【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。
本発明に用いた化合物およびその合成例を以下に示す。得られた化合物は、
1H−NMR分析により、分子設計どおりのEO/PO比率であることを確認した。
なお、表1および表2に合成した化合物を示す。実施例および比較例中の配合量は質量%である。
【0030】
(化合物A−1の合成)
オートクレーブに、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(商品名:キョーワノールOX、KHネオケム(株)製)348.6g(2mol)および水酸化ナトリウム0.3gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら110℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド176.2g(4mol)を約8時間かけて滴下した後、2時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和し、含有する水分を除去するため、120℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、498.0gの化合物A−1を得た。
【0031】
(化合物A−2〜A−8の合成)
上記化合物A−1の合成に準じて、表1に示す化合物A−2〜A−8を合成した。
なお、化合物A−8の合成に際しては、イソトリデシルアルコール(製品名:エクサール13、エクソンモービル社製)を用いた。
【0032】
【表1】
【0033】
(化合物B−1の合成)
オートクレーブに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(商品名:ノナノール、KHネオケム(株)製)433. 0g(3mol)および水酸化カリウム4gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド264g(6mol)を約8時間かけて滴下した後、1時間反応させた。続いて滴下装置によりプロピレンオキシド523g(9mol)を5時間かけて滴下した後、3時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和し、含有する水分を除去するため、120℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、1160gの化合物B−1を得た。
【0034】
(化合物B−2〜B−9の合成)
上記化合物B−1の合成に準じて、表2に示す化合物B−2〜B−9を合成した。
なお、化合物B−9の合成に際しては、イソトリデシルアルコール(製品名:エクサール13、エクソンモービル社製)を用いた。
【0035】
【表2】
【0036】
〔実施例1〕
(リンス剤の調製)
ビーカーに化合物A−1:0.7g、化合物B−1:0.3g、水道水:499.0gを秤量し、撹拌を行うことで、界面活性剤濃度0.2%のリンス剤を調製した。
調製されたリンス剤について以下の評価を行なった。
【0037】
(濡れ性の評価)
ガラス板に対する実施例1のリンス剤の接触角(測定装置:協和界面化学(株)製、Drop Masterシリーズ、DM−501)を測定した。実施例1のリンス剤を、18Gのフッ素樹脂コート針を装着したガラスシリンジに充填し、液滴量を2.0μLに調整し、着滴1秒後の接触角の測定を行った。1サンプルにつき5回の測定を行い、その平均値を接触角の値とした。なお、評価は以下の基準で行った。結果を表3に示す。実施例1のリンス剤の接触角は29°であった。
◎(優):接触角が35°未満
○(良):接触角が35°以上、40°以下
×(不可):接触角が40°超
【0038】
(泡立ちの評価)
1000mLのトールメスシリンダーに実施例1のリンス剤:200mLを泡が立たないように加え、温度:25℃で、ディフーザーストーンを用いてAirを200mL/分で吹き込み、3分後の泡立ちを確認した。泡立ちの評価は、メスシリンダーのメモリを読み取り、泡の容量を測定することで行なった。なお、評価は以下の基準で行った。結果を表3に示す。実施例1のリンス剤の泡の容量は60mLであった。
◎(優):100mL未満
○(良):100mL以上、200mL未満
×(不可):200mL以上
【0039】
(水切れの評価)
ガラス板(76mm×26mm)の長辺を鉛直方向として、実施例1のリンス剤に3cm浸漬させた後、ゆっくりと引き上げ、ガラス板を鉛直に吊るした状態で、室温で10分間静置し、浸漬前と10分静置後の重量の差を測定した。ブランクとして水道水を用いた場合の測定も行い、実施例1のリンス剤とブランクの水残り量を比較し、下記式3にて水残り量の減少率を算出した。なお、評価は以下の基準で行った。結果を表3に示す。ブランクの水残り量は70mg、実施例1のリンス剤の水残り量は15mgであり、下記式3から水残り量の減少率を算出すると79%であった。
(式3) 水残り量の減少率(%)={1−(リンス剤の水残り量)/(ブランクの水残り量)}×100
◎(優):水残り量の減少率が80%以上
○(良):水残り量の減少率が60%以上、80%未満
×(不可):水残り量の減少率が60%未満
【0040】
(界面活性剤の残存率の評価)
ガラス板(76mm×26mm)の長辺を鉛直方向として、実施例1のリンス剤に4cm浸漬させた後、ゆっくりと引き上げ、ガラス板の平面を上に向けた状態で、150℃の恒温槽で60分間静置した。その後、乾燥させたガラス板に対する水道水の接触角を測定することで、ガラス板表面の界面活性剤残量を評価した。フッ素樹脂コート針18Gを装着したガラスシリンジに水道水を充填し、液滴量を2.0μLに調整し、乾燥させたガラス板に着滴1秒後の接触角の測定を行った。1サンプルにつき5回の測定を行い、その平均値を接触角の値とした。なお、ブランクとして清浄なガラス板を用いた場合の水道水の接触角も測定し、実施例1のリンス剤に浸漬後乾燥させたガラス板とブランクのガラス板に対する接触角を比較し、下記式4にて接触角の減少率を算出した。
ガラス板表面に界面活性剤が多く残っている場合、ブランクに対して水道水の接触角は減少することから、評価は以下の基準で行った。結果を表3に示す。ブランクの接触角は58°、実施例1のリンス剤乾燥後の接触角は57°であり、下記式3から接触角減少率を算出すると2%であった。
(式4) 接触角減少率(%)={1−(リンス剤乾燥後の接触角)/(ブランクの接触角)}×100
◎:接触角減少率が10%未満
○:接触角減少率が10%以上、20%未満
△:接触角減少率が20%以上、30%未満
×:接触角減少率が30%以上
【0041】
〔実施例2〜8〕
上記実施例1に準じて、リンス剤を調製し評価を行った。結果を表3に示す。
【0042】
〔比較例1〜13〕
上記実施例1に準じて、リンス剤を調製し評価を行った。結果を表4および表5に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
表3の結果から、化合物A−1〜A−3と、化合物B−1〜B−3とを特定の割合で配合し、調製したリンス剤は、優れた濡れ性、水切れ、低泡性を示すだけでなく、洗浄乾燥後の洗浄物表面への界面活性剤の残存率が極めて低いことが分かる。
【0047】
これに対して、表4および表5に示す結果から、本発明の規定範囲から外れる比較例1〜13では本発明の効果が得られないことが分かる。
比較例1は、一般式(2)で表される化合物におけるオキシプロピレン基の付加モル数が本発明規定の範囲の下限値よりも小さく、一般式(2)におけるb/aが本発明規定の範囲の上限値よりも大きいために、低泡性に劣る。
比較例2は、一般式(2)で表される化合物のオキシエチレン基の付加モル数が本発明規定の範囲の上限値よりも大きいため、界面活性剤の残存率が高くなる。
比較例3は、一般式(2)で表される化合物のアルキル基の分岐数が本発明規定の範囲の下限値よりも小さいため、濡れ性と低泡性に劣る。
比較例4は、一般式(2)で表される化合物のアルキル基が直鎖状であるために、低泡性に劣り、界面活性剤の残存率が若干高くなる。
比較例5は、一般式(2)で表される化合物のアルキル基の炭素数および分岐数が本発明規定の範囲の下限値よりも小さいため、低泡性に劣り、界面活性剤の残存率が若干高くなる。
比較例6は、一般式(2)で表される化合物のアルキル基の炭素数が本発明規定の範囲の上限値よりも大きいため、低泡性に劣り、また界面活性剤の残存率が高くなる。
【0048】
比較例7は、一般式(1)で表される化合物のオキシエチレン基の付加モル数が本発明規定の範囲の上限値よりも大きいため、低泡性に劣り、さらに界面活性剤の残存率が高くなる。
比較例8は、一般式(1)で表される化合物におけるアルキル基の炭素数が本発明規定の範囲の下限値よりも小さいために、濡れ性と水切れに劣る。
比較例9は、一般式(1)で表される化合物のアルキル基が直鎖状であるために、低泡性に劣り、界面活性剤の残存率が若干高くなる。
比較例10は、一般式(1)で表される化合物のアルキル基の炭素数が本発明規定の範囲の上限値よりも大きいため、低泡性に劣る。
比較例11は、一般式(1)で表される化合物のアルキル基の炭素数が本発明規定の範囲の上限値よりも大きく、またオキシエチレン基の付加モル数が本発明規定の範囲の上限値よりも大きいために、低泡性に劣り、さらに界面活性剤の残存率が高くなる。
【0049】
比較例12は、一般式(1)で表される(A)成分の含有量が本発明規定の範囲の上限値よりも多く、一般式(2)で表される(B)成分の含有量が本発明規定の範囲の下限値よりも少ないために、濡れ性および低泡性に劣る。
比較例13は、一般式(1)で表される(A)成分の含有量が本発明規定の範囲の下限値よりも少なく、一般式(2)で表される(B)成分の含有量が本発明規定の範囲の上限値よりも多いために、水切れに劣り、界面活性剤の残存率が高くなる。