特許第6603963号(P6603963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6603963アンチヒューズ差動セルを有するランダムコード生成器および関連する検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6603963
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】アンチヒューズ差動セルを有するランダムコード生成器および関連する検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 7/58 20060101AFI20191031BHJP
   G11C 17/16 20060101ALI20191031BHJP
   G11C 17/18 20060101ALI20191031BHJP
   G11C 7/06 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   G06F7/58 680
   G11C17/16
   G11C17/18
   G11C7/06 110
   G11C7/06 120
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-81638(P2018-81638)
(22)【出願日】2018年4月20日
(65)【公開番号】特開2018-190407(P2018-190407A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】62/490,612
(32)【優先日】2017年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510199683
【氏名又は名称】力旺電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】eMemory Technology Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲勇▼叡
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 志豪
【審査官】 征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第09613714(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0106235(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F7/58−7/72
G11C7/00−8/20;11/56;16/00−17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンチヒューズ差動セルを有するメモリセルアレイと、
入力端子および反転入力端子を有する検出回路と
を備え、
前記メモリセルアレイの第1アンチヒューズ差動セルが選択セルである場合、前記選択セルのビット線は前記検出回路の前記入力端子と接続され、前記選択セルの反転ビット線は前記検出回路の前記反転入力端子と接続され、
前記検出回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタおよび第4トランジスタを有する正帰還回路を含み、前記第1トランジスタのドレイン端子は前記入力端子と接続され、前記第1トランジスタのゲート端子は制御信号を受信し、前記第1トランジスタのソース端子は第1ノードと接続され、前記第2トランジスタのドレイン端子は前記反転入力端子と接続され、前記第2トランジスタのゲート端子は前記制御信号を受信し、前記第2トランジスタのソース端子は第2ノードと接続され、前記第3トランジスタのドレイン端子は前記第1ノードと接続され、前記第3トランジスタのゲート端子は前記第2ノードと接続され、前記第3トランジスタのソース端子は接地端子と接続され、前記第4トランジスタのドレイン端子は前記第2ノードと接続され、前記第4トランジスタのゲート端子は前記第1ノードと接続され、前記第4トランジスタのソース端子は前記接地端子と接続され、
前記検出回路はさらに、前記入力端子と接続された第1リセット回路、前記反転入力端子と接続された第2リセット回路、ならびに前記第1ノードおよび前記第2ノードにそれぞれ接続された2つの入力端子を有する出力回路を含み、
読み出しサイクル中、前記選択セルは、第1充電電流を生成して前記ビット線を充電し、第2充電電流を生成して前記反転ビット線を充電し、
前記ビット線の第1電圧が前記反転ビット線の第2電圧よりも高い場合、前記検出回路は、前記反転ビット線の前記第2電圧を放電して前記ビット線と前記反転ビット線との間の電圧差を増大させ、前記反転ビット線の前記第2電圧が前記ビット線の前記第1電圧よりも高い場合、前記検出回路は、前記ビット線の前記第1電圧を放電して前記ビット線と前記反転ビット線との間の前記電圧差を増大させ、前記検出回路は、前記電圧差に従って前記選択セルの記憶状態を判定し、前記選択セルの前記記憶状態に従ってランダムコードのビットを決定する、
ランダムコード生成器。
【請求項2】
前記第1アンチヒューズ差動セルは、
第1アンチヒューズ制御線および前記ビット線と接続された第1アンチヒューズ素子と、
第2アンチヒューズ制御線および前記反転ビット線と接続された第2アンチヒューズ素子と、
前記第1アンチヒューズ素子と前記第2アンチヒューズ素子との間に接続された接続回路と
を含む、
請求項1に記載のランダムコード生成器。
【請求項3】
前記第1アンチヒューズ素子は、第1選択トランジスタおよび第1アンチヒューズトランジスタを含み、前記第1選択トランジスタの第1端子は前記ビット線と接続され、前記第1選択トランジスタのゲート端子はワード線と接続され、前記第1アンチヒューズトランジスタの第1端子は前記第1選択トランジスタの第2端子と接続され、前記第1アンチヒューズトランジスタのゲート端子は第1アンチヒューズ制御線と接続され、
前記第2アンチヒューズ素子は、第2選択トランジスタおよび第2アンチヒューズトランジスタを含み、前記第2選択トランジスタの第1端子は前記反転ビット線と接続され、前記第2選択トランジスタのゲート端子は前記ワード線と接続され、前記第2アンチヒューズトランジスタの第1端子は前記第2選択トランジスタの第2端子と接続され、前記第2アンチヒューズトランジスタのゲート端子は第2アンチヒューズ制御線と接続され、
前記接続回路は絶縁トランジスタを含み、前記絶縁トランジスタの第1端子は前記第1アンチヒューズトランジスタの第2端子と接続され、前記絶縁トランジスタの第2端子は前記第2アンチヒューズトランジスタの第2端子と接続され、前記絶縁トランジスタのゲート端子は絶縁制御線と接続される、
請求項2に記載のランダムコード生成器。
【請求項4】
前記第1アンチヒューズ素子は第1アンチヒューズトランジスタを含み、前記第1アンチヒューズトランジスタの第1端子は前記ビット線と接続され、前記第1アンチヒューズトランジスタのゲート端子は第1アンチヒューズ制御線と接続され、
前記第2アンチヒューズ素子は第2アンチヒューズトランジスタを含み、前記第2アンチヒューズトランジスタの第1端子は前記反転ビット線と接続され、前記第2アンチヒューズトランジスタのゲート端子は第2アンチヒューズ制御線と接続され、
前記接続回路は絶縁トランジスタを含み、前記絶縁トランジスタの第1端子は前記第1アンチヒューズトランジスタの第2端子と接続され、前記絶縁トランジスタの第2端子は前記第2アンチヒューズトランジスタの第2端子と接続され、前記絶縁トランジスタのゲート端子は絶縁制御線と接続される、
請求項に記載のランダムコード生成器。
【請求項5】
前記第1アンチヒューズ素子は、第1選択トランジスタと、第1スイッチトランジスタと、第1アンチヒューズトランジスタとを含み、前記第1選択トランジスタの第1端子は前記ビット線と接続され、前記第1選択トランジスタのゲート端子はワード線と接続され、前記第1スイッチトランジスタの第1端子は前記第1選択トランジスタの第2端子と接続され、前記第1スイッチトランジスタのゲート端子はスイッチ制御線と接続され、前記第1アンチヒューズトランジスタの第1端子は前記第1スイッチトランジスタの第2端子と接続され、前記第1アンチヒューズトランジスタのゲート端子は第1アンチヒューズ制御線と接続され、
前記第2アンチヒューズ素子は、第2選択トランジスタと、第2スイッチトランジスタと第2アンチヒューズトランジスタとを含み、前記第2選択トランジスタの第1端子は前記反転ビット線と接続され、前記第2選択トランジスタのゲート端子は前記ワード線と接続され、前記第2スイッチトランジスタの第1端子は前記第2選択トランジスタの第2端子と接続され、前記第2スイッチトランジスタのゲート端子は前記スイッチ制御線と接続され、前記第2アンチヒューズトランジスタの第1端子は前記第2スイッチトランジスタの第2端子と接続され、前記第2アンチヒューズトランジスタのゲート端子は第2アンチヒューズ制御線と接続され、
前記接続回路は絶縁トランジスタを含み、前記絶縁トランジスタの第1端子は前記第1アンチヒューズトランジスタの第2端子と接続され、前記絶縁トランジスタの第2端子は前記第2アンチヒューズトランジスタの第2端子と接続され、前記絶縁トランジスタのゲート端子は絶縁制御線と接続される、
請求項に記載のランダムコード生成器。
【請求項6】
前記第1リセット回路は第5トランジスタを含み、前記第5トランジスタのドレイン端子は前記入力端子と接続され、前記第5トランジスタのゲート端子はリセット信号を受信し、前記第5トランジスタのソース端子は前記接地端子と接続される、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のランダムコード生成器。
【請求項7】
前記第2リセット回路は第6トランジスタを含み、前記第6トランジスタのドレイン端子は前記反転入力端子と接続され、前記第6トランジスタのゲート端子は前記リセット信号を受信し、前記第6トランジスタのソース端子は前記接地端子と接続される、
請求項に記載のランダムコード生成器。
【請求項8】
前記出力回路は差動増幅器である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のランダムコード生成器。
【請求項9】
前記検出回路は、
前記検出回路の前記入力端子と接続された第1電流シンクと、
前記検出回路の前記反転入力端子と接続された第2電流シンクと
をさらに有する、
請求項1〜8のいずれか一項に記載のランダムコード生成器。
【請求項10】
前記第1電流シンクは、
第7トランジスタであって、前記第7トランジスタのドレイン端子は前記入力端子と接続され、前記第7トランジスタのゲート端子は第1バイアス電圧を受信する、第7トランジスタと、
第8トランジスタであって、前記第8トランジスタのドレイン端子は前記第7トランジスタのソース端子と接続され、前記第8トランジスタのゲート端子は読み取り許可信号を受信し、前記第8トランジスタのソース端子は前記接地端子と接続される、第8トランジスタと
を含む、
請求項に記載のランダムコード生成器。
【請求項11】
前記第2電流シンクは、
第9トランジスタであって、前記第9トランジスタのドレイン端子は前記反転入力端子と接続され、前記第9トランジスタのゲート端子は第2バイアス電圧を受信する、第9トランジスタと、
第10トランジスタであって、前記第10トランジスタのドレイン端子は前記第9トランジスタのソース端子と接続され、前記第10トランジスタのゲート端子は前記読み取り許可信号を受信し、前記第10トランジスタのソース端子は前記接地端子と接続される、第10トランジスタと
を含む、
請求項10に記載のランダムコード生成器。
【請求項12】
ランダムコード生成器のための検出方法であって、
前記ランダムコード生成器は、複数のアンチヒューズ差動セルを有するメモリセルアレイと、検出回路とを備え、前記検出回路は、正帰還回路、第1リセット回路、第2リセット回路および出力回路を含み、前記正帰還回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタおよび第4トランジスタを含み、前記メモリセルアレイの第1アンチヒューズ差動セルは、第1アンチヒューズ制御線、第2アンチヒューズ制御線、ビット線および反転ビット線に接続され、前記第1トランジスタのドレイン端子は前記検出回路の入力端子と接続され、前記第1トランジスタのゲート端子は制御信号を受信し、前記第1トランジスタのソース端子は第1ノードと接続され、前記第2トランジスタのドレイン端子は前記検出回路の反転入力端子と接続され、前記第2トランジスタのゲート端子は前記制御信号を受信し、前記第2トランジスタのソース端子は第2ノードと接続され、前記第3トランジスタのドレイン端子は前記第1ノードと接続され、前記第3トランジスタのゲート端子は前記第2ノードと接続され、前記第3トランジスタのソース端子は接地端子と接続され、前記第4トランジスタのドレイン端子は前記第2ノードと接続され、前記第4トランジスタのゲート端子は前記第1ノードと接続され、前記第4トランジスタのソース端子は前記接地端子と接続され、前記第1リセット回路は前記入力端子と接続され、前記第2リセット回路は前記反転入力端子と接続され、ならびに前記出力回路は、前記第1ノードおよび前記第2ノードにそれぞれ接続された2つの入力端子を含み、
前記検出方法は、
前記メモリセルアレイの前記第1アンチヒューズ差動セルを選択セルとして選択する段階と、
第1読み出し電圧を前記選択セルの前記第1アンチヒューズ制御線に供給し、第2読み出し電圧を前記選択セルの前記第2アンチヒューズ制御線に供給し、前記選択セルの前記ビット線を前記検出回路の前記入力端子に接続し、前記選択セルの前記反転ビット線を前記検出回路の前記反転入力端子に接続する段階と、
前記選択セルの前記ビット線および前記反転ビット線を接地電圧へと予め充電する段階と、
第1充電電流を生成して前記ビット線を充電し、第2充電電流を生成して前記反転ビット線を充電する段階と、
前記ビット線の第1電圧が前記反転ビット線の第2電圧よりも高い場合、前記反転ビット線の前記第2電圧を放電して前記ビット線と前記反転ビット線との間の電圧差を増大させる段階と、
前記反転ビット線の前記第2電圧が前記ビット線の前記第1電圧よりも高い場合、前記ビット線の前記第1電圧を放電して前記ビット線と前記反転ビット線との間の前記電圧差を増大させる段階と
前記電圧差に従って前記選択セルの記憶状態を判定し、前記選択セルの前記記憶状態に従ってランダムコードのビットを決定する段階と
を備える、
検出方法。
【請求項13】
前記第1充電電流は前記選択セルにより生成された第1読み出し電流であり、前記第2充電電流は前記選択セルにより生成された第2読み出し電流である、
請求項12に記載の検出方法。
【請求項14】
第1バイアス電圧に従って第1バイアス電流を生成し、第2バイアス電圧に従って第2バイアス電流を生成する段階と、
前記選択セルの第1読み出し電流から前記第1バイアス電流を減じ、これにより、前記第1充電電流が生成される段階と、
前記選択セルの第2読み出し電流から前記第2バイアス電流を減じ、これにより、前記第2充電電流が生成される段階と
をさらに備える、
請求項12または13に記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランダムコード生成器および関連する検出方法に関し、より具体的には、アンチヒューズ差動セルを有するランダムコード生成器および関連する検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、アンチヒューズセルは、ワンタイムプログラマブルセル(OTPセルとも称され)の一種である。アンチヒューズセルはアンチヒューズトランジスタを備える。アンチヒューズトランジスタのゲート端子とソース/ドレイン端子との間の電圧差が耐電圧よりも高くない場合、アンチヒューズトランジスタは高抵抗状態にある。一方、アンチヒューズトランジスタのゲート端子とソース/ドレイン端子との間の電圧差が耐電圧よりも高い場合、アンチヒューズトランジスタのゲート酸化物層が破断され、アンチヒューズトランジスタは低抵抗状態にある。
【0003】
さらに、米国特許第9,613,714号明細書は、ランダムコードを生成できるOTPセルを開示している。図1Aは、ランダムコードを生成するための従来のアンチヒューズ差動セルを示す概略等価回路図である。図1Bは、図1Aの従来のアンチヒューズ差動セルをプログラミングおよび読み出しのためのバイアス電圧を示すバイアス電圧表である。
【0004】
図1Aに示されるように、アンチヒューズ差動セルc1は、第1選択トランジスタS1と、第1アンチヒューズトランジスタA1と、絶縁トランジスタOと、第2アンチヒューズトランジスタA2と、第2選択トランジスタS2とを備える。これらは、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間に直列接続される。第1選択トランジスタのゲート端子S1は、ワード線WLと接続される。第1アンチヒューズトランジスタA1のゲート端子は、第1アンチヒューズ制御線AF1と接続される。絶縁トランジスタOのゲート端子は、絶縁制御線IGと接続される。第2アンチヒューズトランジスタA2のゲート端子は、第2アンチヒューズ制御線AF2と接続される。第2選択トランジスタS2のゲート端子は、ワード線WLと接続される。
【0005】
図1Bを参照されたい。プログラムサイクル中、接地電圧(0V)がビット線BLおよび反転ビット線BLBに供給され、選択電圧Vddがワード線WLに供給され、プログラム電圧Vppが第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、オン電圧Vonが絶縁制御線IGに供給される。
【0006】
プログラムサイクル中、第1選択トランジスタS1、第2選択トランジスタS2および絶縁トランジスタOの全てがオンにされ、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2の一方の状態が変更される。例えば、第1アンチヒューズトランジスタA1は低抵抗状態へと変更されるが、第2アンチヒューズトランジスタA2は高抵抗状態に維持される。代替的に、第2アンチヒューズトランジスタA2は低抵抗状態へと変更されるが、第1アンチヒューズトランジスタA1は高抵抗状態に維持される。
【0007】
読み出しサイクル中、接地電圧(0V)がビット線BLおよび反転ビット線BLBに供給され、選択電圧Vddがワード線WLに供給され、読み出し電圧Vrが第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、オフ電圧Voffが絶縁制御線IGに供給される。
【0008】
読み出しサイクル中、第1選択トランジスタS1および第2選択トランジスタS2はオンにされ、絶縁トランジスタOはオフにされる。第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2は、ビット線BLおよび反転ビット線BLBに対して読み出し電流を生成する。一般的に、アンチヒューズトランジスタにより低抵抗状態で生成された読み出し電流の方が高く、アンチヒューズトランジスタにより高抵抗状態で生成された読み出し電流の方が低い。例えば、アンチヒューズトランジスタにより低抵抗状態で生成された読み出し電流は10μAであり、アンチヒューズトランジスタにより高抵抗状態で生成された読み出し電流は0.1μAである。
【0009】
読み出しサイクル中、処理回路(不図示)が、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2からの読み出し電流の大きさに従って、アンチヒューズ差動セルc1の記憶状態を決定する。第1アンチヒューズトランジスタA1により生成された読み出し電流の方が高く、第2アンチヒューズトランジスタA2により生成された読み出し電流の方が低い場合、アンチヒューズ差動セルc1は、第1記憶状態であると確認される。第1アンチヒューズトランジスタA1により生成された読み出し電流の方が低く、第2アンチヒューズトランジスタA2により生成された読み出し電流の方が高い場合、アンチヒューズ差動セルc1は、第2記憶状態であると確認される。アンチヒューズトランジスタA1およびA2の製造上のばらつきに起因して、読み出し動作が実行されている間アンチヒューズトランジスタA1およびA2のどちらが変更された状態であるかを認識することは不可能である。アンチヒューズ差動セルc1がプログラムされた後、アンチヒューズ差動セルc1の記憶状態は、ランダムコードのビットとして用いられる。例えば、8つのプログラムされたアンチヒューズ差動セルの8つの記憶状態は、1バイトのランダムコードを示す。
【0010】
図2Aは、ランダムコードを生成するための別の従来のアンチヒューズ差動セルを示す概略等価回路図である。図2Bは、図2Aの従来のアンチヒューズ差動セルのプログラミングおよび読み出しのためのバイアス電圧を示すバイアス電圧表である。
【0011】
図2Aに示されるように、アンチヒューズ差動セルc2は、第1アンチヒューズトランジスタA1と、絶縁トランジスタOと、第2アンチヒューズトランジスタA2とを備える。これらは、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間に直列接続される。第1アンチヒューズトランジスタA1のゲート端子は、第1アンチヒューズ制御線AF1と接続される。絶縁トランジスタOのゲート端子は、絶縁制御線IGと接続される。第2アンチヒューズトランジスタA2のゲート端子は、第2アンチヒューズ制御線AF2と接続される。
【0012】
第1アンチヒューズトランジスタA1のゲート酸化物層は、第1部分および第2部分を備える。第1アンチヒューズトランジスタA1において、ゲート酸化物層の第1部分は、絶縁トランジスタOにより近く、ゲート酸化物層の第2部分は、ビット線BLにより近い。ゲート酸化物層の第1部分は、ゲート酸化物層の第2部分よりも薄い。同様に、第2アンチヒューズトランジスタA2は、第1部分および第2部分を備える。第2アンチヒューズトランジスタA2において、ゲート酸化物層の第1部分は、絶縁トランジスタOにより近く、ゲート酸化物層の第2部分は、反転ビット線BLBにより近い。ゲート酸化物層の第1部分は、ゲート酸化物層の第2部分よりも薄い。
【0013】
図2Bを参照されたい。プログラムサイクル中、接地電圧(0V)がビット線BLおよび反転ビット線BLBに供給され、プログラム電圧Vppが第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、オン電圧Vonが絶縁線IGに供給される。
【0014】
プログラムサイクル中、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2の一方の記憶状態が変更される。例えば、第1アンチヒューズトランジスタA1のゲート酸化物層の第1部分が破断され、第1アンチヒューズトランジスタA1が低抵抗状態へと変更される場合、第2アンチヒューズトランジスタA2は、高抵抗状態に維持される。代替的に、第2アンチヒューズトランジスタA2のゲート酸化物層の第1部分が破断され、第2アンチヒューズトランジスタA2が低抵抗状態へと変更される場合、第1アンチヒューズトランジスタA1は、高抵抗状態に維持される。
【0015】
読み出しサイクル中、接地電圧(0V)がビット線BLおよび反転ビット線BLBに供給され、読み出し電圧Vrが第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、オフ電圧Voffが絶縁制御線IGに供給される。結果的に、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2は、ビット線BLおよび反転ビット線BLBに対して読み出し電流を生成する。続いて、処理回路(不図示)が、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2からの読み出し電流の大きさに従って、アンチヒューズ差動セルc2の記憶状態を決定する。
【0016】
アンチヒューズトランジスタA1およびA2の製造上のばらつきに起因して、読み出し動作が実行されている間アンチヒューズトランジスタA1およびA2のどちらが変更された状態であるかを認識することは不可能である。アンチヒューズ差動セルc2がプログラムされた後、アンチヒューズ差動セルc2の記憶状態は、ランダムコードのビットとして用いられる。
【0017】
図3Aは、ランダムコードを生成するための別の従来のアンチヒューズ差動セルを示す概略等価回路図である。図3Bは、図3Aの従来のアンチヒューズ差動セルのプログラミングおよび読み出しのためのバイアス電圧を示すバイアス電圧表である。
【0018】
図3Aに示されるように、アンチヒューズ差動セルc3は、第1選択トランジスタS1と、第1スイッチトランジスタW1と、第1アンチヒューズトランジスタA1と、絶縁トランジスタOと、第2アンチヒューズトランジスタA2と、第2スイッチトランジスタW2と、第2選択トランジスタS2とを備える。これらは、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間に直列接続される。
【0019】
第1選択トランジスタS1のゲート端子は、ワード線WLと接続される。第1スイッチトランジスタW1のゲート端子は、スイッチ制御線SWと接続される。第1アンチヒューズトランジスタA1のゲート端子は、第1アンチヒューズ制御線AF1と接続される。絶縁トランジスタOのゲート端子は、絶縁制御線IGと接続される。第2アンチヒューズトランジスタA2のゲート端子は、第2アンチヒューズ制御線AF2と接続される。第2スイッチトランジスタW2のゲート端子は、スイッチ制御線SWと接続される。第2選択トランジスタS2のゲート端子は、ワード線WLと接続される。
【0020】
図3Bを参照されたい。プログラムサイクル中、接地電圧(0V)がビット線BLおよび反転ビット線BLBに供給され、選択電圧Vddがワード線WLに供給され、スイッチ電圧Vswがスイッチ制御線SWに供給され、プログラム電圧Vppが第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、オン電圧Vonが絶縁制御線IGに供給される。
【0021】
プログラムサイクル中、第1選択トランジスタS1、第2選択トランジスタS2、第1スイッチトランジスタW1、第2スイッチトランジスタW2および絶縁トランジスタOの全てがオンにされ、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2の一方の状態が変更される。例えば、第1アンチヒューズトランジスタA1は低抵抗状態へと変更されるが、第2アンチヒューズトランジスタA2は高抵抗状態に維持される。代替的に、第2アンチヒューズトランジスタA2は低抵抗状態へと変更されるが、第1アンチヒューズトランジスタA1は高抵抗状態に維持される。
【0022】
読み出しサイクル中、接地電圧(0V)はビット線BLおよび反転ビット線BLBに供給され、選択電圧Vddはワード線WLに供給され、スイッチ電圧Vswはスイッチ制御線SWに供給され、読み出し電圧Vrが第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、オフ電圧Voffが絶縁制御線IGに供給される。
【0023】
読み出しサイクル中、第1選択トランジスタS1、第2選択トランジスタS2、第1スイッチトランジスタW1および第2スイッチトランジスタW2はオンにされ、絶縁トランジスタOはオフにされる。第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2は、ビット線BLおよび反転ビット線BLBに対して読み出し電流を生成する。続いて、処理回路(不図示)が、第1アンチヒューズトランジスタA1および第2アンチヒューズトランジスタA2からの読み出し電流の大きさに従って、アンチヒューズ差動セルc3の記憶状態を決定する。
【0024】
アンチヒューズトランジスタA1およびA2の製造上のばらつきに起因して、読み出し動作が実行されている間アンチヒューズトランジスタA1およびA2のどちらが変更された状態であるかを認識することは不可能である。アンチヒューズ差動セルc3がプログラムされた後、アンチヒューズ差動セルc3の記憶状態は、ランダムコードのビットとして用いられる。
【0025】
当該アンチヒューズ差動セルのプログラムサイクル中、1つのアンチヒューズトランジスタのみのゲート酸化物層が破断され、状態が変更されるのが理想的である。一方、他のアンチヒューズトランジスタのゲート酸化物層は破断されず、状態は変更されない。
【0026】
しかしながら、いくつかの状況において、それら2つのアンチヒューズトランジスタのゲート酸化物層は、当該アンチヒューズ差動セルのプログラムサイクル中破断される。これに対応して、読み出しサイクル中、当該アンチヒューズ差動セルのそれら2つのアンチヒューズトランジスタにより生成された読み出し電流は非常に大きい。この状況において、処理回路は、当該アンチヒューズ差動セルの記憶状態を正確に判定し得ない。
【発明の概要】
【0027】
本発明の一実施形態は、ランダムコード生成器を提供する。ランダムコード生成器は、メモリセルアレイおよび検出回路を含む。メモリセルアレイは、複数のアンチヒューズ差動セルを含む。検出回路は、入力端子および反転入力端子を有する。メモリセルアレイの第1アンチヒューズ差動セルが選択セルである場合、当該選択セルのあるビット線が検出回路の入力端子と接続され、当該選択セルのある反転ビット線が検出回路の反転入力端子と接続される。検出回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタおよび第4トランジスタを有する正帰還回路を含む。第1トランジスタのドレイン端子は入力端子と接続され、第1トランジスタのゲート端子は制御信号を受信し、第1トランジスタのソース端子は第1ノードと接続され、第2トランジスタのドレイン端子は反転入力端子と接続され、第2トランジスタのゲート端子は制御信号を受信し、第2トランジスタのソース端子は第2ノードと接続され、第3トランジスタのドレイン端子は第1ノードと接続され、第3トランジスタのゲート端子は第2ノードと接続され、第3トランジスタのソース端子は接地端子と接続され、第4トランジスタのドレイン端子は第2ノードと接続され、第4トランジスタのゲート端子は第1ノードと接続され、第4トランジスタのソース端子は接地端子と接続される。検出回路はさらに、入力端子と接続された第1リセット回路、反転入力端子と接続された第2リセット回路、ならびに第1ノードおよび第2ノードにそれぞれ接続された2つの入力端子を有する出力回路を含む。読み出しサイクル中、当該選択セルは、第1充電電流を生成して当該ビット線を充電し、第2充電電流を生成して当該反転ビット線を充電する。当該ビット線の第1電圧が当該反転ビット線の第2電圧よりも高い場合、検出回路は、当該反転ビット線の第2電圧を放電して当該ビット線と当該反転ビット線との間の電圧差を増大させる。当該反転ビット線の第2電圧が当該ビット線の第1電圧よりも高い場合、検出回路は、当該ビット線の第1電圧を放電して当該ビット線と当該反転ビット線との間の電圧差を増大させる。検出回路は、当該電圧差に従って、当該選択セルの記憶状態を判定し、当該選択セルの記憶状態に従って、ランダムコードのビットを決定する。
【0028】
本発明の別の実施形態は、ランダムコード生成器のための検出方法を提供する。ランダムコード生成器は、メモリセルアレイおよび検出回路を含む。メモリセルアレイは、複数のアンチヒューズ差動セルを含む。検出回路は、正帰還回路、第1リセット回路、第2リセット回路および出力回路を含む。正帰還回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタおよび第4トランジスタを含む。メモリセルアレイの第1アンチヒューズ差動セルは、第1アンチヒューズ制御線、第2アンチヒューズ制御線、ビット線および反転ビット線に接続される。第1トランジスタのドレイン端子は検出回路の入力端子と接続され、第1トランジスタのゲート端子は制御信号を受信し、第1トランジスタのソース端子は第1ノードと接続され、第2トランジスタのドレイン端子は検出回路の反転入力端子と接続され、第2トランジスタのゲート端子は制御信号を受信し、第2トランジスタのソース端子は第2ノードと接続され、第3トランジスタのドレイン端子は第1ノードと接続され、第3トランジスタのゲート端子は第2ノードと接続され、第3トランジスタのソース端子は接地端子と接続され、第4トランジスタのドレイン端子は第2ノードと接続され、第4トランジスタのゲート端子は第1ノードと接続され、第4トランジスタのソース端子は接地端子と接続される。第1リセット回路は入力端子と接続され、第2リセット回路は反転入力端子と接続され、ならびに出力回路は、第1ノードおよび第2ノードにそれぞれ接続された2つの入力端子を含む。検出方法は、以下の段階を含む。まず、メモリセルアレイの第1アンチヒューズ差動セルが、選択セルとして選択される。次に、第1読み出し電圧が選択セルの第1アンチヒューズ制御線に供給され、第2読み出し電圧が選択セルの第2アンチヒューズ制御線に供給され、選択セルのあるビット線が検出回路の入力端子に接続され、選択セルのある反転ビット線が検出回路の反転入力端子に接続される。次に、選択セルの当該ビット線および当該反転ビット線は、接地電圧へと予め充電される。次に、第1充電電流が生成されて当該ビット線を充電し、第2充電電流が生成されて当該反転ビット線を充電する。当該ビット線の第1電圧が当該反転ビット線の第2電圧よりも高い場合、当該反転ビット線の第2電圧は放電され、これにより、当該ビット線と当該反転ビット線との間の電圧差が増大する。当該反転ビット線の第2電圧が当該ビット線の第1電圧よりも高い場合、当該ビット線の第1電圧は放電され、これにより、当該ビット線と当該反転ビット線との間の電圧差が増大する。次に、選択セルの記憶状態が当該電圧差に従って判定され、ランダムコードのビットが選択セルの記憶状態に従って決定される。
【0029】
添付図面と共に理解される場合、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むと、本発明の多くの目的、特徴および利点が容易に明らかになるであろう。しかしながら、本明細書において使用される図面は、説明を目的としたものであり、限定とみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の上記の目的および利点は、以下の詳細な説明および添付図面を検討した後、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【0031】
図1A】(従来技術)ランダムコードを生成するための従来のアンチヒューズ差動セルを示す概略等価回路図である。
【0032】
図1B】(従来技術)図1Aの従来のアンチヒューズ差動セルのプログラミングおよび読み出しのためのバイアス電圧を示すバイアス電圧表である。
【0033】
図2A】(従来技術)ランダムコードを生成するための別の従来のアンチヒューズ差動セルを示す概略等価回路図である。
【0034】
図2B】(従来技術)図2Aの従来のアンチヒューズ差動セルのプログラミングおよび読み出しのためのバイアス電圧を示すバイアス電圧表である。
【0035】
図3A】(従来技術)ランダムコードを生成するための別の従来のアンチヒューズ差動セルを示す概略等価回路図である。
【0036】
図3B】(従来技術)図3Aの従来のアンチヒューズ差動セルのプログラミングおよび読み出しのためのバイアス電圧を示すバイアス電圧表である。
【0037】
図4】本発明の第1実施形態に従ったランダムコード生成器のアーキテクチャを示す概略回路ブロック図である。
【0038】
図5】本発明の第1実施形態に従ったランダムコード生成器の検出回路を示す概略回路図である。
【0039】
図6】本発明の第1実施形態に従ったランダムコード生成器のための検出方法を示すフローチャートである。
【0040】
図7】本発明の第2実施形態に従ったランダムコード生成器のアーキテクチャを示す概略回路ブロック図である。
【0041】
図8A】本発明の第2実施形態に従ったランダムコード生成器の検出回路を示す概略回路図である。
【0042】
図8B図8Aの検出回路により処理される関連する信号を示す概略タイミング波形図である。
【0043】
図9】本発明の第2実施形態に従ったランダムコード生成器のための検出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、アンチヒューズ差動セルを有するランダムコード生成器および関連する検出方法を提供する。アンチヒューズ差動セルの2つのアンチヒューズトランジスタにより生成された読み出し電流が読み出しサイクル中非常に大きい場合でも、本発明の検出回路はなお、アンチヒューズ差動セルの記憶状態を正確に判定し得る。
【0045】
図4は、本発明の第1実施形態に従ったランダムコード生成器のアーキテクチャを示す概略回路ブロック図である。図4に示されるように、ランダムコード生成器400は、メモリセルアレイ410および検出回路420を備える。
【0046】
メモリセルアレイ410は、同じ構造を有する複数のアンチヒューズ差動セルcell1〜cell4を備える。メモリセルアレイ410の選択セルに対応するビット線BLおよび反転ビット線BLBがそれぞれ、検出回路420の入力端子INおよび反転入力端子INBと接続される。例えば、アンチヒューズ差動セルcell1が読み出しサイクル中選択セルである場合、アンチヒューズ差動セルcell1に対応するビット線BLおよび反転ビット線BLBはそれぞれ、検出回路420の入力端子INおよび反転入力端子INBと接続される。その間、検出回路420は、当該ビット線BLおよび当該反転ビット線BLBからの読み出し電流に従って、選択セル(例えば、アンチヒューズ差動セルcell1)の記憶状態を決定する。
【0047】
同様に、アンチヒューズ差動セルcell2〜cell4のうちの1つが選択セルである場合、当該選択セルに対応するビット線BLおよび反転ビット線BLBがそれぞれ、検出回路420の入力端子INおよび反転入力端子INBと接続される。
【0048】
アンチヒューズ差動セルの構造は、以下のように説明される。例えば、アンチヒューズ差動セルcell1は、第1アンチヒューズ素子402と、接続回路408と、第2アンチヒューズ素子406とを備える。第1アンチヒューズ素子402および第2アンチヒューズ素子406の各々は、アンチヒューズトランジスタを備える。
【0049】
図1A、2Aおよび3Aに示されるアンチヒューズ差動セルは、メモリセルアレイ410のアンチヒューズ差動セルcell1〜cell4として用いられ得る。プログラムサイクル中、プログラム電圧Vppが、第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給される。読み出しサイクル中、読み出し電圧Vrが、第1アンチヒューズ制御線AF1および第2アンチヒューズ制御線AF2に供給される。
【0050】
図1Aに示されるアンチヒューズ差動セルが使用される場合、接続回路408は絶縁トランジスタOを備え、第1アンチヒューズ素子402は第1選択トランジスタS1および第1アンチヒューズトランジスタA1を備え、第2アンチヒューズ素子406は第2アンチヒューズトランジスタA2および第2選択トランジスタS2を備える。図2Aに示されるアンチヒューズ差動セルが使用される場合、接続回路408は絶縁トランジスタOを備え、第1アンチヒューズ素子402は第1アンチヒューズトランジスタA1を備え、第2アンチヒューズ素子406は第2アンチヒューズトランジスタA2を備える。図3Aに示されるアンチヒューズ差動セルが使用される場合、接続回路408は絶縁トランジスタOを備え、第1アンチヒューズ素子402は第1選択トランジスタS1と、第1スイッチトランジスタW1と、第1アンチヒューズトランジスタA1とを備え、第2アンチヒューズ素子406は第2選択トランジスタS2と、第2スイッチトランジスタW2と、第2アンチヒューズトランジスタA2とを備える。
【0051】
図1A、2Aおよび3Aに示されるアンチヒューズ差動セルに加え、他の構造を有するアンチヒューズ差動セルが、本発明において適切に用いられる。例えば、別の実施形態において、接続回路408は、図1A、2Aおよび3Aに示される絶縁トランジスタOに代えて、導線を備える。つまり、接続回路408は導線であり、当該導線は、第1アンチヒューズ素子402と第2アンチヒューズ素子406との間に接続される。
【0052】
本実施形態において、検出回路420は、正帰還回路422と、出力回路428と、第1リセット回路424と、第2リセット回路426とを備える。正帰還回路422の2つの検出端子s1およびs2はそれぞれ、検出回路420の入力端子INおよび反転入力端子INBと接続される。第1リセット回路424は、検出回路420の入力端子INと接続される。第2リセット回路426は、検出回路420の反転入力端子INBと接続される。出力回路428の2つの入力端子はそれぞれ、正帰還回路422の2つの出力端子と接続される。出力回路428の出力端子OUTおよび反転出力端子OUTBは、互いに相補的である2つの出力信号を生成する。
【0053】
図5は、本発明の第1実施形態に従ったランダムコード生成器の検出回路を示す概略回路図である。
【0054】
正帰還回路422は、4つのトランジスタmc1、mc2、m1およびm2を備える。トランジスタmc1のドレイン端子は、正帰還回路422の検出端子s1である。トランジスタmc1のソース端子は、ノード「a」と接続される。トランジスタmc1のゲート端子は、制御信号ctrlを受信する。トランジスタmc2のドレイン端子は、正帰還回路422の検出端子S2である。トランジスタmc2のソース端子は、ノード「b」と接続される。トランジスタmc2のゲート端子は、制御信号ctrlを受信する。トランジスタm1のドレイン端子は、ノード「a」と接続される。トランジスタm1のゲート端子は、ノード「b」と接続される。トランジスタm1のソース端子は、接地端子GNDと接続される。トランジスタm2のドレイン端子は、ノード「b」と接続される。トランジスタm2のゲート端子は、ノード「a」と接続される。トランジスタm2のソース端子は、接地端子GNDと接続される。
【0055】
第1リセット回路424は、トランジスタmc3を備える。トランジスタmc3のドレイン端子は、検出回路420の入力端子INと接続される。トランジスタmc3のソース端子は、接地端子GNDと接続される。トランジスタmc3のゲート端子は、リセット信号RSTを受信する。
【0056】
第2リセット回路426は、トランジスタmc4を備える。トランジスタmc4のドレイン端子は、検出回路420の反転入力端子INBと接続される。トランジスタmc4のソース端子は、接地端子GNDと接続される。トランジスタmc4のゲート端子は、リセット信号RSTを受信する。
【0057】
一実施形態において、出力回路428は、差動増幅器である。差動増幅器の正側入力端子は、ノード「a」と接続される。差動増幅器の負側入力端子は、ノード「b」と接続される。差動増幅器の出力端子OUTおよび反転出力端子OUTBは、2つの相補出力信号を生成する。差動増幅器は電子回路に広く適用されてきたので、差動増幅器の原理は、本明細書において重複して説明されない。
【0058】
読み出しサイクルの始め(すなわち、読み出しサイクルの第1段階)に、トランジスタmc3およびmc4は、リセット信号RSTに従って、一時的にオンにされる。結果的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBは、接地電圧(すなわち、0V)へと予め充電される。次に、選択セルは、読み出し電流IBLおよびIBLBを生成して、ビット線BLおよび反転ビット線BLBを充電する。結果的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBの電圧は、0Vから徐々に増やされる。言い換えれば、読み出し電流IBLおよびIBLBは充電電流である。
【0059】
一般的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBの電圧上昇速度は、読み出し電流IBLおよびIBLBに関連する。例えば、読み出し電流IBLが読み出し電流IBLBよりも大きい場合、ビット線BLの電圧上昇速度は、反転ビット線BLBの電圧上昇速度よりも速い。一方、読み出し電流IBLBが読み出し電流IBLよりも大きい場合、反転ビット線BLBの電圧上昇速度は、ビット線BLの電圧上昇速度よりも速い。
【0060】
さらに、読み出しサイクルの第1段階中、トランジスタmc1およびmc2は、制御信号ctrlに従ってオンにされる。結果的に、ノード「a」はビット線BLと接続され、ノード「b」は反転ビット線BLB「b」と接続される。ビット線BLおよび反転ビット線BLBの電圧上昇速度は異なるので、トランジスタm1およびm2の一方はオンにされ、トランジスタm1およびm2の他方はオフにされる。
【0061】
例えば、ビット線BLの電圧上昇速度が反転ビット線BLBの電圧上昇速度よりも高い場合、トランジスタm2がオンにされる。結果的に、反転ビット線BLBの電圧は、放電され、徐々に減らされる。トランジスタm1がオフにされるので、ビット線BLの電圧は、継続的に増やされる。一方、反転ビット線BLBの電圧上昇速度がビット線BLの電圧上昇速度よりも速い場合、トランジスタm1がオンにされる。結果的に、ビット線BLの電圧は、放電され、徐々に減らされる。トランジスタm2がオフにされるので、反転ビット線BLBの電圧は、継続的に増やされる。
【0062】
言い換えれば、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間の電圧差は、読み出しサイクルの第1段階中、正帰還回路422により増大させられる。さらに、ビット線BLがノード「a」と接続され、反転ビット線BLBがノード「b」と接続されるので、ノード「a」とノード「b」との間の電圧差も増大させられる。
【0063】
読み出しサイクルの第2段階中、トランジスタmc1およびmc2は、制御信号ctrlに従ってオフにされる。ノード「a」とノード「b」との間の電圧差に従って、ノード「a」とノード「b」との間に接続された出力回路428は、出力端子OUTおよび反転出力端子OUTBからの出力信号および反転出力信号を生成する。出力信号および反転出力信号に従って、検出回路420は、選択セルの記憶状態を判定する。結果的に、ランダムコードのビットが決定される。
【0064】
図6は、本発明の第1実施形態に従ったランダムコード生成器のための検出方法を示すフローチャートである。
【0065】
まず、選択セルがメモリセルアレイ410から選択される(段階S608)。
【0066】
次に、読み出し電圧Vrが当該選択セルのアンチヒューズ制御線AF1およびAF2に供給され、当該選択セルのビット線BLおよび反転ビット線BLBはそれぞれ、検出回路420の入力端子INおよび反転入力端子INBと接続される(段階S610)。
【0067】
次に、当該選択セルのビット線BLおよび反転ビット線BLBは、第1リセット回路424および第2リセット回路426により接地電圧へと予め充電される(段階S612)。
【0068】
次に、当該選択セルは、2つの読み出し電流IBLおよびIBLBを生成して、ビット線BLおよび反転ビット線BLBを充電する(段階S614)。言い換えれば、読み出し電流IBLおよびIBLBは、ビット線BLおよび反転ビット線BLBを充電するための充電電流である。
【0069】
正帰還回路422は、ビット線と反転ビット線との間の電圧差を増大させる(段階S616)。ビット線BLの電圧が反転ビット線BLBの電圧よりも高い場合、反転ビット線BLBの電圧は放電され、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間の電圧差が増大させられる。一方、反転ビット線BLBの電圧がビット線BLの電圧よりも高い場合、ビット線BLの電圧が放電され、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間の電圧差が増大させられる。
【0070】
次に、出力回路428は、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間の電圧差に従って出力信号および反転出力信号を生成し、当該選択セルの記憶状態に従ってランダムコードのビットを決定する(段階S618)。
【0071】
上記の説明から、本発明は、アンチヒューズ差動セルを有するランダムコード生成器および関連する検出方法を提供する。メモリセルアレイ410のアンチヒューズ差動セルがプログラムされた後、検出回路420は、読み出しサイクル中のアンチヒューズ差動セルの記憶状態を判定し、ランダムコードのビットを決定する。次に、検出回路420の正帰還回路422は、ビット線BLと反転ビット線BLBとの間の電圧差を増大させる。この状況において、ビット線BLおよび反転ビット線BLBの両方により生成された読み出し電流が非常に大きい場合でも、検出回路420はなお、アンチヒューズ差動セルの記憶状態を正確に判定できる。
【0072】
読み出しサイクル中、メモリセルアレイ410は、ビット線BLおよび反転ビット線BLBに対して当該読み出し電流を生成する。加えて、メモリセルアレイ410は、ビット線BLおよび反転ビット線BLBに対してリーク電流も生成する。リーク電流を相殺するために、ランダムコード生成器は、さらに改良される必要がある。本発明の第2実施形態において、ランダムコード生成器の検出回路は、メモリセルアレイからのリーク電流を相殺するための2つの電流シンクをさらに備える。
【0073】
図7は、本発明の第2実施形態に従ったランダムコード生成器のアーキテクチャを示す概略回路ブロック図である。図7に示されるように、ランダムコード生成器700は、メモリセルアレイ410および検出回路720を備える。メモリセルアレイ410の構造は、第1実施形態のものと同様であり、本明細書において重複して説明されない。
【0074】
本実施形態において、検出回路720は、正帰還回路422と、出力回路728と、第1リセット回路424と、第2リセット回路426と、第1電流シンク724と、第2電流シンク726とを備える。第1リセット回路424および第2リセット回路426の構造は、第1実施形態のものと同様であり、本明細書において重複して説明されない。
【0075】
第1電流シンク724は、検出回路720の入力端子INと接続される。第2電流シンク726は、検出回路720の反転入力端子INBと接続される。出力回路728の2つの入力端子はそれぞれ、正帰還回路422の2つの出力端子と接続される。さらに、出力回路728の出力端子OUTおよび反転出力端子OUTBは、2つの相補出力信号を生成する。
【0076】
図8Aは、本発明の第2実施形態に従ったランダムコード生成器の検出回路を示す概略回路図である。正帰還回路422、第1リセット回路424および第2リセット回路426の回路構造は、図5のものと同様であり、本明細書において重複して説明されない。
【0077】
第1電流シンク724は、トランジスタm5およびmc6を備える。トランジスタm5のドレイン端子は、検出回路720の入力端子INと接続される。トランジスタm5のゲート端子は、第1バイアス電圧Vbias1を受信する。トランジスタmc6のドレイン端子は、トランジスタm5のソース端子と接続される。トランジスタmc6のソース端子は、接地端子GNDと接続される。トランジスタmc6のゲート端子は、読み取り許可信号ENを受信する。
【0078】
第2電流シンク726は、トランジスタm6およびmc7を備える。トランジスタm6のドレイン端子は、検出回路720の反転入力端子INBと接続される。トランジスタm6のゲート端子は、第2バイアス電圧Vbias2を受信する。トランジスタmc7のドレイン端子は、トランジスタm6のソース端子と接続される。トランジスタmc7のソース端子は、接地端子GNDと接続される。トランジスタmc7のゲート端子は、読み取り許可信号ENを受信する。
【0079】
出力回路728は、トランジスタm3、m4およびmc5を備える。トランジスタmc5のソース端子は、電源電圧Vccと接続される。トランジスタmc5のゲート端子は、制御信号ctrlを受信する。トランジスタmc5のゲート端子は、ノード「c」と接続される。トランジスタm3のソース端子は、ノード「c」と接続される。トランジスタm3のドレイン端子は、ノード「c」と接続される。トランジスタm3のゲート端子は、ノード「b」と接続される。トランジスタm4のソース端子は、ノード「c」と接続される。トランジスタm4のドレイン端子は、ノード「b」と接続される。トランジスタm4のゲート端子は、ノード「c」と接続される。ノード「a」は、出力端子OUTとして用いられる。ノード「b」は、反転出力端子OUTBとして用いられる。本実施形態において、出力回路728は上記回路を有する。いくつかの他の実施形態において、出力回路728は、他の適切な差動増幅器と共に実装される。
【0080】
例えば、読み出しサイクル中、メモリセルアレイ410により生成されるリーク電流は0.5μAである。第1電流シンク724の第1バイアス電圧Vbias1および第2電流シンク726の第2バイアス電圧Vbias2に従って、第1電流シンク724により生成される第1バイアス電流Ibias1および第2電流シンク726により生成される第2バイアス電流Ibias2は0.5μAである。例えば、ビット線BLおよび反転ビット線BLBから出力される読み出し電流IBLおよびIBLBはそれぞれ、12μAおよび1μAである。当該読み出し電流が第1バイアス電流Ibias1および第2バイアス電流Ibias2により相殺された後、2つの充電電流はそれぞれ、11.5μAおよび0.5μAである。結果的に、検出回路720の判定精度が高められる。
【0081】
図8Bは、図8Aの検出回路により処理される関連する信号を示す概略タイミング波形図である。読み出しサイクル中、読み取り許可信号ENは、高レベル状態にある。時点t1と時点t4との間の時間間隔において、検出回路720は、第1選択セルの記憶状態を判定する。時点t4と時点t7との間の時間間隔において、検出回路720は、第2選択セルの記憶状態を判定する。読み出しサイクルの第1段階において、制御信号ctrlは、高レベル状態にある。その間、トランジスタmc1およびmc2はオンにされ、トランジスタmc5はオフにされる。読み出しサイクルの第2段階において、制御信号ctrlは、低レベル状態にある。その間、トランジスタmc1およびmc2はオフにされ、トランジスタmc5はオンにされる。
【0082】
図8Bに示されるように、時点t1と時点t3との間の時間間隔は、読み出しサイクルの第1段階を示す。まず、トランジスタmc3およびmc4は、リセット信号RSTに従って一時的にオンにされる。結果的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBは、接地電圧(すなわち、0V)へと予め充電される。次に、選択セルは、読み出し電流IBLおよびIBLBを生成して、ビット線BLおよび反転ビット線BLBを充電する。結果的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBの電圧は、0Vから徐々に増やされる。
【0083】
時点t2において、ビット線BLの電圧は反転ビット線BLBの電圧よりも高く、トランジスタm2はビット線BLの電圧に従ってオンにされる。結果的に、時点t2の後、ビット線BLの電圧は徐々に増やされ、反転ビット線BLBの電圧は徐々に減らされる。ビット線BLがノード「a」と接続され、反転ビット線BLBがノード「b」と接続されるので、出力端子OUTの電圧はビット線BLの電圧と等しく、反転出力端子OUTBの電圧は反転ビット線BLBの電圧と等しい。
【0084】
時点t3と時点t4との間の時間間隔は、読み出しサイクルの第2段階を示す。その間、ビット線BLはノード「a」と接続されず、反転ビット線BLBはノード「b」と接続されない。結果的に、反転ビット線BLBの電圧は、再び増やされる。さらに、トランジスタmc5がオンにされるので、出力端子OUTの電圧は電源電圧Vccにラッチされ、反転出力端子OUTBの電圧は接地電圧(すなわち、0V)にラッチされる。この状況において、第1選択セルは、第1記憶状態であると判定される。
【0085】
同様に、時点t4と時点t6との間の時間間隔は、読み出しサイクルの第1段階を示す。まず、トランジスタmc3およびmc4は、リセット信号RSTに従って一時的にオンにされる。結果的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBは、接地電圧(すなわち、0V)へと予め充電される。次に、選択セルは、読み出し電流IBLおよびIBLBを生成して、ビット線BLおよび反転ビット線BLBを充電する。結果的に、ビット線BLおよび反転ビット線BLBの電圧は、0Vから徐々に増やされる。
【0086】
時点t5において、反転ビット線BLBの電圧はビット線BLの電圧よりも高く、トランジスタm1は反転ビット線BLBの電圧に従ってオンにされる。結果的に、時点t5の後、反転ビット線BLBの電圧は徐々に増やされ、ビット線BLの電圧は徐々に減らされる。ビット線BLがノード「a」と接続され、反転ビット線BLBがノード「b」と接続されるので、出力端子OUTの電圧はビット線BLの電圧と等しく、反転出力端子OUTBの電圧は反転ビット線BLBの電圧と等しい。
【0087】
時点t6と時点t7との間の時間間隔は、読み出しサイクルの第2段階を示す。その間、ビット線BLはノード「a」と接続されず、反転ビット線BLBはノード「b」と接続されない。結果的に、ビット線BLの電圧は、再び増やされる。さらに、トランジスタmc5がオンにされるので、出力端子OUTの電圧は接地電圧(すなわち、0V)にラッチされ、反転出力端子OUTBの電圧は電源電圧Vccにラッチされる。この状況において、第2選択セルは、第2記憶状態であると判定される。
【0088】
図9は、本発明の第2実施形態に従ったランダムコード生成器のための検出方法を示すフローチャートである。図6の検出モジュールと比較して、本実施形態の検出方法は、段階S614に代えて、段階S914をさらに備える。以下、段階S914のみが説明される。
【0089】
段階S914において、バイアス電圧Vbias1およびVbias2は、電流シンク724および726に供給され、これにより、電流シンク724および726は、バイアス電流Ibs1およびIbs2を生成する。さらに、選択セルは、読み出し電流IBLおよびIBLBを生成する。読み出し電流IBLからバイアス電流Ibs1を減じた結果(すなわち、IBL−Ibs1)は、ビット線BLを充電するための充電電流として用いられる。読み出し電流IBLからバイアス電流Ibs2を減じた結果(すなわち、IBLB−Ibs2)は、反転ビット線BLBを充電するための充電電流として用いられる。
【0090】
メモリセルアレイ401のリーク電流Ibs1およびIbs2を相殺するためにバイアス電流が供給されるので、検出回路720の判定精度が高められる。
【0091】
さらに、図9の検出方法は、選択セルの質を判定するためにも用いられ得る。
【0092】
第1検出期間中、同じ読み出し電圧Vrがアンチヒューズ制御線AF1およびAF2に供給され、同じバイアス電圧(すなわち、Vbias1=Vbias2)が2つの電流シンク724および726に供給される。次に、図9に説明される検出方法は、選択セルの記憶状態を判定するために実行される。例えば、検出回路720は、選択セルが第1記憶状態にあると判定する。
【0093】
第2検出期間中、読み出し電圧Vr1は第1アンチヒューズ制御線AF1に供給され、読み出し電圧Vr2は第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、同じバイアス電圧(すなわち、Vbias1=Vbias2)が2つの電流シンク724および726に供給される。読み出し電圧Vr1は、読み出し電圧Vr2よりも高い。次に、図9に説明される検出方法は、選択セルの記憶状態を判定するために実行される。選択セルが第2記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、これは選択セルの質が良好ではないことを意味する。
【0094】
選択セルが第2検出期間中第1記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、第3検出期間における手順が継続的に行われる。第3検出期間中、読み出し電圧Vr1は第1アンチヒューズ制御線AF1に供給され、読み出し電圧Vr2は第2アンチヒューズ制御線AF2に供給され、同じバイアス電圧(すなわち、Vbias1=Vbias2)が2つの電流シンク724および726に供給される。読み出し電圧Vr1は、読み出し電圧Vr2よりも低い。次に、図9に説明される検出方法は、選択セルの記憶状態を判定するために実行される。選択セルが第2記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、これは選択セルの質が良好ではないことを意味する。
【0095】
選択セルが第3検出期間中第1記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、第4検出期間における手順が継続的に行われる。第4検出期間中、同じ読み出し電圧Vrがアンチヒューズ制御線AF1およびAF2に供給され、異なるバイアス電圧(すなわち、Vbias1>Vbias2)が2つの電流シンク724および726に供給される。次に、図9に説明される検出方法は、選択セルの記憶状態を判定するために実行される。選択セルが第2記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、これは選択セルの質が良好ではないことを意味する。
【0096】
選択セルが第4検出期間中第1記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、第5検出期間における手順が継続的に行われる。第5検出期間中、同じ読み出し電圧Vrがアンチヒューズ制御線AF1およびAF2に供給され、異なるバイアス電圧(すなわち、Vbias1<Vbias2)が2つの電流シンク724および726に供給される。次に、図9に説明される検出方法は、選択セルの記憶状態を判定するために実行される。選択セルが第2記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、これは選択セルの質が良好ではないことを意味する。
【0097】
選択セルが5つの検出期間の全ての後に第1記憶状態にあると検出回路720が判定した場合、これは選択セルの質が良好であることを意味する。
【0098】
上記の説明から、本発明は、アンチヒューズ差動セルを有するランダムコード生成器および関連する検出方法を提供する。メモリセルアレイアンチヒューズ差動セルがプログラムされた後、検出回路は、読み出しサイクル中のアンチヒューズ差動セルの記憶状態を判定し、ランダムコードのビットを決定することが可能である。
【0099】
最も実用的で好ましい実施形態と現在みなされていることに関して本発明が説明されてきたが、本発明は開示された実施形態に限定される必要がないことが理解されるべきである。反対に、全ての様々な修正および同様の構造を包含するように、最も広い解釈と合致すべき添付の特許請求の範囲および趣旨内に含まれるそのような修正および同様の配置を包含することが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9