キャラTCが表示される。このように、爺キャラJCを左サブ液晶158bに追従させる表示と殿キャラTCを右サブ液晶158aに追従させる表示を行うことで、可動体関連表示(殿キャラTCや爺キャラJCの表示)を行っている演出途中に可動体(右サブ液晶158a、左サブ液晶158b)を初期位置に復帰させた場合に、復帰制御中も可動体関連表示を継続することができるため、演出の中断前後において表示に繋がりを持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができる。また、繋がりのある演出を行うことで、演出が中断されたこと(復帰制御が行われたこと)を遊技者に認知させにくくすることができ、不快感の無い演出を行うことができる。
【0390】
位置補正駆動処理を終了した第2副制御部500は、
図25を用いて説明した通常駆動処理を開始する。この通常駆動処理では、動作指示データの更新があるか無いかを判定するが、
図52において符号T2で示すタイミングでは、動作1用の動作指示データの更新が行われた後であるため、所定時間、待機した後、次回の動作2用の動作指示データの更新が行われたタイミング(
図52において符号T3で示すタイミング)で、位置補正動作から、おっかけ演出2に復帰する復帰動作を開始する。
【0391】
図52において符号T4で示すタイミングは、動作2による復帰動作中のタイミングを示しており、
図51(c)は、動作2による復帰動作中の一例を示している。上述の通り、動作2は、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aを水平方向左側に移動させるとともに、爺キャラJCを左サブ液晶158bの動きに追従させ、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出である。
【0392】
しかしながら、更新後の動作2用の動作指示データでは、左サブ液晶158bの目標位置が、現在位置よりも右側の座標位置に設定されたため、動作2による復帰動作中は、左サブ液晶158bを水平方向右側に移動させている。一方、更新後の動作2用の動作指示データでは、右サブ液晶158aの目標位置が、現在位置よりも左側の座標位置に設定されたため、動作2による復帰動作中は、右サブ液晶158aを水平方向左側に移動させている。なお、メイン液晶157の表示領域においては、左サブ液晶158bの水平方向右側への動きに追従する殿キャラTCと、右サブ液晶158aの水平方向左側への動きに追従する殿キャラTCが表示される。
【0393】
このように、殿キャラTCを右サブ液晶158aに追従させる表示を行うことで、可動体関連表示(殿キャラTCや爺キャラJCの表示)を行っている演出途中に可動体(右サブ液晶158a)を初期位置に復帰させた場合に、復帰制御中も可動体関連表示を継続することができるため、演出の中断前後において表示に繋がりを持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができる。また、繋がりのある演出を行うことで、演出が中断されたこと(復帰制御が行われたこと)を遊技者に認知させにくくすることができ、不快感の無い演出を行うことができる。
【0394】
また、
図52において符号T5で示すタイミングは、動作1による復帰動作中のタイミングを示しており、
図51(d)は、動作1による復帰動作中の一例を示している。上述の通り、動作1は、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aを水平方向右側に移動させるとともに、爺キャラJCを左サブ液晶158bの動きに追従させ、殿キャラTCを右サブ液晶158aの動きに追従させる演出である。
【0395】
更新後の動作1用の動作指示データでは、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aの目標位置が、現在位置よりも右側の座標位置に設定されたため、動作1による復帰動作中は、左サブ液晶158bと右サブ液晶158aの両方を水平方向右側に移動させている。なお、メイン液晶157の表示領域においては、左サブ液晶158bの水平方向右側への動きに追従する殿キャラTCと、右サブ液晶158aの水平方向右側への動きに追従する殿キャラTCが表示される。
【0396】
このように、殿キャラTCを左サブ液晶158bに追従させる表示を行うことで、可動体関連表示(殿キャラTCや爺キャラJCの表示)を行っている演出途中に可動体(左サブ液晶158b)を初期位置に復帰させた場合に、復帰制御中も可動体関連表示を継続することができるため、演出の中断前後において表示に繋がりを持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができる。また、繋がりのある演出を行うことで、演出が中断されたこと(復帰制御が行われたこと)を遊技者に認知させにくくすることができ、不快感の無い演出を行うことができる。
【0397】
また、本実施形態では、演出中に位置補正動作を行った場合であっても、演出に用いられる動作指示データの更新を継続することができる上に、位置補正動作から演出に復帰した際に、初期位置に戻された可動体163を、更新後の動作指示データで指定された位置に、演出の動きに馴染ませながら徐々に戻すことができるため、遊技者に違和感を与えることなく演出を継続することができる。また、繋がりのある演出を行うことで、演出が中断されたこと(復帰制御が行われたこと)を遊技者に認知させにくくすることができ、不快感の無い演出を行うことができる。また、演出途中に前面扉102の閉鎖を検出したことでサブ液晶158を初期位置に復帰させた場合であっても、演出を再開したときにサブ液晶158の位置ズレを低減することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0398】
なお、ここでは、おっかけ演出2の実行中の位置補正動作について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、操作条件報知演出やおっかけ演出1の実行中に、前面扉102の扉閉鎖に基づいて位置補正動作を行った場合において同様の制御を適用してもよいし、操作条件報知演出中であって遊技者の押下操作を待っている期間中に、サブ液晶158bを左右に細かく移動(揺動)させる動作を含む演出を行い、この演出の実行中に、前面扉102の扉閉鎖に基づいて位置補正動作を行った場合において同様の制御を適用してもよい。
【0399】
<本願発明1>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、
図1に示すスロットマシンや、図示しないぱちんこ機)は、表示領域を有する表示手段(例えば、
図1や
図38に示すメイン液晶157)と、前記表示領域の前方にて移動可能とされ、該表示領域の少なくとも一部を遮蔽可能な遮蔽手段(例えば、
図1や
図38に示す右サブ液晶158a、左サブ液晶158b)と、前記遮蔽手段で遮蔽されていない前記表示領域の非遮蔽範囲に所定の画像を表示させる表示制御を行うことが可能な表示制御手段(例えば、
図27に示す第2副制御部画像制御処理)と、前記所定の画像の表示中に前記遮蔽手段を移動させる移動制御を行うことが可能な移動制御手段(例えば、
図21に示す演出可動体制御処理)と、を備えた遊技台であって、前記所定の画像は、第一の画像(例えば、
図38(a)に示す右リール用ナビRN(または、
図38(a)に示す左リール用ナビLN)や、
図43(a)に示す爺キャラJC)と、前記遮蔽手段の移動方向に沿って該第一の画像に並んで配置される第二の画像(例えば、
図38(a)に示す中リール用ナビCNや、
図43(a)に示す殿キャラTC)と、を含み、前記表示制御手段は、前記第一の画像の基準位置(例えば、
図40(a)に示す右リール用ナビRNの中心点b(または、
図40(a)に示す左リール用ナビLNの中心点a)や、
図46(a)に示す爺キャラJCの中心点d)から前記第二の画像の基準位置(例えば、
図40(a)に示す中リール用ナビCNの中心点cや、
図46(a)に示す殿キャラTCの中心点e)までの距離が第一の距離となる座標に前記第一の画像および前記第二の画像の各々を配置するものであり、前記表示制御手段は、前記遮蔽手段の移動による前記非遮蔽範囲の変化に応じて、前記第一の距離が変更される座標(例えば、
図40(a)に示す中心点a〜cや、
図46(a)に示す中心点d,e)に前記第一の画像および前記第二の画像の各々を再配置するものである、ことを特徴とする遊技台(本明細書においては、「本願発明1」と称する場合がある)である。
【0400】
本願発明1に係る遊技台によれば、遮蔽手段の移動による非遮蔽範囲の変化に応じて第一の画像と第二の画像の距離を調整し、第一の画像および第二の画像の各々を再配置することができるため、表示手段の表示領域(非遮蔽範囲)の変化に応じて画像間の距離を変更することができ、限られた表示領域を最大限に活かすことができる。
【0401】
また、前記第二の画像は、第二の情報を示す画像を含む画像(例えば、第2停止操作を示唆する数字の2を含む白丸の静止画像)であり、前記第一の距離は、前記遮蔽手段の移動量に関わらず、前記第一の画像と前記第二の情報を示す画像が重ならない距離とされていてもよい。
【0402】
このような構成とすれば、第一の画像によって第二の画像の視認性が損なわれることがないため、第二の画像によって示される第二の情報の視認性を確保することができ、第二の情報の見やすさを損なうことがない。
【0403】
また、前記第一の画像は、第一の情報を示す画像を含む画像(例えば、第1停止操作を示唆する数字の1を含む白丸の静止画像、または、第3停止操作を示唆する数字の3を含む白丸の静止画像)であり、前記第一の距離は、前記遮蔽手段の移動量に関わらず、前記第一の情報を示す画像と前記第二の情報を示す画像が重ならない距離とされ、前記表示制御手段は、前記遮蔽手段の移動量に関わらず、前記遮蔽手段と前記第一の情報を示す画像の距離が同じ(例えば、
図40(a)に示す例では、256ピクセルに相当する距離)となるように配置するものであってもよい。
【0404】
このような構成とすれば、第一の画像と第二の画像の一方によって他方の視認性が損なわれることがないため、第一の画像によって示される第一の情報と、第二の画像によって示される第二の情報の両方の視認性を確保することができ、第一の情報と第二の情報の見やすさを損なうことがない。
【0405】
また、前記遮蔽手段は、前記表示領域の一辺側に設けられた第一の遮蔽手段(例えば、
図1や
図38に示す右サブ液晶158a)と、該一辺側に対向する他辺側に設けられた第二の遮蔽手段(例えば、
図1や
図38に示す左サブ液晶158b)と、を含み、前記第一の画像は、前記第一の遮蔽手段の側に配置される第三の画像(例えば、
図38(a)に示す右リール用ナビRN)と、前記第二の遮蔽手段の側に配置される第四の画像(例えば、
図38(a)に示す左リール用ナビLN)と、を含み、前記表示制御手段は、前記第一の遮蔽手段および前記第二の遮蔽手段の各移動量に関わらず、前記第三の画像の中心点から前記第二の画像の中心点までの距離(例えば、
図40(a)に示す例では、256ピクセルに相当する距離)と、前記第四の画像の中心点から前記第二の画像の中心点までの距離(例えば、
図40(a)に示す例では、256ピクセルに相当する距離)が等しくなるように配置するものであってもよい。
【0406】
このような構成とすれば、遮蔽手段の移動による非遮蔽範囲の変化に応じて3つの画像の距離を調整し、3つの画像の各々を再配置することができるため、遊技者に違和感を与えることがない上に、限られた表示領域を最大限に活かすことができる。
【0407】
また、前記表示制御手段は、前記第三の画像を、前記第一の遮蔽手段の位置に基づいて配置し(例えば、
図40(a)に示す例では、右サブ液晶158aの基準座標Aから256ピクセルに相当する距離に右リール用ナビRNを配置し)、前記第四の画像を、前記第二の遮蔽手段の位置に基づいて配置し(例えば、
図40(a)に示す例では、左サブ液晶158bの基準座標Bから256ピクセルに相当する距離に左リール用ナビLNを配置し)、前記第二の画像を、前記第一の遮蔽手段の位置と、前記第二の遮蔽手段の位置と、に基づいて配置する(例えば、
図40(a)に示す例では、右サブ液晶158aの基準座標Aに基づいて配置した右リール用ナビRNの中心点bと、左サブ液晶158bの基準座標Bに基づいて配置した左リール用ナビLNの中心点aから等しい距離に配置する(または、図示は省略するが、右サブ液晶158aの基準座標Aおよび左サブ液晶158bの基準座標Bの各々から等しい距離に中リール用ナビCNを配置する))ものであってもよい。
【0408】
このような構成とすれば、3つの画像の各々を再配置する際の制御負担を軽減することができ、画像の表示の遅延等を防止することで演出効果を高めることができる。
【0409】
また、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、
図1に示すリール110〜112)と、前記複数のリールの回転を開始させるためのスタートレバー(例えば、
図1に示すスタートレバー135)と、複数種類の役の内部当選の当否抽選を行う抽選手段(例えば、
図13に示す入賞役内部抽選処理)と、前記リールの回転を個別に停止させるストップボタン(例えば、
図1に示すストップボタン137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果および前記ストップボタンの停止操作に基づいて、前記リールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(例えば、
図13に示すリール停止制御処理)と、前記リール停止制御手段により停止された前記リールの図柄組合せを判定する判定手段(例えば、
図13に示す入賞判定処理)と、前記判定手段による判定結果に基づいて、遊技者に所定の利益を付与可能な付与手段(例えば、
図13に示すメダル付与処理)と、前記停止操作に関する報知を所定の報知態様で行う停止操作報知手段(例えば、
図1や
図38に示すメイン液晶137、
図20に示す画像制御処理)と、を備え、前記付与手段は、前記停止操作が所定の停止操作順序(例えば、右ストップボタン139→左ストップボタン137→中ストップボタン138の停止操作順序)で行われた場合に前記所定の利益を付与するものであり、前記停止操作報知手段は、前記所定の停止操作順序を示す報知を、少なくとも前記第一の画像(例えば、
図38(a)に示す右リール用ナビRN(または、
図37(a)に示す左リール用ナビLN)および前記第二の画像(例えば、
図38(a)に示す中リール用ナビCN)を用いて行うものであってもよい。
【0410】
このような構成とすれば、限られた表示領域を最大限に活かすことができつつ、停止操作順序を示す報知の視認性の低下を防止することができ、遊技者に不利益を与えることがない。
【0411】
また、前記表示制御手段は、前記停止操作が前記所定の停止操作順序で行われ、該停止操作順序を示す前記第一の画像および前記第二の画像の一方が前記表示手段から消去された場合であっても、前記第一の画像の基準位置から前記第二の画像の基準位置までの距離が前記第一の距離となる座標に前記第一の画像および前記第二の画像の各々を配置するものであってもよい。すなわち、前記表示制御手段は、前記第一の画像および前記第二の画像の一方が前記表示手段に表示されているか否かに関わらず、前記第一の画像の基準位置から前記第二の画像の基準位置までの距離が前記第一の距離となる座標に前記第一の画像および前記第二の画像の各々を配置するものであってもよい。
【0412】
このような構成とすれば、停止操作順序を示す報知の一部が消去された場合であっても、当該停止操作順序を示す報知の視認性の低下を防止することができ、遊技者に不利益を与えることがない。
【0413】
なお、本願発明1に係る「第一の画像」、「第二の画像」、「第三の画像」、および「第四の画像」は、ストップボタン137〜139の停止操作順の情報を示す画像を含む画像(ナビ画像)や、キャラクタ画像に限定されるものではなく、例えば、或る操作手段(例えば、演出ボタン156)による操作態様(連打、長押し、回転、振動等)を示す画像を含む画像や、リール110〜112に施された図柄を示す画像や、内部当選役や入賞役を示す画像や、遊技者に付与する特典(ボーナスやAT)を示す画像等であってもよい。また、遊技台がぱちんこ機であれば、或る操作手段(例えば、発射レバー)による操作態様(右打ち、左打ち等)を示す画像を含む画像や、装飾図柄や、大当りや確変を示す画像や、遊技者に付与する特典(大当り遊技)を示す画像等であってもよい。
【0414】
また、本願発明1に係る「遮蔽手段」は、右サブ液晶158aや左サブ液晶158bに限定されるものではなく、「表示領域の前方にて移動可能とされ、該表示領域の少なくとも一部を遮蔽可能な手段」であればよい。
【0415】
また、本願発明1に係る「第一の情報」および「第二の情報」は、ストップボタン137〜139の停止操作順の情報に限定されるものではなく、例えば、或る操作手段(例えば、演出ボタン156)による操作態様(連打、長押し、回転、振動等)の情報や、リール110〜112に施された図柄の情報や、内部当選役や入賞役の情報や、遊技者に付与する特典の情報や、特典付与の期待感を表す情報等であってもよい。また、本願発明1に係る「第一の情報」および「第二の情報」は、数字に限定されず、文字や文字列、記号、色彩、模様、図形等であってもよいし、これらのうちの一つ、複数、または、全てで構成した情報であってもよい。
【0416】
また、本願発明1に係る「表示手段」は、液晶表示装置に限定されず、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。
【0417】
また、本願発明1に係る「遮蔽手段」は、水平方向に移動可能な可動体に限定されず、垂直方向、斜め方向、その他の方向、または、複数の方向に移動可能なものでもよいし、回転可能、振動可能、伸縮可能、または、展開可能なものであってもよい。
【0418】
<本願発明2>
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、
図1に示すスロットマシンや、図示しないぱちんこ機)は、第一の表示領域を有する第一の表示手段(例えば、
図1や
図38に示すメイン液晶157)と、前記第一の表示領域の前方にて移動可能とされ、該第一の表示領域の少なくとも一部を遮蔽可能な遮蔽手段(例えば、
図1や
図38に示す右サブ液晶158a、左サブ液晶158b)と、前記第一の表示領域に所定の画像を表示させる表示制御を行うことが可能な表示制御手段(例えば、
図27に示す第2副制御部画像制御処理)と、前記所定の画像の表示中に前記遮蔽手段を移動させる移動制御を行うことが可能な移動制御手段(例えば、
図21に示す演出可動体制御処理)と、を備えた遊技台であって、前記所定の画像は、第一の画像(例えば、
図43(b)に示す爺キャラJC)を含み、前記表示制御手段は、前記表示制御を行う場合に第一の条件が成立している場合(例えば、演出ボタン156の長押し操作を受け付けた場合)には、前記遮蔽手段の移動に追従する位置となる座標(例えば、
図47(a)に示す中心点dの座標)に前記第一の画像を配置する第一の配置処理を行い、前記表示制御を行う場合に前記第一の条件とは異なる第二の条件が成立している場合(例えば、演出ボタン156の連打操作を受け付けた場合)には、前記遮蔽手段に追従しない位置となる座標(例えば、
図48(a)に示す中心点dの座標)に前記第一の画像を配置する第二の配置処理を行うものである、ことを特徴とする遊技台(本明細書においては、「本願発明2」と称する場合がある)である。
【0419】
本願発明2に係る遊技台によれば、遮蔽手段の移動に対する第一の画像の動きを変化させることができるため、演出において各種画像と可動装置との距離を多種多様に変化させることができ、演出に臨場感を与えることができる。
【0420】
また、前記第二の条件は、前記第一の配置処理による前記所定の画像の表示中に成立することが可能な条件であり、前記表示制御手段は、前記第二の条件の成立に基づいて、前記第一の配置処理から前記第二の配置処理に切り換える(例えば、おっかけ演出シーン2(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)から、おっかけ演出シーン3(爺キャラJCが非追従(前回位置停止)、殿キャラTCが追従の演出)に切り換える)ものであってもよい。
【0421】
このような構成とすれば、演出において各種画像と可動装置との距離を多種多様に変化させることができ、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0422】
また、前記第一の条件は、前記第二の配置処理による前記所定の画像の表示中に成立することが可能な条件であり、前記表示制御手段は、前記第一の条件の成立に基づいて、前記第二の配置処理から前記第一の配置処理に切り換える(例えば、おっかけ演出シーン1(爺キャラJCが非追従(初期位置停止)、殿キャラTCが追従の演出)から、おっかけ演出シーン2(爺キャラJCが追従、殿キャラTCが追従の演出)に切り換える)ものであってもよい。
【0423】
このような構成とすれば、演出において各種画像と可動装置との距離を多種多様に変化させることができ、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0424】
また、前記所定の画像は、前記第一の画像とは異なる第二の画像(例えば、
図43(b)に示す殿キャラTC)を含み、前記表示制御手段は、前記表示制御を行う場合に前記第一の条件が成立している場合には、前記遮蔽手段に追従する位置となる座標に前記第一の画像および前記第二の画像の各々を配置する、前記第一の配置処理を行い、前記表示制御を行う場合に前記第二の条件が成立している場合には、前記遮蔽手段に追従する位置となる座標に前記第二の画像を配置するとともに、前記遮蔽手段に追従しない位置となる座標に前記第一の画像を配置する、前記第二の配置処理を行うものであってもよい。
【0425】
このような構成とすれば、遮蔽手段の移動に対する第一の画像の動きに加えて、遮蔽手段の移動に対する第二の画像の動きも変化させることができるため、演出において各種画像と可動装置との距離を多種多様に変化させることができ、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0426】
また、遊技者が操作可能な操作部(例えば、
図1に示す演出ボタン156)を備え、前記第一の条件および前記第二の条件は、前記操作部に対する操作態様(例えば、
図44(a)に示す連打操作、
図44(b)に示す長押し操作)に基づいて成立する条件であってもよい。
【0427】
このような構成とすれば、遊技者による操作を演出態様に反映させることで遊技者参加型の演出を提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
【0428】
また、複数の演出情報(例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブル)を記憶可能な記憶手段(例えば、
図5に示すROM506)を備え、前記複数の演出情報は、第一の演出情報と、該第一の演出情報とは異なる第二の演出情報を含み、前記第一の演出情報には、前記所定の画像を示す情報(例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−1の再生対象(キャラクタA動画1))と、該所定の画像を前記遮蔽手段に追従する位置となる座標に配置することを示す情報(例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−1の付加情報(右サブ液晶追従))と、が関連付けされて記憶されており、前記第二の演出情報には、前記所定の画像を示す情報(例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−3の再生対象(キャラクタA動画1))と、該所定の画像を前記遮蔽手段に追従しない位置となる座標に配置することを示す情報(例えば、
図30に示す液晶演出情報テーブルのNO50−3の付加情報(初期座標設定))と、が関連付けされて記憶されており、前記第一の配置処理は、前記第一の演出情報を用いて前記所定の画像を配置するものであり、前記第二の配置処理は、前記第二の演出情報を用いて前記所定の画像を配置するものであってもよい。
【0429】
このような構成とすれば、演出態様の変更等を容易に行うことができ、開発に要する期間や負担を短縮することができる。
【0430】
なお、本願発明2に係る「第一の画像」および「第二の画像」は、キャラクタ画像に限定されるものではなく、例えば、或る操作手段(例えば、演出ボタン156)による操作態様(連打、長押し、回転、振動等)を示す画像を含む画像や、リール110〜112に施された図柄を示す画像や、内部当選役や入賞役を示す画像や、遊技者に付与する特典(ボーナスやAT)を示す画像等であってもよい。また、遊技台がぱちんこ機であれば、或る操作手段(例えば、発射レバー)による操作態様(右打ち、左打ち等)を示す画像を含む画像や、装飾図柄や、大当りや確変を示す画像や、遊技者に付与する特典(大当り遊技)を示す画像等であってもよい。
【0431】
また、本願発明2に係る「第一の配置処理」および「第二の配置処理」は、所定の画像を示す情報と、該所定の画像を遮蔽手段に追従する位置となる座標に配置するか否かを示す情報と、が関連付けされて記憶された演出情報(液晶演出情報テーブル)を用いる処理に限定されるものではなく、制御プログラム(ソフトウェア)だけによるものであってもよい。
【0432】
また、本願発明2に係る「座標」は、予め定められた座標に限定されるものではなく、例えば、表示手段と遮蔽手段の相対位置、表示手段の傾き、遮蔽手段の位置や傾き等に応じて、予め定められた座標に補正を加えてもよい。また、遮蔽手段は、表示手段の第一の表示領域の前方にて移動可能とされ、該第一の表示領域の少なくとも一部を遮蔽可能なものであればよく、表示手段に対して傾斜して配置されたものであってもよく、この場合、遮蔽手段の位置や傾き等に応じて、本願発明2に係る「座標」に補正を加えてもよい。
【0433】
また、本願発明2に係る「表示手段」は、液晶表示装置に限定されず、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。
【0434】
また、本願発明2に係る「遮蔽手段」は、水平方向に移動可能な可動体に限定されず、垂直方向、斜め方向、その他の方向、または、複数の方向に移動可能なものでもよいし、回転可能、振動可能、伸縮可能、または、展開可能なものであってもよい。
【0435】
<本願発明3>
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、
図1に示すスロットマシンや、図示しないぱちんこ機)は、遊技制御部(例えば、
図3に示す主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500)が配置される本体(例えば、
図1に示す本体101)と、前記本体の前面側で開閉する扉体(例えば、
図1に示す前面扉102)と、前記扉体に設けられ、表示領域を有する表示装置(例えば、
図1や
図38に示すメイン液晶157)と、前記表示領域に所定の演出の表示を行う表示制御手段(例えば、
図27に示す第2副制御部画像制御処理)と、前記扉体に設けられ、前記所定の演出に用いられる可動体(例えば、
図1や
図38に示す右サブ液晶158a、左サブ液晶158b)と、前記可動体の動作を制御する可動体制御手段(例えば、
図21に示す演出可動体制御処理)と、を備えた遊技台であって、前記表示制御手段は、前記所定の演出において、前記表示領域の表示を時間の経過に伴って切り替える切替表示制御(例えば、1フレームの画像をメイン液晶157に表示させる制御)を行う手段であり、前記可動体制御手段は、前記所定の演出において、前記可動体に複数の動作(例えば、
図50(b)、
図52に示す動作1と
図50(c)、
図52に示す動作2)を行わせる通常制御(例えば、
図25に示す通常駆動処理)と、所定条件が成立したことに基づいて(例えば、前面扉102が開放(または閉鎖)された場合、遊技台において振動を検知した場合、可動体の位置ズレを検知した場合、所定のエラーが発生した場合等)、前記可動体を初期位置(例えば、
図4に示す初期位置)に復帰させる復帰制御(例えば、
図26に示す位置補正駆動処理)と、を行う手段であり、前記可動体制御手段は、前記通常制御を行っているときに前記所定条件が成立した場合は、該通常制御を中断して前記復帰制御を行う手段であり、前記表示制御手段は、前記切替表示制御を行っているときに前記所定条件が成立した場合は、該切替表示制御を継続する手段であり、前記複数の動作は、動作が実行される順序(例えば、
図22に示す動作パターンデータ(繰り返し回数、動作データ数(N)、動作データ1〜N等)によって規定される、(1)異なる動作が実行される順序、(2)同じ動作が実行される繰り返し回数、(3)(1)と(2)の組合せ等)と個々の動作に要する所要時間(例えば、
図22に示す動作データの所要時間)にて動作スケジュール(例えば、
図22に示す動作指示データ)が予め定められており、前記復帰制御が行われている間に、前記動作スケジュールの更新を行うことが可能な更新手段(例えば、
図21に示す演出可動体制御処理のステップS5408〜S5410において動作指示データを更新する処理(動作スケジューラ))を備え、前記可動体制御手段は、前記通常制御を中断して行った前記復帰制御が終了した場合は、前記更新手段による動作スケジュールの更新結果に基づく動作を前記可動体に行わせる、前記通常制御を行うことが可能な手段である、ことを特徴とする遊技台(本明細書においては、「本願発明3」と称する場合がある)である。
【0436】
本願発明3に係る遊技台によれば、可動体を初期位置に復帰させる復帰制御が行われている間に動作スケジュールの更新を行うとともに、復帰制御が終了したときに動作スケジュールの更新結果に基づく動作を可動体に行わせることができるため、演出途中で可動体を初期位置に復帰させた場合であっても、演出を再開したときに可動体の位置ズレを低減することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0437】
また、前記更新手段は、前記復帰制御が終了するまで前記動作スケジュールの更新を継続することが可能な手段であってもよい。
【0438】
このような構成とすれば、演出途中で可動体を初期位置に復帰させた場合であっても、復帰制御に要する実行時間に関わらず、演出を再開したときに可動体の位置ズレを低減することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0439】
また、前記可動体制御手段は、前記所定条件が成立した場合に、前記所定の演出において実行中の一の動作の途中であっても該一の動作を中断して、前記復帰制御を行う手段であり、前記更新手段は、中断した前記一の動作の残りの時間に応じて(例えば、中断した前記一の動作に要する所要時間が経過していない場合には当該所要時間が経過するのを待ってから、または、中断した前記一の動作に要する所要時間が経過していない場合であっても当該所要時間が経過するのを待たずに、または、中断した前記一の動作の次の動作が開始されるときに)、前記動作スケジュールの更新を行う手段であってもよい。
【0440】
このような構成とすれば、演出を再開したときに、中断した一の動作を、中断途中から直ぐに再開することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0441】
また、前記扉体の開閉を検出可能な扉開閉検出手段(例えば、前面扉102の扉センサ)を備え、前記可動体制御手段は、前記通常制御を行っているときに前記扉開閉検出手段によって前記扉体の閉鎖が検出された場合は、該通常制御を中断して前記復帰制御を行う手段であってもよい。
【0442】
このような構成とすれば、演出途中に扉体の閉鎖を検出したことで可動体を初期位置に復帰させた場合であっても、演出を再開したときに可動体の位置ズレを低減することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0443】
また、前記可動体は、前記所定の演出にて行われる前記通常制御、および前記復帰制御において、前記表示装置に対して相対移動が可能なものであり、前記所定の演出の表示には、前記可動体の位置に合わせて表示される可動体関連表示が含まれ、前記表示制御手段は、前記切替表示制御を行っているときに前記所定条件が成立した場合は、前記可動体の移動後の位置に合わせて前記可動体関連表示を再表示する特殊切替表示制御を繰り返し行う手段であってもよい。
【0444】
このような構成とすれば、可動体関連表示を行っている演出途中に可動体を初期位置に復帰させた場合に、復帰制御中も可動体関連表示を継続することができるため、演出の中断前後において表示に繋がりを持たせることができ、違和感の無い演出を行うことができる。また、繋がりのある演出を行うことで、演出が中断されたこと(復帰制御が行われたこと)を遊技者に認知させにくくすることができ、不快感の無い演出を行うことができる。
【0445】
なお、本願発明3に係る「更新手段」は、復帰制御が行われている間に動作スケジュールの更新を行うことが可能な手段であればよく、復帰制御中のみ動作スケジュールの更新を行う手段であってもよいし、復帰制御中だけでなく通常制御中も動作スケジュールの更新を行う手段であってもよい。
【0446】
また、本願発明3に係る「可動体制御手段」は、通常制御を中断して行った復帰制御が終了した場合に通常制御を行うことが可能であればよく、通常制御を中断して行った復帰制御が終了した場合に通常制御を必ず行う手段に限定されない。したがって、通常制御を中断して行った復帰制御が終了した場合に通常制御を中止する場合があってもよく、例えば、可動体の動作による発熱を防止するために可動体の通常制御を中止する場合がある遊技台に本願発明3を適用したときに、通常制御を中断して行った復帰制御が終了した場合に発熱防止のために通常制御を中止する場合があってもよい。
【0447】
なお、本願発明3に係る「可動体」は、水平方向に移動可能な可動体に限定されず、垂直方向、斜め方向、その他の方向、または、複数の方向に移動可能なものでもよいし、回転可能、振動可能、伸縮可能、または、展開可能なものであってもよい。
【0448】
また、本願発明3に係る「所定条件が成立したこと」は、前面扉102が開放(または閉鎖)された場合、遊技台において振動を検知した場合、可動体の位置ズレを検知した場合、所定のエラーが発生した場合等に限定されず、遊技台に電源が投入された場合、遊技台のリセットが解除された場合、遊技台の初期化処理が実行された場合、可動体の動作異常を検知した場合、可動体の発熱を検知した場合、不正行為を検知した場合等であってもよい。
【0449】
また、本願発明3に係る「表示装置」は、液晶表示装置に限定されず、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、本願発明3に係る「所定の演出の表示(可動体関連表示を含む)」は、動画像に限定されず、静止画像であってもよい。
【0450】
<本願発明4>
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、
図1に示すスロットマシンや、図示しないぱちんこ機)は、遊技制御部(例えば、
図3に示す主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500)が配置される本体(例えば、
図1に示す本体101)と、前記本体の前面側で開閉する扉体(例えば、
図1に示す前面扉102)と、前記扉体に設けられ、表示領域を有する表示装置(例えば、
図1や
図38に示すメイン液晶157)と、前記表示領域に所定の演出の
画像を表示
させる表示制御を行う
ことが可能な表示制御手(例えば、
図27に示す第2副制御部画像制御処理)段と、前記
表示領域の前方にて移動可能、または、該表示領域の外縁に沿って移動可能な可動体(例えば、
図1や
図38に示す右サブ液晶158a、左サブ液晶158b)と、
前記所定の演出において前記可動体
を移動させる移動制御
を行うことが可能な可動体制御手段(例えば、
図21に示す演出可動体制御処理)と、備えた遊技台であって、
前記表示制御手段は、前記表示制御を行う場合に、前記可動体の移動に追従する位置となる座標に前記所定の演出の画像を配置して表示する配置表示制御を行うことが可能な手段であり、前記表示制御手段は
、時間の経過に伴って
前記所定の演出の画像の配置を前記可動体の移動に追従する位置となる座標に切り替える
、前記配置表示制御を行う手段であり、前記可動体制御手段は、前記所定の演出において、前記可動体に複数の動作(例えば、
図50(b)、
図52に示す動作1と
図50(c)、
図52に示す動作2)を行わせる通常制御(例えば、
図25に示す通常駆動処理)と、所定条件が成立したことに基づいて(例えば、前面扉102が開放(または閉鎖)された場合、遊技台において振動を検知した場合、可動体の位置ズレを検知した場合、所定のエラーが発生した場合等)、前記可動体を初期位置(例えば、
図4に示す初期位置)に復帰させる復帰制御(例えば、
図26に示す位置補正駆動処理)と、を行う手段であり、前記可動体制御手段は、前記通常制御を行っているときに前記所定条件が成立した場合は、該通常制御を中断して前記復帰制御を行う手段であり、
前記表示制御手段は、
前記所定の演出において、前記
配置表示制御を行っているときに前記所定条件が成立した場合は、
前記復帰制御においても該配置表示制御を
継続する手段であ
り、前記複数の動作は、動作が実行される順序(例えば、図22に示す動作パターンデータ(繰り返し回数、動作データ数(N)、動作データ1〜N等)によって規定される、(1)異なる動作が実行される順序、(2)同じ動作が実行される繰り返し回数、(3)(1)と(2)の組合せ等)と個々の動作に要する所要時間(例えば、図22に示す動作データの所要時間)にて動作スケジュール(例えば、図22に示す動作指示データ)にて動作スケジュール(例えば、図22に示す動作指示データ)が予め定められており、前記復帰制御が行われている間に、前記動作スケジュールの更新を行うことが可能な更新手段(例えば、図21に示す演出可動体制御処理のステップS5408〜S5410において動作指示データを更新する処理(動作スケジューラ))を備え、前記可動体制御手段は、前記通常制御を中断して行った前記復帰制御が終了した場合は、前記更新手段による動作スケジュールの更新結果に基づく動作を前記可動体に行わせる、前記通常制御を行うことが可能な手段であり、前記表示制御手段は、前記通常制御を中断して行った前記復帰制御が終了した場合は、前記更新手段による動作スケジュールの更新結果に基づく前記通常制御においても、前記配置表示制御を継続可能な手段である、ことを特徴とする遊技台(本明細書においては、「本願発明4」と称する場合がある)である。
【0451】
本願発明4に係る遊技台によれば、
可動体の移動に対する画像の動きを変化させることができるため、演出において各種画像と可動体との距離を多種多様に変化させることができ、演出に臨場感を与えることができる。また、可動体を初期位置に復帰させる復帰制御が行われている間に動作スケジュールの更新を行うとともに、復帰制御が終了したときに動作スケジュールの更新結果に基づく動作を可動体に行わせ、また、画像の配置を可動体の移動に追従する位置となる座標に切り替えることができるため、演出途中で可動体を初期位置に復帰させた場合であっても、演出を再開したときに可動体と画像の位置ズレを低減することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
なお、前記可動体制御手段は、前記復帰制御を行う前の前記通常制御において、前記動作スケジュールに基づく動作を前記可動体に行わせることが可能な手段であってもよい。また、前記扉体の開閉を検出可能な扉開閉検出手段を備え、前記所定条件は、前記通常制御を行っているときに前記扉開閉検出手段によって前記扉体の閉鎖が検出された場合に成立する条件であってもよい。
【0452】
また、前記表示制御手段は、前記切替表示制御を行っているときに前記所定条件が成立した場合は、前記特殊切替表示制御を繰り返し行う手段であってもよい。
【0453】
このような構成とすれば、復帰制御中も可動体関連表示を所定の周期で継続することができるため、より違和感や不快感の少ない演出を行うことができる。
【0454】
また、前記扉体の開閉を検出可能な扉開閉検出手段(例えば、前面扉102の扉センサ)を備え、前記可動体制御手段は、前記通常制御を行っているときに前記扉開閉検出手段によって前記扉体の閉鎖が検出された場合は、該通常制御を中断して前記復帰制御を行う手段であってもよい。
【0455】
このような構成とすれば、演出途中に扉体の閉鎖を検出したことで可動体を初期位置に復帰させた場合であっても、演出を再開したときに可動体の位置ズレを低減することができ、違和感の無い演出を行うことができる。
【0456】
また、前記表示装置は、液晶表示装置であってもよい。このような構成とすれば、液晶表示装置と可動体を用いた演出を行う遊技台に好適である。
【0457】
また、前記可動体は、前記表示装置の表示領域の前方にて移動可能、または、前記表示装置の表示領域の外縁に沿って(例えば、上縁(または下縁)に沿って水平方向に、または、右側縁(または、左側縁)に沿って垂直方向に)移動可能なものであってもよい。
【0458】
このような構成とすれば、可動体の様々な動きに連動させて可動体関連表示を行うことができ、違和感や不快感の少ない演出を行うことができる。
【0459】
なお、本願発明4に係る「可動体」は、水平方向に移動可能な可動体に限定されず、垂直方向、斜め方向、その他の方向、または、複数の方向に移動可能なものでもよいし、回転可能、振動可能、伸縮可能、または、展開可能なものであってもよい。
【0460】
また、本願発明4に係る「所定条件が成立したこと」は、前面扉102が開放(または閉鎖)された場合、遊技台において振動を検知した場合、可動体の位置ズレを検知した場合、所定のエラーが発生した場合等に限定されず、遊技台に電源が投入された場合、遊技台のリセットが解除された場合、遊技台の初期化処理が実行された場合、可動体の動作異常を検知した場合、可動体の発熱を検知した場合、不正行為を検知した場合等であってもよい。
【0461】
また、本願発明4に係る「表示装置」は、液晶表示装置に限定されず、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、本願発明4に係る「所定の演出の表示(可動体関連表示を含む)」は、動画像に限定されず、静止画像であってもよい。
【0462】
また、本発明に係る遊技台は、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機などにも好適である。
【0463】
また、本発明に係る遊技台は、封入式遊技機に適用することもできる。ここで、「封入式遊技機」は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用するものである。また、主制御部、第1副制御部、および第2副制御部をワンチップで構成してもよいし、主制御部と第1副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、主制御部と第1副制御部で双方向の通信を可能とする一方で、第1副制御部から第2副制御部への通信は一方向の通信としてもよい。
【0464】
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。