【文献】
木村知史,人間中心のモノづくりを強力に支援 芽吹く、設計・製造の最適化ツール,日経デジタル・エンジニアリング,日経BP社,1998年 8月15日,第9号,pp.114−119
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる設計プログラム、情報処理装置、および設計方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、情報処理装置が行う設計方法例を示す説明図である。情報処理装置100は、シミュレーション空間において設計された物体に対する作業に関するアニメーションの設計を支援するコンピュータである。
【0013】
ここで、シミュレーション空間とは、コンピュータ上でシミュレーションされる仮想的な3次元空間である。具体的には、例えば、シミュレーション空間は、3次元のアセンブリの設計を行うためのCADによって情報処理装置100内に仮想的に設定された空間である。シミュレーション空間には、例えば、X軸とY軸とZ軸とを有する3次元の直交座標系が定義される。物体とは、製品や組立部品、製品や組立部品などの試作や建築物などの模型などである。物体については理解の容易化のために製品とも呼ぶ。製品は、例えば、カメラ、PC(Personal Computer)などのデジタル機器や車など特に限定しない。
【0014】
アニメーションとは、複数のシーンの集まりである。シーンとは、1つの部品が動き始めてから止まるまでを抜き出した一連の場面である。シーンは、場面情報によって示す。また、物体に対する作業とは、組立作業や分解作業などが挙げられる。そのため、アニメーションは、組立順序や分解順序などを示す。
【0015】
従来、部品などの設計変更による部品を含む物体に対する作業に関するアニメーションへの影響を目視で確認する。しかしながら、確認するための判断項目などが多く複雑であるため設計者などの作業者の習熟度などに応じて影響の確認結果にばらつきがあり、作業者が影響の有無を判断できない場合がある。
【0016】
また、例えば、アニメーション作成のツールにおいてある部品と他の部品との干渉をチェックするツールがあるが、干渉をチェックする機能では、移動部品の移動経路に対する影響の中でも一部の影響である。一部の影響とは変更後の部品が移動部品の移動経路を塞いでいる場合などである。例えば、変更後の部品が移動部品の移動経路を塞いでいないが、変更後の部品が移動部品を取り付ける際に取り付けにくい位置にあるなどについては干渉チェックにおいては判別できない。
【0017】
そこで、本実施の形態では、情報処理装置100は、部品の設計変更に伴う変更後の部品を含む物体に対する作業への影響を求める。情報処理装置100は、作業への影響を求めるために、部品の移動経路への影響と、変更の部品を含む組立品の把持時の人体への影響と、視認性への影響と、部品の接続関係の変更による作業手順への影響との4つの影響を求める。
【0018】
これにより、部品の設計変更によるシーンへの影響の特定の容易化を図ることができる。したがって、設計者は変更後のアニメーションが示す作業に関する設計の変更箇所の特定を容易化でき、アニメーションの設計の容易化を図ることができる。
【0019】
ここで、シミュレーション空間とは、コンピュータ上でシミュレーションされる仮想的な3次元空間である。具体的には、例えば、シミュレーション空間は、3次元のアセンブリの設計を行うためのCADによって情報処理装置100内に仮想的に設定された空間である。シミュレーション空間には、例えば、X軸とY軸とZ軸とを有する3次元の直交座標系が定義される。物体とは、製品や組立部品、製品や組立部品などの試作や建築物などの模型などである。製品は、例えば、カメラ、PCなどのデジタル機器や車など特に限定しない。
【0020】
アニメーションとは、複数のシーンの集まりである。シーンとは、1つの部品が動き始めてから止まるまでを抜き出した一連の場面である。シーンは、場面情報によって示す。場面情報はシーン情報とも称する。シーン情報はシーンの視野に関する情報、動いている移動部品のIDと動きの内容である。視野に関する情報によって視点を判別することが可能となる。
【0021】
図1(1)に示すように、情報処理装置100は、設計対象の物体に含まれる複数の部品のうち第1部品を変更する場合に、第1場面情報110と第2場面情報111との入力を受け付ける。
図1においては複数の部品は、例えば、部品101−1〜101−4である。
図1において第1部品は、例えば、部品101−4である。第1場面情報110は、物体に対する作業の指示に用いられシミュレーション空間における変更前の第1部品を含む物体に関する一連の場面を示す情報である。第2場面情報111は、物体に対する作業の指示に用いられシミュレーション空間における変更後の第1部品を含む物体に関する一連の場面を示す情報である。一連の場面は、上述したようにアニメーションに含まれるシーンである。場面情報についてはシーン情報とも称する。
【0022】
図1の例では、処理対象のシーンは3つの場面を含む。処理対象のシーンにおいては、部品101−1が移動して最終的に部品101−1が部品101−2に取り付けられる。
【0023】
情報処理装置100は、受け付けた第1場面情報110および第2場面情報111に基づいて、第1部品の変更に伴い、変更後の第1部品を含む物体に対する作業への影響を求める。具体的に、情報処理装置100は、例えば、第1場面情報110が示す一連の場面と第2場面情報111が示す一連の場面とを比較することによって作業への影響を求める。情報処理装置100は、例えば、移動部品に対する影響と、部品を把持する人体への影響と、作業の手順への影響と、部品の視認性への影響と、の少なくともいずれかの影響を求めることによって作業への影響を求めることができる。
【0024】
ここでは、移動部品に対する影響の例を用いて説明する。情報処理装置100は、複数の部品のうちの第1部品以外の第2部品と第1部品とのうちの少なくともいずれか一方の部品が移動する際の変更後の第1部品による一方の部品の移動経路への影響を求める。
図1において第2部品は、例えば、部品101−1である。
【0025】
より具体的に、情報処理装置100は、一連の場面における変更前の第1部品と第2部品との間の距離と、第2物体情報に基づく一連の場面における変更後の第1部品と第2部品との間の距離と、に基づいて、移動経路への影響を求める。
【0026】
図1(2)の例では、情報処理装置100は、設計変更前後の各々について、一連の場面の各々における部品101−1と部品101−4との距離を求める。第1場面情報110が示す場面は場面121−1,122−1,123−1である。第2場面情報111が示す場面は場面121−2,122−2,123−2である。
図1(2)では、例えば、場面122−1における距離と場面122−2における距離とが設計変更前後の各々においていずれも最短の距離である。
【0027】
そして、情報処理装置100は、設計変更前後において求めた最短の距離同士を比較して違いがあれば、移動部品への影響があると判断してもよい。また、情報処理装置100は、設計変更前後において求めた最短の距離の差が閾値以上であれば、移動部品への影響があると判断してもよい。
図1(2)に示すように、設計変更後の部品101−1と部品101−4との距離が設計変更前における距離よりも近くなり、部品101−1を部品101−2に組み付けにくくなる。
【0028】
そのため、
図1(3)に示すように、情報処理装置100は、影響があると判断した箇所について影響があることを示す情報を提示する。具体的に、
図1(3)の例では、情報処理装置100は、アニメーションの再生中に処理対象のシーンを表示する画面130に、移動部品への影響があることを示す情報を表示する。
【0029】
これにより、部品の設計変更によるシーンへの影響の特定の容易化を図ることができる。したがって、設計者は変更後のアニメーションが示す作業に関する設計の変更箇所の特定を容易化でき、アニメーションの設計の容易化を図ることができる。
【0030】
(情報処理装置100のハードウェア構成例)
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す説明図である。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ディスクドライブ204と、ディスク205と、を有する。情報処理装置100は、I/F(Inter/Face)206と、キーボード207と、マウス208と、ディスプレイ209と、を有する。また、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ディスクドライブ204と、I/F206と、キーボード207と、マウス208と、ディスプレイ209とは、バス200によってそれぞれ接続される。
【0031】
ここで、CPU201は、情報処理装置100の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがってディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク205は、ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク205としては、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0032】
I/F206は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク210に接続され、このネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F206は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F206には、例えばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0033】
キーボード207やマウス208は、利用者の操作により、各種データの入力を行うインターフェースである。ディスプレイ209は、CPU201の指示により、データを出力するインターフェースである。
【0034】
また、図示を省略するが、情報処理装置100には、カメラから画像や動画を取り込む入力装置やマイクから音声を取り込む入力装置が設けられていてもよい。また、図示を省略するが、情報処理装置100には、プリンタなどの出力装置が設けられていてもよい。
【0035】
また、本実施の形態では、情報処理装置100のハードウェア構成として、パーソナル・コンピュータを例に挙げているが、これに限らず、サーバなどであってもよい。情報処理装置100がサーバである場合、情報処理装置100と利用者の操作可能な装置やディスプレイ209などがネットワーク210を介して接続されてもよい。
【0036】
(情報処理装置100の機能的構成例)
図3は、情報処理装置の機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、入力受付部301と、分割部302と、抽出部303と、第1判定部304と、第2判定部305と、第3判定部306と、第4判定部307と、判定結果処理部308と、出力部309と、記憶部310と、を有する。入力受付部301から出力部309までの制御部の処理は、例えば、
図2に示すCPU201がアクセス可能なROM202、RAM203、ディスク205などの記憶部310に記憶されたプログラムにコーディングされている。そして、CPU201が記憶部310から該プログラムを読み出して、プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、制御部の処理が実現される。また、制御部の処理結果は、例えば、記憶部310に記憶される。
【0037】
まず、入力受付部301は、設計変更前についての第1製品情報311−1および第1アニメーション情報312−1と、設計変更後についての第2製品情報311−2および第2アニメーション情報312−2と、一致比較データ313と、の入力を受け付ける。入力受付部301への入力は、3DCADなどのアプリケーションが行ってもよいし、利用者がキーボード207やマウス208などの入力装置への操作によって行ってもよい。入力受付部301は、受け付けた第1製品情報311−1および第1アニメーション情報312−1と、第2製品情報311−2および第2アニメーション情報312−2と、一致比較データ313と、を記憶部310に格納する。
【0038】
第1アニメーション情報312−1は、設計変更前の物体に対する作業の指示についてのアニメーションを示す。作業は、例えば、組立や分解などが挙げられる。第1アニメーション情報312−1は、第1シーン情報321−11〜321−1nを含む。例えばnは1以上の整数である。第1シーン情報321−11〜321−1nは、例えば、視点を示す視点情報を含む。
【0039】
第2アニメーション情報312−2は、設計変更後の物体に対する作業の指示についてのアニメーションを示す。第2アニメーション情報は、第2シーン情報321−21〜321−2mである。例えばmは1以上の整数である。第2シーン情報321−21〜321−2mは、例えば、視点を示す視点情報を含む。
【0040】
ここで、第2アニメーション情報312−2が示すアニメーションにおける部品の動きや設計者の手順などは第1アニメーション情報312−1が示すアニメーションにおける部品の動きや設計者の手順と同じである。アニメーション情報312の詳細例については、
図6に示す。第1製品情報311−1は、設計変更前の物体に含まれる複数の部品の各々について部品と部品の位置とを示す物体情報である。第2製品情報311−2は、設計変更後の物体に含まれる複数の部品の各々について部品と部品の位置とを示す物体情報である。製品情報311の詳細例については
図5に示す。
【0041】
図4は、物体の部品構成例を示す説明図である。ここで、製品情報311、アニメーション情報312、一致比較データ313の詳細な説明の前に、製品情報311が示す物体の部品構成について説明する。
図4に示す「001」〜「005」などの部品IDは部品を一意に特定可能な識別情報である。PartやAssyなどは部品の名称である。ここでは、理解の容易化のために、名称にAssyを含む部品は組立部品であり、名称にPartを含む部品は単体の部品である。
【0042】
物体の最終的な組立部品は部品IDが「001」の部品Assy−aである。部品Assy−aは、部品IDが「002」の部品Assy−bと、部品IDが「003」の部品Part−aと、を有する。部品Assy−aの子部品が部品Assy−bと部品Part−aである。換言すると、部品Assy−bおよび部品Part−aの親部品が部品Assy−aである。部品Assy−bの兄弟部品が部品Part−aである。
【0043】
部品Assy−bは、部品IDが「004」の部品Assy−cと、部品IDが「005」の部品Part−bと、を有する。部品Assy−bの子部品が部品Assy−cと部品Part−bである。換言すると、部品Assy−cおよび部品Part−bの親部品が部品Assy−bである。部品Assy−cの兄弟部品が部品Part−bである。
【0044】
部品Assy−cは部品IDが「006」の部品Part−cを含む。部品Assy−cの子部品が部品Part−cである。部品Part−cの親部品が部品Assy−cである。
【0045】
図5は、製品情報例を示す説明図である。製品情報311は、設計対象の物体に含まれる部品を示す部品情報の集合である。製品情報311は、部品ID、名称、親ID、子ID、兄弟ID、ポリゴン頂点座標、ポリゴン法線方向、材料、位置座標、姿勢、表示/非表示などのフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることによって部品情報(501−1〜501−4など)が記憶される。製品情報311は、記憶部310に記憶される。
【0046】
部品IDのフィールドには、部品を一意に特定可能な識別情報が設定される。名称のフィールドには、部品の名称が設定される。
【0047】
親IDのフィールドには、組立品となる部品に含まれる部品である場合に、組立品となる部品の部品IDが設定される。子IDのフィールドには、組立品となる部品である場合に、組立品となる部品に含まれる部品のいずれかの部品IDが設定される。兄弟IDのフィールドには、組立品となる部品に含まれる部品の場合に、自部品以外の組立品となる部品に含まれる部品の部品IDが設定される。
【0048】
ポリゴン頂点座標のフィールドには、部品に含まれるポリゴンの頂点座標値が設定される。ポリゴン法線方向のフィールドには、部品の表面に含まれるポリゴンの法線方向が設定される。
【0049】
材料のフィールドには、部品の材料を示す情報が設定される。例えば、部品Part−aの材料はSUS(ステンレス鋼材)である。材料が特に指定されていない場合には例えば「−」が設定される。位置座標のフィールドには、部品の原点が配置される座標値が設定される。シミュレーション空間には、例えば、X軸とY軸とZ軸とを有する3次元の直交座標系が定義されてあるため、X値とY値とZ値とで1つの座標値を示す。
【0050】
姿勢のフィールドには、各座標軸に対する部品が配置される向きが設定される。部品Assy−aを例に挙げると、X軸方向に90度、Y軸方向に0度、Z軸方向に30度の向きで部品が配置される。表示/非表示のフィールドには、部品の表示または非表示が設定される。また、図示省略するが、部品情報501として部品の色などを設定可能であってもよい。
【0051】
図6は、アニメーション情報例を示す説明図である。アニメーション情報312は、例えば、デジタルモックアップツール上で組立や分解などの作業指示に用いられるアニメーションを示す情報である。アニメーション情報312は、複数のシーン情報321の集合である。
【0052】
アニメーション情報312は、部品ID、動作順、終点座標、回転角度、表示/非表示、新規ID、視野などのフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(601−1など)が記憶される。アニメーション情報312は記憶部310に記憶される。同じ部品IDが続くレコード群が1つのシーン情報321である。
【0053】
アニメーションにおける動作順に基づきレコード601が並べられてあり、同一の部品IDが続くレコード601が1つのシーン情報321である。連続する同じ部品IDが無いレコード601については、つぎのシーン情報321に含める。
【0054】
部品IDのフィールドには、部品を一意に特定可能な識別情報が設定される。動作順のフィールドには、アニメーションの連続する動作の順序が設定される。終点座標のフィールドには、部品IDが示す部品の各軸方向への移動量が設定される。レコード601−3を例に挙げると、部品IDが「003」の部品Part−aはX軸方向に100移動する。回転角度のフィールドには、部品IDが示す部品が回転する場合の回転角度が設定される。表示/非表示のフィールドには、表示するか否かが設定される。
【0055】
新規IDのフィールドには、部品IDが示す部品の動作後の部品IDが設定される。レコード601−3とレコード601−4を例に挙げると、部品IDが「003」の部品Part−aはX軸方向に100移動した後に、部品IDが「001」の部品Assy−aに組み付けられる。
【0056】
視野のフィールドには、シーン開始時におけるシミュレーション空間上の部品IDが示す部品を表示するための視野が設定される。視野によって視点を判別可能である。また、後述する視認性の度合いについては、設定される視野によって求めてもよい。
【0057】
図7は、一致比較データ例を示す説明図である。一致比較データ313は、例えば、設計変更前後において部品を識別可能な部品IDが変更された場合における変更前後の部品IDの組み合わせである。一致比較データ313は、例えば、設計変更前部品IDと、設計変更後部品IDと、のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(701−1〜701−4など)が記憶される。
【0058】
設計変更前部品IDのフィールドには、設計変更前の部品IDが設定される。設計変更後部品IDのフィールドには、設計変更後の部品IDが設定される。
【0059】
例えば、部品IDが「002」の部品Assy−bは変更後に部品IDが「100」の部品に変更される。部品IDが「003」に対応する部品IDが無いため、部品IDが「003」の部品Part−aは設計変更後に無くなる。設計変更後に部品IDが「101」に対応する設計変更前の部品IDがないため、部品IDが「101」の部品は設計変更後に追加される部品である。
【0060】
つぎに、分割部302は、アニメーション情報312が示すアニメーションを分割した複数のシーンの各々を示すシーン情報321を生成する。上述したように、シーン情報321は、アニメーション情報312に含まれる一部のレコード601群である。ただし、
図3の例では、情報処理装置100が分割部302を有しており、分割部302がアニメーションを複数のシーンに分割してシーン情報321を生成するが、これに限らず、入力受付部301が、分割済みのシーン情報321の入力を受け付けてもよい。入力受付部301は、シーン情報321の入力を受け付ける際に、影響を判定する対象部品を示す部品IDの入力も受け付ける。入力受付部301が、シーン情報321を受け付ける際には、シーン情報321が示すシーンに含まれる部品を示す部品情報501の入力も製品情報311に代わって受け付ける。
【0061】
具体的に、分割部302は、例えば、第1アニメーション情報312−1が示す設計変更前のアニメーションにおいて着目部品を決定する。着目部品は、例えば、設計変更前のアニメーションの先頭から最初に部品が動き始める位置をシーン開始位置とし、動き始めた部品である。当該動き始めた部品が複数ある場合、分割部302は、着目部品候補として順番に着目部品を選択してもよい。そして、分割部302は、着目部品についてシーンに分割してシーン情報321を生成する。分割部302は、例えば、分割したシーンの各々について第1製品情報311−1からシーンに存在する部品の部品情報501を抽出する。
【0062】
分割部302は、例えば、第2アニメーション情報312−2が示すアニメーションにおいて着目部品を決定する。着目部品は、例えば、設計変更後のアニメーションの先頭から最初に部品が動き始める位置をシーン開始位置としてシーン開始位置で動き始めた部品である。当該動き始めた部品が複数ある場合、分割部302は、着目部品候補として順番に着目部品を選択してもよい。そして、分割部302は、着目部品についてシーンに分割してシーン情報321を生成する。分割部302は、例えば、分割したシーンの各々について第2製品情報311−2からシーンに存在する部品の部品情報501を抽出する。分割部302は、一致比較データ313と、シーンの開始位置と、を使用して設計変更前後で一致するシーンの組み合わせを決定する。
【0063】
抽出部303は、例えば、分割部302による分割後のシーンについて順番に処理対象として対応するシーンの組み合わせについて処理を行う。処理対象となるシーンの組み合わせを省略して処理対象のシーンとも呼ぶ。また、処理対象のシーンのうち設計変更後のシーンについては、設計変更後の処理対象のシーンとも呼び、処理対象のシーンのうち設計変更前のシーンについては設計変更前の処理対象のシーンとも呼ぶ。
【0064】
抽出部303は、設計変更前後の各々について、処理対象のシーンについてのシーン情報321に基づいて、処理対象のシーンに含まれる部品を抽出する。抽出部303は、設計変更前後の各々について、処理対象のシーンを示すシーン情報321と処理対象のシーンに存在する部品について抽出した部品情報501から、シーン分割時における着目部品の部品情報501を抽出する。抽出部303は、設計変更後の処理対象のシーンと処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と、一致比較データ313とに基づいて、設計変更の対象の部品の部品情報501を抽出する。
【0065】
つぎに、第1判定部304から第4判定部307は、第1シーン情報321−1xおよび第2シーン情報321−2yに基づいて、第1部品の変更に伴い、変更後の第1部品を含む物体に対する作業への影響を求める。ここで、xは1〜nのいずれかであり、yは1〜mのいずれかである。xとyは対応関係の組み合わせによって定まる。第1判定部304は、部品の設計変更による処理対象のシーンにおける移動部品の移動経路への影響を求めることにより作業への影響を求める。第2判定部305は、処理対象のシーンにおける部品を人体モデルが把持した場合の人体モデルへの影響を求めることにより作業への影響を求める。第3判定部306は、部品の接続関係の変更による作業の手順への影響を求めることにより作業への影響を求める。第4判定部307は、部品の設計変更による他の部品の視認性への影響を求めることにより作業への影響を求める。
【0066】
ここで、図示省略するが、情報処理装置100は、第1判定部304から第4判定部307による4つの判定のうち少なくともいずれか一つについて判定を行うような構成であってもよい。また、図示省略するが、情報処理装置100は、設計者などの作業者が4つの判定から選択した判定を行うような構成であってもよい。情報処理装置100は、例えば、4つの判定を選択可能な選択画面をディスプレイ209に表示してもよい。そして、情報処理装置100は、キーボード207やマウス208などの操作による選択の入力を受け付ける。情報処理装置100は、受け付けた選択結果に応じた影響の判定を行ってもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、第1判定部304から第4判定部307が作業への影響の有無を判定する例を示すが、第1判定部304から第4判定部307による判定は作業への影響がある可能性があるか否かという判定である。そのため、第1判定部304から第4判定部307による判定の判定結果に基づいて設計者などの作業者が最終的な影響の有無を判定してもよい。
【0068】
つぎに、第1判定部304は、物体に含まれる複数の部品のうちの第1部品以外の第2部品と第1部品とのうちの少なくともいずれか一方の部品が移動する際の変更後の第1部品による一方の部品の移動経路への影響を求める。第1部品が設計変更の対象の部品であり、第2部品が上述した着目部品である。第1判定部304は、第1製品情報311−1に基づく一連の場面における変更前の第1部品と第2部品との間の距離と、第2製品情報311−2に基づく一連の場面における変更後の第1部品と第2部品との間の距離と、に基づいて、移動経路への影響を求める。
【0069】
図8は、移動経路の影響の導出例1を示す説明図である。
図8において、着目部品である第2部品は、例えば、移動部品a.prtである。また、
図8において、設計変更によって部品c.prtが追加されるため、第1部品は、例えば、部品c.prtである。
【0070】
第1判定部304は、設計変更前について、処理対象のシーンに含まれる着目部品a.prtの包括外形と、処理対象のシーンに含まれる着目部品a.prt以外の部品の包括外形とが干渉するか否かを判断する。第1判定部304は、処理対象のシーンの第1シーン情報321−1xと処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501とに基づいて、干渉するか否かを判断する。第1判定部304は、設計変更後について、処理対象のシーンに含まれる着目部品a.prtの包括外形と、処理対象のシーンに含まれる着目部品a.prt以外の部品の包括外形とが干渉するか否かを判断する。第1判定部304は、第2シーン情報321−2yと処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501とに基づいて、干渉するか否かを判断する。ここでは、
図8において第1部品である部品c.prt以外の部品についても該部品の包括外形と第2部品である移動部品a.prtの包括外形とが干渉するかの判定が行われる。
【0071】
第1判定部304は、一致比較データ313に基づいて、設計変更前後において比較対象となる組み合わせを決定する。そして、第1判定部304は、決定した組み合わせについて判定結果が一致しているか否かを判定する。
図8の例では、設計変更後の部品c.prtに対応する設計変更前の部品はなしである。部品がなしの場合、ここでは干渉しないと判定されたとする。これに対して、設計変更後の部品c.prtの包括外形と着目部品a.prtの包括外形とは干渉する。そのため、第1判定部304は、設計変更前の部品なしと、設計変更後の部品c.prtと、の組み合わせは判定結果が一致しないと判定する。第1判定部304は、干渉の有無の判定結果が一致しないと判定された組み合わせと、組み合わせについての干渉の有無の判定結果と、を関連付けて記憶部310に格納する。
【0072】
また、第1判定部304は、処理対象のシーンの設計前後の各々について、着目部品の部品情報501と、処理対象のシーンに含まれる当該着目部品以外の部品の部品情報501と、に基づいて、着目部品と着目部品以外の部品との距離を算出する。
【0073】
図9は、移動経路の影響の導出例2を示す説明図である。例えば、移動部品a.prtが着目部品である。
図9の例では、部品b.prtが変更対象の部品であり、位置が変更される。移動部品a.prtの移動経路は設計変更前と設計変更後とで同じであるが、部品b.prtの位置変更によって移動部品a.prtと部品b.prtとの最短距離が設計変更前よりも短くなる。このように、最短距離が短くなる場合、移動部品の移動経路に影響を及ぼす可能性が高い。
【0074】
第1判定部304は、設計変更前の処理対象のシーンの第1シーン情報321−1xと、処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501と、に基づいて、着目部品と着目部品以外の部品との距離を算出する。そして、第1判定部304は、設計変更後の処理対象のシーンの第2シーン情報321−2yと、処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501と、に基づいて、着目部品と着目部品以外の部品との距離を算出する。
【0075】
第1判定部304は、例えば、処理対象のシーンに含まれる着目部品以外の部品の各々について、設計変更前について算出した距離のうち最短の距離と、設計変更後について算出した距離のうち最短の距離と、を相対距離情報として格納する。
【0076】
図10は、相対距離情報例を示す説明図である。相対距離情報1000は、例えば、設計変更前について着目部品の部品IDおよび座標値、着目部品以外の部品の部品IDおよび座標値、着目部品と着目部品以外の部品との間の距離のフィールドを有する。また、相対距離情報1000は、例えば、設計変更後について着目部品の部品IDおよび座標値、着目部品以外の部品の部品IDおよび座標値、着目部品と着目部品以外の部品との間の距離のフィールドを有する。相対距離情報1000は、記憶部310に記憶される。
【0077】
相対距離情報1000によれば、設計変更前において、例えば、部品IDが「001」の部品が座標値(0,0,0)の時に、部品IDが「001」の部品と、座標値(100,0,0)に配置された部品IDが「002」の部品と、の距離が、最も短くなり、100である。
【0078】
また、相対距離情報1000によれば、設計変更後において、例えば、部品IDが「001」の部品が座標値(10,0,0)の時に、部品IDが「001」の部品と、座標値(100,0,0)に配置された部品IDが「002」の部品と、の距離が、最も短くなり、90である。
【0079】
設計者は、第1判定部304によって生成された相対距離情報1000に基づいて、移動部品の移動経路に対する影響の有無を判定してもよい。また、第1判定部304は、例えば、相対距離情報1000において、設計変更前後の距離を比較してもよい。具体的に、第1判定部304は、例えば、設計変更前の距離から設計変更後の距離を引いた値が閾値以上であるか否かを判定することによって移動経路の影響の有無の判定を行ってもよい。閾値については、設計者などの経験値によって設定してもよい。第1判定部304は、例えば、閾値以上であると判定した場合に移動経路の影響がある可能性が高いと判定する。一方、第1判定部304は、例えば、閾値以上でないと判定した場合に移動経路の影響がある可能性が低いと判定する。
図10に示す相対距離情報1000によれば、設計変更前の距離から設計変更後の距離を引いた値は10であり、閾値が5である場合、第1判定部304は、閾値以上であると判定する。
【0080】
つぎに、
図3の説明に戻って、第2判定部305は、変更後の第1部品を含む第3部品をシミュレーション空間において人体が持った場合の変更後の第1部品による人体への影響を求める。第2判定部305は、第1シーン情報321−1xと第2シーン情報321−2yとに基づいて、人体への影響を求める。人体への影響とは、例えば、人体の関節への負荷の増大などが挙げられる。シミュレーション空間において人体が部品を持つとは、人体を模擬した人体モデルがシミュレーション空間において部品を持つことである。人体モデルの関節への負荷が増大すると、第3部品を人体モデルが把持しにくくなる。そこで、第2判定部305は、設計変更前の人体モデルの関節への負荷と、設計変更後の人体モデルの関節への負荷と、を導出する。
【0081】
第2判定部305は、変更前の第1部品を含む第3部品を人体モデルが持った場合の人体の各関節の負荷量と、変更後の第1部品を含む第3部品を人体モデルが持った場合の人体の各関節の負荷量と、に基づいて、人体への影響を求める。
図11を用いて詳細な例を説明する。
【0082】
図11は、設計変更前後の部品の位置および人体モデルによる部品の把持例を示す説明図である。
図11において第1部品は、例えば、部品aである。また、
図11において第3部品は、例えば、部品bである。そして、シミュレーション空間において人体モデルmが部品aを含む部品bを把持して矢印の方向に移動させる。
【0083】
設計変更前後において、部品bにおける部品aの位置が変更になったため、部品aの重心位置がずれる。そのため、人体モデルmが部品bを片手で把持する場合に人体モデルmの各関節への負荷が変化する。例えば、負荷が増大すると、上述したように、第3部品を人体モデルmが把持しにくくなる。そのため、ここでは、第2判定部305は、例えば、設計変更前後における各関節への負荷量の変化を特定することによって人体モデルmへの影響を判定する。
【0084】
第2判定部305は、処理対象のシーンについての第1シーン情報321−1xと処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501とに基づいて人体モデルmが部品bを把持した場合の人体モデルmの関節への負荷量を導出する。ここで、負荷量については、負荷量を導出可能なアプリケーションを実行するコンピュータから取得してもよいし、当該アプリケーションを情報処理装置100が実行すればよいため、負荷量の導出方法については特に限定しない。
【0085】
そして、第2判定部305は、設計変更後の処理対象のシーンを示す第1シーン情報321−1xと処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501とに基づいて人体モデルmが部品bを把持した場合の人体モデルmの関節への負荷量を導出する。第2判定部305は、導出した各負荷量を関節負荷情報に格納する。
【0086】
図12は、関節負荷情報例を示す説明図である。関節負荷情報1200は、例えば、設計変更前について部品ID、関節名、負荷量のフィールドと、設計変更後について部品ID、関節名、負荷量のフィールドと、を有する。各フィールドに情報が設定されることによってレコード(1201−1など)が記憶される。関節負荷情報1200は、記憶部310に格納される。
【0087】
部品IDのフィールドには、変更対象の部品を含む部品を示す識別情報が設定される。関節名のフィールドには、人体モデルmに含まれる関節を示す識別情報が設定される。負荷量のフィールドには、導出された負荷量が設定される。
【0088】
レコード1201−1によれば、部品IDが010の場合、関節名が肩であり、設計変更前の負荷量が「3.73」であり、設計変更後の負荷量が「5.00」である。
【0089】
第2判定部305は、例えば、設計変更前後の負荷量に差がある場合に、人体モデルmへの影響があると判定し、差がない場合に、人体モデルmへの影響がないと判定してもよい。または、第2判定部305は、例えば、設計変更前後の負荷量の差が閾値より大きい場合に、負荷量に変化の大きい部品変更であり人体モデルmへの影響があると判定する。
【0090】
そして、第2判定部305は、例えば、差が閾値以下である場合に、負荷量に変化の小さい部品変更であり人体モデルmへの影響がないと判定してもよい。閾値については例えば作業者が経験値に基づき設定してもよい。または、第2判定部305は、設計変更前の負荷量から設計変更後の負荷量を引いた値が閾値以下の場合に、負荷量に変化の大きい部品変更であり人体モデルmへの影響があると判定してもよい。第2判定部305は、設計変更前の負荷量から設計変更後の負荷量を引いた値が閾値以下でない場合に、負荷量に変化の小さい部品変更であり人体モデルmへの影響がないと判定してもよい。
【0091】
これにより、人体モデルmへの影響の特定の容易化を図ることができ、部品を把持しにくい箇所の特定の容易化を図ることができる。ここで、第2判定部305が人体モデルmへの影響の有無を判定しているが、第2判定部305による判定は人体モデルmへの影響がある可能性があるという判定である。そのため、最終的な影響の有無については第2判定部305の判定結果に基づいて設計者などが判定してもよい。
【0092】
つぎに、
図3の説明に戻って、第3判定部306は、第1シーン情報321−1xと第2シーン情報321−2yとに基づいて、第1部品と、複数の部品のうちの第1部品以外の第4部品と、の接続関係の変更による作業手順への影響を求める。作業手順とは、例えば、組立手順、分解手順、組立および分解が組み合わさった保守手順などが挙げられる。
【0093】
図13は、部品の接続関係の変更による組立順への影響例を示す説明図である。
図13において第1部品は、例えば、部品Part−B1であり、第4部品は、例えば、部品Part−B2である。
図13の例では、設計変更前において、部品Assy−Aは、部品Part−A1と部品Part−B1と部品Part−B2とを含む。設計変更後において、部品Assy−Aは、部品Part−A1と部品Assy−Bとを含む。設計変更前後において、部品Part−B1および部品Part−B2の接続関係が変更される。そのため、第3判定部306は、接続関係の変更によって作業手順に影響があると判定する。
【0094】
具体的に、第3判定部306は、例えば、着目部品が物体に組み付けられている組み付け状態における設計変更前後の処理対象のシーンに含まれる部品情報501から部品同士の関係を表す関係情報を抽出する。組み付け状態とは、アニメーションが物体の組立作業に関するアニメーションであれば、処理対象のシーンの最後の状態である。また、組み付け状態とは、アニメーションが物体の分解作業に関するアニメーションであれば、処理対象のシーンの最初の状態である。
【0095】
図14は、関係情報例を示す説明図である。関係情報1400は、処理対象のシーンに含まれる部品同士の関係を表す。関係情報1400は、設計変更前について自ID、親ID、子ID、兄弟IDのフィールドと、設計変更後について自ID、親ID、子ID、兄弟IDのフィールドと、を含む。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(1401−1など)が記憶される。関係情報1400は記憶部310に記憶される。
【0096】
つぎに、第3判定部306は、例えば、一致比較データ313に基づいて、関係情報1400における設計変更前後の情報を比較して違いがあるか否かを判定する。より具体的に、第3判定部306は、例えば、一致比較データ313において対応関係のある部品IDの各々について、親ID、子ID、兄弟IDを比較して違いが存在するか否かを判定する。部品の置き換えについては、第3判定部306は、設計変更前後で同一であると判定する。
【0097】
そして、第3判定部306は、違いが存在すると判定した場合に作業手順への影響があると判定し、違いを示す情報を生成する。生成した違いを示す情報は記憶部310に記憶させる。一方、第3判定部306は、違いが存在しないと判断した場合に作業手順への影響がないと判定する。
図14の例では、設計変更前には部品IDが「004」の部品は部品IDが「002」の部品に含まれるが、設計変更後には部品IDが「004」の部品は部品IDが「003」の部品に含まれるという設計変更前後の違いがある。そのため、第3判定部306は、設計変更前後で違いが存在すると判定する。
【0098】
図15は、アニメーションの変更例を示す説明図である。ここでは、
図13に示した部品Assy−Aの構成例を用いてアニメーションの変更例を説明する。設計変更前の物体の構成に合う組立順のアニメーションでは、部品Part−A1を配置した後に、部品Part−B1を組み付けて、最後に部品Part−B2を組み付ける。
【0099】
設計変更後には、部品Part−B1と部品Part−B2とによって部品Assy−Cを作成する。そのため、例えば設計変更後の物体の構成に合う組立順のアニメーションでは、部品Part−B1を配置した後に部品Part−B2を組み付けて部品Assy−Cを作成し、部品Part−A1に作成した部品Assy−Cを組み付ける。このように利用者が提示された違いを示す情報に基づいてアニメーションを修正することが可能となる。
【0100】
つぎに、
図3の説明に戻って、第4判定部307は、処理対象のシーンの第1シーン情報321−1xと第2シーン情報321−2yとに基づいて、第1部品による、第1部品以外の第5部品の視認性への影響を求める。第1部品は上述したように設計変更の対象の部品であり、第5部品は第1部品以外の部品である。視認性への影響とは、例えば、第5部品が隠れてしまう度合いの変化や第5部品が見えるようになってしまう度合いの変化などである。
【0101】
図16は、視認性の影響例を示す説明図である。
図16において第1部品は、例えば、部品cである。また、
図16において第5部品は、例えば、部品aである。部品aは動く部品である。設計変更前のアニメーションでは、部品aが動くと、部品cに部品aの20[%]程度が隠れる。設計変更後に部品cの高さが高くなる。そのため、設計変更後のアニメーションでは、部品aが動くと、部品cに部品aの40[%]程度が隠れる。
【0102】
図16の例では、隠れてしまう場合を例に挙げているが、設計変更によって見えなかった部品が見えるようになる場合もある。
【0103】
第4判定部307は、例えば、視点から見た場合における変更前の第1部品による第5部品の視認の度合いと、視点から見た場合における変更後の第1部品による第5部品の視認の度合いと、に基づいて、視認性への影響を求める。視認の度合いとは、例えば、視点から見た場合に第1部品によって第5部品の表面が隠れる割合や視点から見た場合に第1部品によって第5部品の表面が隠れていない箇所の割合などが挙げられる。また、視認の度合いは、例えば、第1部品によって第5部品の隠れてしまう表面の面積や表面のポリゴン数などであってもよい。また、視認の度合いについては、第1部品によって隠れてしまう第5部品の表面の面積や第1部品によって隠れてしまう第5部品の表面のポリゴン数などであってもよい。
【0104】
第4判定部307は、変更前の第1部品による第5部品の視認の度合いを第1製品情報311−1と第1シーン情報321−1xに基づいて導出する。第4判定部307は、変更前の第1部品による第5部品の視認の度合いを第1製品情報311−1と第1シーン情報321−1xに基づいて導出する。
【0105】
より具体的に、第4判定部307は、例えば、第1シーン情報321−1xと処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501と、に基づいて、組み付け状態において、着目部品が他の部品によって隠される割合を導出する。組み付け状態とは、上述したように、着目部品が物体に組み付けられている状態であり、処理対象のシーンの最後の状態である。アニメーションが物体の分解作業に関するアニメーションであれば、組み付け状態とは、処理対象のシーンの最初の状態である。
【0106】
第4判定部307は、第2シーン情報321−2yと処理対象のシーンに含まれる部品の部品情報501と、に基づいて、着目部品が組み付けられている状態において、着目部品が他の部品によって隠れる割合を導出する。
【0107】
そして、第4判定部307は、設計変更前後の各々について導出した割合を割合情報として記憶部310に格納する。
【0108】
図17は、割合情報例を示す説明図である。割合情報1700は、例えば、設計変更前について着目部品の部品ID、着目部品と異なる部品の部品ID、割合のフィールドと、設計変更後について着目部品の部品ID、着目部品と異なる部品の部品ID、割合のフィールドと、を含む。各フィールドに情報が設定されることによってレコード(1701−1など)が記憶される。割合情報1700は、例えば、記憶部310に記憶される。
【0109】
着目部品の部品IDのフィールドには、着目部品の部品IDが設定される。着目部品と異なる部品の部品IDのフィールドには、処理対象のシーンに含まれる着目部品と異なる部品の部品IDが設定される。割合のフィールドには、視点から見た場合の着目部品の表面のうち着目部品と異なる部品によって隠される表面の度合いが設定される。
【0110】
レコード1701−1を例に挙げると、設計変更前については、部品IDが「020」の着目部品の視点から見た場合の表面が、部品IDが「025」の部品によって隠される割合は20[%]である。これに対して、設計変更後については、部品IDが「020」の着目部品の視点から見た場合の表面が、部品IDが「025」の部品によって隠される割合は40[%]である。
【0111】
第4判定部307は、例えば、設計変更前後の割合を比較して比較結果を生成してもよい。
【0112】
より具体的に、第4判定部307は、例えば、設計変更前後の割合の変化量が所定値以上であるか否かを判断することによって第5部品の視認性への影響があるか否かを判断してもよい。所定値については、例えば、利用者によって指定される。第4判定部307は、割合の変化量が所定値以上であれば、第5部品の視認性への影響があると判定する。一方、第4判定部307は、割合の変化量が所定値以上でなければ、第5部品の視認性への影響がないと判定する。
【0113】
また、例えば、設計変更後に着目部品が視点から隠れすぎてしまうことを検出したい場合には、第4判定部307は、設計変更後の割合から設計変更前の割合を引いた値が所定値以上であれば、第5部品の視認性への影響があると判定する。所定値については、例えば、利用者によって指定される。第4判定部307は、引いた値が所定値以上でなければ、第5部品の視認性への影響がないと判定する。
【0114】
例えば、設計変更後に着目部品が視点から見えすぎてしまうことを検出したい場合には、第4判定部307は、設計変更前の割合から設計変更後の割合を引いた値が所定値以上であれば、第5部品の視認性への影響があると判定する。所定値については、例えば、利用者によって指定される。第4判定部307は、引いた値が所定値以上でなければ、第5部品の視認性への影響がないと判定する。
【0115】
出力部309は、第1判定部304から第2判定部305のいずれかにおいて影響があると判定された判定結果を出力する。
【0116】
また、出力部309は、第2シーン情報321−2yが示す一連の場面や第2アニメーション情報312−2が示す複数の場面を表示する際に、影響を求める処理による処理結果を関連付けて表示する。判定結果処理部308が例えば出力内容を生成し、出力部309は、生成された出力内容を表示してもよい。
【0117】
具体的に、判定結果処理部308は、例えば、第1判定部304から第2判定部305のいずれかにおいて影響があると判定された判定結果を提示するための情報を生成する。具体的に、判定結果処理部308は、判定結果を表示するための画面を生成する。
【0118】
図18は、画面例を示す説明図である。
図18(1)に示すように、判定結果処理部308は、例えば、設計変更後のアニメーションを表示する画面1800に、影響があると判定されたシーンをリンク先として設定してもよい。
【0119】
また、
図18(2)に示すように、判定結果処理部308は、例えば、設計変更後のアニメーションを表示する画面1800に、影響があると判定されたシーンに含まれるいずれかの場面のサムネイルを設定してもよい。
【0120】
また、
図18(3)に示すように、判定結果処理部308は、例えば、設計変更後のアニメーションにおいて影響があると判定されたシーンを再生する画面1800に、影響がある箇所と影響があると判定された内容とを関連付けた情報を付す。
【0121】
また、判定結果処理部308は、設計変更後のアニメーションの再生において、影響がないと判定されたシーンの再生が早い速度となるように設定する。判定結果処理部308は、影響があると判定されたシーンの再生が遅い速度となるように設定してもよい。
【0122】
(情報処理装置100が行う処理手順例)
図19は、情報処理装置が行う処理手順例を示すフローチャートである。まず、情報処理装置100は、例えば、入力受付部301によって設計変更前後の製品情報311とアニメーションと一致比較データ313との入力を受け付ける(ステップS1901)。
【0123】
情報処理装置100は、分割部302によって設計変更前についてのシーン分割処理を行う(ステップS1902)。ステップS1902についての分割処理の詳細な処理は
図20を用いて説明する。情報処理装置100は、分割部302によって設計変更後についてのシーン分割処理を行う(ステップS1903)。ステップS1903についての分割処理の詳細な処理はステップS1902についての分割処理と同様の処理であり、処理対象となる情報が設計変更後の情報となるだけであるため、詳細な説明を省略する。
【0124】
情報処理装置100は、一致比較データ313とシーンの開始位置を使用して設計変更前後で一致するシーンの組み合わせを決定する(ステップS1904)。情報処理装置100は、シーンの組み合わせのうち、未処理のシーンの組み合わせがあるか否かを判断する(ステップS1905)。未処理の組み合わせがあると判断された場合(ステップS1905:Yes)、情報処理装置100は、未処理のシーンの組み合わせから処理対象を決定する(ステップS1906)。ここで、処理対象のシーンの組み合わせを省略して処理対象のシーンとも称する。
【0125】
情報処理装置100は、第1判定部304から第4判定部307によって判定処理を行い(ステップS1907)、ステップS1905へ戻る。ステップS1905において、未処理のシーンの組み合わせがないと判断された場合(ステップS1905:No)、情報処理装置100は、判定結果処理部308によって判定結果とアニメーションのアニメーション情報312と製品情報311を使用して出力内容を作成する(ステップS1908)。そして、情報処理装置100は、出力部309によって出力内容を出力し(ステップS1909)、一連の処理を終了する。ステップS1909において情報処理装置100は、例えば、出力内容をディスプレイ209などに表示してもよい。
【0126】
図20は、
図19で示した分割処理(ステップS1902)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、情報処理装置100は、設計変更前のアニメーション情報312が示すアニメーションの先頭から最初に部品が動き始める位置をシーン開始位置とし、動き始めた部品を着目部品候補に設定する(ステップS2001)。
【0127】
情報処理装置100は、着目部品候補から部品を1つ着目部品として抽出する(ステップS2002)。情報処理装置100は、着目部品が止まる位置をシーン終了位置に設定する(ステップS2003)。
【0128】
情報処理装置100は、アニメーション情報312からシーン開始位置からシーン終了位置までを1つのシーンとしてシーン情報321を抽出する(ステップS2004)。情報処理装置100は、抽出したシーン情報321が示すシーンに存在するすべての部品の部品情報501を製品情報311から抽出する(ステップS2005)。
【0129】
情報処理装置100は、処理対象となっていない着目部品候補があるか否かを判断する(ステップS2006)。着目部品候補があると判断された場合(ステップS2006:Yes)、情報処理装置100は、シーン開始位置からつぎに別の部品が動き始める位置を抽出する(ステップS2007)。情報処理装置100は、抽出成功したか否かを判断する(ステップS2008)。
【0130】
抽出成功したと判断された場合(ステップS2008:Yes)、情報処理装置100は、抽出した位置をつぎのシーン開始位置とし、つぎのシーン開始位置において動き始める部品を着目部品候補に設定し(ステップS2009)、ステップS2002へ戻る。ステップS2006において、着目部品候補がないと判断された場合(ステップS2006:No)、情報処理装置100は、ステップS2002へ戻る。
【0131】
ステップS2008において、抽出成功していないと判断された場合(ステップS2008:No)、情報処理装置100は、一連の処理を終了する。
【0132】
図21〜
図25は、
図19で示した判定処理(ステップS1907)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、
図21には、第1判定部304から第4判定部307までの各処理の前処理を示す。情報処理装置100は、設計変更前後の各々について処理対象のシーンのシーン情報321と処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と処理対象のシーンの着目部品IDと一致比較データ313とを取得する(ステップS2101)。処理対象のシーンのシーン情報321とは、処理対象のシーンを示すシーン情報321である。
【0133】
情報処理装置100は、処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501から着目部品の部品IDを使用して着目部品の部品情報501を抽出する(ステップS2102)。情報処理装置100は、処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と一致比較データ313から設計変更部品の部品情報501を抽出し(ステップS2103)、ステップS2201、ステップS2301、ステップS2401、ステップS2501へ移行する。
【0134】
つぎに、
図22では、第1判定部304によって設計変更による移動部品の移動経路への影響を求める手順について説明する。情報処理装置100は、設計変更前後の各々について、抽出された着目部品の部品情報501と着目部品以外のすべての部品の部品情報501とに基づき着目部品と着目部品以外の部品との間の距離を算出して相対距離を導出する(ステップS2201)。
【0135】
情報処理装置100は、一致比較データ313に基づいて、導出した相対距離の比較組み合わせを決定して相対距離情報1000に格納する(ステップS2202)。情報処理装置100は、相対距離情報1000において設計変更前後において相対距離が異なる組み合わせが存在するか否かを判断する(ステップS2203)。相対距離が異なる組み合わせが存在すると判断された場合(ステップS2203:Yes)、情報処理装置100は、設計変更後の処理対象のシーンと処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と相対距離が違う組み合わせの相対距離情報1000とを関連付けて記憶部310に格納し(ステップS2204)、ステップS2505へ移行する。
【0136】
ステップS2203において、設計変更前後において相対距離が異なる組み合わせが存在しないと判断された場合(ステップS2203:No)、情報処理装置100は、ステップS2505へ移行する。
【0137】
そして、
図23では、第2判定部305によって設計変更による人体への影響を求める処理手順について説明する。情報処理装置100は、設計変更前後の各々について、処理対象のシーンにおいて抽出された部品情報501のうち人体モデルmが把持する部品の部品情報501に基づいて、人体モデルmの各関節の負荷量を算出する(ステップS2301)。情報処理装置100は、一致比較データ313に基づき、算出した負荷量の比較組み合わせを決定して関節負荷情報1200を生成する(ステップS2302)。
【0138】
情報処理装置100は、比較組み合わせの負荷量を比較して関節負荷情報1200において負荷量が違う組み合わせが存在するか否かを判断する(ステップS2303)。負荷量が違う組み合わせが存在すると判断された場合(ステップS2303:Yes)、情報処理装置100は、設計変更後の処理対象のシーンと処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と負荷量が違う組み合わせの関節負荷情報1200とを関連付けて記憶部310に格納し(ステップS2304)、ステップS2505へ移行する。
【0139】
負荷量が違う組み合わせが存在しないと判断された場合(ステップS2303:No)、情報処理装置100は、ステップS2505へ移行する。
【0140】
図24では、第3判定部306によって部品間の接続関係の変更による作業手順への影響を求める処理手順について説明する。情報処理装置100は、設計変更前後の各々について、着目部品の示す部品が組み付けられている状態において部品同士の関係を表す関係情報1400を抽出した部品情報501から抽出する(ステップS2401)。
【0141】
情報処理装置100は、一致比較データ313に基づいて、抽出した関係情報1400を比較する(ステップS2402)。情報処理装置100は、関係情報1400に違いが存在するか否かを判断する(ステップS2403)。関係情報1400に違いが存在しないと判断された場合(ステップS2403:No)、情報処理装置100は、ステップS2505へ移行する。
【0142】
関係情報1400に違いが存在すると判断された場合(ステップS2403:Yes)、情報処理装置100は、設計変更後の処理対象のシーンのシーン情報321と処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と違いが存在する関係情報1400とを関連付けて記憶部310に格納し(ステップS2404)、ステップS2505へ移行する。
【0143】
図25では、第4判定部307によって設計変更による他の部品の視認性への影響を求める処理手順について説明する。情報処理装置100は、設計変更前後の各々について、着目部品が組み付けられている状態において視点から見た場合の着目部品の表面が他の部品によって隠されている割合を部品情報501に基づき算出する(ステップS2501)。情報処理装置100は、一致比較データ313に基づいて、算出した割合の比較組み合わせを決定して割合情報1700に格納する(ステップS2502)。
【0144】
情報処理装置100は、割合情報1700において隠されている割合が違う組み合わせが存在するか否かを判断する(ステップS2503)。割合が違う組み合わせが存在しないと判断された場合(ステップS2503:No)、情報処理装置100は、ステップS2505へ移行する。
【0145】
割合が違う組み合わせが存在すると判断された場合(ステップS2503:Yes)、情報処理装置100は、設計変更後の処理対象のシーンのシーン情報321と、処理対象のシーンに存在する部品の部品情報501と、割合が違う組み合わせの割合情報1700とを関連付けて格納する(ステップS2504)。そして、情報処理装置100は、4つの判定による判定結果を出力し(ステップS2505)、一連の処理を終了する。
【0146】
以上説明したように、情報処理装置100は、変更前の部品を含む物体のシーン情報と、変更後の部品を含む物体のシーン情報と、に基づいて、部品の設計変更による変更後の部品を含む物体に対する作業への影響を求める。これにより、シーンへの影響を把握することができる。
【0147】
また、情報処理装置100は、移動部品の移動経路への影響を求めることにより物品に対する作業への影響を求める。設計前よりも移動部品と他の部品との位置関係が移動中に近くなった場合や遠くなった場合に、移動部品の分解や組立などの作業がやりにくくなるなどの影響が発生している可能性がある。そのため、移動部品の移動経路への影響を求めることにより、効率のよい作業に関するアニメーションの作成の容易化を図ることができる。
【0148】
また、情報処理装置100は、設計変更前後の各々についての移動部品と他の部品との距離に基づき移動部品への影響を求める。移動部品と他の部品との位置関係を容易に特定することができ、移動部品の移動経路の修正などの検討の容易化を図ることができる。また、例えば、移動部品の移動経路に影響があるため、作業手順を変更するなどの検討が行われてもよい。
【0149】
また、情報処理装置100は、移動部品と変更後の部品との距離と、移動部品と変更前の部品との距離と、に基づいて移動部品への影響を求める。
【0150】
また、情報処理装置100は、複数の部品のうちの第1部品を含む第3部品をシミュレーション空間において人体が持った場合の変更後の第1部品による人体への影響を求める。これにより、設計変更により人体が把持しづらいなどの作業の検討の容易化を図ることができる。例えば、人体が把持しづらいため、作業手順を変更するなどの検討が行われてもよい。
【0151】
また、情報処理装置100は、設計変更の前後における人体の関節への負荷量によって人体への影響を求める。例えば、関節への負荷量が大きくなると、人体が把持しづらくなる。このように、人体への影響を容易に特定することができる。
【0152】
また、情報処理装置100は、ある部品と他の部品との接続関係の変更による作業の手順への影響を求める。これにより、組立順序や分解順序の変更の容易化を図ることができる。
【0153】
また、情報処理装置100は、変更後の部品による、複数の部品のうちの変更対象の部品以外の部品の視認性への影響を求める。例えば作業時に部品が見えにくいため、作業がしづらくなるなどの作業への影響を特定することができる。また、例えば、作業時に部品が見えにくいため、作業手順を変更するなどの検討の容易化を図ることができる。
【0154】
また、情報処理装置100は、視点から見た場合における変更後の部品による他の部品の視認の度合いと、視点から見た場合における変更前の部品による他の部品の視認の度合いと、に基づいて、視認性への影響を求める。
【0155】
また、情報処理装置100は、4つの影響を求める処理のうち少なくともいずれか一つの処理を行う。これにより、アニメーションの内容に応じた影響の確認を行うことができる。
【0156】
また、情報処理装置100は、4つの影響を求める処理のうち設計者によって選択された処理を行ってもよい。これにより、4つの影響のうちの設計者の所望の確認を行うことができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0157】
なお、本実施の形態で説明した設計方法は、予め用意された設計プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本設計プログラムは、磁気ディスク、光ディスク、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、設計プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0158】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0159】
(付記1)コンピュータが、
設計対象の物体に含まれる複数の部品のうち第1部品を変更する場合に、前記物体に対する作業の指示に用いられシミュレーション空間における変更前の前記第1部品を含む前記物体に関する一連の場面を示す第1場面情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に関する前記一連の場面を示す第2場面情報と、の入力を受け付け、
受け付けた前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、前記第1部品の変更に伴い、変更後の前記第1部品を含む前記物体に対する前記作業への影響を求める、
処理を実行することを特徴とする設計プログラム。
【0160】
(付記2)前記作業への影響を求める処理では、
前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第2部品と前記第1部品とのうちの少なくともいずれか一方の部品が移動する際の変更後の前記第1部品による前記一方の部品の移動経路への影響を求める処理と、前記複数の部品のうちの前記第1部品を含む第3部品を前記シミュレーション空間において人体が持った場合の変更後の前記第1部品による前記人体への影響を求める処理と、前記第1部品と、前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第4部品と、の接続関係の変更による変更後の前記物体に対する作業の手順への影響を求める処理と、変更後の前記第1部品による、前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第5部品の視認性への影響を求める処理と、のうちの少なくともいずれか一つの影響を求める処理を行うことを特徴とする付記1に記載の設計プログラム。
【0161】
(付記3)前記作業への影響を求める処理では、
前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第2部品と前記第1部品とのうちの少なくともいずれか一方の部品が移動する際の変更後の前記第1部品による前記一方の部品の移動経路への影響を求める処理と、前記複数の部品のうちの前記第1部品を含む第3部品を前記シミュレーション空間において人体が持った場合の変更後の前記第1部品による前記人体への影響を求める処理と、前記第1部品と、前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第4部品と、の接続関係の変更による変更後の前記物体に対する作業の手順への影響を求める処理と、変更後の前記第1部品による、前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第5部品の視認性への影響を求める処理と、のうちの選択された処理を行うことを特徴とする付記1に記載の設計プログラム。
【0162】
(付記4)前記作業への影響を求める処理では、
前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第2部品と前記第1部品とのうちの少なくともいずれか一方の部品が移動する際の変更後の前記第1部品による前記一方の部品の移動経路への影響を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の設計プログラム。
【0163】
(付記5)前記コンピュータが、
変更前の前記第1部品を含む前記物体に含まれる前記複数の部品の各々について前記部品と前記部品の位置とを示す第1物体情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に含まれる前記複数の部品の各々について前記部品と前記部品の位置とを示す第2物体情報と、の入力を受け付ける処理を実行し、
前記移動経路への影響を求める処理では、
前記第1物体情報に基づく前記一連の場面における変更前の前記第1部品と前記第2部品との間の距離と、前記第2物体情報に基づく前記一連の場面における変更後の前記第1部品と前記第2部品との間の距離と、に基づいて、前記移動経路への影響を求める、
ことを特徴とする付記4に記載の設計プログラム。
【0164】
(付記6)前記作業への影響を求める処理では、
受け付けた前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、前記複数の部品のうちの前記第1部品を含む第3部品を前記シミュレーション空間において人体が持った場合の変更後の前記第1部品による前記人体への影響を求める、
ことを特徴とする付記1、4、5のいずれか一つに記載の設計プログラム。
【0165】
(付記7)前記コンピュータが、
変更前の前記第1部品を含む前記物体に含まれる前記複数の部品の各々について前記部品と前記部品の位置とを示す第1物体情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に含まれる前記複数の部品の各々について前記部品と前記部品の位置とを示す第2物体情報と、の入力を受け付ける処理を実行し、
前記人体への影響を求める処理では、
前記第1物体情報に基づく前記一連の場面における変更前の前記第1部品を含む前記第3部品を前記人体が持った場合の前記人体の各関節の負荷量と、前記第2物体情報に基づく前記一連の場面における変更後の前記第1部品を含む前記第3部品を前記人体が持った場合の前記人体の各関節の負荷量と、に基づいて、前記人体への影響を求める、
ことを特徴とする付記2、3、6に記載の設計プログラム。
【0166】
(付記8)前記作業への影響を求める処理では、
受け付けた前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、前記第1部品と、前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第4部品と、の接続関係の変更による変更後の前記物体に対する作業の手順への影響を求める、
ことを特徴とする付記1、4〜7のいずれか一つに記載の設計プログラム。
【0167】
(付記9)前記作業の手順への影響を求める処理では、
前記接続関係の変更前についての前記第1部品と前記第4部品との接続関係と、前記接続関係の変更後についての前記第1部品と前記第4部品との接続関係と、に基づいて、変更後の前記物体に対する作業の手順への影響を求める、
ことを特徴とする付記2、3、8のいずれか一つに記載の設計プログラム。
【0168】
(付記10)前記作業への影響を求める処理では、
受け付けた前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、変更後の前記第1部品による、前記複数の部品のうちの前記第1部品以外の第5部品の視認性への影響を求める、
ことを特徴とする付記1、4〜9のいずれか一つに記載の設計プログラム。
【0169】
(付記11)前記第1場面情報および前記第2場面情報には、前記シミュレーション空間において前記一連の場面を見る視点を示す視点情報が含まれ、
前記入力を受け付ける処理では、
さらに、変更前の前記第1部品を含む前記物体に含まれる前記複数の部品の各々について前記部品と前記部品の位置とを示す第1物体情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に含まれる前記複数の部品の各々について前記部品と前記部品の位置とを示す第2物体情報と、の入力を受け付け、
前記視認性への影響を求める処理では、
受け付けた前記第1物体情報に基づく前記視点情報が示す前記視点から見た場合における前記第1部品による前記第5部品の視認の度合いと、受け付けた前記第2物体情報に基づく前記視点情報が示す前記視点から見た場合における変更後の前記第1部品による前記第5部品の視認の度合いと、に基づいて、前記視認性への影響を求める、
ことを特徴とする付記10に記載の設計プログラム。
【0170】
(付記12)前記コンピュータが、
前記第2場面情報が示す前記一連の場面を表示する際に、影響を求める処理による処理結果を関連付けて表示する、
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の設計プログラム。
【0171】
(付記13)前記コンピュータが、
前記第1場面情報および前記第2場面情報の入力を受け付けず、変更前の前記第1部品を含む物体に関連する前記作業の指示に用いられる複数の場面を示す第1アニメーション情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に関連する前記作業の指示に用いられる前記複数の場面を示す第2アニメーション情報と、の入力を受け付け、
前記第1アニメーション情報から、前記複数の部品のうち移動する部品が移動を開始する場面から前記移動する部品が移動を終了するまでの場面によって前記複数の場面が区切られた前記一連の場面を示す前記第1場面情報を生成し、前記第2アニメーション情報から、前記複数の部品のうち移動する部品が移動を開始する場面から前記移動する部品が移動を終了するまでの場面によって前記複数の場面が区切られた前記一連の場面を示す前記第2場面情報を生成する、
処理を実行し、
前記影響を求める処理では、
生成した前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、前記第1部品の変更に伴い、変更後の前記第1部品を含む前記物体に対する前記作業への影響を求める、
ことを特徴とする付記1〜12のいずれか一つに記載の設計プログラム。
【0172】
(付記14)設計対象の物体に含まれる複数の部品のうち第1部品を変更する場合に、前記物体に対する作業の指示に用いられシミュレーション空間における変更前の前記第1部品を含む前記物体に関する一連の場面を示す第1場面情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に関する前記一連の場面を示す第2場面情報と、の入力を受け付け、
受け付けた前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、前記第1部品の変更に伴い、変更後の前記第1部品を含む前記物体に対する前記作業への影響を求める、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【0173】
(付記15)コンピュータに、
設計対象の物体に含まれる複数の部品のうち第1部品を変更する場合に、前記物体に対する作業の指示に用いられシミュレーション空間における変更前の前記第1部品を含む前記物体に関する一連の場面を示す第1場面情報と、変更後の前記第1部品を含む前記物体に関する前記一連の場面を示す第2場面情報と、の入力を受け付け、
受け付けた前記第1場面情報および前記第2場面情報に基づいて、前記第1部品の変更に伴い、変更後の前記第1部品を含む前記物体に対する前記作業への影響を求める、
処理を実行させることを特徴とする設計方法。