特許第6604085号(P6604085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6604085液滴乾燥装置、液滴乾燥プログラム及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604085
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】液滴乾燥装置、液滴乾燥プログラム及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20191031BHJP
【FI】
   B41J2/01 127
   B41J2/01 451
   B41J2/01 401
   B41J2/01 301
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-160593(P2015-160593)
(22)【出願日】2015年8月17日
(65)【公開番号】特開2017-39223(P2017-39223A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前後 武志
(72)【発明者】
【氏名】坂本 朗
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 準
【審査官】 村石 桂一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−112792(JP,A)
【文献】 特開2012−171236(JP,A)
【文献】 特開2013−082132(JP,A)
【文献】 特開2004−188845(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0023017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出して画像を形成する形成部によって記録媒体に吐出された液滴に対し光を照射して乾燥させる複数の光源を備え、かつ前記複数の光源の各々の光量が可変とされた乾燥部と、
前記形成部によって前記記録媒体に形成された画像を読み取るとともに前記記録媒体に対して前記乾燥部と同じ側に配置された読取部で、前記複数の光源の各々から照射される光の光量を読み取って得られた光量情報を用い、前記乾燥部の光量分布が予め定められた目標の範囲内となるように前記複数の光源の各々の光量を補正する補正手段と、
を含む液滴乾燥装置。
【請求項2】
前記読取部が電荷結合素子で構成される
請求項1に記載の液滴乾燥装置。
【請求項3】
前記複数の光源の各々は、複数の面発光型半導体レーザ素子を備える
請求項1又は請求項2に記載の液滴乾燥装置。
【請求項4】
前記複数の光源の各々から照射される光を前記読取部に導く導光部をさらに含む
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置。
【請求項5】
前記複数の光源は前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に配列され、
前記複数の光源の各々は、前記記録媒体の搬送方向に配列された複数の面発光型半導体レーザ素子を備え、
前記複数の光源の各々から照射される光を前記搬送方向に走査して前記読取部に導く導光部をさらに含み、
前記補正手段は、前記複数の光源から照射される光の積算光量が前記読取部で読み取られるように前記導光部を走査させ、前記複数の光源の前記積算光量と前記予め定められた目標との差分を前記乾燥部に負帰還させて前記複数の光源の各々の光量を補正する
請求項1又は請求項2に記載の液滴乾燥装置。
【請求項6】
前記導光部は、前記記録媒体の種類に応じた減衰フィルタを備える
請求項4又は請求項5に記載の液滴乾燥装置。
【請求項7】
前記形成部と、
前記形成部に対し前記記録媒体の搬送方向下流側に配置された請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置と、
前記液滴乾燥装置に対し前記搬送方向下流側に配置された前記読取部と、
を含む画像形成装置。
【請求項8】
前記複数の光源の各々から照射される光を前記読取部に導く導光部をさらに含み、
前記記録媒体はロール紙であり、
前記導光部は、前記乾燥部に対し前記ロール紙の搬送経路を挟んで反対側に設けられた 請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補正手段は、前記ロール紙が供給され、前記乾燥部と前記導光部との間に前記ロール紙が存在する状態で前記複数の光源の各々の光量を補正する
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記導光部は、前記ロール紙の種類に応じた可変減衰フィルタを備える
請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補正手段は、前記ロール紙が裁断され、前記乾燥部と前記導光部との間に前記ロール紙が存在しない状態で前記複数の光源の各々の光量を補正する
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記形成部の保守時において前記形成部、前記液滴乾燥装置、及び前記読取部を前記記録媒体の搬送経路から退避位置に退避させる退避機構をさらに含み、
前記補正手段は、前記退避機構によって前記形成部、前記液滴乾燥装置、及び前記読取部が前記退避位置に退避された状態で前記複数の光源の各々の光量を補正する
請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置の補正手段として機能させるための液滴乾燥プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴乾燥装置、液滴乾燥プログラム及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像に応じて液滴を吐出する吐出手段によって記録媒体に吐出された液滴に対して、赤外線レーザを照射する照射手段と、画像の画質に影響を与える属性に基づいて、照射手段によって液滴に照射される赤外線レーザの照射タイミング、照射位置、及び照射量の少なくとも1つを制御する制御手段と、を備えた液滴乾燥装置が開示されている。特許文献1に開示された液滴乾燥装置では、ILS(In Line Sensor)を用いて記録媒体に形成後乾燥された画像の濃度ムラを取得し、この濃度ムラを用いて液滴乾燥装置を構成するVCSEL素子の光量ムラを補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−112792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録媒体の種類により濃度ムラの程度が異なる場合がある。本発明の課題は、記録媒体に形成された画像を画像読取手段で読み取った画像データを用いて光量の補正を行う場合と比較して、記録媒体の種類による誤差を小さくして光量補正が可能な液滴乾燥装置、液滴乾燥プログラム及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液滴乾燥装置は、液滴を吐出して画像を形成する形成部によって記録媒体に吐出された液滴に対し光を照射して乾燥させる複数の光源を備え、かつ前記複数の光源の各々の光量が可変とされた乾燥部と、前記形成部によって前記記録媒体に形成された画像を読み取るとともに前記記録媒体に対して前記乾燥部と同じ側に配置された読取部で、前記複数の光源の各々から照射される光の光量を読み取って得られた光量情報を用い、前記乾燥部の光量分布が予め定められた目標の範囲内となるように前記複数の光源の各々の光量を補正する補正手段と、を含むものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記読取部が電荷結合素子で構成されるものである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記複数の光源の各々は、複数の面発光型半導体レーザ素子を備えるものである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記複数の光源の各々から照射される光を前記読取部に導く導光部をさらに含むものである。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記複数の光源は前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に配列され、前記複数の光源の各々は、前記記録媒体の搬送方向に配列された複数の面発光型半導体レーザ素子を備え、前記複数の光源の各々から照射される光を前記搬送方向に走査して前記読取部に導く導光部をさらに含み、前記補正手段は、前記複数の光源から照射される光の積算光量が前記読取部で読み取られるように前記導光部を走査させ、前記複数の光源の前記積算光量と前記予め定められた目標との差分を前記乾燥部に負帰還させて前記複数の光源の各々の光量を補正するものである。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記導光部は、前記記録媒体の種類に応じた減衰フィルタを備えるものである。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の画像形成装置は、前記形成部と、前記形成部に対し前記記録媒体の搬送方向下流側に配置された請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置と、前記液滴乾燥装置に対し前記搬送方向下流側に配置された前記読取部と、を含むものである。
【0012】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記複数の光源の各々から照射される光を前記読取部に導く導光部をさらに含み、前記記録媒体はロール紙であり、前記導光部は、前記乾燥部に対し前記ロール紙の搬送経路を挟んで反対側に設けられたものである。


【0013】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記補正手段は、前記ロール紙が供給され、前記乾燥部と前記導光部との間に前記ロール紙が存在する状態で前記複数の光源の各々の光量を補正するものである。
【0014】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記導光部は、前記ロール紙の種類に応じた可変減衰フィルタを備えるものである。
【0015】
また、請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記補正手段は、前記ロール紙が裁断され、前記乾燥部と前記導光部との間に前記ロール紙が存在しない状態で前記複数の光源の各々の光量を補正するものである。
【0016】
また、請求項12に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記形成部の保守時において前記形成部、前記液滴乾燥装置、及び前記読取部を前記記録媒体の搬送経路から退避位置に退避させる退避機構をさらに含み、前記補正手段は、前記退避機構によって前記形成部、前記液滴乾燥装置、及び前記読取部が前記退避位置に退避された状態で前記複数の光源の各々の光量を補正するものである。
【0017】
上記目的を達成するために、請求項13に記載の液滴乾燥プログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液滴乾燥装置の補正手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、請求項7及び請求項13に記載の発明によれば、記録媒体に形成された画像を画像読取手段で読み取った画像データを用いて光量の補正を行う場合と比較して、記録媒体の種類による誤差を小さくして光量補正がなされる、という効果が得られる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、他の種類の受光素子で構成する場合と比較して、受光面積が広くされる、という効果が得られる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、端面発光型半導体レーザ素子を備える場合と比較して、素子の実装が容易になる、という効果が得られる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、光源から照射される光を導光部によらず直接読取部に導く場合と比較して、読取部の位置を変更せずに光源から照射される光が読取部に導かれる、という効果が得られる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、複数の光源の各々から照射される光を一括して読取部に導く場合と比較して、既存の読取部が活用され、また、複数の面発光型半導体レーザ素子ごとの光量情報を用いて各面発光型半導体レーザ素子の光量を補正する場合と比較して、光量補正が効率的になされる、という効果が得られる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、固定の減衰フィルタを備える場合と比較して、記録媒体の種類に応じて読取部への光量入力が調整される、という効果が得られる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、導光部を乾燥部に対しロール紙の搬送経路と同じ側に設ける場合と比較して、導光部の構成が単純になる、という効果が得られる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、ロール紙を裁断して光源の光量を補正する場合と比較して、光量補正がより簡易になされる、という効果が得られる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、固定減衰フィルタを備える場合と比較して、ロール紙の種類に応じて減衰率が設定される、という効果が得られる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、ロール紙を給紙した状態で光源の光量を補正する場合と比較して、光量補正がより正確になされる、という効果が得られる。
【0028】
請求項12に記載の発明によれば、退避位置に退避させず通常の位置で光源の光量を補正する場合と比較して、記録媒体の状態とは無関係に光量補正がなされる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図2】実施の形態に係る乾燥ユニットの構成を示す平面図、及び乾燥ブロックの制御回路を示す図である。
図3】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図5】第1の実施の形態に係る光量補正方法を説明する図の一部である。
図6】第1の実施の形態に係る光量補正方法を説明する図の一部である。
図7】第1の実施の形態に係る光量補正処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図9】第3の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図10】第4の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をインクジェット方式の画像形成装置に適用した形態を例示して説明する。
【0031】
[第1の実施の形態]
まず、図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。
【0032】
図1に示すように、画像形成装置10は、ヘッドユニット26、乾燥ユニット14、ILS16、補正光学系18、制御部20、給紙ロール22、及び巻取ロール24を備えている。画像形成装置10は、記録媒体としての連帳紙Pの表面、必要に応じ加えて裏面に画像を形成する機能を備えている。乾燥ユニット14、及び補正光学系18を含む構成が本実施の形態に係る液滴乾燥装置を構成している。なお、以下では、画像を形成することを「印刷する」という場合がある。
【0033】
ヘッドユニット26は、連帳紙Pにインク滴(液滴の一例)を吐出してK(ブラック)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Kと、C(シアン)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Cと、M(マゼンタ)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Mと、Y(イエロー)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Yとを備えている。そして、インクジェットヘッド12Kと、インクジェットヘッド12Cと、インクジェットヘッド12Mと、インクジェットヘッド12Yとは、この順番で連帳紙Pの搬送方向(図1中、符号Pの下の矢印で示された+Y方向。以下、「用紙搬送方向」)に沿って上流側から下流側に連帳紙Pと対向するように配列されている。
【0034】
なお、本実施の形態において、インクジェットヘッド12Kと、インクジェットヘッド12Cと、インクジェットヘッド12Mと、インクジェットヘッド12Yと、の並ぶ順番は一例であって、図1の順番に限定されることはない。また、以後の説明では、K、C、M、Yを区別しない場合には、符号に付しているK、C、M、Yを省略する。
【0035】
乾燥ユニット14は、ヘッドユニット26に対して用紙搬送方向の下流側に配置され、連帳紙Pに形成された画像を乾燥させる。本実施の形態では、乾燥ユニット14としてレーザを用いた乾燥装置を採用しており、乾燥ユニット14は、連帳紙Pに形成された画像を乾燥のための熱源として、複数のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)素子を備えている。なお、熱源としてのレーザはVCSEL素子に限定されず、他の種類のレーザ素子、例えば端面発光型の半導体レーザ素子等を用いてもよい。
【0036】
ILS16は、主として、連帳紙Pへの印刷処理において印刷物の印刷状態をモニタする場合の画像読取装置としての機能を備えている。ILS16は、図示しない発光部及び受光部を含んで構成されており、発光部から出射した光が連帳紙Pで反射され、該反射光を受光部で検出することにより、連帳紙Pの印刷領域の反射光学濃度(いわゆるOD(Optical Density)値)が測定される。ILS16の発光部には、例えばLED(Light Eimitting Diode)等が用いられ、受光部には、例えばCCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
【0037】
本実施の形態に係る画像形成装置10では、ILS16を、さらに乾燥ユニット14の光量ムラを補正する場合の光量計測装置として使用しているが、詳細については後述する。なお、ILS16としては、反射型インラインセンサに限らず透過型インラインセンサを用いてもよい。
【0038】
補正光学系18は、ミラー18a、ミラー18bを含んで構成されている。補正光学系18は、乾燥ユニット14で発光されたレーザ光の光束Lを光量計測装置としてのILS16に導くための光学系であり、図1では、補正光学系18の基本構成を示している。光束Lは、ミラー18a及びミラー18bで90°ずつ折り返され、ILS16の受光面に到達する。後述するように、乾燥ユニット14からの光束LはY軸方向に幅をもっているので、ミラー18aはY軸方向に移動しつつ幅のある光束Lを走査してILS16に導くように構成されている。なお、以下の実施の形態では、乾燥ユニット14で発光されたレーザ光の光束をILS16に導く光学系としてミラー18a及び18bを用いる形態を例示して説明するが、これに限られず、他の光学素子、例えば三角プリズム等を用いてもよい。
【0039】
給紙ロール22は、ヘッドユニット26に連帳紙Pを供給する部位であり、当該ロールに連帳紙Pが巻き付けられている。給紙ロール22は、図示しないフレーム部材に回転可能に支持されている。
【0040】
巻取ロール24は、当該ロールに画像が形成された連帳紙Pを巻き取る部位である。巻取ロール24が図示しないモータから回転力を受けて回転することで、連帳紙Pが用紙搬送方向に沿って搬送されるようになっている。
【0041】
制御部20は、画像形成装置10の各部を統括、制御する。制御部20の詳細については後述する。
【0042】
以上のように構成された画像形成装置10は、以下のように動作する。すなわち、巻取ロール24を回転させることで、用紙搬送方向の張力が連帳紙Pに付与され、給紙ロール22から供給される連帳紙Pが用紙搬送方向に沿って搬送される。用紙搬送方向に沿って搬送される連帳紙Pは、まずヘッドユニット26によって表面にインク滴が打ち込まれ、表面に印刷される。印刷された連帳紙Pは、乾燥ユニット14に搬送されて乾燥される。
必要な場合には、乾燥後の連帳紙Pに印刷された画像をILS16で読み取って画像データを生成し、生成された画像データを用いて印刷状態をモニタする。
【0043】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る乾燥ユニット14について説明する。図2(a)に示すように、乾燥ユニット14は、用紙搬送方向(+Y方向)と直交(交差)する方向(X軸方向)に配列された複数(図3(a)では8個の場合を例示している)の乾燥ブロックB−1ないしB−8(以下、総称する場合は「乾燥ブロックB」)を備えている。また、各乾燥ブロックBには、用紙搬送方向(Y軸方向)に配列された複数(図3(a)では、16個の場合を例示している)のVCSEL素子UVが備えられ、印刷された連帳紙Pを乾燥させる場合には、このVCSEL素子UVの各々を発光させる。
【0044】
なお、本実施の形態では、乾燥ユニット14に含まれる乾燥ブロックBの個数を8個とし、各乾燥ブロックに含まれるVCSEL素子UVの個数を16個とする形態を例示して説明するが、乾燥ブロックB及びVCSEL素子UVの個数はこれらに限定されず、要求される乾燥能力等に応じて適切な個数を選択してよい。また、VCSEL素子UVも、単一のVCSEL素子に限らず、複数のVCSEL素子がアレイ状に配列されたVCSELアレイとしてもよい。
【0045】
次に、図2(b)を参照して、乾燥ユニット14における光量の制御方法について説明する。VCSEL素子の光量は一般に当該VCSEL素子に流す駆動電流によって制御されるが、本実施の形態に係る乾燥ユニット14でも、各VCSEL素子UVに流す駆動電流によって光量を制御している。
【0046】
本実施の形態に係る乾燥ユニット14では、一例として、乾燥ブロックBの単位で駆動電流を制御しており、そのため、乾燥ブロックBごとに駆動電流を制御する駆動回路(ドライバ)が接続されている。すなわち、乾燥ブロックB−1には、乾燥ブロックB−1に流す駆動電流I1を制御するドライバD1が接続されている。乾燥ブロックB−2ないしB−8にも、同様に駆動電流I2ないしI8を制御するためのドライバD2ないしD8が接続されている。なお、本実施の形態では、乾燥ブロックBの単位で駆動電流を制御する形態を例示して説明するが、これに限られず、例えばVCSEL素子UV単位で駆動電流を制御するようにしてもよい。
【0047】
つぎに、図3を参照して、制御部20を含む画像形成装置10の電気系の要部構成について説明する。
【0048】
図3に示すように、本実施の形態に係る制御部20は、CPU(Central Processing Unit)100、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、及びNVM(Non Volatile Memory)106を備えている。CPU100、ROM102、RAM104、及びNVM106の各々はバスBUSを介して互いに接続されている。
【0049】
CPU100は、画像形成装置10の全体を統括、制御する。ROM102は、画像形成装置10の動作を制御する制御プログラムや、後述する光量補正処理プログラム等の各種プログラム、あるいは各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段である。RAM104は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる記憶手段である。NVM106は、画像形成装置10の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。
【0050】
バスBUSには、さらに、先述したヘッドユニット26、乾燥ユニット14、ILS16、及び補正光学系18が接続されている。ヘッドユニット26、乾燥ユニット14、ILS16、補正光学系18の各々は、バスBUSを介して、CPU100等の制御部20の各構成と接続され、CPU100によって制御される。
【0051】
ヘッドユニット26は、画像データに基づいて、連帳紙Pに印刷するようにCPU100によって制御される。乾燥ユニット14は、印刷された連帳紙Pの印刷面を乾燥させるように、CPU100によって制御される。ILS16は、乾燥ユニット14の光量補正を行う場合に、乾燥ユニット14の各VCSEL素子UVの光量を測定するようにCPU100によって制御される。補正光学系18は、乾燥ユニット14の光量補正を行う場合に、VCSEL素子UVからの出射光の光束をILS16に向けて走査するように、CPU100によって制御される。
【0052】
ところで、画像形成装置、特にインクジェット方式の画像形成装置の高速化に伴い、記録媒体の印刷面上のインクを乾燥させる乾燥器も、高密度でかつ高出力の乾燥器が必要とされつつある。このような要求に対応する乾燥器として、レーザを用いた乾燥器(レーザ乾燥器)が検討されている。
【0053】
各種レーザデバイスのうちでも、コストが比較的低く、低消費電力であり、2次元化が容易で、かつ高速変調が可能という優れた特性をもつVCSEL素子が有望視されている。そのようなレーザ乾燥器は、例えば、VCSEL素子を、記録媒体としての記録紙の幅方向(主走査方向)、及び記録紙の搬送方向(副走査方向)にアレイ状に配置し、VCSELアレイとして構成される。
【0054】
ところが、VCSELアレイを用いたレーザ乾燥器では、レーザ乾燥器に備えられる冷却器の冷却ムラ、レーザ乾燥器の製造ロットによる特性バラツキ、レーザ乾燥器を構成する複数の乾燥ユニットごとの特性バラツキ、あるいは経時的劣化等に起因して光量ムラが生じる。この光量ムラは、記録紙に印刷が施された印刷物の乾燥ムラを引き起こす要因となり、さらに、その乾燥ムラが印刷画像の濃度ムラを引き起こし、最終的な印刷物の品質を劣化させる。従って、このような印刷物の品質劣化を抑制する観点から、レーザ乾燥器の光量ムラを抑制する必要が生じ、そのためには、レーザ乾燥器を構成するVCSEL素子の発光光量を補正し、VCSELアレイ内で光量を均一にする、あるいは目標とする光量分布にすることが求められている。
【0055】
VCSELアレイ内の光量を均一にするひとつの方法として、VCSELアレイ製造時に光量の初期データを取得し、そのデータをもとに画像形成装置へ搭載後に画像形成装置内において光量ムラを補正するという方法がある。しかしながら、係る方法では、画像形成装置に搭載してからの「設置誤差」、「経時劣化」、「冷却能力変化」による光量ムラを補正することはできない。そのため、VCSELアレイの光量を初期的、又は定期的に画像形成装置内で測定し、画像形成装置内で補正して均一化する方法が求められる。
【0056】
画像形成装置内での定期的な補正に対応するひとつの方法として、画像形成装置に搭載されているILSの画像読取機能を利用する方法がある。すなわち、印刷物(印刷された記録媒体)をレーザ乾燥器で乾燥させた後、印刷面をILSで読み取って画像データを取得し、取得した画像データにおける画像の濃淡からレーザ乾燥器の光量のムラを判断し、判断した光量のムラに基づいてレーザ乾燥器の光量の補正を行う方式である。
【0057】
上記の画像の濃淡による光量のムラの判断は、記録媒体上に打滴されたインク滴が、レーザ乾燥器で乾燥される前に、記録媒体上の目標位置からずれる場合があるという現象に基づいている。従って、印刷する記録媒体が、例えば紙の場合とPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムとでは、同じ画像データに基づく印刷であっても濃度ムラの程度が異なる。記録媒体により濃度ムラの程度が異なると、濃度ムラの程度と補正すべき光量ムラとの対応を決定しにくい。すなわち、印刷物をILSで読み取って光量ムラを補正するこの方法では、記録媒体の種類によって誤差が生ずるので、例えば補正する場合の記録媒体の種類を固定するなどの工夫を要することになり、不便である。
【0058】
そこで、本実施の形態では、ILSで直接レーザ乾燥器の光量を読み取り、その読み取り結果を利用してレーザ乾燥器の光量の補正を行っている。このことにより、本実施の形態に係る液滴乾燥装置、及び画像形成装置では、レーザ乾燥器の光量(輝度)が直接測定されるため、記録媒体の種類による誤差を小さくしてレーザ乾燥器の光量の補正が行われる。その結果、印刷で使用中の記録媒体の交換を行う必要もなく、補正用途だけに記録媒体を使用する必要もない。
【0059】
図4を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10Aについて説明する。画像形成装置10Aは、基本構成である画像形成装置10の補正光学系18を補正光学系18Aに変更した形態である。従って、ヘッドユニット26、乾燥ユニット14、ILS16、制御部20、給紙ロール22、及び巻取ロール24については画像形成装置10と同様なので、同じ符号を付して説明を省略する。ただし、後述するように、画像形成装置10Aでは、乾燥ユニット14として、乾燥ユニット14−1と14−2との2ユニットを備えている。
【0060】
図4(a)に示すように、本実施の形態に係る補正光学系は、ハーフミラー18c、ミラー18d、光吸収部材18e、可変減衰フィルタ18f、及びスリット18gを備えている。本実施の形態は、連帳紙Pの搬送は停止させるが、切断(カット)はしない形態である。
【0061】
ハーフミラー18cは、先述した画像形成装置10のミラー18aに相当し、乾燥ユニット14のVCSEL素子UVから出射された光束Lを、ミラー18dを介し、ILS16に導くようにY軸方向に移動され、走査される。
【0062】
ミラー18aがハーフミラー18cに変更されているのは、光束Lの光量を減衰させ、ILS16に入射される光量が過大入力とならないようにするためでり、過大入力が懸念されない場合にはミラー18aのままであってもよい。
【0063】
ミラー18dは、画像形成装置10のミラー18bに相当し、ハーフミラー18cで折り返された光束Lをさらに折り返してILS16に導く。ミラー18dは、光束Lの光量を減衰させるためにハーフミラーとしてもよい。その際には、ハーフミラーを透過する光を吸収させるように、以下で述べる光吸収部材を配置してもよい。
【0064】
光吸収部材18eは、ハーフミラー18cを透過する光が画像形成装置10A内で迷光とならないように、透過光を吸収させる部材である。
【0065】
可変減衰フィルタ18fは、光束Lの光量をさらに減衰させるためのフィルタである。
図4(b)に、本実施の形態に係る可変減衰フィルタ18fの構成を示す。図4(b)に示すように、可変減衰フィルタ18fは、同軸状に配置された減衰率の異なるフィルタF1ないしF4を備え、フィルタF1ないしF4を回転軸Cを中心として回転させることにより、ILS16に入射させる光量に応じて減衰率が変更される。
【0066】
ここで、本実施の形態は、連帳紙Pが、給紙ロール22と巻取ロール24との間に張られたままの状態で乾燥ユニット14の光量補正を行う形態であるため、乾燥ユニット14の光束Lの光量は連帳紙Pを透過することにより減衰する。一方では、画像形成装置10Aで用いられる連帳紙Pにも種類があり、さらには記録媒体は連帳紙に限られないので、記録媒体の種類により減衰率が異なる。その異なる記録媒体の減衰率に対応するため、画像形成装置10Aの補正光学系18Aでは、可変減衰フィルタ18fを採用している。なお、本実施の形態では、減衰率の異なる4つのフィルタF1ないしF4を備える可変減衰フィルタ18fを例示して説明するが、これに限られず、要求される減衰率の種類等に応じ、いくつであってもよい。
【0067】
スリット18gは、光束Lの光量を制限するとともに、光束Lの断面積の形状、大きさをILS16の受光面に合わせるために設けられる部材である。スリット18gに至るまでの部材で減衰率が充分である場合、あるいは光束Lの断面形状等がILS16の受光面に適合している場合には、スリット18gは必ずしも必要ない。
【0068】
次に、図5ないし図7を参照して、本実施の形態に係る乾燥ユニット14の光量補正方法について、より詳細に説明する。先述したように、画像形成装置10Aの乾燥ユニット14は、乾燥ユニット14−1と乾燥ユニット14−2の2台のユニットを備えている。
図5及び図6に示すように、乾燥ユニット14−1は、乾燥ブロックB1−1ないしB1−8の8個の乾燥ブロックを備え、乾燥ユニット14−2は、乾燥ブロックB2−1ないしB2−8の8個の乾燥ブロックを備えている。
【0069】
図5及び図6は、ハーフミラー18cをY軸方向に走査させ、ILS16により乾燥ユニット14の光量を測定する場合の一連の動作状態を示している。図7は、本実施の形態に係る乾燥ユニット14の光量補正を行うためのプログラムである光量補正処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
図5(a)は、ハーフミラー18cを−Y方向から+Y方向に移動させ、乾燥ユニット14−1を走査した状態の平面図を示している。本実施の形態に係る光量補正処理では、乾燥ブロックBをひとつおきに発光させる形態を採用しており、図5(a)では、まず、乾燥ユニット14−1の偶数符号の乾燥ブロック、B1−2、B1−4、B1−6、及びB1−8を発光させると共に、ハーフミラー18cを走査させて積算光量LAを取得する。その際、奇数符号の乾燥ブロック、B1−1、B1−3、B1−5、及びB1−7の発光は停止させる。
【0071】
図5(b)は、横軸に乾燥ブロックの符号BNをとり、縦軸に積算光量LAをとって、乾燥ユニット14−1の乾燥ブロック、B1−2、B1−4、B1−6、及びB1−8の積算光量LAを示したグラフである。本実施の形態では、図2(a)に示すように、乾燥ブロックBをY軸方向に走査すると、16個のVCSEL素子UVの光量を順次読み取り、積算していくことになるので、乾燥ブロックBごとに積算光量LAが取得される。なお、本実施の形態においてひとつおきに乾燥ブロックBの光量を読み取るのは、積算光量LAのプロファイル(分布形状)を分離するためであり、積算光量のプロファイルの分離が要求されない場合には8個の乾燥ブロックBを一度に発光させ、ハーフミラー18cで走査してもよい。
【0072】
本実施の形態では、先述したように、VCSEL素子UVの光量制御を乾燥ブロックB単位で行っている。そして、各乾燥ブロックBの光量補正の要否は、乾燥ブロックBごとの積算光量LAのピーク値と積算光量LAの目標値とを比較して決定する。本実施の形態では、積算光量LAのピーク値の目標値として、上限目標値LAH及び下限目標値LALを設けており、各乾燥ブロックBの積算光量LAのピーク値が上限目標値LAHを超える場合、又は下限目標値LALに満たない場合を光量補正要と判断する。また、その際の測定した積算光量LAのピーク値と上限目標値LAHとの差分、又は下限目標値LALとの差分を補正量Leとする。
【0073】
なお、本実施の形態では、上限目標値LAH及び下限目標値LALは、紙幅方向(X軸方向、図2(a)参照)の乾燥ムラが抑制される程度に予め定め、ROM102等の記憶手段に記憶させておいてもよい。
【0074】
また、上限目標値LAH及び下限目標値LALは、乾燥ユニット14のVCSEL素子UVの発光面からILS16の受光面までの光学的損失(ハーフミラー18c、ミラー18d、可変減衰フィルタ18f、及びスリット18gにおける損失を合計したもの)を考慮して、すなわち、乾燥ユニット14からの出射光量が該光学的損失分だけ小さくなるものとして設定されている。しかしながら、これに限られず、上限目標値LAH及び下限目標値LALを、乾燥ユニット14からの出力光量に対して設定し、測定した積算光量LAを上記光学的損失分だけ大きくするように修正してもよい。
【0075】
図5(a)の場合は、乾燥ブロックB1−2、B1−4、及びB1−6は光量補正の必要はなく、乾燥ブロックB1−8は光量補正の必要があり、その際の補正量はLe1であると判断される。以上の測定結果は、RAM104等の記憶手段に一時的に記憶させてもよい。
【0076】
図5(c)は、続けて乾燥ユニット14−2の乾燥ブロックB2−2、B2−4、B2−6、及びB2−8を発光させ、ハーフミラー18cにより+Y方向に走査した状態を示しており、図5(d)は、その走査によって取得された各乾燥ブロックBの積算光量LAを示している。この際、乾燥ブロックB2−1、B2−3、B2−5、及びB2−7の発光は停止させている。図5(d)を参照すると、乾燥ブロックB2−2、B2−4、B2−6、及びB2−8の積算光量LAのピーク値は、上限目標値LAHと下限目標値LALとの間にあるので、いずれの乾燥ブロックBも光量補正の必要なしと判断される。
【0077】
図6(a)は、続けて乾燥ユニット14−2の乾燥ブロックB2−1、B2−3、B2−5、及びB2−7を発光させ、ハーフミラー18cにより−Y方向に走査した状態を示しており、図6(b)は、その走査によって取得された各乾燥ブロックBの積算光量LAを示している。この際、乾燥ブロックB2−2、B2−4、B2−6、及びB2−8の発光は停止させている。図6(b)を参照すると、乾燥ブロックB2−1、B2−3、及びB2−7は光量補正の必要はなく、乾燥ブロックB2−5は光量補正の必要があり、その際の補正量はLe2であると判断される。以上の測定結果は、RAM104等の記憶手段に一時的に記憶させてもよい。
【0078】
図6(c)は、続けて乾燥ユニット14−1の乾燥ブロックB1−1、B1−3、B1−5、及びB1−7を発光させ、ハーフミラー18cにより−Y方向に走査した状態を示しており、図6(d)は、その走査によって取得された各乾燥ブロックBの積算光量LAを示している。この際、乾燥ブロックB1−2、B1−4、B1−6、及びB1−8の発光は停止させている。図6(d)を参照すると、乾燥ブロックB1−3、B1−5、及びB1−7は光量補正の必要はなく、乾燥ブロックB1−1は光量補正の必要があり、その際の補正量はLe3であると判断される。以上の測定結果は、RAM104等の記憶手段に一時的に記憶させてもよい。
【0079】
以上の手順によって、乾燥ユニット14−1及び14−2の全ての乾燥ブロックBの積算光量LAが取得され、光量補正の必要のある乾燥ブロックの識別番号が、その補正量Leと共に、光量補正データとしてRAM104等の記憶手段に記憶されている。CPU100は、この光量補正データをRAM104等の記憶手段から読み出し、光量補正の必要のある乾燥ブロックBのドライバD(図2(b)参照)を制御して、当該乾燥ブロックBの駆動電流値を変更し、つまり、積算光量LAが下限目標値LALに満たない場合にはその乾燥ブロックBに流す駆動電流Iを増加させる一方、積算光量LAが上限目標値LAHを越える場合にはその乾燥ブロックBに流す駆動電流Iを減少させるようにフィードバック制御し、光量補正を行う。
【0080】
次に、図7を参照して、本実施の形態に係る光量補正処理プログラムについて説明する。図7は、本実施の形態に係る光量補正処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、例えば、ユーザにより図示しない入力部を介して実行開始の指示がなされると、制御部20のCPU100がROM102等の記憶手段から本光量補正処理プログラムを読み込み、RAM104等の記憶手段に展開して実行する。
【0081】
なお、本実施の形態では、本光量補正処理をユーザの指示により実行する形態を例示して説明するが、これに限られず、画像形成装置10Aが自立的に、予め定められた期間ごとに定期的に実行する形態としてもよい。また、本実施の形態では、本光量補正処理プログラムがROM102等の記憶手段に予め記憶されている形態を例示して説明するが、これに限られず、例えば、本光量補正処理プログラムが、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されて提供される形態、又はネットワークを介して提供される形態としてもよい。
【0082】
まず、ステップS100では、上述した手順により、各乾燥ブロックBの積算光量LAを測定する。上述したように、本実施の形態では、乾燥ユニット14の乾燥ブロックBについて、ひとつおきに積算光量LAを測定する。測定した積算光量LAはデジタル値に変換し、RAM等の記憶手段に一時的に記憶させる。
【0083】
次のステップS102では、ステップS100で測定した積算光量LAが、上限目標値LAHを越えているか否かについて判定する。当該判定が否定判定となった場合にはステップS106に移行する一方、当該判定が肯定判定となった場合にはステップS104に移行して補正量Leを算出し、RAM104等の記憶手段に記憶させる。
【0084】
ステップS106では、ステップS100で測定した積算光量LAが、下限目標値LAL未満であるか否かについて判定する。当該判定が否定判定となった場合にはステップS110に移行する一方、当該判定が肯定判定となった場合にはステップS108に移行して補正量Leを算出し、RAM104等の記憶手段に記憶させる。
【0085】
ステップS110では、全乾燥ブロックBについて積算光量LAの測定が終了したか否かについて判定する。当該判定が肯定判定となった場合にはステップS114に移行する一方、当該判定が否定判定の場合には、ステップS112で次の乾燥ブロックBに移行する準備をした後ステップS100に戻り、乾燥ブロックBの積算光量LAの測定を継続する。
【0086】
ステップS114では、ステップS112までの処理により得られた光量補正データをNVM106等の記憶手段に記憶させる。
【0087】
次のステップS116では、各乾燥ブロックBのうち光量補正が必要とされた乾燥ブロックBについて光量補正を実行する。すなわち、先述したように、積算光量LAが下限目標値LALに満たない場合にはその乾燥ブロックBに流す駆動電流Iを増加させる一方、積算光量LAが上限目標値LAHを越える場合にはその乾燥ブロックBに流す駆動電流Iを減少させるようにフィードバック制御する。その後、本光量補正処理プログラムを終了する。
【0088】
なお、必要に応じ、例えば補正の精度を高める等の目的のため、本光量補正処理プログラムの終了後、再度乾燥ブロックBごとの積算光量LAを測定し、光量を補正するという処理を繰り返してもよい。
【0089】
また、上記実施の形態では、乾燥ブロックBごとの積算光量LA(Y軸方向の積算光量LA、図2(a)参照)の目標値として、一律の上限目標値LAH、下限目標値LALを設定する形態を例示したがこれに限られない。例えば、乾燥ユニット14による乾燥領域のパターン(乾燥プロファイル)等に応じて、乾燥ブロックBごとの積算光量LAの目標値を変えてもよい。
【0090】
[第2の実施の形態]
図8を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10Bについて説明する。図8(a)は画像形成装置10Bの側面図を、図8(b)は平面図を各々示している。本実施の形態は、連帳紙Pをカットして乾燥ユニット14の光量補正を行う形態であり、画像形成装置10Aと比較して、補正光学系18Aが18Bに置き換えられている点が異なる。その他の構成については画像形成装置10Aと同様なので、同じ符号を付して説明を省略する。なお、本実施の形態は、乾燥ユニット14が1つの形態を例示して説明する。
【0091】
本実施の形態に係る補正光学系18Bは、ハーフミラー18c、ミラー18d、光吸収部材18e、減衰フィルタ18h、及びスリット18iを備えている。ハーフミラー18c、ミラー18d、光吸収部材18eは補正光学系18Aと同様の構成であり、同様の機能を有する。補正光学系18Bでは、補正光学系18Aの可変減衰フィルタ18f及びスリット18gが、固定減衰フィルタ18h及びスリット18iに変更されている。画像形成装置10Bも、ハーフミラー18cをY軸方向に移動させて乾燥ユニット14から出射される光束Lを走査し、乾燥ユニット14の乾燥ブロックBごとの積算光量LAを測定する。
【0092】
画像形成装置10Aでは、連帳紙Pを給紙状態のまま光量補正を行う形態であるため、乾燥ユニット14からの光束Lの光量の連帳紙Pによる減衰率に合わせ、補正光学系18Aの減衰量を調整する必要があった。一方、本実施の形態に係る画像形成装置10Bでは、光量補正に際して連帳紙Pをカットするので、連帳紙Pによる光量の減衰、あるいは連帳紙Pの紙種による減衰量のバラツキ等に関して考慮する必要がない。そこで、減衰フィルタは固定減衰フィルタ18hとし、スリット18iはこの固定減衰フィルタ18h上に一体的に形成している。むろん、これに限られず、スリット18iと固定減衰フィルタ18hとは分離して個別に設けてもよい。
【0093】
以上のように、本実施の形態に係る画像形成装置10Bによれば、連帳紙P(一般に記録媒体)による乾燥ユニット14の光量の減衰、光量のバラツキに対応する必要がないので、補正光学系が簡略化され、かつより正確な補正がなされる。
【0094】
[第3の実施の形態]
図9を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10Cについて説明する。図9は、画像形成装置10Cの平面図を示している。画像形成装置10Cは、補正光学系をメンテナンスポジションSに退避させて乾燥ユニット14の光量補正を行う形態である。画像形成装置10Bと比較して、メンテナンスポジションに退避させる退避機構が設けられている点のみ異なるので、各構成の説明は省略する。
【0095】
メンテナンスポジションとは、主として、インクジェットヘッド12に設けられたインク滴を吐出するノズルを保守するために、ヘッドユニット26を移動させる位置のことである。ヘッドユニット26をメンテナンスポジションに退避させ、インクジェットヘッド12にキャッピングし、インクジェットヘッド12のノズルからダミージェット(空吐出)させて、ノズルに付着した異物等を除去し、ノズルからインク滴が正常に吐出されるように保守する。
【0096】
図9に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10Cでは、ヘッドユニット26と共に、乾燥ユニット14、補正光学系18C、及びILS16もメンテナンスポジションSに退避されるように構成されている。
【0097】
以上のように構成された画像形成装置10Cでは、乾燥ユニット14、補正光学系18C、及びILS16の各々をメンテナンスポジションSに退避させ、上述した手順に則して乾燥ユニット14の光量補正処理を行う。
【0098】
本実施の形態に係る画像形成装置10Cによれば、連帳紙Pをカットする必要がなく、効率的に光量補正処理が行われる。また、連帳紙Pを間に介して乾燥ユニット14からの出射光の光量を測定する必要もないので、より正確な光量補正がなされる。
【0099】
[第4の実施の形態]
図10を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10Dについて説明する。画像形成装置10Dは、画像形成装置10Bの補正光学系18Bを補正光学系18Dに置き換えたものであり、その他の構成は画像形成装置10Bと同様なので、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。画像形成装置10Dは、乾燥ユニット14からの出射光の光束Lを集束させる手段を備えた形態である。
【0100】
図10に示すように、補正光学系18Dは、レンズ18j、ハーフミラー18c、ミラー18d、固定減衰フィルタ18h、及びスリット18iを備えている。ハーフミラー18c、ミラー18d、固定減衰フィルタ18h、及びスリット18iは、補正光学系18Bで説明したものと同じ機能を有し、本実施の形態に係る補正光学系18Dでは、さらにレンズ18jを有している。
【0101】
レンズ18jは、乾燥ユニット14からの出射光の光束Lの発散を抑制するために設けられたものであり、その焦点Fが、一例としてILS16の受光面に位置するように構成されている。また、レンズ18jはハーフミラー18cと一体として移動可能なように構成されており、ハーフミラー18cと共に乾燥ユニット14から出射される光束Lを走査する。なお、レンズ18jの位置は図10に示された位置に限られず、例えば、ハーフミラー18cとミラー18dとの間、あるいはスリット18iとILS16との間に設けてもよい。また、例えば、ハーフミラー18cと一体化して設けてもよい。また、レンズ18jを設けた場合には、光束Lの形状を整形する素子としてのスリット18iは省略してもよい。
【0102】
以上のように、構成された画像形成装置10Dによれば、乾燥ユニット14からの出射光の光束Lの発散を抑制して光量が測定されるので、より正確に乾燥ユニット14からの出射光の光量が測定され、その結果、より正確な光量補正処理がなされる。
【0103】
なお、上記各実施の形態では、各乾燥ブロックBの積算光量LAの光量補正における目標値として、各乾燥ブロックBの積算光量LAのピーク値に対し、上限目標値LAHと下限目標値LALとを設定する形態を例示して説明したが、これに限られない。例えば、目標値をひとつの目標値LA0とし、測定した積算光量LAと目標値LA0との差分ΔLA=LA−LA0をフィードバックし、各乾燥ブロックBに流れる駆動電流Iが変化するようにドライバDを制御するようにしてもよい。すなわち、ΔLAが正の場合には、当該乾燥ブロックの駆動電流Iを減少させ、ΔLAが負の場合には、当該乾燥ブロックの駆動電流Iを増加させるようにドライバDをフィードバック制御する。
【0104】
また、上記各実施の形態では、乾燥ブロックBを用紙搬送方向と交差する方向(X軸方向)に配列する形態を例示して説明したが、これに限られず、用紙搬送方向(Y軸方向)に配列する形態としてもよい。
【0105】
また、上記各実施の形態では、記録媒体として連帳紙を用いる形態を例示して説明したが、これに限られず、一定のサイズに裁断された記録紙、いわゆるカット紙を用いる形態としてもよい。
【0106】
また、上記各実施の形態では、本発明を片面印刷に適用した形態を例示して説明したが、これに限られず、両面印刷に適用した形態としてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10、10A、10B、10C、10D 画像形成装置
12 インクジェットヘッド
14、14−1、14−2 乾燥ユニット
16 ILS
18、18A、18B、18C、18D 補正光学系
18a ミラー
18b ミラー
18c ハーフミラー
18d ミラー
18e 光吸収部材
18f 可変減衰フィルタ
18g スリット
18h 固定減衰フィルタ
18i スリット
18j レンズ
20 制御部
22 給紙ロール
24 巻取ロール
26 ヘッドユニット
100 CPU
102 ROM
104 RAM
B 乾燥ブロック
BUS バス
C 回転軸
D ドライバ
F1、F2、F3、F4 フィルタ
L 光束
P 連帳紙
UV VCSEL素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10