特許第6604009号(P6604009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604009
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20191031BHJP
   B65H 23/188 20060101ALI20191031BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   G03G15/00 411
   B65H23/188
   G03G21/16 195
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-52662(P2015-52662)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2016-173420(P2016-173420A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】山田 光介
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−249144(JP,A)
【文献】 特開2008−90102(JP,A)
【文献】 特開平11−116115(JP,A)
【文献】 特開2013−60300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G13/00、15/00、21/16−21/18
B41J29/00−29/70
B65H16/00−18/28、23/00−27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、搬送方向に沿って連続する連続媒体に対して、前記像保持体の表面に保持された画像を転写する転写装置と、前記転写装置で転写された前記連続媒体の未定着の部分を加熱ロールおよび加圧ロールの接触部で挟み込んで画像を定着する定着装置と、を有する画像形成部と、
画像が定着された連続媒体を巻き取る巻取り装置と、
前記連続媒体を挟んで配置された一対の牽引ロールであって、前記連続媒体の搬送方向に対して、前記定着装置の下流側且つ前記巻取り装置の上流側に配置され、駆動源により回転駆動され、前記連続媒体を下流側に牽引しながら搬送する前記一対の牽引ロールと、
を備え、
前記牽引ロールは、前記定着装置の連続媒体の搬送速度よりも速い搬送速度で連続媒体を搬送する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部の上流側に配置され、連続紙に張力を付与する張力付与装置、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部と前記巻取り装置との間に配置され、画像が形成された連続媒体に対して後処理を行う後処理装置と、
前記後処理装置に設けられた前記牽引ロールと、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記連続媒体の搬送方向に対して、連続媒体に画像を形成する第1の画像形成部と、前記第1の画像形成部で画像が形成された連続媒体に画像を形成する第2の画像形成部と、を有する前記画像形成部と、
前記第2の画像形成部の下流側に配置された前記牽引ロールと、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部において前記転写装置で画像が転写される位置から、前記第2の画像形成部において前記転写装置で画像が転写される位置までの連続媒体の長さが、前記牽引ロールの周長の整数倍に設定された
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記牽引ロールが前記連続媒体を搬送する搬送速度は、前記定着装置が前記連続媒体を搬送する搬送速度に対して、0.1%〜2.0%速いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続媒体を使用する画像形成装置に関して、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2011−198174号公報には、上流側の印刷装置(12)で表面に画像を印刷後、反転装置(108)で表裏を反転して、下流側の印刷装置(14)で裏面に画像を印刷する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−198174号公報(「0018」、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、連続媒体を使用する画像形成装置において、連続媒体の搬送を安定させることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、搬送方向に沿って連続する連続媒体に対して、前記像保持体の表面に保持された画像を転写する転写装置と、前記転写装置で転写された前記連続媒体の未定着の部分を加熱ロールおよび加圧ロールの接触部で挟み込んで画像を定着する定着装置と、を有する画像形成部と、
画像が定着された連続媒体を巻き取る巻取り装置と、
前記連続媒体を挟んで配置された一対の牽引ロールであって、前記連続媒体の搬送方向に対して、前記定着装置の下流側且つ前記巻取り装置の上流側に配置され、駆動源により回転駆動され、前記連続媒体を下流側に牽引しながら搬送する前記一対の牽引ロールと、
を備え、
前記牽引ロールは、前記定着装置の連続媒体の搬送速度よりも速い搬送速度で連続媒体を搬送する
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部の上流側に配置され、連続紙に張力を付与する張力付与装置、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部と前記巻取り装置との間に配置され、画像が形成された連続媒体に対して後処理を行う後処理装置と、
前記後処理装置に設けられた前記牽引ロールと、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置において、
前記連続媒体の搬送方向に対して、連続媒体に画像を形成する第1の画像形成部と、前記第1の画像形成部で画像が形成された連続媒体に画像を形成する第2の画像形成部と、を有する前記画像形成部と、
前記第2の画像形成部の下流側に配置された前記牽引ロールと、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部において前記転写装置で画像が転写される位置から、前記第2の画像形成部において前記転写装置で画像が転写される位置までの連続媒体の長さが、前記牽引ロールの周長の整数倍に設定された
ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記牽引ロールが前記連続媒体を搬送する搬送速度は、前記定着装置が前記連続媒体を搬送する搬送速度に対して、0.1%〜2.0%速いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、牽引ロールを有しない場合に比べて、連続媒体を使用する画像形成装置において、連続媒体の搬送を安定させることができる。また、請求項1に記載の発明によれば、牽引ロールで連続紙を牽引できる。
請求項2に記載の発明によれば、張力付与装置で連続紙の搬送抵抗が発生しても、牽引ロールで連続媒体の搬送を安定させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、後処理装置に設けられた牽引ロールを利用できる。
求項に記載の発明によれば、複数の画像形成部を通過する連続紙の搬送を安定させることができる。
請求項に記載の発明によれば、前記画像形成部において前記転写装置で画像が転写される位置から、前記第2の画像形成部において前記転写装置で画像が転写される位置までの連続媒体の長さが、前記牽引ロールの周長の整数倍に設定されない場合に比べて、複数の画像形成部の間で、画像のズレを抑えることができる。
請求項6に記載の発明によれば、牽引ロールの搬送速度が定着速度よりも0.1%〜2.0%速くない場合に比べて、異音の発生や牽引不良の発生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図3図3は実施例2の画像形成装置の説明図である。
図4図4は実施例3の画像形成装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、記録部の一例であって、画像形成部の一例としてのプリンタ本体U1を有する。プリンタ本体U1は、プリンタUの制御を行う制御部Cを有する。制御部Cは、情報の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータCOMと電気的に接続されている。制御部Cは、パーソナルコンピュータCOMから送信された画像情報を処理可能である。制御部Cは、プリンタ本体U1の書込回路DLに電気的に接続されている。図1図2において、書込回路DLは、潜像の形成装置の一例であって、露光装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに電気的に接続されている。
【0015】
実施例1のLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkは、Y,M,C,Kの各色に対応して配置されている。なお、実施例1のLEDヘッドLHy〜LHkは、発光素子の一例としてのLEDが画像の幅方向に沿って線状に配列されたLEDアレイにより構成されている。LEDヘッドLHy〜LHkは、入力された信号に応じて、LEDが発光可能に構成されている。すなわち、LEDヘッドLHy〜LHkは、入力された信号に応じた書込光を出力可能に構成されている。
【0016】
図1図2において、各LEDヘッドLHy〜LHkの上方には、像保持体の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各LEDヘッドLHy〜LHkとが対向する領域により、書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kが構成されている。
各感光体PRy,PRm,PRc,PRkの回転方向に対して、LEDヘッドLHy〜LHkの上流側には、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが配置されている。実施例1の帯電ロールCRy〜CRkは、感光体PRy〜PRkに接触して従動回転可能に支持されている。
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、LEDヘッドLHy〜LHkの下流側には、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各現像装置Gy〜Gkとが対向する領域により、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kが構成されている。
【0017】
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、現像装置Gy〜Gkの下流側には、1次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各1次転写ロールT1y〜T1kとが対向する領域により、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kが構成されている。
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写ロールT1y〜T1kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0018】
前記Y色の感光体PRy、帯電ロールCRy、LEDヘッドLHy、現像装置Gy、1次転写ロールT1y、感光体クリーナCLyにより、可視像の一例としてのトナー像を形成する実施例1のY色の可視像の形成装置の一例としてのY色の作像部Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電ロールCRm,CRc,CRk、LEDヘッドLHm,LHc,LHk、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写ロールT1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLkにより、前記M,C,K色の作像部Um,Uc,Ukが構成されている。
【0019】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持体の一例であって、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、無端帯状の部材により構成されている。
実施例1の中間転写ベルトBは、張架部材の一例としてのテンションロールRtと、片寄りを補正する部材の一例としてのウォーキングロールRwと、従動部材の一例としてのアイドラロールRfと、2次転写領域の対向部材の一例であって、駆動部材の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。
【0020】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。実施例1では、バックアップロールT2aには電源回路Eからトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加され、2次転写ロールT2bは接地される。バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより、実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が構成されている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃器の一例として、ベルトクリーナCLbが配置されている。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0021】
図1において、作像部Uy〜Ukの下方には、給紙部の一例としての給紙装置U2が配置されている。給紙装置U2は、連続媒体の一例としての連続紙Sがロール状に巻き取られた給紙部材U2aを有する、給紙部材U2aは、回転可能に支持されている。給紙部材U2aの左方には、張力付与装置の一例としてのテンション付与部U2bが配置されている。テンション付与部U2bは、連続紙Sを支持する支持部材の一例としての2つの従動ロールU2cを有する。従動ロールU2cの間には、張力付与部材の一例としてのテンションロールU2dが配置されている。テンションロールU2dは、連続紙Sに接触し、且つ、上下方向に移動可能に支持されている。テンションロールU2dは、重力で連続紙Sを下方に押して、連続紙Sに張力を付与して、連続紙Sにシワが発生することを防止している。
【0022】
給紙装置U2からの連続紙Sは、プリンタ本体U1の2次転写領域Q4を通過する。
2次転写ロールT2bに対して、連続紙Sの搬送方向の下流側には、定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhの内部には、熱源の一例としてのヒータが収容されている。
定着装置Fの下流側には、案内部材の一例としてのガイドロールRbが回転可能に支持されている。
【0023】
ガイドロールRbの下流側には、牽引部材の一例としての牽引ロール1が配置されている。牽引ロール1は、連続紙Sを挟む一対のロールにより構成されている。牽引ロール1は、駆動源の一例としての図示しないモータにより回転駆動して、連続紙Sを下流側に搬送する。実施例1の牽引ロール1の連続紙Sの搬送速度は、定着装置Fの連続紙Sの搬送速度よりも、高速に設定されている。一例として、牽引ロール1の搬送速度は、定着装置Fに対して0.3%高速に設定されている。なお、搬送速度は、0.1%〜2%程度高速に設定することが望ましい。これは、2%を超えると定着装置Fに負荷がかかって、異音や像ずれが発生する恐れがあるためである。一方、同速以下の場合、定着装置Fの熱膨張に伴う半径の変化で定着装置Fの搬送速度の方が速くなると、連続紙Sが牽引できなくなるためである。
【0024】
牽引ロール1の下流側には、案内部材の一例としてのガイドロールRbが配置されている。
ガイドロールRbの下流側には、回収部材の一例としての巻取りロールU4aが配置されている。巻取りロールU4aは、連続紙Sが巻き取られている。なお、巻取りロールU4aは、図示しない駆動源の一例としてのモータにより駆動される。
【0025】
(画像形成動作の説明)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、パーソナルコンピュータCOMから画像情報を受信すると、印刷動作が開始される。制御部Cは、受信した画像情報に基いて、潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報を生成する。制御部Cは、生成した画像情報をプリンタ本体U1の書込回路DLに出力する。なお、制御部Cは、画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報を書込回路DLに出力する。
書込回路DLは、入力された画像情報に応じた制御信号を、LEDヘッドLHy〜LHkに出力する。LEDヘッドLHy〜LHkは、制御信号に応じた書込光を出力する。
【0026】
各感光体PRy〜PRkは、画像形成が開始されると回転駆動する。帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。したがって、感光体PRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。帯電された感光体PRy〜PRkは、書込領域Q1y〜Q1kにおいて、LEDヘッドLHy〜LHkからの書込光により、表面に静電潜像が形成される。感光体PRy〜PRkの静電潜像は、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0027】
現像されたトナー像は、中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、1次転写ロールT1y〜T1kには、電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体PRy〜PRk上のトナー像は、1次転写ロールT1y〜T1kにより、中間転写ベルトBに転写される。なお、多色のトナー像の場合、上流側の1次転写領域で中間転写ベルトBに転写されたトナー像に重ねて、下流側のトナー像が転写される。
1次転写後の感光体PRy〜PRkの残留物、付着物は、感光体クリーナCLy〜CLkにより清掃される。清掃された感光体PRy〜PRk表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより再帯電される。
1次転写領域Q3y〜Q3kで1次転写ロールT1y〜T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または多色のトナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
【0028】
連続紙Sは、2次転写領域Q4や定着装置F、巻取りロールU4aの搬送力を受けて下流側に搬送される。
バックアップロールT2aには、電源回路Eによりトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。したがって、中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBから連続紙Sに転写される。
【0029】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、表面に付着した付着物等がベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された連続紙Sは、定着領域Q5を通過する際に、トナー像が加熱定着される。
画像が定着された連続紙Sは、巻取りロールU4aに巻き取られる。
【0030】
(牽引ロールの機能)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、定着装置Fの下流側、且つ、巻取りロールU4aの上流側に、牽引ロール1が配置されている。牽引ロール1は、連続紙Sを搬送する。ここで、従来の構成では、牽引ロール1が配置されておらず、定着装置Fと巻取りロールU4aの巻取りとで、連続紙Sが搬送されていた。このとき、巻取りロールU4aは、停止したり、巻き取られてロール径が変化すると連続紙Sの移動速度が変動しており、巻取りロールU4aでの連続紙Sの搬送速度は一定ではない。しかしながら、2次転写領域Q4や定着領域Q5では、連続紙Sの搬送速度が安定しないと、転写不良や定着不良が発生する。
【0031】
しかし、上下方向に連続紙Sが延びる構成では、上下方向に延びる連続紙Sの重量の作用で、連続紙Sの搬送速度が低下しやすい。したがって、2次転写領域Q4における転写時に、画像の大きさ、いわゆる縦倍率が小さくなりやすい。また、連続紙Sの搬送速度が低下すると、2次転写領域Q4において連続紙Sに接触する中間転写ベルトBの速度変動も大きくなりやすい。中間転写ベルトBの速度変動が発生すると、中間転写ベルトBと感光体PRy〜PRkとの間でも速度差が発生しやすく、色ずれ、いわゆるカラーレジ精度も悪くなりやすい。特に、2次転写領域Q4の上流側に、テンション付与部U2bが設けられていると、連続紙Sの搬送抵抗になり、搬送速度が低下しやすい。
【0032】
これらに対して、実施例1では、定着装置Fの下流側において、牽引ロール1で連続紙Sを搬送している。特に、実施例1では、定着装置Fよりも高速で搬送しており、連続紙Sは、牽引されることとなる。よって、牽引ロール1を有しない場合に比べて、連続紙Sの搬送速度が安定しやすい。よって、縦倍率やカラーレジ精度も向上する。
【実施例2】
【0033】
図3は実施例2の画像形成装置の説明図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0034】
図3において、実施例2のプリンタUでは、実施例1と異なり、プリンタ本体U1を2つ有する。すなわち、第1の画像形成部の一例としての上流側のプリンタ部U1aと、第2の画像形成部の一例としての下流側のプリンタ部U1bとを有する。なお、上流側のプリンタ部U1aと、下流側のプリンタ部U1bとでは、使用されるトナーの色が異なる以外は、実施例1と共通の構成である。なお、実施例2では、上流側のプリンタ部U1aでは、銀:S、金:G、透明:T、白:Wのトナーが使用され、下流側のプリンタ部U1bでは、実施例1と同様にY,M,C,Kのトナーが使用される。
【0035】
実施例2では、給紙ロールU2aからの連続紙Sは、上流側のプリンタ部U1aに導入される。上流側のプリンタ部U1aから出た連続紙Sは、複数のガイドロールRbを介して、下流側のプリンタ部U1bに導入される。そして、下流側のプリンタ部U1bから出た連続紙Sは、牽引ロール1で搬送され、巻取りロールU4aに巻き取られている。
なお、実施例2では、上流側のプリンタ部U1aの2次転写領域Q4から、下流側のプリンタ部U1bの2次転写領域Q4までの連続紙Sの長さは、牽引ロール1の周長の整数倍に設定されている。
【0036】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでも、牽引ロール1が設けられている。よって、牽引ロール1が設けられていない場合に比べて、連続紙Sの搬送が安定する。
ここで、牽引ロール1は、工学的には、完全な円柱状に形成することは不可能であり、且つ、回転中心も完全な中心に一致させることは不可能であり、誤差を有する。よって、牽引ロール1の回転時に、周期的な回転速度の変動が発生し、連続紙Sの搬送速度にも影響する。
【0037】
仮に、上流側のプリンタ部U1aの2次転写領域Q4から、下流側のプリンタ部U1bの2次転写領域Q4までの連続紙Sの長さが、牽引ロール1の周長の整数倍ではない場合、上流側のプリンタ部U1aの2次転写領域Q4で画像が転写される際の連続紙Sの搬送速度と、下流側のプリンタ部U1bの2次転写領域Q4で画像が転写される際の連続紙Sの搬送速度とが、ずれやすい。したがって、色ずれが発生する場合がある。これに対して、実施例2では、牽引ロール1の周長の整数倍に設定されており、上流側のプリンタ部U1aの2次転写領域Q4で画像が転写される際の連続紙Sの搬送速度と、下流側のプリンタ部U1bの2次転写領域Q4で画像が転写される際の連続紙Sの搬送速度とが、一致しやすい。よって、牽引ロール1の周期的な回転速度の変動に起因する色ずれは防止される。
【実施例3】
【0038】
図4は実施例3の画像形成装置の説明図である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例3は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0039】
図4において、実施例3のプリンタUは、上下方向に連続紙Sが搬送される実施例1のプリンタ本体U1と異なり、ほぼ水平方向に連続紙Sが搬送されるプリンタ本体U1′を有する。なお、実施例3のプリンタ本体U1′は、連続紙Sの搬送方向が異なるだけで、構成上は、実施例1のプリンタ本体U1と同様である。よって、詳細な説明は省略する。
また、実施例3のプリンタUでは、プリンタ本体U1′と、巻取りロールU4aとの間には、後処理装置の一例としてのラミネート装置U6が設置されている。
【0040】
実施例3のラミネート装置U6では、連続紙Sの表面に保護材の一例としてのラミネート材が巻き取られているラミネート供給ロール11を有する。ラミネート材11aには、連続紙Sに貼り合わせる際の接着剤が塗られ、剥離紙11bが貼り合わされた状態で、ラミネート供給ロール11に巻き取られている。ラミネート供給ロール11の左方には、剥離紙11bを巻き取る巻き取り部材の一例としての第1のカス取りロール12が配置されている。第1のカス取りロール12は、駆動源の一例としての図示しないモータにより駆動される。ラミネート供給ロール11の下方には、案内部材の一例としてのガイドロール13が配置されている。ガイドロール13は、剥離紙11bが剥離されたラミネート材11aを案内する。
【0041】
ガイドロール13の下方には、牽引部材の一例としての貼り合わせロール14が配置されている。実施例3の貼り合わせロール14は、実施例1,2の牽引ロール1と同様に、駆動源の一例としての図示しないモータにより駆動される。貼り合わせロール14は、プリンタ本体U1′からの連続紙Sと、ラミネート材11aとを挟んで貼り合わせながら、下流側に搬送する。
貼り合わせロール14で、ラミネート材11aが貼り合わされた連続紙Sは、巻取りロールU4aで巻き取られる。
【0042】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のプリンタUでは、ラミネート装置U6の貼り合わせロール14が、定着装置Fの下流側の牽引部材を兼ねている。実施例3のプリンタUでは、実施例1と異なり、連続紙Sが左右方向に搬送され、重力の作用では搬送速度が影響を受けにくいが、テンション付与部U2bが搬送速度に影響を及ぼそうとしても、貼り合わせロール14の牽引で、連続紙Sの搬送速度の変動が低減される。
【0043】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタUを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
【0044】
(H02)前記実施例において、プリンタUとして、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、3色以下または5色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、テンション付与部U2bは設けることが望ましいが、別の方法で連続紙Sの弛みやシワの発生が抑制されるのであれば、設けないようにすることも可能である。
【0045】
(H04)前記実施例2において、牽引ロール1を下流側のプリンタ部U1bの下流側にのみ設けたが、これに限定されない。例えば、上流側のプリンタ部U1aの下流側にも追加することも可能である。
(H05)前記実施例1,2において、実施例3のラミネート装置U6を設けることも可能である。また、後処理装置として、ラミネート装置U6を例示したがこれに限定されない。例えば、折り線を形成したり、孔を形成したり、ラベルの部分をカットしたり等、任意の後処理装置を接続することが可能である。
【0046】
(H06)前記実施例において、上流側のプリンタ部U1aの2次転写領域Q4から、下流側のプリンタ部U1bの2次転写領域Q4までの連続紙Sの長さは、牽引ロール1の周長の整数倍に設定することが望ましいが、これに限定されない。許容される画質や、牽引ロール1の製造誤差が小さい等で、必要なければ、牽引ロール1の周長の整数倍に設定しなくても良い。
【符号の説明】
【0047】
1,14…牽引部材、
F…定着装置、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
S…連続媒体、
T1+B+T2…転写装置、
U…画像形成装置、
U1,U1′…画像形成部、
U1a…第1の画像形成部、
U1b…第2の画像形成部、
U2b…張力付与装置、
U4a…巻取り装置、
U6…後処理装置。
図1
図2
図3
図4