特許第6604274号(P6604274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6604274出力制御装置、出力制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604274
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】出力制御装置、出力制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20191031BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20191031BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20191031BHJP
【FI】
   H04N5/232 160
   H04N5/93
   G06F3/0488
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-118488(P2016-118488)
(22)【出願日】2016年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-224967(P2017-224967A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2018年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 英明
(72)【発明者】
【氏名】織田 将宏
(72)【発明者】
【氏名】土橋 孝基
(72)【発明者】
【氏名】羽斗 潤一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 章吾
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩良
(72)【発明者】
【氏名】奥村 亮
【審査官】 ▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−041333(JP,A)
【文献】 特開2011−221821(JP,A)
【文献】 特開2014−123159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G06F 3/0488
H04N 5/93
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
ユーザの指により接触操作される接触入力手段と、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する設定手段と、
前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置を識別可能に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記設定手段により設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段により検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする出力制御装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致する場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの前記接触操作領域を設定することを特徴とする請求項に記載の出力制御装置。
【請求項3】
複数種類の互いに異なる前記第1の接触操作の軌跡の特徴と、コンテンツを出力する際の互いに異なる制御内容とを対応付けて記録する記録手段を更に備え、
前記設定手段は、前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡と予め前記記録手段に記録されている所定の軌跡の特徴が一致する場合に、前記接触操作領域を設定するとともに、前記第1の接触操作の軌跡の特徴と対応付けられている制御内容を設定し、
前記表示制御手段は、前記設定手段により設定された制御内容に対応する接触操作用画像を前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置に表示させる制御を行い、
前記出力制御手段は、前記第2の検出手段により検出された前記接触操作用画像上での前記第2の接触操作に基づいて、前記設定手段により設定された制御内容でコンテンツの出力を制御することを特徴とする請求項又はに記載の出力制御装置。
【請求項4】
コンテンツは、動画像であり、
前記設定手段は、前記接触操作領域を設定するとともに、前記第1の接触操作の軌跡の特徴と対応付けられている前記動画像を再生する際の制御内容を設定し、
前記表示制御手段は、前記動画像を再生する際、前記設定手段により設定された制御内容に対応する接触操作用画像を前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置に表示させる制御を行い、
前記出力制御手段は、前記第2の検出手段により検出された前記接触操作用画像上での前記第2の接触操作に基づいて、前記接触操作用画像に対応する制御内容で前記動画像の再生を制御することを特徴とする請求項に記載の出力制御装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、更に、
前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致しないか、或いは、前記設定手段により前記接触操作領域が設定されている状態で前記第2の接触操作以外の接触操作が行われた場合には、前記第2の接触操作に基づいて行われる制御内容とは異なる制御内容でコンテンツの出力を制御することを特徴とする請求項又はに記載の出力制御装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記第1の接触操作が所定の種類の接触操作である場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの前記接触操作領域を設定することを特徴とする請求項の何れか一項に記載の出力制御装置。
【請求項7】
前記出力制御手段は、更に、
前記第1の接触操作が所定の種類の接触操作である場合に、当該第1の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御することを特徴とする請求項に記載の出力制御装置。
【請求項8】
コンテンツは、動画像であり、
前記設定手段は、前記第1の接触操作がピンチ操作である場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの前記接触操作領域を設定し、
前記出力制御手段は、前記第1の接触操作がピンチ操作である場合に、当該第1の接触操作に基づいて、前記表示手段に表示されている前記動画像の一部分の寸法を変更して表示させる制御を行い、前記第2の検出手段により検出された前記第2の接触操作に基づいて、前記動画像の寸法を変更して表示される一部分を移動させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の出力制御装置。
【請求項9】
前記設定手段は、
前記第2の検出手段により検出される前記第2の接触操作の終了に基づいて、前記接触入力手段上での前記接触操作領域の設定を解除することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の出力制御装置。
【請求項10】
前記設定手段は、
前記接触入力手段上における前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡に対応する位置に前記接触操作領域を設定することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の出力制御装置。
【請求項11】
表示手段と、ユーザの指により接触操作される接触入力手段を備える出力制御装置を用いた出力制御方法であって、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡を検出する処理と、
検出された前記第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する処理と、
前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置を識別可能に表示させる制御を行う処理と、
設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する処理と、
検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する処理と、
を含むことを特徴とする出力制御方法。
【請求項12】
表示手段と、ユーザの指により接触操作される接触入力手段を備える出力制御装置のコンピュータに、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡を検出する機能と、
検出された前記第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する機能と、
前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置を識別可能に表示させる制御を行う機能と、
設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する機能と、
検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力制御装置、出力制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが動画再生における早送り、巻き戻し、スロー再生といった速度調整を行うことができるように操作子を備える表示装置が知られている。しかしながら、操作子は動画像の表示部とは別に設けられており、表示装置の小型化の妨げになるという問題があった。
そこで、タッチパネル上におけるスライド操作の方向と速度とにより、動画像の再生速度を制御する技術(例えば、特許文献1参照)や、ユーザがタッチパネル上の位置と再生速度の関係を識別可能となるように動画像の表示に半透過で複数の再生速度を表示する技術(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−104594号公報
【特許文献2】特開2010−176575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献等の場合、再生速度を制御するための操作量や操作位置等に制限があり、必ずしもユーザにとって使い易いものとはいえない。また、動画像の再生に限らず、静止画像の画像送りやWebページの表示スクロール、音楽の再生などでも同様の問題が起こりうる。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、コンテンツの出力の制御をより容易な操作で行うことができる出力制御装置、出力制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、
出力制御装置であって、
表示手段と、
ユーザの指により接触操作される接触入力手段と、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作を行う前記ユーザの指の数と軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する設定手段と、
前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置を識別可能に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記設定手段により設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段により検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンテンツの出力の制御をより容易な操作で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図1の撮像装置に記録されている制御対応付けテーブルの一例を示す図である。
図3図1の撮像装置による再生処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図4図3の再生処理におけるコントローラ操作処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図5図3の再生処理を説明するための図である。
図6図3の再生処理を説明するための図である。
図7図3の再生処理を説明するための図である。
図8図3の再生処理を説明するための図である。
図9】第1のコントローラ画像を用いた操作方法を説明するための図である。
図10図3の再生処理に係る制御内容の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の撮像装置100は、具体的には、中央制御部1と、メモリ2と、撮像部3と、画像処理部4と、画像記録部5と、表示部6と、操作入力部7と、スピーカ部8と、テーブル記録部9と、動作処理部10と、を備えている。
また、中央制御部1、メモリ2、撮像部3、画像処理部4、画像記録部5、表示部6、操作入力部7、スピーカ部8、テーブル記録部9及び動作処理部10は、バスライン11を介して接続されている。
【0011】
中央制御部1は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部1は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)等を備え、撮像装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0012】
メモリ2は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部1、動作処理部10等によって処理されるデータ等を一時的に格納する。
【0013】
撮像部3は、所定の被写体を任意の撮像フレームレートで撮像してフレーム画像を生成する。具体的には、撮像部3は、レンズ部3aと、電子撮像部3bと、撮像制御部3cとを備えている。
【0014】
レンズ部3aは、例えば、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部3bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ(撮像素子)から構成されている。そして、電子撮像部3bは、レンズ部3aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
【0015】
撮像制御部3cは、撮像部3による被写体の撮像を制御する。
すなわち、撮像制御部3cは、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部3cは、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部3bを走査駆動して、レンズ部3aを通過した光学像を電子撮像部3bにより所定周期毎に二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部3bの撮像領域から1画面分ずつフレーム画像を読み出して画像処理部4に出力させる。
また、撮像制御部3cは、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体を撮像する際の条件の調整制御を行う。
【0016】
なお、撮像部3は、レンズ部3a、電子撮像部3b及び撮像制御部3cに加えて、レンズ部3aを通過する光の量を調整する絞り、ズームレンズを光軸方向に移動させるズーム駆動部、フォーカスレンズを光軸方向に移動させる合焦駆動部等(何れも図示略)を備えていても良い。
【0017】
画像処理部4は、電子撮像部3bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対して各種の画像信号処理を施す。具体的には、画像処理部4は、電子撮像部3bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対してRGBの色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
また、カラープロセス回路から出力される輝度信号Y及び色差信号Cb,Crは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用されるメモリ2にDMA転送される。
【0018】
画像記録部5は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成され、画像処理部4の符号化部(図示略)により所定の圧縮形式で符号化された動画像や静止画像の記録用の画像データを記録する。
動画像のファイル形式の一例としては、例えば、横縦の画素数が1280×720pixel、撮像フレームレートが30fpsのMOV形式やH.264/AVCに準拠した形式である。また、音声付きの動画像の場合、例えば、音声はIMA-ADPCM形式(ステレオ音声)で符号化されている。
【0019】
なお、画像記録部5に記録されている画像データは、当該撮像装置100の撮像部3により撮像され記録されたものであっても良いし、外部の撮像装置(図示略)により撮像された後、当該撮像装置100に転送されて画像記録部5に記録されたものであっても良い。
また、画像記録部5は、例えば、記録媒体(図示略)が着脱自在に構成され、装着された記録媒体からのデータの読み出しや記録媒体に対するデータの書き込みを制御する構成であっても良い。
【0020】
表示部6は、表示パネル6aの表示画面に画像を表示する。
すなわち、表示部6は、画像処理部4により復号された所定サイズの画像データに基づいて、所定の画像を表示パネル6aの表示画面に表示する。また、表示部6は、後述するように、動作処理部10の出力制御部10eの制御下にて、任意の撮像フレームレートで撮影された動画像を所定の再生フレームレート(例えば、30fps)で再生する。
なお、表示パネル6aは、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)表示パネル等から構成されているが、一例であってこれらに限られるものではない。
【0021】
操作入力部7は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部7は、被写体の静止画像の撮像指示や動画像の録画開始指示及び録画終了指示に係るシャッタボタン、撮像モードや再生モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン、ズーム量の調整指示に係るズームボタン等(何れも図示略)を備えている。
そして、ユーザにより各種ボタンが操作されると、操作入力部7は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部1に出力する。中央制御部1は、操作入力部7から出力され入力された操作指示に従って所定の動作(例えば、動画像の再生等)を各部に実行させる。
【0022】
また、操作入力部7は、表示部6の表示パネル6aと一体となって設けられたタッチパネル(接触入力手段)7aを有している。
タッチパネル7aは、表示パネル6aの表示領域をなす表示画面に直接的若しくは間接的に接触するユーザの指(手)やタッチペン等の接触位置を検出する。すなわち、タッチパネル7aは、例えば、表示パネル6aの表示画面上或いは当該表示画面よりも内側に設けられ、静電容量方式、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式等の各種方式により、表示画面上における接触位置のXY座標を所定のサンプリング周期で検出する。そして、タッチパネル7aは、接触位置のXY座標に係る位置信号を動作処理部10に出力する。
【0023】
スピーカ部8は、中央制御部1のCPUの制御下にて、再生される音声付きの動画像の音声データをデータ変換部(図示略)によりD/A変換処理して音声を出力する。また、スピーカ部8は、ユーザによる操作入力部7の所定操作に応じて操作音を出力したり、アラーム音を出力したりしても良い。
【0024】
テーブル記録部(記録手段)9は、再生処理(後述)にて用いられる制御対応付けテーブルT(図2参照)を記録している。
制御対応付けテーブルTは、第1の接触操作がスワイプ操作である場合に用いられ、具体的には、図2に示すように、「軌跡の特徴」と、「制御内容」とが対応付けられている。
「軌跡の特徴」は、ユーザによる第1の接触操作(後述)の軌跡の特徴を表すものである。第1の接触操作は、例えば、軌跡の形状(例えば、「円」、「直線」、「直角線」、「曲線」等)、押圧量検知型のタッチパネルでは押圧量等を異ならせた複数種類がある。図2に示す制御対応付けテーブルTでは、「軌跡の特徴」として、第1の接触操作の軌跡の形状を例示する。
「制御内容」は、動画像を再生する際に行われる互いに異なる各種の制御の内容を表すものである。また、「制御内容」に規定されている各種の制御は、コントローラ画像C(図5(b)等参照)上の第2の接触操作(後述)に基づいて行われ、本実施形態では、「制御内容」に応じてコントローラ画像Cの種類を異ならせている(詳細後述)。
【0025】
具体的には、「軌跡の特徴」が円の軌跡形状を表す「形状:円」の場合、「制御内容」として、再生される動画像を所定のフレーム画像数毎に順方向或いは逆方向に送り再生(例えば、1フレーム画像毎のコマ送り再生等)したり、再生開始位置及び再生終了位置となるフレーム画像を設定するための「送り再生+始点及び終点の設定」が対応付けられている。また、「軌跡の特徴」が縦方向(y軸方向)の直線の軌跡形状を表す「形状:縦直線」の場合、「制御内容」として、音量を調整するための「音量の調整」が対応付けられている。また、「軌跡の特徴」が縦方向(y軸方向)の直線に連続した横方向(x)の直線の軌跡形状を表す「形状:直角線(縦横)」の場合、「制御内容」として、表示パネル6aに表示されるフレーム画像を探索するための「表示フレームの探索」が対応付けられている。
なお、上記した制御対応付けテーブルTにおける「軌跡の特徴」や「制御内容」は、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0026】
動作処理部10は、第1検出部10aと、設定部10bと、コントローラ表示制御部10cと、第2検出部10dと、出力制御部10eとを具備している。
なお、動作処理部10の各部は、例えば、所定のロジック回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0027】
第1検出部10aは、第1の接触操作の軌跡を検出する。
すなわち、第1検出部(第1の検出手段)10aは、ユーザによるタッチパネル7aに対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作の軌跡を検出する。
ここで、第1の接触操作には、例えば、ユーザの一本の指(例えば、人差し指等)をタッチパネル7aに接触させた状態で当該タッチパネル7a上の異なる位置が連続して接触操作されるスワイプ操作や、ユーザの二本の指(例えば、人差し指と親指等)をタッチパネル7aに接触させた状態で各指にて当該タッチパネル7a上の異なる位置が連続してそれぞれ接触操作されるピンチ操作等がある。
具体的には、タッチパネル7aは、第1の接触操作に応じてユーザにより接触操作されたそれぞれの接触位置のXY座標に係る位置信号を動作処理部10に出力する。第1検出部10aは、ユーザがタッチパネル7aに接触し、当該接触が解除されるまで当該タッチパネル7aから逐次出力される位置信号を逐次入力する。そして、第1測定部107aは、ユーザによる接触操作に応じて逐次入力された位置信号に基づいて、第1の接触操作の軌跡を検出する。例えば、スワイプ操作の場合には、第1の接触操作の一方向へ移動する軌跡が検出され、ピンチ操作の場合には、第1の接触操作の双方向へ移動する軌跡が検出される。
【0028】
設定部10bは、タッチパネル7a上に接触操作領域Aを設定する。
すなわち、設定部10bは、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡に応じた態様の接触操作領域Aをタッチパネル7a上に設定する。
具体的には、第1の接触操作がスワイプ操作の場合、設定部10bは、テーブル記録部9に記録されている制御対応付けテーブルTの「軌跡の特徴」の欄を参照して、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡の特徴(例えば、形状が「円」等)と予め設定されている所定の軌跡の特徴(例えば、「形状:円」等)とが一致するか否かを判定する。そして、設定部10bは、第1の接触操作の軌跡の特徴と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致すると判定すると、タッチパネル7a上における第1の接触操作の軌跡に対応する位置に当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの接触操作領域Aを設定する。
さらに、設定部10bは、制御対応付けテーブルTにおける、第1の接触操作の軌跡の特徴である「軌跡の特徴」と対応付けられている「制御内容」の欄を参照して、動画像を再生する際の制御内容(例えば、第1の接触操作の軌跡の特徴が「形状:円」の場合には、「送り再生+始点終点の設定」等)を設定する。つまり、設定部10bは、第1の接触操作の軌跡の特徴に応じて、異なる制御内容を設定する。
【0029】
また、第1の接触操作がピンチ操作(所定の種類の接触操作)の場合、設定部10bは、タッチパネル7a上における第1の接触操作の軌跡に対応する位置に当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの接触操作領域Aを設定する。さらに、設定部10bは、動画像を再生する際の制御内容として、動画像の寸法を変更して表示される一部分(例えば、拡大表示される動画像の一部分)の移動を設定する。
【0030】
また、後述する第2検出部により検出される接触操作領域A内でのユーザによる第2の接触操作の終了に基づいて、設定部10bは、タッチパネル7a上での接触操作領域Aの設定を解除する。つまり、設定部10bは、タッチパネル7a上におけるユーザにより第1の接触操作が行われた一部分の領域を接触操作領域Aとして設定した処理を終了させる。
【0031】
コントローラ表示制御部10cは、コントローラ画像Cを表示させる。
すなわち、コントローラ表示制御部(表示制御手段)10cは、設定部10bにより設定された動画像(コンテンツ)を再生する際の制御内容に対応するコントローラ画像C(接触操作用画像;図5(b)等参照)を、表示パネル6aにおける接触操作領域Aに対応する位置に表示させる。つまり、コントローラ表示制御部10cは、コントローラ画像Cにより表示パネル6aにおける接触操作領域Aに対応する位置を識別可能に表示させる。
具体的には、第1の接触操作がスワイプ操作の場合、上記した設定部10bによる接触操作領域A及び動画像を再生する際の制御内容の設定が行われると、コントローラ表示制御部10cは、制御内容に対応するコントローラ画像Cを接触操作領域Aに重畳させるように表示パネル6aにOSD(on-screen display)表示させる。
【0032】
例えば、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡の特徴が「形状:円」の場合(図5(a)参照)、設定部10bにより動画像を再生する際の制御内容として、「送り再生+始点終点の設定」が設定されると、コントローラ表示制御部10cは、フレーム画像の送り再生や再生開始位置及び再生終了位置の設定を行うための第1のコントローラ画像C1をOSD表示させる(図5(b)参照)。この第1のコントローラ画像C1は、例えば、外形が円形であり、その大きさ(例えば、直径)は、接触操作領域Aの大きさ、すなわち、第1の接触操作の軌跡の大きさと略等しくなっている。
また、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡の特徴が「形状:縦直線」の場合(図6(a)参照)、設定部10bにより動画像を再生する際の制御内容として、「音量の調整」が設定されると、コントローラ表示制御部10cは、音量を調整するための第2のコントローラ画像C2をOSD表示させる(図6(b)参照)。この第2のコントローラ画像C2は、例えば、外形が縦長のバー形状であり、その縦方向の長さは、接触操作領域Aの縦方向の長さ、すなわち、第1の接触操作の縦方向の軌跡の長さと略等しくなっている。
また、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡の特徴が「形状:直角線(縦横)」の場合(図7(a)参照)、設定部10bにより動画像を再生する際の制御内容として、「表示フレームの探索」が設定されると、コントローラ表示制御部10cは、フレーム画像を探索するための第3のコントローラ画像C3をOSD表示させる(図7(b)参照)。この第3のコントローラ画像C3は、例えば、外形が横長のバー形状であり、その横方向の長さは、接触操作領域Aの横方向の長さ、すなわち、第1の接触操作のうちの横方向(x)の直線の軌跡の長さと略等しくなっている。
なお、第1〜第3のコントローラ画像C1〜C3を用いた操作方法については、後述する。
【0033】
また、第1の接触操作がピンチ操作の場合、上記した設定部10bによる接触操作領域Aの設定が行われると、コントローラ表示制御部10cは、例えば、拡大表示される動画像の一部分を移動させるための第4のコントローラ画像C4を接触操作領域Aに重畳させるように表示パネル6aにOSD表示させる(図8(a)及び図8(b)参照)。この第4のコントローラ画像C4は、例えば、外形が円形であり、その大きさ(例えば、直径)は、接触操作領域Aの大きさ、すなわち、第1の接触操作の軌跡の長さと略等しくなっている。
なお、第4のコントローラ画像C4を用いた操作方法については、後述する。
【0034】
第2検出部10dは、第2の接触操作を検出する。
すなわち、第2検出部(第2の検出手段)10dは、タッチパネル7a上の接触操作領域A内でのユーザによる接触操作である第2の接触操作を検出する。具体的には、接触操作領域Aに重畳させるように表示パネル6aに表示されているコントローラ画像C上でのユーザによる各種の接触操作(例えば、スライド操作等)を第2の接触操作として検出する。例えば、ユーザによってタッチパネル7aにおけるコントローラ画像Cに対応する位置が接触されると、第2検出部10dは、当該タッチパネル7aから出力されて入力される接触位置のXY座標に係る位置信号に基づいて、第2の接触操作が行われたか否かを判定する。
【0035】
出力制御部10eは、表示部6に表示される動画像の再生を制御する。
すなわち、出力制御部10eは、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなど(何れも図示略)を備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、画像処理部4により復号されてVRAMに記録されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから所定の再生フレームレート(例えば、30fps)で読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部6の表示パネル6aに出力する。
また、出力制御部(出力制御手段)10eは、第2検出部10dにより検出された第2の接触操作に基づいて、動画像の再生(コンテンツの出力)を制御する。
具体的には、第1の接触操作がスワイプ操作の場合、出力制御部10eは、第2検出部10dにより検出されたコントローラ画像(接触操作用画像)C上でのユーザによる第2の接触操作に基づいて、設定部10bにより設定された制御内容で動画像の再生を制御する。
【0036】
さらに、出力制御部10eは、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡の特徴と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致しない場合や、設定部10bにより接触操作領域Aが設定されている状態で第2の接触操作以外の接触操作が行われた場合には、第2の接触操作に基づいて行われる制御内容とは異なる制御内容で動画像の再生を制御する。
ここで、第1の接触操作の軌跡の特徴と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致しない場合には、ユーザによるスワイプ操作が未終了の状態、すなわち、ユーザによるタッチパネル7a上の接触操作が解除されずにスワイプ操作が継続している状態も含む。
つまり、出力制御部10eは、タッチパネル7aにおける接触操作領域Aに重畳するコントローラ画像C上でユーザにより第2の接触操作が行われると、設定部10bにより設定された制御内容で動画像の再生を制御する。一方、出力制御部10eは、タッチパネル7aに接触操作領域Aが未設定の状態(第1の接触操作の軌跡が未検出の状態も含む)や、タッチパネル7aにおける接触操作領域A以外でユーザにより接触操作(例えば、スワイプ操作)が行われると、設定部10bにより設定される制御内容とは異なる制御内容で動画像の再生を制御する。
【0037】
<第1のコントローラ画像の操作方法>
設定部10bにより設定された動画像を再生する際の制御内容が、「送り再生+始点終点の設定」の場合に、表示パネル6aには第1のコントローラ画像C1が表示される(図5(b)参照)。
この第1のコントローラ画像C1は、例えば、外周側に円環状の送り再生用操作部C1aが設けられている。送り再生用操作部C1aは、ユーザが時計回り或いは反時計回りに円弧状のスライド操作、具体的には、再生位置を決定するための指標C1dを移動させるために一回転未満の操作や一回転以上の回動操作等を行うためのものである。この送り再生用操作部C1aが時計回りにスライド操作されることで、出力制御部10eは、動画像を順方向に送り再生し(図9(a)参照)、一方、送り再生用操作部C1aが反時計回りにスライド操作されることで、出力制御部10eは、動画像を逆方向に送り再生する(図9(b)参照)。また、送り再生用操作部C1aは、所定の数で等分(例えば、8等分)され、各区画が動画像を各フレーム画像毎にコマ送り操作するためのものである。
送り再生用操作部C1aの内側(中心側)の円形部分は、縦線(上下線)で分割され、左側に始点設定用操作部C1bが設けられ、右側に終点設定用操作部C1cが設けられている。
すなわち、ユーザにより送り再生用操作部C1aが操作されることで、出力制御部10eは、表示パネル6aに表示される動画像を送り再生し、ユーザが所望するフレーム画像が表示されている状態で、始点設定用操作部C1bや終点設定用操作部C1cが操作されると、出力制御部10eは、再生開始位置や再生終了位置を設定可能となっている。
また、再生開始位置及び再生終了位置の設定が終了すると、コントローラ表示制御部10cは、第1のコントローラ画像C1の表示を終了させる。
【0038】
<第2のコントローラ画像の操作方法>
設定部10bにより設定された動画像を再生する際の制御内容が、「音量の調整」の場合に、表示パネル6aには第2のコントローラ画像C2が表示される(図6(b)参照)。
この第2のコントローラ画像C2は、例えば、現在の音量を決定するためのスライダC2aが設けられている。このスライダC2aがユーザにより接触操作(タップ)された位置に移動可能となっており、この状態で、図6(b)における上側或いは下側にスライド操作されることで、スライダC2aが移動し、出力制御部10eは、再生されている動画像の現在の音量を決定可能となっている。
なお、ユーザによる第2のコントローラ画像C2(スライダC2a)に対する接触操作が解除されると、コントローラ表示制御部10cは、第2のコントローラ画像C2の表示を終了させる。
【0039】
<第3のコントローラ画像の操作方法>
設定部10bにより設定された動画像を再生する際の制御内容が、「表示フレームの探索」の場合に、表示パネル6aには第3のコントローラ画像C3が表示される(図7(b)参照)。
この第3のコントローラ画像C3は、例えば、表示パネル6aに表示されるフレーム画像を指定するためのスライダC3aが設けられている。このスライダC3aがユーザにより接触操作(タップ)された位置に移動可能となっており、この状態で、図7(b)における左側或いは右側にスライド操作されることで、スライダC3aが移動し、出力制御部10eは、表示パネル6aに表示されるフレーム画像を順方向或いは逆方向に切り替えていき、ユーザが所望するフレーム画像を探索可能となっている。
なお、ユーザによる第3のコントローラ画像C3(スライダC3a)に対する接触操作が解除されると、コントローラ表示制御部10cは、第3のコントローラ画像C3の表示を終了させる。
【0040】
<コントローラ画像以外が操作された場合>
例えば、タッチパネル7aに接触操作領域Aが未設定の状態や、タッチパネル7aにおける接触操作領域A以外でユーザにより接触操作(例えば、スワイプ操作)が行われた場合、出力制御部10eは、ユーザによる接触操作に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の時間的な位置を変位させる制御を行う。
具体的には、出力制御部10eは、ユーザによるタッチパネル7a上の連続した接触操作に応じて逐次入力された接触位置のXY座標に係る位置信号に基づいて、ユーザによるタッチパネル7a上の接触操作の操作速度(単位時間当たりのスワイプ量(例えば、一秒間に移動した画素数等))や操作方向を逐次測定する。そして、出力制御部10eは、測定される操作速度に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の時間的な位置を変位させる送り再生の再生速度を制御するとともに、測定される操作方向に応じて、動画像の送り再生の再生方向を制御する。
ここで、動画像の送り再生は、動画像を通常の再生速度に対して高速或いは低速で順方向或いは逆方向に再生することを言い、タッチパネル7a上のユーザによる接触操作の操作速度及び操作方向等に応じて、動画像の再生速度や再生方向が変化する。例えば、出力制御部10eは、スワイプ操作の操作速度が高速なほど動画像の再生速度が高速となるように再生フレームレートや間引き率を変化させ、また、操作方向が所定方向(例えば、右方向等)の場合に動画像を順方向に送り再生する一方で、操作方向が所定方向と反対方向(例えば、左方向等)の場合に動画像を逆方向に送り再生する。
【0041】
また、第1の接触操作がピンチ操作の場合、出力制御部10eは、当該第1の接触操作に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の一部分の寸法を変更して表示させる制御を行う。具体的には、例えば、タッチパネル7aに接触させたユーザの二本の指(例えば、人差し指と親指等)どうしの間隔を大きくする(二本の指を開く)ようなピンチ操作(ピンチアウト操作)が行われると、出力制御部10eは、ユーザの二本の指を基準として表示パネル6aに表示されている動画像の一部分を拡大して表示させる。一方、タッチパネル7aに接触させたユーザの二本の指どうしの間隔を小さくする(二本の指を閉じる)ようなピンチ操作(ピンチイン操作)が行われると、出力制御部10eは、ユーザの二本の指を基準として表示パネル6aに表示されている動画像の一部分を縮小して表示させる。
【0042】
<第4のコントローラ画像の操作方法>
出力制御部10eは、第2検出部により検出された第2の接触操作に基づいて、表示パネル6aに動画像の寸法を変更して表示されている一部分を移動させる制御、すなわち、動画像の空間的な位置を変位させる制御を行う(図8(c)参照)。
具体的には、第4のコントローラ画像C4がユーザにより接触操作(タップ)された状態でスライド操作されると、出力制御部10eは、ユーザによるタッチパネル7a上の連続したスライド操作に応じて逐次入力された接触位置のXY座標に係る位置信号に基づいて、ユーザによるタッチパネル7a上のスライド操作の操作量や操作方向を逐次測定する。そして、出力制御部10eは、測定される操作量や操作方向に応じて、動画像のうちの表示パネル6aの表示領域内に表示される画像領域を変位させる制御を行う。
【0043】
なお、コントローラ表示制御部10cによる第4のコントローラ画像C4の表示は、常時行われても良いし、ユーザによる第4のコントローラ画像C4に対する接触操作が解除された後、所定時間の経過に伴って当該第4のコントローラ画像C4の大きさを小さくしていき、最終的に当該第4のコントローラ画像C4の表示を終了させても良い。
【0044】
<再生処理>
次に、撮像装置100による再生処理について、図3を参照して説明する。
図3は、再生処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図3に示すように、先ず、画像記録部5に記録されている動画像のうち、ユーザによる操作入力部7の所定操作に基づいて再生対象となる動画像が指定されると、画像処理部4は、指定された動画像を画像記録部5から読み出して符号化形式に応じて復号して、出力制御部10eは、画像処理部4により復号された再生対象の動画像を構成する複数のフレーム画像を表示部6に出力して、表示パネル6a上で動画像を通常の再生速度で再生させる(ステップS1)。
なお、画像処理部4は、例えば、再生対象の動画像を構成する複数のフレーム画像のうち、所定時間分のフレーム画像の復号処理を事前に行って所定の格納手段(例えば、メモリ2等)に格納しておくことで、出力制御部10eから指示されたフレーム画像を即座に表示パネル6aに表示可能となっている。
【0046】
次に、第1検出部10aは、ユーザによってタッチパネル7aの接触操作が行われたか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、第1検出部10aは、ユーザによりタッチパネル7aが接触されることで当該タッチパネル7aから出力される接触位置のXY座標に係る位置信号が入力されたか否かに応じて、上記の判定を行う。
ここで、タッチパネル7aの接触操作が行われていないと判定されると(ステップS2;NO)、第1検出部10aは、ユーザによってタッチパネル7aの接触操作が行われたか否かを判定する処理を所定の時間間隔で繰り返し実行する。
【0047】
一方、ステップS2にて、タッチパネル7aの接触操作が行われたと判定されると(ステップS2;YES)、出力制御部10eは、ユーザによってタッチパネル7aが接触操作された時点で表示パネル6aに表示されているフレーム画像を表示させたまま当該動画像の再生を一時停止させる(ステップS3)。続けて、出力制御部10eは、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作がスワイプ操作である場合に、その接触操作に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の時間的な位置を変位させる再生制御を行う(ステップS4)。具体的には、出力制御部10eは、ユーザによるタッチパネル7a上の接触操作の操作速度や操作方向を逐次測定し、測定される操作速度に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の時間的な位置を変位させる送り再生の再生速度を制御するとともに、測定される操作方向に応じて、動画像の送り再生の再生方向を制御する。また、出力制御部10eは、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作がピンチ操作である場合に、その接触操作に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の寸法を変更して表示させる制御を行う。
【0048】
続けて、第1検出部10aは、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作が解除されたか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、第1検出部10aは、ユーザによりタッチパネル7aの接触操作が解除されることで当該タッチパネル7aからの接触位置のXY座標に係る位置信号の入力が停止されたか否かに応じて、上記の判定を行う。
ここで、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作が解除されていないと判定されると(ステップS5;NO)、出力制御部10eは、処理をステップS4に戻し、上記と同様に、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作に応じて、表示パネル6aに表示されている動画像の時間的な位置を変位させる再生制御を行う(ステップS4)。
【0049】
一方、ステップS5にて、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作が解除されたと判定されると(ステップS5;YES)、第1検出部10aは、ユーザがタッチパネル7aに接触して当該接触が解除されるまでの接触位置のXY座標に係る位置信号に基づいて、第1の接触操作の軌跡を検出する(ステップS6)。
なお、出力制御部10eは、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作が解除されたタイミングでの再生方向及び再生速度を維持したまま動画像を再生させる。
【0050】
次に、設定部10bは、テーブル記録部9に記録されている制御対応付けテーブルTの「軌跡の特徴」の欄を参照して、第1検出部10aにより検出された第1の接触操作の軌跡の特徴(例えば、形状が「円」等)と予め設定されている所定の軌跡の特徴(例えば、「形状:円」等)とが一致するか否かを判定する(ステップS7)。
ここで、第1の接触操作の軌跡の特徴と所定の軌跡の特徴とが一致しないと判定されると(ステップS7;NO)、第1検出部10aは、処理をステップS2に戻し、上記と同様に、ユーザによってタッチパネル7aの接触操作が行われたか否かを判定する(ステップS2)。
【0051】
一方、ステップS7にて、第1の接触操作の軌跡の特徴と所定の軌跡の特徴とが一致すると判定されると(ステップS7;YES)、設定部10bは、タッチパネル7a上における第1の接触操作の軌跡に対応する位置に当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの接触操作領域Aを設定するとともに、制御対応付けテーブルTを参照して、第1の接触操作の軌跡の特徴である「軌跡の特徴」と対応付けられている「制御内容」を、動画像を再生する際の制御内容(例えば、第1の接触操作の軌跡の特徴が「形状:円」の場合には、「送り再生+始点終点の設定」等)として設定する(ステップS8)。
続けて、コントローラ表示制御部10cは、設定部10bにより設定された制御内容に対応するコントローラ画像Cを接触操作領域Aに重畳させるように表示パネル6aにOSD表示させる(ステップS9)。
【0052】
次に、動作処理部10は、コントローラ操作処理(図4参照)を行う(ステップS10)。
以下に、コントローラ操作処理について、図4を参照して詳細に説明する。
【0053】
<コントローラ操作処理>
図4は、コントローラ操作処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、図4には、例えば、第1の接触操作の軌跡の特徴が「形状:円」の場合に、制御内容として「送り再生+始点終点の設定」が設定されて、表示パネル6aに第1のコントローラ画像C1が表示されている状態で行われるコントローラ操作処理を例示する。
【0054】
図4に示すように、先ず、出力制御部10eは、動画像の再生開始位置である始点及び再生終了位置である終点を設定済みであるか否かを判定する(ステップS21)。
ここで、始点及び終点を設定済みでないと判定されると(ステップS21;NO)、第2検出部10dは、ユーザにより第1のコントローラ画像C1の送り再生用操作部C1aが操作されたか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、第2検出部10dは、ユーザによりタッチパネル7aにおける送り再生用操作部C1aに対応する位置が接触されることで当該タッチパネル7aから出力される接触位置のXY座標に係る位置信号が入力されたか否かに応じて、上記の判定を行う。
【0055】
ステップS22にて、送り再生用操作部C1aが操作されたと判定されると(ステップS22;YES)、第2検出部10dは、ユーザにより送り再生用操作部C1aが時計回りにスライド操作されたか否かを判定する(ステップS23)。
ここで、送り再生用操作部C1aが時計回りにスライド操作されたと判定されると(ステップS23;YES)、出力制御部10eは、動画像を1フレーム画像ずつ順方向に送り再生(コマ送り)する制御を行う(ステップS24;図9(a)参照)。その後、出力制御部10eは、処理をステップS21に戻し、始点及び終点を設定済みであるか否かを判定する(ステップS21)。
一方、ステップS23にて、送り再生用操作部C1aが時計回りにスライド操作されていないと判定されると(ステップS23;NO)、送り再生用操作部C1aが反時計回りにスライド操作されている場合であり、出力制御部10eは、動画像を1フレーム画像ずつ逆方向に送り再生(コマ戻し)する制御を行う(ステップS25;図9(b)参照)。その後、出力制御部10eは、処理をステップS21に戻し、始点及び終点を設定済みであるか否かを判定する(ステップS21)。
【0056】
ステップS22にて、送り再生用操作部C1aが操作されていないと判定されると(ステップS22;NO)、第2検出部10dは、ユーザにより第1のコントローラ画像C1の始点設定用操作部C1bが操作されたか否かを判定する(ステップS26)。具体的には、第2検出部10dは、ユーザによりタッチパネル7aにおける始点設定用操作部C1bに対応する位置が接触されることで当該タッチパネル7aから出力される接触位置のXY座標に係る位置信号が入力されたか否かに応じて、上記の判定を行う。
ここで、始点設定用操作部C1bが操作されたと判定されると(ステップS26;YES)、出力制御部10eは、当該始点設定用操作部C1bが操作された時点で表示パネル6aに表示されているフレーム画像を動画像の再生開始位置として設定する(ステップS27)。その後、出力制御部10eは、処理をステップS21に戻し、始点及び終点を設定済みであるか否かを判定する(ステップS21)。
【0057】
一方、ステップS26にて、始点設定用操作部C1bが操作されていないと判定されると(ステップS26;NO)、第2検出部10dは、ユーザにより第1のコントローラ画像C1の終点設定用操作部C1cが操作されたか否かを判定する(ステップS28)。具体的には、第2検出部10dは、ユーザによりタッチパネル7aにおける終点設定用操作部C1cに対応する位置が接触されることで当該タッチパネル7aから出力される接触位置のXY座標に係る位置信号が入力されたか否かに応じて、上記の判定を行う。
ここで、終点設定用操作部C1cが操作されたと判定されると(ステップS28;YES)、出力制御部10eは、当該終点設定用操作部C1cが操作された時点で表示パネル6aに表示されているフレーム画像を動画像の再生終了位置として設定する(ステップS29)。その後、出力制御部10eは、処理をステップS21に戻し、始点及び終点を設定済みであるか否かを判定する(ステップS21)。
【0058】
上記のようにして、動画像の再生開始位置である始点及び再生終了位置である終点が設定されると、ステップS21にて、始点及び終点を設定済みであると判定され(ステップS21;YES)、コントローラ表示制御部10cは、第1のコントローラ画像C1の表示を終了させ、その後、出力制御部10eは、設定された始点及び終点を所定の記録手段(例えば、メモリ2等)に出力して記録させ(ステップS30)、コントローラ操作処理を終了する。
【0059】
また、ステップS28にて、終点設定用操作部C1cが操作されていないと判定されると(ステップS28;NO)、コントローラ表示制御部10cは、第1のコントローラ画像C1の表示を終了させる(ステップS31)。その後、処理を図3のステップS3に戻す。
ステップS3以降の各処理は、上記と同様であり、詳細な説明は省略するが、出力制御部10eは、動画像の再生を一時停止させた後(ステップS3)、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作に応じて動画像の時間的な位置を変位させる再生制御を行う(ステップS4)。その後、上記と同様に、ユーザによるタッチパネル7aの接触操作が解除されたと判定されると(ステップS5;YES)、第1検出部10aは、第1の接触操作の軌跡を新たに検出する(ステップS6)。そして、上記と同様に、第1の接触操作の軌跡の特徴と所定の軌跡の特徴とが一致すると判定されると(ステップS7;YES)、設定部10bは、接触操作領域Aを設定するとともに、動画像を再生する際の制御内容を設定した後(ステップS8)、コントローラ表示制御部10cは、設定された制御内容に対応するコントローラ画像Cを表示パネル6aにOSD表示させ(ステップS9)、動作処理部10は、上記と同様に、コントローラ操作処理(図4参照)を行う(ステップS10)。
【0060】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、第1の接触操作の軌跡に応じた態様の接触操作領域Aをタッチパネル7a上に設定、より具体的には、タッチパネル7a上における第1の接触操作の軌跡に対応する位置に接触操作領域Aを設定して、設定された接触操作領域A内での第2の接触操作に基づいて、動画像の再生を制御するので、例えば、動画像の再生方向や再生速度を変更したい場合等に、タッチパネル7a上でユーザが所望する位置及び大きさの接触操作領域Aを設定することができ、設定された接触操作領域A内でユーザが第2の接触操作を行うことで動画像の再生の制御をより容易に行うことができる。
【0061】
また、表示パネル6aにおける接触操作領域Aに対応する位置を、例えば、コントローラ画像(接触操作用画像)Cを用いて識別可能に表示させることができ、ユーザによる接触操作領域A内での第2の接触操作をより容易に行わせることができる。
【0062】
また、第1の接触操作の軌跡の特徴と、動画像を再生する際の制御内容とを対応付けて複数記録しておくことができ、第1の接触操作の軌跡と予め記録されている所定の軌跡の特徴が一致する場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの接触操作領域Aを設定することができるとともに、第1の接触操作の軌跡の特徴と対応付けられている制御内容を設定することができる。さらに、動画像を再生する際の制御内容に対応するコントローラ画像Cを表示パネル6aにおける接触操作領域Aに対応する位置に表示させて、当該コントローラ画像C上での第2の接触操作に基づいて、コントローラ画像Cに対応する制御内容で動画像の再生を制御することができる。
【0063】
また、第1の接触操作の軌跡と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致しないか、或いは、接触操作領域Aが設定されている状態で第2の接触操作以外の接触操作が行われた場合には、第2の接触操作に基づいて行われる制御内容とは異なる制御内容、例えば、ユーザによる接触操作の操作速度及び操作方向等に応じた動画像の再生速度や再生方向の制御等を行うことができ、ユーザによる直感的な操作に応じて動画像の時間的な位置を変位させることができる。
【0064】
また、第1の接触操作がピンチ操作である場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさ、すなわち、例えば、ユーザの二本の指の間隔に応じた大きさの接触操作領域Aを設定することができ、ユーザによる直感的な操作で接触操作領域Aを設定することができる。このとき、第1の接触操作に基づいて、動画像の再生を制御するので、ユーザによる直感的な操作に応じた制御内容で動画像の再生を制御することができ、表示パネル6aに表示されている動画像の一部分の寸法を変更して表示させる制御を行うことができる。
さらに、第2の接触操作に基づいて、動画像の寸法を変更して表示される一部分を移動させる制御を行うので、表示パネル6aに動画像の一部分が表示されている状態で、ユーザによる直感的な操作に応じて動画像の空間的な位置を変位させることができる。
【0065】
また、第2の接触操作の終了に基づいて、タッチパネル7a上での接触操作領域Aの設定を解除するので、ユーザにより接触操作領域Aが誤操作されてしまうといったことを抑制することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態では、動画像を再生する際の制御内容に応じてコントローラ画像Cを異ならせるようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、一のコントローラ画像を用いても良い。具体的には、第1のコントローラ画像C1を用いて、ユーザが最初に接触操作した位置(タップ位置)や円弧状のスライド操作の操作方向に応じて、制御内容を異ならせても良い。例えば、最初のタップ位置が上側で、且つ、スライド操作の操作方向が時計回りの場合には、制御内容として、「送り再生+始点及び終点の設定」を設定し、また、最初のタップ位置が上側で、且つ、スライド操作の操作方向が反時計回りの場合には、制御内容として、「表示フレームの探索」を設定し、また、最初のタップ位置が下側の場合には、制御内容として、「音量の調整」を設定するようにしても良い。
【0067】
また、例えば、「軌跡の特徴」が縦方向(y軸方向)の直線に連続した横方向(x)の直線の軌跡形状を表す「形状:直角線(縦横)」の場合には(図10(a)参照)、各直線の方向に互いに異なる制御内容を割り当てても良い。具体的には、図10(b)に示すように、画質の調整用のパラメータとして、例えば、明るさをy軸に割り当てるとともに彩度をx軸に割り当てて、2次元空間内で明るさ及び彩度を調整可能としても良い。
【0068】
さらに、第1の接触操作が連続して行われる回数に応じて、制御内容を異ならせても良い。ここで、連続して行われる第1の接触操作は、ユーザによるタッチパネル7a上の接触状態が解除されることなく続けて行われる接触操作であっても良いし、一の第1の接触操作後にタッチパネル7aに対する接触状態が一旦解除され、その後、所定の時間以内にユーザがタッチパネル7aに再度接触して次の第1の接触操作が行われるような接触操作であっても良い。
例えば、第1の接触操作の軌跡の形状が円の場合、1回転では制御内容を「送り再生」とし、2回転では制御内容を「送り再生+始点及び終点の設定」としても良い。また、例えば、第1の接触操作の軌跡の形状が直線の場合、所定の一方向のみのスワイプ操作では制御内容を「音量の調整」とし、所定の一方向へのスワイプ操作に続けて反対方向へのスワイプ操作が行われた場合の制御内容を「音量の調整+音質の調整」とし、所定の一方向へのスワイプ操作に続けて反対方向へのスワイプ操作が行われ、さらに、再度所定の一方向へのスワイプ操作が行われた場合の制御内容を「音量の調整+高音の調整+低音の調整」としても良い。
【0069】
また、第1の接触操作の軌跡の形状が直線の場合、縦方向(y軸方向)へのスワイプ操作を例示したが、例えば、ユーザによる接触操作の操作速度及び操作方向等に応じて動画像の再生速度や再生方向を変化させない場合には、横方向(x軸方向)へのスワイプ操作としても良い。
【0070】
さらに、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。また、出力制御装置として、撮像装置100を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、撮像機能を具備するか否かは適宜任意に変更可能である。
また、コンテンツの出力制御として、動画像を再生する際の制御を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、複数の静止画像をスライドショーで表示する際に、切り替え速度や切り替え方向等を制御しても良いし、また、webページやアプリケーション画面を表示する際に、スクロール速度やスクロール方向等を制御しても良いし、音楽などを発する際に、楽曲の切り替え速度や切り替え方向や音量等を制御しても良い。これらの場合にも、コンテンツの出力の制御をより容易に行うことができる。
【0071】
加えて、上記実施形態にあっては、第1の検出手段、設定手段、第2の検出手段、出力制御手段としての機能を、中央制御部1の制御下にて、第1検出部10a、設定部10b、第2検出部10d、出力制御部10eが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムメモリ(図示略)に、第1検出処理ルーチン、設定処理ルーチン、第2検出処理ルーチン、出力制御処理ルーチンを含むプログラムを記録しておく。そして、第1検出処理ルーチンにより中央制御部1のCPUに、タッチパネル(接触入力手段)7aに対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作の軌跡を検出する機能を実現させるようにしても良い。また、設定処理ルーチンにより中央制御部1のCPUに、検出された第1の接触操作の軌跡に応じた態様の接触操作領域Aをタッチパネル7a上に設定する機能を実現させるようにしても良い。また、第2検出処理ルーチンにより中央制御部1のCPUに、設定された接触操作領域A内での接触操作である第2の接触操作を検出する機能を実現させるようにしても良い。また、出力制御処理ルーチンにより中央制御部1のCPUに、検出された第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する機能を実現させるようにしても良い。
【0072】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ユーザにより接触操作される接触入力手段と、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作の軌跡を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段により検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする出力制御装置。
<請求項2>
表示手段と、
前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置を識別可能に表示させる制御を行う表示制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の出力制御装置。
<請求項3>
前記設定手段は、前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致する場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの前記接触操作領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の出力制御装置。
<請求項4>
複数種類の互いに異なる前記第1の接触操作の軌跡の特徴と、コンテンツを出力する際の互いに異なる制御内容とを対応付けて記録する記録手段を更に備え、
前記設定手段は、前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡と予め前記記録手段に記録されている所定の軌跡の特徴が一致する場合に、前記接触操作領域を設定するとともに、前記第1の接触操作の軌跡の特徴と対応付けられている制御内容を設定し、
前記表示制御手段は、前記設定手段により設定された制御内容に対応する接触操作用画像を前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置に表示させる制御を行い、
前記出力制御手段は、前記第2の検出手段により検出された前記接触操作用画像上での前記第2の接触操作に基づいて、前記設定手段により設定された制御内容でコンテンツの出力を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の出力制御装置。
<請求項5>
コンテンツは、動画像であり、
前記設定手段は、前記接触操作領域を設定するとともに、前記第1の接触操作の軌跡の特徴と対応付けられている前記動画像を再生する際の制御内容を設定し、
前記表示制御手段は、前記設定手段により設定された前記動画像を再生する際の制御内容に対応する接触操作用画像を前記表示手段における前記接触操作領域に対応する位置に表示させる制御を行い、
前記出力制御手段は、前記第2の検出手段により検出された前記接触操作用画像上での前記第2の接触操作に基づいて、前記接触操作用画像に対応する制御内容で前記動画像の再生を制御することを特徴とする請求項4に記載の出力制御装置。
<請求項6>
前記出力制御手段は、更に、
前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡と予め設定されている所定の軌跡の特徴が一致しないか、或いは、前記設定手段により前記接触操作領域が設定されている状態で前記第2の接触操作以外の接触操作が行われた場合には、前記第2の接触操作に基づいて行われる制御内容とは異なる制御内容でコンテンツの出力を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の出力制御装置。
<請求項7>
前記設定手段は、前記第1の接触操作が所定の種類の接触操作である場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの前記接触操作領域を設定することを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の出力制御装置。
<請求項8>
前記出力制御手段は、更に、
前記第1の接触操作が所定の種類の接触操作である場合に、当該第1の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御することを特徴とする請求項7に記載の出力制御装置。
<請求項9>
コンテンツは、動画像であり、
前記設定手段は、前記第1の接触操作がピンチ操作である場合に、当該第1の接触操作の軌跡の大きさに応じた大きさの前記接触操作領域を設定し、
前記出力制御手段は、前記第1の接触操作がピンチ操作である場合に、当該第1の接触操作に基づいて、前記表示手段に表示されている前記動画像の一部分の寸法を変更して表示させる制御を行い、前記第2の検出手段により検出された前記第2の接触操作に基づいて、前記動画像の寸法を変更して表示される一部分を移動させる制御を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の出力制御装置。
<請求項10>
前記設定手段は、
前記第2の検出手段により検出される前記第2の接触操作の終了に基づいて、前記接触入力手段上での前記接触操作領域の設定を解除することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の出力制御装置。
<請求項11>
前記設定手段は、
前記接触入力手段上における前記第1の検出手段により検出された前記第1の接触操作の軌跡に対応する位置に前記接触操作領域を設定することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の出力制御装置。
<請求項12>
ユーザにより接触操作される接触入力手段を備える出力制御装置を用いた出力制御方法であって、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作の軌跡を検出する処理と、
検出された前記第1の接触操作の軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する処理と、
設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する処理と、
検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する処理と、
を含むことを特徴とする出力制御方法。
<請求項13>
ユーザにより接触操作される接触入力手段を備える出力制御装置のコンピュータに、
前記接触入力手段に対する接触状態を連続させた接触操作である第1の接触操作の軌跡を検出する機能と、
検出された前記第1の接触操作の軌跡に応じた態様の接触操作領域を前記接触入力手段上に設定する機能と、
設定された前記接触操作領域内での接触操作である第2の接触操作を検出する機能と、
検出された前記第2の接触操作に基づいて、コンテンツの出力を制御する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0074】
100 撮像装置
1 中央制御部
6 表示部
6a 表示パネル
7 操作入力部
7a タッチパネル
9 テーブル記録部
10 動作処理部
10a 第1検出部
10b 設定部
10c コントローラ表示制御部
10d 第2検出部
10e 出力制御部
図1
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