特許第6604455号(P6604455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6604455表示制御方法、表示制御装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6604455
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】表示制御方法、表示制御装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20191031BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20191031BHJP
【FI】
   G06F3/14 320C
   G06F3/0484 120
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-92998(P2019-92998)
(22)【出願日】2019年5月16日
【審査請求日】2019年5月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高野 礼子
(72)【発明者】
【氏名】池月 雄哉
(72)【発明者】
【氏名】野川 尚孝
(72)【発明者】
【氏名】桑谷 資一
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−339225(JP,A)
【文献】 特開2011−204202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048−3/0489
G06F 3/14−3/153
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択段階と、
前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御段階と、
を備え
前記表示制御段階は、選択された前記インジケータ画像を透かし画像として表示する段階を有する表示制御方法。
【請求項2】
表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択段階と、
前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御段階と、
前記表示エリアに対して複数の前記表示属性を設定する属性設定段階と、
を備え
前記表示制御段階は、前記表示エリアに、当該表示エリアの前記複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示する段階を有する表示制御方法。
【請求項3】
前記選択段階は、前記表示エリアに対し、当該表示エリアに設定された前記複数の表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する段階を有し、
前記表示制御段階は、前記表示エリアに対して選択された複数の前記インジケータ画像を、それぞれ前記表示エリア内に一括して表示する段階を有する、請求項に記載の表示制御方法。
【請求項4】
各表示エリアに対して表示属性を設定する属性設定段階と、
複数の表示エリアのそれぞれに設定された前記表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する選択段階と、
前記複数の表示エリア内それぞれに、プラント内で発生したアラームのうち当該表示エリアの前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、当該表示エリアに対して選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御段階と、
を備え
前記属性設定段階は、前記複数の表示エリアのうち少なくとも一部の表示エリアそれぞれに対して複数の前記表示属性を設定する段階を有し、
前記表示制御段階は、前記少なくとも一部の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの前記複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示する段階を有する表示制御方法。
【請求項5】
前記選択段階は、前記少なくとも一部の表示エリアのそれぞれに対し、当該表示エリアに設定された前記複数の表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する段階を有し、
前記表示制御段階は、前記少なくとも一部の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアに対して選択された複数の前記インジケータ画像を、それぞれ一括して表示する段階を有する、請求項に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記属性設定段階は、前記複数の表示エリアのうち2つ以上の表示エリアそれぞれに対して共通の表示属性を設定する段階を有する、請求項またはに記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記表示制御段階は、前記2つ以上の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの各表示属性のうち、固有の表示属性に応じた各インジケータ画像を一括して表示する段階を有する、請求項に記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記表示制御段階は、前記2つ以上の表示エリアそれぞれとは別領域に、前記共通の表示属性を表示する段階を有する、請求項またはに記載の表示制御方法。
【請求項9】
前記属性設定段階は、ユーザ操作に応じて前記2つ以上の表示エリアそれぞれに対して前記共通の表示属性を一括して設定する段階を有する、請求項からのいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項10】
前記属性設定段階は、ユーザ操作に応じ、前記2つ以上の表示エリアに対して前記表示属性を個別に設定するか、一括して設定するかを選択する段階を有する、請求項に記載の表示制御方法。
【請求項11】
前記プラント内で発生したアラームを取得する取得段階と、
アラームの取得経路上の通信不良を検知する検知段階と、
通信不良が検知された場合に、通信不良に応じたインジケータ画像を前記表示エリア内に表示する不良表示段階と、
をさらに備える請求項1から10のいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項12】
表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択部と、
前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御部と、
を備え
前記表示制御部は、選択された前記インジケータ画像を透かし画像として表示する表示制御装置。
【請求項13】
表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択部と、
前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御部と、
前記表示エリアに対して複数の前記表示属性を設定する属性設定部と、
を備え
前記表示制御部は、前記表示エリアに、当該表示エリアの前記複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示する表示制御装置。
【請求項14】
各表示エリアに対して表示属性を設定する属性設定部と、
複数の表示エリアのそれぞれに設定された前記表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する選択部と、
前記複数の表示エリア内それぞれに、プラント内で発生したアラームのうち当該表示エリアの前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、当該表示エリアに対して選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御部と、 を備え
前記属性設定部は、前記複数の表示エリアのうち少なくとも一部の表示エリアそれぞれに対して複数の前記表示属性を設定し、
前記表示制御部は、前記少なくとも一部の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの前記複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示する表示制御装置。
【請求項15】
コンピュータを、
表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択部と、
前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御部、
として機能させ
前記表示制御部は、選択された前記インジケータ画像を透かし画像として表示するプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択部と、
前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御部と、
前記表示エリアに対して複数の前記表示属性を設定する属性設定部、
として機能させ、
前記表示制御部は、前記表示エリアに、当該表示エリアの前記複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示するプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
各表示エリアに対して表示属性を設定する属性設定部と、
複数の表示エリアのそれぞれに設定された前記表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する選択部と、
前記複数の表示エリア内それぞれに、プラント内で発生したアラームのうち当該表示エリアの前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、当該表示エリアに対して選択された前記インジケータ画像を一括して表示する表示制御部、
として機能させ
前記属性設定部は、前記複数の表示エリアのうち少なくとも一部の表示エリアそれぞれに対して複数の前記表示属性を設定し、
前記表示制御部は、前記少なくとも一部の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの前記複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御方法、表示制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラント内で生じる様々なアラームを表示する場合には、表示エリアを画定する枠上に設けられたタイトルバーにアラームの属性などを文字列で表示している(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1 高橋利明、"生産制御システムを中心とした統合制御ソリューションの提供"、[online]、平成19年11月、横河電気株式会社、[平成31年4月15日検索]、インターネット<URL: https://partner.yokogawa.com/japan/dcs/pdf/keiso/dcs-keiso-2007_11ja.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、タイトルバーは表示面積が小さく、表示エリアの外部に位置するため、アラームの属性を把握しにくい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、表示制御方法が提供される。表示制御方法は、表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択段階を備えてよい。表示制御方法は、表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択されたインジケータ画像を一括して表示する表示制御段階を備えてよい。
【0005】
表示制御段階は、選択されたインジケータ画像を透かし画像として表示する段階を有してよい。
【0006】
表示制御方法は、表示エリアに対して複数の表示属性を設定する属性設定段階を備えてよい。表示制御段階は、表示エリアに、当該表示エリアの複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示する段階を有してよい。
【0007】
選択段階は、表示エリアに対し、当該表示エリアに設定された複数の表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する段階を有してよい。表示制御段階は、表示エリアに対して選択された複数のインジケータ画像を、それぞれ表示エリア内に一括して表示する段階を有してよい。
【0008】
選択段階は、表示エリアを含む複数の表示エリアのそれぞれの表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する段階を有してよい。表示制御段階は、複数の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、当該表示エリアに対して選択されたインジケータ画像を表示する段階を有してよい。
【0009】
表示制御方法は、各表示エリアに対して表示属性を設定する属性設定段階を備えてよい。
【0010】
属性設定段階は、複数の表示エリアのうち少なくとも一部の表示エリアそれぞれに対して複数の表示属性を設定する段階を有してよい。表示制御段階は、少なくとも一部の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示する段階を有してよい。
【0011】
選択段階は、少なくとも一部の表示エリアのそれぞれに対し、当該表示エリアに設定された複数の表示属性に応じたインジケータ画像をそれぞれ選択する段階を有してよい。表示制御段階は、少なくとも一部の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアに対して選択された複数のインジケータ画像を、それぞれ一括して表示する段階を有してよい。
【0012】
属性設定段階は、複数の表示エリアのうち2つ以上の表示エリアそれぞれに対して共通の表示属性を設定する段階を有してよい。
【0013】
表示制御段階は、2つ以上の表示エリア内それぞれに、当該表示エリアの各表示属性のうち、固有の表示属性に応じた各インジケータ画像を一括して表示する段階を有してよい。
【0014】
表示制御段階は、2つ以上の表示エリアそれぞれとは別領域に、共通の表示属性を表示する段階を有してよい。
【0015】
属性設定段階は、ユーザ操作に応じて2つ以上の表示エリアそれぞれに対して共通の表示属性を一括して設定する段階を有してよい。
【0016】
属性設定段階は、ユーザ操作に応じ、2つ以上の表示エリアに対して表示属性を個別に設定するか、一括して設定するかを選択する段階を有してよい。
【0017】
表示制御方法は、プラント内で発生したアラームを取得する取得段階を備えてよい。表示制御方法は、アラームの取得経路上の通信不良を検知する検知段階を備えてよい。表示制御方法は、通信不良が検知された場合に、通信不良に応じたインジケータ画像を表示エリア内に表示する不良表示段階を備えてよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、表示制御装置が提供される。表示制御装置は、表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択部を備えてよい。表示制御装置は、表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択されたインジケータ画像を一括して表示する表示制御部を備えてよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択されたインジケータ画像を一括して表示する表示制御部として機能させてよい。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係るプラント管理システム1を示す。
図2】表示制御装置25の動作を示す。
図3】表示エリア210の表示属性を設定した場合の表示画面を示す。
図4】表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図5】表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図6】表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図7】表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図8】表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図9】表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図10】表示エリア210の設定属性を設定した場合の他の表示画面を示す。
図11】通信不良が検知された場合の表示エリア210を示す。
図12】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
[1.プラント管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係るプラント管理システム1を示す。プラント管理システム1は、プラントの運転管理を行うものであり、複数のフィールド機器11と、運転制御装置13と、アラーム管理装置14と、操作監視端末2とを備える。本実施形態では一例として各フィールド機器11は、プラントにおいてプロセスが実行される現場に配置されてよい。例えば、現場には、被測定流体を流す配管及び配管に設置されて流体の流量を測定する流量計などが存在する。運転制御装置13と、アラーム管理装置14と、操作監視端末2とは、プラントにおける管理室、計器室などに配置されてよい。なお、プラントは、例えば、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、および石油や天然ガス等を採掘する井戸元における施設等を含む。
【0024】
[1−1.フィールド機器]
複数のフィールド機器11は器具、機械または装置であり、例えば、プラントのプロセスにおける圧力、温度、pH、速度、流量などの物理量を測定するセンサでもよいし、いずれかの物理量を制御するバルブ、ポンプ、ファン、モータ等のアクチュエータでもよい。複数のフィールド機器11における各フィールド機器11は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上のフィールド機器11が同種でもよい。
【0025】
フィールド機器11は、制御用ネットワーク(フィールドネットワーク、フィールドバスネットワーク)100を介して有線または無線で運転制御装置13に接続されてよい。制御用ネットワーク100内の通信はアナログ通信やデジタル通信でもよいし、アナログ信号(4〜20mA信号等)にデジタル信号を重畳したハイブリッド通信でもよい。制御用ネットワーク100内の通信は、例えばISA(International Society of Automation:国際計測制御学会)の無線通信プロトコルで行われてよく、一例としてISA100、HART(Highway Addressable Remote Transducer)(登録商標)、BRAIN(登録商標)、FOUNDATION Fieldbus、PROFIBUS等で行われてよい。フィールド機器11は固有の識別情報(機器固有情報とも称する)を有してよい。
【0026】
[1−2.運転制御装置]
運転制御装置13は、各フィールド機器11と通信してプロセスを制御する。例えば、運転制御装置13は、センサであるフィールド機器11からプロセス値を取得し、アクチュエータであるフィールド機器11を駆動させる。運転制御装置13は、プロセス値を操作監視端末2に供給し、操作監視端末2からプロセス値の目標値を受信してよい。なお、本実施形態では一例としてプラント管理システム1には運転制御装置13が1つ具備されて全てのフィールド機器11を制御することとして説明するが、運転制御装置13が複数具備されて、それぞれ一部のフィールド機器11を分散制御してもよい。運転制御装置13は、例えば制御コントローラ(一例として横河電機株式会社製の製品「FCS」(Field Control Station)でよい。
【0027】
運転制御装置13は、プラント内で発生したアラームを出力してよい。例えば、運転制御装置13は、フィールド機器11や、プラント管理システム1内における他の機器の異常を検知した場合に、システムアラームのメッセージを出力してよい。また、運転制御装置13は、フィールド機器11が測定したプロセス値の変動からプロセスの異常を検知した場合に、プロセスアラームのメッセージを出力してよい。
【0028】
[1−3.アラーム管理装置]
アラーム管理装置14は、アラームを管理する。例えば、アラーム管理装置14は、運転制御装置13から出力されたアラームを記憶してよい。アラーム管理装置14は、運転制御装置13に代えて、または、運転制御装置13に加えて、プラント内で発生したアラームを生成してもよい。アラーム管理装置14は、当該アラーム管理装置14に接続される機器(一例として操作監視端末2)やそのオペレータの認証等を行って、内部に記憶したアラーム情報にアクセスする権限の有無を判断してもよい。
【0029】
ここで、アラーム管理装置14に記憶される各アラームには、各種の詳細情報(アラームの属性とも称する)が含まれるか、或いは、対応付けられてよい。アラームの詳細情報は、運転制御装置13によって生成されてもよいし、操作監視端末2によって生成されてもよいし、アラーム管理装置14によって生成されてもよい。また、アラームの詳細情報は、運転制御装置13によって生成された後、操作監視端末2やアラーム管理装置14によって修正されてもよい。
【0030】
例えば、アラームの詳細情報は、アラームの種別(本実施形態では一例としてシステムアラームおよびプロセスアラームの何れであるか)、アラームの用途(一例として運転(制御)や保守)、当該アラームを発生させた機器の機器固有情報、当該機器の型番、発生場所に関する情報(一例として当該アラームを発生させた機器の機器固有情報、発生セクション(発生エリアとも称する))、発生時刻、および、その他の状態の少なくとも1つであってよい。その他の情報は、例えば発生したアラームが対応済みであるか否か、対応が棚上げ(保留、シェルビングとも称する)されているか否か、および、表示を抑制(アラームサプレッションとも称する)されているか否かの少なくとも1つであってよい。アラームの詳細情報には、通信不良や機器の故障を示す情報が含まれてもよい。
【0031】
本実施形態では一例として、アラームの詳細情報のうち、アラームの種別や機器固有情報、機器の型番、発生セクションおよび発生時刻は、運転制御装置13によって生成されてよい。アラームの詳細情報のうち、対応済みであるか否か、対応を棚上げされているか否か、および、表示を抑制されているか否かは、操作監視端末2によって生成されてよい。
【0032】
なお、アラーム管理装置14は、一例としてPCであってよい。アラーム管理装置14と、操作監視端末2とは、ネットワーク(制御バスネットワーク)101を介して運転制御装置13と接続されてよい。ネットワーク101は、一例としてインターネットまたは専用回線でよい。アラーム管理装置14は、図示しないファイアウォールを介して他の機器と接続されてよい。
【0033】
[1−4.操作監視端末]
操作監視端末2は、プラントに対する操作および監視を行う。操作監視端末2は、ユーザとプラントとのインタフェースを行うインタフェース装置であってよい。例えば、操作監視端末2は、ユーザによる操作に応じ、運転制御装置13を介してプロセスを制御してよい。一例として、操作監視端末2は、運転制御装置13からプロセス値を受信し、プロセス値の目標値を運転制御装置13に供給してよい。また、操作監視端末2は、運転制御装置13を介してフィールド機器11の設定パラメータの値を変更してよい。操作監視端末2は、例えばHMI端末(一例として横河電機株式会社製の製品「HIS」(Human Interface Station)でよく、PCなどで構成されてよい。操作監視端末2は、入力装置20と、表示装置21と、表示制御装置25とを備える。
【0034】
入力装置20は、ユーザから各種の入力操作を受け、対応する操作信号を出力する。本実施形態では一例として、入力装置20は、操作信号を表示制御装置25に供給してよい。
【0035】
表示装置21は、表示制御装置25からの制御信号に応じて各種の情報を表示する。例えば、表示装置21は、表示画面内にアラーム用の表示エリア210(図3参照)を表示してよい。表示エリア210は、枠よりも内側の領域であってよく、一例として、表示エリア210は、枠内に設けられる、アラームメッセージ等が表示される領域であってよい。表示エリア210は、ペインドウィンドウのウィンドウ部分、つまり枠で囲まれる部分であってもよい。ここで、枠とは境界を示すために四方を取り囲むものであってよい。表示画面内に複数の枠が存在する場合には、表示エリア210は、最も内側の枠の内側領域であってよい。同様に、表示画面内に複数の枠線が存在する場合には、表示エリア210は、最も内側の枠線で形成される枠の内側領域であってよい。枠の一部は、他の部分よりも太い線で表示されてよく、タイトルバーとして用いられてもよい。
【0036】
[1−4−1.表示制御装置]
表示制御装置25は、表示装置21の表示内容を制御する。本実施形態では一例として、表示制御装置25は、アラームの表示態様を制御してよい。表示制御装置25は、記憶部250と、表示条件設定部251と、取得抽出部252と、選択部254と、検知部255と、表示制御部256とを有する。
【0037】
記憶部250は、表示エリア210に設定され得る(表示エリア210に表示されるアラームの属性に対応した)各表示属性と、当該表示属性を示すインジケータ画像211(図3等参照)とを対応付けて記憶する。表示エリア210の表示属性は、当該表示エリア210に表示されるアラームの属性であってよい。
【0038】
ここで、表示属性は、アラームの詳細情報(属性)に含まれる一部の属性の内容を特定してよい。一例として、表示属性は、アラームの種別の属性をシステムアラームに特定してもよいし、対応を棚上げされているか否かの属性を棚上げされていることに特定してもよいし、発生時刻の属性を特定の時間帯に特定してもよい。表示属性は、操作監視端末2や、操作監視端末2に外部接続された他の機器においてユーザにより任意に定義されて記憶部250に記憶されてよい。
【0039】
インジケータ画像211は、アラームの属性を表すシンボルマークであってもよいし、属性の内容を示すテキストを図形化したものであってもよい。インジケータ画像211は、デフォルトで記憶部250に記憶されてもよいし、ユーザによって作成されて記憶部250に記憶されてもよい。記憶部250内における表示属性と、インジケータ画像211との対応関係はユーザによって任意に変更されてよい。
【0040】
表示条件設定部251は、アラームの表示条件を設定する。表示条件設定部251は、入力装置20からの操作信号に応じて表示条件を設定してよい。表示条件設定部251は、位置・サイズ設定部2511と、属性設定部2512とを有してよい。
【0041】
位置・サイズ設定部2511は、表示エリア210の個数、表示位置および表示サイズの少なくとも1つを設定する。位置・サイズ設定部2511は、表示エリア210についての設定内容を表示制御部256に供給してよい。
【0042】
属性設定部2512は、各表示エリア210に対し、表示すべきアラームの属性、つまり表示属性を設定する。位置・サイズ設定部2511によって表示画面内に複数の表示エリア210が設定されている場合には、属性設定部2512は、表示エリア210ごとに表示属性を設定する。属性設定部2512は、記憶部250内の属性を選択することで表示属性を設定してよい。属性設定部2512は、表示属性の内容を表示制御部256に供給してよい。
【0043】
取得抽出部252は、プラント内で発生したアラームを取得して、表示エリア210の表示属性に応じた各アラームを抽出する。取得抽出部252は、アラーム管理装置14からアラームを取得し、抽出したアラームを表示制御部256に供給してよい。位置・サイズ設定部2511によって複数の表示エリア210が表示画面内に設定されている場合には、取得抽出部252は、表示エリア210ごとに、当該表示エリア210の表示属性に応じた各アラームを抽出して表示制御部256に供給してよい。なお、本実施形態では一例として、取得抽出部252は、ネットワーク101を介してアラーム管理装置14からアラームを取得することとして説明するが、アラーム管理装置14と操作監視端末2とがネットワーク101を介さずに直接接続される場合には、ネットワーク101を経由せずに直接アラーム管理装置14からアラームを取得してもよい。
【0044】
選択部254は、記憶部250に記憶された複数のインジケータ画像211から、表示エリア210に設定された表示属性に応じたインジケータ画像211を選択する。選択部254は、選択したインジケータ画像211を表示制御部256に供給してよい。位置・サイズ設定部2511によって複数の表示エリア210が表示画面内に設定されている場合には、選択部254は、表示エリア210ごとにインジケータ画像211を選択して表示制御部256に供給してよい。つまり、選択部254は、複数の表示エリア210のそれぞれの表示属性に対応するインジケータ画像211をそれぞれ選択して、表示制御部256に供給してよい。
【0045】
検知部255は、アラームの取得経路上の通信不良を検知する。本実施形態では一例として、アラームは運転制御装置13から出力され、ネットワーク101およびアラーム管理装置14を介して表示制御装置25に取得されるため、この取得経路上の通信不良を検知部255が検知してよい。取得抽出部252がアラームをネットワーク101を介さずにアラーム管理装置14から直接取得する場合には、検知部255は、アラーム管理装置14と取得抽出部252との間の経路上の通信不良も検知してよい。検知部255は、通信不良が検知された場合に、検知信号を表示制御部256に供給してよい。
【0046】
表示制御部256は、表示エリア210内に、プラント内で発生したアラームのうち表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、表示属性に応じたインジケータ画像211を一括して表示する。アラームを表示するとは、アラームの内容を示す文字や数字を表示することであってよい。また、表示属性に応じたインジケータ画像211を一括して表示するとは、各アラームに対して個別にはインジケータ画像211を表示せずに、各アラームの全体に対応付けてインジケータ画像211を纏めて表示することであってよく、一例として各アラームの全体に対して単一のインジケータ画像211を表示することであってよい。
【0047】
表示制御部256は、取得抽出部252によって抽出されたアラームを表示エリア210内に表示してよい。また、表示制御部256は、選択部254によって選択されたインジケータ画像211を表示エリア210内に表示してよい。位置・サイズ設定部2511によって複数の表示エリア210が設定されている場合には、表示制御部256は、複数の表示エリア210内それぞれに、当該表示エリア210の表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、当該表示エリア210に対して選択されたインジケータ画像211を一括して表示してよい。
【0048】
以上の表示制御装置25によれば、表示エリア210内に、表示属性に応じた各アラームが表示され、表示属性に応じたインジケータ画像211が一括して表示されるので、表示属性の内容が表示エリア210外に表示される場合と異なり、表示属性の確認のために表示エリア210外まで視線を動かす必要がない。また、枠上に表示属性の内容を表示する場合と比較して、属性の表示サイズを大きくすることができる。従って、表示されるアラームの属性を把握しやすくすることができる。
【0049】
また、複数の表示エリア210内のそれぞれに、当該表示エリア210の表示属性に応じた各アラームが表示され、当該表示属性に応じたインジケータ画像211が一括して表示されるので、複数の表示エリア210のそれぞれについて、表示されるアラームの属性を把握しやすくすることができる。
【0050】
また、各表示エリア210に対して表示属性が設定されるので、表示されるアラームの属性を任意の属性にすることができる。
【0051】
[2.表示制御装置25の動作]
図2は、表示制御装置25の動作を示す。表示制御装置25は、ステップS11〜S31の処理を行うことにより表示装置21にアラームを表示させる。
【0052】
ステップS11において表示条件設定部251の位置・サイズ設定部2511は、1または複数の表示エリア210のそれぞれについて、表示画面内での位置および大きさを設定する。位置・サイズ設定部2511は各表示エリア210の位置および大きさを、入力装置20からの操作信号に応じて設定してもよいし、デフォルトの設定内容に応じて設定してもよいし、前回の動作時に記憶した設定内容に応じて設定してもよい。操作監視端末2が複数のユーザによって使用される場合には、位置・サイズ設定部2511は、ログインしたアカウントによる前回の動作時に記憶した設定内容に応じて、各表示エリア210の位置および大きさを設定してもよい。なお、表示画面内に複数の表示エリア210が設定される場合には、表示エリア210の間で大きさが異なっていてもよい。
【0053】
ステップS13において表示条件設定部251の属性設定部2512は、各表示エリア210に対して表示属性を設定する。属性設定部2512は各表示エリア210の表示属性を、入力装置20からの操作信号に応じて設定してもよいし、デフォルトの設定内容に応じて設定してもよいし、前回の動作時に記憶した設定内容に応じて設定してもよい。操作監視端末2が複数のユーザによって使用される場合には、属性設定部2512は、ログインしたアカウントによる前回の動作時に記憶した設定内容に応じて表示属性を設定してもよい。表示属性が操作信号によって設定される場合には、表示装置21の表示画面には各表示エリア210に対応付けて属性の設定領域が設けられてよく、当該設定領域に対する操作信号により表示属性が設定されてよい。
【0054】
属性設定部2512は、表示画面に表示される単一の表示エリア210に対して、または、表示画面に表示される複数の表示エリア210のうち少なくとも一部の表示エリア210のそれぞれに対して、複数の表示属性を設定してよい。一例として、属性設定部2512は、一の表示エリア210に対する表示属性として、システムアラームであるという属性と、プラント内の特定のセクションで発生したという属性との2つの表示属性を設定してよい。
【0055】
また、属性設定部2512は、2つ以上の表示エリア210のそれぞれに対し、共通の表示属性を設定してよい。この場合、属性設定部2512は、ユーザによる操作に応じて(本実施形態では一例として入力装置20からの操作信号に応じて)、これらの表示エリア210に対して共通の表示属性を一括して設定してよい。一例として、属性設定部2512は、ユーザによる操作に応じて、2つ以上の表示エリア210に対して表示属性を個別に設定するか、一括して設定するかを選択してよい。属性設定部2512は、表示属性の個別設定および一括設定の何れか一方が他方よりも頻繁に利用されている場合には、ユーザから切り替え操作が行われない限り、当該一方の設定手法をデフォルトで選択してもよい。属性設定部2512は、表示属性を一括して設定するよう選択した場合には、ユーザによる操作に応じて設定対象の表示エリア210を選択するか、或いは表示画面内の表示エリア210を全選択し、選択された各表示エリア210に対して一括して共通の表示属性を設定してよい。
【0056】
なお、共通の表示属性が設定される表示エリア210は、表示属性が複数設定される表示エリア210と同じであってもよいし、異なっていてもよい。一例として、表示画面に表示される全ての表示エリア210に共通の表示属性と、固有の表示属性とがそれぞれ設定されてもよい。
【0057】
ステップS15において検知部255は、アラームの取得経路上に通信不良が生じているか否かを判定する。例えば、検知部255は、運転制御装置13から表示制御装置25までのアラームの取得経路上の通信状態を監視して、通信不良の有無を判定してよい。一例として、検知部255は、プラント内の機器間で通信が行われているかを定期的に監視し、通信が行われていない場合に通信不良と判定してよい。
【0058】
なお、通信不良が生じた場合には、そのアラームが運転制御装置13で生成されてよい。例えば、運転制御装置13は、制御用ネットワーク100に接続された各機器(一例としてフィールド機器11)が夫々生成するライブ信号のリスト、つまり各機器の生死状況を示すリストを逐次更新してよい。運転制御装置13は、通信しなかった機器、いわば死んだ機器がリスト内に存在する場合には、その旨のアラームを生成し、アラーム管理装置14に送信してよい。
【0059】
表示制御装置25は、通信不良が検知された場合(ステップS15;Yes)にはステップS31に処理を移行し、通信不良が検知されない場合(ステップS15;No)にはステップS17に処理を移行してよい。
【0060】
ステップS17において取得抽出部252は、プラント内で発生したアラームをアラーム管理装置14から取得して、各表示エリア210の表示属性に応じたアラームをそれぞれ抽出する。複数の表示属性が設定されている表示エリア210がある場合には、取得抽出部252は、それらの表示エリア210については、当該表示エリア210の複数の表示属性の全てに応じた各アラームを抽出する。一例として、一の表示エリア210に対する表示属性として、システムアラームであるという属性と、特定のセクションで発生したという属性との2つの表示属性が設定されている場合には、当該表示エリア210に対し取得抽出部252は、システムアラームであり、かつ、特定のセクションで発生した各アラームを抽出する。
【0061】
ステップS19において選択部254は、記憶部250に記憶された複数のインジケータ画像211から、表示エリア210ごとに、その表示属性に応じたインジケータ画像211を選択する。複数の表示属性が設定されている表示エリア210がある場合には、選択部254は、当該表示エリア210に対し、当該表示エリア210に設定された複数の表示属性に応じたインジケータ画像211をそれぞれ選択する。
【0062】
ステップS21において表示制御部256は、各表示エリア210内に、当該表示エリア210の表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、当該表示属性に応じたインジケータ画像211を一括して表示する。
【0063】
表示制御部256は、各表示エリア210内に、プラント内で発生した複数のアラームのうち、当該表示エリア210の表示属性に応じたアラームのみを表示してよい。この場合には、アラームを属性で絞り込んで表示することができるため、所望の属性のアラームを容易に把握することができる。これに代えて、表示制御部256は、各表示エリア210内に、当該表示エリア210sの表示属性以外のアラームも含めて、プラント内で発生した複数のアラームを表示し、当該表示エリア210の表示属性に応じたアラームを識別表示してもよい。この場合には、表示属性に応じたアラームと、他のアラームとの関係を容易に把握することができる。なお、識別表示は、文字の太さ、下線の有無、傍点の有無、網掛けの有無、および、文字色などの少なくとも1つを変更することで行われてよい。
【0064】
複数の表示属性が設定されている表示エリア210がある場合には、表示制御部256は、当該表示エリア210内に、当該表示エリア210の複数の表示属性の全てに応じた各アラームを表示するとともに、当該表示属性に応じたインジケータ画像211をそれぞれ一括して表示する。例えば2つの表示属性が表示エリア210に設定されている場合には、表示制御部256は、当該表示エリア210内に、一方の表示属性に応じたインジケータ画像211を一括して表示し、他方の表示属性に応じたインジケータ画像211を一括して表示する。一例として、表示制御部256は、1つの表示エリア210内に複数のインジケータ画像211を並べて表示してよい。2つの表示属性の全てに応じたアラームを識別表示する場合には、表示制御部256は、表示エリア210内で一方の表示属性に応じたアラームを太字で表示し、他方の表示属性に応じたアラームを下線を付して表示するなど、各設定情報に応じたアラームを別々の態様で識別表示してよい。
【0065】
2つ以上の表示エリア210に共通の表示属性が設定されており、さらに固有の表示属性、つまり表示エリア210間で異なる表示属性が設定されている場合には、表示制御部256は、これらの表示エリア210内それぞれに、当該表示エリア210の各表示属性のうち、少なくとも固有の表示属性に応じた各インジケータ画像211を一括して表示してよい。表示制御部256は、これらの表示エリア210内それぞれに共通の表示属性も併せて表示してよい。
【0066】
表示制御部256は、選択されたインジケータ画像211を透かし画像として表示してよい。透かし画像とは可視的なウォーターマークであってよく、アラームと重ねて表示されてよい。なお、表示エリア210内のアラームがスクロールされる場合には、インジケータ画像211はアラームに追従せず同じ位置に表示されてよい。
【0067】
なお、表示エリア210にアラームが表示された状態においては、操作監視端末2に対するユーザ操作に応じて1または複数のアラームの詳細情報が修正されてよい。例えば、操作監視端末2は、一のアラームの詳細情報を、当該アラームが棚上げされている、表示を抑制されている、または、対応済みであるという内容に修正してよい。
【0068】
ステップS23において表示条件設定部251の位置・サイズ設定部2511は、表示エリア210の個数、位置およびサイズの少なくとも1つの変更を指示する操作信号が入力されたか否かを判定する。位置・サイズ設定部2511は、操作信号が入力されたと判定した場合(ステップS23;Yes)には処理を上述のステップS11に移行し、操作信号が入力されないと判定した場合(ステップS23;No)には処理をステップS27に移行する。
【0069】
なお、表示エリア210を変更する操作信号が入力されてステップS11の処理が行われる場合には、位置・サイズ設定部2511は、操作信号に応じて表示エリア210の個数、位置およびサイズの少なくとも1つを変更する。
【0070】
一例として、ステップS11において位置・サイズ設定部2511は、表示画面内の表示エリア210の個数を増減させてよい。この場合、次のステップS13において属性設定部2512は、表示エリア210が減らされた場合には属性の設定を行わなくてよく、表示エリア210が増やされた場合には、増やされた表示エリア210に対して少なくとも1つの表示属性を設定してよい。
【0071】
また、ステップS11において位置・サイズ設定部2511は、表示エリア210の大きさを変更してよい。この場合、後のステップS21において表示制御部256は、表示エリア210の大きさに合わせてインジケータ画像の大きさと、位置との少なくとも1つを変更してよい。一例として、表示エリア210が縮小されてインジケータ画像が表示エリア210内に収まらなくなる場合には、表示制御部256は当該インジケータ画像を縮小して表示してよい。
【0072】
ステップS27において表示条件設定部251の属性設定部2512は、いずれかの表示エリア210の表示属性の変更を指示する操作信号が入力されたか否かを判定する。例えば、属性設定部2512は、表示エリア210や、表示属性の設定領域に対する特定の操作信号に応じて、表示属性の変更を指示する操作信号が入力されたと判定してよい。また、属性設定部2512は、表示属性に該当するアイコン等の選択や、表示属性の入力フィールド(図示せず)等への入力に応じて、表示属性の変更が指示されたと判定してよい属性設定部2512は、操作信号が入力されないと判定した場合(ステップS27;No)には処理をステップS15に移行し、操作信号が入力されたと判定した場合(ステップS27;Yes)には処理をステップS13に移行する。
【0073】
なお、表示属性を変更する操作信号が入力されてステップS13の処理が行われる場合には、属性設定部2512は、操作信号に応じて何れかの表示エリア210の表示属性を変更する。一例として、属性設定部2512は、何れかの表示エリア210に対し、設定済みの表示属性を削除または変更してもよいし、新たな表示属性を追加してもよい。
【0074】
そして、通信不良が検知された場合(ステップS15;Yes)のステップS31において表示制御部256は、通信不良に応じたインジケータ画像211を表示エリア210内に表示して、上述のステップS15(またはステップS11)に処理を移行する。表示画面に複数の表示エリア210が設定されている場合には、表示制御部256は各表示エリア210に通信不良のインジケータ画像211を表示してよい。表示制御部256は、ステップS17が前回行われたときに取得・抽出したアラームを表示エリア210に引き続き表示してもよい。この場合には、表示制御部256は、表示されるアラームを通信不良ではない正常時よりも薄い色で表示してよい。つまり、表示制御部256は、アラーム情報は表示しつつも、その文字等を淡く(薄い色で)表示することで、システムにおける通信が途絶えていること、操作指示を行っても変更が効かない状態であることを示してもよい。
【0075】
以上の動作によれば、インジケータ画像211を透かし画像として表示するので、アラームとインジケータ画像211とを重ねて表示することができる。従って、表示エリア210のアラーム表示のために利用可能な領域を狭めることなく、表示されるアラームの属性を把握しやすくすることができる。
【0076】
また、表示画面に表示される1または複数の表示エリア210のうち少なくとも一部の表示エリア210内では、複数の表示属性の全てに応じた各アラームが表示されるので、表示属性が1つのみ設定される場合と比較して、表示されるアラームを絞り込むことができる。従って、所望の属性のアラームを容易に検出することができる。
【0077】
また、複数の表示属性が設定された表示エリア210内では、当該表示エリア210の表示属性に応じた複数のインジケータ画像211が表示されるので、表示されるアラームを絞り込む場合であっても、表示エリア210のアラーム表示のために利用可能な領域を狭めることなく、表示されるアラームの属性を把握しやすくすることができる。
【0078】
また、2つ以上の表示エリア210それぞれに対して共通の表示属性が設定された場合には、表示されるアラームを共通の表示属性で一様に絞り込んだ上で、固有の表示属性でさらに絞り込むことができる。
【0079】
また、共通の表示属性が設定された表示エリア210それぞれに、当該表示エリア210の各表示属性のうち固有の表示属性に応じた各インジケータ画像211が表示されるので、複数の表示属性が設定される場合であっても、複数の表示エリア210の間での表示属性の共通点、差異点を明確化することができる。
【0080】
また、2つ以上の表示エリア210それぞれに対して共通の表示属性を一括して設定するので、共通の表示属性を各表示エリア210に対して個別に設定する場合と比較して、設定を容易化することができる。
【0081】
また、2つ以上の表示エリア210に対して表示属性を個別に設定するか、一括して設定するかが選択されるので、属性の設定を容易化することができる。
【0082】
また、通信不良が検知された場合に、通信不良に応じたインジケータ画像211が表示エリア210内に表示されるので、通信不良が表示画面内のうち表示エリア210外で報知される場合や通信不良が表示画面内で報知されない場合と異なり、通信不良の発生を明確かつ直感的に(即座に)把握することができる。
【0083】
なお、上述のステップS21において表示制御部256は、共通の表示属性を各表示エリア210に表示することとして説明したが、表示エリア210とは別領域に表示してもよい。この場合には、表示制御部256は、共通の表示属性をインジケータ画像211として表示してもよいし、表示属性の内容を示すテキストとして表示してもよい。表示制御部256は、共通の表示属性が設定された表示エリア210と、共通の表示属性とを対応付けて表示してよい。一例として、表示制御部256は、これらの表示エリア210を画定する枠と、共通の表示属性のインジケータ画像211、当該属性の内容を示すテキスト、または、それら(インジケータ画像211やテキスト)の表示エリアを画定する枠とを同色で表示してよい。表示制御部256は、全ての表示エリア210に共通の表示属性を示す共通属性ウィンドウW1(図10参照)を表示エリア210とは別領域に表示してもよい。以上のように共通の表示属性が表示エリア210の別領域に表示される場合には、表示エリア210内に表示されるインジケータ画像を減らして視認性を向上させることができる。なお、表示制御部256は、画面上での各表示エリア210の表示位置(配置)と固有の表示属性との対応マップ、つまり、どの位置に表示された表示エリア210にどの表示属性が対応しているかを表すマップを示す固有属性ウィンドウW2(図10参照)をさらに表示してもよい。
【0084】
[3.表示例]
図3は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の表示画面を示す。本図では一例として、表示属性を設定するための設定エリア215が表示画面の左側に設けられており、アラームの表示エリア210が表示画面の右側に設けられている。
【0085】
設定エリア215には、表示属性を絞り込むための複数のタブTが表示されており、本実施形態では一例として、表示属性を絞り込むべく表示属性の全体を表示するための「アラーム」のタブTと、棚上げされたアラームの表示属性を表示するための「シェルフ」のタブTと、表示を抑制されたアラームの表示属性を表示するための「抑制」のタブTとが表示されている。また、「アラーム」のタブTが選択された状態では、表示属性の全体が階層化して表示されており、本実施形態では一例として、「SIS」(安全システム)に関するアラームのうちプロセスアラームであるという表示属性が選択されている。そして、表示エリア210には、この表示属性に応じたアラームが表示され、当該表示属性に応じたインジケータ画像211が表示されている。なお、本図や後述の図4図10などでは、簡略化のため、アラーム内容を示す文字や数字を「*」で示している。表示属性の選択後には、設定エリア215は縮小化して表示されてよい。
【0086】
図4は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では一例として、設定エリア215において「シェルフ」のタブTが選択されており、棚上げされたアラームのうち「シェルフグループ1」として分類されているという表示属性が選択されている。また、表示エリア210には、この表示属性に応じたアラームが表示され、当該表示属性に応じたインジケータ画像211が表示されている。図の例の場合は、各シェルフグループに共通したシェルフ(棚上げ)のインジケータ画像211が表示されている。なお、「シェルフグループ1」,「シェルフグループ2」のインジケータ画像211として各シェルフグループに共通のシェルフのインジケータ画像211を表示する代わりに、「シェルフグループ1」、「シェルフグループ2」に固有のインジケータ画像211を表示してもよい。
【0087】
図5は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では一例として、設定エリア215において「抑制」のタブTが選択されており、表示を抑制されたアラームのうち「抑制グループ1」として分類されているという表示属性が選択されている。また、表示エリア210には、この表示属性に応じたアラームが表示され、当該表示属性に応じたインジケータ画像211(一例として各抑制グループに共通のインジケータ画像211)が表示されている。
【0088】
図6は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では一例として、設定エリア215にツールボタンの一覧が表示されており、対応済みの過去のアラーム(ヒストリカルデータ)であるという表示属性が選択されている。また、表示エリア210には、この表示属性に応じたアラームが表示され、当該表示属性に応じたインジケータ画像211が表示されている。
【0089】
図7は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では一例として、表示画面に4つの表示エリア210が設けられており、各表示エリア210には表示属性に応じたアラームとインジケータ画像211とが表示されている。
【0090】
図8は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では一例として、表示画面内に1つの表示エリア210が設けられており、表示属性を設定するための2つの設定エリア216が表示エリア210の上側に設けられている。このうち図中、左側の設定エリア216では、各属性のシンボルマークから、システムエラーのシンボルマーク(本図では丸のマーク)が選択されることで、システムエラーであるという表示属性が設定されている。また、図中、右側の設定エリア216では、発生セクション(そのアラームがどこで発生したのか)のシンボルマーク(本図では四角のマーク)が選択されて、さらに選択可能な属性が階層化して表示され、発生セクションが「セクション1」であるという属性が選択されている。表示エリア210には、これらの表示属性の全てに応じたアラームが表示され、これらの表示属性に応じたインジケータ画像211がそれぞれ表示されている。なお、各設定エリア216には、表示属性を削除(解除)するための削除ボタンB1や、設定エリア216をクローズ(表示解除)するためのクローズボタンB2が表示されてよい。表示属性の選択後には、設定エリア216は表示されなくてもよい。
【0091】
図9は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では一例として、表示画面内に3つの表示エリア210が設けられている。これらの表示エリア210に対し、システムエラーであるという属性が共通の表示属性として設定されており、(当該システムエラーに関するアラームの)発生セクションが「セクション1」〜「セクション3」であるという属性が固有の表示属性として設定されている。そして、各表示エリア210には、これらの表示属性の全てに応じたアラームが表示され、これらの表示属性に応じたインジケータ画像211がそれぞれ表示されている。
【0092】
図10は、表示エリア210の表示属性を設定した場合の他の表示画面を示す。本図では図9と異なり、各表示エリア210には、「セクション1」〜「セクション3」であるという固有の表示属性に応じたインジケータ画像211がそれぞれ表示されている。また、表示画面内のうち表示エリア210の外部には、システムエラーであるという共通の設定属性を示す共通属性ウィンドウW1、および、発生セクションが「セクション1」〜「セクション3」であるという固有の表示属性と、画面上での該当の表示エリア210の位置との対応マップを示す固有属性ウィンドウW2が設けられている。
【0093】
なお、固有属性ウィンドウW2によれば、固有の表示属性の内容をマップで確認できるため、固有の表示属性に応じたインジケータ画像211を簡略化してもよい。一例として、発生セクションが「セクション1」であるという属性のインジケータ画像211は、四角マーク内に「1」のみを示してもよい。
【0094】
また、共通属性ウィンドウW1および固有属性ウィンドウW2は表示属性を変更する場合に用いられてもよい。例えば、ユーザが共通属性ウィンドウW1,固有属性ウィンドウW2内で何れかの表示エリア210に対して表示属性を指定することで、対応する表示エリア210の表示属性が設定されてよい。一例として、共通属性ウィンドウW1内で表示属性を変更することで、共通の表示属性が一括して変更されてよい。また、固有属性ウィンドウW2内で表示属性を変更することで、該当の表示エリア210の固有の表示属性が個別に変更されてよい。
【0095】
ここで、1つの表示エリア210のみが表示されている状態から表示エリア210の追加操作が行われた場合には、固有属性ウィンドウW2が表示エリア210外に表示されてよく、ユーザが当該固有属性ウィンドウW2内で表示属性を指定することで、該当の表示エリア210の固有の表示属性が設定されてよい。また、表示エリア210が追加される場合には、追加された表示エリア210に対し、元から存在していた表示エリア210の表示属性(一例としてシステムエラーであるという属性)が共通の表示属性として設定されてよく、表示エリア210の別領域には、共通属性ウィンドウW1が表示されてよい。
【0096】
図11は、通信不良が検知された場合の表示エリア210を示す。本図では、表示エリア210内にアラームが表示されず、通信不良に応じたインジケータ画像211が表示されている。
【0097】
[4.変形例]
なお、上記の実施形態においては、表示制御装置25が記憶部250と、表示条件設定部251と、取得抽出部252と、検知部255とを有することとして説明したが、これらの少なくとも1つを有しないこととしても良い。例えば表示制御装置25が記憶部250を有さずに、記憶部250は外部メモリとして表示制御装置25とは別個に設けられ、表示制御装置25と接続されてもよい。また、表示制御装置25は表示条件設定部251を有さずに、デフォルトの表示条件のみで表示を行ってもよい。また、表示制御装置25は取得抽出部252を有さなくてもよい。この場合には、アラーム管理装置14に取得抽出部252が具備されてよく、表示制御装置25は、各表示エリア210の表示属性をアラーム管理装置14に供給することで、当該表示属性に応じて抽出されたアラームをアラーム管理装置14から取得してもよい。
【0098】
また、アラームは運転制御装置13から出力されることとして説明したが、フィールド機器11から出力されてもよい。フィールド機器11がアラームを出力する場合には、取得抽出部252はアラームをフィールド機器11から取得してもよい。また、取得抽出部252はプラント内で発生したアラームをアラーム管理装置14から取得することとして説明したが、運転制御装置13から取得してもよい。これらの場合、アラーム管理装置14は操作監視端末2に内蔵されてもよい。検知部255は、取得抽出部252によるアラームの取得経路上の通信不良を検出してよい。また、検知部255は、運転制御装置13との通信不良を検出してよい。
【0099】
また、表示制御装置25を入力装置20や表示装置21、運転制御装置13、アラーム管理装置14と別個の装置として説明したが、これらの少なくとも一部と一体の装置としてもよい。一例として、表示制御装置25は、アラーム管理装置14に内蔵されて処理結果を表示装置21に表示させてよい。
【0100】
また、インジケータ画像211を透かし画像としてアラームと重ねて表示することとして説明したが、透かし画像とはせずに、アラームと重ならないように表示エリア210内に表示してもよい。
【0101】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0102】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0103】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0105】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0106】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0107】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0108】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0109】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0110】
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0111】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0112】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0113】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0114】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0115】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0116】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0117】
1 プラント管理システム、 2 操作監視端末、 11 フィールド機器、 13 運転制御装置、 14 アラーム管理装置、 20 入力装置、 21 表示装置、 25 表示制御装置、 100 制御用ネットワーク、 101 ネットワーク、 210 表示エリア、 211 インジケータ画像、 215 設定エリア、 216 設定エリア、 250 記憶部、 251 表示条件設定部、 252 取得抽出部、 254 選択部、 255 検知部、 256 表示制御部、 2200 コンピュータ、 2201 DVD−ROM、 2210 ホストコントローラ、 2212 CPU、 2214 RAM、 2216 グラフィックコントローラ、 2218 ディスプレイデバイス、 2220 入/出力コントローラ、 2222 通信インタフェース、 2224 ハードディスクドライブ、 2226 DVD−ROMドライブ、 2230 ROM、 2240 入/出力チップ、 2242 キーボード、 2511 位置・サイズ設定部、 2512 属性設定部
【要約】
【課題】タイトルバーは表示面積が小さく、表示エリアの外部に位置するため、アラームの属性を把握しにくい。
【解決手段】表示エリアに設定された表示属性に応じたインジケータ画像を選択する選択段階と、前記表示エリア内に、プラント内で発生したアラームのうち前記表示属性に応じた各アラームを表示するとともに、選択された前記インジケータ画像を一括して共通に表示する表示制御段階と、を備える表示制御方法が提供される。
【選択図】図1
図1
図2
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図5
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図10
図11
図12