(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記視聴の態様は、優先順位が低い順に、曲を聴いているだけの態様、曲に合わせ口パクまたは鼻歌を歌っている態様、曲に合わせて歌っている態様、および、曲と歌詞に合わせて歌っている態様を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の選曲支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0017】
<構成>
図1は一実施形態にかかる選曲支援システムの構成例を示す図である。
図1において、利用者が所持するスマートフォン、タブレット、携帯電話等の端末装置1A、1B、・・は、インターネット等のネットワーク2に接続可能となっており、ネットワーク2にはクラウドサービスを提供するサーバ装置3が接続されている。また、カラオケ店4にはカラオケ機器5が設置されている。
【0018】
端末装置1A、1B、・・は、利用者により楽曲の試聴に用いられる際に、利用者が楽曲に対して行った視聴の態様を示すデータを取得し、データをネットワーク2を介してクラウドサービスを提供するサーバ装置3に送信して保管する。また、端末装置1A、1B、・・は、利用者がカラオケ店4でカラオケを楽しむ際に、サーバ装置3からネットワーク2を介してデータを取得し、無線通信(赤外線、近距離無線等)によりカラオケ機器5にデータを与える。なお、端末装置1A、1B、・・として、利用者が自宅等でカラオケを楽しめるゲーム機や個人用カラオケシステムやPC(Personal Computer)等も含まれる。この場合、ゲーム機等で取得されサーバ装置3に保管された、利用者が楽曲に対して行った視聴の態様を示すデータが、利用者が持ち歩くスマートフォン等を介してカラオケ機器5に与えられる。
【0019】
図2は端末装置1(1A、1B、・・)、サーバ装置3およびカラオケ機器5の機能構成例を示す図である。
図2において、端末装置1には、音楽再生アプリ(アプリケーションプログラム)11と、カラオケ選曲支援アプリ12とが設けられている。音楽再生アプリ11は、楽曲を再生して利用者による視聴を可能とする機能を有している。また、音楽再生アプリ11は、歌詞を表示する機能も有していることを想定しているが、歌詞の表示のためのアプリを別に設けてもよい。
【0020】
カラオケ選曲支援アプリ12は、行動記録部13と選曲指示部14とを備えている。行動記録部13は、利用者が楽曲に対して行った視聴の態様を示すデータを取得してクラウドサービスに送信する機能を有している。選曲指示部14は、カラオケ店4(
図1)でカラオケに参加する際に、クラウドサービスを提供するサーバ装置3からデータを取得してカラオケ機器5に送信する機能を有している。
【0021】
行動記録部13は、カメラ制御部131とマイク制御部132と楽曲ID取得部133と歌声検出部134と鼻歌・口パク検出部135と歌詞参照検出部136とフラグ・ポイント管理部137とクラウドデータ入出力部138とを備えている。
【0022】
カメラ制御部131は、端末装置1の内部または外部に接続されたカメラを制御し、フロントカメラにより自分撮り状態の撮像画像を取得する機能を有している。マイク制御部132は、端末装置1の内部または外部に接続されたマイクを制御し、音声信号を取得する機能を有している。楽曲ID取得部133は、音楽再生アプリ11から再生中の楽曲IDを取得する機能を有している。
【0023】
歌声検出部134は、マイク制御部132により取得した音声信号から、利用者が楽曲に合わせて歌を歌っていることを検出する機能を有している。楽曲のリズム、音程および歌詞が大まかに合致する音声信号がマイクから取得された場合は、歌っていると判断することができる。また、歌声検出部134は、楽曲の再生音量が利用者にとって視聴に耐えるだけの音量であるか否かを検出する機能も有している。鼻歌・口パク検出部135は、マイク制御部132により取得した音声信号とカメラ制御部131により取得した撮像画像から、利用者が楽曲に合わせて鼻歌を歌っているか(口の動きはない)、口パク(音声は発していないが口だけが動く)をしているかを検出する機能を有している。楽曲のリズムおよび音程が大まかに合致し、歌詞が一致しない音声信号がマイクから取得された場合は、鼻歌であると判断することができる。歌声または鼻歌ではなく、楽曲のリズムと大まかに合致する口の動きのある撮像画像が取得された場合は、口パクであると判断することができる。歌詞参照検出部136は、カメラ制御部131により取得した撮像画像から、利用者が楽曲に合わせて歌詞を目で追っていることを検出する機能を有している。再生中の歌詞部分の表示位置を音楽再生アプリ11等から取得することで、より精度よく楽曲に合わせて歌詞を目で追っていることを検出することができる。
【0024】
フラグ・ポイント管理部137は、歌声検出部134、鼻歌・口パク検出部135および歌詞参照検出部136の検出結果に基づき、楽曲ごとにポイントおよびフラグを付与する機能を有している。ポイントおよびフラグの詳細については後述する。クラウドデータ入出力部138は、処理の開始時にサーバ装置3から利用者の楽曲ごとのポイントおよびフラグの状態を示すデータを取得してフラグ・ポイント管理部137に与えるとともに、所定の処理の区切り(楽曲の終了時等)において最新のデータをサーバ装置3に送信する機能を有している。
【0025】
また、選曲指示部14は、相互認識部141とクラウドデータ取得部142とデータ送信部143とデータ受信部144と候補リスト表示部145と選曲受付部146と選曲送信部147とを備えている。
【0026】
相互認識部141は、カラオケ機器5との間で赤外線や近距離無線等により通信を行って認識し合い、その後の処理につなげる機能を有している。クラウドデータ取得部142は、サーバ装置3から利用者の楽曲ごとのポイントおよびフラグの最新の状態を示すデータを取得する機能を有している。データ送信部143は、クラウドデータ取得部142が取得したデータを赤外線や近距離無線等によりカラオケ機器5に送信する機能を有している。
【0027】
データ受信部144は、カラオケ機器5から赤外線や近距離無線等により選曲候補リストのデータを受信する機能を有している。候補リスト表示部145は、データ受信部144により受信した選曲候補リストのデータに基づき、選曲候補リストを端末装置1の画面上に表示する機能を有している。選曲受付部146は、画面上に表示された選曲候補リスト上から利用者による選曲(カラオケ機器5に演奏させる楽曲の選択)を受け付ける機能を有している。選曲送信部147は、選曲受付部146により受け付けた楽曲の演奏の指示を赤外線や近距離無線等によりカラオケ機器5に送信する機能を有している。
【0028】
サーバ装置3は、データ入出力部31とデータベース32とを備えている。データ入出力部31は、端末装置1から受信した利用者の楽曲ごとのポイントおよびフラグの最新の状態を示すデータをデータベース32に格納するとともに、端末装置1からの要求に応じて、該当する利用者の同データをデータベース32から読み出して送信(応答)する機能を有している。
【0029】
カラオケ機器5は、カラオケ制御アプリ51とカラオケ選曲支援アプリ52とを備えている。カラオケ制御アプリ51は、カラオケ機器としての基本的な機能を提供する部分であり、選曲を受け付けて演奏を行う機能を有している。カラオケ選曲支援アプリ52は、利用者ごとに選曲候補リストを提示することで、利用者による選曲の支援を行う機能を有している。
【0030】
カラオケ選曲支援アプリ52は、相互認識部521とデータ受信部522と楽曲振分部523と結果送信部524と選曲受信部525とを備えている。
【0031】
相互認識部521は、端末装置1との間で赤外線や近距離無線等により通信を行って認識し合い、その後の処理につなげる機能を有している。データ受信部522は、端末装置1から利用者の楽曲ごとのポイントおよびフラグの最新の状態を示すデータを赤外線や近距離無線等により受信する機能を有している。楽曲振分部523は、カラオケに参加する複数の利用者のデータに基づき、楽曲が重複する場合にはポイントおよびフラグに基づいて優先度を判断し、利用者ごとに選曲候補リストを生成する機能を有している。結果送信部524は、楽曲振分部523により生成された選曲候補リストのデータを赤外線や近距離無線等により該当する利用者の端末装置1に送信する機能を有している。選曲受信部525は、端末装置1からカラオケ演奏する選曲の指示を受信し、カラオケ制御アプリ51に指示を伝える機能を有している。
【0032】
図3は端末装置1、サーバ装置3およびカラオケ機器5のハードウェア構成例を示す図である。
図3において、端末装置1等は、バス107を介して相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)/SSD(Solid State Drive)104、接続I/F(Interface)105、通信I/F106を備えている。CPU101は、RAM103をワークエリアとしてROM102またはHDD/SSD104等に格納されたプログラムを実行することで、端末装置1等の動作を統括的に制御する。接続I/F105は、端末装置1等の内部または外部に接続される機器とのインタフェースである。内部または外部に接続される機器としては、カメラ、マイク、モニタ、スピーカ等がある。通信I/F106は、ネットワークを介して他の情報処理装置と通信を行うためのインタフェースである。
【0033】
図2で説明した端末装置1等の機能は、CPU101において所定のプログラムが実行されることで実現される。プログラムは、記録媒体を経由して取得されるものでもよいし、ネットワークを経由して取得されるものでもよいし、ROM組込でもよい。
【0034】
<動作>
図4は上記の実施形態における端末装置1における処理例を示すフローチャートである。この処理は、楽曲の試聴中における利用者の行動により、楽曲ごとにポイントおよびフラグを付与し、視聴の態様を示すデータを取得するものである。
【0035】
図5は行動とポイントおよび付加フラグの対応の例を示す図である。この例では、行動「楽曲を聴いているだけ」の場合に3ポイントを加算し、「聴フラグ」の付加と、「聴フラグ」へ1ポイントを加算するものとしている。「聴フラグ」は聴いているだけであることを示している。3ポイントの加算としたのは、楽曲を聴いているだけでカラオケで歌うための練習をしているわけでは無いと考えられるためである。
【0036】
行動「曲に合わせ口パク/鼻歌」の場合は、5ポイントを加算し、「歌フラグ」を付加するものとしている。「歌フラグ」は何らかの態様で歌っていたことを示している。5ポイントの加算としたのは、カラオケの練習をしている可能性はあるが、ハッキリとは歌っていないため、実際に歌うよりは数値は低めとするためである。
【0037】
行動「曲に合わせて歌う」の場合は、10ポイントを加算し、「歌フラグ」を付加するものとしている。10ポイントの加算としたのは、実際に声を出して歌っていることにより、カラオケの練習をしている可能性高と判断できるからである。
【0038】
行動「曲と歌詞に合わせて歌う」の場合は、15ポイントを加算し、「歌フラグ」を付加するものとしている。15ポイントの加算としたのは、声を出して歌うことに加え、歌詞を参照しているため、さらにカラオケの練習をしている可能性が高いと判断できるからである。
【0039】
このように、カラオケで歌う練習のための視聴としての積極性に応じて高いポイントを付与するようにしている。なお、ポイントの数値はあくまでも例示であり、例示のポイントに限定されるものではない。また、行動の分類は例示のものに限られない。
【0040】
図4に戻り、音楽再生アプリ11が起動されてカラオケ選曲支援アプリ12の行動記録部13が処理を開始すると、カメラ制御部131およびマイク制御部132により裏(バックグラウンド)でカメラ(フロントカメラ)とマイクを起動する(ステップS101)。
【0041】
次いで、音楽再生アプリ11により楽曲が起動されると、楽曲ID取得部133により音楽再生アプリ11から楽曲IDを取得する(ステップS102)。
【0042】
次いで、クラウドデータ入出力部138によりサーバ装置3からクラウド上のデータ(利用者の楽曲ごとのポイントおよびフラグの状態を示すデータ)を取得(ロード)する(ステップS103)。
【0043】
次いで、歌声検出部134、鼻歌・口パク検出部135および歌詞参照検出部136により検出される、利用者の楽曲の試聴中の行動を記憶領域に保存(セーブ)する(ステップS104)。
【0044】
次いで、楽曲が終了すると(ステップS105)、記憶領域に保存していた楽曲の試聴中の行動を取得(ロード)する(ステップS106)。
【0045】
以下、フラグ・ポイント管理部137は、楽曲の試聴中の行動に応じて、利用者に対し楽曲ごとにポイントやフラグの追加を行う。
【0046】
先ず、フラグ・ポイント管理部137は、歌声検出部134により曲に合致する利用者の歌声を検出したか否か判断する(ステップS107)。なお、検出は楽曲の試聴中に何度となく行われるため、検出の頻度や割合が所定の閾値を超えた場合に歌声を検出したと判断する。
【0047】
曲に合致する利用者の歌声を検出したと判断した場合(ステップS107のYes)、フラグ・ポイント管理部137は、歌詞参照検出部136により利用者の歌詞の参照を検出したか否か判断する(ステップS108)。なお、検出は楽曲の試聴中に何度となく行われるため、検出の頻度や割合が所定の閾値を超えた場合に歌詞の参照を検出したと判断する。
【0048】
利用者の歌詞の参照を検出したと判断した場合(ステップS108のYes)、フラグ・ポイント管理部137は利用者の当該楽曲に対して例えば「15ポイント」を追加し(ステップS109)、「歌フラグ」を追加する(ステップS113)。
【0049】
また、利用者の歌詞の参照を検出しなかったと判断した場合(ステップS108のNo)、例えば「10ポイント」を追加し(ステップS110)、「歌フラグ」を追加する(ステップS113)。
【0050】
また、曲に合致する利用者の歌声を検出しなかったと判断した場合(ステップS107のNo)、フラグ・ポイント管理部137は、鼻歌・口パク検出部135により曲に合致する鼻歌や口パクを検出したか否か判断する(ステップS111)。なお、検出は楽曲の試聴中に何度となく行われるため、検出の頻度や割合が所定の閾値を超えた場合に鼻歌や口パクを検出したと判断する。
【0051】
曲に合致する鼻歌や口パクを検出したと判断した場合(ステップS111のYes)、例えば「5ポイント」を追加し(ステップS112)、「歌フラグ」を追加する(ステップS113)。
【0052】
また、曲に合致する鼻歌や口パクを検出しなかったと判断した場合(ステップS111のNo)、フラグ・ポイント管理部137は、歌声検出部134により楽曲の再生音量が視聴に耐えるだけの音量であるか否かを検出することにより、楽曲の試聴のみであるか否か判断する(ステップS114)。なお、検出は楽曲の試聴中に何度となく行われるため、検出の頻度や割合が所定の閾値を超えた場合に楽曲の試聴を検出したと判断する。
【0053】
楽曲の試聴のみであると判断した場合(ステップS114のYes)、フラグ・ポイント管理部137は、例えば「3ポイント」を追加し(ステップS115)、「聴フラグ」の追加および「聴フラグ」のポイントを「1ポイント」追加する(ステップS116)。楽曲の試聴のみでないと判断した場合(ステップS114のNo)、ポイントおよびフラグの付与は行わない。
【0054】
なお、楽曲の試聴のみの場合については、利用者が歌詞を目で追っているか否かを区別していないが、それらを区別し、歌詞を目で追いながら視聴している場合には、単に視聴している場合よりも追加するポイントを増やしてもよい。
【0055】
その後、フラグ・ポイント管理部137は、当該楽曲についてポイントやフラグが追加されたデータにおいて「聴フラグ」と「歌フラグ」が同居するか否か判断する(ステップS117)。
【0056】
「聴フラグ」と「歌フラグ」が同居すると判断した場合(ステップS117のYes)、フラグ・ポイント管理部137は、「聴フラグ」のポイントの補正として、例えば3倍にする(ステップS118)。蓄積されたデータの中で、同じ楽曲について「聴フラグ」と「歌フラグ」が同居しているということは、その利用者は単に歌っているだけではなく、カラオケの練習を積極的に行っていると評価することができるためである。「聴フラグ」と「歌フラグ」が同居しないと判断した場合(ステップS117のNo)、「聴フラグ」のポイントの補正は行わない。
【0057】
次いで、クラウドデータ入出力部138によりサーバ装置3に対して楽曲のポイントとフラグの最新のデータを送信し、クラウド上のデータを更新する(ステップS119)。
【0058】
その後、音楽再生アプリ11を続けて使用する場合(ステップS120のYes)は、楽曲の起動(ステップS102)の待機から処理を繰り返し、音楽再生アプリ11を続けて使用しない場合(ステップS120のNo)は、行動記録部13の処理を終了する。
【0059】
なお、上述した処理フローはあくまでも一例であり、処理に矛盾が生じない範囲で処理の順序を変えてもよいし、同様の処理結果を得られる他の処理に変更してもよい。
【0060】
次に、
図6は上記の実施形態におけるカラオケ機器5における処理例を示すフローチャートである。すなわち、端末装置1を所持した利用者がカラオケ店4のカラオケ機器5の前に集まってカラオケを行う場合の処理例である。
【0061】
図6において、端末装置1の相互認識部141とカラオケ機器5の相互認識部521は、赤外線や近距離無線等により通信を行い、相互に認識を行う(ステップS201)。
【0062】
次いで、カラオケ機器5のカラオケ選曲支援アプリ52は、端末装置1のクラウドデータ取得部142およびデータ送信部143とカラオケ機器5のデータ受信部522により、サーバ装置3から利用者の楽曲ごとの合計ポイントを示すデータ(楽曲履歴情報)を取得する(ステップS202)。なお、利用者の楽曲ごとの合計ポイントを示すデータはデータの取得時に計算してもよいし、予めサーバ装置3において保持させておいてもよい。
図7はサーバ装置3から端末装置1A、1Bを介してカラオケ機器5が楽曲情報を取得する例を示している。なお、AさんとBさんの2人について示しているが、参加者の人数は3人以上でもかまわないことはいうまでもない。参加者の端末装置1を介して各利用者のデータを取得することで、個人情報のセキュリティを確保することができる。
【0063】
次いで、
図6に戻り、カラオケ選曲支援アプリ52の楽曲振分部523は、各利用者のデータに共通の楽曲(重複する楽曲)が存在するか否か判断する(ステップS203)。サーバ装置3から取得した各利用者のデータに含まれる楽曲IDは音楽再生アプリ11のベンダ等により付与のルールが異なるため、単純に一致するか否かによっては重複を判断することができない。そのため、基準となる固有ID(公的な団体等が定めたものであることが望ましい)と楽曲IDの対応関係を予め保持することにより、いったん固有IDに置き換えた上で重複の判断(マッチング)を行う。
図8は固有IDによる楽曲のマッチングの例を示しており、横一例が同じ楽曲に付された固有IDと利用者Aさんの楽曲IDと利用者Bさんの楽曲IDを示している。なお、異なる楽曲に同じ楽曲IDが付与されることがある場合には、利用者から取得するデータの楽曲IDに、音楽再生アプリ11のベンダやアプリを識別する情報を付加してもよい。
【0064】
また、利用者から取得するデータの楽曲IDに、楽曲の特徴量(音声信号の周波数や振幅の変化の特徴を示す情報)を付加し、固有IDと対応付けられた基準となる楽曲の特徴量と比較することで楽曲を特定してもよい。更に、利用者から取得するデータの楽曲IDに、曲名や歌手名(アーティスト名)等を識別する情報を付加し、固有IDと対応付けられた基準となる楽曲の曲名や歌手名等と比較することで楽曲を特定してもよい。
【0065】
図6に戻り、共通の楽曲が存在すると判断した場合(ステップS203のYes)、楽曲振分部523は、共通の楽曲について、固有IDと各楽曲IDを紐付けて保持する(ステップS204)。
【0066】
次いで、楽曲振分部523は、複数の利用者の間で共通する楽曲のそれぞれについての合計ポイントを比較し、優先度付けを行う(ステップS205)。
図9は固有IDにより紐付けされた楽曲それぞれのポイントの比較の例を示す図である。例えば、固有ID「C87240」の楽曲の場合、Aさんの合計ポイントが「200」で、Bさんの合計ポイントが「300」であるため、Bさんの合計ポイントがAさんの合計ポイントを上回り、Bさんの優先度が高くなる。すなわち、この楽曲は、Bさんの選曲候補リストには優先度高の順番で追加され、Aさんの選曲候補リストには優先度低で追加されることになる。
【0067】
なお、単に歌っている回数が多い方が保有ポイントが高くなるわけではなく、視聴回数に応じて合計ポイントが補正(
図4のステップS118)されている場合がある。例えば、固有ID「D55879」の楽曲の場合、Aさんの合計ポイントが「136」で、Bさんの合計ポイントが「120」であるため、Aさんの合計ポイントがBさんの合計ポイントを上回り、Aさんの優先度が高くなる。
図10はその楽曲についてのAさんとBさんの行動を示しており、歌った回数はAさんの10回に対してBさんが12回でBさんが若干上回っているが、聴いた回数はAさんが4回なのに対しBさんは0回であり、Aさんには補正のポイントが「36」加算されたことで、Aさんが合計ポイントで上回っている。すなわち、楽曲を数回聴いた後に音合わせのために歌ったAさんには、視聴回数分の補正が掛かり、歌っている回数では勝っていたBさんよりも合計ポイントが高くなっている。
【0068】
図6に戻り、共通の楽曲が存在しないと判断した場合(ステップS203のNo)、固有IDと各楽曲IDの紐付け(ステップS204)と合計ポイントの比較(ステップS205)は行わない。
【0069】
次いで、楽曲振分部523は、利用者ごとに楽曲候補優先度を抽出し(ステップS206)、利用者ごとに選曲候補リストを生成する(ステップS207)。例えば、カラオケに参加している他の利用者と重複する楽曲については、優先度の序列が1番以外の楽曲については序列に応じて所定ポイント(序列が下になるほど大きな値)を合計ポイントから差し引く。また、重複しない楽曲については合計ポイントのままとし、その利用者の行動から取得した全ての楽曲について、合計ポイントの高い順にソートして上位の所定数の楽曲を選曲候補リストにする。このように、利用者の普段の行動(楽曲利用)に応じて、優先度を決定することにより、その時々のメンバーに応じて優先度が割り出されるため、利用者間での関係性をあらかじめ登録等する必要が無い。また、選曲候補リストには重複の有無を示すフラグを付加してもよい。
【0070】
次いで、結果送信部524により各利用者の端末装置1に選曲候補リストを送信し(ステップS208)、処理を終了する。
図11はカラオケ機器5から端末装置1A、1Bへ選曲候補リストを送信する例を示している。
【0071】
端末装置1は、データ受信部144により選曲候補リストを受信すると、候補リスト表示部145により画面上に選曲候補リストを表示する。
図12は端末装置1A、1Bでの選曲候補リストの表示の例を示している。なお、他の利用者との重複の有無を楽曲ごとに併せて表示してもよい。これにより、他のメンバが知らない楽曲を選曲してしまって場がしらけてしまうのを防止することができる。更に、選曲候補リストには他のメンバと共通する楽曲だけを表示するようにしてもよい。
【0072】
利用者は、端末装置1の画面に表示された選曲候補リストから所望の楽曲を選択すると、選曲受付部146により選曲が受け付けられ、選曲送信部147によりカラオケ機器5に選曲された楽曲のID(楽曲IDまたは固有ID)を送信する。カラオケ機器5の選曲受信部525は楽曲のIDを受信すると、カラオケ制御アプリ51に選曲の指示を行い、演奏が予約される。
【0073】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、カラオケに参加する任意の利用者に対し利用者個々の行動に基づいた選曲支援を行うことができ、楽曲が重複した場合でも誰が歌うかを当事者間で相談する必要がなくなり、よりカラオケの場を盛り上げることができる。
【0074】
以上、好適な実施の形態により説明した。ここでは特定の具体例を示して説明したが、特許請求の範囲に定義された広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により限定されるものと解釈してはならない。
【0075】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
カラオケに参加する複数の利用者の端末装置から、前記利用者が個々の楽曲に対して行った視聴の態様を示すデータを取得する手段と、
前記データから前記複数の利用者に共通する楽曲が存在する場合に、前記データの示す視聴の態様に基づいて優先順位付けを行う手段と、
前記データおよび前記優先順位付けの結果に基づいて選曲の候補を提示する手段と、
を備えたことを特徴とする選曲支援装置。
(付記2)
前記端末装置からネットワーク上のサーバ装置に蓄積された前記データを、カラオケに参加する際に前記サーバ装置から前記端末装置を介して取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の選曲支援装置。
(付記3)
前記選曲の候補を前記端末装置に送信して表示させる、
ことを特徴とする付記1または2に記載の選曲支援装置。
(付記4)
前記端末装置に表示された前記選曲の候補から利用者により選択された楽曲を演奏の対象となる楽曲として受け付ける、
ことを特徴とする付記3に記載の選曲支援装置。
(付記5)
前記視聴の態様は、優先順位が低い順に、曲を聴いているだけの態様、曲に合わせ口パクまたは鼻歌を歌っている態様、曲に合わせて歌っている態様、および、曲と歌詞に合わせて歌っている態様を含む、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の選曲支援装置。
(付記6)
前記データから歌を歌っている態様と曲を聴いている態様とが検出された楽曲について、優先順位を高める補正を行う、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の選曲支援装置。
(付記7)
カラオケに参加する複数の利用者の端末装置から、前記利用者が個々の楽曲に対して行った視聴の態様を示すデータを取得し、
前記データから前記複数の利用者に共通する楽曲が存在する場合に、前記データの示す視聴の態様に基づいて優先順位付けを行い、
前記データおよび前記優先順位付けの結果に基づいて選曲の候補を提示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする選曲支援プログラム。
(付記8)
前記端末装置からネットワーク上のサーバ装置に蓄積された前記データを、カラオケに参加する際に前記サーバ装置から前記端末装置を介して取得する、
ことを特徴とする付記7に記載の選曲支援プログラム。
(付記9)
前記選曲の候補を前記端末装置に送信して表示させる、
ことを特徴とする付記7または8に記載の選曲支援プログラム。
(付記10)
前記端末装置に表示された前記選曲の候補から利用者により選択された楽曲を演奏の対象となる楽曲として受け付ける、
ことを特徴とする付記9に記載の選曲支援プログラム。
(付記11)
前記視聴の態様は、優先順位が低い順に、曲を聴いているだけの態様、曲に合わせ口パクまたは鼻歌を歌っている態様、曲に合わせて歌っている態様、および、曲と歌詞に合わせて歌っている態様を含む、
ことを特徴とする付記7乃至10のいずれか一項に記載の選曲支援プログラム。
(付記12)
前記データから歌を歌っている態様と曲を聴いている態様とが検出された楽曲について、優先順位を高める補正を行う、
ことを特徴とする付記7乃至11のいずれか一項に記載の選曲支援プログラム。
(付記13)
カラオケに参加する複数の利用者の端末装置から、前記利用者が個々の楽曲に対して行った視聴の態様を示すデータを取得し、
前記データから前記複数の利用者に共通する楽曲が存在する場合に、前記データの示す視聴の態様に基づいて優先順位付けを行い、
前記データおよび前記優先順位付けの結果に基づいて選曲の候補を提示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする選曲支援方法。
(付記14)
前記端末装置からネットワーク上のサーバ装置に蓄積された前記データを、カラオケに参加する際に前記サーバ装置から前記端末装置を介して取得する、
ことを特徴とする付記13に記載の選曲支援方法。
(付記15)
前記選曲の候補を前記端末装置に送信して表示させる、
ことを特徴とする付記13または14に記載の選曲支援方法。
(付記16)
前記端末装置に表示された前記選曲の候補から利用者により選択された楽曲を演奏の対象となる楽曲として受け付ける、
ことを特徴とする付記15に記載の選曲支援方法。
(付記17)
前記視聴の態様は、優先順位が低い順に、曲を聴いているだけの態様、曲に合わせ口パクまたは鼻歌を歌っている態様、曲に合わせて歌っている態様、および、曲と歌詞に合わせて歌っている態様を含む、
ことを特徴とする付記13乃至16のいずれか一項に記載の選曲支援方法。
(付記18)
前記データから歌を歌っている態様と曲を聴いている態様とが検出された楽曲について、優先順位を高める補正を行う、
ことを特徴とする付記13乃至17のいずれか一項に記載の選曲支援方法。