特許第6604124号(P6604124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604124
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】射出成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/27 20060101AFI20191031BHJP
【FI】
   B29C45/27
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-195737(P2015-195737)
(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公開番号】特開2017-65191(P2017-65191A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(72)【発明者】
【氏名】荒井 直樹
【審査官】 ▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−030916(JP,U)
【文献】 特開2002−234056(JP,A)
【文献】 特開2016−215614(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0118687(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C45/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融樹脂の導入路及び前記導入路に連通する分岐路を有するスプルー部と、
入口から出口に至る間で流路の向きを変える流路曲成部と、
スプルー部の分岐路及び流路曲成部の入口に連通するマニホールドパイプと、
流路曲成部の出口に連通するホットノズルとを備え、
マニホールドパイプの端部外周に、流路曲成部との間を封止するシールリングを備えると共に、シールリングが、溶融樹脂の圧力で拡開する拡開型のシールリングであり、流路曲成部に、入口から導入された溶融樹脂の流れを出口に向けるための流向変更体を備えたことを特徴とする射出成形装置。
【請求項2】
シールリングが、開口部を有する中空状を成し、開口部から内部に導入した溶融樹脂の圧力で外側に拡開される拡開型のシールリングであって、流路曲成部の流路内に開口部を開放させて配置してあり、
流向変更体が、導入された溶融樹脂の一部をシールリングの開口部に向かう反転流に変更する流向反転部を有していることを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
【請求項3】
流向変更体が、流路曲成部内に固定される本体部と、本体部から流路曲成部の入口に向けて突出する導入部と、本体部において流路曲成部の出口方向に沿って形成され且つ導入部に連通する溝部と、導入部及び溝部に連通し且つ流路曲成部の出口に向けて形成された流通口とを備えており、
導入部及び溝部により、前記流向反転部を形成すると共に、本体部とマニホールドパイプとの間に、導入部を中央とする環状流路を形成することを特徴とする請求項2に記載の射出成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の射出成形に用いられる射出成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の射出成形装置としては、射出成形用金型の名称で特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の射出成形用金型は、溶融樹脂の注入口及び分岐通路を有するスプルー部と、複数のホットノズルと、スプルー部の分岐通路から各ホットノズルに至るマニホールド部とを備えている。また、射出成形用金型は、スプルー部とマニホールド部との間、及びマニホールド部とホットノズルとの間に、先端に向かって漸次薄肉となるように内径をテーパ形状に形成したジョイントを備えている。
【0003】
この射出成形用金型は、ジョイントにより、マニホールド部の熱膨張に伴う軸線方向の伸縮を吸収すると共に、マニホールド部のシール性を確保する。このジョイントは、内部を流通する溶融樹脂の圧力によりテーパ形状の部分が外径方向に拡開され、テーパ形状の部分をマニホールド部の内壁に圧接させることでシール性を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−30916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来の射出成形装置(金型)では、ジョイントの先端が薄肉であることから、溶融樹脂の圧力が繰り返し付与されることで、その先端が変形若しくは損傷し、マニホールド部のシール性が損なわれる虞があり、このような問題点を解決することが課題であった。
【0006】
なお、上記のジョイントに代えて、マニホールド部の端部に、溶融樹脂の圧力により拡開する拡開型のシールリングを装着することも考えられる。ところが、このシールリングを採用した場合には、シールリングを流路に開放させる都合上、流路断面積が急激に変化する構造にせざるを得ず、これにより流路内で溶融樹脂の滞留が生じて、溶融樹脂の流通性が損なわれる虞があった。
【0007】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、スプルー部、マニホールドパイプ及びホットノズルを備えた射出成形装置において、拡開型のシールリングの採用を可能にしたうえで、マニホールドパイプのシール性を向上させることができると共に、溶融樹脂滞留を防止して良好な流通性を得ることができる射出成形装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わる射出成形装置は、溶融樹脂の導入路及び前記導入路に連通する分岐路を有するスプルー部と、入口から出口に至る間で流路の向きを変える流路曲成部と、スプルー部の分岐路及び流路曲成部の入口に連通するマニホールドパイプと、流路曲成部の出口に連通するホットノズルとを備えている。そして、射出成形装置は、マニホールドパイプの端部外周に、流路曲成部との間を封止するシールリングを備えると共に、シールリングが、溶融樹脂の圧力で拡開する拡開型のシールリングであり、流路曲成部に、入口から導入された溶融樹脂の流れを出口に向けるための流向変更体を備えた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係わる射出成形装置は、マニホールドパイプの端部外周に、流路曲成部との間を封止するシールリングを備えた構成であり、このシールリングには、溶融樹脂の圧力により拡開する拡開型のシールリングを採用することが可能である。この場合、シールリングを流路に開放させる必要があるので、流路曲成部は、流路断面積が急激に変化する構造になる。これに対して、流路曲成部には、入口から導入された溶融樹脂の流れを出口に向けるための流向変更体が配置してあるので、流路断面積が急激に変化する部分で溶融樹脂の滞留が生じることなく、入口から出口にかけて溶融樹脂が円滑に流れることとなる。
【0010】
これにより、射出成形装置は、スプルー部、マニホールドパイプ及びホットノズルを備えた構造において、拡開型のシールリングの採用を可能にしたうえで、マニホールドパイプのシール性を向上させることができると共に、溶融樹脂の滞留を防止して良好な流通性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係わる射出成形装置の一実施形態を説明する断面図である。
図2】シールリングを説明する斜視断面図(A)、及び要部の断面図(B)である。
図3】流向変更体を説明する平面図(A)、正面図(B)、図A中のA−A線に基づく断面図(C)、図B中のB−B線に基づく断面図(D)、及び斜視図(E)である。
図4図1に示す射出成形装置の要部を説明する断面図である。
図5】流向変更体が無い場合の溶融樹脂の流れを説明する断面図である。
図6】本発明に係わる射出成形装置のバルブゲート構造への適用例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す射出成形装置は、上側の固定型1と、固定型1との間でキャビティ2を形成する下側の可動型3とを備えている。また、図示例の射出成形装置は、固定型1に、溶融樹脂の導入路P1及び前記導入路P1に連通する分岐路P2を有するスプルー部4と、入口から出口に至る間で流路の向きを変える流路曲成部5とを備えている。さらに、射出成形装置は、スプルー部4の分岐路P2及び流路曲成部5の入口5Aに連通するマニホールドパイプ6と、流路曲成部5の出口5Bに連通するホットノズル7とを備えている。
【0013】
図示例の固定型1は、その上部に、フレーム8を介して支持盤9が設けてあって、支持盤9の下側空間に、スプルー部4,流路曲成部5、及びマニホールドパイプ6をが収容してあり、支持盤9の上側には、図示しない溶融樹脂の供給装置が配置される。なお、図示例の射出成形装置は、スプルー部4が2つの分岐路P2,P2を有するので、これに対応して、給路曲成部5、マニホールドパイプ6及びホットノズル7を夫々2つずつ備えているが、これらの数がとくに限定されるものではない。
【0014】
スプルー部4は、垂直方向に沿って導入路P1を有する第1ブロック4Aと、導入路P1の下端部から水平方向に分岐した分岐路P2,P2を有する第2ブロック4Bとを連結した構成である。第1ブロック4Aは、溶融樹脂の導入部となる上端が、支持盤9に形成した開口部9A内に配置されている。第2ブロック4Bは、スペーサ10を介して、固定型1の上面に設置してある。
【0015】
流路曲成部5は、ホットノズル7のベースとしても機能するブロックであって、側面に入口5Aを有すると共に、底面に出口5Bを有し、入口5Aから出口5Bに至る間で下向きに直角に屈曲したコーナー流路を形成している。この流路曲成部5は、スプルー部4の第2ブロック4Bと同様に、スペーサ10を介して固定型1の上面に設置してある。
【0016】
マニホールドパイプ6は、その内部を流路P3とする断面円形状の中空部材である。このマニホールドパイプ6は、軸線を水平にして配置され、一端部がスプルー部4を構成する第2ブロック4Bの分岐路P2に連結してあると共に、他端部が流路曲成部5の入口5Aに連結してある。
【0017】
ホットノズル7は、軸線上に沿って流路P4を有し、その軸線を垂直にした状態で固定型1に配置されている。このホットノズル7は、基端部(上端部)を流路曲成部5の出口5Bに連結すると共に、先端部(下端部)のノズル部7Aを固定型1の下面に開放させ、キャビティ2内に溶融樹脂を射出する。なお、ホットノズル7の周囲には、溶融樹脂の溶融状態を維持するための加熱装置(図示せず)が装着してある。
【0018】
そして、射出成形装置は、マニホールドパイプ6の端部外周に、流路曲成部5との間を封止するシールリング11を備えると共に、流路曲成部5に、入口5Aから導入された溶融樹脂の流れを出口5Bに向けるための流向変更体12を備えている。
【0019】
シールリング11は、図2(A)に示すように、開口部11Cを有する中空状を成し、開口部11Cから内部に導入した溶融樹脂の圧力で外側に拡開される拡開型のシールリングである。このようなシールリングは、スプリング荷重式シールリングと称されることもある。このシールリング11は、全周にわたってU字形状の断面を有する金属製のばね部材11Aと、このばね部材11Aの外側全体を被覆する樹脂製のシール部材11Bとから成り、その片面に、全周にわたる溝状の開口部11Cを有している。
【0020】
上記のシールリング11は、図2(B)に示すように、マニホールドパイプ6の端部外周に段差状に形成した小径部6Aに装着され、この際、流路曲成部5のコーナー流路内に開口部11Cを開放させて配置してある。
【0021】
流向変更体12は、流路曲成部5において、側部の入口5Aから導入された溶融樹脂の流れを底部の出口5Bに向けるものであると共に、導入された溶融樹脂の一部をシールリング11の開口部11Cに向かう反転流に変更する流向反転部12Aを有している。
【0022】
すなわち、流向変更体12は、図3に示すように、流路曲成部5内に固定される本体部12Bと、本体部12Bから流路曲成部5の入口5Aに向けて突出する導入部12Cとを備えている。また、流向変更体12は、流路曲成部5の出口5B方向に沿って形成され且つ導入部12Cに連通する溝部12Dと、導入部12C及び溝部12Dに連通し且つ流路曲成部5の出口5Bに向けて形成された流通口12Eとを備えている。
【0023】
本体部12Bは、マニホールドパイプ6とほぼ同一の外径を有しており、流路曲成部5の内部において、入口5Aに相対向する位置に形成した固定用凹部5Cに固定される。導入部12Cは、先端側及び上側に向けて開放された半円筒形状を成すと共に、マニホールドパイプ6の流路P3の内径に対応する外径を有している。この導入部12Cは、流路曲成部5内において、マニホールドパイプ6の流路P3と連通する。
【0024】
溝部12Dは、断面半円形状を成すと共に、本体部2Bの上下方向にわたって形成してある。この溝部12Dは、導入部12Cの基端部と連通している。流通口12Eは、導入部12Bの基端部と溝部12Dとの間に形成してあり、平面視において、溝部12Dが成す半円形状と同心の円形状を成している。この流通口12Eは、ホットノズル6の流路P4に連通している。
【0025】
上記の流向変更体12は、導入部12C及び溝部12Dにより、先述した流向反転部2A、すなわち溶融樹脂の一部を反転流に変更する流向反転部12Aを形成している。そして、流向変更体12は、流路曲成部5内のコーナー流路において、本体部12Bとマニホールドパイプ6との間に、導入部12Bを中央とする環状流路P5を形成している。この環状流路P5は、その下部でホットノズル7の流路P4に連通している。
【0026】
上記構成を備えた射出成形装置は、固定型1と可動型2との間で成型空間であるキャビティ3を形成し、図示しない供給装置からスプルー部4に溶融樹脂が加圧供給される。溶融樹脂は、スプルー部4の導入路P1及び分岐路P2、マニホールドパイプ6の流路P3、流路曲成部5のコーナー流路、及びホットノズル7の流路P4を順に通り、ホットノズル7のノズル部7Aよりキャビティ3内に射出される。そして、キャビティ3に充填した溶融樹脂の硬化後、可動型2を下降させて成形品を離型させる。
【0027】
この間、射出成形装置は、流路曲成部5において、シールリング11により、マニホールドパイプ6の熱膨張による軸線方向の伸縮を吸収すると共に、マニホールドパイプ6と流路曲成部5との間のシール性を維持している。
【0028】
また、射出成形装置は、マニホールドパイプ6の端部外周に、流路曲成部5との間を封止するシールリング11を備えた構成であるから、溶融樹脂の圧力により拡開する拡開型のシールリング11を採用することを可能にしている。この場合、シールリング11を流路に開放させる必要があるので、流路曲成部5では、マニホールドパイプ6の流路P3から内部流路(コーナー流路)に至る間で、流路断面積が急激に増大する構造にせざるを得ない。
【0029】
これに対して、射出成形装置は、流路曲成部5に、入口5Aから導入された溶融樹脂の流れを出口5Bに向けるための流向変更体12が配置してあるので、流路断面積が急激に変化する部分で溶融樹脂の滞留が生じることなく、入口5Aから出口5Bにかけて溶融樹脂が円滑に流れる。
【0030】
より詳しくは、射出成形装置は、流路曲成部5に溶融樹脂が導入されると、図4に示すように、流向変更体12の流向反転部12Aにより、導入された溶融樹脂の一部がシールリング11の開口部11Cに向かう反転流BFとなる。つまり、流路曲成部5内における溶融樹脂は、上記の反転流BFと、流向変更部材12の流通口12Eや環状流路P5を経てホットノズル7に向かう順流NFとに分けられる。反転流BFは、環状流路P5において順流NFと合流する。
【0031】
そして、射出成形装置は、上記の反転流BFを生じさせることにより、開口部11Cからシールリング11の内部に溶融樹脂を導入して圧力を付与し、その圧力でシールリング11を拡開させる。これにより、シールリング11は、マニホールドパイプ6の小径部6A及び流路曲成部5の内壁に圧接状態となり、良好なシール性を確保する。
【0032】
ここで、射出成形装置は、流路断面積が急激に増大する構造を有する場合、図5に示すように、溶融樹脂の殆どが順流NFになる一方で、流路のコーナー外側の部分に溶融樹脂の滞留(渦流)Sが生じ、溶融樹脂の流通性が損なわれる虞がある。また、溶融樹脂の滞留Sが生じると、樹脂が劣化したり、材料変更の際に材料ロスが生じる。
【0033】
これに対して、本発明の射出成形装置は、拡開型のシールリング11の採用により流路断面積が急激に増大する構造になるものの、流向変更体12により溶融樹脂の滞留を防止することができる。これにより、射出成形装置は、樹脂の劣化や材料ロスを未然に阻止することも可能になる。
【0034】
このようにして、射出形成装置は、スプルー部4、マニホールドパイプ6及びホットノズル7を備えた構造において、拡開型のシールリング11の採用を可能にしたうえで、マニホールドパイプ6のシール性を向上させることができると共に、溶融樹脂の滞留を防止して良好な流通性を得ることができる。
【0035】
また、射出成形装置は、拡開型のシールリング11と、このシールリング11の開口部11Cに向かう反転流BFを形成する流向反転部12Aを有する流向変更体とを採用したことから、反転流BFがシールリング11の充分な拡開動作と確実なシール機能に寄与する。これにより、射出成形装置は、拡開型のシールリング11による優れたシール機能と溶融樹脂の滞留防止機能とを簡単な構造で且つ効率的に両立させることができる。
【0036】
さらに、射出成形装置は、本体部12B、導入部12C、溝部12D及び流通口12Eを有する流向変更体12を採用したことにより、単一の部品で溶融樹脂の順流NF及び反転流BFを形成することができ、拡開型のシールリング11と協働して、シール性や溶融樹脂の流通性のさらなる向上を実現することができる。なお、流向変更体12は、例えば流路曲成部5内に一体的に設けることも可能であるが、上記実施形態のように単一の部品にすれば、交換も可能となり、保守管理性の向上にも貢献することができる。
【0037】
図6は、本発明に係わる射出成形装置のバルブゲート構造への適用例を説明する断面図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
図示の射出成形装置は、ホットノズル7のノズル部(7A)を開閉するバルブゲート構造を有するものであって、ホットノズル7の軸線上に配置されたバルブピン21を備えており、このバルブピン21の先端(下端)で図外のノズル部を開閉する。
【0039】
バルブピン21は、流路曲成部材5及び流向変更体12の流通口12Eを垂直に貫通した状態にして、ホットノズル7の軸線上に配置してある。バルブピン21と流通口12Eとの間には、溶融樹脂が流通可能な隙間が形成される。これに対して、流路曲成部5の上部には、フレーム22を介して駆動装置23が配置してある。
【0040】
駆動装置23は、シリンダやモータ等の駆動源を含むと共に、その駆動源により昇降駆動される出力部24を下向きに備えており、出力部24に、バルブピン21の上端部が連結してある。これにより、バルブピン21は、駆動装置23により昇降駆動され、ホットノズル7のノズル部を開閉する。
【0041】
上記構成を備えた射出成形装置は、バルブゲート構造により溶融樹脂の射出性や保温性が向上し、しかも、先の実施形態と同様に、拡開型のシールリング11の採用を可能にしたいえで、マニホールドパイプ6のシール性が向上すると共に、溶融樹脂の滞留を防止して良好な流通性が得られる。
【0042】
なお、本発明に係わる射出成形装置は、その構成が上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成を適宜変更することができ、例えば、スプルー部4、流路曲成部5及びマニホールドパイプ6等を選択的に一体化したり、可動型2と一体化したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
BF 反転流
P1 導入路
P2 分岐路
P5 環状流路
4 スプルー部
5 流路曲成部
5A 入口
5B 出口
6 マニホールドパイプ
7 ホットノズル
11 シールリング
11C 開口部
12 流向変更体
12A 流向反転部
12B 本体部
12C 導入部(流向反転部)
12D 溝部(流向反転部)
12E 流通口
図1
図2
図3
図4
図5
図6