特許第6604299号(P6604299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6604299
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/405 20060101AFI20191031BHJP
   H01R 13/502 20060101ALI20191031BHJP
   H01R 43/24 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   H01R13/405
   H01R13/502 Z
   H01R43/24
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-198887(P2016-198887)
(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公開番号】特開2018-60739(P2018-60739A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 龍一
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−99274(JP,A)
【文献】 特開2011−60707(JP,A)
【文献】 特開2009−66858(JP,A)
【文献】 特開2016−45983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/405
H01R 13/502
H01R 43/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子と、
前記複数の端子が同一面上で並ぶように、前記端子をインサート部品としてインサート成形した第1ハウジングと、
前記第1ハウジングと組み合わせられる第2ハウジングと、
前記第1ハウジングの隣接する前記端子同士の間に設けられ、隣接する前記端子同士の対向する面を露出させる溝部と、
前記第2ハウジングの前記第1ハウジングと対向する面から前記第1ハウジング側に突出し、前記溝部に嵌まるリブ部とを備えるコネクタ。
【請求項2】
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを互いに固定しつつ、その一部を覆う覆い部が設けられている請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子をインサート部品としてコネクタハウジングをインサート成形したコネクタが知られている。このようなコネクタを製造する方法としては、種々のものが提案されている。その一例として、特開2016−119274号公報(下記特許文献1)に開示されたものがある。この製造方法では、雄端子を金型に対して所定位置に配置する際に、金型のキャビティ内に設けられた端子位置決め部に雄端子の一端側である相手端子接続部を挿入して、金型のキャビティ内に樹脂を充填する。そして、樹脂が充填されたら、端子位置決め部から相手端子接続部を引き抜いて、成形品を金型内から離脱させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−119274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、端子をインサート部品としてコネクタハウジングをインサート成形する際には、合成樹脂の射出圧によって、端子が位置ずれする虞がある。特に、特開2016−119274号公報(上記特許文献1)のように、端子の一端側のみで端子を位置決めする場合には、端子の他端側が位置ずれする可能性がある。この際に、端子同士が近接している(端子間の寸法が小さい)と、インサート成形された端子同士が接触したり、絶縁のための離間距離が不十分になったりする虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示されるコネクタは、複数の端子と、前記複数の端子が同一面上で並ぶように、前記端子をインサート部品としてインサート成形した第1ハウジングと、前記第1ハウジングと組み合わせられる第2ハウジングと、前記第1ハウジングの隣接する前記端子同士の間に設けられ、隣接する前記端子同士の対向する面を露出させる溝部と、前記第2ハウジングの前記第1ハウジングと対向する面から前記第1ハウジング側に突出し、前記溝部に嵌まるリブ部とを備える。
【0006】
このような構成によると、端子をインサート部品として第1ハウジングをインサート成形する際に、隣接する端子同士の間に溝部を作るための金型が入り込む。そして、隣接する端子同士の対向する面が金型に当接することで、樹脂の射出圧がかかっても、隣接する端子同士の距離を一定に保ったままで第1ハウジングが成形される。そのため、隣接する端子同士が接触したり、離間距離が不足したりすることを防止できる。また、溝部の間に第2ハウジングのリブ部が嵌まることで、隣接する端子間の沿面距離を確保することができる。
【0007】
本明細書に開示されるコネクタの実施の態様として、以下の構成としても良い。
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを互いに固定しつつ、その一部を覆う覆い部が設けられている構成としても良い。
【0008】
このような構成では、覆い部が第1ハウジングと第2ハウジングとを覆いつつ固定するため、第1ハウジングと第2ハウジングとが相対的に移動することを防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示されたコネクタによれば、複数の端子をインサート成形する際に、端子同士の距離を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態におけるコネクタの正面図
図2】コネクタの平面図
図3】中子アッシーの正面図
図4】中子アッシーの側面図
図5】中子アッシーの平面図
図6】中子アッシーの底面図
図7】コネクタハウジングの正面図
図8】コネクタハウジングの側面図
図9図8におけるA−A位置での断面図
図10図8におけるB−B位置での断面図
図11】第1ハウジングの正面図
図12】第1ハウジングの側面図
図13】第1ハウジングの平面図
図14図12におけるC−C位置での断面図
図15図12におけるD−D位置での断面図
図16】第1ハウジングを成形する際のD−D位置での概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
実施形態について図1から図16を参照して説明する。
本実施形態のコネクタ10は、一端がシールド電線の端部に取り付けられた相手側コネクタに接続され、他端が車載電動エアコンなどの電気機器のケースCを貫通した状態で取り付けられている。以下の説明において、前後方向については、図4の左側(相手側コネクタとの嵌合方向)を前方とし、右側を後方とする。また、上下方向については、図1の上側を上方とし、下側(電気機器のケースCへの取付方向)を下方とする。左右方向については、図1の左右方向を基準とする。
【0012】
コネクタ10は、図1に示すように、中子アッシー15と、中子アッシー15の一部を覆う合成樹脂製の覆い部80とを備えている。中子アッシー15は、複数の端子20と、コネクタハウジング17と、コネクタハウジング17を覆うシールドシェル60とを備えている。コネクタハウジング17は、端子20がインサート成形される第1ハウジング30と、第1ハウジング30と組み合わせられる第2ハウジング40とを備えている。
【0013】
端子20は、導電性の金属板をプレス加工することで形成されており、一対の端子20が左右方向に並んで、同一面上に配置されている。左側の端子20Lと、右側の端子20Rとは、図9及び図10に示すように、相手側端子と接続される一端側端子21と、電気機器内の端子と接続される他端側端子23と、屈曲部25とを備えている。なお、以下の説明において、左右の端子及びその部分を区別する場合には、添え字L、Rを付し、区別しない場合には添え字L、Rをつけないこととする。
【0014】
一端側端子21は、前後方向に延びる平板状となっており、後記するコネクタハウジング17の端子挿入部35内に突出して、相手側端子と接続する。左右の一端側端子21L、Rは、互いに等幅と(左右方向の寸法が同じに)なっている。他端側端子23は、上下方向に延びる平板状になっており、その先端部23A(コネクタハウジング17の外側に露出する部分)が後記する第1他端側ハウジング33の下方に突出した状態から略L字状に曲げられて前後方向に延びている。また、左右の他端側端子23L、Rの上端部23B(屈曲部25と等幅の部分)では、左側の他端側端子23Lの方が右側の他端側端子23Rよりその幅寸法が大きくなっている。左側の他端側端子23Lの下端部23Cの幅寸法は、右側の他端側端子23Rの幅寸法と同じになっている。
【0015】
屈曲部25では、端子20が直角に曲げられており、屈曲部25で曲げられることで、端子20の一端側端子21の軸線方向(前後方向)と他端側端子23の軸線方向(上下方向)とが互いに交差(直交)している。屈曲部25は、左右の一端側端子21L、21Rよりも幅方向内側に入り込んでおり、左側の屈曲部25Lの方が、右側の屈曲部25Rよりもその幅寸法が大きくなっている。また、左右の屈曲部25L、25Rの間の寸法は、1mmとなっており、屈曲部25L、25R自体の幅寸法の4分の1から5分の1程度となっている。つまり、端子20自体の幅方向の寸法に比べ、隣接する端子20間の左右方向の寸法が、非常に小さくなっており、端子20同士が近接している。そして、屈曲部25と他端側端子23の上端部23Bとは等幅になっており、屈曲部25及び他端側端子23の上端部23Bの間の寸法も等幅となっている。
【0016】
第1ハウジング30は、図7及び図12に示すように、端子20が同一面上に並ぶように、端子20をインサート部品としてインサート成形している。第1ハウジング30は、前後方向に延びる角柱状の第1一端側ハウジング31と、上下方向に延びる角柱状の第1他端側ハウジング33とを備えている。第1一端側ハウジング31には、後記する第2ハウジング40の第2一端側ハウジング41に連通する形で、端子挿入部35が設けられている。端子挿入部35は、一端側端子21と接続する相手側端子を挿入可能としており、第1ハウジング30側の端子挿入部35Aと第2ハウジング40側の端子挿入部35Bとを合わせることで、一端側端子21の周囲に相手側端子を挿入可能な空間が設けられている。端子挿入部35は、第1一端側ハウジング31の前端から前後方向の半ば位置程度まで設けられており、一端側端子21の先端部が端子挿入部35の奥端から突出した状態としている。
【0017】
また、第1一端側ハウジング31の上面31Aには、圧入部37が設けられている。圧入部37は、第1一端側ハウジング31の上面31Aから上方に円柱状に突出することで設けられており、第2ハウジング40に設けられた圧入穴に圧入される。
【0018】
そして、第1一端側ハウジング31と第1他端側ハウジング33とは、互いに直交する方向に延びており、第1ハウジング30全体として端子20の形状と同じL字形状(屈曲形状)となっている。第1一端側ハウジング31は、第1他端側ハウジング33よりも幅方向の寸法が若干大きくなっている。また、第1一端側ハウジング31の上面31Aと第1他端側ハウジング33の後面33Aとが第2ハウジング40との合わせ面30Aとなっている。
【0019】
そして、図13及び図14に示すように、隣接する端子20の間には、溝部39が設けられている。溝部39は、第1一端側ハウジング31の端子20の屈曲部25が配されている位置から、第1他端側ハウジング33の他端側端子23の上端部23Bに至る位置まで連通するように設けられている。つまり、溝部39は、端子20間の距離が近接している部分に設けられている。また、溝部39の深さは、第1ハウジング30の合わせ面30Aから端子20がインサートされた位置より深くなっている。このように隣接する端子20間に溝部39が設けられていることで、左側の端子20Lの表面と裏面は第1ハウジング30に覆われつつ、屈曲部25Lと他端側端子23Lの右側面(隣接する端子20Rに対向する面)は露出している。同様に、右側の端子20Rの表面と裏面は第1ハウジング30に覆われつつ、屈曲部25Rと他端側端子23Rの左側面(隣接する端子20Lに対向する面)は露出している。
【0020】
第2ハウジング40は、図7及び図8に示すように、前後方向に延びる角柱状の第2一端側ハウジング41と、上下方向に延びる角柱状の第2他端側ハウジング43とを備えている。第2一端側ハウジング41には、第1一端側ハウジング31の端子挿入部35Aと一体になる端子挿入部35Bが設けられている。そして、第2他端側ハウジング43は、第2一端側ハウジング41の後端部から下方に延びることで形成されており、第2ハウジング40全体として端子20及び第1ハウジング30の形状と同じL字形状(屈曲形状)となっている。第2一端側ハウジング41は、第2他端側ハウジング43よりも幅方向の寸法が若干大きくなっており、第2一端側ハウジング41は、第1一端側ハウジング31と等幅で、第2他端側ハウジング43は第1他端側ハウジング33と等幅となっている。
【0021】
また、第2一端側ハウジング41の下面41Aが、第1一端側ハウジング31の上面31Aを対向して覆い、第2他端側ハウジング43の前面43Aが、第1他端側ハウジング33の後面33Aに対向して覆っている。第2一端側ハウジング41の下面41Aと第2他端側ハウジング43の前面43Aに連設するように、溝部39が嵌まるリブ部45が、第1ハウジング30側に突出するように設けられている。リブ部45は、第2ハウジング40の幅方向の中央位置に設けられている。また、リブ部45の幅寸法は、溝部39の幅寸法よりも若干大きくなっている。また、第2一端側ハウジング41の下面41Aには、圧入部37を圧入可能な圧入穴が設けられている。
【0022】
シールドシェル60は、図3及び図4に示すように、2つに分割されており、半割形の一対の第1半割体61と第2半割体63とを組み合わせることで構成されている。第1半割体61及び第2半割体63は、それぞれ導電性板材をプレス加工することで形成されている。
【0023】
また、シールドシェル60は、コネクタハウジング17及び端子20を収容しており、一端側シェル65と他端側シェル67とが、一端側シェル65の後端部で直交するように配されることで、側面視L字状となっている。また、一端側シェル65と他端側シェル67を繋ぐ連結部69が設けられている。連結部69は、板状の部材を曲げ加工することで設けられており、一端側シェル65と他端側シェル67とが若干相対移動可能なようになっている。
【0024】
一端側シェル65は、前方が開口した有底角筒状をしており、一端側シェル65において、第1半割体61と第2半割体63とは、上下方向に分割されており、それぞれ正面視コの字状となっている。また、他端側シェル67は、上下方向に開口した角筒状となっており、他端側シェル67において、第1半割体61と第2半割体63とは、前後方向に分割されており、それぞれ平面視コの字状となっている。連結部69は、平板状をしており、第1半割体61と第2半割体63とのそれぞれに設けられており、一端側シェル65と他端側シェル67とを連結しつつ折り曲げられることで、第1半割体61と第2半割体63は、全体としてL字状になっている。
【0025】
他端側シェル67の前面と後面の下端部には、ケースCと接触することで電気的に接続される接触片71が設けられている。接触片71は、幅方向の中央位置に設けられており、他端側シェル67の下端から延びた片を上方に山型に折り返すことで形成されている。
【0026】
そして、第1半割体61と第2半割体63とを組み付けるために、第1半割体61と第2半割体63には、係止部73と被係止部75が設けられている。係止部73には、片状の係止片73Aが設けられている。一方、被係止部75は、係止部73と重なる位置に設けられており、係止片73Aを挿入可能なように開口した開口部75Aと、係止部73の外側に重なるように板厚1枚分程度外側に入り込んだ重なり部75Bとを備えている。そして、重なり部75Bに係止部73が重なるようにしつつ、係止片73Aが開口部75Aに入りこむことで、係止部73と被係止部75は係合され、第1半割体61と第2半割体63とが組み付けられる。
【0027】
覆い部80は、図1及び図2に示すように、中子アッシー15の一端側を覆う一端側覆い部81と、他端側を覆う他端側覆い部83と、一端側覆い部81と他端側覆い部83の間に設けられて、機器のケースCに当接するフランジ部85とを備えている。一端側覆い部81は、一端側シェル65を覆っており、他端側覆い部83及びフランジ部85は、他端側シェル67の上半分を覆い、接触片71を外部に露出する。フランジ部85には、ケースCにコネクタ10を固定するためのボルトを挿通する金属製のカラー85Aがインサート成形されている。
【0028】
次に、コネクタ10の組み立て手順の一例について説明する。
まず、端子20を導電性の金属板をプレス加工することによって形成する。一端側端子21の軸線方向と他端側端子23の軸線方向が直交するように、屈曲部25を直角に曲げ形成する。
【0029】
そして、第1ハウジング30と第2ハウジング40とをそれぞれ成形する。第1ハウジング30は、端子20をインサート部品としてインサート成形される。図16に示すように、端子20の端部を金型M1で保持しつつ、端子20が近接している部分(屈曲部25と他端側端子23)では、溝部39を形成するための金型M2が隣接する端子20間に配される。端子20の隣接する端子20と対向する側面は、金型M2と当接するようになっており、成形後の端子20の対向する側面が露出されるようになっている。このような状態で、樹脂を充填すると、端子20が金型M2と当接することによって、端子20間の距離が一定に保たれているため、射出圧によって、端子20同士が接近することを抑制できる。
【0030】
次に、図7及び図8に示すように、第1ハウジング30に第2ハウジング40を組み付ける。第1ハウジング30に設けられた溝部39に第2ハウジング40のリブ部45が嵌まる。この際に、リブ部45の方が溝部39よりも幅寸法が若干大きいことから、リブ部45は溝部39に圧入される。隣接する端子20の間に設けられた溝部39にリブ部45が嵌め込まれることで、端子20間の沿面距離を延ばすことができる。また、第1ハウジング30の圧入部37が第2ハウジング40の圧入穴に圧入されることで、第1ハウジング30と第2ハウジング40とが固定される。
【0031】
さらに、図3及び図4に示すように、コネクタハウジング17にシールドシェル60を組み付ける。コネクタハウジング17の前後方向から、第1半割体61及び第2半割体63を組み付ける。この際に、第1半割体61及び第2半割体63が連結部69によって若干相対移動可能となっている。そのため、L字状のコネクタハウジング17であっても、L字状の各半割体61、63を組み付けやすくなる。そして、各係止片73Aを被係止部75の開口部75Aに挿通して、重なり部75Bが係止部73に重なることで、係止部73と被係止部75とが係合し、第1半割体61と第2半割体63とがコネクタハウジング17から外れない状態に保持できる。
【0032】
そして、図1及び図2に示すように、覆い部80を二次モールドにより成形する。中子アッシー15を金型内に配置して、覆い部80を成形する。この際に、コネクタハウジング17からシールドシェル60が外れない状態となっていることから、金型内での固定はコネクタハウジング17もしくはシールドシェル60のいずれかのみをすればよく、覆い部80の二次成形作業が容易になる。
【0033】
このコネクタ10が電気機器のケースCに固定され、接触片71が押し潰されるようにしてケースCと接触することで、シールドシェル60をグランド接続している。また、各半割体61、63のそれぞれに接触片71が設けられていることから、各半割体61、63のそれぞれが一端側からケースCに至る導電通路を有することになる。
【0034】
以上のように、本実施形態では、端子20をインサート部品として第1ハウジング30をインサート成形する際に、隣接する端子20同士の間に溝部39を作るための金型M2が入り込む。そして、隣接する端子20同士の対向する面が金型M2に当接することで、樹脂の射出圧がかかっても、隣接する端子20同士の距離を一定に保ったままで第1ハウジング30が成形される。そのため、隣接する端子20同士が接触したり、離間距離が不足したりすることを防止できる。また、溝部39の間に第2ハウジング40のリブ部45が嵌まることで、隣接する端子20間の沿面距離を確保することができる。
【0035】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第1半割体61と第2半割体63に分割されたシールドシェル60を用いていたが、一端側と他端側に分割されたシールドシェルであっても良いし、分割されていないシールドシェルであっても良い。また、シールドシェルを用いなくても良い。
【0036】
(2)上記実施形態では、二次モールドによって覆い部80を設けていたが、合成樹脂製の部品に中子アッシー15を挿入する等他の方法によって設けても良い。また、覆い部を設けなくても良い。
【0037】
(3)上記実施形態では、端子20の一端側端子21と他端側端子23とが直交する方向に延びるようになっていたが、交差する方向に延びていても良いし、直線状になっていても良い。
【0038】
(4)上記実施形態では、端子20は一対となっていたが、3つ以上でも良い。
【0039】
(5)上記実施形態では、コネクタ10は、電気機器のケースCに取り付けられていたが、他の用途に用いても良い。
【符号の説明】
【0040】
10…コネクタ
15…中子アッシー
17…コネクタハウジング
20…端子
21…一端側端子
23…他端側端子
25…屈曲部
30…第1ハウジング
30A…合わせ面
31…第1一端側ハウジング
33…第1他端側ハウジング
39…溝部
40…第2ハウジング
41…第2一端側ハウジング
43…第2他端側ハウジング
45…リブ部
60…シールドシェル
61…第1半割体
63…第2半割体
65…一端側シェル
67…他端側シェル
69…連結部
71…接触片
73…係止部
75…被係止部
80…覆い部
C…ケース
M1…金型
M2…金型
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16